JP2005014588A - 印刷装置、印刷方法および印刷制御プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 太陽光の下で見る色と室内灯の下で見る色が異なって見えてしまう。
【解決手段】 少なくとも3色の有彩色に加えてこれら3色の各インクによる分光反射率が大きくなっている各波長領域で小さな分光反射率となる有彩色インクを使用する。また、少なくとも3色に対して有彩色インクを加えることにより、所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色で印刷を行う。従って、インクの組み合わせによって全波長に渡って略一定の分光反射率を有する色を作成することができるなど、光源の変化による色の変化が少ない印刷結果を得ることができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法および印刷制御プログラムに関する。
印刷用紙にインクを付着させて色を表現する際、人間の色の見え方は光源の分光分布とインクおよび印刷用紙の反射率と人間の目の特性を加味した等色関数との積で表現することができる。印刷装置においては通常C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)あるいは略同色相のlc(ライトシアン),lm(ライトマゼンタ)の各色インクを組み合わせて色を表現するので、上記色の見え方を規定する積の要素においてインクの分光分布が変化することによって色が変化すると言える。色の組み合わせとしては、例えば、無彩色のグレーや任意の色を表現するためにCMYの各色を適宜組み合わせて印刷用紙に付着するなどしている。
このような印刷装置では、実際に印刷した色についてある光源の下で測色し、当該測色結果に基づいて画像データとインクの組み合わせとの対応関係を予め決定するとともに、当該対応関係を参照して印刷を行っていた。色は上述の積で表現されることからある光源の下で測色することが必須であるものの、測色した光源と異なる光源で印刷結果を見ると、異なる色に見えてしまう。この現象は特に低彩度あるいは無彩色のグレーについて顕著に現れ、例えば、太陽光の下ではグレーに見える色が室内灯の下では色味を帯びて見えてしまうようなことが起こってしまう。そこで、光源の変化による色の変化を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。尚、色の見え方の変化は顔料系のインクで顕著である。
特開2002−225317号公報
上述した従来の技術においては、光源の変化による色の変化が顕著に現れる無彩色について当該色の変化を低減することができる。しかし、有彩色でも太陽光の下で視認される色と室内灯の下で視認される色とが異なることがあり得る。さらに、印刷装置の総合的な性能を向上するという意味では、印刷装置に対してインクを追加することによって無彩色に対する対応のみよりも有彩色に対する対応も可能であることが好ましい。また、インクを追加するのであればインクを追加しない場合と比較してより高階調の表現が可能であることが好ましい。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、無彩色と有彩色の双方で光源の変化による色の変化が少ない印刷結果を得ることが可能であるとともに高階調表現が可能な印刷装置、印刷方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置であって、上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともにこれら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能な構成としてある。
すなわち、色の見え方は上述のように光源の分光分布とインクおよび印刷用紙の反射率と人間の目の特性を加味した等色関数とが関与するが、等色関数は人間の目の特性であって固定的であると考えられ、光源を変化させたときには当該光源の分光分布が変化するのは当然である。従って、光源を変化させたときに色の見え方を人為的に制御するためにはインクの特性を調整することによって分光反射率を調整する構成が好適であり、第2インクカートリッジに充填されたインクと上記有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクとを組み合わせることによって、より柔軟に反射率を制御することができ、光源の変化による色の見え方の変化が少なくなるようにすることができる。また、第2インクカートリッジに充填されたインクは有彩色であるため、上記少なくとも3色のインクを組み合わせることによって表現可能な色以外の色を表現することも可能になり、より豊かな階調表現が可能になって、印刷装置の性能が総合的に向上する。
ここで、分光反射率はインクの種類や色毎に特有であり、光の波長毎の反射率すなわち分光反射率の高低が色の見え方に寄与する。例えば、波長が630nm程度の可視光は人間の目に赤色に見えるので、当該630nm程度の分光反射率が高く他の波長の分光反射率が小さいインクは赤色に見えやすい。上記有彩色インクの3色はそれぞれ可視光に対して分光反射率の高低があるが、当該3色のインクのいずれと比較しても、各色で分光反射率が大きな分光反射率となっている波長領域で小さな分光反射率となっているインクを使用することが分光反射率の柔軟な制御に寄与する。
印刷装置等で任意の色を表現する際には、少なくとも3色のインクが使用可能であれば必要充分である。3色のインクを組み合わせると、組み合わせられた色の分光反射率が重畳され、巨視的には重畳された分光反射率においてその値が大きい波長の色のように見えるが、3色のインクによる分光反射率が大きくなっている波長領域で小さな分光反射率となっているインクを重畳することによって、重畳された分光反射率をより柔軟に制御してより理想的なものに近づけることができる。例えば、理想的な無彩色の重畳分光反射率は可視光の全波長に対して分光反射率が一定のものであるが、上記少なくとも3色のインクの組み合わせでは重畳分光反射率を一定にすることは困難であり、分光反射率に凹凸が生じる。分光反射率の凸部は、少なくとも3色のインクで共通して分光反射率が大きくなっている波長領域で生じやすいので、この波長領域で小さな分光反射率を有するインクを組み合わせることによって重畳分光反射率をより一定に近づけることができる。むろん、上記第2インクカートリッジに充填されたインクは有彩色であるため、有彩色であっても光源の変化による色の見え方の変化を抑えることができる。
ここで、上記インクカートリッジに充填される有彩色インクは少なくとも3色であって、これらのインクの組み合わせによって特定光源下で略任意の色を表現することができればよく、例えばCMYインクやR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)インクの組み合わせ等があげられる。むろん、少なくとも3色であれば良く、これに対して類似色相のインクを加えてある印刷装置であっても良い。
すなわち、上記CMYインクに対してlc,lm,DY(ダークイエロー)を加えてあっても良い。lc,lm,DYインクはCMYインクと色相が略同一であって分光反射率が大きな波長領域が上記CMYと略同一であり、第2インクカートリッジに充填された有彩色インクによればlc,lm,DYが大きな分光反射率となる波長領域で小さな分光反射率になるので、かかる構成であっても本発明による効果が生じるからである。さらに、印刷装置としてはインク滴を吐出するインクジェットタイプであっても良いし、トナーインクを使用するレーザープリンタでもよく、他にも種々の態様の印刷装置に本発明を適用することができる。
また、第2インクカートリッジに充填されたインクの分光反射率と上記少なくとも3色のインクの分光反射率についてその大きさを評価する構成例として請求項2にかかる発明では、上記各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域は分光反射率が所定の第1閾値より大きな値となる波長領域であり、上記小さな分光反射率は分光反射率が所定の第2閾値より小さな値である構成としてある。すなわち、閾値によって分光反射率の大小を評価することができる。
本発明では、光源の変化による色の変化が少ない印刷結果を得ることを目的としているため、インクの組み合わせによって得られる重畳された分光反射率が柔軟に変化させられればよく、上記少なくとも3色のインクでは光の反射成分が大きく、第2インクカートリッジのインクでは光の吸収成分が大きい状態が好ましい。この意味で上記第1閾値は分光反射率50%、好ましくは60%以上であり、第2閾値は分光反射率50%、好ましくは20%以下である。このような構成であれば、上記少なくとも3色の組み合わせによる重畳分光反射率が大きくなる波長領域以外で分光反射率を大きくするように第2インクカートリッジのインクを加えることができ、分光反射率を柔軟に制御することができる。
さらに、請求項3にかかる発明では、上記各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている波長領域は上記第2インクカートリッジのインクで分光反射率が小さな値となる波長領域に対して少なくとも一部で重複している構成としてある。すなわち、分光反射率が大きな波長領域と小さな波長領域と領域全体として一致していない場合であっても、重複していれば、上記少なくとも3色の組み合わせによる重畳分光反射率が大きくなる波長領域以外で分光反射率を大きくするように第2インクカートリッジのインクを加えることができ、分光反射率を柔軟に制御することができる。
さらに、請求項4にかかる発明は、複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置であって、上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともにこれら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている各波長領域と異なる波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能である構成としてある。
すなわち、各インクで有彩色を発色するためには、分光反射率が大きな波長領域と小さな波長領域とが存在するが、3色の有彩色インクの組み合わせにて得られる重畳分光反射率を柔軟に調整するためには、上記少なくとも3色のインクの組み合わせで小さな分光反射率となる波長領域で分光反射率を大きくすることができ、この波長領域以外で分光反射率を大きくしないようにインクを加えられればよい。そこで、上述のように上記3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている各波長領域と異なる波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクを加えると、重畳分光反射率を柔軟に調整することができる。ここでも、分光反射率が小さいか否かを判定する指標として、所定の閾値を採用可能であり、好ましくは20%以下である。
さらに、請求項5にかかる発明は、複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置であって、上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともにこれら3色のインクと異なる色のインクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であり、上記少なくとも3色に対して第2インクカートリッジ内のインクを加えることにより、所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色で印刷を行う構成としてある。
すなわち、汎用的に利用される3色のインクによれば略任意の色を表現することができるが、さらにこれら3色と異なる色のインクを加えると同じ色を表現するためのインクの組み合わせ数が増加する。例えば、3色のインクの組み合わせで表現されるある色を4色以上のインクの組み合わせで表現する際には、4色の組み合わせは一義的に決まらず、複数の組み合わせで同じ色を表現することができる。従って、光源を変更した場合であっても変更前後の色の色差が極小化されるような好ましい組み合わせを選択することができ、このインクの組み合わせで印刷を実行すれば、有彩色、無彩色を問わず印刷物を異なる光源で視認したときの色の変化を抑えることができる。
本発明においては、3色のインクに対して異なる色のインクを加えることにより、ある色を表現する際の色の組み合わせの選択肢を増やすことができればよく、3色のインクと色相の異なる色のインクや、3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域において、小さな分光反射率となるインク、3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている各波長領域と異なる波長領域で小さな分光反射率となるインク等、種々のインクを使用可能である。
また、所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化するための構成としては種々の構成を採用可能であり、ある色について使用インク量を少しずつ変動させて多数のパッチを印刷し、標準光源下と他の光源下との色を測色や演算によって把握し、色差が極小化されるインク色の組み合わせを選択すればよい。光源としては少なくとも2つの光源下において色を比較すればよいが、むろん3つ以上の光源下において色を比較して色差を極小化してもよい。
標準光源および他の光源としては任意の光源を採用可能であるが、色の見え方を最も一般的に規定可能という意味で標準光は太陽光(例えばCIE標準のD50,D65等)を採用するのが好ましい。他の光源としては、色の変化を生じさせたくない状況を考え、例えば、室内で色の変化を生じさせたくない場合は室内灯として汎用的な光源を採用するのが好ましい。
また、請求項6にかかる発明は、上記印刷装置は印刷画像を示す画像データで使用する表色系および各色インクを色成分としたインク色画像データでの表色系で複数の色を表現するとともに両者を対応づけた色変換テーブルを参照することによって画像を形成する際のインク使用量を特定して印刷を実行しており、同色変換テーブルに規定されるインク色画像データが示す色は上記所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色である構成としてある。
すなわち、一般の印刷装置においては、印刷画像を示す画像データで使用する表色系とインク色を色成分として色を表現したインク色画像データで使用する表色系とが異なるので色変換テーブルを参照して色変換を実施している。この色変換テーブルにおいては、上述の画像データにおける各色成分値とインク色画像データにおける各色成分値とを対応づけているので、上述のように色差を極小化した色を示すインク色画像データを色変換テーブルに登録しておけば、色差を極小化した色となるように色変換を行い、印刷を実行することができる。
上述のように光源の変化によって色の見え方に差異が生じないように印刷する構成としては、種々の構成を採用可能であるが、略無彩色については光源による差異が目立ちやすいので、略無彩色については特に本発明の効果が現れやすい。すなわち、略無彩色を生成する際には、各色インクによる分光反射率が重畳されて略無彩色における分光反射率となるが、この重畳された分光反射率は可視光の全波長に対して一定であると理想的である。しかし、3色の有彩色インクの組み合わせでは重畳された分光反射率が一定にはならず、ある波長に対しては分光反射率が高く、他の波長に対しては分光反射率が小さいということが起こる。むろん、分光反射率が波長によって高低しても光源によっては充分無彩色に見えるが、例えば、分光反射率が大きい波長成分の分光エネルギーが大きい光源下であれば当該大きい波長に相当する色味を帯びて見えてしまう。
そこで、上述のような第2インクカートリッジ内のインクを使用することにより、3色の組み合わせにて生成された略無彩色における分光反射率の波形の凹凸を減少させることができ、全波長に渡って分光反射率を一定に近づけることができる。むろん、ここで上記インクカートリッジに充填される有彩色インクは少なくとも3色であって、これらのインクの組み合わせによって略無彩色を表現することができればよく、上記CMYインクやRGBインク、これに濃淡インクを加えた印刷装置等種々の態様を採用可能である。
上記請求項1,4,5における第2インクカートリッジは、上記少なくとも3色の有彩色インクが充填されたインクカートリッジを使用可能な印刷装置において、デフォルトで搭載されるインクカートリッジでも良いし、オプションで搭載されるインクカートリッジでも良い。また、印刷機構においてはインクカートリッジからのインク供給を受けて印刷を実行することができればよく、上記第2インクカートリッジを使用する場合には、上記少なくとも3色の有彩色インクの他、当該第2インクカートリッジに充填されたインクをも吐出可能にインク経路等を構成する。
さらに、第2インクカートリッジの充填インクとして好適な具体例として請求項7にかかる発明では、上記第2インクカートリッジの充填インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録した場合の分光反射率は、上記3色を組み合わせて所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときにある波長の分光反射率が他の波長の分光反射率に比べて大きい波長領域において、当該3色のそれぞれを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率より小さい構成としてある。
すなわち、3色を組み合わせて所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率においてある波長領域の分光反射率が他の波長の分光反射率に比べて大きいと、この波長領域の分光反射率は光源の変化によって色味を帯びる原因となるが、この波長領域で上記3色のいずれの分光反射率よりも小さい分光反射率を有するインクを組み合わせると、当該波長領域の分光反射率を抑えながら他の波長領域の分光反射率を上昇させることができる。従って、組み合わせの分光反射率を柔軟に変化させることができる。特に無彩色については、組み合わせによる分光反射率をより一定に近づける、すなわち分光反射率の波形の凹凸を減少させることができ、光源の変化によらず無彩色である色を生成することができる。
尚、本発明において、分光反射率はインクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録した場合に得られる物理量であり、光の波長に対する反射率である。そこで、当該所定の印刷媒体としては、請求項8のように分光反射率が略一定となる印刷媒体であることが好ましい。これにより、印刷媒体による影響をできるだけ排除してインク毎の特性として分光反射率を定義することができる。また、上記所定の面積率は、所定の領域内でインクが記録されている部位の面積と当該所定の領域の面積との比として定義され、例えば、請求項9のように略40%を採用可能である。ここでは、分光反射率の特性を知ることができればよいので、厳密に数値を設定する必要はないが、インク単色を40%記録して測定し、複数色インク(CMY等)を組み合わせて40%記録して測定するなどすればよい。むろん、40%以外の数値、例えば25%等でも良いし、複数色インクを組み合わせる際に各色等量であっても良いし非等量であっても良い。
さらに、本発明を適用して好適なインクの例として請求項10にかかる発明では、上記複数のインクカートリッジに充填されたインクは顔料系インクである構成としてある。すなわち、顔料系インクによって印刷した印刷物は、染料系インクより光源の変化による色の変化が現れやすいので、当該顔料系インクについて本発明を適用することによって光源変化による色の変化が生じやすい状況にてこの色の変化を効果的に防止することができる。
さらに、上記インクカートリッジへの充填インク例として請求項11にかかる発明では、上記インクカートリッジ搭載部においては、上記少なくとも3色のインクとしてシアン系とマゼンタ系とイエロー系のインクを充填したインクカートリッジを搭載可能であるとともに、レッド系とバイオレット系とのいずれかまたは双方のインクを充填した第2インクカートリッジを搭載可能である構成としてある。
すなわち、シアン系のインクにおいては波長450nm〜500nm程度の分光反射率が大きく、イエロー系のインクにおいては波長500nm〜700nm程度の分光反射率が大きく、マゼンタ系のインクにおいては波長600nm〜700nm程度および400〜500nm程度の分光反射率が大きいので、500nm付近の分光反射率は3色とも大きい。また、レッド系のインクとバイオレット(V)系のインクにおいては500nm程度の分光反射率が非常に小さく、この波長の光を吸収することができる。
従って、CMYインクを組み合わせても500nm付近の分光反射率は大きくなりがちであるが、これにR,Vインクを加えても当該500nm付近の分光反射率は大きくならず、その周りの分光反射率が大きくなる。この結果、500nm付近の分光反射率が突出して大きくならないように組み合わせの分光反射率を調整することができ、理想的な無彩色あるいは有彩色に近づけることができる。
また、第2インクカートリッジとしてR,Vインクのいずれを充填しても良いが、Rの色相角はMとYとの色相角の間に存在し、Vの色相角はMとCとの色相角の間に存在するので、R,Vインクの双方を使用した方がより多くの組み合わせによって略同一の色を表現することができる。さらに、通常の印刷装置においてはCMYのインクを充填したインクカートリッジが多用されるので、この構成により非常に多くの印刷装置に適用可能なものを提供することができる。
さらに、請求項12にかかる発明では、上記インクカートリッジ搭載部においては少なくとも6色以上のインクカートリッジを搭載可能であるとともに、任意の1色以上のインクカートリッジを上記第2インクカートリッジと交換して使用可能である構成としてある。すなわち、6色以上のインクが搭載可能な印刷装置において交換インクとして本発明にかかる第2インクカートリッジの充填インクを使用することができる。
例えば、CMYKlclmのインクカートリッジが搭載可能な印刷装置において、lc,lm,KインクのいずれかをR,Vインクのいずれかに交換する構成を採用可能である。むろん、CMYKlclmDYインクを搭載可能な印刷装置であっても良い。このように交換可能な構成にすることによって、通常は従来のCMYKlclmインク等による印刷を実行しつつも、必要に応じて本発明にかかるR,Vインクを使用して印刷を行うことができる。
さらに、請求項13にかかる発明は、上記印刷装置は、ドットマトリクス状の画素からなる画像データを取得する画像データ取得部と、上記少なくとも3色の有彩色および上記第2インクカートリッジの充填インク色によって画素の色を規定したインク色画像データと上記画像データとの対応関係を規定した色変換テーブルを記憶する色変換テーブル記憶部と、同色変換テーブルを参照して上記画像データを上記インク色画像データに変換する色変換部と、当該色変換後のインク色画像データにて規定された色で印刷を実行させる印刷データを生成する印刷データ生成部と、当該印刷データに基づいて上記印刷機構を制御する印刷機構制御部とを具備する構成としてある。
すなわち、ドットマトリクス状の画素からなる画像データを印刷装置で使用するインク色の組み合わせからなるインク色画像データに変換しつつ印刷を実行する構成において、本発明にかかる第2インクカートリッジの充填インク色を含むインク色画像データと上記取得する画像データとの対応関係を色変換テーブルに規定すれば、当該色変換テーブルによって容易に本発明にかかる構成に対応した色変換を実施することができる。また、当該色変換後のインク色画像データの各色成分の規定内容に対応した量のインクを使用させる印刷データを生成することによって本発明にかかる第2インクカートリッジの充填インク色を使用した印刷を実行することができる。
さらに、請求項14にかかる発明は、上記少なくとも3色の有彩色を上記第2インクカートリッジの充填インク色に置き換える分版処理を行って上記色変換テーブルが作成されている構成としてある。すなわち、CMY等の少なくとも3色の有彩色の組み合わせで表現される色を色変換テーブルにて規定する手法は従来より確立されているので、当該3色の有彩色の組み合わせが決定していれば、そのうちのいずれかの色を上記第2インクカートリッジの充填インク色に置き換えることにより、第2インクカートリッジの充填インク色を使用しつつも元の色と等価な色を容易に作成することができる。
当該分版処理によって少なくとも3色の有彩色を上記第2インクカートリッジの充填インク色に置き換えることができれば、当該置き換えられた色は画像データにおけるRGBデータの組み合わせと即座に対応づけられるので、本発明にかかる第2インクカートリッジの充填インク色を使用した色変換テーブルを容易に作成することができる。むろん、色差を極小化する際には、上述のように多数のインク色画像データによって略同一の色を多数色印刷し、色差が極小化する色を規定するインク色画像データを選択すればよい。
さらに、請求項15にかかる発明は、上記分版処理では、マゼンタ系とイエロー系のインクをレッド系のインクに置き換える構成としてある。すなわち、Rの色相角はMとYとの色相角の間に存在するので、CMY系のインクを使用する印刷装置においてMとYをRに置き換えれば容易に分版処理を行うことができる。置き換えの指針としては、置き換えが可能な最大限の置き換えを実施するなど、種々の指針を採用可能である。むろん、分版処理後にそのインクでの印刷色を測色し、より正確な色変換テーブルを作成することもできる。
さらに、請求項16にかかる発明は、上記分版処理では、マゼンタ系とシアン系のインクをバイオレット系のインクに置き換える構成としてある。すなわち、Vの色相角はMとCとの色相角の間に存在するので、CMY系のインクを使用する印刷装置においてMとYをRに置き換えれば容易に分版処理を行うことができる。ここでも、置き換えが可能な最大限の置き換えを実施するなど、種々の指針を採用可能であるし、分版処理後にそのインクでの印刷色を測色し、より正確な色変換テーブルを作成することもできる。
ところで、このような印刷装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、光源の差による色の差異が生じないように第2インクカートリッジ内のインクを使用して印刷を実施する手法としても発明を構成する。このため、請求項17〜請求項19にかかる発明は、上記印刷装置が実施する印刷方法に対応した構成としてある。すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。むろん、上記請求項2,請求項3,請求項6〜請求項16に対応させた方法としても有効である。
また、本発明の思想の具現化例として印刷装置のソフトウェアとなる場合に対応させ、請求項20〜請求項22にかかる構成を採用することもできる。むろん、上記請求項2,請求項3,請求項6〜請求項16に対応させることも可能である。このソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものはなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の構成:
(2)LUTの構成:
(3)印刷処理:
(4)画像の印刷:
(5)光源依存性解消:
(6)第2の実施形態:
(7)他の実施形態:
(1)本発明の構成:
図1は本発明にかかる印刷装置を構成するシステムの概略ハードウェア構成を示しており、図2はプリンタの概略ハードウェア構成を示しており、図3はコンピュータにて実現される印刷装置の主な制御系の概略構成図を示している。即ち、本実施形態においてはプリンタとプリンタを制御するコンピュータとによって印刷装置を構成する。コンピュータ10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能となっている。
また、システムバス12には外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15とフレキシブルディスクドライブ16とCD−ROMドライブ17とが接続されており、HDD15に記憶されたOS20やアプリケーションプログラム(APL)25等がRAM14に転送され、CPU11はROM13とRAM14に適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々のプログラムを実行する。
コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはパラレル通信用I/O19bを介して接続が可能である。尚、本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくシリアルインタフェースやSCSI,USB接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
この例では各プログラムの類はHDD15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストールされる。そして、HDD15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータを制御することになる。また、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能である。
一方、図2に示すように、プリンタ40内部に設けられたバス40aには、CPU41、ROM42、RAM43、ASIC44、コントロールIC45、パラレル通信用I/O46、イメージデータや駆動信号などを送信するためのインターフェイス(I/F)47、等が接続されている。そして、CPU41が、RAM43をワークエリアとして利用しながらROM42に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。ASIC44は図示しない印刷ヘッドを駆動するためにカスタマイズされたICであり、CPU41と所定の信号を送受信しつつ印刷ヘッド駆動のための処理を行う。また、ヘッド駆動部49に対して印加電圧データを出力する。
ヘッド駆動部49は、専用ICと駆動用トランジスタ等からなる回路である。同ヘッド駆動部49は、ASIC44から入力される印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成する。印刷ヘッドは、6色の顔料系インクが充填されたインクカートリッジ48a〜48fを搭載可能なカートリッジホルダ48とインク別のチューブで接続されており、各インクの供給を受けるようになっている。そして、チューブから吐出口まで連通するインク室でピエゾ素子が駆動されることにより、インクを吐出する。尚、本実施形態においては汎用的なCMYKインクと本発明にかかるRVインクとが使用される。また、本発明による効果は顔料系インクの方が顕著に現れるが、染料系インクであっても良い。
尚、RVはCMYの有彩色と色相が異なり、後述のようにCMYの組み合わせによって生成される略無彩色の分光反射率をの変化を低下させることが可能なインクである。また、RVはCMYの各インクによる分光反射率が大きくなっている各波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな値となる有彩色インクであり、CMYの各インクによる分光反射率が小さくなっている各波長領域と異なる波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が大きな値となる有彩色インクであって、上記第2インクカートリッジの充填インク色に該当する。また、上記カートリッジホルダ48が上記インクカートリッジ搭載部に該当し、上記ASIC44とヘッド駆動部49とキャリッジ機構47aと紙送り機構47bとが上記印刷機構に該当する。
印刷ヘッドのインク吐出面には、6色のインクのそれぞれを吐出する6組のノズル列が印刷ヘッドの主走査方向に並ぶように形成され、ノズル列のそれぞれは複数のノズル(例えば、48個)が副走査方向に一定の間隔で配置されている。カートリッジホルダ48はインク供給針を備えており、同インク供給針がインクカートリッジ48a〜48fに設けられた図示しないインク供給口と接触してインクの供給経路を形成することにより、インクカートリッジ内のインクがチューブを介して印刷ヘッドに供給される。
コントロールIC45は、各インクカートリッジ48a〜48fに搭載された不揮発性メモリであるカートリッジメモリを制御するために搭載されたICである。インクカートリッジがカートリッジホルダ48に装着されると、カートリッジメモリはコントロールIC45と電気的に接続されるようになっている。CPU41は、コントロールIC45と所定の信号を送受信し、カートリッジメモリに記録されたインクの色や残量の情報の読み出しや、インク残量の情報の更新等を行う。
パラレル通信用I/O46はコンピュータ10のパラレル通信用I/O19bと接続されており、プリンタ40はパラレル通信用I/O46を介してコンピュータ10から送信されるデータ、例えばCMYKRVのドット形成密度を指定したデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。また、コンピュータ10から各種要求を受信したとき、通信I/OはコントロールIC45からのインクの色や装着状態を示す情報をコンピュータ10に出力する。
I/F47には、キャリッジ機構47aと紙送り機構47bとが接続されている。紙送り機構47bは、紙送りモータや紙送りローラなどからなり、印刷用紙などの印刷記録媒体を順次送り出して副走査を行う。キャリッジ機構47aは、印刷ヘッドを搭載するキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルトなどを介して走行させるキャリッジモータなどからなり、印刷ヘッドを主走査させる。副走査方向に複数のノズルが設けられた印刷ヘッドにおいては、ビット列からなるヘッドデータに基づいてヘッド駆動部49が出力する駆動信号にてピエゾ素子を駆動し、各ノズルからドット単位でインク滴を吐出させる。
このプリンタ40はコンピュータ10にインストールされたプリンタドライバに制御されて印刷を実行する。図3に示すように本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させることができる。すなわち、APL25は利用者の指示によりHDD15に記録された画像データ15aをRAM14に読み出して、ディスプレイDRV23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。利用者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。
APL25にて印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して印刷に必要な情報を入力させるための図示しないUIを表示する。利用者は当該図示しないUIにて印刷部数やページ数等種々のパラメータを設定可能であり、PRTDRV21が入力機器DRV22を介してこれらのパラメータを受け付ける。PRTDRV21がこれらのパラメータを受け付けると、後述するLUT15bを参照してsRGBにて色を指定した上記画像データ15aをCMYKRVの各色データに色変換しつつ印刷データを作成し、上記プリンタ40に印刷データを送出することによって印刷を実行する。
(2)LUTの構成:
図4はLUT15bの一例を示している。LUT15bではRGBデータとCMYKRVデータのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)である。むろん各色10ビット,16ビットとして高階調にしてもよい。また、RGBデータについてはRGBの各色成分について階調値域を16分割して参照点を形成しており、RGB各色について階調値「0,16,32,、、、255」の総ての組み合わせが規定されている。従って、LUT15bについては17個の参照点が存在する。むろん、精度の向上に鑑みて階調値を「0,12,26,、、、230,255」というように不等間隔にしてもよいし、精度向上あるいはリソースの低減の意味で参照点の数を33個あるいは9個等にしてもよく、種々の構成を採用可能である。
これらの参照点についてCMYKRVの各色の階調値が「0〜255」の値で規定されており、色変換時にこれらのRGBデータとCMYKRVデータとを参照し、補間演算により任意のRGBデータをCMYKRVデータに変換する。むろん、LUTとしては、プリンタ40にて使用可能なメディアやインクセット毎に異なるテーブルを作成し、適宜選択可能に構成することもできる。尚、本実施形態において上記画像データ15aはRGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠したデータである。むろん、LUT15bにおいてはsRGBデータの具体的な値をデータとして有する構成の他、予め決められた順番に特定のRGBデータの組について色を規定することとし、RGBデータの具体的な値を省いても良い。
LUT15b作成のための一連の処理としては例えば図5に示すフローに従った処理にて実現可能である。この作業においては多くの演算処理を必要とするので、コンピュータを使用して演算を実行するのが好ましい。LUT15bにおいては、sRGB色空間において全空間を網羅するようにsRGBデータを規定しており、ディスプレイ18にて使用するこれらのsRGBデータとプリンタ40で使用するCMYKRVデータによる色をLab空間の座標値に変換し、当該Lab空間内で上記sRGBデータとCMYKRVデータとを対応づける。このためにまずステップS100にてディスプレイ18の参照点を抽出する。この抽出によって上記図4の左側に示す17個のsRGB階調値が確定する。
ステップS105においては、当該確定したsRGB階調値をLab空間の座標値に変換する。sRGB規格に準拠した画像データは公知の変換式によりLab空間の座標値に変換することができるので、同ステップS105においては変換式に基づいてLab座標へ変換しても良いし、上記参照点による色をディスプレイ18上に表示させ、測色器等によってLab座標を取得しても良い。以上の結果、sRGBの参照点に該当する色のLab座標値が得られ、ステップS110にて上記図4の左側に示す17個のsRGB階調値とLab階調値との対応関係を規定する。
次に、ステップS115においては、CMYにKを加え、さらにRVインクを加えることにより、CMYのいずれかまたは組み合わせの値を小さくしてCMYKRVデータを規定する。すなわち、CMYデータをCMYKRVデータに分版する。本実施形態においては、CMYインクの吐出量をできるだけRVインクの吐出量に割り当てるとともに、高明度の色ではできるだけRインクへの分版を行い、低明度の色ではVインクへの分版を行う。具体的には、Lab空間においてRはYとMの間の色相を有し、VはCとMの間の色相を有することから、まず、YMをできるだけRに分版し、CMをできるだけVに分版する。
このとき、本実施形態においてはYインク量1とMインク量1をRインク量1に割り当て、Cインク量1とMインク量1をできるだけVに割り当てることとしている。例えば、ある色の表現において公知の手法によってCMYをCMYKに分版した後、当該CMYKインク量の比が50:30:20:10である場合には、まず、CMYKRインク量の比を50:10:0:10:20と規定する。さらに、CMYKRVインク量の比を40:0:0:10:20:10と規定する。
図6は以上のようにして分版処理を行った場合の無彩色の各色インクドット発生率を示している。横軸はLab空間中の明度Lである。本実施形態にかかる分版においてはできるだけRVインクを使用する構成となっており、MインクはRVインク双方の分版に使用されるので、同図に示す無彩色においてはMインクは”0”になっている。むろん、上述の分版手法は一例であり、CMYインクのそれぞれについて所定量以下にはしないように下限を設けたり、RVインクのそれぞれについて所定量以上にはしないように上限を設けたり、YMインク量とRインク量の比およびCMインク量とVインク量の比を1以外にするなど種々の分版を行うことができる。
以上のようにしてステップS115にて分版処理を実行したら、ステップS120にて当該分版処理後のCMYKRVデータを使用して多数のパッチを印刷する。これらの各色パッチを印刷したときのCMYKRVデータを把握しておき、ステップS125では色パッチを測色機にて測色することによって当該CMYKRVデータとLab空間の座標値とを対応づける。以上の結果、sRGBの参照点に該当する色のLab座標値と、CMYKRVデータに対応づけられたLab座標値が得られるので、ステップS130においてはこれらのLab座標値を使用してsRGBデータとCMYKRVデータとの対応関係を規定する。
すなわち、LUT15bを作成する。ここで、上記ステップS120で得たLab空間内の座標値は互いに一致しているとは限らず、両データの対応関係は補間演算や最適値探索法等によって求めることができる。補間演算を使用するといっても、上記色パッチを多数印刷して多数の色についてLab座標値を得ておけば正確に対応関係を規定することができる。
(3)印刷処理:
本実施形態において、上記PRTDRV21は上記LUT15bを使用して色変換を行いつつ、プリンタ40に印刷を実行させる。すなわち、PRTDRV21は印刷を実行するために図3に示す画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。利用者が上記APL25にて印刷実行を指示すると、図7に示すフローに従って印刷処理を実行する。印刷処理が開始されるとステップS200において上記画像データ取得モジュール21aは上記RAM14に格納された画像データ15aを取得する。
すると、ステップS210にて画像データ取得モジュール21aは上記色変換モジュール21bを起動する。色変換モジュール21bは、RGB階調値をCMYKRV階調値に変換するモジュールであり、同ステップS210にて上記画像データ15aの各ドットデータをCMYKRVのドットデータに変換する。色変換モジュール21bが色変換を行ってCMYKRVの階調データを生成すると、ステップS220にて上記ハーフトーン処理モジュール21cが起動され、当該CMYKRVの階調データが上記ハーフトーン処理モジュール21cに受け渡される。
ハーフトーン処理モジュール21cは、各ドットのCMYKRV階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、同ステップS220にて変換後の記録密度でインクを付着させるためのヘッド駆動データを生成する。印刷データ生成モジュール21dはかかるヘッド駆動データを受け取って、ステップS230にてプリンタ40で使用される順番に並べ替える。すなわち、プリンタ40においてはインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う。このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、ステップS240にて上記パラレル通信用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40においては当該印刷データに基づいて上記ディスプレイ18に表示された画像を印刷する。このプリンタ40においては、上述のようにCMYKRV階調値データに基づいてCMYKRVの各色インクを印刷媒体に付着させる。
(4)画像の印刷:
次に、上記構成において画像を印刷する際の動作を図8に示す動作概念図に基づいて説明する。図8のディスプレイ18の表示画面は上記APL25の実行画面を示しており、APL25で画像データ15aを読み出すと当該画像データ15aがRAM14に格納され、ディスプレイDRV23の処理によって画像データ15aに基づく画像Aがディスプレイ18上に表示される。本発明による効果は特に低彩度の略無彩色で顕著に現れることから、背景が暗く略無彩色を多く含む画像Aを例にして説明する。APL25においてはディスプレイ18に表示した画像Aに対して種々のレタッチ等を実行可能であるとともに当該画像Aの印刷実行指示を行うことが可能である。同図の実行画面はHDD15に格納されている画像データ15aを読み出して印刷実行指示を行う状態の画面であり、マウス32の操作によってファイルメニュー内の印刷タブを選択することによって印刷実行指示を行うことができる。
画像Aに含まれる略無彩色は、可視光の全波長についての分光反射率が略一定であることが理想であるが、略無彩色における色味の変化は人間の目に視認されやすく、分光反射率に一定ではない波長領域が存在すると、光源が変化して特定の波長のエネルギーが強くなったときに反射光のエネルギー変化がより際だって特定の色味を帯びることがある。しかし、CMYKインクに加えてRVインクを使用すると、CMYKインクの組み合わせと比較して略無彩色の分光反射率が可視光の全波長に渡ってより一定に近づけられているので光源変化の影響を受けにくくなる。
本発明では、LUT15bによってsRGBデータをCMYKRVデータに変換し、プリンタ40にCMYKRVインクを充填したインクカートリッジ48a〜48fを搭載しているので、CMYKに加えてRVインクを使用した印刷を実行可能である。従って、プリンタ40において印刷を行って得られた画像Bを光源C(室内灯),光源D(太陽光)のいずれの下で視認したとしても光源による色の変化が少なく、略無彩色に色味が生じることはない。
ここで、上記LUT15bは図4に示すように、sRGBデータとCMYKRVデータとを対応させたテーブルであり、上記ステップS210においてはこれらの参照点に基づいて補間演算を行うことによって任意のRGB階調値とCMYKRV階調値とを対応づけているが、補間演算の手法としては公知の種々の技術が適用可能である。例えば、線形補間演算やスプライン補間演算等を採用可能である。また、LUT15bに備えられた参照点を補間演算によってより多数の参照点に展開し、当該展開された参照点をRAM14にバッファリングするとともに当該RAM14内の参照点を参照してさらに補間演算を実行するように構成すること等も可能である。むろん、色変換テーブルを使用して色変換を行う構成の他、予め変換マトリックスを定義するプロファイル等の色変換を行っても良い。
(5)光源依存性解消:
以下、本発明にかかる構成によって色の光源依存性が解消する仕組みを説明する。まず、人間の目における色の見え方を説明する。図9は人間の目における色の見え方を説明する説明図である。人間の目は光の波長によって色の差異を識別するので、人間の目に入射する光の中にどの波長の光がどれぐらい含まれているかを規定すると共に、どの波長の光に対して人間の目がどのように反応するかを規定することによって色の見え方を規定することができる。
印刷物から人間の目に入射する光の波長は光源に含まれる波長の分布すなわち光源の分光分布L(λ)と印刷物からの反射光に含まれる波長の分布すなわち印刷物の分光反射率R(λ)とに規定される。人間の目が光の波長にどのように反応するかは等色関数x(λ),y(λ),z(λ)で規定される。ここで、x(λ)は赤色成分の感度、y(λ)は緑色成分の感度、z(λ)は青色成分の感度を示している。尚各等色関数には通常その文字の上に「横線」を付してエックスバーなどと表現するが、本明細書では簡単のために「横線」を省略して示す。また、本実施形態におけるプリンタ40の様なインクジェットプリンタにおいて、分光反射率R(λ)は印刷用紙が露出する部分における印刷用紙の分光反射率とインクの分光反射率とを重畳(面積比を係数とした線形結合)して生成される。これらの式において上記λは光の波長である。
色の見え方は上記光源の分光分布L(λ)と分光反射率R(λ)と等色関数x(λ),y(λ),z(λ)とを乗じて波長で積分することによって三刺激値XYZとして計算される。すなわち、下記式(1)にて三刺激値XYZが計算される。
Figure 2005014588
人間の目において色の見え方はこの三刺激値XYZによって規定される。すなわち、三刺激値XYZの値の組み合わせによって色が一義的に決定する。この三刺激値を規定する要因のうち、上記等色関数x(λ),y(λ),z(λ)は人間の目の特性の平均値であって人為的に変更不可能であり、上記光源の分光分布L(λ)は光源の変化によって当然に変動し、光源依存性を解消する本発明はこの光源の分光分布L(λ)が変動したときの対策を行うものである。三刺激値を規定する要因のうち、上記分光反射率R(λ)の大部分はインクの分光反射率が担っているので、インクの量やインクの色数を変更することによって人為的に変更可能である。そこで、本発明はこの分光反射率R(λ)を好ましい分布にするために、CMYKインクに上記RVインクを追加している。
以下、RVインクを追加することによって光源依存性を解消する仕組みを説明する。本発明による効果が最も顕著に現れる色は無彩色であるので、無彩色を例として説明する。図10は、本発明において使用するCMYインクにおける分光反射率を示している。同図において縦軸が分光反射率(%)であり、横軸が波長(nm)である。このCMYインクにおける分光反射率は従来のプリンタにおいても同様である。同図に示すようにCによる分光反射率は波長400nmから波長の増大とともに上昇し、波長450nm〜500nm程度ではほぼ80%で推移し、波長500nm〜600nmで波長の増大とともに下降し、波長600nm〜700nmでは10%以下である。
Yによる分光反射率は波長450nm程度から波長の増大とともに急激に上昇し、波長500nm〜700nmではほぼ80%で推移する。Mの分光反射率は波長400nmから波長の増大とともに一旦上昇し、波長450nm〜550nmで波長の増大とともに下降し、波長550nm〜600nmで波長の増大とともに上昇し、波長600nm以上ではほぼ80%で推移する。これらのCMYインクにて略無彩色を作成する場合には、これらのCMYインクの総てを印刷用紙に吐出する。
図10のGray1は、このようにCMYインクの総てを印刷用紙に吐出した場合の重畳された分光反射率R(λ)を示している(この例では、CMY各色の面積率がそれぞれ8%,19%,13%であり、明度が略50になるようにしてある。)。無彩色の分光反射率R(λ)は全波長に渡って一定、すなわち図10のGray1が横軸に平行な直線に近い程理想的である。しかし、分光反射率R(λ)はインク滴の面積と印刷用紙の露出面積とを重みとしてそれぞれの分光反射率に乗じて線形結合した結果であり、CMYインクの組み合わせにおいては分光反射率R(λ)を直線にすることは困難である。図10においては、特に波長500nm部分に分光反射率のピークが現れており、波長400nm部分で分光反射率が非常に小さくなっており、波長600nm以上で分光反射率が逓増しており、光源を変更した場合にこの分光反射率の凹凸に起因して色味を帯びてしまうことがある。
これに対して本発明のようにRVインクを追加すると無彩色の分光反射率R(λ)の凹凸を減少させ、より直線に近づけることができる。すなわち、上記分光反射率のピークはCYインクによる分光反射率が波長500nm付近でいずれも大きく、50%を超え、分光反射率の低下は波長400nm付近でCMによる分光反射率が中程度であるとともにYによる分光反射率が著しく小さく、分光反射率の逓増は波長600nm付近でYMインクによる分光反射率が大きく、50%を超えていることに起因している。
従って、波長500nm付近で分光反射率が小さく(好ましくは20%以下)、波長400nm付近である程度の分光反射率を有し、波長600nm付近で分光反射率が小さい(好ましくは20%以下)インクを追加することによって無彩色の分光反射率R(λ)の凹凸を減少させることができる。本実施形態では、この3つの条件のうち、波長500nm付近で分光反射率が小さく、波長400nm付近である程度の分光反射率を有するという条件を満たすインクとしてRインクを採用し、上記波長600nm付近で分光反射率が小さいという条件も含む上記3つの条件を満たすインクとしてVインクを採用している。
図11では、上記図10にRVインクによる分光反射率を重ねて示している。Rによる分光反射率は波長400nmでほぼ30%であるとともに、波長の増大とともに下降して波長550nm程度までほぼ10%で推移し、波長550nmからは一旦上昇し、波長620nm程度ではほぼ80%で推移する。Vによる分光反射率は波長400nmから波長の増大とともに一旦上昇し、波長450nm〜500nmで波長の増大とともに下降し、波長500nm〜620nmでほぼ一定であるとともに、波長620nmからは波長の増大とともに上昇する。この上昇分はCMいずれと比較しても小さい。
すなわち、RVインクともに波長500nm付近の分光反射率が小さく(20%以下)、波長400nm付近である程度の分光反射率(30〜40%)を有している。従って、RVインクはCMYインクとの組み合わせにおいて波長400nmでの分光反射率を上昇させ、波長500nmでの分光反射率を下降させるように寄与する。VインクはCMYインクとの組み合わせにおける波長600nm以上での分光反射率の上昇を抑えるように寄与する。この結果、図11のGray2に示すように、CMYKRVの組み合わせによる無彩色の分光反射率R(λ)は上記Gray1と比較して全波長に渡ってフラットとなる。尚、あるインクでCYR各色の面積率をそれぞれ9%,5%,11%にすると、上記図10に示すGray1と同様に明度が略50において図11に示すGray2の様な分光反射率を実現することができた。しかし、一般的には、CMYRVインクを組合せた方が、重畳後の分光反射率の形状を調整するための自由度が高く調整が容易である。
図12は、CMYインクの組み合わせによるGray1の分光反射率R(λ)とCMYRVインクの組み合わせによるGray2の分光反射率R(λ)を同一グラフ上に再掲したものである。同図に示すようにGray1の分光反射率R(λ)は波長400nmで他の波長と比較して分光反射率が著しく小さく、波長500nmで分光反射率の大きなピークが生じ、波長600nm以上で逓増していたが、Gray2の分光反射率R(λ)では全波長にわたって分光反射率がフラットであり、特に大きなピークや小さな分光反射率を有することがない。尚、図10〜図12においては、CMYインクおよびRVインクの組み合わせにおいてある明度の無彩色を作成することを想定している。他の明度においてもCMYインクやRVインクの量が変化することによって無彩色の分光反射率R(λ)も変化するが、むろんCMYインクにRVインクを加えた方がより柔軟に分光反射率R(λ)を制御することができ、より理想的な分光反射率にすることができる。
次に、上述のように分光反射率R(λ)が全波長にわたってフラットになっているときに光源依存性が解消する、すなわち光源が変化しても無彩色に色みが生じにくくなるしくみを説明する。図13は、CIE(国際照明委員会)が規定したD50光源とA光源の分光分布を示しており、縦軸では光のエネルギーを相対的に示しており、横軸は光の波長である。同図に示すようにD50光源は可視光の全波長にわたってほぼ一定の分光分布を有しており、いわゆる白色光である。A光源は波長の増大とともにほぼリニアにエネルギーが上昇しており、赤みがかった光である。
上述のように人間の目にとって色は三刺激値XYZで表現される色に見え、当該三刺激値XYZには上記無彩色の分光反射率R(λ)と光源の分光分布が乗じられる形で寄与する。上記D50光源が上記Gray1,2に対して乗じられる際には全波長にわたってほぼ定率で寄与する。従って、双方が無彩色に見える。しかし、A光源においては波長が大きな程エネルギーが大きいので、大きな波長ほど大きく寄与し、小さな波長ほど小さく寄与する。
A光源の分光分布が上記Gray1,2に乗じられたときに、それぞれに対する寄与は同一であるものの、元々Gray1の方がGray2より分光反射率R(λ)の変化率が大きく分光反射率一定の状態とは遠いので、A光源の分光分布が上記Gray1に乗じられた場合の方がより無彩色から遠ざかる。例えば、図12に示す例においては波長450nm以下でのGray1の分光反射率が小さく、Gray2の分光反射率が大きいので、分光分布が乗じられたときにCMYインクの組み合わせに(Gray1)においては波長450nm以下の寄与がほとんど無くなり、無彩色に見えなくなる。
図14は、上記CMYインクの組み合わせによる無彩色およびCMYRVインクの組み合わせによる無彩色のそれぞれについて、D50光源における色彩値とA光源における色彩値との差を示している。上述のように色は三刺激値XYZで表現されるが、同図においてはこの三刺激値XYZを絶対色空間であるLab空間での色彩値に変換し、各光源における色差ΔE(Lab空間中の距離)を縦軸としている。また、横軸は明度Lであり、本実施形態においては明度Lが40以下の場合にブラック(K)インクを使用することから、Kインクを含まない明度45以上の色について比較をしている。同図に示すように、光源の差異による色差ΔEはCMYインクの組み合わせの方がCMYRVインクの組み合わせより大きい。従って、CMYRVインクの組み合わせの方が光源の変化による色の変化が顕著に現れなくなる。すなわち、光源依存性が解消する。
尚、上述のように、CMYそれぞれにおける分光反射率が大きな値となっている波長領域で小さな分光反射率を有するRVを利用しているが、むろん、CMYそれぞれにおける分光反射率が大きな値となっている波長領域で小さな分光反射率を有するのであれば、その色相はRVに限られない。また、RVインクにおいては、CMYの各インクにおける分光反射率が小さな値となっている各波長領域と異なる波長領域で小さな分光反射率となっている。すなわち、Cインクにおいては、波長550nm以上で小さな分光反射率となるが、RインクにおいてはCインクと異なる波長450nm〜550nm付近で小さな分光反射率となるし、VインクにおいてはCインクとは異なる波長500nm〜550nm付近で小さな分光反射率となる。
また、Mインクにおいては波長520nm〜580nm付近で小さな分光反射率となるが、RインクにおいてはMインクと異なる波長450nm〜520nm付近で小さな分光反射率となるし、VインクにおいてはMインクとは異なる波長580nm〜620nm付近で小さな分光反射率となる。さらに、Yインクにおいては波長470nm以下で小さな分光反射率となるが、RインクにおいてはYインクと異なる波長470nm〜550nmで小さな分光反射率となるし、VインクはYインクとは異なる波長500nm〜620nmで小さな分光反射率となる。
このように、CMYの各インクにおける分光反射率が小さな値となっている各波長領域と異なる波長領域で小さな分光反射率となるRVインクを利用すれば、光源の差異による色の見え方の差異を低減できるといえる。むろん、この場合もRVに限られず、CMYの各インクにおける分光反射率が小さな値となっている各波長領域と異なる波長領域で小さな分光反射率となる限りにおいて他の色相を有する有彩色インクを採用することが可能である。例えば、オレンジインクや青紫インク等を採用することもできる。むろん、R,V,オレンジ,青紫などを単独で追加しても良い。さらに、CMYインクを基礎とする構成の他、他の色の3色を基礎としつつこの基礎に対して他のインクを追加する構成を採用することも可能である。
(6)第2の実施形態:
上記実施形態においてはプリンタ40にデフォルトでRVインクを充填した第2インクカートリッジを搭載していたが、むろん本発明にかかるRVインクの使用を利用者の必要に応じて選択可能に構成することもできる。図15は、利用者の必要に応じてRVインクの使用を選択可能に構成したプリンタ400の概略ハードウェア構成を示している。同図において上記プリンタ40と同様の構成は上記図2と同一の符号を付して示している。また、ソフトウェアとしても上記図3に示すPRTDRV21と同様の構成を採用可能であるが、本実施形態においては上記LUT15bに加え、CMYKlclmデータとsRGBデータとの対応関係を規定した図示しないLUT15cを予めHDD15に保存しておき、印刷のプロパティ画面にて利用者が選択できるように構成してある。
具体的には、図15に示すようにプリンタ400にはデフォルトでCMYKlclmの各インクを充填したインクカートリッジ48a〜48d,480e,480fを搭載可能である。これらの各インクカートリッジ48a〜48d,480e,480fはプリンタ400のカートリッジホルダ48に対して着脱可能であり、lcインクのインクカートリッジ480eおよびlmインクのインクカートリッジ480fをRインクのインクカートリッジ48eとVインクのインクカートリッジ48fに交換可能である。
図16は、上記APL25による印刷実行指示の際に表示される印刷のプロパティ画面を示している。すなわち、APL25にて印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して印刷に必要な情報を入力させるためのUIを表示するが、このUIが当該印刷のプロパティで画面である。PRTDRV21はこの画面を視認しつつ利用者がキーボード31等を使用して行う種々の操作入力を入力機器DRV22を介して受け付ける。
同図に示す印刷のプロパティ画面では印刷時に指定すべき種々のパラメータ入力が可能であり、部数やページ数を入力する各種入力ボックスや、印刷実行指示やキャンセル指示等を行う各種ボタンが備えられている。さらに当該プロパティ画面の下部にはインクセット選択ラジオボタン18aが備えられており、利用者は上記マウス32を操作してポインタ等によってインクセット選択ラジオボタン18aの表示内容を変更することができる。インクセット選択ラジオボタン18aには使用するインクセット(インクの色)が対応づけられており、利用者は使用するインクをCMYKlclmインクあるいはCMYKRVインクに設定することができる。
このインクセット選択ラジオボタン18aでの選択内容は上記色変換モジュール21bに送られ、同色変換モジュール21bは当該選択内容に応じたLUTを選択する。すなわち、インクセット選択ラジオボタン18aでCMYKRVが選択されているときには上記LUT15bを選択し、インクセット選択ラジオボタン18aでCMYKlclmが選択されているときは上記図示しないLUT15cを選択する。この結果、利用者はCMYKlclmインクとCMYKRVインクの双方を適宜使用して印刷を実行することができる。
本実施形態のようにデフォルトでCMYKlclmインクを使用するプリンタは非常に汎用的であり、本発明はこの汎用的な構成にLUTを追加し僅かなソフトウェアの変更を施すのみで実現可能である。尚、本実施形態において色変換モジュール21bが印刷のプロパティ画面による設定内容を取得する構成が必須となるわけではない。例えば、上記インクカートリッジに搭載されたカートリッジメモリの情報を読み出し、インクカートリッジ48eの充填インク色を判別して自動でLUTを選択するように構成しても良い。
また、本実施形態のようにlclmインクとRVインクのインク供給経路が同一である場合には、インク色変更時にプリンタ400に備える図示しないインク供給経路のクリーニング機構にて念入りにクリーニングを実行すると好ましい。さらに、CMYKlclmインクとCMYKRVインクの双方を使用可能にするためにはインク色の交換が必須となるわけではなく、カートリッジホルダの数を増やすとともに、CMYKlclmRVインクが充填されたインクカートリッジを搭載可能に構成しても良い。
(7)他の実施形態:
上記実施形態においては、コンピュータ10によって印刷制御装置を構成しているが、プリンタ40に搭載するプログラム実行環境によって本発明にかかる印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接的に接続されるデジタルカメラから画像データを取得して印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって本発明にかかる印刷制御処理を実施するなど種々の構成を採用可能である。画像を取り込むスキャナと画像を印刷するプリンタとが一体となったいわゆる複合機において本発明にかかる印刷制御処理を行ってもよい。
また、上記画像データ15aはRGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであるが、この画像データにおいては印刷対象の画像を示すことができればよく、この態様に限定されるわけではない。例えば、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータを採用可能である。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用することもできる。
さらに、上述の説明では、主に無彩色について光源の差異による色の見え方の差異を低減する構成について説明したが、むろん、本発明による作用効果が奏されるのは無彩色に限られない。すなわち、有彩色においてもある色を2以上の光源下で観測すると、各インクの組み合わせによる重畳分光反射率と光源の分光エネルギーとの積が変化する。従って、重畳分光反射率の形状によっては、光源が変更されたときに色が変化する程度に差異が生じ得る。そこで、任意の有彩色をCMYKRVの組み合わせによって表現すると、光源による影響を受けにくい色を採用することができ、色差を極小化した色で印刷を行うことが可能になる。
その構成例としては、光源の変更によって色が変化しにくいようにCMYKRVの組み合わせを選択し、その色を示すCMYKRVデータをLUTに登録する構成を採用可能である。より具体的には、上記第1の実施形態におけるLUT作成作業を変更することによって実現可能である。すなわち、図1,図2,図3に示すハードウェア構成や図3に示すソフトウェア構成は上記第1実施形態と同様のもので実現可能であり、HDD15に記録するLUT15bの作成作業で上記色差を極小化するための作業を実施する。
色差を極小化するための作業としては、ステップS115〜S130において上記第1実施形態と異なる作業を実施する。すなわち、ステップS115ではCMYをCMYKRVへ分版するが、このとき、上述のように、YMをできるだけRに分版し、CMをできるだけVに分版するだけではなく、この他にも種々の規則に従って分版を実施することとし、できるだけ多数のCMYKRVの組み合わせを作成する。
これによりパッチを印刷するための多数のCMYKRVデータを生成し、多数のパッチについて印刷を実行する。そして、ステップS125ではこの多数のパッチについて少なくとも2種類の光源下で測色を行ってCMYKRVとLabとの対応関係を規定する。図17は、2種類の光源下でパッチの測色を行う様子を説明する説明図である。
同図においては、CMYKの各インクによってパッチ1を印刷し、CMYKRVの各インクによってパッチ1に近い色となるパッチ2〜パッチnを印刷してD50光源およびA光源下で測色を実施する様子を示している。同図においてパッチ1についてD50光源によって測色した結果はL1a1b1であり、A光源によって測色した結果はL2a2b2である。また、パッチ2についてD50光源によって測色した結果はL3a3b3であり、A光源によって測色した結果はL4a4b4である。
このとき、両光源下での測色結果に差異が生じる。図17においては、パッチ1について色差ΔE1、パッチ2について色差ΔE2、パッチnについて色差ΔE2である。光源が変化すると測色結果に差異が生じるのは当然であるが、CMYKインクに対してRVインクを加えると、多数の組み合わせによって似かよった色を表現することができるとともに、その色差ΔE2〜ΔEnの中からできるだけ小さい値の色差を選び出すことができる。
すなわち、CMYKとCMYKRVとを比較すると、CMYKRVの方が組み合わせの任意性が高いことによって、CMYKより色差の小さいパッチを選択することができ、さらに多数のCMYKRVデータの中からできるだけ小さな色差を選択し、色差を極小化した状態のパッチを選択することができる。このようにして、色差ができるだけ小さいものを選択したら、そのパッチが示す色については上述の色変換によって当該パッチのCMYKRVデータに変換されるよう構成できればよい。そこで、本実施形態におけるステップS125においては、CMYKRV色成分で形成される色域内に略均等に配置された複数の色について上記図17と同様の処理を行って色差を極小化した色を抽出し、Labとの対応関係を規定する。
そして、ステップS130においては、上記色差を極小化した色のLabから対応するsRGBデータを算出し、当該色差を極小化した色のCMYKRVデータと対応づける。この結果、色差を極小化した色で印刷を実施可能なLUTを作成することができる。従って、このLUTを参照して色変換を実施し、色変換によって生成されるCMYKRVデータで印刷を実行すると、得られる印刷物をD50,A光源下で観察したときの色の変化が少なくなる。むろん、光源はD50,Aに限られず他の光源であってもよいし、3種以上の光源下での色差を極小化する構成を採用してもよい。また、本実施形態においては、多数のパッチを印刷して測色を行うことによって色差を極小化していたが、むろん、色差が極小化されたCMYKRVデータを抽出し、LUTに登録することができる限りにおいて、他にも種々の構成を採用可能である。
尚、上述のように極小化といっても、必ずしも数学的に厳密に極小化できることが必須というわけではない。すなわち、有限個の色同士で色差を比較した上で、その色差が最小になるものを選択することで色差が極小化されたとしてもよい。むろん、有限個の色同士で色差を比較するにあたり、所定の色差以下となる色が存在したときにその色を採用する構成を採用してもよい。このような構成を採用するためには、少なくとも、特定の色と略同色の色を出力するインクの組み合わせを複数個想定し、これらの色について所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を取得すればよい。そして、この色差の中から最小のものを選択するとともにそのインクの組み合わせを示すインク色画像データを上記特定の色を示す色として採用すれば、上記インクの組み合わせの中で最も小さな色差となる色で印刷を実行することになる。
印刷装置を構成するシステムの概略ハードウェア構成を示す図である。 プリンタの概略ハードウェア構成を示す図である。 印刷装置の主な制御系の概略構成図である。 LUTの一例を示す図である。 LUTの作成作業フローチャートである。 各色インクドット発生率の一例を示す図である。 印刷処理のフローチャートである。 画像を印刷する際の動作を示す動作概念図である。 人間の目における色の見え方を説明する説明図である。 CMYインクにおける分光反射率を示す図である。 CMYRVインクにおける分光反射率を示す図である。 無彩色の分光反射率R(λ)の比較を示す図である。 D50光源とA光源の分光分布を示す図である。 光源を変化させたときの色差を示す図である。 プリンタの概略ハードウェア構成を示す図である。 印刷のプロパティ画面を示す図である。 色差を極小化する様子を説明する説明図である。
符号の説明
10…コンピュータ、11,41…CPU、12…システムバス、13,42…ROM、14,43…RAM、15…HDD、15a…画像データ、15b…LUT、16…フレキシブルディスクドライブ、17…CD−ROMドライブ、18…ディスプレイ、20…OS、21…PRTDRV、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、22…入力機器DRV、23…ディスプレイDRV、25…アプリケーションプログラム、31…キーボード、32…マウス、40…プリンタ、44…ASIC、45…コントロールIC、47a…キャリッジ機構、47b…紙送り機構、48a〜48f…インクカートリッジ、49…ヘッド駆動部

Claims (22)

  1. 複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置であって、
    上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともに、これら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であることを特徴とする印刷装置。
  2. 上記各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域は分光反射率が所定の第1閾値より大きな値となる波長領域であり、上記所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている波長領域は分光反射率が所定の第2閾値より小さな値となる波長領域であることを特徴とする上記請求項1に記載の印刷装置。
  3. 上記各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている波長領域は上記第2インクカートリッジのインクで所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに分光反射率が小さな値となる波長領域に対して少なくとも一部で重複していることを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷装置。
  4. 複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置であって、
    上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともに、これら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている各波長領域と異なる波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であることを特徴とする印刷装置。
  5. 複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置であって、
    上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともにこれら3色のインクと異なる色のインクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であり、上記少なくとも3色に対して第2インクカートリッジ内のインクを加えることにより、所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色で印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
  6. 上記印刷装置は印刷画像を示す画像データで使用する表色系および各色インクを色成分としたインク色画像データでの表色系で複数の色を表現するとともに両者を対応づけた色変換テーブルを参照することによって画像を形成する際のインク使用量を特定して印刷を実行しており、同色変換テーブルに規定されるインク色画像データが示す色は上記所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色であることを特徴とする上記請求項5に記載の印刷装置。
  7. 上記第2インクカートリッジの充填インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録した場合の分光反射率は、上記3色を組み合わせて所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときにある波長の分光反射率が他の波長の分光反射率に比べて大きい波長領域において、当該3色のそれぞれを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率より小さいことを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 上記所定の印刷媒体は、分光反射率が略一定となる印刷媒体であることを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 上記所定の面積率は、略40%であることを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 上記複数のインクカートリッジに充填されたインクは顔料系インクであることを特徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 上記インクカートリッジ搭載部においては、上記少なくとも3色のインクとしてシアン系とマゼンタ系とイエロー系のインクを充填したインクカートリッジを搭載可能であるとともに、レッド系とバイオレット系とのいずれかまたは双方のインクを充填した第2インクカートリッジを搭載可能であることを特徴とする上記請求項1〜請求項10のいずれかに記載の印刷装置。
  12. 上記インクカートリッジ搭載部においては少なくとも6色以上のインクカートリッジを搭載可能であるとともに、任意の1色以上のインクカートリッジを上記第2インクカートリッジと交換して使用可能であることを特徴とする上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の印刷装置。
  13. 上記印刷装置は、ドットマトリクス状の画素からなる画像データを取得する画像データ取得部と、上記少なくとも3色の有彩色および上記第2インクカートリッジの充填インク色によって画素の色を規定したインク色画像データと上記画像データとの対応関係を規定した色変換テーブルを記憶する色変換テーブル記憶部と、同色変換テーブルを参照して上記画像データを上記インク色画像データに変換する色変換部と、当該色変換後のインク色画像データにて規定された色で印刷を実行させる印刷データを生成する印刷データ生成部と、当該印刷データに基づいて上記印刷機構を制御する印刷機構制御部とを具備することを特徴とする上記請求項1〜請求項12のいずれかに記載の印刷装置。
  14. 上記少なくとも3色の有彩色を上記第2インクカートリッジの充填インク色に置き換える分版処理を行って上記色変換テーブルが作成されていることを特徴とする上記請求項13に記載の印刷装置。
  15. 上記分版処理では、マゼンタ系とイエロー系のインクをレッド系のインクに置き換えることを特徴とする上記請求項14に記載の印刷装置。
  16. 上記分版処理では、マゼンタ系とシアン系のインクをバイオレット系のインクに置き換えることを特徴とする上記請求項14または請求項15のいずれかに記載の印刷装置。
  17. 複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置における印刷方法であって、
    上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともに、これら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であり、上記少なくとも3色とともに第2インクカートリッジの充填インクを使用して印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
  18. 複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置における印刷方法であって、
    上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともに、これら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている各波長領域と異なる波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であり、上記少なくとも3色とともに第2インクカートリッジの充填インクを使用して印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
  19. 複数のインクカートリッジを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置における印刷方法であって、
    上記インクカートリッジ搭載部には有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジを搭載可能であるとともにこれら3色のインクと異なる色のインクが充填された第2インクカートリッジを搭載可能であり、上記少なくとも3色に対して第2インクカートリッジ内のインクを加えることにより、所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色で印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
  20. 有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジとこれら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに大きな分光反射率となっている各波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジとを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置における印刷を制御する印刷制御プログラムであって、
    ドットマトリクス状の画素からなる画像データを取得する画像データ取得機能と、
    上記少なくとも3色の有彩色および上記第2インクカートリッジの充填インク色によって画素の色を規定したインク色画像データと上記画像データとの対応関係を規定した色変換テーブルを所定の記憶領域に記憶する記憶する色変換テーブル記憶機能と、
    同色変換テーブルを参照して上記画像データを上記インク色画像データに変換する色変換機能と、
    当該色変換後のインク色画像データにて規定された色で印刷を実行させる印刷データを生成する印刷データ生成機能と、
    上記印刷機構の駆動を制御するべく上記印刷データを出力する印刷データ出力機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
  21. 有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジとこれら3色の各インクを所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときに小さな分光反射率となっている各波長領域と異なる波長領域において、所定の印刷媒体上に所定の面積率で記録したときの分光反射率が小さな有彩色インクが充填された第2インクカートリッジとを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置における印刷を制御する印刷制御プログラムであって、
    ドットマトリクス状の画素からなる画像データを取得する画像データ取得機能と、
    上記少なくとも3色の有彩色および上記第2インクカートリッジの充填インク色によって画素の色を規定したインク色画像データと上記画像データとの対応関係を規定した色変換テーブルを所定の記憶領域に記憶する記憶する色変換テーブル記憶機能と、
    同色変換テーブルを参照して上記画像データを上記インク色画像データに変換する色変換機能と、
    当該色変換後のインク色画像データにて規定された色で印刷を実行させる印刷データを生成する印刷データ生成機能と、
    上記印刷機構の駆動を制御するべく上記印刷データを出力する印刷データ出力機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
  22. 有彩色インクが充填された少なくとも3色のインクカートリッジとこれら3色のインクと異なる色のインクが充填された第2インクカートリッジとを搭載可能なインクカートリッジ搭載部と、同インクカートリッジからインクの供給を受けて当該インクを印刷用紙に印刷する印刷機構とを備えた印刷装置における印刷を制御する印刷制御プログラムであって、
    ドットマトリクス状の画素からなる画像データを取得する画像データ取得機能と、
    上記少なくとも3色の有彩色および上記第2インクカートリッジの充填インク色によって画素の色を規定したインク色画像データと上記画像データとの対応関係を規定した色変換テーブルであって上記少なくとも3色に対して第2インクカートリッジ内のインクを加えることにより、所定の標準光源下での色と他の光源下での色との色差を極小化した色を上記インク色画像データとして有する色変換テーブルを所定の記憶領域に記憶する記憶する色変換テーブル記憶機能と、
    同色変換テーブルを参照して上記画像データを上記インク色画像データに変換する色変換機能と、
    当該色変換後のインク色画像データにて規定された色で印刷を実行させる印刷データを生成する印刷データ生成機能と、
    上記印刷機構の駆動を制御するべく上記印刷データを出力する印刷データ出力機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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