JP2005018958A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて薄層の磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層の腐食の低減化が図り、保存特性、及び電磁変換特性の向上を図る。
【解決手段】長尺状の非磁性支持体2と、金属または合金からなる第1のシールド層3と、第1のシールド層3より酸化されにくい材料からなり、第1のシールド層3との厚さの合計が2nm以上、50nm以下である第2のシールド層4と、真空薄膜形成技術によって形成された厚さ55nm以下の磁性層5とを有する磁気記録媒体1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高密度記録型のテープ状磁気記録媒体に関するものであり、特に高感度磁気ヘッド(MRヘッド、GMRヘッド)を用いた磁気記録再生システムに好適なテープ状の磁気記録媒体に関する。
近年、ビデオテープレコーダー等の分野においては、高画質化及び高記録密度化を図るため、直接非磁性支持体上に金属材料、Co−Ni系合金、Co−Cr系合金、Co−CoO系金属酸化物などの磁性材料を真空薄膜形成技術を用いて被着させ、磁性層を形成してなる、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体が提案されている。このような磁気記録媒体としては、例えばハイバンド8mmビデオテープレコーダー、デジタルビデオテープレコーダー用の蒸着テープなどが実用化されている。
金属薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力や角型比に優れ、また、磁性層を極めて薄層に形成できることから、短波長領域での電磁変換特性に優れ、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい。また、塗布型の磁気記録媒体と異なり、磁性層中に非磁性材料であるバインダーが混入されないので、強磁性金属微粒子の充填密度を高めることができるなど、種々の利点を有している。
また、磁気テープ等の磁気記録媒体のデータストリーマーとしての需要が高まるに伴い、さらなる磁気記録媒体の高記録密度化が要求されてきている。
近年、記録情報の再生用の磁気ヘッドとして、従来の誘導型(インダクティブ型)ヘッドに代わり磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)や巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)が適用されるようになってきている。MRヘッドは、磁性層からの微小な漏洩磁束を高感度に検出することができるので、記録密度の向上を達成することができる。
MRヘッドやGMRヘッドは漏洩磁束に対する感度が飽和する検知上限があり、ヘッドの設計により許容される範囲よりも大きな漏洩磁束を検出することができない。したがって、磁気記録媒体の磁性層を薄くすることにより、磁性層の漏洩磁束を最適化する必要がある。また、一般に磁気記録テープシステムは、テープの磁化量の劣化が16%以上である場合、劣化量が大きすぎて充分な再生信号が得られなくなる。そこで、テープ磁化量の劣化が15%以内であることを想定してシステムが形成されている。
一般に、蒸着テープ等の磁気記録媒体においては、磁性層の保存特性と走行耐久性を向上させることを目的として、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる保護膜を磁性層上に形成している。DLCからなる保護膜は、スパッタリング法などの他の真空薄膜形成技術を用いて成膜したカーボンからなる保護膜に比べて緻密性に優れる。
磁性層の劣化は、雰囲気中に酸素、水分が存在することによって、磁性金属が酸化することにより進行する。緻密性の高い保護膜は、雰囲気中の酸素や水分が磁性層に拡散するのを遮断する。したがって、DLCからなる保護膜を形成した場合、磁性層の保存特性を飛躍的に向上させることができる。
しかしながら、非磁性支持体を通して侵入する水分や空気により磁性層が腐食して、磁気記録媒体の電磁変換特性や耐久性が劣化することが知られている(特許文献1、及び2参照)。このような非磁性支持体側からの磁性層の腐食を防止するため、特許文献1記載の磁気記録媒体においては、Coを主成分とする強磁性金属薄膜と非磁性支持体の間に下地膜として、金属酸化物膜を表面に有する金属膜が設けられている。下地膜にはCoより卑である金属や金属酸化物が用いられる。下地膜の金属膜には例えばAl、Zn、Mn、V、Zr、Cr、In、Tl等の金属が用いられ、金属酸化物膜にはこれらの金属の酸化物が用いられる。
特許文献1によれば、金属膜の厚さは好適には50〜200nm、さらに好適には80〜150nmであり、金属酸化物膜の厚さは好適には2〜100nm、さらに好適には4〜25nmであるとされている。また、磁性層全体の厚さは好適には120〜300nmとされており、このとき出力を充分に大きくできることが記載されている。
特許文献2記載の磁気記録媒体によれば、非磁性支持体と強磁性金属薄膜の間に、Al、Zn、Mn、V、Zr、Cr、Fe、InおよびTlから選ばれる一種以上の金属から構成される下地膜が形成され、さらに、強磁性金属薄膜上にトップコート膜としてCとHを含むプラズマ重合膜が形成されている。そして下地膜の厚さは好適には50〜150nm、さらに好適には80〜120nmであるとされている。また、強磁性金属薄膜は好適にはCoを主成分とするとされている。特許文献1記載の磁気記録媒体と同様に、磁性層全体の厚さは好適には120〜300nmであり、このとき出力を充分に大きくできることが記載されている。
また、水分や腐食性ガスによる磁性層の腐食を防止する方法として、磁性層の下地に厚さ5〜300nmのアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、または銅(Cu)の層を形成する方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献3においても、磁性層は例えば200nmと厚く形成されており、腐食性ガスであるSO2ガスに対する耐腐食性が評価されている。
特開平4−335206号公報(特許第3093818号) 特開平5−20662号公報 特開平1−124115号公報 「第二版 磁気抵抗ヘッドとスピンバルブヘッド −基礎と応用−」林和彦訳、2002年、丸善株式会社発行
ところで前述したように、MRヘッドのような高感度磁気ヘッドを採用したシステムに用いられる磁気テープにおいては、磁気ヘッドの飽和を防ぐため、磁性層の厚さを例えば50nm以下程度に薄くする必要がある。MRヘッドより再生感度が高く、高周波用として高密度記録に適したGMRヘッドでは、磁性層の厚さをさらに薄くする必要がある。
磁性層を薄くすることにより、磁性層は急激に劣化しやすくなる。したがって、上記の特許文献1及び2に記載された下地膜を形成しても、磁性層の劣化を充分に防止できなくなる。また、特許文献1及び2に記載されたような厚さの下地膜を、磁性層の厚さが約50nm以下程度となるような磁気記録媒体に形成すると、下地膜が厚すぎて、磁性層の表面が荒れた状態となる。これにより、磁気記録媒体としての媒体ノイズが増大する。この問題は、再生用ヘッドとしてMRヘッドよりも再生感度の高いGMRヘッドを使用した場合、より深刻となる。
特許文献3には、磁性層の下地にAlやTi等の層を形成すると保磁力が向上することが記載されているが、後述する本発明者らの実験結果によれば、磁性層の下地に厚さ30nm以下の薄い金属層を形成すると保磁力が低下することが確かめられた。しかしながら、それより厚い金属層を磁性層の下地に形成すると、保磁力の増加も観察された。すなわち、磁性層や下地層の厚さ範囲が異なると、下地層の厚さに依存した磁気特性の変化は異なった挙動を示す。
また、高温多湿下での保存性の劣化は磁性層の厚さが100nm以下になると顕在化し、SO2ガスによる腐食とは磁化劣化の機構(反応)が異なる。実際に実験すると、高温多湿下での保存特性とSO2ガスに対する耐腐食性のうち、一方が非常に良好で、他方が問題となる場合も多い。すなわち、SO2ガスに対する耐腐食性を向上させる方法は、高温多湿下での保存特性の向上に必ずしも有効ではない。
本発明は、上述したような各種問題点を解決するためになされたものであって、高記録密度化に適し、かつ保存による磁性層の劣化が効果的に防止された磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の磁気記録媒体は、長尺状の非磁性支持体と、金属または合金からなる第1のシールド層と、この第1のシールド層より酸化されにくい材料からなり、第1のシールド層との厚さの合計が2nm以上、50nm以下である第2のシールド層と、第2のシールド層上に真空薄膜形成技術によって形成された厚さ55nm以下の磁性層とを有するものとする。
また、本発明の磁気記録媒体は、長尺状の非磁性支持体と、金属または合金からなる第1のシールド層と、第1のシールド層より酸化されにくい材料からなる第2のシールド層と、真空薄膜形成技術によって形成された厚さ55nm以下の磁性層とを有するものとし、第1のシールド層の膜厚が1nm以上10nm以下であり、第2のシールド層の膜厚が1nm以上10nm以下であるものとする。
好適には、前記第1のシールド層は、アルミニウム、チタンの少なくとも一方を含む金属層または合金層であるものとし、前記第2のシールド層は、ニッケル、銅、銀、金、パラジウム、クロムのいずれかを含む金属層、酸化アルミニウム層、酸化ケイ素層、または窒化ケイ素層であるものとする。好適には、本発明の磁気記録媒体の再生には、MRヘッドまたはGMRヘッドが用いられる。
上記構成によれば、極めて薄層の磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層の腐食の低減化が図られ、保存特性、及び電磁変換特性の向上が図られる。
本発明によれば、材料を特定した二層構造の、いわゆるシールド層を磁性層の下地として設けることにより、磁性層が厚さ55nm以下程度にも薄くされた磁気記録媒体においても、磁性層の劣化を効果的に抑制され、例えばテープストリーマー用途を始めとした各種の用途の磁気記録テープシステムにおいて、高記録密度の記録再生を行うことができ、記録された情報を長期間安定に保存できる。
以下、本発明の磁気記録媒体について、具体的な実施の形態を説明する。
図1に本実施形態の磁気記録テープ媒体の概略断面図を示す。
図1に示すように、本実施形態の磁気記録媒体1は、非磁性支持体2上に第1のシールド層3および第2のシールド層4が順に積層され、その上層に磁性層5が形成されている。磁性層5上に保護膜6が形成され、その上層に潤滑層7が形成されている。非磁性支持体2の磁性層側の面を表面とすると、非磁性支持体2の裏面にはバックコート層8が形成されている。
本実施形態の磁気記録媒体1は、MRヘッド若しくはGMRヘッドと摺動する状態で再生が行われる。ここで、摺動とは、停止している磁気記録媒体に対してヘッドが移動する場合と、固定されたヘッドに対して磁気記録媒体が走行する場合と、磁気記録媒体とヘッドの両方が移動する場合のいずれでもよい。
本実施形態の磁気記録媒体1において、磁性層5は真空薄膜形成技術によって形成され、磁性層5の厚さは55nm以下であるものとする。磁性層5の厚さは磁気記録媒体1の再生に用いられるMRヘッド若しくはGMRヘッドが飽和しない範囲に制御する。したがって、GMRヘッドを再生に用いる場合は、MRヘッドを用いる場合よりも、磁性層5をさらに薄くする。
第1のシールド層3の材料は、Al、Tiの少なくとも一方を含む金属、またはいずれかの合金が好ましい。第2のシールド層4の材料は、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Crのいずれかを含む金属、あるいは、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または窒化ケイ素等が好ましい。
本実施形態の磁気記録媒体1は二層構造のシールド層3、4を有し、二層のシールド層3、4の厚さの合計は2nm以上、50nm以下であることが好適である。
また、さらに、第1のシールド層3の膜厚が1nm以上10nm以下であり、第2のシールド層4の膜厚が1nm以上10nm以下であるものとすることが好ましい。これにより、媒体ノイズを効果的に低減化でき、C/N比の向上が図られる。
上記の構成のシールド層3、4を形成することにより、非磁性支持体2の裏面側からの磁性層5の劣化が効果的に抑制され、磁性層5の保存特性が飛躍的に向上する。磁性層5の劣化は、雰囲気中に酸素や水分が存在することによって、磁性金属が酸化することにより進行する。本発明者は、上記のようなシールド層がなく、酸化の進行したサンプルの膜厚方向の酸素分布を解析することにより、磁性層の酸化メカニズムについて検討した。
その結果、MRヘッドやGMRヘッドに適用される、厚さ約55nm以下の磁性層の場合、磁性層の酸化は表面側(保護膜側)からでなく、裏面側(非磁性支持体側)から進行していることが明らかになった。これは、蒸着テープ等の磁気記録テープ媒体に使用されている、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の非磁性支持体2は、酸素、水分の透過性が大きいためである。
磁性層を約55nm以下程度に薄くすると、磁性層の裏面側からの酸化による劣化が深刻な問題となる。本発明者は、シールド層の材料や成膜方法について詳細に検討した結果、特に、Al、Ti、あるいはそれらの一つを含む合金を材料とし、真空中で成膜することにより、保存による磁性層の劣化をほぼなくすことができることを見出した。
しかしながら、AlやTi、あるいは、それらの一つを含む合金を材料として単層のシールド層を形成した場合、蒸着テープの磁気特性が損なわれることが新たな課題として露呈した。その理由は、AlやTi、あるいは、それを含む合金のシールド層は、真空中で成膜されるために非常に還元力が強く、磁性層の酸素分布を変えてしまうためであることが分かった。
この課題に対し、本発明者は、磁性層の還元(酸素の移動)を第2のシールド層により抑制し、磁気特性を維持、あるいは向上させることを検討した。その結果、第2のシールド層4として、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Crのいずれかを含む金属、あるいは、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化珪素を材料とした層を形成することにより、第1のシールド層の影響を遮断、あるいは効果的に低減化できることを見出した。
上述したように、二層構造のシールド層3、4を設けた場合、磁性層の腐食による劣化が防止でき、かつ磁気特性がシールド層を設けないものと同等、あるいは向上することが確かめられた。
また、本発明者は、積層した二層のシールド層3、4の厚さの合計が、2nm以上50nm以下の場合に、電磁変換特性を劣化させることなく耐食性を向上させることが可能であることを見出した。
上述したように、本発明の磁気記録媒体1においては、非磁性支持体2を透過した酸素や水分等による磁性層5の酸化を抑制するための還元力の強い第1のシールド層と、磁性層から第1のシールド層への酸素の移動を抑制し、かつ、磁気特性への影響が少ない第2のシールド層とが積層された構成を有している。これにより、磁気テープ媒体の磁気特性を劣化させることなく保存特性を向上させることができる。
次に、本発明の磁気記録媒体1を構成する各層について、さらに詳細に説明する。
非磁性支持体2の材質には、通常、この種の磁気記録媒体の基体として用いられている公知の材料をいずれも適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテートなどのセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のプラスチック等を挙げることができる。
非磁性支持体2の表面側には、バインダー樹脂、フィラー及び界面活性剤を含有する塗料によりコーティング層を形成してもよく、これにより表面に微細な凹凸を付加したり、機械的な強度を高めたりすることができる。バインダー樹脂としては、例えば水性ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
フィラーの種類としては、耐熱性ポリマーからなる粒子、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム等が挙げられる。コーティング層に含まれるフィラーの平均粒径は5〜30nm、フィラーによる表面突起の密度は50〜3000万個/mm2程度とすることが好ましい。これにより、磁気記録媒体の走行耐久性と電磁変換特性を向上させることができる。
第1のシールド層3は、磁性層5の保存特性を向上させる目的で設けられる。第1のシールド層3は、真空薄膜形成技術により作製する。第1のシールド層3の材料としては、Al、Tiのいずれか一つ以上を含む金属、または合金が好適である。第1のシールド層3の材料には、磁性層5の材料よりも酸化されやすい材料を用いる。例えば、Co−CoO系磁性層5の磁性を担うCoの水素標準電極電位が −0.277Vであるのに対し、Al、Tiの水素標準電極電位は、それぞれ−1.662V、−1.628Vである。したがって、磁性層5に比較して第1のシールド層3が選択的に酸化され、磁性層5の劣化が効果的に抑制される。
真空薄膜形成技術としては、各種の物理的蒸着(PVD;Physical Vapor Deposition)法が挙げられる。PVD法として、具体的には、真空下でシールド層の材料となる金属材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体上に付着させる真空蒸着法が挙げられる。また、シールド層の材料となる金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング法も挙げられる。
また、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンイオンでシールド層の材料からなるターゲットの表面原子をたたき出し、シールド層を堆積させるスパッタリング法も挙げられる。これらのPVD法は、シールド層を容易に生産することが可能で、成膜性も良好である。
第2のシールド層4は、第1のシールド層3を設けることによる磁性層5の磁気特性の劣化を抑制する目的で設けられる。
第2のシールド層4は、第1のシールド層3と同様に、真空蒸着法等の真空薄膜形成技術により成膜する。また、酸化物や窒化物材料の成膜技術として、アルゴンと酸素や窒素を主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンと酸素や窒素のイオンでシールド層の材料となる金属材料からなるターゲットの表面原子をたたき出すとともに酸化反応や窒化反応させる反応性スパッタ法もある。反応性スパッタ法はPVD法の一つであり、酸化物や窒化物材料からなる第2のシールド層4を容易に生産することが可能で、成膜性も良好である。
また、第2のシールド層4は、例えば、プラズマCVD(化学的気相成長)連続膜形成装置を用い、CVD法によって形成することもできる。CVD方式としては、メッシュ電極DCプラズマ方式、電子ビーム励起プラズマソース方式、冷陰極イオンソース方式、イオン化蒸着方式、触媒CVD方式などの従来公知の方式をいずれも使用することができる。
メッシュ電極DCプラズマ方式は、成膜電流を流すための電極層を基板に必要とするものの成膜速度に優れた利点がある。また、電子ビーム励起プラズマソース方式、冷陰極イオンソース方式、イオン化蒸着方式、触媒CVD方式は、電極層を必要とせず、絶縁体である非磁性支持体上に直接成膜できる利点がある。
CVD法における原料ガスとしては、シランとアンモニア等、従来公知の材料をいずれも使用できる。また、プラズマ生成時には、HeやN2、O2等が導入されていてもよい。
第2のシールド層4を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Cr、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または窒化ケイ素が挙げられる。
なお、第2のシールド層4形成用材料は、第1のシールド層3より酸化されにくい材料であるものとする。これにより、磁性層5の磁気特性を維持、あるいは向上させることができる。
なお、第2のシールド層4は、その他、Co、Fe、Zr、Pt、Ta、W、Al、Mn、Cr、V、Nb、Mo、Ru等の金属材料、これらのうちの二種以上を組み合わせた合金、また、この金属材料と酸素や窒素との化合物、SiO2、窒化珪素、ITO(Indium Tin Oxide)、In23、ZrO等の化合物を用いて形成することもできる。
第1のシールド層3が磁性層5を還元することによる磁性層5の磁気特性の劣化を防止するには、第2のシールド層4の材料として、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Crのいずれかを含む金属、あるいは、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素が特に好適である。
磁性層5は、真空薄膜形成技術により作製する。真空薄膜形成技術としては、前述した真空蒸着法、イオンプレーティング法及びスパッタリング法などのPVD法が挙げられる。
本発明の磁気記録媒体は、MRヘッドやGMRヘッドを有する記録再生装置に好適である。ノイズの低減を図り、C/N(キャリア/ノイズ)の向上を図るために、磁性層5は極めて薄くすることが望ましく、磁性層5の厚さは5〜55nmとすることが好ましい。5nm未満の場合、高感度のGMRヘッドを用いても充分に再生出力を得られないことがある。また、55nmを超える場合、MRヘッド若しくはGMRヘッドが飽和して、再生信号を得られなくなることがある。
磁性層5を構成する強磁性金属材料としては、磁気記録媒体の作製に通常用いられる従来公知の金属材料又は合金をいずれも使用することができる。例えば、Co、Ni等の強磁性金属、Co−Ni系合金、Co−Fe系合金、Co−Ni−Fe系合金、Co−Cr系合金、Co−Pt系合金、Co−Pt−B系合金、Co−Cr−Pt系合金、Co−Cr−Ta系合金、Co−Cr−Pt−Ta系合金等の材料、或いは、これらの材料を酸素雰囲気中で成膜し、膜中に酸素を含有させたもの、または、これらの材料に一種類若しくは二種以上のその他の元素を含有させたものが挙げられる。
また、これらの強磁性材料と非固溶であるAl23、SiO2、InO2、ZrO2等を同時成膜することにより得られる、Co−Pt−SiO2、Co−Pt−Al23等のグラニュラー材料によって磁性層5を形成してもよい。
磁性層5の上層には、より良好な走行耐久性及び耐食性を確保するために、ダイヤモンドライクカーボン等からなる保護膜6が形成されている必要がある。
保護膜6は第1、及び第2のシールド層3、4と同様に、CVD法やスパッタリング法等の真空薄膜形成技術によって形成できる。
また、非磁性支持体2の裏面側には、磁気記録媒体1の走行性の向上や帯電防止を目的として、バックコート層8を設ける。
バックコート層8は、膜厚0.2〜0.7μm程度が好ましい。バックコート層8は、例えばバックコート層用塗料を非磁性支持体2の裏面に塗布することにより形成される。バックコート層用塗料は、無機顔料等の固体粒子を結合剤中に分散させ、結合剤の種類に応じて選定された有機溶剤と共に混練して調製される。
さらに、磁性層が設けられている面側(保護膜6側)と、非磁性支持体2の裏面側の少なくとも一方の最表層を、潤滑剤や防錆剤によってコーティングすることが望ましい。図1は、保護膜6上に潤滑剤を含む溶液を塗布し、潤滑層7を形成した例を示す。
なお、本発明に基づく磁気記録媒体は、磁性層が単層であるものに限らず、複数の磁性層が積層されたものであってもよい。磁性層を積層した場合、磁性層間に二層のシールド層を形成してもよい。
本発明の磁気記録媒体は、MR再生ヘッドやGMR再生ヘッドを用いた例えばヘリカルスキャン磁気記録システムの磁気テープとして好適である。ここで、MRヘッドとは、磁気記録媒体からの信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁気ヘッドである。
一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドよりも感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適している。したがって、再生用磁気ヘッドとしてMRヘッドを用いることで、より高密度記録化を図ることができる。
そして、このMRヘッドは、例えば、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性材料からなる一対の磁気シールドに絶縁体を介して挟持された略矩形状のMR素子部を備える。なお、MR素子部の両端からは、一対の端子が導出されており、これらの端子を介して、MR素子部にセンス電流を供給できるようになされている。
MRヘッドを用いて磁気テープからの信号を再生する際は、磁気テープをMR素子部に摺動させる。そして、磁気テープをMR素子部に摺動させた状態で、MR素子部の両端に接続された端子を介して、MR素子部にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を検出する。
磁気テープを摺動させた状態でMR素子部にセンス電流を供給すると、磁気テープからの磁界に応じて、MR素子部の磁化方向が変化し、MR素子部に供給されたセンス電流と磁化方向との相対角度が変化する。そして、MR素子部の磁化方向とセンス電流の方向とがなす相対角度に依存して抵抗値が変化することとなる。
このため、MR素子部に供給するセンス電流の電流値を一定にすることにより、センス電流に電圧変化を生ずることとなる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検出することにより、磁気テープからの信号磁界が検出され、磁気テープに記録されている信号が再生される。
なお、用いるMRヘッドにおいて、MR素子部に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示す素子であればよく、例えば、複数の薄膜を積層することにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるようにした、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も使用可能である。
また、MR素子にバイアス磁界を印加する手法は、SAL(Soft Adjacent Layer)バイアス方式の他、例えば、永久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々の手法が適用可能である。巨大磁気抵抗効果並びに各種バイアス方式については、例えば、上記非特許文献1を参照できる。
次に、本発明の磁気記録媒体におけるシールド層の効果について詳細に説明する。
上述したように、MRヘッドに適した磁気記録媒体とする目的で磁性層を薄層化すると、保存により磁性層の磁化量が著しく減少する。
Co磁性層の厚さと磁化劣化率との関係を図3に示す。磁化劣化率は、高温高湿環境下に磁気記録媒体を放置し、放置前の飽和磁化Ms0と、放置後の飽和磁化Ms1を測定し、下記式(1)により算出される。
磁化劣化率(%)=((Ms0−Ms1)/Ms0)×100・・・(1)
図3に示すように、磁性層の厚さが約50nmより薄くなると、磁化劣化率が急激に増大する。実用上、上記の磁化劣化率は10%以内が望ましく、磁性層の厚さが50nm以下の場合、磁化劣化率が許容されない。MRヘッドより再生感度の高いGMRヘッドに磁気記録媒体を対応させる場合、MRヘッド用の磁気記録媒体よりも磁性層が薄くされる。GMRヘッド用の磁気記録媒体では、磁性層の厚さを例えば50nm以下、好適には30nm前後とする。
磁性層を100nm以下に薄くした場合、従来の誘導型ヘッドでは再生感度が不足するため、MRヘッドやGMRヘッドを再生に用いる必要がある。すなわち、このような磁化劣化率の増大は、記録再生信号の面密度を高め、再生にMRヘッドやGMRヘッドを用いる場合に問題となる。このような現象は、これまで報告された例が無いが、以下のような機構が考えられる。
磁性層は、例えばCoの磁性金属を蒸着して形成されるが、その際に導入する酸素や作製工程中における大気との反応で、磁性層の下部や上部は化学量論組成に満たない酸化状態となっている。この酸化している領域は、磁性層と非磁性支持体との界面や、磁性層と保護層の界面に存在する。
高温高湿環境下では、磁性層が含有する酸素の拡散や、外部環境からの酸素および湿気の侵入が促進される。これにより、各界面の酸化領域が拡大し、酸素比率が増加する。酸化領域の拡大は、酸化領域がある程度の厚さになると拡大速度が遅くなる。これは、酸化被膜が厚くなると、酸素や湿気の拡散経路の閉塞部が増え、酸素が磁性層内部に入り込みにくくなるためである。磁性層の厚さが100nm以上の場合、磁性層の厚さ方向における中央部での磁化量の減少は少ない。
しかしながら、磁性層の厚さが100nm以下になると、層上部と層下部から拡大する酸化領域が層中央領域にまで達するために、磁性層全体が酸化する。さらに、磁性層全体が酸素とCoの化学量論組成となるまで反応は止まらないので、急速に磁化量が減少する。
図4は、非磁性支持体とCo磁性層の界面にTiシールド層を設けた場合の磁化劣化率と保磁力比を示す。図5は、非磁性支持体とCo磁性層の界面にAlシールド層を設けた場合の磁化劣化率と保磁力比を示す。磁性層の厚さは、図3において磁化劣化が最も大きくなる厚さ(25nm)とした。磁化劣化率は、上記式(1)を用いて算出した。図4及び図5のAは、シールド層を設けなかった場合の磁化劣化率を示す。保磁力比は下記式(2)を用いて、保存前の保磁力から算出した。
保磁力比=(試料の保磁力)/(シールド層が無い場合の保磁力)・・・(2)
磁化劣化率については、図4及び図5に示すように、シールド層を設けない場合に比較して、TiまたはAlのシールド層を0.5nm厚で設けた場合に低減し、1nm厚で設けた場合に著しく低減する。シールド層が5〜10nm厚のとき、磁化劣化率が極小となり、シールド層を10nmより大きくすると、磁化劣化率が増大する。
GMRヘッド用の磁気記録媒体における磁化劣化率の規格許容範囲を実用上10%以内としたとき、Tiシールド層又はAlシールド層の厚さが30nmを超えると、磁化劣化率が許容されなくなる。上述した従来の特許文献1〜3では、このような厚さ範囲で下地層が形成されていないため、厚さ30nm以下のTi層やAl層が磁気特性に与える効果や、Ti層やAl層の厚さに応じた磁気特性の挙動については検討されていない。
保磁力比については、図4及び図5に示すように、Ti又はAlのシールド層を0.5〜50nm厚で設けることにより、シールド層がない場合に比較して、保磁力は若干低下する。保磁力比はシールド層の厚さが5nm程度のときに極小となるが、このときの保磁力比は0.8以上であり、実用上許容される範囲にある。
以上のように、磁性層と接するように、TiまたはAlのシールド層を1〜30nmの厚さで形成することにより、保存に伴う磁化量の減少を効果的に抑制できる。また、Ti又はAlを含む合金のシールド層を同様の厚さで形成した場合にも、保存による磁化量の減少を同様に抑制できることが確認された。
なお、特許文献1記載の磁気記録媒体においては、磁性層の下地に形成される金属膜と、その金属膜の表面に形成される金属酸化物膜の膜厚の比(金属酸化物膜の膜厚/金属膜の膜厚)が0.01〜0.5に規定されている。
一方、本発明の磁気記録媒体において、Ti又はAlのシールド層が1nm程度であっても、磁性層の磁化劣化を防止する効果が見られている。Ti層やAl層には意図的な参加処理は行われていないが、自然酸化により仮に酸化層が形成されていても、この程度の厚さの場合、分析は困難である。但し、Coを還元させる効果が見られることから、第1のシールド層のTiやAlは酸化されていない金属の状態で存在していることが考えられる。
次に、本発明の磁気記録媒体について、具体的な実施例、及び比較例を挙げて説明するが、本発明の磁気記録媒体は、以下の例に限定されない。
〔実験A〕
(実施例A1)
非磁性支持体として、厚さ6.3μm、幅150mmのPETフィルムを用意した。まず、非磁性支持体上の磁性層を形成する面側に、膜厚5nmのコーティング層を形成した。コーティング層は、アクリルエステルを主成分とする水溶性ラテックスに、直径10nmのシリカ粒子を分散させ、密度が1×107個/mm2程度となるように塗布して形成した。
次に、コーティング層が形成された非磁性支持体上に、第1のシールド層としてTi層を形成した。第1のシールド層は、スパッタリング法により膜厚が1nmになるように成膜した。続いて、第1のシールド層上に第2のシールド層としてCu層を形成した。第2のシールド層は、スパッタリング法により膜厚が1nmになるように成膜した。
具体的には、図2で示されるマグネトロンスパッタ装置10において、外側をチャンバー11にて覆い、始めに真空ポンプ12にて10-4Paまで減圧した。その後、真空ポンプ12側へ排気するバルブ13の角度を全開状態から10°まで絞ることにより排気速度を落とし、Arガス導入管14からArガスを導入して真空度を0.8Paに設定した。
そして、PETフィルム原反16を巻出しロール15にセットし、−40℃に冷却されたクーリングキャン17の周面に走行させ、巻取りロール18に順次巻取れるようにした。クーリングキャン17と45mm離れた位置に対向配置された電極19とTi、あるいはCuからなるターゲット20に3000Vの電圧をかけ、1.4Aの電流が流れる状態を保った。これにより、PETフィルム原反16の高分子フィルム上にシールド層となるTi層3やCu層4(図1参照)が成膜された。なお、シールド層の膜厚は、各実施例及び比較例における成膜速さにより設定することができる。
次に、磁性層を蒸着装置を用いて形成した。原料の金属磁性材料はCoとした。
酸素ガス導入管から酸素を6.0×10-43/minの導入量で導入し、電子銃から電子線を照射して加熱し、反応性真空蒸着によりCo−CoO系磁性層を成膜した。磁性層の厚さは50nmとした。このとき、シャッターによって、Co蒸着粒子の最小入射角度を45゜、最大入射角度を90゜に調整した。
次に、磁性層上にDLCからなる保護膜を、プラズマCVD法によって厚さが10nmになるように形成した。次に、DLCからなる保護膜上に、パーフルオロポリエーテルを含む溶液を塗布し、厚さ2nmの潤滑層を形成した。
また、非磁性支持体の裏面に、走行耐久性を高める目的で厚さ0.5μmのバックコート層を形成した。バックコート用塗料は、無機顔料として平均粒径20nmのカーボン粒子を用い、カーボン粒子をウレタン樹脂および溶剤に分散させて調製した。バックコート用塗料の塗布には、ダイレクトグラビア法による塗布装置を用いた。最後に、原反を8mm幅に裁断し、実施例A1のサンプルテープを得た。
(実施例A2)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層の膜厚を40nmとした。
その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A3)
第1のシールド層の膜厚を40nm、第2のシールド層の膜厚を10nmとした。
その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A4)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層の膜厚を5nmとした。
その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A5)
第2のシールド層をNi層とした。
その他の条件は、実施例A4と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A6)
第2のシールド層をCr層とした。
その他の条件は、実施例A4と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A7)
第1のシールド層を膜厚5nmのTi−W合金(50:50)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのCu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A8)
第2のシールド層を膜厚5nmのCr層とした。その他の条件は実施例A7と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A9)
第2のシールド層を膜厚5nmのNi層とした。その他の条件は、実施例A7と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A10)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのCu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A11)
第2のシールド層を膜厚5nmのCr層とした。その他の条件は、実施例A10と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A12)
第2のシールド層を膜厚5nmのNi層とした。その他の条件は実施例A10と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A13)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl-Si合金(87:12)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのCu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A14)
第2のシールド層を膜厚5nmのCr層とした。その他の条件は、実施例A13と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A15)
第2のシールド層を膜厚5nmのNi層とした。その他の条件は、実施例A13と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A16)
第1のシールド層を膜厚5nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚5nmの酸化アルミニウム層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A17)
第2のシールド層を膜厚5nmの酸化ケイ素層とした。その他の条件は、実施例A16と同様にしてサンプルテープを作製した。
(実施例A18)
第2のシールド層を膜厚5nmの窒化ケイ素層とした。その他の条件は、実施例A16と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A1)
シールド層を成膜しなかった。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A2)
第1のシールド層を膜厚10nmのCu層とし、第2のシールド層を成膜しなかった。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A3)
第1のシールド層を膜厚10nmのNi層とした。その他の条件は、比較例A2と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A4)
第1のシールド層を膜厚10nmのCr層とした。その他の条件は、比較例A2と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A5)
第1のシールド層を膜厚10nmのTi層とした。その他の条件は、比較例A2と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A6)
第1のシールド層を膜厚10nmのTi−W合金(50:50)とした。その他の条件は、比較例A2と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A7)
第1のシールド層を膜厚10nmのAl層とした。その他の条件は、比較例A2と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A8)
第1のシールド層を膜厚10nmのAl−Si合金(87:12)とした。その他の条件は、比較例A2と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A9)
第1のシールド層を膜厚5nmのCu層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのTi層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A10)
第2のシールド層を膜厚5nmのAl層とした。その他の条件は、比較例A9と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A11)
第1のシールド層を膜厚5nmのCr層とした。その他の条件は、比較例A9と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A12)
第1のシールド層を膜厚5nmのNi層とした。その他の条件は、比較例A9と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A13)
第1のシールド層を膜厚0.5nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚0.5nmのCu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例A14)
第1のシールド層を膜厚50nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚20nmのCu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
上記のようにして作製した各サンプルテープについて、以下に示す方法を用いて保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性の評価を行った。各測定評価の評価ランクを下記表1に示す。
Figure 2005018958
上記表1に示す保存特性Aは、保存試験後の磁性層の磁化劣化率より見積もった。磁化劣化率は、温度65℃、相対湿度90%の環境下にて6日間放置して、放置前の飽和磁化Ms0と、放置後の飽和磁化Ms1とを測定し、下記式(1)を用いて算出した。飽和磁化Mの測定には、VSM(vibrating sample magnetometer)を用いた。保存特性の評価のランク付けは、◎が5%以下、○が5%より大きく15%以下、×が15%より大きいとした。
磁化劣化率(%)=((Ms0−Ms1)/Ms0)×100・・・(1)
上記表1の磁気特性Bとしては、VSMを用いて保磁力Hを測定した。そして、下記式(3)を用いて、シールド層を持たない比較例A1のHc値と比較しランク付けした。磁気特性の評価のランク付けは、◎が0.95以上、○が0.95未満0.9以上、×が0.9より小さい、とした。
磁気特性比=(各試料のHc値)/(比較例1のHc値)・・・(3)
上記表1の電磁変換特性Cは、ドラムテスタを用いて測定した。再生ヘッドにはトラック幅5μmのMRヘッドを用いた。記録波長を0.5μmとしたときの、キャリア出力と媒体ノイズの比(C/N比)をシールド層を持たない比較例1を基準としてランク付けした。磁気特性の評価のランク付けは、◎が−1.0dB以上、○が−1.0dBより小さく−1.5dB以上、×が−1.5dB未満とした。
実施例A1〜A18の各サンプルテープの評価結果を表2に示し、比較例A1〜A14の各サンプルテープの評価結果を表3に示す。
Figure 2005018958
Figure 2005018958
実施例A1〜A15は、第1のシールド層をTiやAl、あるいはそれらの一つを含む合金とし、第2のシールド層を、Cu、Ni、Crとした例である。この配列で二層構造のシールド層を形成した場合は、保存特性が著しく向上し、磁気特性、電磁変換特性の劣化が無かった。
実施例A1〜A4と比較例A13、A14は第1のシールド層がTi層であり、第2のシールド層がCu層である点で共通し、2層のシールド層の厚さがそれぞれ異なる。実施例A1〜A4はシールド層の総厚を2〜50nmとした例である。一方、比較例A13はシールド層の総厚を1nmとした例であり、比較例A14はシールド層の総厚を70nmとした例である。
実施例A1〜A4では保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性が良好であった。それに対し、比較例A13では保存特性の低下が見られ、比較例A14では電磁変換特性の低下が見られた。すなわち、2層のシールド層の総厚が2〜50nmのとき、2層のシールド層によって磁性層の劣化が防止された。総厚がそれより小さい場合(比較例A13)は、シールド層がない場合(比較例A1)と同様な結果となり、Ti層とCu層の積層膜がシールド層として機能しなかった。
また、二層のシールド層の総厚が50nmを超えた場合(比較例A14)、保存特性は改善されるが、電磁変換特性が劣化した。これは、シールド層が厚くなることにより、磁性層の表面が荒れるためと考えられる。シールド層を厚くしたとき、磁性層の表面が荒れることは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察により確認できる。
実施例A16〜A18は、第1のシールド層をTi層とし、第2のシールド層を酸化アルミニウムや酸化ケイ素、窒化ケイ素とした例である。第2のシールド層を緻密な酸化物や窒化物とすることでも、保存特性が著しく向上し、磁気特性、電磁変換特性の劣化を抑制することができる。
比較例A1は、シールド層を持たない場合であるが、保存特性が所望のレベルに無い。比較例A2〜A4は、Cu、Ni、Crを単層のシールド層とした例であるが、保存特性が改善されない。比較例A5〜A8は、TiやAl、それら一つを含む合金をシールド層とした例であり、保存特性が著しく向上するが、磁気特性や電磁変換特性が劣化する。
比較例A9〜A12は、第1のシールド層の材質をCu、Ni、Crとし、第2のシールド層の材質をTiやAlとした例である。比較例A9は、実施例A4の第1のシールド層と第2のシールド層を入れ替えたものに相当する。各シールド層の材質、及び厚さは比較例A9と実施例A4で共通する。同様に、比較例A10と実施例A10は二層のシールド層の配列のみ異なる。また、比較例A11と実施例A6も二層のシールド層の配列のみ異なる。比較例A12と実施例A5も二層のシールド層の配列のみ異なる。
実施例A4〜A6、A10では良好な結果が得られているのに対し、比較例A9〜A12では、保存特性のみ良好となり、磁気特性と電磁変換特性が劣化した。したがって、各シールド層の材質及び厚さだけでなく、2層のシールド層の配列もシールド層の機能に影響することがわかる。
保磁力に関して、特許文献3には、磁性層の下地にAl層を形成することにより保磁力が増加したことが記載されている。しかしながら、本発明の磁気記録媒体に規定するシールド層の厚さ範囲で単層のTi層を形成した場合、図6に示すように、シールド層が無い場合(比較例A1)に対して保磁力は低下する。但し、図6において、単層のシールド層の厚さが厚くなるにつれて保磁力が増加する傾向は現われている。したがって、シールド層を形成することによる保磁力の低下は、シールド層が極めて薄い場合の現象と考えられる。
シールド層を薄くすることは、シールド層の厚さの増加に伴う表面性の悪化を防止し、媒体ノイズの増加を抑制する上で重要である。本発明の磁気記録媒体によれば、磁性層の下地に形成されるシールド層が薄いことから、高いC/Nが得られる。
また、図6に示すように、単層のCu層を形成した場合には(比較例A2)、シールド層を形成しない場合(比較例A1)に比較して保磁力が増加した。図6において(CuXnm/TiYnm)は、厚さYnmのTi層上に厚さXnmのCu層が形成されていることを示す。図6に示すように、厚さ10nm以下のTi層の上に厚さ10nm以下のCu層が形成されている場合、単層のCu層を形成した場合に比較して、保磁力は格段に大きくなる。Ti層をAl層にした場合にも、同様の傾向が見られた。
図7に、第1のシールド層としてTi層を形成し、第2のシールド層としてCu層を形成した場合の総シールド層厚とC/Nの関係を示す。総シールド層厚1nmは、比較例A13、総シールド層厚2nmは実施例A1、総シールド層厚10nmは実施例A4、総シールド層厚50nmは実施例A2、及びA3、総シールド層厚70nmは比較例A14に対応する。
図7から、比較例A1を基準(0dB)としたとき、Ti層とCu層の2層のシールド層を総厚1〜10nmで形成した場合、C/Nが向上することがわかる。一般に、保磁力が高い場合、C/Nは良好となる。総シールド層厚が50nm以上の場合、図6に示すように保磁力が高く、C/Nも良好となることが予想されたが、実際には、総シールド層厚が10nmより大きくなるにつれて、C/Nは急激に悪化した。
これは、シールド層を厚くすることにより、シールド層の表面が荒れ、ノイズが増大するためと考えられる。GMRヘッドを用いるシステムでは、従来よりも短い波長で記録再生するため、表面の荒れた状態がノイズの大きさに敏感に反映される。
この場合、実用上許容される範囲のC/Nは、−1.5dB以上であり、総シールド層厚50nmではC/Nが許容されない。すなわち、磁性層の厚さが55nm以下の磁気記録媒体では、総シールド層厚が50nmを超えると、電磁変換特性が不足した。一方、総シールド層厚が1nm以下のときは、保存による磁化劣化が大きく、保存特性が不足した。
〔実験B〕
上記〔実験A〕において、第1のシールド層または第2のシールド層を構成したCu層をAg層に代えて、サンプルとなる磁気テープを作製した。
(実施例B1)
第2のシールド層として膜厚1nmのAg層を形成した。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例B2)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層を膜厚40nmのAg層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例B3)
第1のシールド層の膜厚を40nm、第2のシールド層を膜厚10nmのAg層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例B4)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層を膜厚5nmのAg層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例B5)
第1のシールド層を膜厚5nmのTi−W合金(50:50)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAg層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例B6)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAg層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例B7)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl-Si合金(87:12)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAg層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例B1)
第1のシールド層を膜厚10nmのAg層とし、第2のシールド層を成膜しなかった。
その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例B2)
第1のシールド層を膜厚5nmのAg層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのTi層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例B3)
第1のシールド層を膜厚5nmのAg層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAl層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例B4)
第1のシールド層を膜厚0.5nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚0.5nmのAg層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例B5)
第1のシールド層を膜厚50nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚20nmのAg層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
上記のようにして作製した実施例B1〜B7、及び比較例B1〜B5の各サンプルテープについて、保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性の評価を行った。各測定評価の評価ランクは、上記表1に示す通りとした。
実施例B1〜B7、及び比較例B1〜B5の各サンプルテープの評価結果を、下記表4、表5に示す。
Figure 2005018958
Figure 2005018958
実施例B1〜B7は、第1のシールド層をTiやAl、あるいはそれらの一つを含む合金とし、第2のシールド層をAgとした例である。この配列で二層構造のシールド層を形成した場合は、保存特性が著しく向上し、磁気特性、電磁変換特性の劣化が無かった。
実施例B1〜B4と、比較例B4、B5は、第1のシールド層がTi層であり、第2のシールド層がAg層である点で共通し、二層のシールド層の厚さがそれぞれ異なる。
実施例B1〜B4は、シールド層の総厚を2〜50nmとした例である。一方、比較例B4はシールド層の総厚を1nmとした例であり、比較例B5はシールド層の総厚を70nmとした例である。
実施例B1〜B4では、保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性が良好であった。それに対し、比較例B4では保存特性の低下が見られ、比較例B5では電磁変換特性の低下が見られた。
すなわち、二層のシールド層の総厚が2〜50nmのとき、2層のシールド層によって磁性層の劣化が防止された。総厚がそれより小さい場合(比較例B4)は、シールド層がない場合(実験Aにおける比較例A1)と同様の結果となり、Ti層とAg層の積層膜がシールド層として機能しなかった。
また、二層のシールド層の総厚が50nmを超えた場合(比較例B5)、保存特性は改善されるが、電磁変換特性が劣化した。これは、シールド層が厚くなることにより、磁性層の表面が荒れるためと考えられる。シールド層を厚くしたとき、磁性層の表面が荒れることは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察により確認できる。
比較例B2、B3は、第1のシールド層の材質をAgとし、第2のシールド層の材質をTiやAlとした例である。
比較例B2は、実施例B4の第1のシールド層と第2のシールド層を入れ替えたものに相当する。各シールド層の材質及び厚さは、比較例B2と実施例B4で共通する。
同様に、比較例B3と実施例B6は、二層のシールド層の配列のみ異なる。
実施例B4、B6では良好な結果が得られているのに対し、比較例B2、B3では、保存特性のみ良好となり、磁気特性と電磁変換特性が劣化した。したがって、各シールド層の材質、及び厚さだけでなく、二層のシールド層の配列もシールド層の機能に影響することが明らかになった。
〔実験C〕
上記〔実験A〕において、第1のシールド層または第2のシールド層を構成したCu層をAu層に代えて、サンプルとなる磁気テープを作製した。
(実施例C1)
第2のシールド層として膜厚1nmのAu層を形成した。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例C2)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層を膜厚40nmのAu層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例C3)
第1のシールド層の膜厚を40nm、第2のシールド層を膜厚10nmのAu層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例C4)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層を膜厚5nmのAu層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例C5)
第1のシールド層を膜厚5nmのTi−W合金(50:50)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例C6)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例C7)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl-Si合金(87:12)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例C1)
第1のシールド層を膜厚10nmのAu層とし、第2のシールド層を成膜しなかった。
その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例C2)
第1のシールド層を膜厚5nmのAu層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのTi層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例C3)
第1のシールド層を膜厚5nmのAu層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAl層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例C4)
第1のシールド層を膜厚0.5nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚0.5nmのAu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例C5)
第1のシールド層を膜厚50nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚20nmのAu層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
上記のようにして作製した実施例C1〜C7、及び比較例C1〜C5の各サンプルテープについて、保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性の評価を行った。各測定評価の評価ランクは、上記表1に示す通りとした。
実施例C1〜C7、及び比較例C1〜C5の各サンプルテープの評価結果を、下記表6、表7に示す。
Figure 2005018958
Figure 2005018958
実施例C1〜C7は、第1のシールド層をTiやAl、あるいはそれらの一つを含む合金とし、第2のシールド層をAuとした例である。この配列で二層構造のシールド層を形成した場合は、保存特性が著しく向上し、磁気特性、電磁変換特性の劣化が無かった。
実施例C1〜C4と、比較例C4、C5は、第1のシールド層がTi層であり、第2のシールド層がAu層である点で共通し、二層のシールド層の厚さがそれぞれ異なる。
実施例C1〜C4は、シールド層の総厚を2〜50nmとした例である。一方、比較例C4はシールド層の総厚を1nmとした例であり、比較例C5はシールド層の総厚を70nmとした例である。
実施例C1〜C4では、保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性が良好であった。それに対し、比較例C4では保存特性の低下が見られ、比較例C5では電磁変換特性の低下が見られた。
すなわち、二層のシールド層の総厚が2〜50nmのとき、二層のシールド層によって磁性層の劣化が防止された。総厚がそれより小さい場合(比較例C4)は、シールド層がない場合(実験Aにおける比較例A1)と同様な結果となり、Ti層とAu層の積層膜がシールド層として機能しなかった。
また、二層のシールド層の総厚が50nmを超えた場合(比較例C5)、保存特性は改善されるが、電磁変換特性が劣化した。これは、シールド層が厚くなることにより、磁性層の表面が荒れるためと考えられる。シールド層を厚くしたとき、磁性層の表面が荒れることは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察により確認できる。
比較例C2、C3は、第1のシールド層の材質をAuとし、第2のシールド層の材質をTiやAlとした例である。
比較例C2は、実施例C4の第1のシールド層と第2のシールド層を入れ替えたものに相当する。各シールド層の材質及び厚さは、比較例C2と実施例C4で共通する。
同様に、比較例C3と実施例C6は、二層のシールド層の配列のみ異なる。
実施例C4、C6では良好な結果が得られているのに対し、比較例C2、C3では、保存特性のみ良好となり、磁気特性と電磁変換特性が劣化した。したがって、各シールド層の材質、及び厚さだけでなく、二層のシールド層の配列もシールド層の機能に影響することが明らかとなった。
〔実験D〕
上記〔実験A〕において、第1のシールド層または第2のシールド層を構成したCu層をPd層に代えて、サンプルとなる磁気テープを作製した。
(実施例D1)
第2のシールド層として膜厚1nmのPd層を形成した。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例D2)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層を膜厚40nmのPd層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例D3)
第1のシールド層の膜厚を40nm、第2のシールド層を膜厚10nmのPd層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例D4)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層を膜厚5nmのPd層とした。
その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例D5)
第1のシールド層を膜厚5nmのTi−W合金(50:50)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのPd層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例D6)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのPd層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例D7)
第1のシールド層を膜厚5nmのAl-Si合金(87:12)層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのPd層とした。その他の条件は、実施例A1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例D1)
第1のシールド層を膜厚10nmのPd層とし、第2のシールド層を成膜しなかった。
その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例D2)
第1のシールド層を膜厚5nmのPd層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのTi層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例D3)
第1のシールド層を膜厚5nmのPd層とし、第2のシールド層を膜厚5nmのAl層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例D4)
第1のシールド層を膜厚0.5nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚0.5nmのPd層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例D5)
第1のシールド層を膜厚50nmのTi層とし、第2のシールド層を膜厚20nmのPd層とした。その他の条件は、実施例A1と同様にしてサンプルテープを作製した。
上記のようにして作製した実施例D1〜D7、及び比較例D1〜D5の各サンプルテープについて、保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性の評価を行った。各測定評価の評価ランクは、上記表1に示す通りとした。
実施例D1〜D7、及び比較例D1〜D5の各サンプルテープの評価結果を、下記表8、表9に示す。
Figure 2005018958
Figure 2005018958
実施例D1〜D7は、第1のシールド層をTiやAl、あるいはそれらの一つを含む合金とし、第2のシールド層をPdとした例である。この配列で二層構造のシールド層を形成した場合は、保存特性が著しく向上し、磁気特性、電磁変換特性の劣化が無かった。
実施例D1〜D4と、比較例D4、D5は、第1のシールド層がTi層であり、第2のシールド層がPd層である点で共通し、2層のシールド層の厚さがそれぞれ異なる。
実施例D1〜D4は、シールド層の総厚を2〜50nmとした例である。一方、比較例D4はシールド層の総厚を1nmとした例であり、比較例D5はシールド層の総厚を70nmとした例である。
実施例D1〜D4では、保存特性、磁気特性、及び電磁変換特性が良好であった。それに対し、比較例D4では保存特性の低下が見られ、比較例D5では電磁変換特性の低下が見られた。
すなわち、2層のシールド層の総厚が2〜50nmのとき、二層のシールド層によって磁性層の劣化が防止された。総厚がそれより小さい場合(比較例D4)は、シールド層がない場合(実験Aにおける比較例A1)と同様な結果となり、Ti層とPd層の積層膜がシールド層として機能しなかった。
また、2層のシールド層の総厚が50nmを超えた場合(比較例D5)、保存特性は改善されるが、電磁変換特性が劣化した。これは、シールド層が厚くなることにより、磁性層の表面が荒れるためと考えられる。シールド層を厚くしたとき、磁性層の表面が荒れることは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察により確認できる。
比較例D2、D3は、第1のシールド層の材質をPdとし、第2のシールド層の材質をTiやAlとした例である。
比較例D2は、実施例D4の第1のシールド層と第2のシールド層を入れ替えたものに相当する。各シールド層の材質及び厚さは、比較例D2と実施例D4で共通する。
同様に、比較例D3と実施例D6は、二層のシールド層の配列のみ異なる。
実施例D4、D6では良好な結果が得られているのに対し、比較例D2、D3では、保存特性のみ良好となり、磁気特性と電磁変換特性が劣化した。したがって、各シールド層の材質、及び厚さだけでなく、2層のシールド層の配列もシールド層の機能に影響することが明らかとなった。
〔実験E〕
次に、第1のシールド層3の膜厚が1nm以上10nm以下、第2のシールド層4の膜厚が1nm以上10nm以下に限定して本発明の実施例となるサンプル磁気テープを作製し、電磁変換特性の評価を行った。
(実施例E1)
第1のシールド層としてTi層を形成した。第1のシールド層は、スパッタリング法により膜厚が1nmになるように成膜した。
続いて、第1のシールド層上に第2のシールド層としてCu層を形成した。第2のシールド層は、スパッタリング法により膜厚が1nmになるように成膜した。
(実施例E2)
第1のシールド層の膜厚を1nm、第2のシールド層の膜厚を5nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E3)
第1のシールド層の膜厚を1nm、第2のシールド層の膜厚を10nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E4)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層の膜厚を1nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E5)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層の膜厚を5nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E6)
第1のシールド層の膜厚を5nm、第2のシールド層の膜厚を10nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E7)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層の膜厚を1nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E8)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層の膜厚を5nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E9)
第1のシールド層の膜厚を10nm、第2のシールド層の膜厚を10nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(実施例E10)
第1のシールド層として膜厚5nmのTiW層を形成し、第2のシールド層の膜厚を5nmとした。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E1)
シールド層を成膜しなかった。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E2)
第1のシールド層の膜厚を1nmとし、第2のシールド層を形成しなかった。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E3)
第1のシールド層の膜厚を5nmとし、第2のシールド層を形成しなかった。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E4)
第1のシールド層の膜厚を10nmとし、第2のシールド層を形成しなかった。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E5)
第1のシールド層の膜厚を15nmとし、第2のシールド層の膜厚を5nmとした。
その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E6)
第1のシールド層の膜厚を1nmとし、第2のシールド層の膜厚を15nmとした。その他の条件は、実施例E1と同様にしてサンプルテープを作製した。
(比較例E7)
第1のシールド層の膜厚を5nmとし、第2のシールド層の膜厚を15nmとした。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
(比較例E8)
第1のシールド層の膜厚を10nmとし、第2のシールド層の膜厚を15nmとした。その他の条件は、実施例E1と同様としてサンプルテープを作製した。
上記のようにして作製した各サンプルテープについて、以下に示す方法を用いて電磁変換特性(C/N)、及び表面粗度の評価を行った。
電磁変換特性は、ドラムテスタを用いて測定した。再生ヘッドには、トラック幅5μmのMRヘッドを用いた。記録波長を0.5μmとしたときのキャリア出力と媒体ノイズの比(C/N比)を、シールド層を形成しなかった比較例E1を基準として表し、C/N比がプラスとなったものを実用上良好であると評価した。
表面粗度については、SPM(DI社のNanoScope3)を用い、5μm×5μmのエリアのRa値を測定した。
実施例E1〜R10の各サンプルテープと、比較例E1〜E8の各サンプルテープの、それぞれの第1のシールド層、及び第2のシールド層の材料と膜厚を下記表10に示し、これらの膜厚と電磁変換特性(C/N)との関係を図8に示す。
Figure 2005018958
実施例E1〜E10においては、第1のシールド層をTi金属、またはこの合金(TiW)とし、第2のシールド層をCuとし、それぞれの膜厚を1〜10nmとした例である。
この配列で2層構造のシールド層を形成した場合は、図8から明らかなように、いずれもC/Nはプラスとなっており、実用上良好な電磁変換特性が得られた。
比較例E1は、第1及び第2のシールド層をいずれも形成しなかった場合で、電磁変換特性の基準値(0dB)とした。
比較例E2〜E8は、第1のシールド層、もしくは第2のシールド層の膜厚を1〜10nm以外の数値とした例であるが、これらはいずれもC/Nがマイナスとなっており、実用上良好な電磁変換特性が得られなかった。
次に、実施例E4〜E6と、比較例E1とE7のサンプルテープにおける表面粗度Raを測定し、第1のシールド層、及び第2のシールド層の膜厚と表面粗度Raとの関係を図9に示した。
図9に示すように、第2のシールド層の膜厚が10nm以下とした比較例E1、実施例E4〜E6においては表面粗度Raが2〜4nm程度となり、しかも増加傾向もなだらかであるが、第2のシールド層の膜厚が10nmを超えるものである比較例E7においては急激に表面粗度Raの値が大きくなった。これに伴い、ノイズの増加により電磁変換特性が急激に悪化した。
上述したことから明らかなように、第1のシールド層3の膜厚が1nm以上10nm以下、第2のシールド層4の膜厚が1nm以上10nm以下となるようにしたことによって、特に媒体ノイズの効果的な低減化が図られ、磁気テープ媒体の電磁変換特性(C/N)を向上させることができた。
すなわちMRヘッドやGMRヘッドのような高感度磁気ヘッドが用いられているデータストリーマー用途やデータストレージ用途を始めとする各種の用途に適した高記録密度の磁気テープが得られた。
なお、上述した実験Eにおいては、第1のシールド層がTi層、あるいはこの合金層(TiW層)であり、第2のシールド層がCu層であるものとした磁気記録媒体について具体例を挙げて説明したが、本発明の磁気記録媒体は、上記の例に限定されるものではなく、第1のシールド層としてAl層、あるいはこの合金層を形成し、第2のシールド層としてNi、Ag、Au、Pd、Crのいずれかを含む金属層を形成した構成の磁気記録媒体についても、同様の結果が得られることが確かめられた。
以上、上記において詳細に説明したように、本発明の磁気記録媒体によれば、磁気テープ媒体の磁気特性や電磁変換特性を劣化させること無く、保存特性の著しい向上を図ることができた。
本発明の磁気記録媒体は、例えば、ヘリカルスキャン方式、リニア方式のいずれにおいても適用可能であり、磁性層が真空薄膜形成技術によって形成され、磁性層の厚さが55nm以下の薄層型の磁気記録テープ媒体であれば有効に適用できるものであり、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本発明の磁気記録媒体の一例の概略断面図を示す。 本発明の磁気記録媒体のシールド層の形成に用いられる装置の概略構成図を示す。 磁性層の膜厚と磁化劣化率の関係を示す。 Tiシールド層の膜厚に依存した磁化劣化率及び保磁力の変化を示す。 Alシールド層の膜厚に依存した磁化劣化率及び保磁力の変化を示す。 本発明の磁気記録媒体の実施例および比較例に係り、Tiシールド層の膜厚および/またはCuシールド層の膜厚を変化させたときの保磁力比を示す。 本発明の磁気記録媒体の実施例に係り、総シールド層の膜厚を変化させたときのC/Nを示す。 第1のシールド層、及び第2のシールド層の膜厚と電磁変換特性の関係を示す。 第2のシールド層の膜厚と表面粗度との関係を示す。
符号の説明
1……磁気記録媒体、2……非磁性支持体、3……第1のシールド層、4……第2のシールド層、5……磁性層、6……保護膜、7……潤滑層、8……バックコート層、10……マグネトロンスパッタ装置、11……チャンバー、12……真空ポンプ、13……バルブ、14……Arガス導入管、15……巻出しロール、16……PETフィルム、17……クーリングキャン、18……巻取りロール、19……電極、20……ターゲット

Claims (9)

  1. 長尺状の非磁性支持体と、
    前記非磁性支持体上に形成された、金属または合金からなる第1のシールド層と、
    前記第1のシールド層上に形成され、前記第1のシールド層より酸化されにくい材料からなり、前記第1のシールド層との厚さの合計が2nm以上50nm以下である第2のシールド層と、
    前記第2のシールド層上に真空薄膜形成技術によって形成された厚さ55nm以下の磁性層とを有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記第1のシールド層は、Al、Tiの少なくともいずれかよりなる金属層、あるいはいずれかの合金層であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記第2のシールド層は、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Crのいずれかを含む金属層であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記第2のシールド層は、酸化アルミニウム層、酸化ケイ素層、または窒化ケイ素層であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記磁性層に記録された信号が、磁気抵抗効果型磁気ヘッドまたは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの摺動により再生されることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 長尺状の非磁性支持体と、
    前記非磁性支持体上に形成された、金属または合金からなる第1のシールド層と、
    前記第1のシールド層上に形成され、前記第1のシールド層より酸化されにくい材料からなる第2のシールド層を有し、
    前記第1のシールド層の膜厚が1nm以上10nm以下であり、
    前記第2のシールド層の膜厚が1nm以上10nm以下であり、
    前記第2のシールド層上に、真空薄膜形成技術によって形成された厚さ55nm以下の磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 前記第1のシールド層は、Al、Tiの少なくともいずれかよりなる金属層、あるいはいずれかの合金層であることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記第2のシールド層は、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Crのいずれかよりなる金属層であることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  9. 前記磁性層に記録された信号が、磁気抵抗効果型磁気ヘッドまたは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの摺動により再生されることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。



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