JP2005010692A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真感光体から中間転写体へトナーが転写される際に生じる、転写チリや転写不良による画質の劣化を抑制し、その転写画像の劣化抑制状態を維持した画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する。そのような画像形成装置において、像担持体と中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する。一方、像担持体を、導電性基体81上に感光層82と表面保護層83とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されている。
【選択図】 図4
【解決手段】像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する。そのような画像形成装置において、像担持体と中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する。一方、像担持体を、導電性基体81上に感光層82と表面保護層83とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機など、用紙・OHPフィルム等の転写材に画像を記録する画像形成装置に関する。特に、電子写真方式を用い、像担持体である電子写真感光体上にトナー画像を形成し、そのトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を二次転写して転写材に画像を記録する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体から中間転写体へ転写される際の代表的な画像劣化としては、転写チリおよび転写不良がある。転写チリとは、トナー像が転写される際に、本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写されてしまい、結果として画像がぼけてしまう現象であり、特に細線部分での画像のシャープさを損なわせるものである。
【0003】
転写チリの発生原因は、転写ニップ入り口での電界の作用で感光体上のトナーが中間転写体上にプレ転写することによって生じる。加えて、例えば転写ニップ入り口で放電が生じた場合には、放電の影響を受けたトナーの帯電量(Q/M)が低下し、静電付着力が小さくなってしまうことで、トナー同士のクーロン反発力に打ち勝てなくなって転写チリ発生をさらに増加させてしまう結果となる。
【0004】
帯電量の低下したトナーについては、電界による力が感光体とトナー間の付着力に打ち勝つことができず、転写不良となって感光体上に残ってしまう問題も生じる。さらに、感光体の表面状態が悪化すると、転写不良はさらに顕著になる。
このように、転写ニップ入り口での放電は、トナーの帯電特性を変化させ、転写性に大きな影響を及ぼす。
【0005】
【特許文献1】特開平8−166728号公報
こうした不具合を抑制するため、これまで多くの発明がなされている。プロセス的にこれら不具合を抑制する発明として、例えば特許文献1に記載されるものでは、転写領域の上流側において像担持体と中間転写体を押圧する部材を設けて転写前の空隙を減少させ、飛翔を防止している。
【0006】
【特許文献2】特開平10−186878号公報
一方、特許文献2に記載されるものでは、転写ニップ部の上流側に像担持体の帯電極性と同極性の電位またはゼロ電位となる導電性部材を設けている。特許文献2に記載の発明によれば、作像に使用されているトナーと同極性のバイアスを印加するので、トナーを積極的に引き付ける力は生じにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されるものでは、押圧部材にトナーの帯電極性と反対の極性を印加しているため、押圧部材の形成する電界が、トナーに対し転写体方向に飛翔させる方向である。したがって、プレ転写による画像チリは完全には除去できない。また、特許文献2に記載されるものでは、一般の像担持体において、トナーが付着している画像部電位はゼロではなく、いくらかの像担持体帯電極性と同極性の残留電位があることが通常である。したがって、前記導電性部材の電位がゼロの場合には、トナーを像担持体側へ移動させる方向の電界は形成できていない。
【0008】
また、特許文献1や特許文献2に記載のものでは、先述のように感光体とトナー間には静電的または非静電的な付着力が働いており、トナーが移動するためには電界による力がそれに打ち勝つ必要がある。しかし、特許文献1や特許文献2に記載の発明においては、感光体の表面特性については考慮されていない。感光体表面の初期特性は良好であるが、繰り返し使用することで、傷やフィルミングや磨耗といった問題が生じてくる。トナーと感光体間の付着力は感光体表面特性の影響も大きく受けるため、プロセス的な画像劣化抑制策に加えて感光体の表面特性の維持も併せて必要となる。
【0009】
そこで、この発明の目的は、電子写真感光体から中間転写体へトナーが転写される際に生じる、転写チリや転写不良による画質の劣化を抑制し、その転写画像の劣化抑制状態を維持した画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、
前記像担持体と前記中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、
前記像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、
前記像担持体と前記中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、
前記像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質と光重合開始剤からなり紫外線架橋されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記表面保護層が、酸素濃度5%以下の雰囲気にて放射線架橋または紫外線架橋されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記接触部より上流側における前記中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段を、前記接触部または前記接触部よりも像担持体回転方向下流側における前記中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段を備える、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がローラよりなる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がブラシよりなる、ことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がブレードよりなる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段が、ローラ、ブラシおよびブレードのうちのいずれか2つの組合せよりなる、ことを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記接触部よりも像担持体回転方向上流側において、前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面の間に非接触の電圧印加部材を備え、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質の含有量が、30重量%以上50重量%以下である、ことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1、2、または10に記載の画像形成装置において、前記放射線架橋剤の少なくとも1種の分子量/官能基数が200以下である、ことを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1、2、または10に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質が、アクリレートまたはメタクリレート付加物である、ことを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、使用されるトナーの平均粒径が6μm以下である、ことを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、使用されるトナーの円形度が0.96以上である、ことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明によるカラー画像形成装置の一例であるカラー複写機の全体概略構成を示す。
【0025】
図中符号100は複写機本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写機本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける自動原稿搬送装置(ADF)である。
【0026】
複写機本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を、図示例では1つの駆動ローラ14と2つの従動ローラ15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能に設ける。もちろん、別途中間転写体10の片寄りを調整するローラに掛け回すなど、4つ以上のローラに掛け回すようにしてもよい。なお、中間転写体10は、図示例ではほぼ水平に張り渡すが、水平ではなく、斜めに傾斜して張り渡すようにしてもよい。
【0027】
この図示例では、一方の従動ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を設ける。
【0028】
また、駆動ローラ14と従動ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの4つの単色作像手段18を横に並べて配置してタンデム作像装置20を設ける。タンデム作像装置20の上には、さらに露光装置21を設ける。
【0029】
一方、中間転写体10の張り渡し領域の下方には、二次転写装置22を備える。二次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成し、他方の従動ローラ16に押し当てて中間転写体10上の画像を転写材に転写する。
【0030】
二次転写装置22の横には、転写材上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0031】
上述した二次転写装置22には、画像転写後の転写材をこの定着装置25へと搬送する媒体搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、無端ベルトを用いるが、ベルトの代りにローラや非接触のチャージャを配置してもよく、チャージャを用いた場合は、この媒体搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0032】
さて、このような二次転写装置22および定着装置25の下には、中間転写体10の張り渡し方向と平行に、転写材の両面に画像を形成すべく転写材を反転する転写材反転装置28を備える。
【0033】
ところで、いまこのカラー複写機を用いてコピーをとるときは、自動原稿搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、自動原稿搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0034】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動してから、スキャナ300を駆動して原稿内容を読み取る。コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、そのまま原稿内容を読み取る。
【0035】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで駆動ローラ14を回転駆動して従動ローラ15・16を従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の単色作像手段18でその像担持体40を回転して各像担持体40上にそれぞれ、イエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次重ね一次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0036】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから転写材を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0037】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写材を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0038】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と二次転写装置22との間に転写材を送り込み、二次転写装置22で中間転写体10上の合成カラー画像を一括して二次転写して転写材上にカラー画像を形成する。
【0039】
この二次転写部分において、転写材裏面に負極性のバイアス電圧、例えば−800〜−2000Vを印加し、また例えば50N/cm2程度の圧力をかける。この印加電圧によって発生した電界による静電気力と圧力とによって、中間転写体10のトナーを引き寄せ、転写材に一括転写する(二次転写)。
【0040】
画像転写後の転写材は、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えて転写材反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を形成して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0041】
一方、画像転写後の中間転写体10は、ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム作像装置20による再度の画像形成に備える。
【0042】
さて、上述したタンデム作像装置20において、各単色作像手段18は、詳しくは、例えば図2に示すように、ドラム状の像担持体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、一次転写装置62、クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
【0043】
図示省略するが、これら単色作像手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
【0044】
単色作像手段18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例では帯電ローラを用い、非接触ローラ帯電方式で像担持体40に非接触として電圧を印加することによりその像担持体40の非画像部を−700V程度に帯電する。
【0045】
現像装置61は、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを像担持体10に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0046】
攪拌部66には、平行な2本の攪拌スクリュ68を設ける。2本の攪拌スクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切る。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0047】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して像担持体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。
【0048】
そして、2成分現像剤を2本の攪拌スクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0049】
他方、現像スリーブ65上の現像剤は、像担持体40に転移してその像担持体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0050】
一次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで像担持体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のチャージャであってもよい。
【0051】
クリーニング装置63は、先端を像担持体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を像担持体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0052】
そして、像担持体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、像担持体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に回転してバイアスを印加する電界ローラ77で取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。除去したトナーは、回収スクリュ79で不図示の廃トナーボトルへと搬送し、または現像装置61へと戻して再利用する。
【0053】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して像担持体40の表面電位を初期化する。
【0054】
そして、像担持体40の回転とともに、まず帯電装置60で像担持体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して像担持体40上に静電潜像を形成する。
【0055】
その後、現像装置61によりトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その像担持体40上のトナー像を一次転写装置62で中間転写体10に一次転写する。画像転写後の像担持体40の表面は、クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0056】
ところで、図示タンデム作像装置20では、詳しくは図3に示すように、イエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの4つの単色作像手段18Y・18M・18C・18Kを、ブラックの単色作像手段18BKを最上流側に位置して中間転写体10の図中矢示する搬送方向に沿って順に配置する。
【0057】
さて、この発明による画像形成装置は、トナーの種類や現像方式を、図1に示す画像形成装置で使用するものに制限するものではない。
【0058】
例えば一成分磁性トナーであれば、トナー同士の摩擦帯電によりトナーを帯電させてマグネットと現像スリーブの回転で現像領域へと搬送するBTM(Bipolar Magnetic Toner)方式や、現像スリーブ上に薄層のトナー層を形成しこれを像担持体に近接させて交流バイアスによってトナーを飛翔させて現像するジャンピング方式などを用いることができる。
【0059】
非磁性トナーの場合は、導電性または表面絶縁現像ローラにトナーを付着して現像領域へとトナーを運ぶNSP(Non−Magnetic Single−Component Development Process)方式や、非磁性トナージャンピング方式、二成分トナーであれば、磁気ブラシ現像法などを用いることができる。
【0060】
中間転写体10は、例えば、ポリフッ化ビニルデン樹脂フィルムシートで成型されたシームレスベルト(体積抵抗8E9Ωcm)を用いる。ベルト材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムシート(PETシート)やポリウレタン樹脂フィルムシートなどの誘電体樹脂製のフィルムが広く用いられている。
また、ベルトの材質やその抵抗値によって適正な印加バイアス値も異なってくるのはもちろんである。
【0061】
図4には、上述したカラー複写機で用いる像担持体40の部分断面を示す。
この図4から判るとおり、像担持体40は、導電性支持体(導電性基体)81上に感光層82と表面保護層83とを順に積層してなる電子写真感光体で構成する。感光層82は、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層84と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層85との積層で形成されている。
【0062】
図5には、像担持体40の他例の部分断面を示す。
この図5に示す像担持体40では、感光層82の電荷発生層84と電荷輸送層85とを逆にし、電荷輸送層85上に電荷発生層84を設ける。
【0063】
導電性支持体81は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状または円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板またはそれらを素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管などからなるものである。
【0064】
電荷発生層84は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生材料には、無機または有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0065】
電荷発生層84は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタンなどの溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などにより行う。
【0066】
前記の適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることができる。バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して0〜2部が適当である。
【0067】
電荷発生層84は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。
電荷発生層84の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
【0068】
電荷輸送層85は、電荷輸送材料およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
【0069】
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。
【0070】
電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0071】
正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0072】
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材料を用いる場合、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥して電荷輸送層を形成してもよい。高分子電荷輸送材料は、上記低分子電荷輸送材料に電荷輸送性置換基を主鎖または側鎖に有した材料であればよい。特に好ましい高分子電荷輸送材料は、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルなどであり、中でもトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートの使用が有利である。
【0073】
さらに必要により、高分子電荷輸送材料にバインダー樹脂、低分子電荷輸送材料、可塑剤、レベリング剤、潤滑剤などを適量添加することもできる。
【0074】
電荷輸送材料と共に電荷輸送層85に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0075】
必要により電荷輸送層85に添加される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、樹脂に汎用の可塑剤を挙げることができ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜30%程度が適当である。
【0076】
必要により電荷輸送層85に添加されるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーまたはオリゴマーが挙げられ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜1%程度が適当である。
【0077】
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレンなどが挙げられる。
【0078】
電荷輸送層85の厚さは、5〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
【0079】
この発明においては、感光層82に含有される電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の40重量%以上とするのが好ましい。40重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。
【0080】
この発明の感光体における電荷輸送層移動度は、2.5×105〜5.5×105V/cmの範囲の電荷輸送層電界強度の条件下で、3×10−5cm2/V・s以上であることが好ましく、7×10−5cm2/V・s以上であることがより好ましい。この移動度は、各使用条件下でこれを達成するように構成を適宜調整できる。
この移動度は、従来公知のTOF(Time Of Flight)法により求めればよい。
【0081】
この発明の積層型電子写真感光体には、導電性支持体81と感光層82との間に下引き層を形成することができる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層82を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
【0082】
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
【0083】
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の微粉末を加えてもよい。この下引き層は、上記の感光層82と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0084】
さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などを使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。この他に、下引き層には、Al203を陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CwO2等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
【0085】
次に、表面保護層83について説明する。この発明の表面保護層の形成には、溶媒等を使用する場合があるが、この場合の溶媒としては、下引き層、感光層形成用の溶媒と同様のものが挙げられる。また、これらの溶媒の代わりに、取扱いを容易にするため反応性稀釈剤を使用することができる。反応性稀釈剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレートなどが挙げられる。
【0086】
表面保護層83の膜厚は、2〜10μmが適当である。表面保護層83の形成に用いられる放射線架橋剤としては、放射線照射により重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマーまたはオリゴマー(またはプレポリマー)であればすべて使用できる。
【0087】
このようなモノマーまたはオリゴマーとしては、(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等やメラミンアクリレートがある。(ポリ)エステルアクリレートは、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレングリコール等の多価アルコールとアジピン酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを反応させたものである。その構造例を(a)〜(c)に示す。
【0088】
(a)アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸
【化1】
【0089】
(b)無水フタル酸/プロピレンオキサイド/アクリル酸
【化2】
【0090】
(c)トリメリット酸/ジエチレングリコール/アクリル酸
【化3】
【0091】
(ポリ)ウレタンアクリレートは、トリレンジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネート基を有する化合物に、ヒドロキシル基を有するアクリレートを反応させたものである。その構造例を(d)に示す。なお、HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HDOは1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸の略である。
(d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TDI/HEA
【化4】
【0092】
エポキシアクリレートは、構造から大別してビスフェノールA型、ノボラック型および脂環型とがあり、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。その構造例を(e)〜(g)に示す。
(e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
【化5】
【0093】
(f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
【化6】
【0094】
(g)脂環型/アクリル酸
【化7】
【0095】
ポリブタジエンアクリレートは、末端OH基含有1,2ポリブタジエンにイソシアネートや1,2−メルカプトエタノール等を反応させてから、さらにアクリル酸等を反応させたものである。その構造例を(h)に示す。
(h)
【化8】
【0096】
シリコーンアクリレートは、例えば、有機官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロキサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタクリル変性したものであり、その構造例を(i)に示す。
(i)
【化9】
【0097】
これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上が混合して使用される。
前記の架橋剤の中では、2官能モノマーよりも多官能モノマーが好ましい。さらに多官能モノマーにおいても分子鎖が短く架橋密度が高い、分子量/官能基数が200以下となるもの少なくとも1種含まれることが好ましい。
【0098】
次に、この発明において使用される光重合開始剤は、ラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、さらにラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
1.ベンゾインエーテル
イソブチルベンゾインエーテル
イソプロピルベンゾインエーテル
ベンゾインエチルエーテル
ベンゾインメチルエーテル
2.α−アシロキシムエステル
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシシカルボニル)
オキシム
3.ベンジルケタール
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンベンジル
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
4.アセトフェノン誘導体
ジエトキシアセトフェノン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
5.ケトン−(ケトン−アミン系)
ベンゾフェノン
クロロチオキサントン
2−クロロチオキサントン
イソプロピルチオキサントン
2−メチルチオキサントン
塩素置換ベンゾフェノン
【0100】
これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上混合して使用される。添加量としては、架橋剤1重量部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量部である。
【0101】
この発明で使用される光重合促進剤は、ベンゾフェノン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものであり、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。
【0102】
これら光重合促進剤は、単独でまたは2種以上混合して使用される。添加量としては、光重合開始剤1重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
【0103】
これらの架橋剤を硬化する際の雰囲気中の酸素が硬化を阻害するため、表面の硬化度合が低くなることが知られている。これが、表面保護層のキズ、フィルミング、磨耗の原因となる。上記酸素阻害を防止する方法としては、酸素濃度が5%以下の雰囲気で硬化性樹脂を硬化することが望ましい。さらに、望ましくは2%以下である。酸素阻害を防止することで、硬化性樹脂は、表面まで完全に硬化する。
【0104】
この発明の放射線照射装置としては、紫外線照射装置、電子線照射装置等が挙げられる。
【0105】
この発明に用いる紫外線照射装置は、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置から構成されている。光源には水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプがあるが、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよい。また、紫外線照射条件については、架橋剤を架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度を決めればよい。紫外線照射時に発生したラジカルは、数時間残留するため滞留時間を設けることにより残留モノマーの反応が進むことが確認されている。
【0106】
さらに、前記した表面保護層の架橋剤は、電子線を用いて架橋させることもできる。電子線により架橋をする場合は、光重合開始剤を必要としない。ただし、電子線は、透過力が大きく感光特性に影響が大きいため安定した生産性が得られにくい。また、電子線を用いる場合も、酸素阻害やオゾン発生等より酸素濃度は、2%以下とする必要がある。
【0107】
表面保護層に用いられる電荷輸送物質は、電荷輸送層に用いられるそれと同じ材料が用いられるが、好ましくはアクリレートまたはメタクリレート付加物が好ましい。該電荷輸送材料のアクリレートまたはメタクリレート基がバインダーとなる架橋剤の官能基と架橋反応することにより塗膜構造が安定し、より耐傷、耐磨耗性に優れた表面保護層を得ることができる。
【0108】
この発明の表面保護層83に含有される電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層85の30重量%以上50重量%以下とするのが好ましい。30重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。50重量%を超えると、架橋剤の架橋反応に著しく悪影響を与えるからである。
【0109】
この発明においては、感光層82と表面保護層83との間に別の中間層を形成することも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。このバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができる。
【0110】
中間層の形成法としては、上記の通常の塗布法が採用される。中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当である。
【0111】
また、この発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。
【0112】
各層に添加できる酸化防止剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0113】
フェノール系化合物:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロールなど。
【0114】
パラフェニレンジアミン類:N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−N,N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0115】
ハイドロキノン類:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0116】
有機硫黄化合物類:ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3−チオジプロピオネートなど。
【0117】
有機燐化合物類:トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0118】
各層に添加できる可塑剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0119】
リン酸エステル系可塑剤:リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0120】
フタル酸エステル系可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0121】
芳香族カルボン酸エステル系可塑剤:トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0122】
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤:アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0123】
脂肪酸エステル誘導体系可塑剤:オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0124】
オキシ酸エステル系可塑剤:アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0125】
エポキシ系可塑剤:エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0126】
二価アルコールエステル系可塑剤:ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0127】
含塩素系可塑剤:塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0128】
ポリエステル系可塑剤:ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0129】
スルホン酸誘導体系可塑剤:p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0130】
クエン酸誘導体系可塑剤:クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0131】
その他:ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0132】
また、各層に添加できる滑剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0133】
炭化水素系化合物:流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0134】
脂肪酸系化合物:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0135】
脂肪酸アミド系化合物:ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0136】
エステル系化合物:脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0137】
アルコール系化合物:セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0138】
金属石けん:ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0139】
天然ワックス:カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0140】
その他:シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0141】
各層に添加できる紫外線吸収剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0142】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0143】
サルシレート系紫外線吸収剤:フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
【0144】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0145】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0146】
クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤:ニッケル(2,2チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0147】
HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0148】
さらに、この発明による画像形成装置においては、表面保護層83上に滑材を供給することにより、耐摩耗性が良好な状態でのフィルミング抑制が可能であり、ここで用いる滑材としては、ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属セッケンや、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンやPFA等のフッ素樹脂微粉末、ポリエチレンやポリプロピレン等のエチレン系樹脂微粉末などが挙げられる。特に、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸カルシウムが好ましい。
【0149】
感光体上に供給する滑材の量は、多すぎる場合には転写出力画像上への出力量も多くなり、定着不良の原因となり好ましくない。また、滑材の供給過剰により感光体表面の摩擦係数が0.1程度に低下した場合には、画像濃度低下を引き起こし好ましくない。一方、滑材の供給量が少ない場合には、トナー成分の感光体上へのフィルミングが発生し、画像流れや中間調の不均一性を招き好ましくない。こうしたことを想定して、例えば、トナー中に粉末状滑材を含有させ感光体表面に供給する場合には、トナー中に0.1〜0.2重量%の含有量が好ましい。
【0150】
さて、図1に示すカラー複写機では、図6に示すように、像担持体40と中間転写体10とを接触部(ニップ部)90で接触する。そして、その接触部90より像担持体回転方向上流側における中間転写体10の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段91を備える。また、接触部90よりも像担持体回転方向下流側における中間転写体10の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段92を備える。
【0151】
第1の電圧印加手段91には、第1バイアスローラ93と第1電源94を設ける。第2の電圧印加手段92には、第2バイアスローラ95と第2電源96を設ける。負帯電トナーを用いた場合を例に説明すると、接触部90の上流側に位置する第1バイアスローラ93には、トナーと同極性、すなわち、負極性のバイアスが印加される。これにより、接触部90を挟んで、像担持体回転方向上流側における、像担持体40の表面と中間転写体10の表面との間にはトナーを像担持体40側へ移動させ押し付ける電界が形成され、トナーの中間転写体10へのプレ転写を抑制することができる。
【0152】
一方、下流側に位置する第2バイアスローラ95にトナーと逆極性、すなわち正極性のバイアスが印加される。これにより、接触部90を挟んで、像担持体回転方向下流側における、像担持体40の表面と中間転写体10の表面との間にはトナーを中間転写体10側へ移動させ押し付ける電界が形成され、トナー像は中間転写体10へ転写される。
【0153】
図8には、中間転写体10の表面電位と像担持体40の表面電位の推移を模式的に示している。中間転写体10の表面電位がマイナスである領域、すなわちニップ入り口よりも上流側では、トナーは像担持体40側に押し付けられ、プラスとなる領域、ニップ入り口よりも下流側では紙側へ押し付けられる電界を形成している。図において矢印で示しているのが、負帯電トナーが電界から受ける力の方向である。
【0154】
第1バイアスローラ93と第2バイアスローラ95に印加するバイアスを制御することで、図8で模式的に示したように、ニップ入り口での電位差をゼロに近づけ、入り口放電および入り口電界でのプレ転写を抑制することが可能となる。
【0155】
図6におけるバイアス印加手段としては、もちろんブラシやブレード、またはそれらを組み合わせることも可能であり、図7にはブレードを第1の電圧印加手段91および第2の電圧印加手段92とした場合の構成例を示している。画像形成装置は省スペースの為に小型化が要求され、ローラを入れるスペースを確保するのが厳しい場合も多い。ブレードなどでバイアスを印加するのはこうした小型化に対して非常に有効な手法である。
【0156】
図6に示す構成で検討を行った際に用いた中間転写体10は体積抵抗率で8E9Ωcm程度であったが、このベルトにおいて、第1バイアスローラ93へ−500V、第2バイアスローラ95には+1kV程度の電圧を印加し、ベルトの表面電位を測定したところ、ニップ部入り口においてほぼベルトの表面電位と像担持体40(画像部)の表面電位の差がゼロとなり、良好な画質が得られていることを確認した。
【0157】
また、10000枚連続プリントした際の画質の変化を、従来とこの発明とを比較した結果を表1に示す。画質改善効果の確認であるが、線画像のエッジ部からのチリの観察、文字画像の端部の中抜けの観察、および粒状性を測定して確認を行った。粒状性とは画像のざらつきを表し、以下に説明するように粒状度として算出される。
【0158】
測定方法として、出力される画像評価チャート中の階調パターン(150線のディザパターン)のうち、高明度から低明度までの17パッチの画像をスキャナで読み取る。1パッチの大きさは約1cm×1cmであり、スキャナの読み取り解像度は2400dpiである。読み込んだ画像の輝度を明度データに変換し、以下の式にて粒状度を算出する。
【0159】
粒状度 = d×exp(a×L+b)Σ(WS(f))1/2×VTF(f)+c
ここで、a,b,c,dは定数、Lはパッチの平均の明度、WS(f)は明度変動のパワースペクトラム、f(cycle/mm)は空間周波数、VTF(f)は視覚の空間周波数特性をそれぞれ表す。
【0160】
この式により、パッチ内全域の明度むらを周波数解析し、視覚の周波数特性を乗ずることで、視覚特性の重み付けをしたざらつき感を評価することができる。表1を見ると、初期画像においては、この発明は従来に比べて粒状度に優れる。さらに、10000枚目における粒状度を比較すると、従来では0.1程度の劣化が見られるが、この発明ではほとんど劣化していないことが分かる。これはこの発明における感光体が耐傷、耐フィルミング性、耐磨耗性が向上しているために、繰り返しプリントしても、この発明で達成した高画質を維持できていると言うことができる。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
なお、表1に示す実験は、6μm以下の小粒径トナーおよび形状も丸くしたトナーにて実験を行っている。表2には、この発明で大粒径トナーを用いた場合との結果の比較を示すが、粒状性に対してトナー粒径が大きな影響を及ぼしていることが確認できる。
【0164】
また、形状を丸くした場合には、転写不良および中抜けの軽減という形で画質が向上していることが確認された。ちなみに、形状の評価尺度として用いている円形度であるが、円形度は、以下の式で定義される。
円形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
【0165】
円形度は、1.00に近いほど真球であることを表す。円形度測定は、フロー式粒子像測定器(FPIA)を用いて測定した。
【0166】
最後に、本検討に用いたトナーに関して説明を付与する。トナーは、結着樹脂に着色剤、およびその他必要に応じて帯電制御材、離型剤などの他の材料を含有させた母体粒子にさらに添加剤などを外添させてなる。
【0167】
前述したように、この発明は、トナーに関する制限はないので、トナーに使用される結着樹脂としても、従来公知のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブチラール、シリコーン樹脂などが挙げられ、これらは、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができる。着色剤に関しても同様に制限はなく、従来公知の染料および顔料が使用できる。
【0168】
また、この発明に用いられるトナーには、必要に応じて帯電制御剤、離型剤などの他の材料を添加することができる。帯電制御剤としては、例えばニグロシン染料、含クロム錯体、第4級アンモニウム塩などが挙げられ、これらはトナー粒子の極性により使い分ける。特に、カラートナーの場合、トナーの色調に影響を与えない無色または淡色のものが好ましく、例えば、サリチル酸金属塩またはサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
【0169】
また、定着部における定着部材からのトナーの離型性を向上させ、またトナーの定着性を向上させるために、離型剤をトナー中に含有させることも可能である。トナーに関しては、その材料のほかに製造方法での区分もある。代表的な製造法として粉砕法、重合法、カプセル法などがあるが、これらの製造方法に関してもこの発明は制限するものではない。
【0170】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、像担持体と中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されていることで、転写ニップ入り口におけるプレ転写および放電による転写画像の劣化を防ぐことができ、かつその状態を維持することができる。さらに耐磨耗性向上にともない、像担持体の薄膜化が可能となり高画質化が可能となる。
【0171】
請求項2に記載の発明によれば、像担持体と中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質と光重合開始剤からなり紫外線架橋されていることで、転写ニップ入り口におけるプレ転写および放電による転写画像の劣化を防ぐことができ、かつその状態を維持することができる。さらに耐磨耗性向上にともない、像担持体の薄膜化が可能となり高画質化が可能となる。
【0172】
請求項3に記載の発明によれば、表面保護層が、酸素濃度5%以下の雰囲気にて放射線架橋または紫外線架橋されていることで、表面保護層をより強固にすることができる。
【0173】
請求項4に記載の発明によれば、接触部より上流側における中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段を、接触部または接触部よりも像担持体回転方向下流側における中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段を備えることで、プレ転写および放電による画像劣化を抑制するための電界をニップ上流側および下流側においてそれぞれ形成することができる。
【0174】
請求項5に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段がローラよりなることで、部品の共通化による構成の簡略化が可能となる。
【0175】
請求項6に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段がブラシよりなることで、均一なニップ圧力が得られ、バイアスのむらを軽減することが可能となる。
【0176】
請求項7に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段がブレードよりなることで、簡略な機構でのバイアスの印加および機械の省スペース化が可能になる。
【0177】
請求項8に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段が、ローラ、ブラシおよびブレードのうちのいずれか2つの組合せよりなることで,機械のレイアウトに自由度が生じる。
【0178】
請求項9に記載の発明によれば、接触部よりも像担持体回転方向上流側において、像担持体の表面と中間転写体の表面の間に非接触の電圧印加部材を備え、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加することで,転写材の帯電状態に関わらず,ニップ上流側に所望の電界を形成することができる。
【0179】
請求項10に記載の発明によれば、電子写真感光体の表面保護層中における電荷輸送物質の含有量が、30重量%以上50重量%以下であることで、十分な光減衰時間を得ることができ、かつ電荷輸送物質が架橋剤の架橋反応を妨げることがない。
【0180】
請求項11に記載の発明によれば、放射線架橋剤の少なくとも1種の分子量/官能基数が200以下であることで、架橋密度を高めることができる。
【0181】
請求項12に記載の発明によれば、電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質が、アクリレートまたはメタクリレート付加物であることで、アクリレートもしくはメタクリレート基がバインダーとなる架橋剤の官能基と架橋反応することにより塗膜構造が安定しより耐傷、耐磨耗性に優れた表面保護層を得ることができる。
【0182】
請求項13に記載の発明によれば、使用されるトナーの平均粒径が6μm以下であることで、さらに画質を向上させることができる。
【0183】
請求項14に記載の発明によれば、使用されるトナーの円形度が0.96以上であることで、転写むらや中抜けなどに起因する画質劣化を抑制し、画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるカラー画像形成装置の一例であるカラー複写機の全体概略構成図である。
【図2】そのカラー複写機に備えるタンデム作像装置の部分構成図である。
【図3】そのカラー複写機の要部構成図である。
【図4】そのカラー複写機で用いる像担持体の部分断面図である。
【図5】そのカラー複写機で用いる像担持体の他例の部分断面図である。
【図6】図1のカラー複写機で用いる像担持体と中間転写体の接触部の拡大図である。
【図7】像担持体と中間転写体の接触部の他例の拡大図である。
【図8】像担持体と中間転写体の表面電位の関係図である。
【符号の説明】
10 中間転写体
40 像担持体
81 導電性支持体(導電性基体)
82 感光層
83 表面保護層
84 電荷発生層
85 電荷輸送層
90 接触部
91 第1の電圧印加手段
92 第2の電圧印加手段
93 第1バイアスローラ
95 第2バイアスローラ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機など、用紙・OHPフィルム等の転写材に画像を記録する画像形成装置に関する。特に、電子写真方式を用い、像担持体である電子写真感光体上にトナー画像を形成し、そのトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を二次転写して転写材に画像を記録する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体から中間転写体へ転写される際の代表的な画像劣化としては、転写チリおよび転写不良がある。転写チリとは、トナー像が転写される際に、本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写されてしまい、結果として画像がぼけてしまう現象であり、特に細線部分での画像のシャープさを損なわせるものである。
【0003】
転写チリの発生原因は、転写ニップ入り口での電界の作用で感光体上のトナーが中間転写体上にプレ転写することによって生じる。加えて、例えば転写ニップ入り口で放電が生じた場合には、放電の影響を受けたトナーの帯電量(Q/M)が低下し、静電付着力が小さくなってしまうことで、トナー同士のクーロン反発力に打ち勝てなくなって転写チリ発生をさらに増加させてしまう結果となる。
【0004】
帯電量の低下したトナーについては、電界による力が感光体とトナー間の付着力に打ち勝つことができず、転写不良となって感光体上に残ってしまう問題も生じる。さらに、感光体の表面状態が悪化すると、転写不良はさらに顕著になる。
このように、転写ニップ入り口での放電は、トナーの帯電特性を変化させ、転写性に大きな影響を及ぼす。
【0005】
【特許文献1】特開平8−166728号公報
こうした不具合を抑制するため、これまで多くの発明がなされている。プロセス的にこれら不具合を抑制する発明として、例えば特許文献1に記載されるものでは、転写領域の上流側において像担持体と中間転写体を押圧する部材を設けて転写前の空隙を減少させ、飛翔を防止している。
【0006】
【特許文献2】特開平10−186878号公報
一方、特許文献2に記載されるものでは、転写ニップ部の上流側に像担持体の帯電極性と同極性の電位またはゼロ電位となる導電性部材を設けている。特許文献2に記載の発明によれば、作像に使用されているトナーと同極性のバイアスを印加するので、トナーを積極的に引き付ける力は生じにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されるものでは、押圧部材にトナーの帯電極性と反対の極性を印加しているため、押圧部材の形成する電界が、トナーに対し転写体方向に飛翔させる方向である。したがって、プレ転写による画像チリは完全には除去できない。また、特許文献2に記載されるものでは、一般の像担持体において、トナーが付着している画像部電位はゼロではなく、いくらかの像担持体帯電極性と同極性の残留電位があることが通常である。したがって、前記導電性部材の電位がゼロの場合には、トナーを像担持体側へ移動させる方向の電界は形成できていない。
【0008】
また、特許文献1や特許文献2に記載のものでは、先述のように感光体とトナー間には静電的または非静電的な付着力が働いており、トナーが移動するためには電界による力がそれに打ち勝つ必要がある。しかし、特許文献1や特許文献2に記載の発明においては、感光体の表面特性については考慮されていない。感光体表面の初期特性は良好であるが、繰り返し使用することで、傷やフィルミングや磨耗といった問題が生じてくる。トナーと感光体間の付着力は感光体表面特性の影響も大きく受けるため、プロセス的な画像劣化抑制策に加えて感光体の表面特性の維持も併せて必要となる。
【0009】
そこで、この発明の目的は、電子写真感光体から中間転写体へトナーが転写される際に生じる、転写チリや転写不良による画質の劣化を抑制し、その転写画像の劣化抑制状態を維持した画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、
前記像担持体と前記中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、
前記像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、
前記像担持体と前記中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、
前記像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質と光重合開始剤からなり紫外線架橋されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記表面保護層が、酸素濃度5%以下の雰囲気にて放射線架橋または紫外線架橋されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記接触部より上流側における前記中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段を、前記接触部または前記接触部よりも像担持体回転方向下流側における前記中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段を備える、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がローラよりなる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がブラシよりなる、ことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がブレードよりなる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段が、ローラ、ブラシおよびブレードのうちのいずれか2つの組合せよりなる、ことを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記接触部よりも像担持体回転方向上流側において、前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面の間に非接触の電圧印加部材を備え、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質の含有量が、30重量%以上50重量%以下である、ことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1、2、または10に記載の画像形成装置において、前記放射線架橋剤の少なくとも1種の分子量/官能基数が200以下である、ことを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1、2、または10に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質が、アクリレートまたはメタクリレート付加物である、ことを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、使用されるトナーの平均粒径が6μm以下である、ことを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、使用されるトナーの円形度が0.96以上である、ことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明によるカラー画像形成装置の一例であるカラー複写機の全体概略構成を示す。
【0025】
図中符号100は複写機本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写機本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける自動原稿搬送装置(ADF)である。
【0026】
複写機本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を、図示例では1つの駆動ローラ14と2つの従動ローラ15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能に設ける。もちろん、別途中間転写体10の片寄りを調整するローラに掛け回すなど、4つ以上のローラに掛け回すようにしてもよい。なお、中間転写体10は、図示例ではほぼ水平に張り渡すが、水平ではなく、斜めに傾斜して張り渡すようにしてもよい。
【0027】
この図示例では、一方の従動ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を設ける。
【0028】
また、駆動ローラ14と従動ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの4つの単色作像手段18を横に並べて配置してタンデム作像装置20を設ける。タンデム作像装置20の上には、さらに露光装置21を設ける。
【0029】
一方、中間転写体10の張り渡し領域の下方には、二次転写装置22を備える。二次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成し、他方の従動ローラ16に押し当てて中間転写体10上の画像を転写材に転写する。
【0030】
二次転写装置22の横には、転写材上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0031】
上述した二次転写装置22には、画像転写後の転写材をこの定着装置25へと搬送する媒体搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、無端ベルトを用いるが、ベルトの代りにローラや非接触のチャージャを配置してもよく、チャージャを用いた場合は、この媒体搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0032】
さて、このような二次転写装置22および定着装置25の下には、中間転写体10の張り渡し方向と平行に、転写材の両面に画像を形成すべく転写材を反転する転写材反転装置28を備える。
【0033】
ところで、いまこのカラー複写機を用いてコピーをとるときは、自動原稿搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、自動原稿搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0034】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動してから、スキャナ300を駆動して原稿内容を読み取る。コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、そのまま原稿内容を読み取る。
【0035】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで駆動ローラ14を回転駆動して従動ローラ15・16を従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の単色作像手段18でその像担持体40を回転して各像担持体40上にそれぞれ、イエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次重ね一次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0036】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから転写材を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0037】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写材を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0038】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と二次転写装置22との間に転写材を送り込み、二次転写装置22で中間転写体10上の合成カラー画像を一括して二次転写して転写材上にカラー画像を形成する。
【0039】
この二次転写部分において、転写材裏面に負極性のバイアス電圧、例えば−800〜−2000Vを印加し、また例えば50N/cm2程度の圧力をかける。この印加電圧によって発生した電界による静電気力と圧力とによって、中間転写体10のトナーを引き寄せ、転写材に一括転写する(二次転写)。
【0040】
画像転写後の転写材は、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えて転写材反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を形成して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0041】
一方、画像転写後の中間転写体10は、ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム作像装置20による再度の画像形成に備える。
【0042】
さて、上述したタンデム作像装置20において、各単色作像手段18は、詳しくは、例えば図2に示すように、ドラム状の像担持体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、一次転写装置62、クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
【0043】
図示省略するが、これら単色作像手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
【0044】
単色作像手段18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例では帯電ローラを用い、非接触ローラ帯電方式で像担持体40に非接触として電圧を印加することによりその像担持体40の非画像部を−700V程度に帯電する。
【0045】
現像装置61は、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを像担持体10に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0046】
攪拌部66には、平行な2本の攪拌スクリュ68を設ける。2本の攪拌スクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切る。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0047】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して像担持体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。
【0048】
そして、2成分現像剤を2本の攪拌スクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0049】
他方、現像スリーブ65上の現像剤は、像担持体40に転移してその像担持体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0050】
一次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで像担持体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のチャージャであってもよい。
【0051】
クリーニング装置63は、先端を像担持体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を像担持体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0052】
そして、像担持体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、像担持体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に回転してバイアスを印加する電界ローラ77で取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。除去したトナーは、回収スクリュ79で不図示の廃トナーボトルへと搬送し、または現像装置61へと戻して再利用する。
【0053】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して像担持体40の表面電位を初期化する。
【0054】
そして、像担持体40の回転とともに、まず帯電装置60で像担持体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して像担持体40上に静電潜像を形成する。
【0055】
その後、現像装置61によりトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その像担持体40上のトナー像を一次転写装置62で中間転写体10に一次転写する。画像転写後の像担持体40の表面は、クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0056】
ところで、図示タンデム作像装置20では、詳しくは図3に示すように、イエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの4つの単色作像手段18Y・18M・18C・18Kを、ブラックの単色作像手段18BKを最上流側に位置して中間転写体10の図中矢示する搬送方向に沿って順に配置する。
【0057】
さて、この発明による画像形成装置は、トナーの種類や現像方式を、図1に示す画像形成装置で使用するものに制限するものではない。
【0058】
例えば一成分磁性トナーであれば、トナー同士の摩擦帯電によりトナーを帯電させてマグネットと現像スリーブの回転で現像領域へと搬送するBTM(Bipolar Magnetic Toner)方式や、現像スリーブ上に薄層のトナー層を形成しこれを像担持体に近接させて交流バイアスによってトナーを飛翔させて現像するジャンピング方式などを用いることができる。
【0059】
非磁性トナーの場合は、導電性または表面絶縁現像ローラにトナーを付着して現像領域へとトナーを運ぶNSP(Non−Magnetic Single−Component Development Process)方式や、非磁性トナージャンピング方式、二成分トナーであれば、磁気ブラシ現像法などを用いることができる。
【0060】
中間転写体10は、例えば、ポリフッ化ビニルデン樹脂フィルムシートで成型されたシームレスベルト(体積抵抗8E9Ωcm)を用いる。ベルト材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムシート(PETシート)やポリウレタン樹脂フィルムシートなどの誘電体樹脂製のフィルムが広く用いられている。
また、ベルトの材質やその抵抗値によって適正な印加バイアス値も異なってくるのはもちろんである。
【0061】
図4には、上述したカラー複写機で用いる像担持体40の部分断面を示す。
この図4から判るとおり、像担持体40は、導電性支持体(導電性基体)81上に感光層82と表面保護層83とを順に積層してなる電子写真感光体で構成する。感光層82は、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層84と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層85との積層で形成されている。
【0062】
図5には、像担持体40の他例の部分断面を示す。
この図5に示す像担持体40では、感光層82の電荷発生層84と電荷輸送層85とを逆にし、電荷輸送層85上に電荷発生層84を設ける。
【0063】
導電性支持体81は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状または円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板またはそれらを素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管などからなるものである。
【0064】
電荷発生層84は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生材料には、無機または有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0065】
電荷発生層84は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタンなどの溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などにより行う。
【0066】
前記の適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることができる。バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して0〜2部が適当である。
【0067】
電荷発生層84は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。
電荷発生層84の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
【0068】
電荷輸送層85は、電荷輸送材料およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
【0069】
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。
【0070】
電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0071】
正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0072】
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材料を用いる場合、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥して電荷輸送層を形成してもよい。高分子電荷輸送材料は、上記低分子電荷輸送材料に電荷輸送性置換基を主鎖または側鎖に有した材料であればよい。特に好ましい高分子電荷輸送材料は、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルなどであり、中でもトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートの使用が有利である。
【0073】
さらに必要により、高分子電荷輸送材料にバインダー樹脂、低分子電荷輸送材料、可塑剤、レベリング剤、潤滑剤などを適量添加することもできる。
【0074】
電荷輸送材料と共に電荷輸送層85に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0075】
必要により電荷輸送層85に添加される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、樹脂に汎用の可塑剤を挙げることができ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜30%程度が適当である。
【0076】
必要により電荷輸送層85に添加されるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーまたはオリゴマーが挙げられ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜1%程度が適当である。
【0077】
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレンなどが挙げられる。
【0078】
電荷輸送層85の厚さは、5〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
【0079】
この発明においては、感光層82に含有される電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の40重量%以上とするのが好ましい。40重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。
【0080】
この発明の感光体における電荷輸送層移動度は、2.5×105〜5.5×105V/cmの範囲の電荷輸送層電界強度の条件下で、3×10−5cm2/V・s以上であることが好ましく、7×10−5cm2/V・s以上であることがより好ましい。この移動度は、各使用条件下でこれを達成するように構成を適宜調整できる。
この移動度は、従来公知のTOF(Time Of Flight)法により求めればよい。
【0081】
この発明の積層型電子写真感光体には、導電性支持体81と感光層82との間に下引き層を形成することができる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層82を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
【0082】
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
【0083】
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の微粉末を加えてもよい。この下引き層は、上記の感光層82と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0084】
さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などを使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。この他に、下引き層には、Al203を陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CwO2等の無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
【0085】
次に、表面保護層83について説明する。この発明の表面保護層の形成には、溶媒等を使用する場合があるが、この場合の溶媒としては、下引き層、感光層形成用の溶媒と同様のものが挙げられる。また、これらの溶媒の代わりに、取扱いを容易にするため反応性稀釈剤を使用することができる。反応性稀釈剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレートなどが挙げられる。
【0086】
表面保護層83の膜厚は、2〜10μmが適当である。表面保護層83の形成に用いられる放射線架橋剤としては、放射線照射により重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマーまたはオリゴマー(またはプレポリマー)であればすべて使用できる。
【0087】
このようなモノマーまたはオリゴマーとしては、(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等やメラミンアクリレートがある。(ポリ)エステルアクリレートは、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレングリコール等の多価アルコールとアジピン酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを反応させたものである。その構造例を(a)〜(c)に示す。
【0088】
(a)アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸
【化1】
【0089】
(b)無水フタル酸/プロピレンオキサイド/アクリル酸
【化2】
【0090】
(c)トリメリット酸/ジエチレングリコール/アクリル酸
【化3】
【0091】
(ポリ)ウレタンアクリレートは、トリレンジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネート基を有する化合物に、ヒドロキシル基を有するアクリレートを反応させたものである。その構造例を(d)に示す。なお、HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HDOは1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸の略である。
(d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TDI/HEA
【化4】
【0092】
エポキシアクリレートは、構造から大別してビスフェノールA型、ノボラック型および脂環型とがあり、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。その構造例を(e)〜(g)に示す。
(e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
【化5】
【0093】
(f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/アクリル酸
【化6】
【0094】
(g)脂環型/アクリル酸
【化7】
【0095】
ポリブタジエンアクリレートは、末端OH基含有1,2ポリブタジエンにイソシアネートや1,2−メルカプトエタノール等を反応させてから、さらにアクリル酸等を反応させたものである。その構造例を(h)に示す。
(h)
【化8】
【0096】
シリコーンアクリレートは、例えば、有機官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロキサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタクリル変性したものであり、その構造例を(i)に示す。
(i)
【化9】
【0097】
これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上が混合して使用される。
前記の架橋剤の中では、2官能モノマーよりも多官能モノマーが好ましい。さらに多官能モノマーにおいても分子鎖が短く架橋密度が高い、分子量/官能基数が200以下となるもの少なくとも1種含まれることが好ましい。
【0098】
次に、この発明において使用される光重合開始剤は、ラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、さらにラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
1.ベンゾインエーテル
イソブチルベンゾインエーテル
イソプロピルベンゾインエーテル
ベンゾインエチルエーテル
ベンゾインメチルエーテル
2.α−アシロキシムエステル
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシシカルボニル)
オキシム
3.ベンジルケタール
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンベンジル
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
4.アセトフェノン誘導体
ジエトキシアセトフェノン
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
5.ケトン−(ケトン−アミン系)
ベンゾフェノン
クロロチオキサントン
2−クロロチオキサントン
イソプロピルチオキサントン
2−メチルチオキサントン
塩素置換ベンゾフェノン
【0100】
これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上混合して使用される。添加量としては、架橋剤1重量部に対して0.005〜1.0重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量部である。
【0101】
この発明で使用される光重合促進剤は、ベンゾフェノン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものであり、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。
【0102】
これら光重合促進剤は、単独でまたは2種以上混合して使用される。添加量としては、光重合開始剤1重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
【0103】
これらの架橋剤を硬化する際の雰囲気中の酸素が硬化を阻害するため、表面の硬化度合が低くなることが知られている。これが、表面保護層のキズ、フィルミング、磨耗の原因となる。上記酸素阻害を防止する方法としては、酸素濃度が5%以下の雰囲気で硬化性樹脂を硬化することが望ましい。さらに、望ましくは2%以下である。酸素阻害を防止することで、硬化性樹脂は、表面まで完全に硬化する。
【0104】
この発明の放射線照射装置としては、紫外線照射装置、電子線照射装置等が挙げられる。
【0105】
この発明に用いる紫外線照射装置は、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置から構成されている。光源には水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプがあるが、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用すればよい。また、紫外線照射条件については、架橋剤を架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度を決めればよい。紫外線照射時に発生したラジカルは、数時間残留するため滞留時間を設けることにより残留モノマーの反応が進むことが確認されている。
【0106】
さらに、前記した表面保護層の架橋剤は、電子線を用いて架橋させることもできる。電子線により架橋をする場合は、光重合開始剤を必要としない。ただし、電子線は、透過力が大きく感光特性に影響が大きいため安定した生産性が得られにくい。また、電子線を用いる場合も、酸素阻害やオゾン発生等より酸素濃度は、2%以下とする必要がある。
【0107】
表面保護層に用いられる電荷輸送物質は、電荷輸送層に用いられるそれと同じ材料が用いられるが、好ましくはアクリレートまたはメタクリレート付加物が好ましい。該電荷輸送材料のアクリレートまたはメタクリレート基がバインダーとなる架橋剤の官能基と架橋反応することにより塗膜構造が安定し、より耐傷、耐磨耗性に優れた表面保護層を得ることができる。
【0108】
この発明の表面保護層83に含有される電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層85の30重量%以上50重量%以下とするのが好ましい。30重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られず好ましくない。50重量%を超えると、架橋剤の架橋反応に著しく悪影響を与えるからである。
【0109】
この発明においては、感光層82と表面保護層83との間に別の中間層を形成することも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。このバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができる。
【0110】
中間層の形成法としては、上記の通常の塗布法が採用される。中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当である。
【0111】
また、この発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。
【0112】
各層に添加できる酸化防止剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0113】
フェノール系化合物:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロールなど。
【0114】
パラフェニレンジアミン類:N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−N,N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0115】
ハイドロキノン類:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0116】
有機硫黄化合物類:ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3−チオジプロピオネートなど。
【0117】
有機燐化合物類:トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0118】
各層に添加できる可塑剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0119】
リン酸エステル系可塑剤:リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0120】
フタル酸エステル系可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0121】
芳香族カルボン酸エステル系可塑剤:トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0122】
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤:アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0123】
脂肪酸エステル誘導体系可塑剤:オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0124】
オキシ酸エステル系可塑剤:アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0125】
エポキシ系可塑剤:エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0126】
二価アルコールエステル系可塑剤:ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0127】
含塩素系可塑剤:塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0128】
ポリエステル系可塑剤:ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0129】
スルホン酸誘導体系可塑剤:p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0130】
クエン酸誘導体系可塑剤:クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0131】
その他:ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0132】
また、各層に添加できる滑剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0133】
炭化水素系化合物:流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0134】
脂肪酸系化合物:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0135】
脂肪酸アミド系化合物:ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0136】
エステル系化合物:脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0137】
アルコール系化合物:セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0138】
金属石けん:ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0139】
天然ワックス:カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0140】
その他:シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0141】
各層に添加できる紫外線吸収剤としては、下記のようなものが例示できる。
【0142】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0143】
サルシレート系紫外線吸収剤:フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
【0144】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0145】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0146】
クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤:ニッケル(2,2チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0147】
HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0148】
さらに、この発明による画像形成装置においては、表面保護層83上に滑材を供給することにより、耐摩耗性が良好な状態でのフィルミング抑制が可能であり、ここで用いる滑材としては、ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属セッケンや、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンやPFA等のフッ素樹脂微粉末、ポリエチレンやポリプロピレン等のエチレン系樹脂微粉末などが挙げられる。特に、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸カルシウムが好ましい。
【0149】
感光体上に供給する滑材の量は、多すぎる場合には転写出力画像上への出力量も多くなり、定着不良の原因となり好ましくない。また、滑材の供給過剰により感光体表面の摩擦係数が0.1程度に低下した場合には、画像濃度低下を引き起こし好ましくない。一方、滑材の供給量が少ない場合には、トナー成分の感光体上へのフィルミングが発生し、画像流れや中間調の不均一性を招き好ましくない。こうしたことを想定して、例えば、トナー中に粉末状滑材を含有させ感光体表面に供給する場合には、トナー中に0.1〜0.2重量%の含有量が好ましい。
【0150】
さて、図1に示すカラー複写機では、図6に示すように、像担持体40と中間転写体10とを接触部(ニップ部)90で接触する。そして、その接触部90より像担持体回転方向上流側における中間転写体10の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段91を備える。また、接触部90よりも像担持体回転方向下流側における中間転写体10の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段92を備える。
【0151】
第1の電圧印加手段91には、第1バイアスローラ93と第1電源94を設ける。第2の電圧印加手段92には、第2バイアスローラ95と第2電源96を設ける。負帯電トナーを用いた場合を例に説明すると、接触部90の上流側に位置する第1バイアスローラ93には、トナーと同極性、すなわち、負極性のバイアスが印加される。これにより、接触部90を挟んで、像担持体回転方向上流側における、像担持体40の表面と中間転写体10の表面との間にはトナーを像担持体40側へ移動させ押し付ける電界が形成され、トナーの中間転写体10へのプレ転写を抑制することができる。
【0152】
一方、下流側に位置する第2バイアスローラ95にトナーと逆極性、すなわち正極性のバイアスが印加される。これにより、接触部90を挟んで、像担持体回転方向下流側における、像担持体40の表面と中間転写体10の表面との間にはトナーを中間転写体10側へ移動させ押し付ける電界が形成され、トナー像は中間転写体10へ転写される。
【0153】
図8には、中間転写体10の表面電位と像担持体40の表面電位の推移を模式的に示している。中間転写体10の表面電位がマイナスである領域、すなわちニップ入り口よりも上流側では、トナーは像担持体40側に押し付けられ、プラスとなる領域、ニップ入り口よりも下流側では紙側へ押し付けられる電界を形成している。図において矢印で示しているのが、負帯電トナーが電界から受ける力の方向である。
【0154】
第1バイアスローラ93と第2バイアスローラ95に印加するバイアスを制御することで、図8で模式的に示したように、ニップ入り口での電位差をゼロに近づけ、入り口放電および入り口電界でのプレ転写を抑制することが可能となる。
【0155】
図6におけるバイアス印加手段としては、もちろんブラシやブレード、またはそれらを組み合わせることも可能であり、図7にはブレードを第1の電圧印加手段91および第2の電圧印加手段92とした場合の構成例を示している。画像形成装置は省スペースの為に小型化が要求され、ローラを入れるスペースを確保するのが厳しい場合も多い。ブレードなどでバイアスを印加するのはこうした小型化に対して非常に有効な手法である。
【0156】
図6に示す構成で検討を行った際に用いた中間転写体10は体積抵抗率で8E9Ωcm程度であったが、このベルトにおいて、第1バイアスローラ93へ−500V、第2バイアスローラ95には+1kV程度の電圧を印加し、ベルトの表面電位を測定したところ、ニップ部入り口においてほぼベルトの表面電位と像担持体40(画像部)の表面電位の差がゼロとなり、良好な画質が得られていることを確認した。
【0157】
また、10000枚連続プリントした際の画質の変化を、従来とこの発明とを比較した結果を表1に示す。画質改善効果の確認であるが、線画像のエッジ部からのチリの観察、文字画像の端部の中抜けの観察、および粒状性を測定して確認を行った。粒状性とは画像のざらつきを表し、以下に説明するように粒状度として算出される。
【0158】
測定方法として、出力される画像評価チャート中の階調パターン(150線のディザパターン)のうち、高明度から低明度までの17パッチの画像をスキャナで読み取る。1パッチの大きさは約1cm×1cmであり、スキャナの読み取り解像度は2400dpiである。読み込んだ画像の輝度を明度データに変換し、以下の式にて粒状度を算出する。
【0159】
粒状度 = d×exp(a×L+b)Σ(WS(f))1/2×VTF(f)+c
ここで、a,b,c,dは定数、Lはパッチの平均の明度、WS(f)は明度変動のパワースペクトラム、f(cycle/mm)は空間周波数、VTF(f)は視覚の空間周波数特性をそれぞれ表す。
【0160】
この式により、パッチ内全域の明度むらを周波数解析し、視覚の周波数特性を乗ずることで、視覚特性の重み付けをしたざらつき感を評価することができる。表1を見ると、初期画像においては、この発明は従来に比べて粒状度に優れる。さらに、10000枚目における粒状度を比較すると、従来では0.1程度の劣化が見られるが、この発明ではほとんど劣化していないことが分かる。これはこの発明における感光体が耐傷、耐フィルミング性、耐磨耗性が向上しているために、繰り返しプリントしても、この発明で達成した高画質を維持できていると言うことができる。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
なお、表1に示す実験は、6μm以下の小粒径トナーおよび形状も丸くしたトナーにて実験を行っている。表2には、この発明で大粒径トナーを用いた場合との結果の比較を示すが、粒状性に対してトナー粒径が大きな影響を及ぼしていることが確認できる。
【0164】
また、形状を丸くした場合には、転写不良および中抜けの軽減という形で画質が向上していることが確認された。ちなみに、形状の評価尺度として用いている円形度であるが、円形度は、以下の式で定義される。
円形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
【0165】
円形度は、1.00に近いほど真球であることを表す。円形度測定は、フロー式粒子像測定器(FPIA)を用いて測定した。
【0166】
最後に、本検討に用いたトナーに関して説明を付与する。トナーは、結着樹脂に着色剤、およびその他必要に応じて帯電制御材、離型剤などの他の材料を含有させた母体粒子にさらに添加剤などを外添させてなる。
【0167】
前述したように、この発明は、トナーに関する制限はないので、トナーに使用される結着樹脂としても、従来公知のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブチラール、シリコーン樹脂などが挙げられ、これらは、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができる。着色剤に関しても同様に制限はなく、従来公知の染料および顔料が使用できる。
【0168】
また、この発明に用いられるトナーには、必要に応じて帯電制御剤、離型剤などの他の材料を添加することができる。帯電制御剤としては、例えばニグロシン染料、含クロム錯体、第4級アンモニウム塩などが挙げられ、これらはトナー粒子の極性により使い分ける。特に、カラートナーの場合、トナーの色調に影響を与えない無色または淡色のものが好ましく、例えば、サリチル酸金属塩またはサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
【0169】
また、定着部における定着部材からのトナーの離型性を向上させ、またトナーの定着性を向上させるために、離型剤をトナー中に含有させることも可能である。トナーに関しては、その材料のほかに製造方法での区分もある。代表的な製造法として粉砕法、重合法、カプセル法などがあるが、これらの製造方法に関してもこの発明は制限するものではない。
【0170】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、像担持体と中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されていることで、転写ニップ入り口におけるプレ転写および放電による転写画像の劣化を防ぐことができ、かつその状態を維持することができる。さらに耐磨耗性向上にともない、像担持体の薄膜化が可能となり高画質化が可能となる。
【0171】
請求項2に記載の発明によれば、像担持体と中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における像担持体の表面と中間転写体の表面との間にはトナーを中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質と光重合開始剤からなり紫外線架橋されていることで、転写ニップ入り口におけるプレ転写および放電による転写画像の劣化を防ぐことができ、かつその状態を維持することができる。さらに耐磨耗性向上にともない、像担持体の薄膜化が可能となり高画質化が可能となる。
【0172】
請求項3に記載の発明によれば、表面保護層が、酸素濃度5%以下の雰囲気にて放射線架橋または紫外線架橋されていることで、表面保護層をより強固にすることができる。
【0173】
請求項4に記載の発明によれば、接触部より上流側における中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段を、接触部または接触部よりも像担持体回転方向下流側における中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段を備えることで、プレ転写および放電による画像劣化を抑制するための電界をニップ上流側および下流側においてそれぞれ形成することができる。
【0174】
請求項5に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段がローラよりなることで、部品の共通化による構成の簡略化が可能となる。
【0175】
請求項6に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段がブラシよりなることで、均一なニップ圧力が得られ、バイアスのむらを軽減することが可能となる。
【0176】
請求項7に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段がブレードよりなることで、簡略な機構でのバイアスの印加および機械の省スペース化が可能になる。
【0177】
請求項8に記載の発明によれば、中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、第1および第2の電圧印加手段が、ローラ、ブラシおよびブレードのうちのいずれか2つの組合せよりなることで,機械のレイアウトに自由度が生じる。
【0178】
請求項9に記載の発明によれば、接触部よりも像担持体回転方向上流側において、像担持体の表面と中間転写体の表面の間に非接触の電圧印加部材を備え、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加することで,転写材の帯電状態に関わらず,ニップ上流側に所望の電界を形成することができる。
【0179】
請求項10に記載の発明によれば、電子写真感光体の表面保護層中における電荷輸送物質の含有量が、30重量%以上50重量%以下であることで、十分な光減衰時間を得ることができ、かつ電荷輸送物質が架橋剤の架橋反応を妨げることがない。
【0180】
請求項11に記載の発明によれば、放射線架橋剤の少なくとも1種の分子量/官能基数が200以下であることで、架橋密度を高めることができる。
【0181】
請求項12に記載の発明によれば、電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質が、アクリレートまたはメタクリレート付加物であることで、アクリレートもしくはメタクリレート基がバインダーとなる架橋剤の官能基と架橋反応することにより塗膜構造が安定しより耐傷、耐磨耗性に優れた表面保護層を得ることができる。
【0182】
請求項13に記載の発明によれば、使用されるトナーの平均粒径が6μm以下であることで、さらに画質を向上させることができる。
【0183】
請求項14に記載の発明によれば、使用されるトナーの円形度が0.96以上であることで、転写むらや中抜けなどに起因する画質劣化を抑制し、画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるカラー画像形成装置の一例であるカラー複写機の全体概略構成図である。
【図2】そのカラー複写機に備えるタンデム作像装置の部分構成図である。
【図3】そのカラー複写機の要部構成図である。
【図4】そのカラー複写機で用いる像担持体の部分断面図である。
【図5】そのカラー複写機で用いる像担持体の他例の部分断面図である。
【図6】図1のカラー複写機で用いる像担持体と中間転写体の接触部の拡大図である。
【図7】像担持体と中間転写体の接触部の他例の拡大図である。
【図8】像担持体と中間転写体の表面電位の関係図である。
【符号の説明】
10 中間転写体
40 像担持体
81 導電性支持体(導電性基体)
82 感光層
83 表面保護層
84 電荷発生層
85 電荷輸送層
90 接触部
91 第1の電圧印加手段
92 第2の電圧印加手段
93 第1バイアスローラ
95 第2バイアスローラ
Claims (14)
- 像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、
前記像担持体と前記中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、
前記像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の前記表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質からなり放射線架橋されていることを特徴とする、画像形成装置。 - 像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、その中間転写体上のトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、
前記像担持体と前記中間転写体との接触部を挟んで、像担持体回転方向上流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記像担持体側へ移動させる方向の電界を形成し、下流側における前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面との間にはトナーを前記中間転写体側へ移動させる方向の電界を形成する一方、
前記像担持体を、導電性基体上に感光層と表面保護層とを順に積層してなる電子写真感光体で構成し、その電子写真感光体の前記表面保護層が放射線架橋剤と電荷輸送物質と光重合開始剤からなり紫外線架橋されていることを特徴とする、画像形成装置。 - 前記表面保護層が、酸素濃度5%以下の雰囲気にて放射線架橋または紫外線架橋されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記接触部より上流側における前記中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する第1の電圧印加手段を、前記接触部または前記接触部よりも像担持体回転方向下流側における前記中間転写体の裏面に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する第2の電圧印加手段を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がローラよりなることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がブラシよりなることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段がブレードよりなることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体が複数のローラに掛け回されたベルトからなり、前記第1および第2の電圧印加手段が、ローラ、ブラシおよびブレードのうちのいずれか2つの組合せよりなることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記接触部よりも像担持体回転方向上流側において、前記像担持体の表面と前記中間転写体の表面の間に非接触の電圧印加部材を備え、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質の含有量が、30重量%以上50重量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記放射線架橋剤の少なくとも1種の分子量/官能基数が200以下であることを特徴とする、請求項1、2、または10に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の前記表面保護層中の前記電荷輸送物質が、アクリレートまたはメタクリレート付加物であることを特徴とする、請求項1、2、または10に記載の画像形成装置。
- 使用されるトナーの平均粒径が6μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 使用されるトナーの円形度が0.96以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
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