JP2005006874A - トリムカバー - Google Patents
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Abstract
【目的】袋状に縫製し内部に発泡体製パッドを一体発泡するトリムカバーにおいて、パッド発泡成形後、表面に張り感があり、しかも、接ぎ目よりパッド成形用の発泡液が外部に漏出することがないようにすることである。
【構成】トリムカバーＡを表皮材１と、この表皮材１と一体のスラブフォーム材２とから構成し、スラブフォーム材２の通気性を０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの範囲にしたことを特徴とする。
【選択図】 図１
【構成】トリムカバーＡを表皮材１と、この表皮材１と一体のスラブフォーム材２とから構成し、スラブフォーム材２の通気性を０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの範囲にしたことを特徴とする。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用のシート、ヘッドレスト、アームレスト用トリムカバー、詳しくは、袋状に縫製してその内部に発泡体を一体発泡成形するトリムカバーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の個の種のトリムカバーは、不織布、織布など通気性を有する表皮材の裏面側に、ウレタン系軟質発泡体（スラブフォーム材）を一体に接着し、このスラブフォームに非通気性のフィルムをラミネートしている（特許文献１）。
【０００３】
【特許文献１】特開昭６３ー３５３１４号公報
【０００４】
以上の非通気性のフィルムなどのラミネート材をラミネートしたトリムカバーを袋状に縫製して、その内部に発泡液を注入してパッドをトリムカバーと一体発泡する際、発泡液の発泡圧力によって、トリムカバーがモールドの内面に沿って密接でき、所定の外形形状を有するヘッドレスト等が成形される。
【０００５】
以上ののトリムカバーは表皮材、スラブフォーム材、ラミネート材の三層より成形されている。
【０００６】
【発明の解決しようとする課題】
以上のトリムカバーはラミネート材などの非通気性部材によってパッド成形時の発泡圧力によって袋状に縫製したミシン目が開き、発泡液がミシン目から漏出するため、発泡液の漏出防止加工が必要であった。また、非通気性部材側のパッドに空気溜りが発生する虞れもあった。
【０００７】
一方、前記表皮材とスラブフォーム材とからなる二層からなるトリムカバーは通気性を有するため、以上の三層からなるトリムカバーによる不具合はないが、前記パッド成形時の発泡圧力がトリムカバーを通してモールド内に抜けるため、所定の外形形状にヘッドレストなどが成形できないし、トリムカバーに皺、タルミが生じる。また、スラブフォーム材内に発泡液が浸透し、トリムカバーの感触が悪くなる不具合があった。
【０００８】
そこで、本発明は前記三層及び二層からなるトリムカバーの不具合を解消することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明は、袋状に縫製しその内部に発泡体製パッドを一体発泡成形する自動車用のシート、ヘッドレスト用などのトリムカバーであって、該トリムカバーは表皮材と、この表皮材の裏面側に一体に有するスラブフォーム材とからなり、該スラブフォーム材は連続気泡からなる発泡体で、その通気性は０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの構成である。
【００１０】
以上の構成により、発泡圧力によってパッド成形用の発泡液がスラブフォームの一部に浸透するが、表皮材側まで浸透することなく、トリムカバーはモールド内面に密接する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係るトリムカバー、図２はパッド発泡時のトリムカバーを各々示す。
【００１２】
図中１は前記トリムカバーＡを構成する表皮材、２は同スラブフォーム材、２０はスラブフォーム材２に発泡液が含浸した含浸層、ＢはトリムカバーＡに一体発泡成形した発泡体製パッドを各々示す。
【００１３】
図３はヘッドレスト成形用モールド４０、４１内でトリムカバーＡにパッドＢを一体発泡成形してヘッドレストを成形する状態を示す。図中Ａ１…はトリムカバーＡのミシンによる接ぎ個所、Ｃはヘッドレストフォーム、４２は発泡液注入孔を示す。
【００１４】
以上の表皮材１は、従来の自動車用シート、ヘッドレスト、アームレストの表面材として使用されている織布、不織布、皮革などの通気性を有する部材である。
【００１５】
スラブフォーム材２は、厚さ３ミリー８ミリ程度の連続気泡からなる軟質ウレタンフォームからなる発泡体で、その通気性は０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの範囲に成形されている。
【００１６】
以上のトリムカバーＡ、Ａ…は、ミシンで接ぎ合わせて袋状に形成し、図３に示すように、割り型からなるモールド４０、４１内に収容してモールド４０、４１の発泡液注入孔４２及びトリムカバーＡに設けた注入孔Ａ２よりノズルを介してパッド成形用の発泡液を注入してパッドＢをトリムカバーＡ、Ａ…と一体に発泡成形する。
【００１７】
以上の袋状に縫製したトリムカバーＡ…の袋体の外径は、モールド４０、４１の内径と略同一にするのが望ましい。
【００１８】
そして、この状態で袋状に縫製したトリムカバーＡ…内に注入して発泡する発泡液の発泡圧力を０．１Ｋｇ程度にすると、この発泡圧力によって発泡液は前記スラブフォーム材２の厚みが５ミリの場合には図２に示すように２ミリ程度含浸層２０を形成してパッドＢが成形される。
【００１９】
モールド４０、４１内でパッドＢをヘッドレストフレームＣ状態に縫製したトリムカバーＡ…と共に一体発泡成形することにより、自動車用シートに備えるヘッドレストが成形される。
【００２０】
このヘッドレストのトリムカバーＡ、Ａ…は、前記発泡圧力によってモールド４０、４１の内面に圧接するため、皺、タルミが発生することがない。
【００２１】
また、発泡液がスラブフォーム材２内に浸透するため、パッドＢにおけるスラブフォーム材２側に、前記トリムカバーに非通気性部材を使用した従来品の如く、空間部が発生することもない。
【００２２】
しかも、スラブフォーム材２の表皮材１側まで発泡液が浸透することがないため、ヘッドレストの外表面を構成するトリムカバーＡの感触を損なうこともない。
【００２３】
なお、実験結果によれば、スラブフォーム材２の通気性を前記数値以上によれば、スラブフォーム材２の表皮材１側まで発泡液が浸透するし、表皮材１が緊張状態にならず、皺、タルミが生じる。
【００２４】
また、スラブフォーム材２の通気性を０．１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃ以下にすると、トリムカバーＡ…に発泡圧力が加わり、継ぎ目Ａ１、Ａ１…から発泡液が外部に漏出するため、前記従来品と同様に接ぎ目Ａ１、Ａ１…に発泡液漏出防止加工を施す必要がある。
【００２５】
【発明の効果】
本発明によれば、パッドを内部に一体発泡成形するトリムカバーにおいて、パッド成形用の発泡液が発泡圧力によってスラブフォーム材のパッド側に浸透してパッドが成形される。
【００２６】
そのため、袋状に縫製したトリムカバーの接ぎ目から発泡液が外部に漏出することがない。また、トリムカバーの表皮材側が発泡圧力でモールドの内面に圧接する。
【００２７】
従って、パッド発泡成形後のトリムカバーに張り感が得られ、皺、タルミが生じない。
加えて、パッドのトリムカバー側に、製品の品質を損なう空間部が発生しない。
更に、トリムカバーを構成するスラブフォーム材の表皮材側までパッド成形用の発泡液が浸透することがないため、トリムカバーの感触を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るトリムカバーの断面図である。
【図２】パッドを一体発泡した状態のトリムカバーの断面図である。
【図３】本発明に係るトリムカバーを使用してパッドを発泡成形した状態の断面図である。
【符号の説明】
１ 表皮材
２ スラブフォーム材
Ａ トリムカバー
Ｂ パッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用のシート、ヘッドレスト、アームレスト用トリムカバー、詳しくは、袋状に縫製してその内部に発泡体を一体発泡成形するトリムカバーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の個の種のトリムカバーは、不織布、織布など通気性を有する表皮材の裏面側に、ウレタン系軟質発泡体（スラブフォーム材）を一体に接着し、このスラブフォームに非通気性のフィルムをラミネートしている（特許文献１）。
【０００３】
【特許文献１】特開昭６３ー３５３１４号公報
【０００４】
以上の非通気性のフィルムなどのラミネート材をラミネートしたトリムカバーを袋状に縫製して、その内部に発泡液を注入してパッドをトリムカバーと一体発泡する際、発泡液の発泡圧力によって、トリムカバーがモールドの内面に沿って密接でき、所定の外形形状を有するヘッドレスト等が成形される。
【０００５】
以上ののトリムカバーは表皮材、スラブフォーム材、ラミネート材の三層より成形されている。
【０００６】
【発明の解決しようとする課題】
以上のトリムカバーはラミネート材などの非通気性部材によってパッド成形時の発泡圧力によって袋状に縫製したミシン目が開き、発泡液がミシン目から漏出するため、発泡液の漏出防止加工が必要であった。また、非通気性部材側のパッドに空気溜りが発生する虞れもあった。
【０００７】
一方、前記表皮材とスラブフォーム材とからなる二層からなるトリムカバーは通気性を有するため、以上の三層からなるトリムカバーによる不具合はないが、前記パッド成形時の発泡圧力がトリムカバーを通してモールド内に抜けるため、所定の外形形状にヘッドレストなどが成形できないし、トリムカバーに皺、タルミが生じる。また、スラブフォーム材内に発泡液が浸透し、トリムカバーの感触が悪くなる不具合があった。
【０００８】
そこで、本発明は前記三層及び二層からなるトリムカバーの不具合を解消することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明は、袋状に縫製しその内部に発泡体製パッドを一体発泡成形する自動車用のシート、ヘッドレスト用などのトリムカバーであって、該トリムカバーは表皮材と、この表皮材の裏面側に一体に有するスラブフォーム材とからなり、該スラブフォーム材は連続気泡からなる発泡体で、その通気性は０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの構成である。
【００１０】
以上の構成により、発泡圧力によってパッド成形用の発泡液がスラブフォームの一部に浸透するが、表皮材側まで浸透することなく、トリムカバーはモールド内面に密接する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係るトリムカバー、図２はパッド発泡時のトリムカバーを各々示す。
【００１２】
図中１は前記トリムカバーＡを構成する表皮材、２は同スラブフォーム材、２０はスラブフォーム材２に発泡液が含浸した含浸層、ＢはトリムカバーＡに一体発泡成形した発泡体製パッドを各々示す。
【００１３】
図３はヘッドレスト成形用モールド４０、４１内でトリムカバーＡにパッドＢを一体発泡成形してヘッドレストを成形する状態を示す。図中Ａ１…はトリムカバーＡのミシンによる接ぎ個所、Ｃはヘッドレストフォーム、４２は発泡液注入孔を示す。
【００１４】
以上の表皮材１は、従来の自動車用シート、ヘッドレスト、アームレストの表面材として使用されている織布、不織布、皮革などの通気性を有する部材である。
【００１５】
スラブフォーム材２は、厚さ３ミリー８ミリ程度の連続気泡からなる軟質ウレタンフォームからなる発泡体で、その通気性は０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの範囲に成形されている。
【００１６】
以上のトリムカバーＡ、Ａ…は、ミシンで接ぎ合わせて袋状に形成し、図３に示すように、割り型からなるモールド４０、４１内に収容してモールド４０、４１の発泡液注入孔４２及びトリムカバーＡに設けた注入孔Ａ２よりノズルを介してパッド成形用の発泡液を注入してパッドＢをトリムカバーＡ、Ａ…と一体に発泡成形する。
【００１７】
以上の袋状に縫製したトリムカバーＡ…の袋体の外径は、モールド４０、４１の内径と略同一にするのが望ましい。
【００１８】
そして、この状態で袋状に縫製したトリムカバーＡ…内に注入して発泡する発泡液の発泡圧力を０．１Ｋｇ程度にすると、この発泡圧力によって発泡液は前記スラブフォーム材２の厚みが５ミリの場合には図２に示すように２ミリ程度含浸層２０を形成してパッドＢが成形される。
【００１９】
モールド４０、４１内でパッドＢをヘッドレストフレームＣ状態に縫製したトリムカバーＡ…と共に一体発泡成形することにより、自動車用シートに備えるヘッドレストが成形される。
【００２０】
このヘッドレストのトリムカバーＡ、Ａ…は、前記発泡圧力によってモールド４０、４１の内面に圧接するため、皺、タルミが発生することがない。
【００２１】
また、発泡液がスラブフォーム材２内に浸透するため、パッドＢにおけるスラブフォーム材２側に、前記トリムカバーに非通気性部材を使用した従来品の如く、空間部が発生することもない。
【００２２】
しかも、スラブフォーム材２の表皮材１側まで発泡液が浸透することがないため、ヘッドレストの外表面を構成するトリムカバーＡの感触を損なうこともない。
【００２３】
なお、実験結果によれば、スラブフォーム材２の通気性を前記数値以上によれば、スラブフォーム材２の表皮材１側まで発泡液が浸透するし、表皮材１が緊張状態にならず、皺、タルミが生じる。
【００２４】
また、スラブフォーム材２の通気性を０．１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃ以下にすると、トリムカバーＡ…に発泡圧力が加わり、継ぎ目Ａ１、Ａ１…から発泡液が外部に漏出するため、前記従来品と同様に接ぎ目Ａ１、Ａ１…に発泡液漏出防止加工を施す必要がある。
【００２５】
【発明の効果】
本発明によれば、パッドを内部に一体発泡成形するトリムカバーにおいて、パッド成形用の発泡液が発泡圧力によってスラブフォーム材のパッド側に浸透してパッドが成形される。
【００２６】
そのため、袋状に縫製したトリムカバーの接ぎ目から発泡液が外部に漏出することがない。また、トリムカバーの表皮材側が発泡圧力でモールドの内面に圧接する。
【００２７】
従って、パッド発泡成形後のトリムカバーに張り感が得られ、皺、タルミが生じない。
加えて、パッドのトリムカバー側に、製品の品質を損なう空間部が発生しない。
更に、トリムカバーを構成するスラブフォーム材の表皮材側までパッド成形用の発泡液が浸透することがないため、トリムカバーの感触を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るトリムカバーの断面図である。
【図２】パッドを一体発泡した状態のトリムカバーの断面図である。
【図３】本発明に係るトリムカバーを使用してパッドを発泡成形した状態の断面図である。
【符号の説明】
１ 表皮材
２ スラブフォーム材
Ａ トリムカバー
Ｂ パッド
Claims (1)
- 袋状に縫製しその内部に発泡体製パッドを一体発泡成形する自動車用のシート、ヘッドレスト用などのトリムカバーであって、
該トリムカバーは表皮材と、この表皮材の裏面側に一体に有するスラブフォーム材とからなり、
該スラブフォーム材は連続気泡からなる発泡体で、その通気性は０．２ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃから１ｃｃ／ｃｍ２／ｓｅｃの範囲である
トリムカバー。
Priority Applications (2)
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|---|---|---|---|
| JP2003174270A JP2005006874A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | トリムカバー |
| US10/795,244 US20040256904A1 (en) | 2003-06-19 | 2004-03-09 | Trim cover assembly |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003174270A JP2005006874A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | トリムカバー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005006874A true JP2005006874A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=33516201
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003174270A Pending JP2005006874A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | トリムカバー |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US20040256904A1 (ja) |
| JP (1) | JP2005006874A (ja) |
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| KR20220167681A (ko) * | 2021-06-14 | 2022-12-21 | 현대트랜시스 주식회사 | 폼패드 어셈블리 |
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| DE102013201813A1 (de) * | 2013-02-05 | 2014-08-07 | Johnson Controls Gmbh | Kopfstütze für ein Fahrzeug und Verfahren zu deren Herstellung |
| JP6208070B2 (ja) | 2014-04-25 | 2017-10-04 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用シート |
| CN108698267B (zh) * | 2016-02-17 | 2021-02-26 | 井上株式会社 | 表皮一体发泡制品及其生产方法 |
| FR3069501B1 (fr) * | 2017-07-28 | 2019-09-06 | Cera Tsc | Matelassure pour siege de vehicule automobile |
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|---|---|---|---|---|
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003174270A patent/JP2005006874A/ja active Pending
-
2004
- 2004-03-09 US US10/795,244 patent/US20040256904A1/en not_active Abandoned
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