JP2005035347A - 追従走行制御方法及び追従走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な加速度センサ、ナビゲーションシステムを用いることなく、走行路の路面勾配を推定し、その推定結果に基づき、先行車に遅れることなく滑らかに坂道発進し、ドライバの意思どおりの追従走行が行えるようにする。
【解決手段】先行車に追従して自車がブレーキ圧制御で停止したときに、自車のブレーキ圧を漸減し、この漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、検出した路面勾配から走行路の路面勾配を推定し、先行車が発進したときに、推定した路面勾配に応じた発進スロットル開度特性でで自車を発進する。
【選択図】 図2
【解決手段】先行車に追従して自車がブレーキ圧制御で停止したときに、自車のブレーキ圧を漸減し、この漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、検出した路面勾配から走行路の路面勾配を推定し、先行車が発進したときに、推定した路面勾配に応じた発進スロットル開度特性でで自車を発進する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、前方の先行車に追従して自車を走行する追従走行制御方法及び追従走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、追従走行制御装置を搭載した車両(自車)は、レーザレーダ、CCDカメラ等を用いて形成された測距センサにより自車と前方の先行車との車間距離(前方車間距離)を検出し、車輪速センサにより車輪速から自車の車速(自車速)を検出し、これらの検出に基づく追従走行の電子スロットル制御、ブレーキ圧制御により、前方車間距離を一定に保つようにして先行車に追従走行する。
【0003】
また、この種の車両においては、車輪速センサだけでなく加速度センサ(Gセンサ)を搭載し、車輪速センサによって走行路の路面勾配の影響(重力加速度の影響)のない実加速度を計測し、Gセンサによって路面勾配の影響を含む加速度を計測し、両センサの加速度の差から走行路の路面勾配を推定し、この推定に基づき、走行中の加速特性を路面勾配に応じて調整することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−351864号公報 (第2−3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の追従走行制御装置を搭載した車両(自車)において、先行車の発進に基づき、走行路の路面勾配の影響を考慮することなく、規定の発進スロットル開度特性で発進加速すると、とくに坂道発進時、つぎのような問題がある。
【0006】
すなわち、図9のスルットル開度及び平坦路、登坂路(上り坂)の車速変化の特性図に示すように、先行車の発進に伴うブレーキ解除後のスロットル制御により、時刻Taに、実線aのスルットル開度がいわゆるアイドリング状態の開度から、規定の発進ロットル開度特性で大きくなり始めると、平坦路では、直ちに車輪が前進回転し始め、実線bの平坦路の車速がスロットル開度の変化に追従して立ち上がり、自車が先行車に追従して遅れなく発進するが、登坂路では、発進に平坦路より大きな駆動力を要することから、実線cの登坂路の車速が、その分遅れた時刻Tbに立ち上がり、自車の発進が平坦路での発進より、(Tb−Ta)時間遅れる。
【0007】
そのため、平坦路ではドライバの意思どおりの発進加速で先行車に遅れることなく自車が発進して追従走行するのに対して、登坂路では先行車から遅れて自車が発進し、ドライバの意思どおりの発進特性で追従走行することが困難になり、しかも、発進加速の遅れに伴い後続車と追突等するおそれもある。
【0008】
なお、下りの坂道の場合は、発進に必要な駆動力が平坦路より少なくなり、平坦路と同じ加速条件で発進加速すると、先行車に接近してスロットル開度を小さくする必要が生じ、それによって車間距離が大きくなりすぎると、再びスロットル開度を大きくしなければならず、滑らかな発進加速が行えなくなり、しかも、先行車、後続車との衝突が生じるおそれもある。
【0009】
そこで、前記公報に記載のように車両に車輪速センサだけでなくGセンサを搭載し、両センサの加速度の差から走行路の路面勾配を推定し、この推定に基づき、坂道発進時、発進スロットル開度特性(加速特性)を走行路の路面勾配に応じて調整することが考えられるが、この場合は、走行路の路面勾配の推定に高価なGセンサを要し、高価になる問題がある。
【0010】
なお、Gセンサを搭載する代わりに、いわゆるナビゲーションシステムを搭載し、その走行地点の位置情報や地図情報から走行路の路面勾配を検出(把握)することも考えられるが、この場合は、一層高価になる問題がある。
【0011】
本発明は、高価なGセンサ、ナビゲーションシステムを用いることなく、走行路の路面勾配を推定し、その推定結果に基づき、先行車に遅れることなく、しかも滑らかに、坂道発進してドライバの意思どおりの特性で先行車に追従走行することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の追従走行制御方法は、先行車に追従して自車がブレーキ圧制御で停止したときに、自車のブレーキ圧を漸減し、該漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、前記路面勾配特性からの検出勾配によって走行路の路面勾配を推定し、前記先行車が発進したときに、前記走行路の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で自車を発進することを特徴としている(請求項1)。
【0013】
また、本発明の追従走行制御装置は、先行車に追従走行する自車のブレーキ圧制御による停止検出により、自車のブレーキ圧を漸減するブレーキ圧漸減手段と、前記漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、前記路面勾配特性からの検出勾配によって走行路の路面勾配を推定する勾配推定手段と、前記先行車が発進したときに、前記推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で自車を発進する発進スロットル制御手段とを備えたことを特徴としている(請求項5)。
【0014】
これらの構成によれば、ブレーキ圧制御で先行車に追従して自車が停止すると、自車のブレーキ圧が停止時のブレーキ圧から漸減し、このブレーキ圧の漸減によって自車が走行路の路面勾配の影響(重力加速度の影響)で動き始めたときに、そのときのブレーキ圧に対応する路面勾配が、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出され、その検出勾配が走行路の路面勾配として推定される。
【0015】
そのため、高価なGセンサやナビゲーションシステム等を搭載することなく、安価な構成で走行路である坂道の路面勾配が推定され、この推定に基づき、先行車が発進したときに、自車が、推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で先行車に遅れることなく滑らかに発進し、ドライバの意思どおりの特性で先行車に追従走行する。
【0016】
そして、坂道の上り、下りを区別して走行路の路面勾配を正確に推定するため、ブレーキ圧の路面勾配特性が、路面勾配によって自車が動き出すブレーキ圧の上り、下りの勾配方向別の特性であって、前記走行路の推定勾配を、前記ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧と、先行車と自車との前方車間距離の長短変化から検出した勾配方向とに基づき、前記ブレーキ圧の路面勾配特性から検出することが好ましく(請求項2)、ブレーキ圧の路面勾配特性が、路面勾配によって自車が動き出すブレーキ圧の上り、下りの勾配方向別の特性であって、勾配推定手段に、走行路の勾配方向を、ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときの先行車と自車との前方車間距離の長短変化から検出する勾配方向検出手段と、前記走行路の推定勾配を、前記ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧と前記勾配方向とに基づき、前記ブレーキ圧の路面勾配特性から検出する推定処理手段とを設けることが好ましい(請求項6)。
【0017】
さらに、走行路の推定した路面勾配(推定勾配)に応じた発進スロットル開度特性は、予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定することが実用的であり(請求項3)、そのため、発進スロットル制御手段に、前方車間距離の変化から先行車の発進を検出する先行車発進検出手段と、該先行車発進検出手段の発進検出により、勾配推定手段の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性を、予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定する発進特性決定手段とを設けることが好ましい(請求項7)。
【0018】
つぎに、この発明の追従走行制御方法は、ブレーキ圧を漸減する前に、自車と後続車との後方車間距離が所定の安全距離以上か否かを検出し、前記後方車間距離が前記安全距離より短いときに前記漸減を禁止することを特徴としている(請求項4)。
【0019】
また、この発明の追従走行制御装置は、ブレーキ圧を漸減する前に、自車と後続車との後方車間距離が所定の安全距離以上か否かを検出する後方確認手段と、
前記後方車間距離が前記安全距離より短いときに、前記漸減を禁止する推定制限手段とを備えたことを特徴としている(請求項8)。
【0020】
これらの構成によれば、ブレーキ圧制御で先行車に追従して自車が停止したときに、そのブレーキ圧を漸減して路面勾配を推定する前に、自車と後続車との車間距離(後方車間距離)が、前記のブレーキ圧の漸減によって自車が後方に動き出しても衝突が生じない安全距離以上か否かが判別され、後続車が接近した状態で停止しているときには、前記のブレーキ圧の漸減による路面勾配の推定を行わないようにすることができる。
【0021】
このとき、先行車との車間距離(前方車間距離)については、自車のブレーキ圧制御の停止によって、確実に安全距離以上となることから、後方車間距離の前記の確認に基づき、極めて安全に走行路の路面勾配の推定が行え、信頼性等が一層向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0023】
図1は自車1に搭載された追従走行制御装置のブロック図、図2は図1の追従走行制御のフローチャート、図3は図2の路面勾配推定処理のフロチャート、図4は図2の発進加速処理のフローチャートである。
【0024】
また、図5は自車1の前方車間距離及び後方車間距離の検出説明図であり、図6は上り坂(登坂路)の路面勾配推定の模式図、図7は下り坂の路面勾配推定の模式図、図8はブレーキ圧漸減時のブレーキ圧及び自車速の変化説明図である。
【0025】
そして、車両1の追従走行制御装置はマイクロコンピュータ構成の制御ECU2を備え、車両1のエンジンスタート後、ECU2により、自車1の車輪速センサ3、測距センサ4、スロットル開度センサ5、ブレーキ圧センサ6等の各種センサの検出信号及び各種スイッチの接点信号等を収集する。
【0026】
このとき、車輪速センサ3は、例えば車輪の1回転当たり60歯をホール素子等で検出する構成であり、その検出信号のパルス周波数から自車1の車速を検出・監視する。
【0027】
また、測距センサ4は、自車1と前方の先行車との車間距離(前方車間距離)のみを検出するときは、自車1のボンネットやフロントバンパーに取り付けられた前方測距センサ4aのみからなり、後続車との車間距離(後方車間距離)を検出して後述の後方確認も行うときは、前方測距センサ4a及び自車1のリヤバンパやリヤボディに取り付けられた後方測距センサ4bからなる。
【0028】
そして、前方測距センサ4aは、追従走行中のメートル単位の比較的長い車間距離を10センチメートル程度の分解能で検出するため、レーザレーダ、CCDカメラ等からなり、後方測距センサ4bは、1〜数メートル前後の近距離の後続車の接近の有無を検出すればよいため、いわゆるバックソナー(後方障害物検知センサ)のような超音波センサやマイクロ波センサからなる。
【0029】
さらに、スロットル開度センサ5はスロットル制御ユニット7により制御されるエンジンスロットルの開度を検出し、ブレーキ圧センサ6はブレーキ制御ユニット8により制御されるブレーキ圧を検出する。
【0030】
そして、センサ3、4a、5、6は、追従走行制御機能を有する車両が必ず備えるセンサであり、後方測距センサ4bも既設の後方障害物検知センサとしての超音波センサやマイクロ波センサを共用して形成される。
【0031】
つぎに、制御ECU2は、図2の追従走行制御プログラムを実行することにより、つぎの各手段を備える。
【0032】
(1)ブレーキ圧漸減手段
この手段は、ブレーキ圧センサ6の検出に基づき、先行車に追従走行する自車1のブレーキ圧制御による停止を検出して自車1のブレーキ圧を漸減する。
【0033】
(2)勾配推定手段
この手段は、ブレーキ圧漸減手段のブレーキ圧の漸減によって停止状態を維持できなくなり、自車1が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予めメモリユニット9に設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、その検出勾配によって走行路の路面勾配を推定する。
【0034】
そして、メモリユニット9に設定されたブレーキ圧の路面勾配特性は、自車1が動き出すブレーキ圧と路面勾配との多数の組み合わせからなり、実験等によって求められてメモリユニット9にブレーキ圧−路面勾配のマップとして記憶される。
【0035】
このとき、坂道の上り、下りを自動的に検出して路面勾配を推定するため、前記のブレーキ圧の路面勾配特性のマップ(ブレーキ圧−路面勾配のマップ)は、上り、下りの勾配方向別に形成される。
【0036】
また、勾配推定手段に、前方測距センサ4の前方車間距離の検出に基づき、走行路の勾配方向を、ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときの前方車間距離の長短変化から検出する勾配方向検出手段と、走行路の路面勾配を、ブレーキ圧の漸減によって自車1が動き始めたときのブレーキ圧センサ6のブレーキ圧(大きさ)と、勾配方向検出手段が検出した勾配方向とに基づき、前記のブレーキ圧の路面勾配特性から検出して推定する推定処理手段とが設けられる。
【0037】
(3)発進スロットル制御手段
この手段は、先行車が発進したときに、勾配推定手段の走行路の推定勾配に応じたスロットル開度特性で自車を発進する。
【0038】
そのため、この手段には、前方測距センサ4aが検出する前方車間距離の変化から先行車の発進を検出する先行車発進検出手段と、この検出手段の発進検出により、勾配推定手段の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性を、メモリユニット9に予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定する発進特性決定手段とが設けられる。
【0039】
そして、メモリユニット9に設定された各発進スロットル開度特性は、上り、下りの勾配別の特性であって、先行車に遅れることなく、しかも、滑らかに発進し得る種々の路面勾配でのスロットル開度特性を実験等によって求めて設定したものであり、メモリユニット9にマップ状に記憶される。
【0040】
(4)後方確認手段
この手段は、ブレーキ圧を漸減する前に、後方測距センサ4bの後方車間距離の検出に基づき、自車1と後続車との後方車間距離が、例えば1〜数メートル前後の所定の安全距離以上か否かを検出する。
【0041】
なお、この安全距離は、例えば、実験等によって選定され、ドライバによって複数の距離から選択して設定される場合もある。
【0042】
(5)推定制限手段
この手段は、後方確認手段によって確認された後方車間距離が前記の安全距離より短いときに、安全を優先してブレーキ圧の漸減を禁止し、路面勾配の推定を行わないようにする。
【0043】
つぎに、図2の追従走行制御プログラムに基づく自車1の発進処理について説明する。
【0044】
まず、自車1のイグニッションスイッチがオンしてそのエンジンがスタートすると、ECU2は各センサ3〜6の検出信号等の収集を開始し、車輪速センサ3の検出信号から時々刻々の自車速を検出し、測距センサ4a、4bの検出信号から、例えば、図5に示す自車1と前方の先行車10との時々刻々の前方車間距離La、自車1と後方の後続車11との時々刻々の後方車間距離Lbを検出する。
【0045】
そして、スタート釦操作等により自車1の初期発進がECU2に指令されると、前方車間距離Laが一定距離以上であることを条件にブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキが解除された後、図2のステップS1が実行され、スロットル制御ユニット7を介してエンジンのスロットル開度が増大し、自車1が加速制御されて発進する。
【0046】
この発進により、前方車間距離Laが設定された目標距離になると、図2のステップS2に移行し、この目標距離を維持するように、スロットル開度を一定に保って自車1を先行車10に追従走行制御する。
【0047】
また、先行車10が減速すると、図2のステップS3を介してステップS4に移行し、ECU2により、ブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキ圧を制御する。
【0048】
そして、先行車10が停止するときは、ステップS3〜S5のループのブレーキ圧制御の繰り返しにより、自車1のブレーキ圧を増大し、前方距離Laとして、例えば数メートルの所定の停止距離を確保しつつ、先行車10に追従して自車1を減速し、停止する。
【0049】
この自車1の停止は、車輪速センサ3の自車速が0になることから検出され、この検出に基づき、図2のステップS5からステップS6に移行し、ECU2がつぎに説明する路面勾配推定処理を実行する。
【0050】
<路面勾配推定処理>
この処理は図3のステップS61〜ステップS69からなり、まず、後方確認手段、推定制限手段により、後方の安全を確認する。
【0051】
すなわち、自車1が停止したときは、前方車間距離Laは、前記の停止距離によって数メートル以上になるが、後方車間距離Lbは、後続車11の停止状態によって決まり、とくに、後続車が追従走行制御機能を備えていない場合には、1メートルにも満たないことがある。
【0052】
そして、後述のブレーキ圧の漸減によって自車1のブレーキを緩めると、平坦路では自車1が動き出すことはないが、坂道であれば、停止状態を維持することができなくなって自車1が動き始め、その方向は坂の上り、下りの勾配方向によって異なり、上り坂(登坂路)では、図6に示すように自車1が後退して後続車11に近づき、下り坂では、図7に示すように自車1が前進して先行車10に近づく。
【0053】
そして、走行路12の勾配推定に必要な自車1の移動量が後述するように10〜20センチメートル程度であっても、車間距離La,Lbが短いときは、自車1のブレーキを緩めないようにして安全確保を優先することが望ましく、その際、前記したように前方車間距離Laより後方車間距離Lbが短くなり易いことから、少なくとも後方の安全を確認する。
【0054】
具体的には、後方確認手段、推定制限手段により図3のステップS61、S62を実行し、後方測距センサ4bによって検出された後方車間距離Lbが、設定した安全距離(例えば1〜数メートル前後)以上か否かを検出する。
【0055】
なお、後方測距センサ4bが超音波センサ等であって後方車間距離Lbを計測することが困難であれば、安全距離を検出限界距離に設定し、後続車11が、この検出限界距離まで接近して検出したか否かによって、後方車間距離Lbが、設定した安全距離(例えば1〜数メートル前後)以上か否かを検出する。
【0056】
そして、後方車間距離Lbが安全距離より短ければ、この路面勾配処理を行わずに終了する。
【0057】
一方、後方車間距離Lbが安全距離以上であって後方の安全を確認すると、図3のステップS62からステップS63に移行し、前方測距センサ4a、ブレーキ圧センサ6の検出信号に基づき、図6、図7の停止状態(初期状態)での前方車間距離La(0)、ブレーキ圧(停止圧)P(0)をメモリユニット9に書き込んで記憶する。
【0058】
つぎに、ステップS64に移行し、ブレーキ圧漸減手段によりブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキ圧を設定した減少特性にしたがって微小量ずつ低減し、自車1のブレーキを少しずつ緩める。
【0059】
そして、走行路12の路面勾配によって自車1が動き始めると、車輪速センサ3の検出信号により、例えば、自車1の車輪が、車輪速センサ3の2歯に相当する12度回転し、自車1が図6、図7の微小距離Δ(具体的には10〜20センチメートル程度)だけ後退(上り坂)又は前進(下り坂)したときに、ECU2が車輪速からその動き始めを検出する。
【0060】
このとき、ECU2は、図3のステップS66により、前方測距センサ4a、ブレーキ圧センサ6の検出信号に基づき、そのときの前方車間距離(図6のLa(up)、図7のLa(down))、ブレーキ圧(限界圧)(図6のP(up)、図7のP(down))を検出する。
【0061】
さらに、ステップS67により、その勾配方向検出手段が、前方車間距離Laの長短変化から走行路12の上り、下りの勾配方向も検出する。
【0062】
なお、図6、図7から明らかなように、前方車間距離Laは、上り坂ではLa(0)からLa(up)に微小距離Δ長くなり、下り坂ではLa(0)からLa(down)に微小距離Δ短くなり、この長短変化から勾配方向が検出される。
【0063】
そして、検出した前方車間距離La(up)、La(down)及び限界圧P(up)、P(down)をメモリユニット9に書き込んで記憶すると、図3のステップS68に移行し、ECU2は、メモリユニット9の記憶を参照しつつ、ブレーキ制御ユニットを介して自車1のブレーキ圧を迅速に元の停止圧P(0)に戻し、これにより、自車1がほぼ前記の微小距離Δだけ停止位置からずれた状態で停止する。
【0064】
なお、その間の自車1のブレーキ圧、車速の変化は、ほぼ図8の実線P、Vに示すようになり、図中のT(0)はブレーキ圧の漸減を開始した時刻、T(x)は自車1が動き始めた時刻である。
【0065】
つぎに、図3のステップS69に移行し、推定処理手段により、メモリユニット9に予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から、限界圧P(up)、P(down)の路面勾配を検出して推定し、この路面勾配推定処理を終了する。
【0066】
なお、ブレーキ圧の漸減開始から微小な設定時間が経過しても自車1が動き始めないときは、路面勾配「0」の平坦路と推定して処理を終了する。
【0067】
<発進加速処理>
つぎに、推定した路面勾配に応じたスロットル開度特性で先行車10に追従して自車1を発進するため、図2のステップS6からステップS7に移行し、先行車発進検出手段により、前方車間距離Laの変化から先行車10の発進を監視して検出する。
【0068】
そして、前方車間距離Laが、距離(La(0)+Δ)又(La(0)−Δ)から一定距離以上長くなって先行車10の発進を検出すると、図2のステップS8により、ECU2がブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキ圧を減圧し、そのブレーキを解除してステップS9の発進加速処理に移行する。
【0069】
この発進加速処理は図4のステップS91〜ステップS94からなり、まず、ステップS91により、走行路12の路面勾配が推定されれているか否かを判別する。
【0070】
そして、後方の安全が確保されず、停止中に路面勾配が推定されていないときは、ステップS91からステップS92に移行し、発進スロットル開度特性を予め設定された標準の特性(規定の発進特性)に決定する。
【0071】
一方、図2のステップS6の路面勾配推定処理によって停止中に路面勾配が推定されているときは、図4のステップS91からステップS93に移行し、発進特性決定手段により、前記路面勾配推定処理によって推定された路面勾配(推定勾配)に対応する発進スロットル開度特性を、メモリユニット9から選択して決定する。
【0072】
そして、ステップS94に移行し、発進スロットル制御手段により、ステップS92、S93で決定した発進スロットル開度特性に基づき、スロットル制御ユニット7を介して自車14のスロットル開度を増大し、自車1を発進する。
【0073】
このとき、事前に推定された走行路12の路面勾配に基づき、その路面勾配に応じた最適な発進スロットル開度特性で自車1が先行車10に遅れることなく、しかも、滑らかに、ドライバの意思どおりの発進特性で坂道発進して先行車10に追従走行する。
【0074】
そして、Gセンサやナビゲーションシステムを搭載することなく、追従走行制御機能を有する車両が備える既存の各センサ3〜6の検出信号に基づいて路面勾配を推定するため、安価に、前記の最適な発進スロットル開度制御の坂道発進を実現することができる。
【0075】
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、ブレーキ圧を漸減する前の後方の安全確認が不要であれば、図3のステップS61、S62の処理を省くことができる。
【0076】
一方、安全性を一層高めるため、ブレーキ圧を漸減する前に、後方車間距離Lbによる後方の安全確認だけでなく、前方車間距離Laによる前方の安全確認も行うようにし、前方車間距離が安全距離より短いときにも勾配推定を行わないようにしてもよい。
【0077】
また、図2のステップS1の初期発進加速に際しても、ステップS6の路面勾配推定処理と同様の処理及びステップS9no発進加速処理と同様の処理を行って、走行路12の路面勾配に即した発進スロットル開度特性で発進加速するようにしてもよいのは勿論である。
【0078】
つぎに、前方車間距離Laの長短変化の検出を、追従走行の測距センサである前方測距センサ4aの距離検出でなく、前方測距センサ4aと別個に自車1の前部に設けた障害物探査の超音波センサ等の近距離センサによる先行車の接離検出から行うようにしてもよい。
【0079】
さらに、ブレーキ圧の漸減による車間距離の変化が少なく、車間距離の変化量が計測困難で路面勾配の勾配方向の検出が困難になるときは、例えば、ブレーキ圧の漸減終了後、ブレーキ圧の復帰によって自車1が自動停止するまでのブレーキ圧の制御量から、勾配方向を検出してもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、請求項1、5に記載の発明によれば、ブレーキ圧制御で先行車に追従して自車が停止したときに、自車のブレーキ圧を停止時のブレーキ圧から漸減し、この漸減によって自車が勾配の影響(重力加速度の影響)で動き始めると、そのときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から求めて推定することができる。
【0081】
そのため、高価な加速度センサやナビゲーションシステム等を搭載することなく、安価な構成で走行路の路面勾配を安価に推定することができ、この推定に基づき、先行車が発進したときに、推定した路面勾配に応じたスロットル開度で自車を発進加速し、先行車に遅れることなく、しかも、滑らかに坂道発進し、ドライバの意思どおりの追従走行を実現することができる。
【0082】
また、請求項2,6に記載の発明によれば、走行路が坂道のときに、ブレーキ圧の漸減によって自車が勾配の影響(重力加速度の影響)で動き始めたときに、それに伴う前方車間距離の長短変化から、自動的に走行路の上り、下りを判別して路面勾配を推定することができる利点もある。
【0083】
さらに、請求項3、7に記載の発明によれば、予め設定した発進スロットル開度の路面勾配特性から選択する実用的な構成で発進スロットル開度特性を決定し、この決定に基づく適切な発進スロットル開度特性で自車を坂道発進することができる。
【0084】
つぎに、請求項4、8に記載の発明によれば、ブレーキ圧を漸減して路面勾配を推定する前に、後続車との車間距離(後方車間距離)が、衝突が生じない安全距離以上か否かを判別し、後続車が接近した状態で停止しているときには、前記のブレーキ圧の漸減による路面勾配の推定を行わないようにすることができ、極めて安全に走行路の路面勾配の推定が行え、信頼性等が一層向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の装置構成説明用のブロック図である。
【図2】図1の動作説明用のフローチャートである。
【図3】図2の路面勾配推定処理の詳細なフローチャートである。
【図4】図2の発進加速処理の詳細なフローチャートである。
【図5】図1の自車の前方車間距離、後方車間距離の検出説明図である。
【図6】図1の自車の上り坂でのブレーキ圧の漸減による前方車間距離の変化説明図である。
【図7】図1の自車の下り坂でのブレーキ圧の漸減による前方車間距離の変化説明図である。
【図8】図1の自車のブレーキ圧及び自車速の変化説明図である。
【図9】従来制御のスロットル開度及び車速の特性図である。
【符号の説明】
1 自車
2 制御ECU
3 車輪速センサ
4 測距センサ
5 スロットル開度センサ
6 ブレーキ圧センサ
7 スロットル制御ユニット
8 ブレーキ制御ユニット
10 先行車
11 後続車
12 走行路
【発明の属する技術分野】
この発明は、前方の先行車に追従して自車を走行する追従走行制御方法及び追従走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、追従走行制御装置を搭載した車両(自車)は、レーザレーダ、CCDカメラ等を用いて形成された測距センサにより自車と前方の先行車との車間距離(前方車間距離)を検出し、車輪速センサにより車輪速から自車の車速(自車速)を検出し、これらの検出に基づく追従走行の電子スロットル制御、ブレーキ圧制御により、前方車間距離を一定に保つようにして先行車に追従走行する。
【0003】
また、この種の車両においては、車輪速センサだけでなく加速度センサ(Gセンサ)を搭載し、車輪速センサによって走行路の路面勾配の影響(重力加速度の影響)のない実加速度を計測し、Gセンサによって路面勾配の影響を含む加速度を計測し、両センサの加速度の差から走行路の路面勾配を推定し、この推定に基づき、走行中の加速特性を路面勾配に応じて調整することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−351864号公報 (第2−3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の追従走行制御装置を搭載した車両(自車)において、先行車の発進に基づき、走行路の路面勾配の影響を考慮することなく、規定の発進スロットル開度特性で発進加速すると、とくに坂道発進時、つぎのような問題がある。
【0006】
すなわち、図9のスルットル開度及び平坦路、登坂路(上り坂)の車速変化の特性図に示すように、先行車の発進に伴うブレーキ解除後のスロットル制御により、時刻Taに、実線aのスルットル開度がいわゆるアイドリング状態の開度から、規定の発進ロットル開度特性で大きくなり始めると、平坦路では、直ちに車輪が前進回転し始め、実線bの平坦路の車速がスロットル開度の変化に追従して立ち上がり、自車が先行車に追従して遅れなく発進するが、登坂路では、発進に平坦路より大きな駆動力を要することから、実線cの登坂路の車速が、その分遅れた時刻Tbに立ち上がり、自車の発進が平坦路での発進より、(Tb−Ta)時間遅れる。
【0007】
そのため、平坦路ではドライバの意思どおりの発進加速で先行車に遅れることなく自車が発進して追従走行するのに対して、登坂路では先行車から遅れて自車が発進し、ドライバの意思どおりの発進特性で追従走行することが困難になり、しかも、発進加速の遅れに伴い後続車と追突等するおそれもある。
【0008】
なお、下りの坂道の場合は、発進に必要な駆動力が平坦路より少なくなり、平坦路と同じ加速条件で発進加速すると、先行車に接近してスロットル開度を小さくする必要が生じ、それによって車間距離が大きくなりすぎると、再びスロットル開度を大きくしなければならず、滑らかな発進加速が行えなくなり、しかも、先行車、後続車との衝突が生じるおそれもある。
【0009】
そこで、前記公報に記載のように車両に車輪速センサだけでなくGセンサを搭載し、両センサの加速度の差から走行路の路面勾配を推定し、この推定に基づき、坂道発進時、発進スロットル開度特性(加速特性)を走行路の路面勾配に応じて調整することが考えられるが、この場合は、走行路の路面勾配の推定に高価なGセンサを要し、高価になる問題がある。
【0010】
なお、Gセンサを搭載する代わりに、いわゆるナビゲーションシステムを搭載し、その走行地点の位置情報や地図情報から走行路の路面勾配を検出(把握)することも考えられるが、この場合は、一層高価になる問題がある。
【0011】
本発明は、高価なGセンサ、ナビゲーションシステムを用いることなく、走行路の路面勾配を推定し、その推定結果に基づき、先行車に遅れることなく、しかも滑らかに、坂道発進してドライバの意思どおりの特性で先行車に追従走行することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の追従走行制御方法は、先行車に追従して自車がブレーキ圧制御で停止したときに、自車のブレーキ圧を漸減し、該漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、前記路面勾配特性からの検出勾配によって走行路の路面勾配を推定し、前記先行車が発進したときに、前記走行路の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で自車を発進することを特徴としている(請求項1)。
【0013】
また、本発明の追従走行制御装置は、先行車に追従走行する自車のブレーキ圧制御による停止検出により、自車のブレーキ圧を漸減するブレーキ圧漸減手段と、前記漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、前記路面勾配特性からの検出勾配によって走行路の路面勾配を推定する勾配推定手段と、前記先行車が発進したときに、前記推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で自車を発進する発進スロットル制御手段とを備えたことを特徴としている(請求項5)。
【0014】
これらの構成によれば、ブレーキ圧制御で先行車に追従して自車が停止すると、自車のブレーキ圧が停止時のブレーキ圧から漸減し、このブレーキ圧の漸減によって自車が走行路の路面勾配の影響(重力加速度の影響)で動き始めたときに、そのときのブレーキ圧に対応する路面勾配が、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出され、その検出勾配が走行路の路面勾配として推定される。
【0015】
そのため、高価なGセンサやナビゲーションシステム等を搭載することなく、安価な構成で走行路である坂道の路面勾配が推定され、この推定に基づき、先行車が発進したときに、自車が、推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で先行車に遅れることなく滑らかに発進し、ドライバの意思どおりの特性で先行車に追従走行する。
【0016】
そして、坂道の上り、下りを区別して走行路の路面勾配を正確に推定するため、ブレーキ圧の路面勾配特性が、路面勾配によって自車が動き出すブレーキ圧の上り、下りの勾配方向別の特性であって、前記走行路の推定勾配を、前記ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧と、先行車と自車との前方車間距離の長短変化から検出した勾配方向とに基づき、前記ブレーキ圧の路面勾配特性から検出することが好ましく(請求項2)、ブレーキ圧の路面勾配特性が、路面勾配によって自車が動き出すブレーキ圧の上り、下りの勾配方向別の特性であって、勾配推定手段に、走行路の勾配方向を、ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときの先行車と自車との前方車間距離の長短変化から検出する勾配方向検出手段と、前記走行路の推定勾配を、前記ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧と前記勾配方向とに基づき、前記ブレーキ圧の路面勾配特性から検出する推定処理手段とを設けることが好ましい(請求項6)。
【0017】
さらに、走行路の推定した路面勾配(推定勾配)に応じた発進スロットル開度特性は、予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定することが実用的であり(請求項3)、そのため、発進スロットル制御手段に、前方車間距離の変化から先行車の発進を検出する先行車発進検出手段と、該先行車発進検出手段の発進検出により、勾配推定手段の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性を、予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定する発進特性決定手段とを設けることが好ましい(請求項7)。
【0018】
つぎに、この発明の追従走行制御方法は、ブレーキ圧を漸減する前に、自車と後続車との後方車間距離が所定の安全距離以上か否かを検出し、前記後方車間距離が前記安全距離より短いときに前記漸減を禁止することを特徴としている(請求項4)。
【0019】
また、この発明の追従走行制御装置は、ブレーキ圧を漸減する前に、自車と後続車との後方車間距離が所定の安全距離以上か否かを検出する後方確認手段と、
前記後方車間距離が前記安全距離より短いときに、前記漸減を禁止する推定制限手段とを備えたことを特徴としている(請求項8)。
【0020】
これらの構成によれば、ブレーキ圧制御で先行車に追従して自車が停止したときに、そのブレーキ圧を漸減して路面勾配を推定する前に、自車と後続車との車間距離(後方車間距離)が、前記のブレーキ圧の漸減によって自車が後方に動き出しても衝突が生じない安全距離以上か否かが判別され、後続車が接近した状態で停止しているときには、前記のブレーキ圧の漸減による路面勾配の推定を行わないようにすることができる。
【0021】
このとき、先行車との車間距離(前方車間距離)については、自車のブレーキ圧制御の停止によって、確実に安全距離以上となることから、後方車間距離の前記の確認に基づき、極めて安全に走行路の路面勾配の推定が行え、信頼性等が一層向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0023】
図1は自車1に搭載された追従走行制御装置のブロック図、図2は図1の追従走行制御のフローチャート、図3は図2の路面勾配推定処理のフロチャート、図4は図2の発進加速処理のフローチャートである。
【0024】
また、図5は自車1の前方車間距離及び後方車間距離の検出説明図であり、図6は上り坂(登坂路)の路面勾配推定の模式図、図7は下り坂の路面勾配推定の模式図、図8はブレーキ圧漸減時のブレーキ圧及び自車速の変化説明図である。
【0025】
そして、車両1の追従走行制御装置はマイクロコンピュータ構成の制御ECU2を備え、車両1のエンジンスタート後、ECU2により、自車1の車輪速センサ3、測距センサ4、スロットル開度センサ5、ブレーキ圧センサ6等の各種センサの検出信号及び各種スイッチの接点信号等を収集する。
【0026】
このとき、車輪速センサ3は、例えば車輪の1回転当たり60歯をホール素子等で検出する構成であり、その検出信号のパルス周波数から自車1の車速を検出・監視する。
【0027】
また、測距センサ4は、自車1と前方の先行車との車間距離(前方車間距離)のみを検出するときは、自車1のボンネットやフロントバンパーに取り付けられた前方測距センサ4aのみからなり、後続車との車間距離(後方車間距離)を検出して後述の後方確認も行うときは、前方測距センサ4a及び自車1のリヤバンパやリヤボディに取り付けられた後方測距センサ4bからなる。
【0028】
そして、前方測距センサ4aは、追従走行中のメートル単位の比較的長い車間距離を10センチメートル程度の分解能で検出するため、レーザレーダ、CCDカメラ等からなり、後方測距センサ4bは、1〜数メートル前後の近距離の後続車の接近の有無を検出すればよいため、いわゆるバックソナー(後方障害物検知センサ)のような超音波センサやマイクロ波センサからなる。
【0029】
さらに、スロットル開度センサ5はスロットル制御ユニット7により制御されるエンジンスロットルの開度を検出し、ブレーキ圧センサ6はブレーキ制御ユニット8により制御されるブレーキ圧を検出する。
【0030】
そして、センサ3、4a、5、6は、追従走行制御機能を有する車両が必ず備えるセンサであり、後方測距センサ4bも既設の後方障害物検知センサとしての超音波センサやマイクロ波センサを共用して形成される。
【0031】
つぎに、制御ECU2は、図2の追従走行制御プログラムを実行することにより、つぎの各手段を備える。
【0032】
(1)ブレーキ圧漸減手段
この手段は、ブレーキ圧センサ6の検出に基づき、先行車に追従走行する自車1のブレーキ圧制御による停止を検出して自車1のブレーキ圧を漸減する。
【0033】
(2)勾配推定手段
この手段は、ブレーキ圧漸減手段のブレーキ圧の漸減によって停止状態を維持できなくなり、自車1が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予めメモリユニット9に設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、その検出勾配によって走行路の路面勾配を推定する。
【0034】
そして、メモリユニット9に設定されたブレーキ圧の路面勾配特性は、自車1が動き出すブレーキ圧と路面勾配との多数の組み合わせからなり、実験等によって求められてメモリユニット9にブレーキ圧−路面勾配のマップとして記憶される。
【0035】
このとき、坂道の上り、下りを自動的に検出して路面勾配を推定するため、前記のブレーキ圧の路面勾配特性のマップ(ブレーキ圧−路面勾配のマップ)は、上り、下りの勾配方向別に形成される。
【0036】
また、勾配推定手段に、前方測距センサ4の前方車間距離の検出に基づき、走行路の勾配方向を、ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときの前方車間距離の長短変化から検出する勾配方向検出手段と、走行路の路面勾配を、ブレーキ圧の漸減によって自車1が動き始めたときのブレーキ圧センサ6のブレーキ圧(大きさ)と、勾配方向検出手段が検出した勾配方向とに基づき、前記のブレーキ圧の路面勾配特性から検出して推定する推定処理手段とが設けられる。
【0037】
(3)発進スロットル制御手段
この手段は、先行車が発進したときに、勾配推定手段の走行路の推定勾配に応じたスロットル開度特性で自車を発進する。
【0038】
そのため、この手段には、前方測距センサ4aが検出する前方車間距離の変化から先行車の発進を検出する先行車発進検出手段と、この検出手段の発進検出により、勾配推定手段の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性を、メモリユニット9に予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定する発進特性決定手段とが設けられる。
【0039】
そして、メモリユニット9に設定された各発進スロットル開度特性は、上り、下りの勾配別の特性であって、先行車に遅れることなく、しかも、滑らかに発進し得る種々の路面勾配でのスロットル開度特性を実験等によって求めて設定したものであり、メモリユニット9にマップ状に記憶される。
【0040】
(4)後方確認手段
この手段は、ブレーキ圧を漸減する前に、後方測距センサ4bの後方車間距離の検出に基づき、自車1と後続車との後方車間距離が、例えば1〜数メートル前後の所定の安全距離以上か否かを検出する。
【0041】
なお、この安全距離は、例えば、実験等によって選定され、ドライバによって複数の距離から選択して設定される場合もある。
【0042】
(5)推定制限手段
この手段は、後方確認手段によって確認された後方車間距離が前記の安全距離より短いときに、安全を優先してブレーキ圧の漸減を禁止し、路面勾配の推定を行わないようにする。
【0043】
つぎに、図2の追従走行制御プログラムに基づく自車1の発進処理について説明する。
【0044】
まず、自車1のイグニッションスイッチがオンしてそのエンジンがスタートすると、ECU2は各センサ3〜6の検出信号等の収集を開始し、車輪速センサ3の検出信号から時々刻々の自車速を検出し、測距センサ4a、4bの検出信号から、例えば、図5に示す自車1と前方の先行車10との時々刻々の前方車間距離La、自車1と後方の後続車11との時々刻々の後方車間距離Lbを検出する。
【0045】
そして、スタート釦操作等により自車1の初期発進がECU2に指令されると、前方車間距離Laが一定距離以上であることを条件にブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキが解除された後、図2のステップS1が実行され、スロットル制御ユニット7を介してエンジンのスロットル開度が増大し、自車1が加速制御されて発進する。
【0046】
この発進により、前方車間距離Laが設定された目標距離になると、図2のステップS2に移行し、この目標距離を維持するように、スロットル開度を一定に保って自車1を先行車10に追従走行制御する。
【0047】
また、先行車10が減速すると、図2のステップS3を介してステップS4に移行し、ECU2により、ブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキ圧を制御する。
【0048】
そして、先行車10が停止するときは、ステップS3〜S5のループのブレーキ圧制御の繰り返しにより、自車1のブレーキ圧を増大し、前方距離Laとして、例えば数メートルの所定の停止距離を確保しつつ、先行車10に追従して自車1を減速し、停止する。
【0049】
この自車1の停止は、車輪速センサ3の自車速が0になることから検出され、この検出に基づき、図2のステップS5からステップS6に移行し、ECU2がつぎに説明する路面勾配推定処理を実行する。
【0050】
<路面勾配推定処理>
この処理は図3のステップS61〜ステップS69からなり、まず、後方確認手段、推定制限手段により、後方の安全を確認する。
【0051】
すなわち、自車1が停止したときは、前方車間距離Laは、前記の停止距離によって数メートル以上になるが、後方車間距離Lbは、後続車11の停止状態によって決まり、とくに、後続車が追従走行制御機能を備えていない場合には、1メートルにも満たないことがある。
【0052】
そして、後述のブレーキ圧の漸減によって自車1のブレーキを緩めると、平坦路では自車1が動き出すことはないが、坂道であれば、停止状態を維持することができなくなって自車1が動き始め、その方向は坂の上り、下りの勾配方向によって異なり、上り坂(登坂路)では、図6に示すように自車1が後退して後続車11に近づき、下り坂では、図7に示すように自車1が前進して先行車10に近づく。
【0053】
そして、走行路12の勾配推定に必要な自車1の移動量が後述するように10〜20センチメートル程度であっても、車間距離La,Lbが短いときは、自車1のブレーキを緩めないようにして安全確保を優先することが望ましく、その際、前記したように前方車間距離Laより後方車間距離Lbが短くなり易いことから、少なくとも後方の安全を確認する。
【0054】
具体的には、後方確認手段、推定制限手段により図3のステップS61、S62を実行し、後方測距センサ4bによって検出された後方車間距離Lbが、設定した安全距離(例えば1〜数メートル前後)以上か否かを検出する。
【0055】
なお、後方測距センサ4bが超音波センサ等であって後方車間距離Lbを計測することが困難であれば、安全距離を検出限界距離に設定し、後続車11が、この検出限界距離まで接近して検出したか否かによって、後方車間距離Lbが、設定した安全距離(例えば1〜数メートル前後)以上か否かを検出する。
【0056】
そして、後方車間距離Lbが安全距離より短ければ、この路面勾配処理を行わずに終了する。
【0057】
一方、後方車間距離Lbが安全距離以上であって後方の安全を確認すると、図3のステップS62からステップS63に移行し、前方測距センサ4a、ブレーキ圧センサ6の検出信号に基づき、図6、図7の停止状態(初期状態)での前方車間距離La(0)、ブレーキ圧(停止圧)P(0)をメモリユニット9に書き込んで記憶する。
【0058】
つぎに、ステップS64に移行し、ブレーキ圧漸減手段によりブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキ圧を設定した減少特性にしたがって微小量ずつ低減し、自車1のブレーキを少しずつ緩める。
【0059】
そして、走行路12の路面勾配によって自車1が動き始めると、車輪速センサ3の検出信号により、例えば、自車1の車輪が、車輪速センサ3の2歯に相当する12度回転し、自車1が図6、図7の微小距離Δ(具体的には10〜20センチメートル程度)だけ後退(上り坂)又は前進(下り坂)したときに、ECU2が車輪速からその動き始めを検出する。
【0060】
このとき、ECU2は、図3のステップS66により、前方測距センサ4a、ブレーキ圧センサ6の検出信号に基づき、そのときの前方車間距離(図6のLa(up)、図7のLa(down))、ブレーキ圧(限界圧)(図6のP(up)、図7のP(down))を検出する。
【0061】
さらに、ステップS67により、その勾配方向検出手段が、前方車間距離Laの長短変化から走行路12の上り、下りの勾配方向も検出する。
【0062】
なお、図6、図7から明らかなように、前方車間距離Laは、上り坂ではLa(0)からLa(up)に微小距離Δ長くなり、下り坂ではLa(0)からLa(down)に微小距離Δ短くなり、この長短変化から勾配方向が検出される。
【0063】
そして、検出した前方車間距離La(up)、La(down)及び限界圧P(up)、P(down)をメモリユニット9に書き込んで記憶すると、図3のステップS68に移行し、ECU2は、メモリユニット9の記憶を参照しつつ、ブレーキ制御ユニットを介して自車1のブレーキ圧を迅速に元の停止圧P(0)に戻し、これにより、自車1がほぼ前記の微小距離Δだけ停止位置からずれた状態で停止する。
【0064】
なお、その間の自車1のブレーキ圧、車速の変化は、ほぼ図8の実線P、Vに示すようになり、図中のT(0)はブレーキ圧の漸減を開始した時刻、T(x)は自車1が動き始めた時刻である。
【0065】
つぎに、図3のステップS69に移行し、推定処理手段により、メモリユニット9に予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から、限界圧P(up)、P(down)の路面勾配を検出して推定し、この路面勾配推定処理を終了する。
【0066】
なお、ブレーキ圧の漸減開始から微小な設定時間が経過しても自車1が動き始めないときは、路面勾配「0」の平坦路と推定して処理を終了する。
【0067】
<発進加速処理>
つぎに、推定した路面勾配に応じたスロットル開度特性で先行車10に追従して自車1を発進するため、図2のステップS6からステップS7に移行し、先行車発進検出手段により、前方車間距離Laの変化から先行車10の発進を監視して検出する。
【0068】
そして、前方車間距離Laが、距離(La(0)+Δ)又(La(0)−Δ)から一定距離以上長くなって先行車10の発進を検出すると、図2のステップS8により、ECU2がブレーキ制御ユニット8を介して自車1のブレーキ圧を減圧し、そのブレーキを解除してステップS9の発進加速処理に移行する。
【0069】
この発進加速処理は図4のステップS91〜ステップS94からなり、まず、ステップS91により、走行路12の路面勾配が推定されれているか否かを判別する。
【0070】
そして、後方の安全が確保されず、停止中に路面勾配が推定されていないときは、ステップS91からステップS92に移行し、発進スロットル開度特性を予め設定された標準の特性(規定の発進特性)に決定する。
【0071】
一方、図2のステップS6の路面勾配推定処理によって停止中に路面勾配が推定されているときは、図4のステップS91からステップS93に移行し、発進特性決定手段により、前記路面勾配推定処理によって推定された路面勾配(推定勾配)に対応する発進スロットル開度特性を、メモリユニット9から選択して決定する。
【0072】
そして、ステップS94に移行し、発進スロットル制御手段により、ステップS92、S93で決定した発進スロットル開度特性に基づき、スロットル制御ユニット7を介して自車14のスロットル開度を増大し、自車1を発進する。
【0073】
このとき、事前に推定された走行路12の路面勾配に基づき、その路面勾配に応じた最適な発進スロットル開度特性で自車1が先行車10に遅れることなく、しかも、滑らかに、ドライバの意思どおりの発進特性で坂道発進して先行車10に追従走行する。
【0074】
そして、Gセンサやナビゲーションシステムを搭載することなく、追従走行制御機能を有する車両が備える既存の各センサ3〜6の検出信号に基づいて路面勾配を推定するため、安価に、前記の最適な発進スロットル開度制御の坂道発進を実現することができる。
【0075】
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、ブレーキ圧を漸減する前の後方の安全確認が不要であれば、図3のステップS61、S62の処理を省くことができる。
【0076】
一方、安全性を一層高めるため、ブレーキ圧を漸減する前に、後方車間距離Lbによる後方の安全確認だけでなく、前方車間距離Laによる前方の安全確認も行うようにし、前方車間距離が安全距離より短いときにも勾配推定を行わないようにしてもよい。
【0077】
また、図2のステップS1の初期発進加速に際しても、ステップS6の路面勾配推定処理と同様の処理及びステップS9no発進加速処理と同様の処理を行って、走行路12の路面勾配に即した発進スロットル開度特性で発進加速するようにしてもよいのは勿論である。
【0078】
つぎに、前方車間距離Laの長短変化の検出を、追従走行の測距センサである前方測距センサ4aの距離検出でなく、前方測距センサ4aと別個に自車1の前部に設けた障害物探査の超音波センサ等の近距離センサによる先行車の接離検出から行うようにしてもよい。
【0079】
さらに、ブレーキ圧の漸減による車間距離の変化が少なく、車間距離の変化量が計測困難で路面勾配の勾配方向の検出が困難になるときは、例えば、ブレーキ圧の漸減終了後、ブレーキ圧の復帰によって自車1が自動停止するまでのブレーキ圧の制御量から、勾配方向を検出してもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、請求項1、5に記載の発明によれば、ブレーキ圧制御で先行車に追従して自車が停止したときに、自車のブレーキ圧を停止時のブレーキ圧から漸減し、この漸減によって自車が勾配の影響(重力加速度の影響)で動き始めると、そのときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から求めて推定することができる。
【0081】
そのため、高価な加速度センサやナビゲーションシステム等を搭載することなく、安価な構成で走行路の路面勾配を安価に推定することができ、この推定に基づき、先行車が発進したときに、推定した路面勾配に応じたスロットル開度で自車を発進加速し、先行車に遅れることなく、しかも、滑らかに坂道発進し、ドライバの意思どおりの追従走行を実現することができる。
【0082】
また、請求項2,6に記載の発明によれば、走行路が坂道のときに、ブレーキ圧の漸減によって自車が勾配の影響(重力加速度の影響)で動き始めたときに、それに伴う前方車間距離の長短変化から、自動的に走行路の上り、下りを判別して路面勾配を推定することができる利点もある。
【0083】
さらに、請求項3、7に記載の発明によれば、予め設定した発進スロットル開度の路面勾配特性から選択する実用的な構成で発進スロットル開度特性を決定し、この決定に基づく適切な発進スロットル開度特性で自車を坂道発進することができる。
【0084】
つぎに、請求項4、8に記載の発明によれば、ブレーキ圧を漸減して路面勾配を推定する前に、後続車との車間距離(後方車間距離)が、衝突が生じない安全距離以上か否かを判別し、後続車が接近した状態で停止しているときには、前記のブレーキ圧の漸減による路面勾配の推定を行わないようにすることができ、極めて安全に走行路の路面勾配の推定が行え、信頼性等が一層向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の装置構成説明用のブロック図である。
【図2】図1の動作説明用のフローチャートである。
【図3】図2の路面勾配推定処理の詳細なフローチャートである。
【図4】図2の発進加速処理の詳細なフローチャートである。
【図5】図1の自車の前方車間距離、後方車間距離の検出説明図である。
【図6】図1の自車の上り坂でのブレーキ圧の漸減による前方車間距離の変化説明図である。
【図7】図1の自車の下り坂でのブレーキ圧の漸減による前方車間距離の変化説明図である。
【図8】図1の自車のブレーキ圧及び自車速の変化説明図である。
【図9】従来制御のスロットル開度及び車速の特性図である。
【符号の説明】
1 自車
2 制御ECU
3 車輪速センサ
4 測距センサ
5 スロットル開度センサ
6 ブレーキ圧センサ
7 スロットル制御ユニット
8 ブレーキ制御ユニット
10 先行車
11 後続車
12 走行路
Claims (8)
- 先行車に追従して自車がブレーキ圧制御で停止したときに、自車のブレーキ圧を漸減し、
該漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、
前記路面勾配特性からの検出勾配によって走行路の路面勾配を推定し、
前記先行車が発進したときに、前記走行路の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で自車を発進することを特徴とする追従走行制御方法。 - ブレーキ圧の路面勾配特性が上り、下りの勾配方向別の特性であって、
前記走行路の推定勾配を、前記ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧と、前記ブレーキ圧の漸減による先行車と自車との前方車間距離の長短変化から検出した勾配方向とに基づき、前記ブレーキ圧の路面勾配特性から検出することを特徴とする請求項1に記載の追従走行制御方法。 - 走行路の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性を、予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定することを特徴とする請求項1または2に記載の追従走行制御方法。
- ブレーキ圧を漸減する前に、自車と後続車との後方車間距離が所定の安全距離以上か否かを検出し、
前記後方車間距離が前記安全距離より短いときに前記漸減を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の追従走行制御方法。 - 先行車に追従走行する自車のブレーキ圧制御による停止検出により、自車のブレーキ圧を漸減するブレーキ圧漸減手段と、
前記漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧に対応する路面勾配を、予め設定されたブレーキ圧の路面勾配特性から検出し、前記路面勾配特性からの検出勾配によって走行路の路面勾配を推定する勾配推定手段と、
前記先行車が発進したときに、前記走行路の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性で自車を発進する発進スロットル制御手段とを備えたことを特徴とする追従走行制御装置。 - ブレーキ圧の路面勾配特性がブレーキ圧の上り、下りの勾配方向別の特性であって、
勾配推定手段に、
走行路の勾配方向を、ブレーキ圧の漸減によって自車が動き始めたときの先行車と自車との前方車間距離の長短変化から検出する勾配方向検出手段と、
前記走行路の推定勾配を、前記漸減によって自車が動き始めたときのブレーキ圧と前記勾配方向とに基づき、前記ブレーキ圧の路面勾配特性から検出する推定処理手段とを設けたことを特徴とする請求項5に記載の追従走行制御装置。 - 発進スロットル制御手段に、
前方車間距離の変化から先行車の発進を検出する先行車発進検出手段と、
該先行車発進検出手段の発進検出により、勾配推定手段の推定勾配に応じた発進スロットル開度特性を、予め設定した複数の路面勾配の発進スロットル開度特性から選択して決定する発進特性決定手段とを設けたことを特徴とする請求項5または6に記載の追従走行制御装置。 - ブレーキ圧を漸減する前に、自車と後続車との後方車間距離が所定の安全距離以上か否かを検出する後方確認手段と、
前記後方車間距離が前記安全距離より短いときに、前記漸減を禁止する推定制限手段とを備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の追従走行制御装置。
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-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003198464A patent/JP2005035347A/ja not_active Withdrawn
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