JP2004362730A - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐食性を有し、充分な機械的強度を備え、平滑性に優れ、カッピングが少なく良好なテープ形状を有する磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】長尺状の非磁性支持体1の一主面上に、真空薄膜形成技術により形成された磁性層2を有し、非磁性支持体1の他の主面上に、対向ターゲット式スパッタ法により成膜されてなるシールド層4を有し、幅方向のカッピングをaとし、幅の長さをwとしたとき、a/wの絶対値が、0.05以下である磁気記録媒体10を提供する。
【選択図】 図1


Description

本発明は、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体と、その製造方法に関するものであり、特に耐食性や硬度が高く、保存安定性に優れ、かつ良好な平面性を有する磁気記録媒体を提供するものである。
近年、ビデオテープレコーダー等の分野においては、高画質化及び高記録密度化を図るため、直接非磁性支持体上に、金属材料、Co−Ni系合金、Co−Cr系合金、Co−CoO系金属酸化物等の磁性材料を真空薄膜形成技術を用いて被着させて磁性層を形成した金属薄膜型の磁気記録媒体が提案されている。
このような磁気記録媒体としては、例えばハイバンド8mmビデオテープレコーダー、デジタルビデオテープレコーダー用の蒸着テープ等が実用化されている。
このような金属薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力や角型比に優れ、また、磁性層を極めて薄層に形成できることから、短波長領域での電磁変換特性に優れ、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい。また、塗布型の磁気記録媒体と異なり、磁性層中に非磁性材料であるバインダーが混入されないので、強磁性金属微粒子の充填密度を高めることができる等の種々の利点を有している。
また、磁気テープ等の磁気記録媒体のデータストリーマーとしての需要が高まるに伴い、さらなる磁気記録媒体の高記録密度化が要求されてきている。さらに、記録情報の再生を行う際に用いる磁気ヘッドとして、従来の誘導型ヘッドに代わり磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドと称する。)が適用されるようになってきている。MRヘッドは、磁性層からの微小な漏洩磁束を高感度に検出することができるので、記録密度の向上を達成することができる。
ところで、MRヘッドは漏洩磁束に対する感度が飽和する検知上限があり、MRヘッドの設計以上に大きな漏洩磁束を検出することができないため、磁気記録媒体の磁性層膜厚を薄層化することにより最適化することが必要である。
また、一般に磁気記録テープシステムは、テープの磁化量の劣化が16%以上である場合、劣化量が大きすぎて充分な再生信号が得られなくなるため、テープ磁化量の劣化が15%以内であることを想定してシステムが形成されている。
ところが、磁性層の薄層化が進むと、磁気記録媒体を高温多湿の環境下で保存した際に、腐食による劣化の影響を受けやすくなるという問題を生じていた。
一般に、蒸着テープ等の磁気記録媒体においては、磁性層の耐食性や走行耐久性を向上させることを目的としてダイヤモンドライクカーボン(DLC)等からなる保護層を磁性層上に形成しているが、テープ媒体として汎用されているポリエチレンテレフタレート(PET)等は、酸素、水分の透過性が大きいため、腐食はDLC膜を形成した表面以外に、非磁性支持体側からも進行し、腐食が発生しやすく、特に薄層型の磁気記録媒体においては、さらなる耐食性の向上が要求されてきた。
また、磁気テープの単位長さ当たりの記録密度は、金属薄膜型磁気記録材料などの開発により向上を図ることが可能であるが、カセットに収納、またはリールに巻回した磁気記録テープ媒体においては、一つのカセット、または一巻あたりのリールの総記録容量を更に向上することが望まれている。
総記録容量を増大させるためには、一つのカセットまたはリールに対する収容体積は同じにする必要があるため、磁気記録媒体の総厚を薄くする開発が進められている。
この磁気記録媒体の総厚を薄くする手法としては、磁気記録媒体の膜厚に占める割合が最も高い非磁性支持体の膜厚を薄くすることが実際的であり、非磁性支持体の膜厚を薄くする取り組みがなされている。
しかし、非磁性支持体の膜厚を薄くすると、例えば磁気記録テープとしての機械的強度が劣り、テープ走行中に磁気テープが延びることなどにより磁気記録層に損傷を与える原因となる。従って非磁性支持体を薄くしたことにより脆弱になった機械的強度を補強する補強層を形成することが要求される。
この補強層は、非磁性支持体を介して磁性層と対向する面に形成することが一般的であり、非磁性支持体の厚さよりも薄い膜厚でしかも非磁性支持体を薄くすることによる機械的強度不足分を補うことが要求される。
従来においては、非磁性支持体上に蒸着法やスパッタ法等の公知の薄膜形成技術によってCu膜等の金属薄膜を形成した構成についての提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−92860号公報
しかしながら、上記特許文献1において開示されている技術は、専らハードディスク型の媒体について、非磁性支持体の機械的な強度を補填することを目的とするにとどまるものであり、今後さらに磁性層を薄層化させた高密度記録型の磁気テープ媒体を作製する場合、確実に機械的強度の向上を図りつつ、同時に腐食による磁気特性の劣化を防止することはできない。
また、上記のように非磁性支持体上にCu膜等の金属薄膜を、真空蒸着法や平行平板型マグネトロンスパッタ法により形成する場合に腐食を充分に防止しようとすると、この金属薄膜を比較的厚く形成しなければならないため、磁性層側の表面形状が粗くなり、磁気記録媒体としての媒体ノイズが増大するという問題が生じるおそれがある。
このような問題は、磁気記録媒体に対する再生ヘッドとして、より再生感度が良く、高周波用として高密度記録により好適である巨大磁気抵抗効果型ヘッド(以下、GMRヘッドと称する。)を適用した場合に、磁性層の膜厚をさらに薄くする必要があるため、より深刻な問題となる。
また、金属材料や金属酸化物材料の熱膨張係数は、通常非磁性支持体に用いられる樹脂と異なるため、蒸着工程で発生する熱履歴の影響や、平行平板型マグネトロンスパッタ法においては反跳アルゴン等の影響により、いわゆるカッピングやカーリングが発生するという問題がある。
磁気テープのカッピングやカーリングが所定の限度量を超えると、例えばビデオテープレコーダーで使用する際に、入口−出口での当たりが悪化したり、磁気テープがドラムに巻き付く際にドラムより突き出している磁気ヘッドとの干渉が起きてテープエッジにダメージが入る、いわゆるヘッド叩きが発生したりする。そのため、磁気テープは平面性が良好であることが必要である。
そこで本発明においては、上述したような問題点に鑑み、優れた耐食性を有し、充分な機械的強度を備え、かつ平滑性に優れ、カッピングが少なく良好なテープ形状を有する磁気記録媒体を提供することとした。
本発明においては、磁気抵抗効果型磁気ヘッド若しくは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに対して摺動状態で信号再生が行われる磁気記録媒体であって、長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により形成された磁性層を有し、非磁性支持体の他の主面上に、対向ターゲット式スパッタ法により成膜されてなるシールド層を有し、幅方向のカッピングをaとし、幅の長さをwとしたとき、a/wの絶対値が、0.05以下である磁気記録媒体を提供する。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により磁性層を形成する工程と、非磁性支持体の他の主面上に、対向ターゲット式スパッタ法によりシールド層を形成する工程とを有するものとし、幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値を、0.05以下にするものである。
また、本発明においては、長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により形成された磁性層を有し、非磁性支持体の他の主面上に、ヤング率60GPa以上の金属よりなり対向ターゲット式スパッタ法により形成されてなるシールド層を有し、シールド層は膜厚30nm〜600nmであって、幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値が0.1以下である磁気記録媒体を提供する。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により磁性層を形成する工程と、非磁性支持体の他の主面上に、ヤング率60GPa以上の金属を用いて対向ターゲット式スパッタ法によりシールド層を膜厚30nm〜600nmに形成する工程とを有するものとし、幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値を0.1以下にするものとする。
本発明によれば、優れた耐食性を有し、かつ充分な機械的強度を備え、かつ平滑性に優れ、カッピングが少なく良好なテープ形状を有する高記録密度型のテープ状磁気記録媒体が得られた。
本発明によれば、非磁性支持体の磁性層形成面とは反対側の主面に、対向ターゲット式スパッタ法によりシールド層を形成し、幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値が規定したことにより、極めてテープ形状が良好になり、エッジダメージを確実に防止することができた。
また、本発明によれば、上記シールド層を膜厚2nm以上400nm以下の窒化珪素膜よりなるものとしたことにより、優れた耐食性と良好なテープ形状とを両立でき、極めて耐候性の高く、かつ電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られた。
また、本発明方法によれば、対向ターゲット式スパッタ法を適用したことにより、充分な耐食性を確保するためにシールド層を厚く形成しても、優れたテープ形状と平面性が得られ、エッジダメージを効果的に防止することができた。
本発明の磁気記録媒体とその製造方法について、具体的な実施形態を図を参照して説明する。なお以下においては、磁気抵抗効果型磁気ヘッド若しくは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに対して摺動状態で信号再生が行われるシステムの磁気テープの例について説明する。
先ず、本発明の磁気記録媒体の一例の概略断面図を図1に示す。
磁気記録媒体10は、非磁性支持体1の一主面上に、磁性層2、保護層3およびトップコート層5が形成され、他の主面上にシールド層4及びバックコート層6が形成された構成を有している。
非磁性支持体1は、通常、磁気テープ用の基体として用いられている公知の材料をいずれも適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のプラスチック等が挙げられる。
非磁性支持体1の磁性層形成面側には、バインダー樹脂、フィラー及び界面活性剤を含有する塗料によりコーティング層を形成してもよく、これにより表面に微細な凹凸を付加したり、機械的な強度を高めたりすることができる。
バインダー樹脂には、例えば水性ポリエステル樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂等を適用できる。フィラーの種類としては、耐熱性ポリマーからなる粒子、二酸化珪素、炭酸カルシウム等が挙げられる。コーティング層に含まれるフィラーの平均粒径は5〜30nm、フィラーによる表面突起の密度は50万〜3000万個/mm2程度とすることが好ましく、これにより、良好な走行耐久性と電磁変換特性の両立が図られる。
非磁性支持体1の磁性層形成面とは反対側の主面には、シールド層4が設けられている。
このシールド層4に関しては、第1の実施形態、及び第2の実施形態を挙げ、それぞれ分けて説明する。
先ず、第1の実施形態として、このシールド層4は、非磁性支持体1側からの酸素や水分の透過による腐食の発生を防止する機能を有しているものとする。この場合、シールド層4は、例えば、膜厚2nm以上400nm以下の窒化珪素膜が好適な例として挙げられる。
シールド層4の膜厚が2nmより薄いと、充分な被覆性を得ることができず、所望の耐食性改善の効果が得られない。また、シールド層4の膜厚が400nmより厚いと、幅方向の反り、すなわちカッピングが大きくなり、良好なヘッド当たりが確保できなくなるためである。
シールド層4の成膜方法としては、従来公知の、成膜用ターゲットと非磁性支持体1とが対向するように設けられた構成のマグネトロンスパッタ装置を用いて非磁性支持体1上にスパッタ膜を形成する方法が考えられるが、かかる方法によれば、テープの幅方向に反りが発生し、カッピングが大きくなりヘッド当たりが悪化するという問題があった。
そこで本発明においては、先ず、磁気テープのカッピング量に関しての規定を行うこととし、カッピングをaとし、磁気テープの幅をwとしたとき、これらの値の比a/wの絶対値が0.1以下、望ましくは0.05以下に特定することとした。
上述したように、カッピングをaとし、磁気テープの幅をwとしたとき、これらの値の比a/wの絶対値を上記のように制御するためには、シールド層4を対向ターゲット式スパッタ法により成膜することが好適であることを見出した。
対向ターゲット式スパッタ法は、他のスパッタ法によって成膜された薄膜に比べ、被処理体(非磁性支持体1)が直接プラズマに曝されないので、薄膜の応力を低く保つことができ、カッピングが小さく形状の良い磁気テープが得られるという利点を有している。
シールド層4を、上述したように腐食の発生を防止する機能を有する層として形成する場合、シールド層4の材料組成は、窒化珪素に限定されるものではなく、Co、Cu、Ni、Fe、Zr、Pt、Au、Ta、W、Ag、Al、Mn、Cr、Ti、V、Nb、Mo等の各種金属材料、これら金属材料と酸素や窒素との化合物等も適用可能である。
次に、第2の実施形態について説明する。この例においては、シールド層4が、主として磁気テープ媒体の機械的強度を向上させる機能を有しているものとする。
この場合、非磁性支持体1を介して磁性層2と反対側の面に、バルク状態でのヤング率60GPa以上の金属を用いて、対向ターゲット式スパッタ法により膜厚30nm〜600nmのシールド層4を形成する。
シールド層4の膜厚が30nmより薄い場合、充分な機械的強度を確保することができず、また、膜厚が600nmより厚い場合、テープの幅方向の反りすなわちカッピングが大きくなり、好ましくないためである。
シールド層4に用いる材料としては、Al(バルク状態でのヤング率:70.4GPa)、Cu(127GPa)、Ag(81.1GPa)、Au(77.5GPa)、Cr(288GPa)、Ir(528GPa)、Mn(198GPa)、Mo(317.8GPa)、Nd(118.9GPa)、Ni(196GPa)、Pt(170GPa)、Ru(447GPa)、Ta(186GPa)、Ti(96.1GPa)、W(394GPa)、Zn(99.2GPa)等の各種の金属材料が適用できる。また、上述したヤング率が60GPa以上であればその他の合金材や、金属材料と酸素や窒素との化合物等も適用可能である。
シールド層4を平行平板型マグネトロンスパッタ法にて成膜すると、テープのカッピングが更に大きくなるという問題がある。カッピングの量については、テープの幅方向の反りすなわちカッピングをaとし、磁気テープの幅をwとしたとき、これらの値の比a/wの絶対値を0.1以下に抑制することが好ましい。a/wの絶対値が0.1以上となると、テープとヘッドとの接触状態が悪くなるためである。
よって、テープのカッピングに関して上記のように制御するため、シールド層4を対向ターゲット式スパッタ法により成膜することとした。対向ターゲット式スパッタ法は、他のスパッタ法によって成膜された薄膜に比べ、被処理体(非磁性支持体1)が直接プラズマに曝されないので、薄膜の応力を低く保つことができ、カッピングが小さく形状の良い磁気テープが得られる。
次に、上記第1及び第2の実施形態に共通する事項として、磁性層2、保護層3、トップコート層5、及びバックコート層6について、それぞれ説明する。
磁性層2は、真空薄膜形成技術により作製する。真空薄膜形成技術としては、真空下で強磁性金属材料を加熱蒸発させ、前記非磁性支持体上に付着させる真空蒸着法、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング法及びアルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンイオンでターゲットの表面原子を叩き出すスパッタリング法等の、いわゆる物理的成膜法(PVD法:Physical Vapor Deposition)をいずれも適用することができる。
真空蒸着法は、成膜性が良好で、生産性が高く、操作も容易であるという利点を有している。スパッタリング法は、容易に生産することが可能で、成膜性も良好である。また、イオンプレーティング法は、成膜における制御が容易で、成膜性も良好である。
また、本発明の磁気記録媒体は、MRヘッドやGMRヘッドを有する記録再生装置に適用するものであって、ノイズの低減を図り、C/N(キャリア/ノイズ比)の向上を図るため磁性層2は極めて薄層に形成することが望ましく、特に5〜55nm以下に形成することが好適である。
磁性層2を5nm未満とすると、例えば高感度のGMRヘッドを用いても充分に再生出力を得られないことがあり、また、55nmを超える場合、MRヘッド若しくはGMRヘッドに適した際に、所望とする記録密度の向上を達成できない
ことがあるためである。
磁性層2を形成する強磁性金属材料としては、通常磁気記録媒体作製用の公知の金属材料や合金をいずれも適用できる。例えば、Co、Ni等の強磁性金属、Co−Ni系合金、Co−Fe系合金、Co−Ni−Fe系合金、Co−Cr系合金、Co−Pt系合金、Co−Pt−B系合金、Co−Cr−Pt系合金、Co−Cr−Ta系合金、Co−Cr−Pt−Ta系合金等の材料、或いは、これらの材料を酸素雰囲気中で成膜し、膜中に酸素を含有させたもの、または、これらの材料に一種類若しくは二種類以上のその他の元素を含有させたものが挙げられる。
また、これらの強磁性材料と非固溶であるAl23、SiO2、InO2、ZrO2等を同時成膜することにより得られる、Co−Pt−SiO2、Co−Pt−Al23等のグラニュラー材料によって磁性層2を形成しても良い。
なお、磁性層は単層であるものに限らず、複数の磁性層が積層されたものであっても良い。
また、非磁性支持体1と磁性層2との間には、磁性層の結晶粒子の微細化と配向性向上を目的として、真空薄膜形成技術を用いた中間層(図示せず)を形成しても良い。中間層を構成する材料としては、Co、Cu、Ni、Fe、Zr、Pt、Au、Ta、W、Ag、Al、Mn、Cr、Ti、V、Nb、Mo、Ruなどの金属材料の他、これらの二種類以上を組み合わせた合金、また、この金属材料と酸素や窒素との化合物、SiO2、窒化珪素、ITO(Indium Tin オキサイド)、In23、ZrO等の化合物が挙げられる。
磁性層2上には、より良好な走行耐久性及び耐食性を確保するために、DLC等からなる保護層3を形成することが望ましい。
保護層3の成膜方法は、シールド層4と同様の方法を適用できる。また、その他スパッタリング法、物理的成膜法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)等によって形成してもよい。
また、磁性層形成面とは反対側の主面に、磁気記録媒体の走行性の向上や帯電防止を目的として、バックコート層6を設ける。バックコート層6は、0.2〜0.7μmの厚さであることが好ましい。
バックコート層6は、例えば無機顔料等の固体粒子を結合在中に分散させ、結合剤の種類に応じて選定された有機溶剤と共に混練して調整されたバックコート層用塗料を調整し、これをシールド層4上に塗布することによって形成できる。
さらに、磁性層形成面側や反対側の主面の最表層は、潤滑剤や防錆剤によってコーティングすることにより、トップコート層5を形成することが望ましい。
なお、本発明に基づく磁気記録媒体は、MR再生ヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気記録システム磁気テープとして好適である。
ここで、MRヘッドとは、磁気記録媒体からの信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁気ヘッドである。一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドよりも感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適している。したがって、再生用磁気ヘッドとしてMRヘッドを用いることで、より高密度記録化を図ることができる。
MRヘッドは、例えば、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性材料からなる一対の磁気シールドに絶縁体を介して挟持された略矩形状のMR素子部を備える。なお、MR素子部の両端からは、一対の端子が導出されており、これらの端子を介して、MR素子部にセンス電流を供給できるようになされている。
MRヘッドを用いて磁気テープからの信号を再生する際は、磁気テープをMR素子部に摺動させる。そして、磁気テープをMR素子部に摺動させた状態で、MR素子部の両端に接続された端子を介して、MR素子部にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を検出する。磁気テープを摺動させた状態でMR素子部にセンス電流を供給すると、磁気テープからの磁界に応じて、MR素子部の磁化方向が変化し、MR素子部に供給されたセンス電流と磁化方向との相対角度が変化する。そして、MR素子部の磁化方向とセンス電流の方向とがなす相対角度に依存して抵抗値が変化することとなる。このため、MR素子部に供給するセンス電流の電流値を一定にすることにより、センス電流に電圧変化を生ずることとなる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検出することにより、磁気テープからの信号磁界が検出され、磁気テープに記録されている信号が再生される。
なお、MRヘッドにおいて、MR素子部に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層することにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるようにした、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も使用可能である。また、MR素子にバイアス磁界を印加する手法は、SALバイアス方式でなくても良く、例えば、永久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々の手法が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗効果並びに各種バイアス方式については、例えば、丸善株式会社発行の「磁気抵抗ヘッド−基礎と応用- 林和彦訳」に詳細に記載されている。
次に、磁気記録媒体の製造方法について説明する。
先ず、長尺状の非磁性支持体1を用意し、表面にコーティング層(図示せず)を形成することによって所望の微細凹凸を形成する。
次に、磁性層形成面とは反対側の主面にシールド層4を対向ターゲット式スパッタ法により成膜する。
シールド層4は、例えばアルゴンを主成分とする雰囲気中で放電を起こし、生じたアルゴンイオンで所定の成膜材料からなるターゲットの表面原子を叩き出し、スパッタリングすることにより成膜する。
なお、成膜材料は、上述した第1の実施形態による場合には窒化珪素が好適であり、その他、Co、Cu、Ni、Fe、Zr、Pt、Au、Ta、W、Ag、Al、Mn、Cr、Ti、V、Nb、Mo等の各種金属材料、これら金属材料と酸素や窒素との化合物等も適用できる。
また、上述した第2の実施形態による場合には、成膜材料は、バルク状態でのヤング率が60GPa以上の金属が好適であり、その他、Al、Cu、Ag、Au、Cr、Ir、Mn、Mo、Nd、Ni、Pt、Ru、Ta、Ti、W、Zn等の各種の金属材料が適用できる。また、上記ヤング率が60GPa以上であれば、その他の合金材や、金属材料と酸素や窒素との化合物等も適用可能である。
シールド層4の成膜工程について、図2に対向ターゲット式スパッタ装置を示して説明する。
対向ターゲット式スパッタ装置20においては、所定圧力のアルゴンガス雰囲気下に設定されたチャンバー21内に、所定距離隔てて対向させた成膜材料のターゲット22、23が配置されてなり、ターゲット22、23の夫々の周囲に沿って磁界発生手段24、25が設けられている。
ターゲット22、23のそれぞれに電気的に接続された電源26によって所定の電位をかけることにより、ターゲット対向方向の垂直磁界が発生し、ターゲットの表面原子が叩き出され、ターゲット22、23間の対向空間の側方に配置され連続搬送されている非磁性支持体1上にシールド層4が形成される。
次に、シールド層4形成面側とは反対側の主面に磁性層2を形成する。
磁性層2は真空薄膜形成技術により成膜する。真空薄膜形成技術としては、真空下で強磁性金属材料を加熱蒸発させ付着させる真空蒸着法、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング法、及びアルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし生じたアルゴンイオンでターゲットの表面原子を叩き出すスパッタリング法等が挙げられる。磁性層2を形成する強磁性金属材料としては、上述した通常磁気記録媒体作製用の公知の金属材料や合金をいずれも適用できる。
磁性層2を形成した後、磁性層2上に、例えばDLC膜よりなる保護層3を形成する。成膜方法は、例えばプラズマCVD法が挙げられる。
さらにパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布することによってトップコート層5を形成し、必要に応じて例えばカーボンを含有する塗料を塗布してバックコート層6を形成する。
本発明方法により作製される磁気記録媒体10は、幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値が、0.1以下、望ましくは0.05以下であるものに特定する。
以下、具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実験A)
〔実施例A1〕
非磁性支持体1として、厚さ6.3μm、幅150mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。
非磁性支持体1上の磁性層形成面側に、厚さ5nmのコーティング層を形成した。コーティング層は、アクリルエステルを主成分とする水溶性ラテックスに直径10nmのシリカ粒子を攪拌して作製した塗料を塗布することにより、突起密度が1×107個/mm2程度となるように形成した。
次に、磁性層形成面側とは反対側の面に、窒化珪素膜からなるシールド層4を、対向ターゲット式スパッタ法により膜厚2nmに形成した。具体的には、非磁性支持体1とターゲットとの距離を15mmに設定して、非磁性支持体を10m/minの送り速度で搬送させ、窒化珪素(Si34)ターゲットをスパッタリングして、膜厚2nmの窒化珪素膜よりなるシールド層4を形成した。
次に、シールド層形成面とは反対の面に、磁性層2を真空蒸着装置を用いて形成した。具体的には、原料である金属磁性材料としてCoを適用し、酸素ガス導入管から酸素を6.0×10-43/min導入し、電子銃から電子線を照射して加熱し、反応性真空蒸着によりCo−CoO系磁性層を50nmの膜厚に形成した。このとき、シャッターによってCo蒸着粒子の最小入射角度を45°、最大入射角度を90°に設定した。
次に、磁性層2上にDLC膜からなる保護層3を、プラズマCVD法により膜厚10nmに形成した。
次に、保護層3上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を用いて膜厚2nmのトップコート層5を形成した。
また、磁性層2形成面とは反対側の主面に、走行耐久性を向上させるために、無機顔料として平均粒径20nmのカーボン粒子とウレタン樹脂からなるバックコート層用塗料を用い、ダイレクトグラビア法による塗布装置を用いて、バックコート層6を膜厚0.5μmに形成した。
上述のようにして作製した磁気テープ原反を8mm幅に裁断し、サンプルとなる磁気テープを作製した。
〔実施例A2〕
シールド層4を膜厚200nmに形成した。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔実施例A3〕
シールド層4を膜厚300nmに形成した。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔実施例A4〕
シールド層4を膜厚400nmに形成した。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔実施例A5〕
成膜用ターゲット材として銅(Cu)を用い、シールド層4を膜厚400nmのCu膜とした。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔比較例A1〕
シールド層4を形成しなかった。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔比較例A2〕
シールド層4を膜厚1nmに形成した。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔比較例A3〕
シールド層4を膜厚450nmに形成した。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔比較例A4〕
シールド層4を、図3に示すようなチャンバー21内にターゲット32と非磁性支持体1とが対向するように配置されてなるマグネトロンスパッタ装置30を用いて膜厚200nmに形成した。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
〔比較例A5〕
ターゲット材としてCuを適用し、シールド層4を膜厚200nmのCu膜とした。その他の条件は実施例A1と同様としてサンプル磁気テープを作製した。
上述のようにして作製した各サンプル磁気テープについて、以下に示す方法により、磁気テープのカッピング及び耐食性についての評価を行った。
(カッピングの評価)
磁気テープの幅方向の反り、すなわちカッピングをaとし、磁気テープの幅をwとし、これらの比a/wの絶対値を算出した。a/wの絶対値が0〜0.05の範囲にある場合を許容とした。
磁気テープのカッピングに関する影響を確認するため、エッジダメージの評価を行った。エッジダメージは、磁気テープのロード、アンロードを100回繰り返した後、磁気テープの幅方向の両端部に発生した傷を肉眼で観察することにより評価した。評価基準はエッジダメージが確認されない場合を○、エッジダメージが確認された場合を×とした。
(耐食性の評価)
腐食試験後の磁性層の磁化劣化率を測定することによって評価した。
磁化劣化率は、温度65℃、相対湿度90%の環境下で6日間放置して、放置前の磁化量(Ms0:飽和磁化)と放置後磁化量(Ms1)とを測定し、下記式(1)を用いて算出した。磁化劣化率が15%以内であれば許容とした。
磁化劣化率(%)=〔(Ms0−Ms1)/Ms0〕×100・・・(1)
〔実施例A1〜A5〕、〔比較例A1〜A5〕のサンプル磁気テープの作製条件、及びカッピングと耐食性の評価結果について下記表1に示す。
Figure 2004362730
上記表1に示すように、対向ターゲット式スパッタ法によって窒化珪素膜よりなるシールド層4を形成し、幅方向のカッピングをaとし、幅の長さをwとしたとき、a/wの絶対値が、0.05以下となるようにした〔実施例A1〜A5〕の磁気テープにおいては、いずれもエッジダメージが確認されず、テープの平面性が良好であり、かつ磁化劣化率が15%以内に低減化されており良好な耐食性を示した。
比較例A1においては、シールド層4を形成しなかったため、実用充分な耐食性が得られず、磁化劣化率が悪化した。
比較例A2においては、シールド層4が薄すぎるため、充分な耐食性が得られず、磁化劣化率が悪化した。
比較例A3においては、シールド層4が厚すぎ、a/wの絶対値が0.05を超えてしまい、エッジダメージを生じた。
比較例A4においては、シールド層4を図3に示すようなターゲット32と被処理体1とが対向するように配置されたマグネトロンスパッタ装置30を用いて成膜したため、a/wの絶対値が0.05を超えてしまい、エッジダメージを生じた。
比較例A5においては、シールド層4を図3に示すような、ターゲット32と被処理体1とが対向するように配置されたマグネトロンスパッタ装置30を用いてCu膜により形成したため、a/wの絶対値が0.05を超えてしまい、エッジダメージを生じた。
また、実施例A5と比較例A5とを比較すると、対向ターゲット式スパッタ法を適用すれば、シールド層4をCu膜によって厚く形成しても、a/wの絶対値を0.05以下にすることができ、テープ形状を良好にすることができることがわかった。すなわち本発明方法によれば、優れた耐食性とエッジダメージの低減化の両立が図られることがわかった。
(実験B)
〔実施例B1〕
非磁性支持体として、厚さ4.5μm、幅150mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。
まず、非磁性支持体1上の磁性層形成面側に、膜厚5nmのコーティング層を形成した。コーティング層は、アクリルエステルを主成分とする水溶性ラッテクスに、直径が10nmのシリカ粒子を攪拌し、密度が1×107個/mm2程度となるように塗布して形成した。
次に磁性層2を蒸着装置を用いて形成した。原料である金属磁性材料をCoとし、酸素ガス導入管から酸素を6.0×10-43/min導入し、電子銃から電子線を照射して加熱し、反応性真空蒸着により、Co−CoO系磁性層を50nmの膜厚に形成した。このとき、シャッターによってCo蒸着粒子の最小入射角度を45°、最大入射角度を90゜に調整した。
次に、磁性層2上に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる保護層3を形成した。保護層3は、プラズマCVD法によって膜厚が10nmになるように形成した。
次に、非磁性支持体1上の磁性層2が形成される面と反対の面に、成膜材料としてAlを用いて、対向ターゲット式スパッタ法により膜厚30nmのシールド層4を形成した。
具体的には、図2に示した対向ターゲット式スパッタ装置20を用いて、非磁性支持体とターゲットとの間の距離を15mmに設定し、5m/minの送り速度で搬送させた連続フィルム上にAlターゲットをスパッタリングして、Alからなるシールド層4を形成した。
次に、磁性層2を形成した面側とは反対側の面、すなわちシールド層4形成面側に、走行耐久性を得るために無機顔料として平均粒径20nmのカーボン粒子とウレタン樹脂からなるバックコート用塗料を用い、ダイレクトグラビア法による塗布装置を用いて、バックコート層6を膜厚0.5μmに形成した。
次に、保護層3上に、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布し、膜厚2nmのトップコート層5を形成した。
最後に、原反を8mm幅に裁断し、サンプルテープを得た。これを、実施例B1のサンプルとした。
〔実施例B2〜B5、比較例B1〜B4〕
実施例B2〜B5、比較例B1〜B4ついて、下記表2に従い、シールド層4の膜厚、成膜材料、及び成膜方法を変えて磁気テープ媒体を作製した。
その他の製造条件は、実施例B1と同様とする。
上述のようにして作製した各サンプル磁気テープについて、テープのカッピングおよびテープ走行後のダメージの評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
なお、カッピングの評価は、磁気テープの幅方向の反りすなわちカッピングをaとし、幅をwとしたとき、これらの値の比a/wとして計算した。
テープダメージの評価は、磁気テープのロード、アンロードを100回繰り返した後、磁気テープ上に発生した傷を肉眼で観察することにより行った。評価はダメージがない場合を○、ダメージがある場合を×とした。
Figure 2004362730
上記表2に示すように、ヤング率60GPa以上の金属を成膜材料とし、対向ターゲットスパッタ法により、膜厚30nm〜600nmのシールド層4を形成した実施例B1〜B5の磁気テープは、カッピング(a/w比)が0.1以下となり、テープダメージ評価について優れた結果が得られた。
一方、シールド層4の膜厚を20nmとした比較例B1の磁気テープは、カッピングが0.1以下となり形状は良好であったが、テープダメージについては実用上良い評価が得られなかった。
また、シールド層4の膜厚を700nmとした比較例B2の磁気テープは、カッピングが0.1以上となってしまい、テープダメージについても実用上良い評価が得られなかった。
成膜方法を平行平板型マグネトロンスパッタ法としてシールド層4を形成した比較例B3の磁気テープは、カッピングが0.1以上となりテープ形状が悪化し、またテープダメージについても実用上良い評価が得られなかった。
また、バルク状態でのヤング率が60GPa未満のビスマスを成膜材料に適用してシールド層4を形成した実施例B4の磁気テープについては、カッピングが0.1以下となり良好な形状が得られたが、テープダメージについては、実用上良い評価が得られなかった。
本発明の磁気記録媒体の概略断面図を示す。 シールド層成膜用の対向ターゲットスパッタ装置の概略構成図を示す。 従来のマグネトロンスパッタ装置の概略構成図を示す。
符号の説明
1……非磁性支持体、2……磁性層、3……保護層、4……シールド層、5……
トップコート層、6……バックコート層、10……磁気記録媒体、20……対向
ターゲットスパッタ装置、21……チャンバー、22,23……ターゲット、2
4,25……磁界発生手段、26……電源、30……マグネトロンスパッタ装置
、32……ターゲット


Claims (7)

  1. 磁気抵抗効果型磁気ヘッド若しくは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに対して摺動状態で信号再生が行われる磁気記録媒体であって、
    長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により形成された磁性層を有し、
    前記非磁性支持体の他の主面上に、対向ターゲット式スパッタ法により成膜されてなるシールド層を有し、
    幅方向のカッピングをaとし、幅の長さをwとしたとき、a/wの絶対値が、0.05以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 上記シールド層は、膜厚2nm以上400nm以下の窒化珪素膜よりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 磁気抵抗効果型磁気ヘッド若しくは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用いて、摺動状態で信号再生が行われる磁気記録媒体の製造方法であって、
    長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により磁性層を形成する工程と、
    前記非磁性支持体の他の主面上に、対向ターゲット式スパッタ法によりシールド層を形成する工程とを有し、
    幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値を、0.05以下にすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記シールド層は、ヤング率が60GPa以上の金属よりなり、膜厚30nm以上600nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記シールド層を、ヤング率が60GPa以上の金属を用いて、膜厚30nm以上600nm以下に形成することを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 磁気抵抗効果型磁気ヘッド若しくは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドに対して摺動状態で信号再生が行われる磁気記録媒体であって、
    長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により形成された磁性層を有し、
    前記非磁性支持体の他の主面上に、ヤング率60GPa以上の金属よりなり、対向ターゲット式スパッタ法により形成されてなるシールド層を有し、
    前記シールド層は、膜厚30nm〜600nmであって、
    幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値が、0.1以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 磁気抵抗効果型磁気ヘッド若しくは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用いて、摺動状態で信号再生が行われる磁気記録媒体の製造方法であって、
    長尺状の非磁性支持体の一主面上に、真空薄膜形成技術により磁性層を形成する工程と、
    前記非磁性支持体の他の主面上に、ヤング率60GPa以上の金属を用いて、対向ターゲット式スパッタ法によりシールド層を膜厚30nm〜600nmに形成する工程とを有し、
    幅方向のカッピングをa、幅の長さをwとするとき、a/wの絶対値を、0.1以下にすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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