JP2005014824A - 電装品ユニットホルダー - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットが、内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付けられる際の作業性を向上させ、これら機能部分の誤組付けを防止することができる電装品ユニットホルダーを提供する。
【解決手段】ＦＦＣ５２で相互接続された一対の機能部分Ａ，Ａ と意匠部分Ｂとを組み付けて成るルームランプ５０をルーフトリム３０に設けたランプ装着窓３１に取り付ける際に、前記各機能部分Ａ，Ａ間を所定間隔に保持するべく、ランプユニットホルダー１は、各ハウジング５１を着脱可能に係止する一対の係止部４，４ と、これら係止部４，４ 間を連結する連結部３と、を備えた帯状に形成されており、各係止部４の先端側には、ハウジング５１に装着されたバルブ５４を保護するバルブカバー２が併設されている。
【選択図】 図１
【解決手段】ＦＦＣ５２で相互接続された一対の機能部分Ａ，Ａ と意匠部分Ｂとを組み付けて成るルームランプ５０をルーフトリム３０に設けたランプ装着窓３１に取り付ける際に、前記各機能部分Ａ，Ａ間を所定間隔に保持するべく、ランプユニットホルダー１は、各ハウジング５１を着脱可能に係止する一対の係止部４，４ と、これら係止部４，４ 間を連結する連結部３と、を備えた帯状に形成されており、各係止部４の先端側には、ハウジング５１に装着されたバルブ５４を保護するバルブカバー２が併設されている。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電装品ユニットホルダーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車体パネルを覆うルーフトリム、ドアトリム又はダッシュボード等の内装用壁材に、ルームランプ、カーテシランプ又はスイッチ等の電装品ユニットを取り付ける場合には、該内装用壁材に開口した電装品装着窓に各電装品ユニットを装着していた。
【０００３】
ところで、従来の電装品ユニットの組付方法では、電装品ユニットをルーフトリム等の内装用壁材に取り付ける際、ルーフハーネス等の車体側ハーネスに接続されたコネクタを電装品装着窓から引き出し、電装品ユニットとの嵌合作業を行う必要がある。又、嵌合作業後、電装品ユニットをそれぞれ、ネジ等で内装用壁材に固定しなければならず、車室内の狭い作業スペース内での不自然な体勢での作業となる組付け作業が煩雑化して良好な作業性を得ることが困難であった。
【０００４】
そこで、例えばルームランプ等の電装品ユニットを内装用壁材であるルーフトリムに予め取り付けて天井モジュールを形成しておき、この天井モジュールをボディー天井に取り付けるようにすれば、ルーフトリム取付け時に電装品ユニットの取付作業が省略でき、組付け作業が簡単になる（例えば、特許文献１参照）。
【０００５】
図１０は、このような天井モジュールを構成するべくルーフトリムに予め取り付けられるルームランプユニットの取付構造を示す要部分解斜視図である。
図１０に示したルームランプ２０は、車体パネルであるボディ天井を覆う内装用壁材としてのルーフトリム３０に開口したランプ装着窓３１に装着される電装品ユニットである。
【０００６】
前記ルームランプ２０は、ハウジング２１に装着されるバルブ２４、スイッチ部（図示せず）等を備えてルーフトリム３０のボディ天井側（図中、上側）に取付けられる機能部分Ａと、カバーレンズ４５及びホルダ４１を備えてルーフトリム３０の室内側（図中、下側）に取付けられる意匠部分Ｂとから成る。
【０００７】
前記機能部分Ａを構成するハウジング２１内に装着されたバルブ２４には、図示しないスイッチ部を介して、ルーフハーネスを構成する電線であるＦＦＣ２２が接続されている。
即ち、予めルーフトリム３０に配索されるルーフハーネスであるＦＦＣ２２の接続部は、前記機能部分Ａにおける電線接続部に電気的に接続されるが、この際、作業者は接続状態を目視でしかも下向き作業で確認しながら接続することができる。
【０００８】
前記意匠部分Ｂを構成するカバーレンズ４５は、係止突起４５ａをホルダ４１の図示しない係合部に係合させることにより、該ホルダ４１に一体的に装着される。
前記ホルダ４１には、ルーフトリム３０に開口した係合穴３２に係合してルームランプ２０とルーフトリム３０とを相互に固定する係合爪４２と、前記ハウジング２１が嵌挿されるハウジング嵌挿口４６と、前記ルームランプ２０と前記ボディ天井のリインフォース（図示せず）とを相互に固定する固定手段４３とが設けられている。
【０００９】
又、図１１に示したルームランプ５０は、図１０に示したルームランプ２０とは異なる形式のルームランプであり、前記ルームランプ２０と同様に、車体パネルであるボディ天井を覆う内装用壁材としてのルーフトリム（図示せず）に開口したランプ装着窓に装着される電装品ユニットである。
【００１０】
前記ルームランプ５０は、それぞれバルブ５４が装着されたハウジング５１を備えてルーフトリムのボディ天井側に取付けられる一対の機能部分Ａと、カバーレンズ６１及びホルダ６２を備えてルーフトリムの室内側に取付けられる意匠部分Ｂとから成る。
前記各機能部分Ａを構成する各ハウジング５１に装着されたバルブ５４には、ルーフハーネスを構成する電線であるＦＦＣ５２が接続されている。
前記意匠部分Ｂを構成するカバーレンズ６１は、図示しない係合手段により、前記ホルダ６２に一体的に装着されている。
【００１１】
前記ホルダ６２には、図示しないルーフトリムに開口したランプ装着窓の開口縁に係合してルームランプ５０とルーフトリムとを相互に固定する固定手段６３と、前記各ハウジング５１に設けた係合用可撓片５５を係止して各ハウジング５１をハウジング装着部６４に保持固定するハウジング係止部６５と、が設けられている。
【００１２】
ところで、例えば図１０に示したルームランプ２０を自動車に取り付ける際には、先ず、自動車の組立ラインに乗せる前において、ルームランプ２０の意匠部Ｂにおける係合爪４２を天井トリム３０側の係合穴３２に係合させて、ホルダ４１と天井トリム３０とを相互に固定する。
次に、ＦＦＣ２２の接続部に接続されたルームランプ２０のランプ機能部分Ａを構成するハウジング２１が、ルーフトリム３０のボディ天井側から前記ホルダ４１のハウジング嵌挿口４６に装着されることで、ランプ機能部分Ａはルーフトリム３０に直接取り付けられる。
【００１３】
そして次に、前記ＦＦＣ２２をルーフトリム３０のボディ天井側に配索すると共に、図示しないバックミラー及びサンバイザー等の天井装着品をルーフトリム３０に予め取り付けることにより、これら天井装着品と共にルームランプ２０をルーフトリム３０と一体化させたルーフモジュールが構成される。
【００１４】
そこで、このルーフモジュールを自動車の組立ラインに乗せ、ボディ天井に取り付ける。このように、上記ルームランプの固定構造によれば、自動車の組立ラインにおいて、ボディ天井にルームランプ２０とルーフトリム３０とを同時に固定することができるので、自動車の組立ラインにおける組立作業の工数の低減が図れる。
【００１５】
ここで、上述したルームランプ２０は、ＦＦＣ２２に接続されたハウジング２１を備えた機能部分Ａと、カバーレンズ４５及びホルダ４１を備えた意匠部分Ｂとが、自動車の組立ラインで一体とされる。
そこで、このようなハウジング２１が接続されたＦＦＣ２２は、予め別の製造ラインで製造された後、梱包されて自動車の組立ラインに搬送されている。
【００１６】
【特許文献１】
特開２００３−４００３２号公報。
【００１７】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したルームランプ５０の場合は、それぞれバルブ５４が装着されたハウジング５１を備えた複数の機能部分Ａがあり、これらハウジング５１，５１間はＦＦＣ５２により連接されている。
そこで、このような複数の機能部分Ａを備えたＦＦＣ５２を予め別の製造ラインで製造した後に、梱包して搬送すると、ハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生する虞があるので、意匠部分Ｂに組み付ける際に、取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが発生する可能性があった。
【００１８】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットが、内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付けられる際の作業性を向上させ、これら機能部分の誤組付けを防止することができる電装品ユニットホルダーを提供することである。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、電線で相互接続された複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットを内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付ける際に、前記各機能部分を着脱可能に係止する係止部と、これら係止部間を連結する連結部とによって、前記各機能部分間を所定間隔に保持することを特徴とする電装品ユニットホルダーにより達成される。
【００２０】
上記構成の電装品ユニットホルダーによれば、電線で相互接続された複数の機能部分を所定間隔に保持することができるので、梱包して搬送される際に前記電線が捻じられたり、機能部品と電線との絡みを発生する虞がない。
又、複数の前記機能部分を意匠部分に組み付ける際にも、前記電装品ユニットホルダーに保持されたこれら機能部分は、取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが防止される。
【００２１】
尚、好ましくは前記連結部が、可撓性を有する。
この場合、複数の前記機能部分を所定間隔に保持した状態で、搬送用の箱内に梱包された際にも、該電装品ユニットホルダーは電線に倣って曲がることができ、嵩張らないので、梱包状態がコンパクトになる。
【００２２】
又、好ましくは前記電装品ユニットが、前記各機能部分にバルブを備えたランプユニットとされ、前記各係止部には前記バルブを保護するバルブカバーが併設されている。
この場合、ランプユニットの各機能部におけるバルブが、電装品ユニットホルダーに設けたバルブカバーに保護されるので、意匠部分に組み付けられるまで外部に露出している該バルバが、搬送時等に他の部材と接触するのを防止することができる。
【００２３】
又、好ましくは前記バルブカバーが、室内側が開口するようにする。
この場合、電装品ユニットホルダによりランプユニットの機能部分を保持する際、および電装品ユニットホルダを機能部分から取り外す際に、電装品ユニットホルダーの下側である室内側が開口するので、容易に脱着することができる。
【００２４】
又、好ましくは前記バルブカバーが、前記バルブの取り付け部分に設けられているガイドに沿って開くようにする。
この場合、電装品ユニットホルダをランプユニットから取り外す際に、バルブの取り付け部分に設けられているガイドによりバルブカバーが開くので、バルブを傷つけることなく電装品ユニットホルダを取り外すことができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る電装品ユニットホルダーを詳細に説明する。
図１は本発明の第１実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図、図２は図１に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け過程を説明する正面図、図３（Ａ）〜（Ｃ）はバルブカバーによりバルブをカバーする状態を示した側面図、図４はバルブカバーによりバルブを覆った状態を示す断面図、図５は図２に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け状態を説明する正面図、図６乃至図８は図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
尚、本第１実施形態の電装品ユニットであるルームランプ５０における機能部分Ａと意匠部分Ｂは、図１１に示したルームランプ５０における機能部分Ａと意匠部分Ｂと同様の構成であるので、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【００２６】
図１及び図２に示した本第１実施形態のランプユニットホルダー１は、ＦＦＣ５２が接続された一対の機能部分Ａであるハウジング５１，５１相互を所定間隔に保持することで、これらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生するのを防止する合成樹脂製の電装品ユニットホルダーである。
【００２７】
前記ランプユニットホルダー１は、各ハウジング５１を着脱可能に係止する一対の係止部４，４と、これら係止部４，４間を連結する連結部３と、を備えた帯状に形成されており、各係止部４の先端側には、ハウジング５１に装着されたバルブ５４を保護するバルブカバー２が併設されている。
【００２８】
前記係止部４には、それぞれハウジング５１の上面に突設された垂直壁５６，５７の上縁部を挟持固定する挟持部５，６が設けられている。
又、各係止部４の先端側に併設されたバルブカバー２は、バルブ５４の周囲を囲繞する袋状に形成されており、下側（図２において下側、すなわち室内側）に設けた一対の扉部２ａ，２ａが、薄肉ヒンジ部を介してホルダー着脱時に短手方向に沿って観音開きして、室内側が開口可能とされている（図２、参照）。
【００２９】
図３（ａ）〜（ｃ）に示すように、バルブカバー２の各扉部２ａ、２ａの先端部には、バルブ５４の取り付け部分に設けられているガイド５４ａの外周面に沿って移動するために内側（バルブ５４側）に突出した摺動部５９が各々設けられている。なお、図４に示すように、ガイド５４ａは、バルブ５４の外径よりも大径の外周面を有している。又、図３（ａ）に示すように、両扉部２ａ、２ａの先端には、互いに係止しあうようにロック部５８ａ、５８ｂが設けられている。
従って、図３（ｂ）に示すように、両扉部２ａ、２ａを閉じて、一方のロック部５８ａが他方のロック部５８ｂを乗り越えるようにして扉部２ａ、２ａを完全に閉じると、図３（ｃ）に示すように、両ロック部５８ａ、５８ｂが係止し合って扉部２ａ、２ａをロック状態とすることができる。これにより、図４に示すように、バルブ５４は、バルブカバー２によって囲繞されて保護されることになる。
【００３０】
これにより、運搬時および作業時に、不意に扉部２ａ、２ａが開いてバルブ５４が露出し、バルブ５４を破損するような事態を防止することができる。なお、扉部２ａ、２ａを開ける場合には、外側のロック部５８ａを外側に引っ張って図３（ｂ）に示すように内側のロック部５８ｂの上に移動させることによりロックを解除する。そして、ランプユニットホルダー１を機能部分Ａの上方へ引き離すことにより、両扉部２ａ、２ａの摺動部５９がガイド５４ａの外周面に沿って外側へ移動して開く。これにより、バルブカバー２とバルブ５４とを干渉させることなくラップユニットホルダ１を取り外すことができる。
【００３１】
一方、薄板状に形成された前記連結部３は、該ランプユニットホルダー１の長手方向に沿って撓み変形可能とされている。
そこで、図２に示すように、前記ランプユニットホルダー１の各係止部４における挟持部５，６に、対応する各ハウジング５１の垂直壁５６，５７の上縁部を圧入することにより、これら垂直壁５６，５７が挟持部５，６に挟持固定された一対のハウジング５１，５１は、図５（ａ）に示すように、相互に所定間隔をもってランプユニットホルダー１に保持される。なお、このとき、バルブカバー２の両扉部２ａ、２ａは開いた状態としておき、ハウジング５１，５１を保持した後に前述したように扉部２ａ、２ａを閉じてロックする。
【００３２】
即ち、ルームランプ５０は、図６に示すように、それぞれＦＦＣ５２に接続されたハウジング５１を備えた一対の機能部分Ａと、カバーレンズ６１及びホルダ６２を備えた意匠部分Ｂとが、自動車の組立ラインで一体とされるが、これらハウジング５１，５１が接続されたＦＦＣ５２は、予め別の製造ラインで製造された後、梱包されて自動車の組立ラインに搬送される。
【００３３】
ここで、一対のハウジング５１，５１は、上述したように、相互に所定間隔をもってランプユニットホルダー１に保持されているので、梱包して搬送される際に、これらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生する虞がない。
【００３４】
又、ランプユニットホルダー１の連結部３は、可撓性を有しており、該ランプユニットホルダー１の長手方向に沿って撓み変形可能とされているので、一対のハウジング５１，５１を所定間隔に保持した状態で、図示しない搬送用の箱内に梱包された際にも、該ランプユニットホルダー１は、図５（ｂ）に示したように、梱包されたＦＦＣ５２に倣って曲がることができ、嵩張らないので、梱包状態がコンパクトになる。
【００３５】
更に、本実施形態のランプユニットホルダー１は、各ハウジング５１に装着されてむき出しのバルブ５４を一対のバルブカバー２，２により保護しているので、該バルブ５４が、意匠部分Ｂに組み付けられるまで外部に露出せず、搬送時等に他の部材と接触するのを防止することができる。
【００３６】
そして、図６に示すように、前記ランプユニットホルダー１により一体的に保持された一対のハウジング５１，５１は、図示しないルーフトリムのランプ装着窓に取り付けされた意匠部分Ｂのホルダ６２の対応するハウジング係止部６５に、それぞれ係合用可撓片５５を係止させるようにして、ハウジング装着部６４に押込まれ、図７に示すように保持固定させられる。
この際、一対のハウジング５１，５１は、前記ランプユニットホルダー１により所定間隔に保持されており、複数の係合用可撓片５５を対応するハウジング係止部６５に容易に係止させることができる。
【００３７】
なお、図６に示すように、固定手段６３は、意匠部分Ｂにおいて最も高さが高くなっており、ルームランプ５０をルーフトリムに装着する際には固定手段６３の上端面６３ａが屋根プレートに最初に当接するともに、屋根プレートとカバーレンズ６１との間に所定の空間を確保している。これにより、装着の際に勢いあまって機能部分Ａに内装されているバルブ５４等の部品が屋根プレートに衝突して破損等するのを防止するとともに、装着後も所定の空間を保持することにより部品等を保護している。
【００３８】
又、前記ホルダ６２の上面と、前記連結部３の上面とには、それぞれ組み付け方向を示す刻印６６及び刻印１１が設けてあり、作業者はホルダ６２に対する一対のハウジング５１，５１の組み付け方向を容易に認識することができ、作業性が向上する。
【００３９】
又、前記各係止部４の上面には、押圧部を示す刻印１２が設けてあり、作業者は前記各ハウジング５１をハウジング装着部６４に押し込む際の最適な押圧部を容易に認識することができ、これらハウジング５１をホルダ６２に対して確実に保持固定させることができると共に、ハウジング５１の押圧すべきでない部分を不用意に押圧して変形させるようなこともない。
【００４０】
その後、図８に示したように、まずバルブカバー２の両扉部２ａ、２ａのロック部５８ａ、５８ｂを解除した後（図３（ｂ）参照）、各ハウジング５１の垂直壁５６，５７の上縁部を挟持している挟持部５，６の係合を解除し、ランプユニットホルダー１を引き上げる。これにより、バルブカバー２の両扉部２ａ、２ａがバルブ５４取り付け部のガイド５４ａに沿って移動して開かれて、ランプユニットホルダー１が取り外される。そして、ホルダ６２のハウジング装着部６４にそれぞれハウジング５１のみが保持固定されるので、それぞれＦＦＣ５２に接続されたハウジング５１を備えた一対の機能部分Ａと、カバーレンズ６１及びホルダ６２を備えた意匠部分Ｂとが、一体とされてルーフトリムに対するルームランプ５０の組み付けが完了する。
【００４１】
即ち、本実施形態のルームランプ５０によれば、それぞれＦＦＣ５２に接続されたハウジング５１を備えた一対の機能部分Ａを意匠部分Ｂのホルダ６２に組み付ける際にも、前記ランプユニットホルダー１に保持されたこれら機能部分Ａ，は、意匠部分Ｂに対する取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが防止される。
【００４２】
尚、本発明の電装品ユニットホルダーにおける係止部及び連結部等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
例えば、上記実施形態のランプユニットホルダー１の連結部３は、可撓性を有しているが、本発明の電装品ユニットホルダーにおける連結部の構成はこれに限定されるものではない。
【００４３】
図９は、本発明の第２実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図である。
本第２実施形態のランプユニットホルダー７０は、上記第１実施形態のランプユニットホルダー１と同様に、ＦＦＣ５２が接続された一対の機能部分Ａであるハウジング５１，５１相互を所定間隔に保持することで、これらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生するのを防止する合成樹脂製の電装品ユニットホルダーである。
【００４４】
本第２実施形態のランプユニットホルダー７０は、図９に示すように、各ハウジング５１を着脱可能に係止する一対の係止部７４，７４と、これら係止部７４，７４間を連結する連結部７３と、各係止部７４の先端側に併設されたバルブカバー７２と、を備えている。前記連結部７３の上面には、組み付け方向を示す刻印７１が設けてあり、作業者はホルダ６２に対する一対のハウジング５１，５１の組み付け方向を容易に認識することができ、作業性が向上する。
【００４５】
前記係止部７４には、それぞれハウジング５１の上面に突設された垂直壁５６，５７の上縁部に嵌着される嵌合保持部７５，７６が設けられている。
又、各係止部７４の先端側に併設されたバルブカバー７２は、バルブ５４の周囲を覆い、意匠部分Ｂに組み付けられるまで外部に露出している該バルバ５４が、搬送時等に他の部材と接触するのを防止することができる。
【００４６】
そこで、本第２実施形態のランプユニットホルダー７０によれば、上記第１実施形態のランプユニットホルダー１と同様に、一対のハウジング５１，５１を相互に所定間隔をもって保持するので、梱包して搬送される際のこれらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２の捻じれや、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２の絡みを防止できる。
【００４７】
但し、本第２実施形態のランプユニットホルダー７０は、連結部７３が可撓性を有していないので、一対のハウジング５１，５１を所定間隔に保持した状態で図示しない搬送用の箱内に梱包する際には、該ランプユニットホルダー７０が嵩張らないように工夫して梱包する必要がある。
【００４８】
また、上記各実施形態のランプユニットホルダー１及び７０においては、ハウジング５１に装着されたバルブ５４を保護するバルブカバー２，７２を備えているが、ハウジングに装着されたバルブが外部に露出せずむき出しとならないランプユニットの場合には、必ずしもバルブカバーが必要でない。
【００４９】
更に、上記各実施形態においては、内装用壁材であるルーフトリム３０に電装品であるルームランプ５０を取り付ける場合のランプユニットホルダー１及び７０について説明したが、本発明の電装品ユニットホルダーは、これに限定されるものではなく、ドアパネルやインストルメントパネル等の車体パネルを覆う内装用壁材としてのドアトリムやダッシュボード等に、カーテシランプやスイッチ等の電装品を取り付ける場合にも応用できる。
【００５０】
また、内装用壁材に配索される電線としても、上記実施形態のＦＦＣに限らず、ＦＰＣ（フレキシブルプリント配線基板）及びリボン電線等のフラット回路体や、ワイヤーハーネス等を用いることができる。
【００５１】
【発明の効果】
上述の如き本発明の電装品ユニットホルダーによれば、電線で相互接続された複数の機能部分を所定間隔に保持することができるので、梱包して搬送される際に前記電線が捻じられたり、機能部品と電線との絡みを発生する虞がない。
又、複数の前記機能部分を意匠部分に組み付ける際にも、前記電装品ユニットホルダーに保持されたこれら機能部分は、取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが防止される。
【００５２】
従って、複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットが、内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付けられる際の作業性を向上させ、これら機能部分の誤組付けを防止することができる電装品ユニットホルダーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図である。
【図２】図１に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け過程を説明する正面図である。
【図３】（Ａ）はバルブをカバーするバルブカバーが開いた状態を示す断面図、（Ｂ）はバルブカバーのロック部が解除された状態を示す断面図、（Ｃ）はバルブカバーが閉じた状態を示す断面図である。
【図４】バルブカバーによりバルブをカバーした状態を示す断面図である。
【図５】図２に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け状態を説明する正面図である。
【図６】図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
【図７】図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
【図８】図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
【図９】本発明の第２実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図である。
【図１０】従来のルームランプユニットの取付構造を示す要部分解斜視図である。
【図１１】複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成るルームランプユニットの分解斜視図である。
【符号の説明】
１ ランプユニットホルダー（電装品ユニットホルダー）
２ バルブカバー
３ 連結部
４ 係止部
５，６ 挟持部
３０ ルーフトリム（内装用壁材）
３１ ランプ装着窓（電装品装着窓）
５０ ルームランプ（電装品ユニット）
５１ ハウジング
５２ ＦＦＣ（電線）
５４ バルブ
５４ａ ガイド
Ａ 機能部分
Ｂ 意匠部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、電装品ユニットホルダーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車体パネルを覆うルーフトリム、ドアトリム又はダッシュボード等の内装用壁材に、ルームランプ、カーテシランプ又はスイッチ等の電装品ユニットを取り付ける場合には、該内装用壁材に開口した電装品装着窓に各電装品ユニットを装着していた。
【０００３】
ところで、従来の電装品ユニットの組付方法では、電装品ユニットをルーフトリム等の内装用壁材に取り付ける際、ルーフハーネス等の車体側ハーネスに接続されたコネクタを電装品装着窓から引き出し、電装品ユニットとの嵌合作業を行う必要がある。又、嵌合作業後、電装品ユニットをそれぞれ、ネジ等で内装用壁材に固定しなければならず、車室内の狭い作業スペース内での不自然な体勢での作業となる組付け作業が煩雑化して良好な作業性を得ることが困難であった。
【０００４】
そこで、例えばルームランプ等の電装品ユニットを内装用壁材であるルーフトリムに予め取り付けて天井モジュールを形成しておき、この天井モジュールをボディー天井に取り付けるようにすれば、ルーフトリム取付け時に電装品ユニットの取付作業が省略でき、組付け作業が簡単になる（例えば、特許文献１参照）。
【０００５】
図１０は、このような天井モジュールを構成するべくルーフトリムに予め取り付けられるルームランプユニットの取付構造を示す要部分解斜視図である。
図１０に示したルームランプ２０は、車体パネルであるボディ天井を覆う内装用壁材としてのルーフトリム３０に開口したランプ装着窓３１に装着される電装品ユニットである。
【０００６】
前記ルームランプ２０は、ハウジング２１に装着されるバルブ２４、スイッチ部（図示せず）等を備えてルーフトリム３０のボディ天井側（図中、上側）に取付けられる機能部分Ａと、カバーレンズ４５及びホルダ４１を備えてルーフトリム３０の室内側（図中、下側）に取付けられる意匠部分Ｂとから成る。
【０００７】
前記機能部分Ａを構成するハウジング２１内に装着されたバルブ２４には、図示しないスイッチ部を介して、ルーフハーネスを構成する電線であるＦＦＣ２２が接続されている。
即ち、予めルーフトリム３０に配索されるルーフハーネスであるＦＦＣ２２の接続部は、前記機能部分Ａにおける電線接続部に電気的に接続されるが、この際、作業者は接続状態を目視でしかも下向き作業で確認しながら接続することができる。
【０００８】
前記意匠部分Ｂを構成するカバーレンズ４５は、係止突起４５ａをホルダ４１の図示しない係合部に係合させることにより、該ホルダ４１に一体的に装着される。
前記ホルダ４１には、ルーフトリム３０に開口した係合穴３２に係合してルームランプ２０とルーフトリム３０とを相互に固定する係合爪４２と、前記ハウジング２１が嵌挿されるハウジング嵌挿口４６と、前記ルームランプ２０と前記ボディ天井のリインフォース（図示せず）とを相互に固定する固定手段４３とが設けられている。
【０００９】
又、図１１に示したルームランプ５０は、図１０に示したルームランプ２０とは異なる形式のルームランプであり、前記ルームランプ２０と同様に、車体パネルであるボディ天井を覆う内装用壁材としてのルーフトリム（図示せず）に開口したランプ装着窓に装着される電装品ユニットである。
【００１０】
前記ルームランプ５０は、それぞれバルブ５４が装着されたハウジング５１を備えてルーフトリムのボディ天井側に取付けられる一対の機能部分Ａと、カバーレンズ６１及びホルダ６２を備えてルーフトリムの室内側に取付けられる意匠部分Ｂとから成る。
前記各機能部分Ａを構成する各ハウジング５１に装着されたバルブ５４には、ルーフハーネスを構成する電線であるＦＦＣ５２が接続されている。
前記意匠部分Ｂを構成するカバーレンズ６１は、図示しない係合手段により、前記ホルダ６２に一体的に装着されている。
【００１１】
前記ホルダ６２には、図示しないルーフトリムに開口したランプ装着窓の開口縁に係合してルームランプ５０とルーフトリムとを相互に固定する固定手段６３と、前記各ハウジング５１に設けた係合用可撓片５５を係止して各ハウジング５１をハウジング装着部６４に保持固定するハウジング係止部６５と、が設けられている。
【００１２】
ところで、例えば図１０に示したルームランプ２０を自動車に取り付ける際には、先ず、自動車の組立ラインに乗せる前において、ルームランプ２０の意匠部Ｂにおける係合爪４２を天井トリム３０側の係合穴３２に係合させて、ホルダ４１と天井トリム３０とを相互に固定する。
次に、ＦＦＣ２２の接続部に接続されたルームランプ２０のランプ機能部分Ａを構成するハウジング２１が、ルーフトリム３０のボディ天井側から前記ホルダ４１のハウジング嵌挿口４６に装着されることで、ランプ機能部分Ａはルーフトリム３０に直接取り付けられる。
【００１３】
そして次に、前記ＦＦＣ２２をルーフトリム３０のボディ天井側に配索すると共に、図示しないバックミラー及びサンバイザー等の天井装着品をルーフトリム３０に予め取り付けることにより、これら天井装着品と共にルームランプ２０をルーフトリム３０と一体化させたルーフモジュールが構成される。
【００１４】
そこで、このルーフモジュールを自動車の組立ラインに乗せ、ボディ天井に取り付ける。このように、上記ルームランプの固定構造によれば、自動車の組立ラインにおいて、ボディ天井にルームランプ２０とルーフトリム３０とを同時に固定することができるので、自動車の組立ラインにおける組立作業の工数の低減が図れる。
【００１５】
ここで、上述したルームランプ２０は、ＦＦＣ２２に接続されたハウジング２１を備えた機能部分Ａと、カバーレンズ４５及びホルダ４１を備えた意匠部分Ｂとが、自動車の組立ラインで一体とされる。
そこで、このようなハウジング２１が接続されたＦＦＣ２２は、予め別の製造ラインで製造された後、梱包されて自動車の組立ラインに搬送されている。
【００１６】
【特許文献１】
特開２００３−４００３２号公報。
【００１７】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したルームランプ５０の場合は、それぞれバルブ５４が装着されたハウジング５１を備えた複数の機能部分Ａがあり、これらハウジング５１，５１間はＦＦＣ５２により連接されている。
そこで、このような複数の機能部分Ａを備えたＦＦＣ５２を予め別の製造ラインで製造した後に、梱包して搬送すると、ハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生する虞があるので、意匠部分Ｂに組み付ける際に、取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが発生する可能性があった。
【００１８】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットが、内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付けられる際の作業性を向上させ、これら機能部分の誤組付けを防止することができる電装品ユニットホルダーを提供することである。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、電線で相互接続された複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットを内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付ける際に、前記各機能部分を着脱可能に係止する係止部と、これら係止部間を連結する連結部とによって、前記各機能部分間を所定間隔に保持することを特徴とする電装品ユニットホルダーにより達成される。
【００２０】
上記構成の電装品ユニットホルダーによれば、電線で相互接続された複数の機能部分を所定間隔に保持することができるので、梱包して搬送される際に前記電線が捻じられたり、機能部品と電線との絡みを発生する虞がない。
又、複数の前記機能部分を意匠部分に組み付ける際にも、前記電装品ユニットホルダーに保持されたこれら機能部分は、取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが防止される。
【００２１】
尚、好ましくは前記連結部が、可撓性を有する。
この場合、複数の前記機能部分を所定間隔に保持した状態で、搬送用の箱内に梱包された際にも、該電装品ユニットホルダーは電線に倣って曲がることができ、嵩張らないので、梱包状態がコンパクトになる。
【００２２】
又、好ましくは前記電装品ユニットが、前記各機能部分にバルブを備えたランプユニットとされ、前記各係止部には前記バルブを保護するバルブカバーが併設されている。
この場合、ランプユニットの各機能部におけるバルブが、電装品ユニットホルダーに設けたバルブカバーに保護されるので、意匠部分に組み付けられるまで外部に露出している該バルバが、搬送時等に他の部材と接触するのを防止することができる。
【００２３】
又、好ましくは前記バルブカバーが、室内側が開口するようにする。
この場合、電装品ユニットホルダによりランプユニットの機能部分を保持する際、および電装品ユニットホルダを機能部分から取り外す際に、電装品ユニットホルダーの下側である室内側が開口するので、容易に脱着することができる。
【００２４】
又、好ましくは前記バルブカバーが、前記バルブの取り付け部分に設けられているガイドに沿って開くようにする。
この場合、電装品ユニットホルダをランプユニットから取り外す際に、バルブの取り付け部分に設けられているガイドによりバルブカバーが開くので、バルブを傷つけることなく電装品ユニットホルダを取り外すことができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る電装品ユニットホルダーを詳細に説明する。
図１は本発明の第１実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図、図２は図１に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け過程を説明する正面図、図３（Ａ）〜（Ｃ）はバルブカバーによりバルブをカバーする状態を示した側面図、図４はバルブカバーによりバルブを覆った状態を示す断面図、図５は図２に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け状態を説明する正面図、図６乃至図８は図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
尚、本第１実施形態の電装品ユニットであるルームランプ５０における機能部分Ａと意匠部分Ｂは、図１１に示したルームランプ５０における機能部分Ａと意匠部分Ｂと同様の構成であるので、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【００２６】
図１及び図２に示した本第１実施形態のランプユニットホルダー１は、ＦＦＣ５２が接続された一対の機能部分Ａであるハウジング５１，５１相互を所定間隔に保持することで、これらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生するのを防止する合成樹脂製の電装品ユニットホルダーである。
【００２７】
前記ランプユニットホルダー１は、各ハウジング５１を着脱可能に係止する一対の係止部４，４と、これら係止部４，４間を連結する連結部３と、を備えた帯状に形成されており、各係止部４の先端側には、ハウジング５１に装着されたバルブ５４を保護するバルブカバー２が併設されている。
【００２８】
前記係止部４には、それぞれハウジング５１の上面に突設された垂直壁５６，５７の上縁部を挟持固定する挟持部５，６が設けられている。
又、各係止部４の先端側に併設されたバルブカバー２は、バルブ５４の周囲を囲繞する袋状に形成されており、下側（図２において下側、すなわち室内側）に設けた一対の扉部２ａ，２ａが、薄肉ヒンジ部を介してホルダー着脱時に短手方向に沿って観音開きして、室内側が開口可能とされている（図２、参照）。
【００２９】
図３（ａ）〜（ｃ）に示すように、バルブカバー２の各扉部２ａ、２ａの先端部には、バルブ５４の取り付け部分に設けられているガイド５４ａの外周面に沿って移動するために内側（バルブ５４側）に突出した摺動部５９が各々設けられている。なお、図４に示すように、ガイド５４ａは、バルブ５４の外径よりも大径の外周面を有している。又、図３（ａ）に示すように、両扉部２ａ、２ａの先端には、互いに係止しあうようにロック部５８ａ、５８ｂが設けられている。
従って、図３（ｂ）に示すように、両扉部２ａ、２ａを閉じて、一方のロック部５８ａが他方のロック部５８ｂを乗り越えるようにして扉部２ａ、２ａを完全に閉じると、図３（ｃ）に示すように、両ロック部５８ａ、５８ｂが係止し合って扉部２ａ、２ａをロック状態とすることができる。これにより、図４に示すように、バルブ５４は、バルブカバー２によって囲繞されて保護されることになる。
【００３０】
これにより、運搬時および作業時に、不意に扉部２ａ、２ａが開いてバルブ５４が露出し、バルブ５４を破損するような事態を防止することができる。なお、扉部２ａ、２ａを開ける場合には、外側のロック部５８ａを外側に引っ張って図３（ｂ）に示すように内側のロック部５８ｂの上に移動させることによりロックを解除する。そして、ランプユニットホルダー１を機能部分Ａの上方へ引き離すことにより、両扉部２ａ、２ａの摺動部５９がガイド５４ａの外周面に沿って外側へ移動して開く。これにより、バルブカバー２とバルブ５４とを干渉させることなくラップユニットホルダ１を取り外すことができる。
【００３１】
一方、薄板状に形成された前記連結部３は、該ランプユニットホルダー１の長手方向に沿って撓み変形可能とされている。
そこで、図２に示すように、前記ランプユニットホルダー１の各係止部４における挟持部５，６に、対応する各ハウジング５１の垂直壁５６，５７の上縁部を圧入することにより、これら垂直壁５６，５７が挟持部５，６に挟持固定された一対のハウジング５１，５１は、図５（ａ）に示すように、相互に所定間隔をもってランプユニットホルダー１に保持される。なお、このとき、バルブカバー２の両扉部２ａ、２ａは開いた状態としておき、ハウジング５１，５１を保持した後に前述したように扉部２ａ、２ａを閉じてロックする。
【００３２】
即ち、ルームランプ５０は、図６に示すように、それぞれＦＦＣ５２に接続されたハウジング５１を備えた一対の機能部分Ａと、カバーレンズ６１及びホルダ６２を備えた意匠部分Ｂとが、自動車の組立ラインで一体とされるが、これらハウジング５１，５１が接続されたＦＦＣ５２は、予め別の製造ラインで製造された後、梱包されて自動車の組立ラインに搬送される。
【００３３】
ここで、一対のハウジング５１，５１は、上述したように、相互に所定間隔をもってランプユニットホルダー１に保持されているので、梱包して搬送される際に、これらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生する虞がない。
【００３４】
又、ランプユニットホルダー１の連結部３は、可撓性を有しており、該ランプユニットホルダー１の長手方向に沿って撓み変形可能とされているので、一対のハウジング５１，５１を所定間隔に保持した状態で、図示しない搬送用の箱内に梱包された際にも、該ランプユニットホルダー１は、図５（ｂ）に示したように、梱包されたＦＦＣ５２に倣って曲がることができ、嵩張らないので、梱包状態がコンパクトになる。
【００３５】
更に、本実施形態のランプユニットホルダー１は、各ハウジング５１に装着されてむき出しのバルブ５４を一対のバルブカバー２，２により保護しているので、該バルブ５４が、意匠部分Ｂに組み付けられるまで外部に露出せず、搬送時等に他の部材と接触するのを防止することができる。
【００３６】
そして、図６に示すように、前記ランプユニットホルダー１により一体的に保持された一対のハウジング５１，５１は、図示しないルーフトリムのランプ装着窓に取り付けされた意匠部分Ｂのホルダ６２の対応するハウジング係止部６５に、それぞれ係合用可撓片５５を係止させるようにして、ハウジング装着部６４に押込まれ、図７に示すように保持固定させられる。
この際、一対のハウジング５１，５１は、前記ランプユニットホルダー１により所定間隔に保持されており、複数の係合用可撓片５５を対応するハウジング係止部６５に容易に係止させることができる。
【００３７】
なお、図６に示すように、固定手段６３は、意匠部分Ｂにおいて最も高さが高くなっており、ルームランプ５０をルーフトリムに装着する際には固定手段６３の上端面６３ａが屋根プレートに最初に当接するともに、屋根プレートとカバーレンズ６１との間に所定の空間を確保している。これにより、装着の際に勢いあまって機能部分Ａに内装されているバルブ５４等の部品が屋根プレートに衝突して破損等するのを防止するとともに、装着後も所定の空間を保持することにより部品等を保護している。
【００３８】
又、前記ホルダ６２の上面と、前記連結部３の上面とには、それぞれ組み付け方向を示す刻印６６及び刻印１１が設けてあり、作業者はホルダ６２に対する一対のハウジング５１，５１の組み付け方向を容易に認識することができ、作業性が向上する。
【００３９】
又、前記各係止部４の上面には、押圧部を示す刻印１２が設けてあり、作業者は前記各ハウジング５１をハウジング装着部６４に押し込む際の最適な押圧部を容易に認識することができ、これらハウジング５１をホルダ６２に対して確実に保持固定させることができると共に、ハウジング５１の押圧すべきでない部分を不用意に押圧して変形させるようなこともない。
【００４０】
その後、図８に示したように、まずバルブカバー２の両扉部２ａ、２ａのロック部５８ａ、５８ｂを解除した後（図３（ｂ）参照）、各ハウジング５１の垂直壁５６，５７の上縁部を挟持している挟持部５，６の係合を解除し、ランプユニットホルダー１を引き上げる。これにより、バルブカバー２の両扉部２ａ、２ａがバルブ５４取り付け部のガイド５４ａに沿って移動して開かれて、ランプユニットホルダー１が取り外される。そして、ホルダ６２のハウジング装着部６４にそれぞれハウジング５１のみが保持固定されるので、それぞれＦＦＣ５２に接続されたハウジング５１を備えた一対の機能部分Ａと、カバーレンズ６１及びホルダ６２を備えた意匠部分Ｂとが、一体とされてルーフトリムに対するルームランプ５０の組み付けが完了する。
【００４１】
即ち、本実施形態のルームランプ５０によれば、それぞれＦＦＣ５２に接続されたハウジング５１を備えた一対の機能部分Ａを意匠部分Ｂのホルダ６２に組み付ける際にも、前記ランプユニットホルダー１に保持されたこれら機能部分Ａ，は、意匠部分Ｂに対する取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが防止される。
【００４２】
尚、本発明の電装品ユニットホルダーにおける係止部及び連結部等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
例えば、上記実施形態のランプユニットホルダー１の連結部３は、可撓性を有しているが、本発明の電装品ユニットホルダーにおける連結部の構成はこれに限定されるものではない。
【００４３】
図９は、本発明の第２実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図である。
本第２実施形態のランプユニットホルダー７０は、上記第１実施形態のランプユニットホルダー１と同様に、ＦＦＣ５２が接続された一対の機能部分Ａであるハウジング５１，５１相互を所定間隔に保持することで、これらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２が捻じられたり、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２が絡みを発生するのを防止する合成樹脂製の電装品ユニットホルダーである。
【００４４】
本第２実施形態のランプユニットホルダー７０は、図９に示すように、各ハウジング５１を着脱可能に係止する一対の係止部７４，７４と、これら係止部７４，７４間を連結する連結部７３と、各係止部７４の先端側に併設されたバルブカバー７２と、を備えている。前記連結部７３の上面には、組み付け方向を示す刻印７１が設けてあり、作業者はホルダ６２に対する一対のハウジング５１，５１の組み付け方向を容易に認識することができ、作業性が向上する。
【００４５】
前記係止部７４には、それぞれハウジング５１の上面に突設された垂直壁５６，５７の上縁部に嵌着される嵌合保持部７５，７６が設けられている。
又、各係止部７４の先端側に併設されたバルブカバー７２は、バルブ５４の周囲を覆い、意匠部分Ｂに組み付けられるまで外部に露出している該バルバ５４が、搬送時等に他の部材と接触するのを防止することができる。
【００４６】
そこで、本第２実施形態のランプユニットホルダー７０によれば、上記第１実施形態のランプユニットホルダー１と同様に、一対のハウジング５１，５１を相互に所定間隔をもって保持するので、梱包して搬送される際のこれらハウジング５１，５１間のＦＦＣ５２の捻じれや、これら各ハウジング５１から延設された長尺のＦＦＣ５２の絡みを防止できる。
【００４７】
但し、本第２実施形態のランプユニットホルダー７０は、連結部７３が可撓性を有していないので、一対のハウジング５１，５１を所定間隔に保持した状態で図示しない搬送用の箱内に梱包する際には、該ランプユニットホルダー７０が嵩張らないように工夫して梱包する必要がある。
【００４８】
また、上記各実施形態のランプユニットホルダー１及び７０においては、ハウジング５１に装着されたバルブ５４を保護するバルブカバー２，７２を備えているが、ハウジングに装着されたバルブが外部に露出せずむき出しとならないランプユニットの場合には、必ずしもバルブカバーが必要でない。
【００４９】
更に、上記各実施形態においては、内装用壁材であるルーフトリム３０に電装品であるルームランプ５０を取り付ける場合のランプユニットホルダー１及び７０について説明したが、本発明の電装品ユニットホルダーは、これに限定されるものではなく、ドアパネルやインストルメントパネル等の車体パネルを覆う内装用壁材としてのドアトリムやダッシュボード等に、カーテシランプやスイッチ等の電装品を取り付ける場合にも応用できる。
【００５０】
また、内装用壁材に配索される電線としても、上記実施形態のＦＦＣに限らず、ＦＰＣ（フレキシブルプリント配線基板）及びリボン電線等のフラット回路体や、ワイヤーハーネス等を用いることができる。
【００５１】
【発明の効果】
上述の如き本発明の電装品ユニットホルダーによれば、電線で相互接続された複数の機能部分を所定間隔に保持することができるので、梱包して搬送される際に前記電線が捻じられたり、機能部品と電線との絡みを発生する虞がない。
又、複数の前記機能部分を意匠部分に組み付ける際にも、前記電装品ユニットホルダーに保持されたこれら機能部分は、取付位置や取付向き等を間違える誤組付けが防止される。
【００５２】
従って、複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットが、内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付けられる際の作業性を向上させ、これら機能部分の誤組付けを防止することができる電装品ユニットホルダーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図である。
【図２】図１に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け過程を説明する正面図である。
【図３】（Ａ）はバルブをカバーするバルブカバーが開いた状態を示す断面図、（Ｂ）はバルブカバーのロック部が解除された状態を示す断面図、（Ｃ）はバルブカバーが閉じた状態を示す断面図である。
【図４】バルブカバーによりバルブをカバーした状態を示す断面図である。
【図５】図２に示した電装品ユニットホルダーの機能部分への取り付け状態を説明する正面図である。
【図６】図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
【図７】図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
【図８】図５に示した電装品ユニットホルダーに保持された機能部分を意匠部分に取り付ける過程を説明する斜視図である。
【図９】本発明の第２実施形態に係る電装品ユニットホルダーの斜視図である。
【図１０】従来のルームランプユニットの取付構造を示す要部分解斜視図である。
【図１１】複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成るルームランプユニットの分解斜視図である。
【符号の説明】
１ ランプユニットホルダー（電装品ユニットホルダー）
２ バルブカバー
３ 連結部
４ 係止部
５，６ 挟持部
３０ ルーフトリム（内装用壁材）
３１ ランプ装着窓（電装品装着窓）
５０ ルームランプ（電装品ユニット）
５１ ハウジング
５２ ＦＦＣ（電線）
５４ バルブ
５４ａ ガイド
Ａ 機能部分
Ｂ 意匠部分
Claims (5)
- 電線で相互接続された複数の機能部分と意匠部分とを組み付けて成る電装品ユニットを内装用壁材に設けた電装品装着窓に取り付ける際に、前記各機能部分を着脱可能に係止する係止部と、これら係止部間を連結する連結部とによって、前記各機能部分間を所定間隔に保持することを特徴とする電装品ユニットホルダー。
- 前記連結部が、可撓性を有することを特徴とする請求項１に記載の電装品ユニットホルダー。
- 前記電装品ユニットが、前記各機能部分にバルブを備えたランプユニットとされ、前記各係止部には前記バルブを保護するバルブカバーが併設されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の電装品ユニットホルダー。
- 前記バルブカバーが、室内側が開口するように開くことを特徴とする請求項３に記載の電装品ユニットホルダー。
- 前記バルブカバーが、前記バルブの取り付け部分に設けられているガイドに沿って開くことを特徴とする請求項４に記載の電装品ユニットホルダー。
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