JP2005007268A - フィルター用不織布及びその製造方法 - Google Patents

フィルター用不織布及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プリーツ加工性が良好で、優れた集塵性能を有し、長期に亘る使用によっても毛羽発生の少ないフィルター用不織布を提供する。
【解決手段】低融点重合体と高融点重合体とをそれぞれ紡糸口金から紡糸した混繊紡出糸条、あるいは低融点重合体と高融点重合体とを複合紡糸口金から複合紡糸した複合紡出糸条を、エアーサッカーを用いて牽引・延伸し、移動捕集面上に開繊堆積させた後、エンボス装置を用いて部分熱圧接処理して部分熱圧接長繊維不織布とし、次いで一対のフラットロールからなり、フラットロール間にクリアランスを有するカレンダー処理装置を用いてカレンダー処理を行う。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭や事務所用の空調機用フィルターや産業用の粉塵捕集機用フィルター等に適したフィルター用不織布及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
不織布は、織物等の他の布帛に比べて負荷圧が小さい状態でろ過が可能なため広くフィルター用の材料として用いられてきており、特に長繊維不織布は、短繊維不織布に比べてリントフリー性に優れ、強度的性能の優れたものが得易いので、家庭や事務所用の空調機や産業用の粉塵捕集機等のフィルターとして用いられている。
【0003】
これらのフィルターは、ろ過面積を大きくして集塵能力を向上させるためにプリーツ加工を施したものが用いられることが多く、プリーツ加工の加工性や加工後の形態保持性を向上させるための検討が行われている。例えば、特許文献1には、高融点重合体のまわりを低融点重合体が被覆してなる芯鞘型フィラメントからなり、部分的に熱圧接された長繊維不織布からなるフィルター基材が提案されている。しかしながらこの不織布は、形態保持性のための剛性は十分に有しているが、部分的に熱圧接された不織布であるために非圧接部分より毛羽が発生しやすく、プリーツ加工時や取扱い時、使用時に毛羽が発生して、長期に亘る使用に問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特許第3161245号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような現状を鑑みてなされたものであり、フィルターへの加工性が良好で、優れた集塵性能を有し、長期に亘る使用によっても毛羽発生の少ないフィルター用不織布及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を達成するものであり、 高融点重合体からなる繊維と低融点重合体からなる繊維とが混繊されて構成され、部分的に熱圧接された長繊維不織布であって、不織布の表層部の繊維が、低融点重合体が溶融または軟化することにより互いに融着していることを特徴とするフィルター用不織布を要旨とするものである。
【0007】
また、本発明は、高融点重合体と低融点重合体とからなる複合繊維で構成され、部分的に熱圧接された長繊維不織布であって、不織布の表層部の繊維が、低融点重合体が溶融または軟化することにより互いに融着していることを特徴とするフィルター用不織布を要旨とするものである。
【0008】
さらに、本発明は、低融点重合体と高融点重合体とをそれぞれ紡糸口金から紡糸した混繊糸条を、あるいは、低融点重合体と高融点重合体とを複合紡糸口金から複合紡糸した糸条をエアーサッカーを用いて牽引・延伸し、移動捕集面上に開繊堆積させた後、彫刻ロールとフラットロールからなるエンボス装置を用いて部分熱圧接処理を施して部分熱圧接長繊維不織布とし、次いで一対のフラットロールからなり、かつフラットロール間にクリアランスを設けたカレンダー処理装置を用いて部分熱圧接長繊維不織布に熱カレンダー処理を施して、部分熱圧接長繊維不織布の表層部の低融点重合体を溶融または軟化させて、該表層部の繊維を互いに融着させることを特徴とするフィルター用不織布の製造方法を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明のフィルター用不織布は、低融点重合体と高融点重合体で構成された長繊維不織布である。この長繊維不織布は、高融点重合体からなる繊維と低融点重合体からなる繊維が混繊されたもの、あるいは、低融点重合体と高融点重合体とが複合してなる複合繊維からなるものである。
【0011】
高融点重合体と低融点重合体との融点差は、20℃以上とすることが好ましい。融点差を20℃以上とすることにより、後述する熱処理の際、低融点重合体のみを溶融または軟化させ、高融点重合体は、熱の影響を受けないようにすることができる。
【0012】
本発明のフィルター用不織布に用いる低融点重合体および高融点重合体としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体を挙げることができる。
【0013】
ポリエステル系重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸あるいはこれらのエステル類を酸成分とし、かつエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール化合物をジオール成分とするホモポリエステル重合体やこれらを主骨格として第2の酸成分や第2のグリコール成分を共重合したポリエステル共重合体が挙げられる。また、これらのホモポリエステル重合体やポリエステル共重合体に、パラオキシ安息香酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAなどが添加あるいは共重合されていてもよい。
【0014】
ポリアミド系重合体としては、ポリイミノ−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシレンアジパミド、ポリパラキシレンデカナミド、ポリビスシクロヘキシルメタンデカナミドまたはこれらのモノマーを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられる。
【0015】
ポリオレフィン系重合体としては、炭素原子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどからなるホモポリオレフィン重合体が挙げられる。これらの脂肪族α−モノオレフィンは、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン、α−メチルスチレンのような他の類似のエチレン系不飽和モノマーが共重合されたポリオレフィン系共重合体であってもよい。
【0016】
本発明においては、上記の重合体のなかでもポリエステル系重合体を用いることが好ましい。ポリエステル系重合体は、不織布に適度の剛性を付与することができるため、プリーツ加工性およびプリーツ保持性(保型性)に優れるため好ましい。
【0017】
なお、上記の重合体に、必要に応じて、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤が、本発明の効果を損なわない範囲内で添加されていてもよい。
【0018】
本発明のフィルター用不織布は、上記した熱可塑性重合体の中から、融点差を有する2種の熱可塑性重合体(低融点重合体と高融点重合体)を選択し、混繊紡糸あるいは複合紡糸して製造される。具体的には、紡糸口金から紡出され繊維化可能温度に冷却された糸条をエアーサッカーを用いて牽引・延伸し、開繊装置を用いて開繊し、スクリーンコンベアー等の移動捕集面上に堆積させてウェブを得る。
【0019】
混繊紡糸する場合には、2種の熱可塑性重合体を別々の紡糸口金から紡出して開繊装置を用いて開繊させると共に混繊させる方法や、同一紡糸口金に2種の重合体がそれぞれ別の吐出孔から吐出されるように設計した紡糸口金から混繊状態にて紡出させる方法を採用することができる。この場合の吐出孔の形状は通常円形であるが、非円形として異形断面繊維としてもよい。
【0020】
複合紡糸する場合には、紡糸口金として複合紡糸口金を用いて紡出する。複合紡糸口金を用いて紡出する際、2種の熱可塑性重合体の配置方法としては、芯部に高融点重合体が配し、鞘部に芯部を覆うように低融点重合体を配した芯鞘型としてもよいが、図1に示すように芯部が繊維表面に一部露出している状態で、鞘部が芯部の一部を覆ってなる偏芯芯鞘型であることが好ましい。この場合、芯部に高融点重合体を配し、鞘部に低融点重合体を配してなるものであっても、また、その逆で、芯部に低融点重合体を配し、鞘部に高融点重合体を配してなるものであってもよい。また、図2に示すような多葉型とすることがより好ましい。図2は、多葉型の一例であって、葉部を6個有する六葉型である。多葉型の場合、葉部に低融点重合体を配し、芯部に高融点重合体を配し、芯部に配した高融点重合体も繊維表面に露出している。
【0021】
本発明においては、低融点重合体と高融点重合体の両者が繊維表面に露出していることが好ましい。これにより、後の工程である不織布の表層部の繊維を低融点重合体により融着するための熱処理工程において、熱ロールに不織布が密着することによるトラブルの発生を抑えることができ、操業性が良好となる。したがって、不織布の構成繊維として、複合繊維を採用する場合は、上記した図1や図2のごとき複合形態のものが好ましく、図2の多葉型がより好ましい。多葉型のものは、融着成分となる低融点重合体が、不織布全体に低融点重合体が均一に存在し、また多数の葉部に分散しているため、不織布全体にわたって繊維同士の融着性に優れ、かつ均一な融着状態のものが得られる。よって得られた不織布は、毛羽が発生しにくく、プリーツ加工性が良好となる。また、後の工程である不織布の表層部の繊維を低融点重合体により融着するための熱処理工程において、熱ロールに不織布がより密着しにくいため、加工性に優れる。また、ロールに密着しにくいため、ロール表面温度を高く設定することが可能となるので、得られた不織布は、繊維同士の融着性が向上し、毛羽の発生が抑えられ、プリーツ加工性がより良好となる。
【0022】
長繊維不織布を構成する高融点重合体と低融点重合体との比率(質量比)は、40/60〜95/5であることが好ましい。高融点重合体の比率が40質量%未満となると、不織布の機械的強力および剛性が低下し、加工性に劣る傾向となる。一方、95質量%を超えると、低融点重合体の割合が少なくなりすぎて、後述する不織布表層の繊維が低融点重合体によって十分に融着させることができず、本発明の目的が達成されにくい。
【0023】
本発明の不織布は、部分的に熱圧接された長繊維不織布である。部分的に熱圧接されることにより、機械的強力と剛性を維持することができ、また、非圧接部においては、繊維間空隙を保持することができるため、フィルターとしてのろ過および粉塵捕集性を保つことができる。
【0024】
部分的に熱圧接するには、上記により得られたウエブに、熱エンボス装置、超音波溶着装置等を使用して、部分熱圧接処理を施すことにより得る。熱エンボス装置を用いる場合は、彫刻模様が刻印された金属製の熱エンボスロールと表面が平滑な金属製の熱ロールとの間にウェブを通すことにより彫刻模様に該当する部分のウェブ構成繊維同士を熱的に融着させる。このときエンボスロールと平滑ロールの表面温度は、低融点重合体の軟化点以上、融点未満の間の温度に設定すればよい。
【0025】
個々の熱圧接部分の形状は、必ずしも円形である必要はないが、円形もしくは円形に近い形状であって、直径が1mm未満であるのが好ましい。直径が1mm以上であると、プリーツ加工を行う場合にプリーツ形状が良好に形成されにくい。不織布の機械的強度、プリーツ加工性を考慮して、個々の熱圧接部分の面積は、0.1mm以上1.0mm未満であるのが好ましい。また、熱圧接点密度は、4〜80点/cmであるのが好ましく、10〜60点/cmであるのがより好ましい。熱圧接点密度が4点/cm未満であると、不織布の機械的強度や形態保持性が不足して取扱い性が劣るため好ましくない。熱圧接点密度が80点/cmを超えると、不織布の繊維間空隙が少なくなり、フィルターとしてのろ過効率が低下する。不織布の全面積に占める熱圧接部分の面積比率(圧接面積率)は、5〜40%であるのが好ましく、10〜30%であるのがより好ましい。熱圧接部分の面積比率が5%未満であると、不織布の機械的強度や形態保持性が不足して取扱い性が不十分となり好ましくない。熱圧接部分の面積比率が40%を超えると、不織布の繊維間空間が少なくなり、フィルターとしてのろ過効率が低下する。
【0026】
本発明のフィルター用不織布は、部分的に熱圧接された長繊維不織布の表層部の繊維が、低融点重合体が溶融または軟化することにより互いに融着してなる。すなわち、長繊維不織布が、混繊長繊維不織布の場合、不織布の表層部に存在する高融点重合体からなる繊維は、低融点重合体が溶融または軟化することにより互いに融着している。また、長繊維不織布が複合繊維で構成されたものである場合、不織布の表層部に存在する繊維は、複合繊維の低融点重合体が溶融または軟化することにより、互いに融着している。表層部の繊維が互いに融着していると、フィルターを作成する際の取扱い中やフィルターとして使用中に不織布の表面に毛羽が発生するのを防止することができる。本発明のフィルター用不織布は、内層を構成している繊維も互いに融着してもよいが、内層の繊維が融着すると、厚みおよび繊維間空隙が減少するため集塵を捕集する容量が減り、また、ペーパーライクとなるため剛性に劣り、使用の際にプリーツが潰れやすい。このような理由から、長繊維不織布の表層部においては、繊維が互いに低融点重合体により融着しており、内層部においては、繊維が互いに融着していないものが好ましい。なお、本発明において、不織布の表層部とは、表面から目視で認識できる程度の表面部のことをいい、その部分の繊維が互いに融着していればよい。
【0027】
本発明のフィルター用不織布は、上記した部分的に熱圧接された長繊維不織布に、表層部の低融点重合体を溶融または軟化させて、該表層部の繊維を互いに融着させるための熱処理を施すことによって得ることができる。この熱処理方法としては、熱ロールに不織布を沿わせて走行させる方法、一対のフラットロールからなりクリアランスを設けたカレンダー処理装置に不織布を通布して熱カレンダー処理を施す方法等があるが、後者の熱カレンダー処理を施す方法を採用するのが好ましい。ここで、フラットロール間にクリアランスがないと、ロール表面温度にもよるが、得られる不織布は、ペーパーライクで厚みが薄く、剛性に乏しいものとなり、これにプリーツ加工を施しても、使用の際にプリーツが潰れて捕集性能に劣るため好ましくない。熱カレンダー処理を行なう場合、その条件としては、ロール表面温度が、低融点重合体の融点より15℃低い温度から低融点重合体の融点より10℃高い温度の間の温度に設定し、かつフラットロール間のクリアランスを部分的に熱圧接された長繊維不織布の厚さの0.2倍から0.7倍の間に設定するのが好ましい。ロール表面温度が低融点重合体の融点より10℃高い温度よりも高い温度に設定すると、処理時間にもよるが、溶融した重合体がロールに付着しやすく操業性に劣り、また、高融点重合体も熱の影響を受けやすい。一方、低融点重合体の融点より15℃低い温度よりも低い温度に設定すると、低融点重合体が十分に溶融または軟化せず、毛羽立ちやすいものとなる。なお、本発明において、低融点重合体が、融点を有しない場合は、軟化点を融点とみなす。クリアランスについては、部分的に熱圧接された長繊維不織布の厚さの0.2倍未満であると、得られる不織布の厚みが薄くなり良好な剛性が得られにくく、一方、厚さの0.7倍を超えると、低融点重合体が十分に溶融または軟化しない傾向となる。
【0028】
本発明のフィルター用不織布の目付は、ろ過対象となる物質の性状やろ過条件等に適応して選定されればよいが、80〜400g/mであるのが好ましい。目付が80g/m未満であると、剛性が低く加工性に劣り、また、フィルター性能にも劣る傾向となる。一方、目付が400g/mを超えると、加工時の取扱い性に劣り、コスト的にも不利である。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本実施例中の各特性値は、以下のような方法にて求めた。
(1)融点(℃)
パーキネルマー社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で昇温し、得られる融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。
(2)相対粘度
ポリエステルの相対粘度は、フェノールと四塩化エタンの等量混合液を溶媒とし、この溶媒100cmに試料0.5gを溶解し、温度20℃の条件で常法により測定した。
(3)不織布の目付(g/m
試料の大きさを縦25cm、横20cmとし、JIS L1906に準じて、単位面 積(m)当りの質量(g)を求めた。
(4)不織布の厚さ(mm)
JIS L1906の荷重によって変形しにくい試料の厚さの測定法に準じて測定した。
(5)粉塵捕集性能
平均粒子径0.5μmまたは平均粒子径0.1μmのラテックス粉塵を15mg/mの濃度で含む空気を風速3.0m/分で内径110mmの筒中を通過させ、この筒中に空気流を遮るように試料を張設して、試料通過前の粉塵濃度(A)と通過後の粉塵濃度(B)を光学レーザーダイオードを光源とする前方散乱受光式デジタル表示粉塵計により測定し、下式にて粉塵捕集率(%)を算出した。
粉塵捕集率=((A−B)/A)×100
(6)毛羽立ち性
JIS L1906の摩擦強さ測定法のC法(テーパ法)に準じて、荷重4.9Nの摩擦輪を用い、摩擦回数100回にて摩擦した後の外観を判定した。なお、試料については、表裏3枚づつ用意し、それらの判定等級数の平均値を算出した。本発明においては、等級が3.5以上のものを耐摩擦性が良好(毛羽立ちにくい)とした。
(7)プリーツ加工性
幅100mmの試料をプリーツ加工機で、ピッチ25mmのプリーツ加工を行い、加工後の外観を観察し下記3段階で評価した。
◎:プリーツが鋭角で均一である
○:プリーツがやや不均一である
×:プリーツが極めて不均一である
【0030】
実施例1
高融点重合体として、融点256℃、相対粘度が1.38のポリエチレンテレフタレートを用い、低融点重合体としてポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を8モル%共重合した融点228℃、相対粘度1.44の共重合ポリエステルを用いて、それぞれの重合体が別の吐出孔から吐出されるように吐出孔を配置した混繊用紡糸口金から、高融点重合体の単孔吐出量を1.7g/分、低融点重合体の単孔吐出量を1.2g/分として紡出し、エアーサッカーを用いて牽引・延伸し、開繊装置を用いて開繊後、スクリーンコンベアー上に堆積させて高融点重合体からなる繊維と低融点重合体からなる繊維とが混繊してなる長繊維不織ウェブを得た。このウェブに0.6mmの円形彫刻模様が圧接点密度25点/cm、圧接面積率15%で配置された金属製のエンボスロールと金属製のフラットロールとからなるエンボス装置を用いて、ロール表面温度220℃で部分熱圧接処理を行なって、高融点重合体からなる繊維の単糸繊度が3.5デシテックス、低融点重合体からなる単糸繊度が2.4デシテックス、目付が260g/m、厚さが0.68mmの部分的に熱圧接された長繊維不織布を得た。
【0031】
得られた長繊維不織布を、表面温度を220℃、ロール間のクリアランスを0.3mmに設定したカレンダー処理装置を用いてカレンダー処理を行なって厚さが0.56mmで表層部の繊維が低融点重合体で互いに融着している本発明のフィルター用不織布を得た。
【0032】
比較例1
実施例1におけるカレンダー処理を行なう前の部分的に熱圧接された混繊長繊維不織布を比較例1とした。
【0033】
比較例2
実施例1において、カレンダー処理装置のロール間のクリアランスを設けず、ロールの表面温度を180℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の不織布を得た。
【0034】
実施例2
高融点重合体として、融点256℃、相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレートを用い、低融点重合体としてポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を8モル%共重合した融点228℃、相対粘度1.44の共重合ポリエステルを用いて、繊維横断面が図3の多葉型複合断面となるように、芯部に高融点重合体を配し、葉部に低融点重合体を配して、芯/葉の複合比65/35、単孔吐出量1.8g/分で複合紡出し、エアーサッカーを用いて牽引・延伸し、開繊装置を用いて開繊後、スクリーンコンベアー上に堆積させて複合長繊維からなる不織ウェブを得た。このウェブに0.16mmの円形彫刻模様が圧接点密度45点/cm、圧接面積率7.2%で配置されたエンボスロールと金属フラットロールとからなるエンボス装置を用いて、温度210℃で部分熱圧接処理を行なって、単糸繊度が3.6デシテックス、目付が260g/m、厚さが0.63mmの部分的に熱圧接された長繊維不織布を得た。
【0035】
得られた長繊維不織布を、表面温度を220℃、ロール間のクリアランスを0.35mmに設定したカレンダー処理装置を用いてカレンダー処理を行なって、厚さが0.58mmの不織布の表層部の繊維が低融点重合体で互いに融着している本発明のフィルター用不織布を得た。
【0036】
比較例3
実施例2におけるカレンダー処理を行なう前の部分的に熱圧接された長繊維不織布を比較例3とした。
【0037】
比較例4
実施例2において、ロール間のクリアランスを設けなかったこと以外は、実施例2と同様にしたところ、カレンダー処理の際に、溶融した重合体がロールに付着して不織布がロールに取られてしまい、結果、不織布を得ることができなかった。
【0038】
得られた実施例1〜2及び比較例1〜3の評価結果を併せて表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 2005007268
【0040】
表1から明かなように、本発明の実施例1及び実施例2は、毛羽立ちにくく、プリーツ加工性も良好であった。一方、カレンダー処理を行っていない比較例1及び比較例3は、毛羽立ちやすいものであり、また、カレンダー処理の処理温度が低く、かつクリアランスを設けなかった比較例2のものは、不織布表面に毛羽立ちが発生しやすく、また、厚みが薄くペーパーライクとなり、使用時において、プリーツ潰れが発生しやすいものであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、高融点重合体と低融点重合体からなる不織布で構成され、また、該不織布が部分的に熱圧接されており、かつ不織布の表層部の繊維が低融点重合体により互いに融着しているので、プリーツ加工性が良好で、優れた集塵性能を有し、かつ長期に亘る使用によっても毛羽発生の少ないフィルターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる複合繊維の横断面形状の一例を示す。
【図2】本発明に用いる複合繊維の横断面形状の一例を示す。
【符号の説明】
1 芯部
2 鞘部
3 葉部

Claims (6)

  1. 高融点重合体からなる繊維と低融点重合体からなる繊維とが混繊されて構成され、部分的に熱圧接された長繊維不織布であって、不織布の表層部の繊維が、低融点重合体が溶融または軟化することにより互いに融着していることを特徴とするフィルター用不織布。
  2. 高融点重合体と低融点重合体とからなる複合繊維で構成され、部分的に熱圧接された長繊維不織布であって、不織布の表層部の繊維が、低融点重合体が溶融または軟化することにより互いに融着していることを特徴とするフィルター用不織布。
  3. 複合繊維が、葉部に低融点重合体を配し、芯部に高融点重合体を配し、かつ芯部に配した高融点重合体が繊維表面に露出してなる多葉型複合繊維であることを特徴とする請求項2記載のフィルター用不織布。
  4. 低融点重合体と高融点重合体とをそれぞれ紡糸口金から紡糸した混繊糸条をエアーサッカーを用いて牽引・延伸し、移動捕集面上に開繊堆積させた後、彫刻ロールとフラットロールからなるエンボス装置を用いて部分熱圧接処理を施して部分熱圧接長繊維不織布とし、次いで一対のフラットロールからなり、かつフラットロール間にクリアランスを設けたカレンダー処理装置を用いて部分熱圧接長繊維不織布に熱カレンダー処理を施して、部分熱圧接長繊維不織布の表層部の低融点重合体を溶融または軟化させて、該表層部の繊維を互いに融着させることを特徴とするフィルター用不織布の製造方法。
  5. 低融点重合体と高融点重合体とを複合紡糸口金から複合紡糸した糸条をエアーサッカーを用いて牽引・延伸し、移動捕集面上に開繊堆積させた後、彫刻ロールとフラットロールからなるエンボス装置を用いて部分熱圧接処理を施して部分熱圧接長繊維不織布とし、次いで一対のフラットロールからなり、かつフラットロール間にクリアランスを設けたカレンダー処理装置を用いて部分熱圧接長繊維不織布に熱カレンダー処理を施して、部分熱圧接長繊維不織布の表層部の低融点重合体を溶融または軟化させて、該表層部の繊維を互いに融着させることを特徴とするフィルター用不織布の製造方法。
  6. 熱カレンダー処理において、ロール表面温度を低融点重合体の融点より15℃低い温度から低融点重合体の融点より10℃高い温度の間の温度に設定し、かつフラットロール間のクリアランスを該部分熱圧接長繊維不織布の厚さの0.2倍から0.7倍の間に設定したカレンダー処理装置を用いたことを特徴とする請求項4または5記載のフィルター用不織布の製造方法。
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