JP2005013137A - 魚釣用電動リール - Google Patents
魚釣用電動リール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005013137A JP2005013137A JP2003184338A JP2003184338A JP2005013137A JP 2005013137 A JP2005013137 A JP 2005013137A JP 2003184338 A JP2003184338 A JP 2003184338A JP 2003184338 A JP2003184338 A JP 2003184338A JP 2005013137 A JP2005013137 A JP 2005013137A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spool
- motor
- fishing line
- fishing
- reel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】本発明は魚釣用電動リールに関し、スプール駆動モータの放熱性能を高めて、加熱によるモータ性能の低下を防止したスプールインタイプの魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【解決手段】リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールの釣糸巻回胴部内の収容部に、スプールを巻取り駆動するスプール駆動モータを収容した魚釣用電動リールに於て、上記スプール駆動モータを、収容部内に水密性を以って収容すると共に、スプールの釣糸巻回領域に、上記収容部とスプール外部とを連通させる通路を設けたことを特徴とする。そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の魚釣用電動リールに於て、通路は、スプールの釣糸巻回胴部を貫通する貫通孔からなることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールの釣糸巻回胴部内の収容部に、スプールを巻取り駆動するスプール駆動モータを収容した魚釣用電動リールに於て、上記スプール駆動モータを、収容部内に水密性を以って収容すると共に、スプールの釣糸巻回領域に、上記収容部とスプール外部とを連通させる通路を設けたことを特徴とする。そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の魚釣用電動リールに於て、通路は、スプールの釣糸巻回胴部を貫通する貫通孔からなることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータを、スプールの釣糸巻回胴部内に収容した魚釣用電動リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来周知のように魚釣用リールは、海水,水,異物等が浸入,付着し易い厳しい状況下で使用されるため、実釣時にリール本体内の駆動部に水や異物等が浸入,付着しないようにしなければならない。とりわけ、スプール駆動モータ(以下、「スプールモータ」という)等の電装部品が装着された魚釣用電動リール(以下、「電動リール」という)にあっては、特に防水面での配慮が厳しく要求されている。
【0003】
このため、スプールの釣糸巻回胴部内の収容部にスプールモータを収容した所謂スプールインタイプの電動リールに於ても、従来、スプールモータに対する様々な防止対策が施されている。
而して、電動リールは、実釣時に張力のかかった釣糸をスプールモータで巻き上げる構造上、スプールモータは発熱する。
【0004】
しかし、上述したようにスプールインタイプの電動リールは、スプールモータがスプールの釣糸巻回胴部内に水密性を以って収容されているため、スプールモータの放熱性が悪く、長時間に亘る使用でスプールモータが加熱し、モータ性能が低下して巻上げ効率が悪くなってしまうといった構造上の問題点が指摘されている。
【0005】
そこで、昨今、このようなスプールモータの放熱性の不具合を解消すべく、スプールフランジの外側面に吸水性の高い材料からなる吸水部材を取り付け、釣糸の巻回時に、釣糸に付着している水滴をこの吸水部材に集めてスプールを冷却することで、スプールモータの放熱性の向上を図った電動リールが知られている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開昭64−17170号公報(第1頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記電動リールは、釣糸の巻回時に、釣糸に付着する水滴がスプールフランジ外周とリール本体との微小間隙から内部に浸入する現象を利用し、斯様に内部に浸入する水滴を吸水部材で集めてスプールの冷却を図るものであるが、釣糸はスプールの釣糸巻回胴部に巻回されるため、巻回領域外のスプールフランジの外側面に取り付けた吸水部材に、釣糸に付着した水滴を安定して吸水させることができないのが実情であった。
【0008】
また、この従来例は、吸水部材に吸水された水でスプールフランジを冷却する構成のため、スプールモータとの離間距離が大きく放熱効率が悪いといった不具合も指摘されている。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、スプールモータの放熱性能を高めて、加熱によるモータ性能の低下を防止したスプールインタイプの電動リールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールの釣糸巻回胴部内の収容部に、スプールを巻取り駆動するスプールモータを収容した電動リールに於て、上記スプールモータを、収容部内に水密性を以って収容すると共に、スプールの釣糸巻回領域に、上記収容部とスプール外部とを連通させる通路を設けたことを特徴とする。
【0010】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動リールに於て、通路は、スプールの釣糸巻回胴部を貫通する貫通孔からなることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の電動リールに於て、通路は、スプールのスプールフランジの内側面に沿って設けられた溝と、当該溝と連通してスプールを貫通する貫通孔とからなることを特徴とする。
【0011】
(作用)
各請求項に係る発明によれば、釣糸巻回時に、釣糸に付着する水分がスプールの釣糸巻回領域に設けた通路から収容部内に流入して、スプールモータの冷却を図ることとなる。
また、請求項3に係る発明によれば、釣糸巻回後も、必要に応じスプールフランジの内側面に沿って設けた通路から釣糸巻回胴部内に水や冷却材を外部から注入することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図4は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第一実施形態を示し、図1に於て、1はフレーム3の左右の側枠5,7に側板9,11が着脱自在に装着されたリール本体、13はスプールで、フレーム3の左側の側枠5に、後述する筒状の収容体(モータケース)15が取り付く支持板(セットプレート)17がネジ19で固定され、反対側の側板11の下方に、手動巻取り駆動機構21のハンドル23が回転可能に取り付けられている。
【0013】
而して、スプール13の左右のスプールフランジ25,27間に位置する釣糸巻回胴部29内には、スプール13と軸心を同じくしてスプールフランジ25側に開口する断面円形形状の凹状の収容部31が設けられており、スプール13のスプーフランジ25側は、当該収容部31に収容された収容体15の外周に軸受33を介して回転可能に支持されている。また、スプール13のスプールフランジ27側は、その外側面にビス止めしたブラケット35と、側枠7にネジ止めした支持板(セットプレート)37との間に装着した軸受39を介してリール本体1に回転可能に支持されている。
【0014】
そして、上記収容体15内に、これと軸心を同じくしてスプールモータ41が収容されており、その左モータ軸43は、支持板17に突設した筒状の軸受支持部45内に一方向クラッチ47を介して支持されている。
図1乃至図4に示すように収容体15はフレーム3や支持板17と別体で、前記収容部31内に若干の間隙を空けて収容可能な円筒状に成形されており、支持板17側に開口するその開口部(モータ出入口)49の外周に、径方向外方へ突出する環状のフランジ部51が設けられている。
【0015】
一方、図3及び図4に示すように支持板17には、上記開口部49の内周に沿って位置決め用の係合突起53が環状に突設されており、当該係合突起53に収容体15の開口部49を係合させてフランジ部51を支持板17にネジ19で固定することで、収容体15が支持板17に一体的に取り付くようになっている。そして、係合突起53の外周に設けた凹部55内には、O−リング等の弾性シール部材57が介装されており、当該弾性シール部材57によって収容体15と支持板17の接合部分の水密性が確保されている。
【0016】
更に、スプールモータ41の水密性を確保するため、スプールモータ41の左モータ軸43側の端面61と既述した軸受支持部45の先端との間に環状の弾性シール部材63が介装されると共に、当該軸受支持部45の内周に筒状の弾性シール部材65が一方向クラッチ47との間に介装されている。そして、スプールモータ41の電気接点67に接続された電気ライン69が支持板17を貫通して配線されているが、当該電気ライン69と支持板17との間にも弾性シール部材71が介装されて、収容体15に対する水密性が確保されている。
【0017】
そして、図4中、73は収容体15内に収容されたスプールモータ41の回転を防止する回止め機構で、当該回止め機構73は支持板17から軸方向に伸びる支持体75と、当該支持体75が係合可能にスプールモータ41の端面61に形成された凹部77とで構成されている。
一方、図4に示すように収容体15は、スプールモータ41の右モータ軸79側もそのまま開口し、この開口部81から右モータ軸79が側板11方向に突出しているが、開口部81の周縁部には内方へ屈曲した縮径部83が設けられている。そして、当該開口部81を覆って、スプールモータ41の端面85の形状に沿って硬質材料で成形されたキャップ87が縮径部83に冠着されている。
【0018】
キャップ87は、縮径部83に嵌合する外端部89と、右モータ軸79が挿通するモータ軸挿通孔91が中央に形成された内周縁部93と、これらを連結して開口部81を閉塞するキャップ本体部95とからなり、外端部89は前記縮径部83の凹部97内に装着した弾性シール部材99に圧接して、その嵌合部分の水密性が確保されている。
【0019】
また、右モータ軸79が挿通するモータ軸挿通孔91から収容部31への水の浸入を防止するため、キャップ87とスプールモータ41の端面85との間に略筒状の弾性シール部材101が介装されている。
【0020】
図4に示すように弾性シール部材101は、スプールモータ41の軸受部103の外周と端面85との間にキャップ87で挟持される外端フランジ部105と、右モータ軸79の外周にシール状態で接触する内周縁部107とで構成されており、この弾性シール部材101によってモータ軸挿通孔91からの水の浸入防止が図られている。そして、キャップ87は、スプール13の内周から径方向に突設された円盤状の支持部109に軸受111を介して支持されており、スプール13は、既述した軸受33,39とこの軸受111によってリール本体1に回転可能に支持されている。
【0021】
このように本実施形態は、スプールモータ41を釣糸巻回胴部29の収容部31内に装着するに当たり、弾性シール部材57,63,65,71,99,101を用いてスプールモータ41を収容体15内に収容し、これらを収容部31内に収容してスプールモータ41に対する水密性を確保したが、この反面、斯様に水密性を以ってスプールモータ41を釣糸巻回胴部29内に収容すると、スプールモータ41の放熱性が悪く、長時間に亘る使用でスプールモータ41が加熱してしまう虞がある。
【0022】
そこで、図1乃至図4に示すように本実施形態は、スプール13の釣糸巻回領域である釣糸巻回胴部29の周方向と軸方向に、収容部31に通じる円形状の貫通孔からなる通路113を複数設けて、釣糸巻回胴部29に巻回された釣糸115に付着している水分がこの通路113から収容部31内に流入するようにしたもので、収容体15は駆動するスプールモータ41の熱で加熱しているため、収容部31内に流入した水分は収容体15の熱で気化し、この気化熱でスプールモータ41の放熱が図られるようになっている。
【0023】
そして、この通路113は、上述したように釣糸115に付着している水分を収容部31内に誘導する水路や、水分が気化する際の蒸気路として機能する他、モータ熱の放熱空気路としても機能する。
【0024】
このように本実施形態は、通路113から収容部31内に流入した水分が、収容体15の熱で気化する気化熱を利用してスプールモータ41の放熱を図ったもので、既述したように収容体15内に収容されたスプールモータ41は、弾性シール部材57,63,65,71,99,101によって水密性が確保されているため、通路113を通って収容部31内に流入した水分が収容体15内に浸入することはない。
【0025】
その他、図1中、117は3つの遊星歯車機構119,121,123からなる従来周知の減速機構で、当該減速機構117はモータ軸挿通孔91から突出する右モータ軸79に連結されている。
そして、右モータ軸79と側板11との間に、手動巻取り駆動機構21からの巻取り動力を減速機構117に伝達する回転駆動軸125が右モータ軸79と同軸上に取付けられており、当該回転駆動軸125は3つの軸受127,129,131を介して前記ブラケット35と側板11間に回動自在に支持されている。そして、回転駆動軸125に第3の遊星歯車機構123のキャリア133が係止ピン135を介して連結されている。
【0026】
更に、回転駆動軸125上には、釣糸115の繰り出しで回転するスプール13に制動力を付与し乍ら、スプール13の釣糸繰出し方向への回転を許容する制動作用を与えると共に、この制動作用を利用してスプール13をスプールフリー状態と釣糸巻取り状態とに切り換える従来周知のドラグ装置137が装着されており、回転駆動軸125上の側板11にドラグ装置137のドラグ力を調節するドラグレバー139が取り付けられている。
【0027】
そして、ドラグ装置137を構成する押圧体141の外周にピニオン143が当該押圧体141と一体回転可能に嵌合し、このピニオンギヤ143に手動巻取り駆動機構21のドライブギヤ145が噛合している。
【0028】
従来周知のように手動巻取り駆動機構21は、図1に示すようにハンドル23と、当該ハンドル23が取り付くハンドル軸147と、これに回止め嵌合されたドライブギヤ145とで構成されており、ハンドル軸147の挿入先端側には、スプール13をスプールモータ41で巻取り駆動した際に、これに連動してハンドル軸147が回転しないようにその逆転防止を図る逆転防止装置149が設けられている。
【0029】
この逆転防止装置149は、ハンドル軸147に回止め嵌合されたラチェット151と、当該ラチェット151に対し一定の付勢力で常時係止する係止爪(図示せず)とからなり、スプールモータ41でスプール13を巻取り駆動した際に、その回転方向ではラチェット151に係止爪が係止方向で噛み合ってラチェット151の回転、即ち、ハンドル軸147の回転が阻止されるようになっている。
【0030】
従って、スプールモータ41の駆動力は、減速機構117を介してスプール13のみに伝達されることとなる。また、これに対し、ハンドル操作でスプール13を釣糸巻取り方向に回転させた場合、その回転方向では係止爪がラチェット151の回転を許容するように構成され、この結果、ハンドル23の回転操作に連動してハンドル軸147を回転させることができるようになっている。
【0031】
そして、図1中、153は電動リール155のコネクタ157に接続した給電コードを示す。
本実施形態はこのように構成されており、スプールモータ41をスプール13の収容部31に収容するには、先ず、弾性シール部材63,101が装着されたスプールモータ41を、弾性シール部材99を介してキャップ87が端部に冠着された収容体15内に収容する。これにより、弾性シール部材101の外端フランジ部105がスプールモータ41の端面85とキャップ87とで挟持され、モータ軸挿通孔91から右モータ軸79が所定の同芯度を以って突出する。
【0032】
そして、支持板17に突設した支持体75をスプールモータ41の凹部77に係合させてスプールモータ41の回り止めを図り乍ら、一方向クラッチ47が装着された左モータ軸43を支持板17の軸受支持部45内に挿入した後、フランジ部51を支持板17にネジ19で固定すればよく、ネジ19の締付けで収容体15は支持板17に圧接し、これによりスプールモータ41は、弾性シール部材63,101を介して支持板17と収容体15,キャップ87との間でガタ付くことなく保持される。
【0033】
また、ネジ19を締め込んでいく過程で、スプールモータ41は、弾性シール部材63,65,101の弾性作用によって左右のモータ軸43,79の同芯度が微調整される。
そして、斯様に収容体15が固着された支持板17をフレーム3の側枠5にネジ19で固定すればよく、ネジ19を締め込んでいく過程で、弾性シール部材63,65,101の弾性作用によってスプールモータ41の左右のモータ軸43,79がスプール13や回転駆動軸125の軸芯と一致するように微調整され、また、スプールモータ41の駆動時に於ても、弾性シール部材63,65,101の弾性作用によって左右のモータ軸43,79がスプール13や回転駆動軸125の軸芯と一致するように微調整されることとなる。
【0034】
更に、各弾性シール部材57,63,65,71,99,101が、収容体15内部への海水や異物等の浸入を防止する。
そして、実釣時にスプールモータ41の駆動や、ハンドル23の巻取り操作でスプール13の釣糸巻回胴部29に釣糸115が巻回されるが、巻回された釣糸115に付着する水分が、釣糸巻回胴部29に設けた複数の通路113から収容部31内に流入する。そして、収容部31に収容されている収容体15は、駆動するスプールモータ41の熱で加熱しているため、収容部31内に流入した水分は収容体15の熱で気化し、この気化熱でスプールモータ41の放熱が行われることとなる。
【0035】
このように本実施形態は、スプール13の釣糸巻回胴部29に、収容部31に通じる通路113を複数設けたので、既述した特許文献1の従来例に比し釣糸115に含まれる水分を釣糸巻回時に安定して収容部31内に誘導できることとなって、スプールモータ41の放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することが可能となった。
【0036】
また、本実施形態は、支持板17をフレーム3に着脱自在に構成すると共に、収容体15を当該支持板17から着脱自在に構成したので、長期に亘る使用で通路113から収容部31内に異物等が入り込んでも、メンテナンスが容易である利点を有する。
図5は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第二実施形態を示し、本実施形態は、既述した弾性シール部材101に代え、スプールモータ41の右モータ軸79の外周に接触する内周縁部107−1の近傍に当該右モータ軸79を軸芯とする環状の凹部159を設けることにより、内周縁部107−1を部分的に薄肉化して容易に弾性変形し易くした弾性シール部材101−1を用いたことを特徴とする。
【0037】
尚、その他の構成は上記第一実施形態と同様であるので、同一のものに同一符号を付してそれらの説明は省略する。
而して、本実施形態に係る電動リール155−1によれば、スプールモータ41の放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することができると共に、スプールモータ41の組付時に、スプールモータ41の軸受部103の外周と端面85との間で弾性シール部材101−1がキャップ87で挟持されて引っ張られて変形しても、凹部159を設けて弾性変形し易くした薄肉部分が伸びてその変形を吸収するため、右モータ軸79の外周と内周縁部107−1との接触状態が安定して確実なシール性を確保することができる利点を有する。
【0038】
図6は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第三実施形態を示し、本実施形態は、第一実施形態の円形状の通路113に代え、スプール13−1の釣糸巻回胴部29−1に、スプール13−1の軸方向に伸びるスリット状の貫通孔を周方向へ等間隔に複数設けて、これらを収容部31に通じる通路161としたものである。
【0039】
尚、その他の構成は図1の第一実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
而して、本実施形態にあっても、実釣時に釣糸巻回胴部29−1に巻回された釣糸115中の水分が、複数の通路161から収容部31内に流入して収容体15の熱で気化するため、気化熱を利用してスプールモータ41の放熱が行われることとなる。
【0040】
従って、本実施形態に係る電動リール155−2によっても、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、スプールモータ41の放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することができることとなった。
図7は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第四実施形態を示し、本実施形態は、既述した支持板17と同様、フレーム3の側枠5に着脱自在な支持板17−1に、既述した収容体15と同一形状の収容体15−1を一体成形したもので、その他の構成は図1の第一実施形態と同様であるため、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0041】
而して、本実施形態に係る電動リール155−3によっても、弾性シール部材63,65,71,99,101によるシール作用でスプールモータ41の確実な水密性が確保されると共に、実釣時に、釣糸巻回胴部29に巻回された釣糸115に付着した水分が、複数の通路113から収容部31内に流入して収容体15−1の熱で気化するため、気化熱を利用してスプールモータ41の放熱が効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することができる利点を有する。
【0042】
図8は請求項1乃至請求項3に係る電動リールの一実施形態を示し、本実施形態に係る電動リール155−4は、図1の実施形態の構成に加え、スプール13−2の釣糸巻回領域であるスプールフランジ25−1の内側面に沿ってスプール13−2の径方向に設けた溝163と、当該溝163と同軸上を連通して収容部31に至る貫通孔165とからなる通路167をスプール13−2に複数設けたもので、釣糸巻回後も、当該通路167から釣糸巻回胴部29−2(収容部31)内に、水や冷却材を外部から注入できるようにしたものである。
【0043】
而して、本実施形態によれば、上述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能であることは勿論、釣糸巻回後も、必要に応じ通路167から釣糸巻回胴部29−2内に水や冷却材を外部から注入することができるため、実釣時に於けるモータ放熱の幅広い対応が可能となる利点を有する。
尚、釣糸巻回領域に形成される通路の形状や個数,配置等は、必要に応じ適宜変更されるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、各請求項に係る発明によれば、スプールの釣糸巻回領域に、スプールモータを収容する収容部に通じる通路を設けたので、釣糸に付着した水分を釣糸巻回時に安定して収容部内に誘導できることとなってスプールモータの放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することが可能となった。
【0045】
また、請求項3に係る発明によれば、釣糸巻回後も、必要に応じ通路から釣糸巻回胴部内に水や冷却材を外部から注入することができるため、実釣時に於けるモータ放熱の幅広い対応が可能となる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の第一実施形態に係る電動リールの断面図である。
【図2】スプールの釣糸巻回胴部の断面図である。
【図3】図1に示す電動リールの要部拡大断面図である。
【図4】図1に示す電動リールの要部拡大断面図である。
【図5】請求項1及び請求項2の第二実施形態に係る電動リールの収容体の取付構造とそのシール構造を示す要部拡大断面図である。
【図6】請求項1及び請求項2の第三実施形態に係る電動リールの要部拡大断面図である。
【図7】請求項1及び請求項2の第四実施形態に係る電動リールの断面図である。
【図8】請求項1乃至請求項3の一実施形態に係る電動リールの断面図である。
【符号の説明】
1 リール本体
3 フレーム
5,7 側枠
9,11 側板
13,13−1,13−2 スプール
15,15−1 収容体
17,17−1 支持板
23 ハンドル
25,25−1,27 スプールフランジ
29 釣糸巻回胴部
31 収容部
41 スプールモータ
87 キャップ
113,161 通路
115 釣糸
117 減速機構
125 回転駆動軸
137 ドラグ装置
145 ドライブギヤ
147 ハンドル軸
155,155−1,155−2,155−3,155−4 電動リール
159 凹部
163 溝
165 貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータを、スプールの釣糸巻回胴部内に収容した魚釣用電動リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来周知のように魚釣用リールは、海水,水,異物等が浸入,付着し易い厳しい状況下で使用されるため、実釣時にリール本体内の駆動部に水や異物等が浸入,付着しないようにしなければならない。とりわけ、スプール駆動モータ(以下、「スプールモータ」という)等の電装部品が装着された魚釣用電動リール(以下、「電動リール」という)にあっては、特に防水面での配慮が厳しく要求されている。
【0003】
このため、スプールの釣糸巻回胴部内の収容部にスプールモータを収容した所謂スプールインタイプの電動リールに於ても、従来、スプールモータに対する様々な防止対策が施されている。
而して、電動リールは、実釣時に張力のかかった釣糸をスプールモータで巻き上げる構造上、スプールモータは発熱する。
【0004】
しかし、上述したようにスプールインタイプの電動リールは、スプールモータがスプールの釣糸巻回胴部内に水密性を以って収容されているため、スプールモータの放熱性が悪く、長時間に亘る使用でスプールモータが加熱し、モータ性能が低下して巻上げ効率が悪くなってしまうといった構造上の問題点が指摘されている。
【0005】
そこで、昨今、このようなスプールモータの放熱性の不具合を解消すべく、スプールフランジの外側面に吸水性の高い材料からなる吸水部材を取り付け、釣糸の巻回時に、釣糸に付着している水滴をこの吸水部材に集めてスプールを冷却することで、スプールモータの放熱性の向上を図った電動リールが知られている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開昭64−17170号公報(第1頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記電動リールは、釣糸の巻回時に、釣糸に付着する水滴がスプールフランジ外周とリール本体との微小間隙から内部に浸入する現象を利用し、斯様に内部に浸入する水滴を吸水部材で集めてスプールの冷却を図るものであるが、釣糸はスプールの釣糸巻回胴部に巻回されるため、巻回領域外のスプールフランジの外側面に取り付けた吸水部材に、釣糸に付着した水滴を安定して吸水させることができないのが実情であった。
【0008】
また、この従来例は、吸水部材に吸水された水でスプールフランジを冷却する構成のため、スプールモータとの離間距離が大きく放熱効率が悪いといった不具合も指摘されている。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、スプールモータの放熱性能を高めて、加熱によるモータ性能の低下を防止したスプールインタイプの電動リールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールの釣糸巻回胴部内の収容部に、スプールを巻取り駆動するスプールモータを収容した電動リールに於て、上記スプールモータを、収容部内に水密性を以って収容すると共に、スプールの釣糸巻回領域に、上記収容部とスプール外部とを連通させる通路を設けたことを特徴とする。
【0010】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動リールに於て、通路は、スプールの釣糸巻回胴部を貫通する貫通孔からなることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の電動リールに於て、通路は、スプールのスプールフランジの内側面に沿って設けられた溝と、当該溝と連通してスプールを貫通する貫通孔とからなることを特徴とする。
【0011】
(作用)
各請求項に係る発明によれば、釣糸巻回時に、釣糸に付着する水分がスプールの釣糸巻回領域に設けた通路から収容部内に流入して、スプールモータの冷却を図ることとなる。
また、請求項3に係る発明によれば、釣糸巻回後も、必要に応じスプールフランジの内側面に沿って設けた通路から釣糸巻回胴部内に水や冷却材を外部から注入することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図4は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第一実施形態を示し、図1に於て、1はフレーム3の左右の側枠5,7に側板9,11が着脱自在に装着されたリール本体、13はスプールで、フレーム3の左側の側枠5に、後述する筒状の収容体(モータケース)15が取り付く支持板(セットプレート)17がネジ19で固定され、反対側の側板11の下方に、手動巻取り駆動機構21のハンドル23が回転可能に取り付けられている。
【0013】
而して、スプール13の左右のスプールフランジ25,27間に位置する釣糸巻回胴部29内には、スプール13と軸心を同じくしてスプールフランジ25側に開口する断面円形形状の凹状の収容部31が設けられており、スプール13のスプーフランジ25側は、当該収容部31に収容された収容体15の外周に軸受33を介して回転可能に支持されている。また、スプール13のスプールフランジ27側は、その外側面にビス止めしたブラケット35と、側枠7にネジ止めした支持板(セットプレート)37との間に装着した軸受39を介してリール本体1に回転可能に支持されている。
【0014】
そして、上記収容体15内に、これと軸心を同じくしてスプールモータ41が収容されており、その左モータ軸43は、支持板17に突設した筒状の軸受支持部45内に一方向クラッチ47を介して支持されている。
図1乃至図4に示すように収容体15はフレーム3や支持板17と別体で、前記収容部31内に若干の間隙を空けて収容可能な円筒状に成形されており、支持板17側に開口するその開口部(モータ出入口)49の外周に、径方向外方へ突出する環状のフランジ部51が設けられている。
【0015】
一方、図3及び図4に示すように支持板17には、上記開口部49の内周に沿って位置決め用の係合突起53が環状に突設されており、当該係合突起53に収容体15の開口部49を係合させてフランジ部51を支持板17にネジ19で固定することで、収容体15が支持板17に一体的に取り付くようになっている。そして、係合突起53の外周に設けた凹部55内には、O−リング等の弾性シール部材57が介装されており、当該弾性シール部材57によって収容体15と支持板17の接合部分の水密性が確保されている。
【0016】
更に、スプールモータ41の水密性を確保するため、スプールモータ41の左モータ軸43側の端面61と既述した軸受支持部45の先端との間に環状の弾性シール部材63が介装されると共に、当該軸受支持部45の内周に筒状の弾性シール部材65が一方向クラッチ47との間に介装されている。そして、スプールモータ41の電気接点67に接続された電気ライン69が支持板17を貫通して配線されているが、当該電気ライン69と支持板17との間にも弾性シール部材71が介装されて、収容体15に対する水密性が確保されている。
【0017】
そして、図4中、73は収容体15内に収容されたスプールモータ41の回転を防止する回止め機構で、当該回止め機構73は支持板17から軸方向に伸びる支持体75と、当該支持体75が係合可能にスプールモータ41の端面61に形成された凹部77とで構成されている。
一方、図4に示すように収容体15は、スプールモータ41の右モータ軸79側もそのまま開口し、この開口部81から右モータ軸79が側板11方向に突出しているが、開口部81の周縁部には内方へ屈曲した縮径部83が設けられている。そして、当該開口部81を覆って、スプールモータ41の端面85の形状に沿って硬質材料で成形されたキャップ87が縮径部83に冠着されている。
【0018】
キャップ87は、縮径部83に嵌合する外端部89と、右モータ軸79が挿通するモータ軸挿通孔91が中央に形成された内周縁部93と、これらを連結して開口部81を閉塞するキャップ本体部95とからなり、外端部89は前記縮径部83の凹部97内に装着した弾性シール部材99に圧接して、その嵌合部分の水密性が確保されている。
【0019】
また、右モータ軸79が挿通するモータ軸挿通孔91から収容部31への水の浸入を防止するため、キャップ87とスプールモータ41の端面85との間に略筒状の弾性シール部材101が介装されている。
【0020】
図4に示すように弾性シール部材101は、スプールモータ41の軸受部103の外周と端面85との間にキャップ87で挟持される外端フランジ部105と、右モータ軸79の外周にシール状態で接触する内周縁部107とで構成されており、この弾性シール部材101によってモータ軸挿通孔91からの水の浸入防止が図られている。そして、キャップ87は、スプール13の内周から径方向に突設された円盤状の支持部109に軸受111を介して支持されており、スプール13は、既述した軸受33,39とこの軸受111によってリール本体1に回転可能に支持されている。
【0021】
このように本実施形態は、スプールモータ41を釣糸巻回胴部29の収容部31内に装着するに当たり、弾性シール部材57,63,65,71,99,101を用いてスプールモータ41を収容体15内に収容し、これらを収容部31内に収容してスプールモータ41に対する水密性を確保したが、この反面、斯様に水密性を以ってスプールモータ41を釣糸巻回胴部29内に収容すると、スプールモータ41の放熱性が悪く、長時間に亘る使用でスプールモータ41が加熱してしまう虞がある。
【0022】
そこで、図1乃至図4に示すように本実施形態は、スプール13の釣糸巻回領域である釣糸巻回胴部29の周方向と軸方向に、収容部31に通じる円形状の貫通孔からなる通路113を複数設けて、釣糸巻回胴部29に巻回された釣糸115に付着している水分がこの通路113から収容部31内に流入するようにしたもので、収容体15は駆動するスプールモータ41の熱で加熱しているため、収容部31内に流入した水分は収容体15の熱で気化し、この気化熱でスプールモータ41の放熱が図られるようになっている。
【0023】
そして、この通路113は、上述したように釣糸115に付着している水分を収容部31内に誘導する水路や、水分が気化する際の蒸気路として機能する他、モータ熱の放熱空気路としても機能する。
【0024】
このように本実施形態は、通路113から収容部31内に流入した水分が、収容体15の熱で気化する気化熱を利用してスプールモータ41の放熱を図ったもので、既述したように収容体15内に収容されたスプールモータ41は、弾性シール部材57,63,65,71,99,101によって水密性が確保されているため、通路113を通って収容部31内に流入した水分が収容体15内に浸入することはない。
【0025】
その他、図1中、117は3つの遊星歯車機構119,121,123からなる従来周知の減速機構で、当該減速機構117はモータ軸挿通孔91から突出する右モータ軸79に連結されている。
そして、右モータ軸79と側板11との間に、手動巻取り駆動機構21からの巻取り動力を減速機構117に伝達する回転駆動軸125が右モータ軸79と同軸上に取付けられており、当該回転駆動軸125は3つの軸受127,129,131を介して前記ブラケット35と側板11間に回動自在に支持されている。そして、回転駆動軸125に第3の遊星歯車機構123のキャリア133が係止ピン135を介して連結されている。
【0026】
更に、回転駆動軸125上には、釣糸115の繰り出しで回転するスプール13に制動力を付与し乍ら、スプール13の釣糸繰出し方向への回転を許容する制動作用を与えると共に、この制動作用を利用してスプール13をスプールフリー状態と釣糸巻取り状態とに切り換える従来周知のドラグ装置137が装着されており、回転駆動軸125上の側板11にドラグ装置137のドラグ力を調節するドラグレバー139が取り付けられている。
【0027】
そして、ドラグ装置137を構成する押圧体141の外周にピニオン143が当該押圧体141と一体回転可能に嵌合し、このピニオンギヤ143に手動巻取り駆動機構21のドライブギヤ145が噛合している。
【0028】
従来周知のように手動巻取り駆動機構21は、図1に示すようにハンドル23と、当該ハンドル23が取り付くハンドル軸147と、これに回止め嵌合されたドライブギヤ145とで構成されており、ハンドル軸147の挿入先端側には、スプール13をスプールモータ41で巻取り駆動した際に、これに連動してハンドル軸147が回転しないようにその逆転防止を図る逆転防止装置149が設けられている。
【0029】
この逆転防止装置149は、ハンドル軸147に回止め嵌合されたラチェット151と、当該ラチェット151に対し一定の付勢力で常時係止する係止爪(図示せず)とからなり、スプールモータ41でスプール13を巻取り駆動した際に、その回転方向ではラチェット151に係止爪が係止方向で噛み合ってラチェット151の回転、即ち、ハンドル軸147の回転が阻止されるようになっている。
【0030】
従って、スプールモータ41の駆動力は、減速機構117を介してスプール13のみに伝達されることとなる。また、これに対し、ハンドル操作でスプール13を釣糸巻取り方向に回転させた場合、その回転方向では係止爪がラチェット151の回転を許容するように構成され、この結果、ハンドル23の回転操作に連動してハンドル軸147を回転させることができるようになっている。
【0031】
そして、図1中、153は電動リール155のコネクタ157に接続した給電コードを示す。
本実施形態はこのように構成されており、スプールモータ41をスプール13の収容部31に収容するには、先ず、弾性シール部材63,101が装着されたスプールモータ41を、弾性シール部材99を介してキャップ87が端部に冠着された収容体15内に収容する。これにより、弾性シール部材101の外端フランジ部105がスプールモータ41の端面85とキャップ87とで挟持され、モータ軸挿通孔91から右モータ軸79が所定の同芯度を以って突出する。
【0032】
そして、支持板17に突設した支持体75をスプールモータ41の凹部77に係合させてスプールモータ41の回り止めを図り乍ら、一方向クラッチ47が装着された左モータ軸43を支持板17の軸受支持部45内に挿入した後、フランジ部51を支持板17にネジ19で固定すればよく、ネジ19の締付けで収容体15は支持板17に圧接し、これによりスプールモータ41は、弾性シール部材63,101を介して支持板17と収容体15,キャップ87との間でガタ付くことなく保持される。
【0033】
また、ネジ19を締め込んでいく過程で、スプールモータ41は、弾性シール部材63,65,101の弾性作用によって左右のモータ軸43,79の同芯度が微調整される。
そして、斯様に収容体15が固着された支持板17をフレーム3の側枠5にネジ19で固定すればよく、ネジ19を締め込んでいく過程で、弾性シール部材63,65,101の弾性作用によってスプールモータ41の左右のモータ軸43,79がスプール13や回転駆動軸125の軸芯と一致するように微調整され、また、スプールモータ41の駆動時に於ても、弾性シール部材63,65,101の弾性作用によって左右のモータ軸43,79がスプール13や回転駆動軸125の軸芯と一致するように微調整されることとなる。
【0034】
更に、各弾性シール部材57,63,65,71,99,101が、収容体15内部への海水や異物等の浸入を防止する。
そして、実釣時にスプールモータ41の駆動や、ハンドル23の巻取り操作でスプール13の釣糸巻回胴部29に釣糸115が巻回されるが、巻回された釣糸115に付着する水分が、釣糸巻回胴部29に設けた複数の通路113から収容部31内に流入する。そして、収容部31に収容されている収容体15は、駆動するスプールモータ41の熱で加熱しているため、収容部31内に流入した水分は収容体15の熱で気化し、この気化熱でスプールモータ41の放熱が行われることとなる。
【0035】
このように本実施形態は、スプール13の釣糸巻回胴部29に、収容部31に通じる通路113を複数設けたので、既述した特許文献1の従来例に比し釣糸115に含まれる水分を釣糸巻回時に安定して収容部31内に誘導できることとなって、スプールモータ41の放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することが可能となった。
【0036】
また、本実施形態は、支持板17をフレーム3に着脱自在に構成すると共に、収容体15を当該支持板17から着脱自在に構成したので、長期に亘る使用で通路113から収容部31内に異物等が入り込んでも、メンテナンスが容易である利点を有する。
図5は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第二実施形態を示し、本実施形態は、既述した弾性シール部材101に代え、スプールモータ41の右モータ軸79の外周に接触する内周縁部107−1の近傍に当該右モータ軸79を軸芯とする環状の凹部159を設けることにより、内周縁部107−1を部分的に薄肉化して容易に弾性変形し易くした弾性シール部材101−1を用いたことを特徴とする。
【0037】
尚、その他の構成は上記第一実施形態と同様であるので、同一のものに同一符号を付してそれらの説明は省略する。
而して、本実施形態に係る電動リール155−1によれば、スプールモータ41の放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することができると共に、スプールモータ41の組付時に、スプールモータ41の軸受部103の外周と端面85との間で弾性シール部材101−1がキャップ87で挟持されて引っ張られて変形しても、凹部159を設けて弾性変形し易くした薄肉部分が伸びてその変形を吸収するため、右モータ軸79の外周と内周縁部107−1との接触状態が安定して確実なシール性を確保することができる利点を有する。
【0038】
図6は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第三実施形態を示し、本実施形態は、第一実施形態の円形状の通路113に代え、スプール13−1の釣糸巻回胴部29−1に、スプール13−1の軸方向に伸びるスリット状の貫通孔を周方向へ等間隔に複数設けて、これらを収容部31に通じる通路161としたものである。
【0039】
尚、その他の構成は図1の第一実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
而して、本実施形態にあっても、実釣時に釣糸巻回胴部29−1に巻回された釣糸115中の水分が、複数の通路161から収容部31内に流入して収容体15の熱で気化するため、気化熱を利用してスプールモータ41の放熱が行われることとなる。
【0040】
従って、本実施形態に係る電動リール155−2によっても、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、スプールモータ41の放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することができることとなった。
図7は請求項1及び請求項2に係る電動リールの第四実施形態を示し、本実施形態は、既述した支持板17と同様、フレーム3の側枠5に着脱自在な支持板17−1に、既述した収容体15と同一形状の収容体15−1を一体成形したもので、その他の構成は図1の第一実施形態と同様であるため、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0041】
而して、本実施形態に係る電動リール155−3によっても、弾性シール部材63,65,71,99,101によるシール作用でスプールモータ41の確実な水密性が確保されると共に、実釣時に、釣糸巻回胴部29に巻回された釣糸115に付着した水分が、複数の通路113から収容部31内に流入して収容体15−1の熱で気化するため、気化熱を利用してスプールモータ41の放熱が効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することができる利点を有する。
【0042】
図8は請求項1乃至請求項3に係る電動リールの一実施形態を示し、本実施形態に係る電動リール155−4は、図1の実施形態の構成に加え、スプール13−2の釣糸巻回領域であるスプールフランジ25−1の内側面に沿ってスプール13−2の径方向に設けた溝163と、当該溝163と同軸上を連通して収容部31に至る貫通孔165とからなる通路167をスプール13−2に複数設けたもので、釣糸巻回後も、当該通路167から釣糸巻回胴部29−2(収容部31)内に、水や冷却材を外部から注入できるようにしたものである。
【0043】
而して、本実施形態によれば、上述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能であることは勿論、釣糸巻回後も、必要に応じ通路167から釣糸巻回胴部29−2内に水や冷却材を外部から注入することができるため、実釣時に於けるモータ放熱の幅広い対応が可能となる利点を有する。
尚、釣糸巻回領域に形成される通路の形状や個数,配置等は、必要に応じ適宜変更されるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、各請求項に係る発明によれば、スプールの釣糸巻回領域に、スプールモータを収容する収容部に通じる通路を設けたので、釣糸に付着した水分を釣糸巻回時に安定して収容部内に誘導できることとなってスプールモータの放熱を効率良く行え、加熱によるモータ性能低下を確実に防止することが可能となった。
【0045】
また、請求項3に係る発明によれば、釣糸巻回後も、必要に応じ通路から釣糸巻回胴部内に水や冷却材を外部から注入することができるため、実釣時に於けるモータ放熱の幅広い対応が可能となる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の第一実施形態に係る電動リールの断面図である。
【図2】スプールの釣糸巻回胴部の断面図である。
【図3】図1に示す電動リールの要部拡大断面図である。
【図4】図1に示す電動リールの要部拡大断面図である。
【図5】請求項1及び請求項2の第二実施形態に係る電動リールの収容体の取付構造とそのシール構造を示す要部拡大断面図である。
【図6】請求項1及び請求項2の第三実施形態に係る電動リールの要部拡大断面図である。
【図7】請求項1及び請求項2の第四実施形態に係る電動リールの断面図である。
【図8】請求項1乃至請求項3の一実施形態に係る電動リールの断面図である。
【符号の説明】
1 リール本体
3 フレーム
5,7 側枠
9,11 側板
13,13−1,13−2 スプール
15,15−1 収容体
17,17−1 支持板
23 ハンドル
25,25−1,27 スプールフランジ
29 釣糸巻回胴部
31 収容部
41 スプールモータ
87 キャップ
113,161 通路
115 釣糸
117 減速機構
125 回転駆動軸
137 ドラグ装置
145 ドライブギヤ
147 ハンドル軸
155,155−1,155−2,155−3,155−4 電動リール
159 凹部
163 溝
165 貫通孔
Claims (3)
- リール本体の側板間に回転自在に支持されたスプールの釣糸巻回胴部内の収容部に、スプールを巻取り駆動するスプール駆動モータを収容した魚釣用電動リールに於て、
上記スプール駆動モータを、収容部内に水密性を以って収容すると共に、スプールの釣糸巻回領域に、上記収容部とスプール外部とを連通させる通路を設けたことを特徴とする魚釣用電動リール。 - 通路は、スプールの釣糸巻回胴部を貫通する貫通孔からなることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
- 通路は、スプールのスプールフランジの内側面に沿って設けられた溝と、当該溝と連通してスプールを貫通する貫通孔とからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用電動リール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003184338A JP2005013137A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 魚釣用電動リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003184338A JP2005013137A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 魚釣用電動リール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005013137A true JP2005013137A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34184140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003184338A Pending JP2005013137A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 魚釣用電動リール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005013137A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038901A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Takata Corp | シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 |
JP2010029145A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Globeride Inc | 魚釣用電動リール |
-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003184338A patent/JP2005013137A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038901A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Takata Corp | シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 |
JP4725911B2 (ja) * | 2005-08-04 | 2011-07-13 | タカタ株式会社 | シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置 |
JP2010029145A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Globeride Inc | 魚釣用電動リール |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4943406B2 (ja) | 魚釣用リール | |
JP2009012542A (ja) | 電動用ハブ装置および電動車両 | |
US20040227029A1 (en) | Electronic circuit device for fishing equipment | |
JP5749215B2 (ja) | 魚釣用リール | |
JP2010273581A (ja) | 魚釣用リール | |
JP2005013137A (ja) | 魚釣用電動リール | |
JP2014057544A (ja) | スピニングリール | |
JP2005021085A (ja) | 魚釣用電動リール | |
JP4144894B2 (ja) | 魚釣用電動リール | |
JP6046385B2 (ja) | 電動リールのレベルワインド機構 | |
KR102042701B1 (ko) | 모터 홀더, 모터 조립체 및 모터 조립체를 구비하는 전동 릴 | |
JP4057254B2 (ja) | 魚釣用スピニングリール | |
JP2008154482A (ja) | スピニングリールのリール本体 | |
JP2008178345A (ja) | 魚釣用電動リール | |
JP2014000029A5 (ja) | ||
US7614575B2 (en) | Electric reel for fishing | |
JP2004350587A (ja) | 魚釣用電動リール | |
US11964852B1 (en) | Electrically propelled towing apparatus | |
JP4409417B2 (ja) | 魚釣用電動リール | |
JP2005034066A (ja) | 魚釣用電動リール | |
CN217201432U (zh) | 绕线器 | |
JP7456875B2 (ja) | 魚釣用電動リール | |
JP3515899B2 (ja) | 魚釣用電動リール | |
US9961889B2 (en) | Fishing reel | |
JPH10271940A (ja) | 魚釣用電動リール |