JP2005017941A - 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画素トランジスタの導電型をP型にした。そして、液晶表示装置10の対向電極に画像信号VD1,VD2,…,VDmの中心値より高い電圧を供給した。また、容量配線を介して、補助容量素子の第2の電極に基準電圧より低い電圧レベルの第2の補助電圧を供給する構成とした。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気光学装置としての液晶表示装置の一つに、薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下、「TFT」という。)で構成された画素トランジスタを各画素に備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置がある。
【0003】
この種のアクティブマトリクス型液晶表示装置においては、液晶に印加される電圧を一定時間毎に反転させて焼き付きを押さえる交流駆動が必要である。一般的によく知られるように、アクティブマトリクス型液晶表示装置の交流駆動には、1フィールド毎に反転させるフィールド反転(フレーム反転、V反転)、1信号線毎に反転させ、1フィールド毎に極性を入れ替えるソース反転(S反転)、1走査線毎に反転させ、1フィールド毎に極性を入れ替えるライン反転(H反転)、ソース反転とライン反転を組み合わせたドット反転がある。また、各液晶容量素子の対向電極に供給する対向電極電圧の極性を、所定の期間に例えば1フィールド毎に反転させるようにした、所謂、コモン反転方式の液晶表示装置の駆動方法が知られている。以下、図16及び図17に従ってコモン反転方式の液晶表示装置の駆動方法について説明する。
【0004】
図16は、アクティブマトリクス型液晶表示装置の表示パネル部に形成された画素の概略構成図である。画素90は導電型がN型の画素トランジスタ91が走査線92に供給されるHレベルの走査信号に応じてオン状態になることで、画像信号線93を介して液晶容量素子94の画素電極94aに画像信号が供給される。
【0005】
図17は、画素90の概略断面図である。液晶容量素子94は、画素電極94aと該画素電極94aに対向する位置に形成された対向電極96との間に封入された液晶95を備えている。そして、画素90は、前記画素信号によって画素電極94aと対向電極96との間の電場が制御されることで、液晶95の液晶分子の配向が制御される。この結果、画素90の階調が制御される。
【0006】
このように構成された従来の液晶表示装置において、前記対向電極96に供給する対向電極電圧を、例えば、1フレーム毎に正極の電圧及び負極の電圧を交互に反転して供給することで交流駆動させるようにしたものがコモン反転方式の液晶表示装置である。コモン反転方式で駆動させることで、焼き付けやフリッカを抑制することができる。
【0007】
ところで、アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、各画素トランジスタ91のゲート酸化膜に生じる寄生容量による電圧(以下、この電圧をフィールドスルー電圧という)によって供給される画像信号の電圧レベルが低下する。この画像信号の電圧レベルの低下は、走査信号がHレベルからLレベルになって画素トランジスタ91がオフになったときに生じる。そこで、対向電極96に印加する対向電極電圧を前記画像信号の中心電圧よりもフィールドスルー電圧分だけ下げることで画像信号の電圧レベルの低下を抑制するようにしたものが知られている。
【0008】
しかし、前記のように対向電極96に印加する対向電極電圧を下げると、画素電極94aと対向電極96との間に生じる電場(これを縦方向の電場という)の強度が画像信号線93に供給される画素信号による画素電極94aと画像信号線93との間に生じる電場(これを横方向の電場という)の強度より相対的に小さくなる。
【0009】
その結果、図16に示すように、液晶90の画像信号線93近傍に位置する領域ZR内の液晶95の液晶分子は、横方向の電場Etによって画素内部の液晶分子の配向とは異なった方向(リバースティルト)に配列する。そして、画素内部の通常の配向(ノーマルティルト)と前記リバースティルトとの境界には縦方向の電場Evによって制御されない境界線が発生する(リバースティルトディスクリネーションライン:RTD)。このリバースティルトの液晶分子は表示パターンが変化してもすぐには応答せず、数秒前の表示パターンを表示する。この結果、残像が発生してしまい、表示品位の劣化を招いていた。
【0010】
そこで、画像信号の中心電圧よりも対向電極電圧を高くすることで、縦方向の電場Evの強度を横方向の電場Etの強度より相対的に高く設定するようにした液晶表示装置の駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにすることで、リバースティルトの液晶分子を表示パターンに応じて早く応答させる(緩和時間を短縮させる)ようにすることができるため、残像の発生を抑制することができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−146070号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の駆動方法を採用した場合、フィールドスルー電圧を補正することができなくなり、焼き付けやフリッカが発生してしまう。また、上記特許文献1では、フリッカの発生を抑制するために、1走査線毎に画像信号の極性を反転させた画像信号を印加する方法が開示されている。しかしながら、前記したように、画像信号の平均電圧よりも前記対向電極電圧を高くしているので、フリッカの発生を本質的に無くすことはできない。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、焼き付けやフリッカを抑制するとともに残像の発生を抑制することのできる電気光学装置の駆動方法、電気光学装置および電子機器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記ゲートトランジスタの導電型はP型であり、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極に供給し、可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記第2電極に供給される前記可変信号の中心値が、前記第1電極に供給される前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットされている。
【0015】
これによれば、第2電極に供給する可変信号を、データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、ゲートトランジスタがP型であるためトランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極が電位上昇し、第2電極との間の電場がフィールド毎に非対称になることを防ぐことができる。
【0016】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記ゲートトランジスタの導電型はN型であり、前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の次に選択される走査線に接続し、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力する前の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低い信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにした。
【0017】
これによれば、第2電極に供給する電位を、データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力する前の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるオフ信号レベルより低い信号レベルの制御信号を生成し走査線に出力したことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極の電位の電圧降下が補償される。
【0018】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記ゲートトランジスタの導電型はP型であり、前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の次に選択される走査線に接続し、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力する前の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低くかつ前記ゲートトランジスタがオンしない信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにした。
【0019】
これによれば、第2電極に供給する電位を、データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力する前の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるオフ信号レベルより低くかつゲートトランジスタがオンしない信号レベルの制御信号を生成し走査線に出力したことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧に付加して第1電極の電位を上昇させることができる。
【0020】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記ゲートトランジスタの導電型はN型であり、前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の前に選択される走査線に接続し、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を供給し、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力した後の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低い信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにした。
【0021】
これによれば、第2電極に供給する電位を、データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力した後の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるオフ信号レベルより低い信号レベルの制御信号を生成し走査線に出力したことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極の電位の電圧降下が補償される。
【0022】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記ゲートトランジスタの導電型はP型であり、前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の前に選択される走査線に接続し、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力した後の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低くかつ前記ゲートトランジスタがオンしない信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにした。
【0023】
これによれば、第2電極に供給する電位を、データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力した後の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるオフ信号レベルより低くかつゲートトランジスタがオンしない信号レベルの制御信号を生成し走査線に出力したことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧に付加して第1電極の電位を上昇させることができる。
【0024】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記第2端子に、該画素に接続される走査線に前記ゲートトランジスタをオンさせるためのオン信号レベルを出力する前からオフさせるためのオフ信号レベルを出力した後までの期間、それ以外の保持期間より低い電位レベルを供給させるようにした。
【0025】
これによれば、第2電極に供給する可変信号を、データ信号の平均値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、第2端子に対して、少なくとも画素にオン信号レベルの走査信号が出力されている間に、保持期間より低い電位レベルの制御信号を出力させたことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極の電位の電圧降下が補償される。
【0026】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記第2電極に供給される前記可変信号の中心値が前記第1電極及び前記第1端子に供給される前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットされ、前記第2端子は前記可変信号と同期して、前記可変信号と同じ電位変動幅の電位レベルが供給され、更に前記第2端子に、該画素に接続される走査線に前記ゲートトランジスタをオンさせるためのオン信号レベルを出力する前からオフさせるためのオフ信号レベルを出力した後までの期間、それ以外の保持期間より低い電位レベルを供給させるようにした。
【0027】
これによれば、第2電極に供給する可変信号を、データ信号の平均値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、コモン振り駆動を行うことで、データ信号の振幅を小さくすることができる。また、第2端子に対して、少なくとも画素にオン信号レベルの走査信号が出力されている間に、保持期間より低い電位レベルの制御信号を出力させたことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極の電位の電圧降下が補償される。
【0028】
本発明の電気光学装置は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置において、前記ゲートトランジスタの導電型をP型にし、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極に供給し、可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記第2電極に供給される可変信号の中心値が、前記第1電極に供給される前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせて出力する交流信号生成回路を設けた。
【0029】
これによれば、第2電極に供給する可変信号を、データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、P型のトランジスタは走査信号がLレベルからHレベルでオフされることから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極の電位の電圧降下が補償される。
【0030】
本発明の電気光学装置は、複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置において、前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極に供給し、可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、前記第2電極に供給する前記可変信号の中心値を、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせて出力する交流信号生成回路と、前記第2端子は前記可変信号と同期して、前記可変信号と同じ電位変動幅の電位レベルが供給され、前記第2端子に、該画素に接続される走査線に前記ゲートトランジスタをオンさせるためのオン信号レベルの走査信号が出力されている間に、前記ゲートトランジスタがオフしている保持期間に供給する信号レベルより低い信号レベルの制御信号を生成し出力する制御信号生成回路とを設けた。
【0031】
これによれば、第2電極に供給する可変信号を、データ信号の平均値より高いレベルにオフセットさせたことから、第1電極と第2電極との方向に沿って生じる電場の強度を信号線と第1電極との方向に沿って生じる電場の強度より相対的に高めることができる。また、第2端子に対して、画素にオン信号レベルの走査信号が出力されている間に、ゲートトランジスタがオフしている保持期間に供給する信号レベルより低い信号レベルの制御信号を出力させたことから、トランジスタがオンからオフされる際のフィールドスルー電圧による第1電極の電位の電圧降下が補償される。
【0032】
本発明の電子機器は、上記請求項に記載の電気光学装置の駆動方法を用いた。
これによれば、焼付けやフリッカの発生を抑制することができる表示品位の優れた電気光学装置の駆動方法を採用した電子機器を提供することができる。
【0033】
本発明の電子機器は、上記請求項に記載の電気光学装置を備えた。
これによれば、焼付けやフリッカの発生を抑制することができる表示品位の優れた電気光学装置を備えた電子機器を提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を液晶表示装置に適用した各実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の概略図である。図2は、液晶表示装置の断面を一部破断して示した図である。図3は、液晶表示装置の電気的構成を概略的に示したものである。図4は表示パネル部に形成される画素の等価回路である。図5は、走査信号、対向電極、画像データ及び画素電極の電位の各タイミングチャートである。
【0035】
図1に示すように、液晶表示装置10は、石英で構成された素子基板11と対向基板12とを備えている。素子基板11と対向基板12との間には、図2に示すように、液晶13が図示しないスペーサを含むシール材14によって一定の間隔を保って封入され、その封入された部分を表示パネル部Pとしている。また、素子基板11上には図1に示すように外部回路から各種信号を入力するための入力端子Uなどが形成されている。
【0036】
表示パネル部Pの上側の素子基板11上には信号生成回路23及び電圧制御回路VCが備えられている。また、表示パネル部Pの左右両側の素子基板11上には走査線駆動回路21が備えられている。各走査線駆動回路21は信号供給線24を介して前記信号生成回路23に接続されている。また、表示パネル部Pの下側の素子基板11上には信号線駆動回路22が備えられている。信号線駆動回路22は信号供給線25を介して前記信号生成回路23に接続されている。
【0037】
信号生成回路23は、図3に示すように、前記入力端子Uを介して画像データ信号D及び同期信号SYNCが入力される。そして、信号生成回路23は、同期信号SYNCに基づいて水平同期信号HSYNCを生成するとともに、その生成した水平同期信号HSYNCを前記信号供給線24を介して各走査線駆動回路21に供給する。
【0038】
また、信号生成回路23は、前記同期信号SYNCに基づいて垂直同期信号VSYNCを生成するとともに、その生成した垂直同期信号VSYNCを前記信号供給線25を介して信号線駆動回路22に供給する。さらに、信号生成回路23は、前記画像データ信号Dに基づいてデータ制御信号DKを生成するとともに、その生成したデータ制御信号DKを信号線駆動回路22に供給する。
【0039】
また、表示パネル部Pには、その行方向に沿って延びるn本の走査線Y1,Y2,…,Ynが素子基板11上に形成されている。さらに、表示パネル部Pには、その列方向に沿って延びるm本の信号線X1,X2,…,Xmが素子基板11上に形成されている。そして、表示パネル部Pには、前記走査線Y1,Y2,…,Ynと前記信号線X1,X2,…,Xmとの各々の交差に対応する位置に画素16が配置されている。
【0040】
図2は、画素16の構造を示す断面図である。画素16は、液晶13を封入した素子基板11に形成した画素電極27と同画素電極27と対向する対向基板12に形成した対向電極28を有している。各画素16の画素電極27にはそれぞれ対応する信号線X1,X2,…,Xmから画像信号VD1,VD2,…,VDmが供給されるとともに、対向電極28には、補償対向電極電圧+Vss(又は−Vss)が供給される。各画素16の画素電極27の隣接した位置の素子基板11上には画素トランジスタQdが形成されている。画素トランジスタQdは,薄膜トランジスタ(TFT)であって、本実施形態では、導電型がP型のトランジスタで形成されている。
【0041】
そして、各画素トランジスタQdのゲートは、それぞれ対応する行方向に形成された走査線Y1,Y2,…,Ynに電気的に接続されている。各画素トランジスタQdのソースは、それぞれ対応する列方向に形成された信号線X1,X2,…,Xmに電気的に接続され、ドレインはそれぞれ対応する画素電極27と電気的に接続されている。
【0042】
各画素16は、前記走査線Y1,Y2,…,Ynを介して前記走査線駆動回路21に接続されている。また、各画素16は、前記信号線X1,X2,…,Xmを介して前記信号線駆動回路22に接続されている。
【0043】
前記走査線駆動回路21は、信号生成回路23から出力される前記水平同期信号HSYNCに基づいて、表示パネル部Pに延設された走査線Y1,Y2,…,Ynを順次選択する。走査線駆動回路21は、選択された各走査線Y1,Y2,…,Ynにそれぞれ対応する走査信号SC1,SC2,…,SCn(nは自然数)を出力する。図5(a)は、走査線Y1,Y2,…,Ynのうち、第1の走査線Y1に供給される走査信号SC1の出力波形である。本実施形態では、走査線駆動回路21は、Lレベルの走査信号SC1を出力するとき、走査線上の画素16を選択し、Hレベルの走査信号SC1を出力するとき、走査線上の画素16を非選択するようになっている。
【0044】
前記信号線駆動回路22は、図3に示すように、信号生成回路23から出力される前記垂直同期信号VSYNCに基づいて、表示パネル部Pに延設された信号線X1,X2,…,Xmに対応する画像信号VD1,VD2,…,VDm(mは自然数)をそれぞれ出力する。この画像信号VD1,VD2,…,VDmは信号線駆動回路22において、信号生成回路23から出力されたデータ制御信号DKに基づいて生成された電圧信号である。そして、信号線駆動回路22は、その生成された画像信号VD1,VD2,…,VDmをそれぞれ信号線X1,X2,…,Xmを介して選択された走査線上の対応するそれぞれ画素16に供給する。図5(c)は、信号線X1,X2,…,Xmのうち、第mの信号線Xmに供給される画像信号VDmの出力波形の一例を示す。画像信号VDmは信号線Xmに接続され、かつ、Lレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnで選択された画素16に供給される。
【0045】
電圧制御回路VCは、対向電極28に接続されている。電圧制御回路VCには信号生成回路23を介して同期信号SYNCが入力され、その同期信号SYNCに同期して正極の対向電極電圧+Vo及び負極の対向電極電圧−Voを作成する。
【0046】
また、電圧制御回路VCは、前記画素トランジスタQdのフィールドスルー電圧Vpに等しい正極の電圧値の補償電圧Vaを生成する。そして、電圧制御回路VCは、その生成した補償電圧Vaを対向電極電圧+Vo(−Vo)に合成する。そして、その合成した合成電圧+Vss(=Vo+Va)を正極の補償対向電極電圧+Vssとする。また、合成した合成電圧−Vss(=−Vo+Va)を負極の補償対向電極電圧−Vssとする。そして、この正極の補償対向電極電圧+Vss及び負極の補償対向電極電圧−Vssを対向電極28に供給することになる。図5(b)は補償対向電極電圧+Vss,−Vssの出力波形である。補償対向電極電圧+Vss,−Vssは、その平均電圧Vavが0[V](画像信号の平均電圧)よりも補償電圧Vaだけ高い電圧レベルにオフセットされる。
【0047】
そして、電圧制御回路VCは、同期信号SYNCに基づいて、1フレーム毎に正極の補償対向電極電圧+Vssと負極の補償対向電極電圧−Vssを交互に対向電極28に供給するようになっている。従って、各画素16の対向電極28の電位が正極側及び負極側に交互に変換することで、液晶表示装置10はコモン反転方式で駆動されることになる。つまり、液晶表示装置10は、各画素16の画素電極27と対向電極28との間に正極の補償対向電極電圧+Vssと負極の補償対向電極電圧−Vssとが交互に反転される交流信号(可変信号)を供給して前記液晶13を交流駆動するコモン反転方式の液晶表示装置である。
【0048】
次に、前記のように構成された液晶表示装置10の画素16の電気的構成について図4に従って説明する。尚、各画素16の電気的構成は全て同じであるので、説明の便宜上、第1の走査線Y1とm番目の信号線Xmとの交差部に対応する位置に配置された画素16の電気的構成についてのみ説明する。
【0049】
図4に示すように、画素16には、前記P型の画素トランジスタQd、液晶容量素子40、及び、前記液晶容量素子40に並列に接続され同液晶容量素子40のリークを低減するための容量素子である補助容量素子41設けられている。画素トランジスタQdはスイッチング素子として機能するTFTトランジスタである。液晶容量素子40は画素電極27、液晶13及び対向電極28とから構成される容量素子である。
【0050】
画素トランジスタQdは、そのソースがm番目の信号線Xmに接続されている。また、画素トランジスタQdのドレインは、画素電極27と補助容量素子41の第1の電極E1とに接続されている。尚、画素電極27は各液晶13毎、つまり、各画素16毎に独立して形成されている。これに対して、対向電極28は、全ての液晶13、つまり、全ての画素16に共通して形成されている。また、本実施形態においては、補助容量素子41の第2の電極E2には対向電極電位が+VssではVk1が、対向電極電位が−VssではVk2が対向電極28に与える電位と同期して与えられる。ここで、
(+Vss)−(−Vss)=Vk1−Vk2
を満たしている。
【0051】
画素トランジスタQdは、図5(a)に示すように、走査線駆動回路21から走査線Y1にLレベルの走査信号SC1が出力されるとオンし、Hレベルの走査信号SC1が出力されるとオフされる。そして、画素トランジスタQdがオン(選択)されているとき、図5(c)に示す信号線駆動回路22から信号線Xmに出力される画像信号VDmが、画素トランジスタQdを介して液晶容量素子40の画素電極27に供給される。一方、液晶容量素子40の対向電極28は、電圧制御回路VCから正極の補償対向電極電圧+Vss(=Vo+Va)と負極の補償対向電極電圧−Vss(=−Vo+Va)が1フレーム毎に交互に切換え供給される。従って、画素電極27と対向電極28間にかかる電位差は、画像信号VDmに相対した電位差となる。
【0052】
この時、画素トランジスタQdがP型なので、LレベルからHレベルに切り替わる走査信号SC1に基づいて同トランジスタQdがオン(選択)からオフ(非選択)されるとき、図5(d)に示すように、画素電極27の電位VDDmは高電位側にフィールドスルー電圧Vp分だけ上昇する。
【0053】
また、このとき、補償電圧Vaの電圧レベルが、フィールドスルー電圧Vpの電圧レベルに等しいので対向電極28に正極の補償対向電極電圧+Vss及び負極の補償対向電極電圧−Vssが平均電圧Vavを中心に交互に繰り返して供給することができる。従って、1フレーム毎、即ち、正極の補償対向電極電圧+Vssを供給したときと負極の補償対向電極電圧−Vssを供給したときとの極性差を無くすことができる。この結果、正極の補償対向電極電圧+Vssを供給したときと負極の補償対向電極電圧−Vssを供給したときとの極性差によるちらつきの発生を抑制することができる。
【0054】
さらに、前記補償電圧Vaは正極の電圧レベルを有しているので、前記画素電極27と対向電極28との方向に沿って生じる電場(縦方向の電場)の強度を補償電圧Va分だけ高めることができる。従って、画素電極27と対向電極28との方向に沿って生じる電場(縦方向の電場)の強度を画像信号VD1,VD2,…,VDmによって生じる信号線X1,X2,…,Xmと画素電極27との方向に沿ってそれぞれ生じる電場(横方向の電場)の強度より補償電圧Va分だけそれぞれ相対的に高く設定することができる。このため、リバースティルト状態の液晶分子を表示パターンに応じて早く応答させる(緩和時間を短縮させる)ことができる。この結果、残像の発生を抑制することができる。
【0055】
次に、このように構成された液晶表示装置10の駆動方法を説明する。信号生成回路23からの水平同期信号HSYNCのタイミングに基づいて、走査線駆動回路21は走査線Y1,Y2,…,Ynを順番に選択する。まず、走査線駆動回路21からLレベルの走査信号SC1が出力されると、第1の走査線Y1に接続された全ての画素16の画素トランジスタQdがオン状態になる。また、信号生成回路23からの垂直同期信号VSYNCのタイミングに基づいて信号線駆動回路22は信号線X1,X2,…,Xmにそれぞれ画像信号VD1,VD2,…,VDmを供給する。さらに、電圧制御回路VCは、正極の補償対向電極電圧+Vss(=Vo+Va)を対向電極28に供給する。
【0056】
この結果、各液晶容量素子40に封入された液晶13の液晶分子が対応する画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じて分極することで第1の走査線Y1に接続された画素16の階調が制御される。
【0057】
続いて、走査線駆動回路21からHレベルの走査信号SC1が出力される。すると、走査線Y1に接続された全ての画素16の画素トランジスタQdがオフ状態になる。
【0058】
これと同時に、水平同期信号HSYNCのタイミングに基づいて走査線駆動回路21が次段の第2の走査線Y2を選択する。そして、走査線駆動回路21がLレベルの走査信号SC2を出力すると、第2の走査線Y2に接続された画素16の全ての画素トランジスタQdがオン状態になる。また、垂直同期信号VSYNCのタイミングに基づいて信号線駆動回路22が信号線X1,X2,…,Xmに、前記と同様にして、画像信号VD1,VD2,…,VDmを供給する。この結果、各液晶容量素子40に封入された液晶分子が対応する画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じて分極することで第2の走査線Y2に接続された画素16の階調が制御される。
【0059】
続いて、前記走査線駆動回路21からHレベルの走査信号SC2が出力される。すると、第2の走査線Y2に接続された画素16の全ての画素トランジスタQdがオフ状態になる。
【0060】
以後、前記走査線駆動回路21は、走査線Y3〜Ynを選択して、その選択された走査線に接続された各画素16にそれぞれ画像信号VD1,VD2,…,VDmを供給する。その結果、液晶容量素子40が、順次、対応する画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じてその階調が制御される。このことによって、表示パネル部Pに画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じた1フレームの画像が表示されることとなる。
【0061】
1フレーム期間終了後、走査線駆動回路21は信号生成回路23から出力される水平同期信号HSYNCのタイミングに基づいて、再び、前記と同様に、走査線Y1,Y2,…,Ynを選択する。そして、選択された走査線Y1,Y2,…,Ynに接続された各画素16に対して信号線駆動回路22から信号線X1,X2,…,Xmにそれぞれ画像信号VD1,VD2,…,VDmが供給される。このとき、前記電圧制御回路VCは、負極の補償対向電極電圧−Vss(=−Vo+Va)が対向電極28に供給されている。この結果、走査線Y1,Y2,…,Ynに接続された各画素16は前記フレーム期間と極性が反転した状態でその階調が制御され、1フレームの画像が表示パネル部Pに表示される。
【0062】
以上のように、順次、走査線Y1,Y2,…,Ynが順番に選択されるとともに、各画素16に信号線駆動回路22から画像信号VD1,VD2,…,VDmがそれぞれ供給されることで表示パネル部Pに画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じた画像が表示される。
【0063】
このようにすることで、フィールドスルー電圧を補正するとともに焼き付けやフリッカの発生を無くすことでその表示品位を向上することのできる液晶表示装置10を駆動させることができる。
【0064】
尚、特許請求の範囲に記載された電気光学装置、電気光学素子及びゲートトランジスタは、それぞれ、例えば、本実施形態における液晶表示装置10、液晶容量素子40及び画素トランジスタQdにそれぞれ対応している。また、特許請求の範囲に記載された第1電極及び第2電極はそれぞれ画素電極27及び対向電極28に対応している。さらに、特許請求の範囲に記載されたデータ信号及び交流信号生成回路は、それぞれ、例えば、本実施形態における画像信号VD1,VD2,…,VDm及び電圧制御回路VCに対応している。また、特許請求の範囲に記載された可変信号は、例えば、本実施形態における補償対向電極電圧+Vss(又は−Vss)に対応している。
【0065】
前記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)前記実施形態では、画素トランジスタQdの導電型をP型にした。そして、フィールドスルー電圧Vpに等しい電圧レベルを有する補償電圧Vaを加えた補償対向電極電圧+Vss,−Vssを対向電極28に交互に供給するようにした。従って、1フレーム毎、即ち、正極の補償対向電極電圧+Vssを供給したときと負極の補償対向電極電圧−Vssを供給したときとの極性差を無くすことができる。この結果、正極の補償対向電極電圧+Vssを供給したときと負極の補償対向電極電圧−Vssを供給したときとの極性差による焼き付けやフリッカの発生を抑制することができる。
【0066】
(2)前記実施形態では、電圧制御回路VCは対向電極28に供給する補償対向電極電圧+Vss、−Vssが画素トランジスタQdのフィールドスルー電圧Vpと等しい正極の電圧レベルの補償電圧Vaを加えた合成電圧である。つまり、正極の補償対向電極電圧+Vss(=Vo+Va)と負極の補償対向電極電圧−Vss(=−Vo+Va)の平均電圧Vavを、画像信号の平均電圧(0ボルト)よりも補償電圧Vaだけ高い電圧レベルにオフセットさせた。
【0067】
従って、画素電極27と対向電極28との方向に沿って生じる電場(縦方向の電場)の強度を補償電圧Va分だけ高めることができる。従って、画素電極27と対向電極28との方向に沿って生じる電場(縦方向の電場)の強度を画像信号VD1,VD2,…,VDmによってそれぞれ信号線X1,X2,…,Xmと画素電極27との方向に沿って生じる電場(横方向の電場)の強度より補償電圧Va分だけそれぞれ相対的に高く設定することができる。この結果、リバースティルト状態の液晶分子を表示パターンに応じて早く応答させる(緩和時間を短縮させる)ことができ、残像の発生を抑制することができる。
【0068】
また、上記実施例においては、コモン反転駆動の場合について言及したが、その他の反転駆動方法においては、対向電極電位を信号電位の中心値よりVaだけ高く設定し常に一定にする。この場合においても上記効果を得られることは明白である。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図6〜図8に従って説明する。この第2実施形態において、前記第1実施形態と同じ構成部材については符号を等しくし、その詳細な説明を省略する。図6は、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置を構成する表示パネル部Pの回路構成を示す回路図である。図7は、表示パネル部Pに形成される画素の等価回路である。図8は、本実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0069】
この第2実施形態の液晶表示装置50の構成においては、図6及び図7に示すように、画素トランジスタQdの導電性がN型であること、補助容量素子41の第2の電極E2を次段の走査線に接続したこと、及びn番目の走査線Ynの後段にダミー走査線LZが形成されていることが前記第1の実施形態と異なっている。
【0070】
詳述すると、図6に示すように、本実施形態の表示パネル部Pのn番目の走査線Ynの後段にはダミー走査線LZが形成されている。ダミー走査線LZは、走査線駆動回路21aに接続されている。また、ダミー走査線LZにはn番目の走査線Ynに接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2が接続されている。ダミー走査線LZには前記走査線駆動回路21から出力されるダミー走査信号ZSCが出力されるようになっている。
【0071】
図7は、m番目の信号線Xmと、第1及び第2の走査線Y1,Y2に接続された画素16の等価回路である。図7に示すように、各画素16は、その導電型がN型である画素トランジスタQdと、液晶容量素子40と、補助容量素子41とを備えている。画素トランジスタQdはスイッチング素子として機能するトランジスタであって、TFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。
【0072】
そして、第1の走査線Y1に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2は、後段の第2の走査線Y2に接続されている。第2の走査線Y2に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2は後段の第3の走査線Y3に接続されている。
【0073】
このように、本実施形態の液晶表示装置50においては、各走査線Y1,Y2,…,Ynに接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2を後段の走査線に接続する構成を成している。
【0074】
また、本実施形態における走査線駆動回路21aは、その内部に第1の電圧供給回路V1を備えている。第1の電圧供給回路V1は、本実施形態では、Lレベルが低く、画素トランジスタQdのフィールドスルー電圧Vpを補償しさらに電位を高くできるだけの第1の補助電圧Vh1を生成する。そして、走査線駆動回路21aは、図8に示すように、第1の走査線Y1にHレベルの第1の走査信号SC1を出力する前に、後段の第2の走査線Y2にLレベルより低い第1の補助電圧Vh1のレベルの第2の走査信号SC2を出力する。同様に、走査線駆動回路21aは、第2の走査線Y2にHレベルの第2の走査信号SC2を出力する前に、後段の第3の走査線Y3にLレベルより低い前記第1の補助電圧Vh1のレベルの第3の走査信号SC3を出力する。つまり、走査線駆動回路21aは、走査線Y1,Y2,…,Ynに順次Hレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnを出力する前に、後段の走査線にLレベルより低い第1の補助電圧Vh1のレベルの走査信号を所定期間出力する。
【0075】
また、走査線駆動回路21aは、n番目の走査線YnにHレベルの走査信号SCnを出力する前に後段のダミー走査線LZにLレベルより低い第1の補助電圧Vh1のレベルのダミー走査信号ZSCを出力する。
【0076】
このように構成することで、図8に示すように、例えば、後段の第2の走査線Y2に供給される走査信号SC2によって前段の第1の走査線Y1に接続された画素16の補助容量素子41の第1の電極E1の電位VDD1,VDD2,…,VDDmを第1の補助電圧Vh1分だけ下げることができる。また、走査線駆動回路21aは、前段の第1の走査線Y1を介して第1の走査線Y1に接続された画素16の各画素トランジスタQdを全てオフ状態にするLレベルの走査信号を出力するとき、後段の第2の走査線Y2に選択のためのHレベルの走査信号を供給する。従って、前段の第1の走査線Y1に接続された画素16の画素電極29の電位はLレベルの第1の走査信号SC1が供給されたことでフィールドスルー電圧Vp分だけ低下するが、後段の第2の走査線にHレベルの走査信号SC2によって前段の第1の走査線Y1に接続された画素16の各画素電極29の電位は上昇する。このとき、フィールドスルー電圧Vpを補償する第1の補助電圧Vh1を供給すれば、前段の第1の走査線Y1に接続された画素16の各画素電極29の電位は低下しない。このように、後段の走査線に供給される走査信号によって前段の第1の走査線Y1に接続された画素16の補助容量素子41の第1の電極E1の電位VDD1,VDD2,…,VDDmを第1の補助電圧Vh1分だけ下げる。そして、前段の走査線を介して画素トランジスタQdをオフ状態にするLレベルの走査信号を出力するとき、走査線駆動回路21aは、後段の走査線に選択のためのHレベルの走査信号を供給する。従って、前段の走査線に接続された画素16の画素電極29の電位はLレベルの走査信号が供給されたことでフィールドスルー電圧Vp分だけ低下するが、後段の走査線にHレベルの走査信号によって前段の画素16の画素電極29の電位は上昇する。このとき、フィールドスルー電圧Vpより第1の補助電圧Vh1による補償分を大きくすれば、前段の画素16の各画素電極29の電位は低下しない。従って、フィールドスルー電圧Vpを無くすことができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができる。
【0077】
さらに、電圧制御回路VCからは画像信号電位の平均値より高い電圧が対向電極28に供給されるようにする。このようにすることで、上記第1実施形態と同様に、リバースティルト状態の液晶分子を画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じて早く応答させる(緩和時間を短縮させる)ことができる。その結果、残像の発生を抑制することができる。
【0078】
以上のことから、フィールドスルー電圧Vpを補正するとともに焼付けやフリッカの発生を無くすことでその表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。
【0079】
尚、特許請求の範囲に記載された第1端子及び第2端子は、それぞれ、例えば、本実施形態における第1の電極E1及び第2の電極E2に対応している。さらに、特許請求の範囲に記載された制御信号生成回路は、例えば、本実施形態における第1の電圧供給回路V1に対応している。
【0080】
前記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)前記実施形態では、各走査線に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2を後段の走査線に接続する構成した。そして、走査線駆動回路21は、画素トランジスタQdをオン状態にするHレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnを出力する前に、それぞれ次段の走査線にLレベルより低い電位を有する第1の補助電圧Vh1を供給する。また、前段の走査線を介して画素トランジスタQdをオフ状態にするLレベルの走査信号を出力され、後段の走査線にHレベルの走査信号が供給された後、Lレベルの走査信号が供給されると、前段の画素16の各画素電極29の電位は第1の補助電圧Vh1が寄与する分だけ高くなる。このとき、第1の補助電圧Vh1が寄与する電圧変動をフィールドスルー電圧Vpより高く設定することで、フィールドスルー電圧Vpを無くすことができる。さらに、対向電極電位を画像信号電位の平均値より高く設定することができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができるので、その表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を説明する。この第3実施形態の構成では前記第2実施形態の構成と比較して、画素トランジスタQdの導電性がP型であることが異なる。図9は、本実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。このタイミングチャートは図8と比較して走査信号SC1、SC2が異なる以外は同じであるが、電圧供給回路V1から供給される補助電圧Vh1の下限は、画素トランジスタQdがオンしないレベルであるという条件がある。上記説明以外の構成、駆動方法の詳細な説明は第2実施形態に準ずるためここでは省略する。
【0081】
前記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)前記実施形態では、各走査線に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2を後段の走査線に接続する構成した。そして、走査線駆動回路21は、画素トランジスタQdをオン状態にするLレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnを出力する前に、それぞれ次段の走査線にHレベルより低い電位を有する第1の補助電圧Vh1を供給する。また、前段の走査線を介して画素トランジスタQdをオフ状態にするHレベルの走査信号を出力され、後段の走査線にLレベルの走査信号が供給された後Hレベルの走査信号が供給されると、前段の画素16の各画素電極29の電位は第1の補助電圧Vh1が寄与する分だけ高くなる。このとき、第1の補助電圧Vh1が寄与する分をフィールドスルー電圧Vpに付加することで、対向電極電位を画像信号電位の平均値より高く設定することができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができるので、その表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図6、図7、図10に従って説明する。この第4実施形態において、前記第1、第2実施形態と同じ構成部材については符号を等しくし、その詳細な説明を省略する。図6は、本発明の第4実施形態に係る液晶表示装置を構成する表示パネル部Pの回路構成を示す回路図である。図7は、表示パネル部Pに形成される画素の等価回路である。図10は、本実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0082】
この第4実施形態の液晶表示装置50の構成においては、図7に示すように、画素トランジスタQdの導電性がN型であること、走査線の転送順番をn段から1段へと反対にしたため、図6に示すように、補助容量素子41の第2の電極E2を前段の走査線に接続したこと、及びn番目の走査線Ynの前段にダミー走査線LZが形成されていることが前記第2の実施形態と異なっている。
【0083】
詳述すると、図6に示すように、本実施形態の表示パネル部Pのn番目の走査線Ynの前段にはダミー走査線LZが形成されている。ダミー走査線LZは、走査線駆動回路21aに接続されている。また、ダミー走査線LZにはn番目の走査線Ynに接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2が接続されている。ダミー走査線LZには前記走査線駆動回路21から出力されるダミー走査信号ZSCが出力されるようになっている。
【0084】
図7は、m番目の信号線Xmと、第1及び第2の走査線Y1,Y2に接続された画素16の等価回路である。図7に示すように、各画素16は、その導電型がN型である画素トランジスタQdと、液晶容量素子40と、補助容量素子41とを備えている。画素トランジスタQdはスイッチング素子として機能するトランジスタであって、TFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。
【0085】
そして、第1の走査線Y1に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2は、前段の第2の走査線Y2に接続されている。第2の走査線Y2に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2は前段の第3の走査線Y3に接続されている。
【0086】
このように、本実施形態の液晶表示装置50においては、各走査線Y1,Y2,…,Ynに接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2を前段の走査線に接続する構成を成している。
【0087】
また、本実施形態における走査線駆動回路21aは、その内部に第1の電圧供給回路V1を備えている。第1の電圧供給回路V1は、本実施形態では、Lレベルが低く、画素トランジスタQdのフィールドスルー電圧Vpを補償しさらに電位を高くできるだけの第1の補助電圧Vh1を生成する。そして、走査線駆動回路21aは、図10に示すように、第n−1の走査線Yn−1にHレベルの第n−1の走査信号SCn−1を出力する際に、前段の第nの走査線YnにLレベルより低い第1の補助電圧Vh1のレベルの第nの走査信号SCnを出力する。同様に、走査線駆動回路21aは、第n−2の走査線Yn−2にHレベルの第n−2の走査信号SCn−2を出力する際に、前段の第n−1の走査線Yn−1にLレベルより低い前記第1の補助電圧Vh1のレベルの第n−1の走査信号SCn−1を出力する。つまり、走査線駆動回路21aは、走査線Yn,Yn−1,…,Y1に順次Hレベルの走査信号SCn,SCn−1,…,SC1を出力する際に、前段の走査線にLレベルより低い第1の補助電圧Vh1のレベルの走査信号を所定期間出力する。
【0088】
また、走査線駆動回路21aは、n番目の走査線YnにHレベルの走査信号SCnを出力する際に前段のダミー走査線LZにLレベルより低い第1の補助電圧Vh1のレベルのダミー走査信号ZSCを出力する。
【0089】
このように構成することで、図10に示すように、例えば、前段の第nの走査線Ynに供給される走査信号SCnによって後段の第n−1の走査線Yn−1に接続された画素16の補助容量素子41の第1の電極E1の電位VDD1,VDD2,…,VDDmを第1の補助電圧Vh1が寄与する分だけ下げることができる。また、走査線駆動回路21aは、第n−1の走査線Yn−1を介して第n−1の走査線Yn−1に接続された画素16の各画素トランジスタQdを全てオフ状態にするVh1レベルの走査信号を出力した後、短い期間をおいて、前段の第nの走査線Ynに非選択のためのLレベルの走査信号を供給する。従って、第n−1の走査線Yn−1に接続された画素16の画素電極29の電位はVh1レベルの第n−1の走査信号SCn−1が供給されたことでフィールドスルー電圧Vp分と補助電圧Vh1が寄与する分だけ低下するが、前段の第nの走査線にLレベルの走査信号SCnによって、第n−1の走査線Yn−1に接続された画素16の各画素電極29の電位は上昇する。更に、第n−1の走査線Yn−1に接続された画素16の画素電極29の電位はLレベルの第n−1の走査信号SCn−1が供給されたことでVh1が寄与するフィールドスルー電圧分だけ各画素電極29の電位は上昇する。このとき、フィールドスルー電圧Vpより第1の補助電圧Vh1による補償分を大きくすれば、前段の画素16の各画素電極29の電位は低下しない。従って、フィールドスルー電圧Vpを無くすことができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができる。
【0090】
さらに、電圧制御回路VCからは画像信号電位の平均値より高い電圧が対向電極28に供給されるようにする。このようにすることで、上記第1実施形態と同様に、リバースティルト状態の液晶分子を画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じて早く応答させる(緩和時間を短縮させる)ことができる。その結果、残像の発生を抑制することができる。
【0091】
以上のことから、フィールドスルー電圧Vpを補正するとともに焼付けやフリッカの発生を無くすことでその表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。
【0092】
尚、特許請求の範囲に記載された第1端子及び第2端子は、それぞれ、例えば、本実施形態における第1の電極E1及び第2の電極E2に対応している。さらに、特許請求の範囲に記載された制御信号生成回路は、例えば、本実施形態における第1の電圧供給回路V1に対応している。
【0093】
前記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)前記実施形態では、各走査線に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2を後段の走査線に接続する構成した。そして、走査線駆動回路21は、画素トランジスタQdをオン状態にするHレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnを出力した後にそれぞれの走査線にLレベルより低い電位を有する第1の補助電圧Vh1を供給する。また、前段の走査線がVh1レベルである期間に次段の画素トランジスタQdをオン状態にするHレベルの走査信号が出力され、次段の走査線にVh1レベルの走査信号が供給されると、前段の走査線にLレベルが供給される。一連の動作により、画素16の各画素電極29の電位は第1の補助電圧Vh1が寄与する分だけ高くなる。このとき、第1の補助電圧Vh1が寄与する電圧変動をフィールドスルー電圧Vpより高く設定することで、フィールドスルー電圧Vpを無くすことができる。さらに、対向電極電位を画像信号電位の平均値より高く設定することができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができるので、その表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態を説明する。この第5実施形態の構成では前記第4実施形態の構成と比較して、画素トランジスタQdの導電性がP型であることが異なる。図11は、本実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。このタイミングチャートは図10と比較して走査信号SC1、SC2及び第nの電極E1の電位VDDmが異なる以外は同じであるが、電圧供給回路V1から供給される補助電圧Vh1の下限は、画素トランジスタQdがオンしないレベルであるという条件がある。上記説明以外の構成、駆動方法の詳細な説明は第4実施形態に準ずるためここでは省略する。
【0094】
前記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)前記実施形態では、各走査線に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2を後段の走査線に接続する構成した。そして、走査線駆動回路21は、画素トランジスタQdをオン状態にするLレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnを出力した後にそれぞれの走査線にHレベルより低い電位を有する第1の補助電圧Vh1を供給する。また、前段の走査線がVh1レベルである期間に次段の画素トランジスタQdをオン状態にするLレベルの走査信号が出力され、次段の走査線にVh1レベルの走査信号が供給されると、前段の走査線にHレベルが供給される。一連の動作により、画素16の各画素電極29の電位は画素トランジスタのフィールドスルー電圧Vpに付加して第1の補助電圧Vh1が寄与する分だけ高くなるため、対向電極電位を画像信号電位の平均値より高く設定することができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができるので、その表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態を図12〜図14に従って説明する。この第6実施形態において、前記第1実施形態と同じ構成部材については符号を等しくし、その詳細な説明を省略する。図12は、本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置を構成する表示パネル部Pの回路構成を示す回路図である。図13は、表示パネル部Pに形成される画素の等価回路である。図14は、本実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0095】
この第6実施形態の液晶表示装置60の構成においては、図12及び図13に示すように、画素トランジスタQdの導電性がN型であること、及び補助容量素子41の第2の電極E2が容量配線LC1,LC2,…,LCnを介して共通して接続されるとともに走査線駆動回路21b内に設けられた第2の電圧供給回路V2に接続されていることが前記第1の実施形態と異なっている。
【0096】
第2の電圧供給回路V2は、各走査線Y1,Y2,…,Ynに前記画素トランジスタQdにHレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnが出力されている間に、画素トランジスタQdがオフになる期間(これが、特許請求の範囲に記載された「保持期間」に相当)に供給するLレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnより低い電圧レベルの第2の補助電圧Vh2を生成し対応する容量配線LC1,LC2,…,LCnに出力する。本実施形態においては、前記Lレベルの走査信号SC1,SC2,…,SCnは図14に示す基準電圧Vkに対応している。つまり、本実施形態の第2の電圧供給回路V2は、図14に示すように、各走査線毎に各画素トランジスタQdがそれぞれオン状態になる期間を挟んた所定の期間に、対応する容量配線LC1,LC2,…,LCnを介して補助容量素子41の第2の電極E2に基準電圧Vkより低い電圧レベルの第2の補助電圧Vh2をそれぞれ出力する。
【0097】
図13は、第mの信号線Xmと、第1及び第2の走査線Y1,Y2に接続された各画素16の等価回路である。図13に示すように、各画素16は、その導電型がN型である画素トランジスタQdと、液晶容量素子40と、補助容量素子41とを備えている。前記画素トランジスタQdはスイッチング素子として機能するトランジスタであって、TFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。
【0098】
そして、図13に示すように、第1の走査線Y1に接続された画素16の補助容量素子41の第2の電極E2は、第1の容量配線LC1に接続されている。そして、図14に示すように、画素トランジスタQdがオン状態になる期間を挟んだ期間で、第2の電圧供給回路V2が対応する容量配線LC1,LC2,…,LCnに基準電圧Vkより低い電圧レベルの第2の補助電圧Vh2を出力する。このようにすることで、図14に示すように、画素トランジスタQdがオン状態になる期間を挟んだ期間で、前記画素電極27及び補助容量素子41に供給される画像信号VD1,VD2,…,VDmの電圧レベルを第2の補助電圧Vh2分だけ低くすることができる。
【0099】
図14に示すように、画素トランジスタQdがオン状態になる期間を挟んだ期間で、画素16の補助容量素子41の第1の電極E1の電位VDD1,VDD2,…,VDDmを第2の補助電圧Vh2分だけ低くすることができる。
【0100】
そして、この状態で、走査線駆動回路21bが第1の走査線Y1を介してLレベルの走査信号SC1を出力し画素トランジスタQdをオフ状態にする。すると、フィールドスルー電圧Vp分だけ画素電極27の電位が下がる。このとき、第2の電圧供給回路V2は第1の容量配線LC1を介して基準電圧Vkを出力する。すると、第1の走査線Y1に接続された全ての画素16の補助容量素子41の第2の電極E2の電位が第2の補助電圧Vh2から基準電圧Vkに上昇する。このとき、前記第2の補助電圧Vh2の寄与で画素電位が上昇する分をフィールドスルー電圧Vpより大きくすれば、画素トランジスタQdをオフ状態にした後の画素電極27に生じるフィールドスルー電圧Vp分の低下を確実に補償することができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができる。
【0101】
また、このとき、電圧制御回路VCからはその画像信号電位の平均値より高い平均電圧Vavが対向電極28に供給されている。この結果、画素電極27と対向電極28との方向に沿って供給される電場(縦方向の電場)の強度を補償電圧Va分だけ高めることができる。従って、画素電極27と対向電極28との方向に沿って供給される電場(縦方向の電場)の強度を画像信号VD1,VD2,…,VDmによって生じる信号線X1,X2,…,Xmと画素電極27との方向に沿って供給される電場(横方向の電場)の強度より第2の補償電圧Va分だけ相対的に高く設定することができる。このため、リバースティルト状態の液晶分子を画像信号VD1,VD2,…,VDmに応じて早く応答させる(緩和時間を短縮させる)ことができる。その結果、残像の発生を抑制することができる。従って、フィールドスルー電圧を補正するとともにフリッカの発生を無くすことでその表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。また、第1〜第nの容量配線LC1,LC2,…,LCnを走査線Y1,Y2,…,Ynとは独立して設けたため、各走査線の配線容量が小さくて済むとともに、各走査線の負担が減少する。さらに、走査信号SC1,SC2,…,SCnの信号振幅が小さくなるので、液晶表示装置10の消費電力化を図ることができる。
【0102】
尚、特許請求の範囲に記載された制御信号生成回路は、例えば、本実施形態における第2の電圧供給回路V2に対応している。
前記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
【0103】
(1)前記実施形態では、画素トランジスタQdの導電型をN型にした。そして、走査線方向に沿って形成された補助容量素子41の第2の電極E2を容量配線LC1,LC2,…,LCnを介して共通して接続されるとともに第2の電圧供給回路V2に接続した。そして、第2の電圧供給回路V2は、各走査線に各画素トランジスタQdがオン状態になる期間、対応する容量配線LC1,LC2,…,LCnを介して補助容量素子41の第2の電極E2にそれぞれ基準電圧Vkより低い電圧レベルの第2の補助電圧Vh2を出力するようにした。そして、画素トランジスタQdをオフ状態にした後、補助容量素子41の第2の電極E2の電位を第2の補助電圧Vh2から基準電圧Vkに戻すようにした。
【0104】
このようにすることで、第2の電極E2の電位を第2の補助電圧Vh2分だけ上昇させることができる。このとき、前記第2の補助電圧Vh2による画素電位の上昇分をフィールドスルー電圧Vpより大きくすれば、画素トランジスタQdをオフ状態にした後の画素電極27に生じるフィールドスルー電圧Vp分の低下を確実に補償することができる。この結果、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができる。従って、焼き付けやフリッカの発生を抑制することができるので、その表示品位を向上することのできる液晶表示装置を提供することができる。また、第1〜第nの容量配線LC1,LC2,…,LCnを走査線Y1,Y2,…,Ynとは独立して設けたため、各走査線の配線容量が小さくて済むとともに、各走査線の負担が減少する。さらに、走査信号SC1,SC2,…,SCnの信号振幅が小さくなるので、液晶表示装置10の消費電力化を図ることができる。
【0105】
上記構成は画素トランジスタがN型の場合であるが、画素トランジスタがP型の場合は、フィールドスルー電圧により画素電位が上昇することから、Vh2による画素電位の上昇分を付加して、更に横方向の電場より強くすることができる。
【0106】
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態を説明する。この第7実施形態の構成では前記第6実施形態の構成と比較して、電圧制御回路VCからの供給電圧が、補償対向電極電圧+Vss、−Vssになることが異なる。また、本実施形態においては、補助容量素子41の第2の電極E2には対向電極電位が+VssではVk1が、対向電極電位が−VssではVk2が対向電極28に与える電位と同期して与えられる。ここで、
(+Vss)−(−Vss)= Vk1−Vk2
を満たしている。上記説明以外の構成、駆動方法の詳細な説明は第6実施形態に準ずるためここでは省略する。
【0107】
前記実施形態によれば、前記第6実施形態の特徴に付加して、以下のような特徴を得ることができる。
(1)コモン反転駆動にすることにより画像信号の振幅を小さくすることができるため、回路の消費電力を小さくすることができる。
【0108】
(第8実施形態)
次に、第1〜7実施形態で説明した電気光学装置としての液晶表示装置10,50,60の電子機器の適用について図15に従って説明する。液晶表示装置10,50,60は、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等種々の電子機器に適用できる。
【0109】
図15は、モバイル型パーソナルコンピュータの構成を示す斜視図を示す。図15において、パーソナルコンピュータ70は、キーボード71を備えた本体部72と、前記液晶表示装置10,50,60を用いた表示ユニット73とを備えている。この場合においても、液晶表示装置10,50,60を用いた表示ユニット73の表示品位を向上させることができる。
【0110】
尚、発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記第2〜第5実施形態では、第1の電圧供給回路V1及び第2の電圧供給回路V2をそれぞれ走査線駆動回路21a,21b内に備えた。これを、走査線駆動回路21の外側に第1の電圧供給回路V1及び第2の電圧供給回路V2をそれぞれ備えてもよい。
【0111】
○上記第1〜第7実施形態では、1色からなる液晶容量素子40を設けた液晶表示装置10,50,60であったが、フルカラー表示可能な液晶容量素子を設けた液晶表示装置に応用してもよい。
【0112】
○上記実施形態では、液晶容量素子40を備えた表示装置に具体化して好適な効果を得たが、液晶容量素子40以外の電圧駆動素子を備えた表示装置に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置の概略図である。
【図2】液晶表示装置の断面を一部破断して示した図である。
【図3】液晶表示装置の電気的構成を概略的に示したものである。
【図4】表示パネル部に形成される画素の等価回路である。
【図5】(a)は第1の走査線に供給される走査信号のタイミングチャートである。(b)は対向電極のタイミングチャートである。(c)は画像データのタイミングチャートである。(d)は画素電極の電位のタイミングチャートである。
【図6】液晶表示装置の電気的構成を概略的に示したものである。
【図7】表示パネル部に形成される画素の等価回路である。
【図8】第2実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】第3実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】第4実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】第5実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】第6実施形態に係る液晶表示装置の電気的構成を概略的に示したものである。
【図13】第6実施形態に係る表示パネル部に形成される画素の等価回路である。
【図14】第6実施形態の液晶表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】第8実施形態を説明するためのモバイル型パーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図16】従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の表示パネルに形成された画素の概略構成図である。
【図17】従来の画素の概略断面図である。
【符号の説明】
VD1,VD2,…,VDmデータ信号としての画像信号、Qd…ゲートトランジスタとしての画素トランジスタ、V1…制御信号生成回路としての第1の電圧供給回路、V2…制御信号生成回路としての第2の電圧供給回路、Va…補償電圧、VC…交流信号生成回路としての電圧制御回路、Vk…基準電圧、Vo…対向電極電圧、Vp…フィールドスルー電圧、Vss…可変信号としての補償対向電極電圧、X1,X2,…,Xm…信号線、Y1,Y2,…,Yn…走査線、E1…第1端子としての第1の電極、E2…第2端子としての第2の電極、10,50,60…電気光学装置としての液晶表示装置、16…画素、21,21a,21b…走査線駆動回路、27…第1電極としての画素電極、28…第2電極としての対向電極、40…電気光学素子としての液晶容量素子、41…補助容量素子、70…電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピュータ。
Claims (12)
- 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記ゲートトランジスタの導電型はP型であり、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極に供給し、
可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記第2電極に供給される前記可変信号の中心値が、前記第1電極に供給される前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットされていることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記ゲートトランジスタの導電型はN型であり、
前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の次に選択される走査線に接続し、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、
前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力する前の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低い信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記ゲートトランジスタの導電型はP型であり、
前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の次に選択される走査線に接続し、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、
前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力する前の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低くかつ前記ゲートトランジスタがオンしない信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記ゲートトランジスタの導電型はN型であり、
前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の前に選択される走査線に接続し、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を供給し、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力した後の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低い信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記ゲートトランジスタの導電型はP型であり、
前記画素に設けた前記補助容量素子の前記第2端子を、該画素に接続された走査線の前に選択される走査線に接続し、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、
前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記ゲートトランジスタをオンさせる走査信号を、そのオンさせるためのオン信号レベルを出力した後の一定期間に、前記ゲートトランジスタをオフさせるためのオフ信号レベルより低くかつ前記ゲートトランジスタがオンしない信号レベルを生成し前記走査線に供給させるようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、
前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットした電位を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記第2端子に、該画素に接続される走査線に前記ゲートトランジスタをオンさせるためのオン信号レベルを出力する前からオフさせるためのオフ信号レベルを出力した後までの期間、それ以外の保持期間より低い電位レベルを供給させるようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置の駆動方法において、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極及び前記第1端子に供給し、
可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記第2電極に供給される前記可変信号の中心値が前記第1電極及び前記第1端子に供給される前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットされ、前記第2端子は前記可変信号と同期して、前記可変信号と同じ電位変動幅の電位レベルが供給され、
更に前記第2端子に、該画素に接続される走査線に前記ゲートトランジスタをオンさせるためのオン信号レベルを出力する前からオフさせるためのオフ信号レベルを出力した後までの期間、それ以外の保持期間より低い電位レベルを供給させるようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置において、
前記ゲートトランジスタの導電型をP型にし、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極に供給し、
可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記第2電極に供給される可変信号の中心値が、前記第1電極に供給される前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせて出力する交流信号生成回路を設けたことを特徴とする電気光学装置。 - 複数の走査線と、複数の信号線と、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各々の交差に対応する位置に配置された画素とを備え、前記画素にはゲートトランジスタ、第1電極及び第2電極を有する電気光学素子、及び、第1端子及び第2端子を有する補助容量素子が設けられてなる電気光学装置において、
前記走査線を介して供給される走査信号に応じて前記ゲートトランジスタをオンさせて前記信号線からのデータ信号を前記第1電極に供給し、
可変信号を前記第2電極に供給して前記電気光学素子を交流駆動し、
前記第2電極に供給する前記可変信号の中心値を、前記データ信号の中心値より高いレベルにオフセットさせて出力する交流信号生成回路と、
前記第2端子は前記可変信号と同期して、前記可変信号と同じ電位変動幅の電位レベルが供給され、
前記第2端子に、該画素に接続される走査線に前記ゲートトランジスタをオンさせるためのオン信号レベルの走査信号が出力されている間に、前記ゲートトランジスタがオフしている保持期間に供給する信号レベルより低い信号レベルの制御信号を生成し出力する制御信号生成回路とを設けたことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項8または9に記載の電気光学装置において、
前記電気光学素子は前記第1電極と前記第2電極との間に液晶を封入した液晶容量素子であることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一つの電気光学装置の駆動方法を用いたことを特徴とする電子機器。
- 請求項8乃至10のいずれか一つの電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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JP2003185618A JP2005017941A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置および電子機器 |
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