JP5084225B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、コピー、プリンター、などに用いられる電子写真方式の画像形成装置および画像形成方法に関し、特に像担持体の表面電位差とトナー付着量差によりゴースト画像の発生を防止する作像条件を補正する機能を有する画像形成装置および画像形成方法に関する。
従来、電子写真装置により一般に、一様に帯電された感光体上に、画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像の形成された感光体に現像部によりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像し、この感光体上のトナー画像を転写部で転写手段(記録紙、或いは中間転写体)に転写した後、定着部で転写紙上に転写したトナーを加熱・加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニング部でクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により残留トナーを回収、クリーニングする。以上のような画像形成プロセスが取られる。
安定した画像濃度を維持するために、センサを用いてその検知結果から作像条件を変更するプロセスコントロールが行われている。センサの種類には感光体上の表面電位を検知する電位センサ、感光体および転写ベルト上のトナー付着量を検知するフォトセンサ(Pセンサ)、現像器中の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ(Tセンサ)等がある。
プロセスコントロールでは画像形成に必要な表面電位、トナー補給、γ特性等の制御が行われる。
現在のプロセスコントロールでは画像濃度を第一のターゲットとしているため、異常画像に関しての補正は積極的には行われていないが、画像濃度に影響を与えない条件を選択して異常画像を防げる場合も多く存在する。
ハーフトーン画像におけるゴースト画像は感光体の表面電位ムラが原因となって起こる異常画像である。トナーが感光体に現像された箇所に次回の作像時に電荷の履歴が残っていると、この履歴の残存が濃度差として現れる。特に電位差の影響を強く受けるハーフトーン画像で見られる現象である。
残像の種類としては始めにトナーが現像された箇所が、周囲より濃度が濃くなるポジ残像と、始めにトナーが現像された箇所の電位が上がり、周囲より濃度が薄くなるネガ残像とがある。
ハーフトーンでのゴースト画像(残像)の原因となる感光体電位差の除去に関し、数々の手法が提案されている。
たとえば特許文献1には、残像認定手段を有し、大量に作像を繰り返して残像が検知された際に、残像除去用の画像を出力する方法が提案されている。
また特許文献2には、感光体の膜厚、画像形成待機時間、感光体温度、感光体処方、製造ロットに基づき、帯電器のグリッド電圧、現像電圧、除電ランプ光量等を感光体1周ごとに変えていき、表面電位を安定化させ、画像濃度を一定にする方法が提案されている。
また特許文献3には、転写とクリーニングの間に光を照射して除電を行う方法が提案されている。
また特許文献4には、転写器と帯電器の間であり、帯電器の上流側に感光体表面に接した電極を設置し、感光体表面の帯電電位と同極性の電圧を付与することにより、残像を除去する方法が提案されている。
特開2005−165229号公報 特開平5−289458号公報 特許第3313219号公報 特開平5−173460号公報
しかしながら、特許文献1では、残像を検知した際に、残像除去用の画像(ベタ画像)を出力するとあるが、連続出力の際に作像が止まってしまい、生産性が低下してしまう。また、残像が頻繁に発生する場合はトナー消費量が多くなるなど問題がある。
また特許文献2では、感光体の作成条件や待機時の状態に応じて周ごとに作像条件を変えているが、感光体の条件にばらつきが大きく、残像が除去できないこともある。
また特許文献3では、転写とクリーニング間への光照射により除電を行っているが、負帯電トナーを用いる反転現像の場合、転写時にトラップされるのは正電荷が多く、負帯電型の感光体の場合には光照射で除電できるのは負電荷であるため、その場合、効果が見られ無い可能性が高い。
また特許文献4では、感光体に接触した電極を設けているが、この箇所にクリーニングできなかったトナーが付着し、電位ムラが生じる可能性も否定できないという問題もある。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、ハーフトーンでのゴースト画像の発生を検知し、作像条件を補正することで、ハーフトーンでのゴースト画像が発生しにくい画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、少なくとも、像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、一様に帯電された像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーを用いて現像する現像手段と、像担持体上のトナーを被転写体に転写する転写手段と、像担持体におけるゴースト画像の発生を検知する検知手段と、当該検知結果に基づいて作像条件を補正する補正手段とを有し、検知手段として、像担持体に作像されたパターンの表面電位を測定可能な表面電位計、及び、像担持体の表面に生じるトナー付着量差を測定可能なフォトセンサを有し、補正手段は、表面電位計により測定された値又はフォトセンサにより測定された値のいずれかが予め定められた規定値内ではない場合に、帯電手段における帯電電流の値が予め定められた複数の第1設定値内であるかを判定し、当該判定の結果、複数の第1設定値内である場合は帯電電流を所定値に補正する一方で、複数の第1設定値内ではない場合は転写手段における転写電流の値が予め定められた第2設定値内であるかを判定し、当該判定の結果、第2設定値内である場合は転写電流を所定値に補正する一方で、第2設定値内ではない場合は帯電電流及び転写電流の補正を行わないようにし、帯電電流の補正は、帯電電流のコントロール域を複数に分けて前記帯電手段の各チャージャに分担させることで制御されることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、少なくとも、像担持体を一様に帯電させる帯電工程と、一様に帯電された像担持体に潜像を形成する潜像形成工程と、潜像をトナーを用いて現像する現像工程と、像担持体上のトナーを被転写体に転写する転写工程と、像担持体におけるゴースト画像の発生を検知する検知工程と、当該検知結果に基づいて作像条件を補正する補正工程とからなり、検知工程では、表面電位計により像担持体に作像されたパターンの表面電位を測定し、また、フォトセンサにより像担持体の表面に生じるトナー付着量差を測定し、補正工程では、表面電位計により測定された値又はフォトセンサにより測定された値のいずれかが予め定められた規定値内ではない場合に、帯電工程における帯電電流の値が予め定められた複数の第1設定値内であるかを判定し、当該判定の結果、複数の第1設定値内である場合は帯電電流を所定値に補正する一方で、複数の第1設定値内ではない場合は転写工程における転写電流の値が予め定められた第2設定値内であるかを判定し、当該判定の結果、第2設定値内である場合は転写電流を所定値に補正する一方で、第2設定値内ではない場合は帯電電流及び転写電流の補正を行わないようにし、帯電電流の補正は、帯電電流のコントロール域を複数に分けて前記帯電工程の各チャージャに分担させることで制御されることを特徴とする。
本発明によれば、像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、潜像を形成する潜像形成手段と、この潜像をトナーを用いて現像する現像手段と、担持体上のトナーを被転写体に転写する転写手段を有する電子写真方式の画像形成装置において、像担持体の表面電位差とトナー付着量差によりハーフトーンでのゴースト画像の発生を検知する手段と、ゴースト画像の発生有無を確認するパターンを作像し、その検知結果から作像条件を補正する手段を有することを特徴とする画像形成装置により、ハーフトーンでのゴースト画像に関して、電位センサで検知された電位差またはフォトセンサで検知されたトナー付着量差の少なくとも1つにより、帯電電流または転写電流の少なくとも1つを補正することで、異常画像の発生を抑えることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置を実施形態により詳細に説明する。
本発明者は、前述の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ハーフトーン(いわゆる中間色)でのゴースト画像の発生を検知し、その検知結果を用いて帯電および転写での作像条件を変更し、これによってハーフトーンでのゴースト画像の発生を抑えることが可能となり、電子写真装置の信頼性が飛躍的に向上することを見出して本発明を完成するに到った。ゴースト画像は、初期から発生することはないと考えられ、感光体が複写をたとえば数万回など、繰り返した後に発生する現象である。
ゴースト画像発生の原因としては、プラスの電圧をかけてトナーを転写紙に移動させる転写工程において、感光体上にトナーが存在しない箇所で、感光体に捕われる電荷量に差が生じ、次の作像工程において、不必要な電位差が生じてしまう。その元来存在するべきでない電位差が現像時におけるトナー付着量の差となり、画像濃度差として可視化されることによって現れる。この現れた濃度差の画像がゴースト画像である。
図1は、ハーフトーンでのゴースト画像の評価として、それぞれ露光後および転写後の感光体表面の電位を測定する表面電位計を取り付けた構成の電子写真方式の画像形成装置の構成例を示す。この画像形成装置は、図1に示すように、像担持体を一様に帯電させる帯電装置1、一様に帯電された像担持体に潜像を形成する画像露光系2、像担持体の表面の電位を計測する表面電位計3、潜像をトナーを用いて現像する現像装置4、像担持体上のトナーを被転写体に転写する転写装置6、像担持体上のトナーを除去するクリーニング装置7(クリーニングブラシ7a及び弾性ゴムクリーニングブレード7b等で構成)、像担持体の除電を行う除電装置8、像担持体である感光体9を有する。
このような画像形成装置を用いて、たとえば1万枚画像形成後の画像形成装置を用い、図2に示すパターンを2回作像して、ハーフトーンにおけるゴースト画像を本発明では評価して作像条件を補正する。このような画像形成装置を用いて作像条件を補正する際に図1に示すような構成の画像形成装置を用いて電位等の測定をしたときの各表面電位計の出力結果を図3に示す。
図3に示すように、感光体9中の2周期目にハーフトーンでのゴースト画像発生位置において感光体表面電位の変化を示す。表面電位は、トレック(Trek)表面電位計Model344を用いて測定した。
図3に示すように、感光体の1周目のパターン中の電位が落ち込んだ箇所の履歴が次の作像時に残り、その表面電位差として現れる結果、ゴースト画像を発生する。このようなゴースト画像が現れることを、図1の表面電位計3により表面電位差として捉えることができた例である。
また、図4は、図8に示すように、発光部からトナー像が形成された感光体上に照射して反射された光量を受光部により測定することによって、感光体9上のトナー付着量を検知することができるフォトセンサ5を設けた装置の構成を示す。フォトセンサを設けたのは、前述の電位差によって生じるトナー付着量差を測定するためである。
ここで使用したフォトセンサとして、発光素子としてはたとえばGaAsなどの赤外発光ダイオードであり、受光素子はSiフォト・トランジスタまたはSiフォト・ダイオードの組み合わせを採用した例である。本発明では、このように、発光素子と受光素子からなるフォトセンサを用いている。
同様に図2に示すパターンを用いて作像した際のフォトセンサ出力を図5に示す。
表面電位計での結果と同様に、図5に示すフォトセンサ出力におけるトナー付着量差によって、ハーフトーンでのゴースト画像が検知できることが判る(図5のZの部分参照)。以上のように、本発明では、表面電位計またはフォトセンサの少なくとも1つの出力を検知し、作像条件を制御することにより、ハーフトーンにおけるゴースト画像の発生を抑制することができると考えられる。すなわち、図3の1周目のパターンに示すように、800V付近でのプラトー部(図3のA参照)は、図2の典型パターンの白色となっている部分であり、次いで交互に、黒→白→黒→白→黒→白→黒の窓状パターン後に、白となり次いでハーフトーン画像となっている。この黒→白の繰り返しが図3の表面電位では、800V近傍から一気に200V近傍→800V・・・と繰り返された後(図3のB〜H参照)、一旦、800V近傍のパターンとなり(図3のI参照)、その後520V近傍に低下し(図3のJ参照)、しばらくこの電位近傍に留まり、1週目が終了している。そして2週目の始まりでは、520V近傍から、480V近傍に低下し、その後上の電位が510〜520V、下の電位が480〜490程度で振動しているように振れている(図3の「ハーフトーンでのゴースト画像発生位置」参照)。これに対応するように、フォトセンサ出力を示した図5では、図3に示す800V付近でのプラトー部に対応してフォトセンサ出力が4V近傍のプラトー部が見られ(図5のA参照)、また図3の表面電位では、800V近傍から一気に200V近傍→800V・・・と繰り返された後、一旦、800V近傍となるのに対応して、4Vから1V→4V・・・と繰り返しの出力パターンとなり(図5のB〜H参照)、その後図3における一旦、800V近傍となるパターンに対応して、図5では4Vのプラトー部(図5のI参照)の後に、2V近傍のプラトー部(図5のJ参照)となってそれぞれ、対応していることがわかる。そして、図5においても、図3の「ハーフトーンでのゴースト画像発生位置」にあるような電位の振れと同様な2〜2.3V程度の範囲のフォトセンサ出力の振れを見出すことができた。この振れは、図3の「ハーフトーンでのゴースト画像発生位置」と同様のゴースト画像として検出された部分と対応している部分である。
図6はハーフトーンでのゴースト画像検知手段を備えた画像形成装置の一例としての電子写真装置の構成を示す図である。図6に示すように、感光体9に帯電装置1により(±)600〜1400Vに(一様に)帯電される。この帯電により感光体に電荷が付与(荷電)された後に、画像露光系2により潜像形成が行われる。アナログ複写機の場合、露光ランプで照射された原稿像が逆像形式で感光体に投影されて結像されるが、デジタル複写機では、CCD(電荷結合素子)で読み取られた原稿像が400〜780nmのLDやLEDによりデジタル信号に変換されて、感光体上に結像される。アナログとデジタルの波長域は異なるが、結像によって感光層では電荷分離が行われ、感光体上に潜像が形成される。原稿に対応して潜像形成が行われた感光体9は、現像装置4で現像剤により現像が行われ、現稿像は顕像化(トナーによる現像化:トナー像化)される。
次に、感光体上のトナー像(現像像)は転写装置6によりコピー用紙10に転写され、定着装置11に送られ、加圧、加熱されて定着されてハードコピー化される。一方、感光体9は現像像の転写後、クリーニング装置7(クリーニングブラシ7a及び弾性ゴムクリーニングブレード7b等で構成)でコピー用紙10に転写した後のトナー像(残留トナー)が清掃され、感光体9は清浄化される。クリーニング後の感光体9にはトナー像を形成されたあとの潜像(原稿像)が多少なりとも保持されているため、この保持された潜像の名残を消去し均一化するために除電装置(一般に赤色光が使用される)8で除電され、次の潜像形成の準備を終えて一連の複写プロセスが終了する。図6に示すように、表面電位計3を帯電工程後に、フォトセンサ5を現像工程後に、それぞれ位置させる。
次に、このような画像形成装置におけるハーフトーンでのゴースト画像の検知法について説明する。
ハーフトーンでのゴースト画像を検知する検知手段であるセンサとして、電位センサまたはフォトセンサの少なくとも1つが用いられる。センサの取り付け位置は、電位センサ3は露光系2の後から現像装置4までの間に設けられ、フォトセンサ5は現像装置4から転写装置6までに取り付けられる。
電位センサ3の測定値は、たとえば被測定物に対向したセンサ内部の振動板を振動させて生じる電極−被対象物間の静電容量の変化から表面電位が測定されるセンサ等を用いて表面電位が測定される。電位センサから得られる感光体表面電位の電気信号は、扱いやすいよう規格化された値に変換される。図7は感光体表面電位と電位センサ出力の関係を示す図である。ただし図3に示す感光体表面電位に対し、現像バイアス電位として550Vが印加されており、白色(800V近傍)および黒色(200V近傍)の部分の表面電位にばらつきが生じているが、この部位では、現像によるトナー付着量の差が生じにくいため、電位差が存在してもゴースト現象は現れない。一方、ハーフトーン画像における電位差はトナー付着量に対し感度が高いため、30Vの電位差を生じた場合には、現像した場合に大きな濃度差となってゴースト画像が現れることになる。
またハーフトーンでのゴースト画像を検知する検知手段であるセンサとして本発明で使用されるフォトセンサは、たとえば図8に示すように、発光部と、受光部とを有し、発光部から発せられた光を検知面に照射し、この反射光を受光部で検知して計測することによってゴースト画像を図5のように得ることができる(図5中のA参照)。
今回用いたトナーは黒色なので、感光体への付着量が多くなるほど感光体からの反射光は少なく、図9に示すような傾向となる。このような図9に示すような各センサの出力結果に基づいて、ハーフトーンでのゴースト画像を検知することができる。
次に、作像条件を補正することによるゴースト画像の抑制方法(画像形成方法)について説明する。
ゴースト画像は作像条件の違いにより発生することが確認されている。画像濃度差を与える原因としては感光体電位差であるが、その電位差を引き起こすメカニズムは未だ不明な点が多い。たとえば図10及び11に示すように、今までの検討結果から、転写時に印加する電流(転写電流)を大きくすると悪化し(図10)、また帯電時の電流(帯電電流)を大きくする(図11)ことで改善することができる。電位が低下した露光部は露光されていない箇所より転写時に正電荷が感光体内部に入り込み易く、捕われた正電荷が帯電時に完全にリリースされずに残るため、非露光部との電位差が生じてゴースト画像が発生すると考察されている。現在までの調査の結果、30Vの電位差でゴースト画像の発生が確認されている。
図10は、転写電流値と、ゴースト画像との関係を示す例であり、また、図11は帯電電流値と、ゴースト画像ゴースト画像との関係を示す例である。これらの関係は、感光体の使用頻度などによる経時変化があり、その変化度合いは感光体の種類間でも差があり、同一品種でも若干差があるので、その傾向の一例を示したに過ぎない。従って上記したように、転写時に印加する電流(転写電流)を大きくすると悪化し、また帯電時の電流(帯電電流)を大きくすることで改善することができるという傾向があると言える。
次に、本発明の画像形成装置を用いたゴースト画像の補正による画像形成方法について、流れ図を用いて説明する。図12は、補正の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、ゴースト検知パターンとして、図13および14に示すパターンを用いてゴースト画像を低減化するものとする。
これらの検知パターンを作像した後のパターン部電位を、たとえば電位センサを用いて測定する。ゴースト画像が発生する電位差の許容下限をあらかじめ設定しておき、その設定値を超えた値を検知したときに補正を行う。
また、ゴースト画像の表面電位差が下限を超えなくとも、その後にフォトセンサによりトナー付着量差を検知し、同様に濃度差として現れる下限値を超えたときに補正を行うようにする。
補正の方法としてはまず帯電電流の設定値を確認し、設定可能な範囲内である場合、帯電電流の値を変更し、再びゴースト検知パターンを作像および検知を行う。また、帯電電流が設定不可能な範囲である場合、転写電流の設定を確認し、設定可能範囲内である場合には補正を行う。帯電電流と転写電流のどちらも設定可能範囲外であった場合は、何もせず実行終了とする。
より具体的には、たとえば図12に示すように、ゴースト検知パターンの作像を開始するこの際にまず感光体の検知パターンを作像した後のパターン部電位を、電位センサを用いて測定する(ステップS01)。そしてその結果、表面電位差が規定値内か否かを判断する(ステップS02)。規定値内であれば(ステップS02でYesの場合)、次いでフォトセンサによりトナー付着量差を検知した値により、付着量の差が規定内か否かを判断する(ステップS03)。そして前記したステップS02でNoの場合、およびステップS03でNoの場合には、帯電電流値が設定範囲内であるか否かを判断する(ステップS04)。そして設定可能範囲内であれば(ステップS04でYesの場合)、帯電電流の補正を行う(ステップS05)。
本発明の画像形成方法において、ステップS02またはステップS03の両方を用いた例を示したが、例えばステップS02のみの検知手段による方法としたり、ステップS03のみの検知手段による方法としたりすることができる。
また、本発明では、ステップS04において、帯電電流設定値内か否かを判定したが、この設定値を複数の閾値として設け、制御するようにすることもできる。
また、たとえば帯電電流値が図11に示すような1000μAまではメインチャージャ1で制御することとし、これを越えた場合には1600μAまでをプレチャージャでコントロールするようにすることもできる。このように、たとえば帯電電流コントロール域を複数に分けて各チャージャに分担させるように制御して帯電電流値を制御することにより、ゴースト画像を減少するように制御することもできる。
この帯電電流制御において、たとえば図4に示すように、メインの帯電器1の帯電電流値を変化させることにより、制御することもできるが、メインの帯電器1は感光体9を略一様に帯電させる機能も有していることが多く、このため、メインな帯電器1の前段または後段に、プレチャージャ12またはポストチャージャ(図示せず)の少なくとも1つを設け、プレチャージャ12またはポストチャージャを、ゴースト画像を制御する制御系としてのプレチャージまたはポストチャージするように実行することができる。なおこれら帯電のためのプレチャージャ12またはポストチャージャの台数等は複数であってもよい。本発明では、このように、メインの帯電器以外のプレチャージャあるいはポストチャージャをゴースト画像の低減のために使用する方法および画像形成装置の発明を含んでいる。
この例では検知対象に帯電時表面電位と現像時トナー付着量の2つとし、制御対象に帯電電流と転写電流の2つとした例を示しているが、各対象においてどちらかひとつを用いてもよい。転写電流を変更すると、転写不良等により異常画像が発生しやすい傾向があるため、帯電電流での補正のみとすることもできる。本制御は一定枚数作像後(たとえば1万枚程度後)に行うことでもよいが、その制限した枚数前の作像の間にパターンを作成し、検知および補正を行うことも可能である。
次に本発明に用いられる電子写真用感光体について説明する。図15は本発明に用いられる電子写真用感光体の模式断面図であり、導電性支持体90上に電荷発生層91、無機微粒子を含有する電荷輸送層92を積層して構成される機能分離型の感光層を有するものである。図16は、導電性支持体90と、電荷発生層91及び微粒子を含有する電荷輸送層92からなる感光層の間に下引き層93を有するものである。図17は、電荷輸送層92の上に微粒子を含有する保護層94を積層したものである。
導電性支持体90としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体90として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
電荷発生層91は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、公知の材料を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
電荷発生層91に必要に応じて用いられるバインダ−樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層91に併用できる電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
電荷発生層91は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
電荷発生層91を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成出来る。
また、キャスティングなどの塗装方法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ−樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成出来る。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行うことが出来る。
以上のようにして設けられる電荷発生層91の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層92は、電荷輸送成分とバインダ−成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成出来る。電荷輸送層の膜厚は、10〜100μm程度が適当であり、解像力が要求される場合、10〜30μm程度が適当である。
本発明において、電荷輸送層92のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、その他)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質が挙げられる。電荷輸送物質の使用量は高分子化合物100重量部に対して20〜200重量部、好ましくは50〜100重量部程度である。
電荷輸送層92の塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
電荷輸送層92には、膜厚の凹凸を低減する方法として、例えば、レベリング剤を添加する方法などは有効である。レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影響が小さい、シリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。また、塗工時の条件等によっても凹凸を低減することは可能である。例えば浸漬塗工において、感光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態の時に、フードで覆ったりすることで風の流れなどで表面を乱されないようにしたりすることで凹凸が低減される。
更に、電荷輸送層92が感光体の最表面層になる場合には、電荷輸送層の表面部位に無機微粒子を含有させる。無機微粒子材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらの微粒子の中で、微粒子の硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらの微粒子材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
また、無機微粒子と合わせて、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等を含有してもよい。
これらの微粒子材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、微粒子の一次粒径の平均は、0.01〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.5μmであることが電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
また、これらの微粒子を電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最も微粒子含有率が高く、支持体側が低くなるように微粒子濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、微粒子濃度が順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引き層93を設けてもよい(図16参照)。設けられる下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を、溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層93として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾールゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層93には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2,TiO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmである。
本発明の感光体においては、保護層94が感光層の上に設けられることもある(図17参照)。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS(アクリル-スチレン)樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、保護層を用いる場合、保護層中に微粒子材料を添加しても良く、微粒子材料としては、有機性微粒子材料と無機性微粒子材料とがある。有機性微粒子材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性微粒子材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
無機顔料からなる微粒子は、有機材料からなる微粒子に比べ硬度が高いため、感光体最表層の耐摩耗性をより向上させることができる。ところが、一般的に、潜像担持体の耐摩耗性を向上させると該潜像担持体の表面部はほとんど摩耗しなくなるが、帯電時に発生するオゾン、NOx等の反応性ガスによって該表面部が低抵抗化し、次第に該表面部の静電荷が保持されなくなり、該静電荷が表面方向に移動してしまうことが知られている。その結果、静電潜像が滲んでしまい、該静電潜像がトナーなどで現像されたときに見られる画像ボケや画像流れと呼ばれる異常画像が起こるようになる。本発明で用いる微粒子としては1010Ωcm以上という高い抵抗を有することが好ましい。このような微粒子を用いることで、潜像担持体の最表層の低抵抗化が抑えられ、上記異常画像の発生を大幅に抑制することができる。
これらの微粒子の中で、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらの微粒子材料は他の金属酸化物微粒子に比べ価格が安く入手も容易なため、潜像担持体の製造コスト低減を図ることが可能となる。
その中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方最密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。このような微粒子材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの微粒子材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。微粒子の一次粒径の平均は、0.1〜1.0μmであることが保護層等の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。また、保護層に電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を添加することは、画質向上に対して有効な手段である。
保護層94の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができる。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度であり、好適には2〜5μmである。
ここで、電荷輸送層92上に保護層94を形成した場合、帯電時の表面電荷は保護層上に存在していると考えられるので、本発明における近隣の凹凸の膜厚差は、電荷輸送層と保護層を合わせた膜厚差といえる。そのため、保護層形成時においても前述の電荷輸送層と同様に凹凸を低減する方法が適用される。
また、このように保護層94を設け、耐摩耗性を高くすることは、感光体形成時の電荷輸送物質を含有する層の凹凸の履歴が長期間にわたって維持されることを意味する。すなわち、耐摩耗性が比較的小さい電子写真感光体においては、長期間画像を出力することで表面が摩耗するが、部分的な摩耗量の差で凹凸が発生してしまうことも考えられる。従って、本発明のように、使用前から凹凸の膜厚差を小さくし、さらに保護層を設けるなどして耐摩耗性を高くして感光体一本内の摩耗量の差による凹凸の発生を抑えることは、長期間にわたって、良好な画像をえるための非常に有効な手段となる。耐摩耗性の高い電子写真感光体とは、前述のような保護層を形成したものや、最表層に高分子電荷輸送物質を含有し、低分子電荷輸送物質の含有量を小さくしたものなどが挙げられる。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などを添加することが出来る。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'-ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどである。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなどがある。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどがある。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなどがある。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなどがある。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなどがある。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどがある。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなどがある。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどがある。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなどがある。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなどがある。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなどがある。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなどがある。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなどがある。
各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなどがある。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などがある。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなどがある。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなどがある。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなどがある。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどがある。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなどがある。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物などがある。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなどがある。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなどがある。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなどがある。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなどがある。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2'チオビス(4−t-オクチル)フェノレート)ノールマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなどがある。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどがある。
電荷ブロッキング層用樹脂合成例
6−ナイロン100部をメタノール160部に溶解し、これにホルムアルデヒド75部、リン酸2部を混合、撹拌し、125℃まで1時間かけて昇温した。125℃で30分間持続させた後、室温まで45分かけて冷却した。混合物は、半透明なゲル状であった。
リン酸を中和するために、過剰のアンモニアを含む95%エタノールに、前記ゲルを溶解した。この溶液を水中に注ぎ、ポリアミドを析出させた。
析出させたポリアミドを濾過し、1Lの水道水にて洗浄を行い、更に乾燥を行って、N−メトキシメチル化ナイロンを得た。
(電荷ブロッキング層用塗工液)
N−メトキシメチル化ナイロン(樹脂) 6.4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
上記組成比で溶媒に樹脂のN−メトキシメチル化ナイロンを溶解し電荷ブロッキング層用塗工液を作製した。
(モアレ防止層用塗工液)
酸化チタン(純度:99.8%) 70部
アルキッド樹脂 14部
(ベッコライトM6401-50-S(固形分50%)大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンG-821-60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
上記組成比からなる混合物をボールミルで72時間分散し、モアレ防止層用塗工液を作製した。
(電荷輸送層塗工液)
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式1の電荷輸送物質 7部
Figure 0005084225
テトラヒドロフラン 80部
(感光体1の作成)
直径100mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に上記電荷ブロッキング層用塗工液、モアレ防止層用塗工液、電荷発生層塗工液2、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層、0.3μmの電荷発生層、30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。続いて、得られた電子写真感光体を100℃で10時間熱処理を実施し、実施例1の電子写真感光体を得た。
(感光体2の作製)
直径100mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、0.3μm厚の下引層を設けた。なお、アルミニウムシリンダーには、モアレが発生しないような切削処理を施した。
次に、CuKαのX線回折における回折角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン顔料を10部、ポリカーボネートZ樹脂(重量平均分子量28,000)10部及びシクロヘキサン60部を1φガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散した。この分散液にメチルエチケトン100部を加えた溶液を、上記下引層上に塗布し、乾燥することによって電荷発生層を形成した。膜厚は0.12μmであった。
Figure 0005084225
次に上図構造式2に示すトリアリールアミン化合物7部と下図構造式3で示されるスチリル化合物3部をポリカーボネートZ樹脂(重量平均分子量80,000)10部及びモノクロルベンゼン60部に溶解した。この溶液を上記電荷発生層上に塗布し、乾燥することによって電荷輸送層を形成した。乾燥後の膜厚は20μmであった。
さらにこの電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行い、塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え5.3μmの架橋型電荷輸送層用を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
〔トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99〕
1官能の電荷輸送性構造を有する下記のラジカル重合性化合物 10部
Figure 0005084225
光重合開始剤 1部
〔1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)〕
テトラヒドロフラン 100部
(粉砕法トナーの作製)
スチレン−nブチルアクリレート共重合体(Mw7万、Mn2万)200重量部
カーボンブラック 14重量部
極性樹脂〔飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15、ピーク分子量60000)〕 10重量部
負極性電荷制御剤(ジアルキルサリチル酸金属化合物) 2重量部
低軟化点物質(エステルワックス化合物) 15重量部
上記組成物エクストルーダーを用いて溶融混練後、冷却した混練物を機械的に粉砕し、粗粉砕物を、ジェット流を用いて衝突板に衝突させて微粉砕し、更に気流分級機で微粉砕物を分級し、体積平均粒径8.6μm、円形度0.914の粉砕トナーを得た。結果を表1に示す。
Figure 0005084225
(感光体表面へ供給する潤滑性物質)
感光体表面へ供給する潤滑性物質を表2に示す。
Figure 0005084225
図6の画像形成装置にて、それぞれ表3に示す感光体を使用した。図13に示すゴースト画像検知パターンを3つ作像し、パターン検知から感光体周長[mm]/機械線速[mm/sec.]であらかじめ設定された経過時間後に検知を行い、平均の電位差およびトナー付着量差を測定し、制御に用いた。尚、帯電チャージャ、感光体、クリーニング部は一体に構成され、着脱可能なプロセスカートリッジとなっている。
図12の制御図の検知手段である電位センサとフォトセンサはそれぞれゴースト発生を検知/非検知が設定できるようにした。また、帯電電流と転写電流もそれぞれ補正する/しないを設定できるようにした。評価に当たり本制御を毎日の機械電源を入れたときに行うよう設定した。以上のような画像形成装置を作製した。
〈比較例1,2〉
比較例1および2では本発明での制御手段を用いない構成としている。
表3の感光体1と感光体2を用いて評価を行った。
電位センサでゴースト画像検知を行い、帯電電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例1と同じ設定を用いた。
フォトセンサでゴースト画像検知を行い、帯電電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例1と同じ設定を用いた。
電位センサとフォトセンサでゴースト画像検知を行い、帯電電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例1と同じ設定を用いた。
電位センサとフォトセンサでゴースト画像検知を行い、転写電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例1と同じ設定を用いた。
電位センサとフォトセンサでゴースト画像検知を行い、帯電電流と転写電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例1と同じ設定を用いた。
電位センサでゴースト画像検知を行い、帯電電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例2と同じ設定を用いた。
フォトセンサでゴースト画像検知を行い、帯電電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例2と同じ設定を用いた。
電位センサとフォトセンサでゴースト画像検知を行い、帯電電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例2と同じ設定を用いた。
電位センサとフォトセンサでゴースト画像検知を行い、転写電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例2と同じ設定を用いた。
電位センサとフォトセンサでゴースト画像検知を行い、帯電電流と転写電流の補正を行うモードとした。それ以外は比較例2と同じ設定を用いた。
(評価方法)
各画像形成装置について、それぞれ初期および画像面積率6%の原稿を100万枚の画像出力後にて、ハーフトーンでのゴースト画像及びその他異常についても評価を行った。結果を表3に示す。
尚評価結果の段階は、
◎・・・全く発生せず
○・・・発生はしているが軽微なもの(許容範囲)
△・・・発生しており、許容範囲の限界
×・・・はっきりと発生しており、許容できない
の4段階で評価した。
Figure 0005084225
電位センサおよびフォトセンサの検知結果により、帯電電流と転写電流の補正を行うことにより、ハーフトーンでのゴースト画像の発生を抑えられることがわかる。また、実施例1、2、6、7とその他の実施例を比較すると、電位センサとフォトセンサの両方を用いることで、よりゴースト画像を抑制できることがわかる。
本発明の露光後と転写後に表面電位計を設置した画像形成装置の例の断面図である。 本発明で使用するゴースト画像評価用パターンである。 本発明のゴースト画像評価用パターンで作像時の表面電位計の出力変化の説明図である。 本発明の現像後にフォトセンサを設置した画像形成装置の構成断面図である。 本発明のゴースト画像評価用パターンで作像時のフォトセンサ出力変化の説明図である。 本発明のゴースト画像評価用検知手段を有する画像形成装置の断面構成図である。 本発明で使用する感光体表面電位と電位センサ出力の関係説明図である。 本発明で使用のトナー濃度検知用フォトセンサの断面図である。 本発明におけるトナー付着量とフォトセンサ出力の関係説明図である。 本発明での転写時電流とゴースト画像の関係説明図である。 本発明での帯電時電流とゴースト画像の関係説明図である。 本発明の帯電電流又は転写電流補正のフローチャートである。 本発明のゴースト画像検知のためのパターンの1例である。 本発明のゴースト画像検知パターンを感光体一周上で測定する位置を示す摸式図である。 本発明の電子写真感光体の層構成を例示する断面図である。 本発明の電子写真感光体の別の層構成を例示する断面図である。 本発明の電子写真感光体のさらに別の層構成を例示する断面図である。
符号の説明
1 帯電装置
2 画像露光系
3 表面電位計
4 現像装置
5 フォトセンサ
6 転写装置
7 クリーニング装置
7a クリーニングブラシ7a
7b 弾性ゴムクリーニングブレード
8 除電装置
9 感光体
10 コピー用紙
11 定着装置
12 プレチャージャ
90 導電性支持体
91 電荷発生層
92 電荷輸送層
93 下引き層
94 保護層

Claims (4)

  1. 少なくとも、像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、前記一様に帯電された像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像をトナーを用いて現像する現像手段と、前記像担持体上のトナーを被転写体に転写する転写手段と、前記像担持体におけるゴースト画像の発生を検知する検知手段と、当該検知結果に基づいて作像条件を補正する補正手段とを有し、
    前記検知手段として、前記像担持体に作像されたパターンの表面電位を測定可能な表面電位計、及び、前記像担持体の表面に生じるトナー付着量差を測定可能なフォトセンサを有し、
    前記補正手段は、
    前記表面電位計により測定された値又は前記フォトセンサにより測定された値のいずれかが予め定められた規定値内ではない場合に、前記帯電手段における帯電電流の値が予め定められた複数の第1設定値内であるかを判定し、
    当該判定の結果、前記複数の第1設定値内である場合は前記帯電電流を所定値に補正する一方で、前記複数の第1設定値内ではない場合は前記転写手段における転写電流の値が予め定められた第2設定値内であるかを判定し、
    当該判定の結果、前記第2設定値内である場合は前記転写電流を所定値に補正する一方で、前記第2設定値内ではない場合は前記帯電電流及び前記転写電流の補正を行わないようにし、
    前記帯電電流の補正は、
    前記帯電電流のコントロール域を複数に分けて前記帯電手段の各チャージャに分担させることで制御されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記帯電電流の補正は、前記帯電手段のメインチャージャ以外である該メインチャージャの前段のプレチャージャによるプレチャージまたは前記メインチャージャの後段のポストチャージャによるポストチャージの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記検知手段による前記測定および前記補正手段による前記作像条件の補正は、定期的に行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 少なくとも、像担持体を一様に帯電させる帯電工程と、前記一様に帯電された像担持体に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像をトナーを用いて現像する現像工程と、前記像担持体上のトナーを被転写体に転写する転写工程と、前記像担持体におけるゴースト画像の発生を検知する検知工程と、当該検知結果に基づいて作像条件を補正する補正工程とからなり、
    前記検知工程では、表面電位計により前記像担持体に作像されたパターンの表面電位を測定し、また、フォトセンサにより前記像担持体の表面に生じるトナー付着量差を測定し、
    前記補正工程では、
    前記表面電位計により測定された値又は前記フォトセンサにより測定された値のいずれかが予め定められた規定値内ではない場合に、前記帯電工程における帯電電流の値が予め定められた複数の第1設定値内であるかを判定し、
    当該判定の結果、前記複数の第1設定値内である場合は前記帯電電流を所定値に補正する一方で、前記複数の第1設定値内ではない場合は前記転写工程における転写電流の値が予め定められた第2設定値内であるかを判定し、
    当該判定の結果、前記第2設定値内である場合は前記転写電流を所定値に補正する一方で、前記第2設定値内ではない場合は前記帯電電流及び前記転写電流の補正を行わないようにし、
    前記帯電電流の補正は、
    前記帯電電流のコントロール域を複数に分けて前記帯電工程の各チャージャに分担させることで制御されることを特徴とする画像形成方法。
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