JP2004536127A - キナーゼ阻害剤及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、タンパク質キナーゼ−阻害剤、及び病的なシグナル形質導入カスケードにより引き起こされた疾患を治療するためのその使用に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質キナーゼ阻害剤、及び病的なシグナル形質導入カスケードにより引き起こされた疾患を治療するためのその使用に関する。
【0002】
タンパク質キナーゼはトランスフェラーゼに属する酵素であり、アデノシン5’−三リン酸(ATP)又はグアノシン5’−三リン酸(GTP)のリン酸基の、タンパク質への転移を触媒する。リン酸基が転移されたアミノ酸基により、例えばタンパク質セリン/スレオニンキナーゼ、タンパク質ヒシチジンキナーゼ、タンパク質アスパラギン酸キナーゼ又はタンパク質チロシンキナーゼが区別される。
【0003】
タンパク質キナーゼは、受容体タンパク質の活性(シグナル形質導入カスケード)を制御する際に重要な役割を担う。細胞の外側のシグナルは、細胞表面受容体、例えば受容体チロシンキナーゼ(RTK)により受容される(Ullrichら, 1990, Cell, 61; 203-212; Fantlら, 1993, Annu. Rev. Biochem., 62: 453-481)。“シグナル放出”分子又はいわゆるエフェクター又は配位子の結合により、RTKは自己リン酸化される(Weissら, 1997, Curr. Opin. Genet. Div., 7:80-86)。この自己リン酸化により、RTKは別のタンパク質、とりわけいわゆるアダプタータンパク質と相互作用を示すことができる(Robertsonら, 2000, Trends Genet., 16: 268-271)。このタンパク質複合体は、その側で別の細胞内タンパク質を活性化させることができ、このことはタンパク質相互作用の完全な連鎖をもたらし、それにより、本来、細胞外シグナルは細胞表面から細胞核内へと伝達される(Treismanら, 1996, Curr. Opin. Cell. Biol., 8:205-215; Tanら, 1999, Trends Genet., 15:1456-149)。従って伝達シグナルは、遺伝子発現、細胞周期又は別の重要な細胞機能に影響を与え得る。
【0004】
受容体チロシンキナーゼのエフェクターには、例えばインスリン及び多くの成長因子、例えば血小板成長因子(PDGF)又は上皮成長因子(EGF)が属する。受容体チロシンキナーゼは、とりわけ、新たな血管の形成(血管新生)又は新たなリンパ管の形成(リンパ管新生)の制御において重要な役割を担う。この場合、新たな毛細血管を形成するために、すでに存在する血管の内皮細胞は刺激され、成長、増殖及び拡大する。これに関連して、殊に細胞表面受容体VEGFR(血管内皮成長因子受容体)及びFGFR(線維芽細胞成長因子受容体)が挙げられ、かつエフェクターとして、VEGFファミリー又はFGFファミリーの相当する成長因子が挙げられる(Korpelainenら, 1998, Curr. Opin. Cell. Biol., 10:159-164; Malonneら, 1999, Clin. Exp. Metastasis., 17:1-14)。元来の血管新生エフェクター(配位子)のための他の公知の例は、とりわけ腫瘍壊死因子(TNF−α)、インターロイキン8又はいわゆるTie配位子(Malonneら, 1999, Clin. Exp. Metastasis., 17:1-14)である。
【0005】
タンパク質キナーゼの制御されない刺激は、病的なプロセス、例えばガンを招き得る(Porterら, 1998, Oncogene, 17: 1343-1352)。例えば、遺伝子的に変更された受容体、即ち、適当なエフェクターの不在でも構成的にシグナルを別のタンパク質へ伝達する、突然変異した受容体チロシンキナーゼは、ガンの発症を招き得る。RTKのこのような活性化突然変異は、数多くのヒトの疾患と関連している(Robertsonら, 2000, Trends Genet., 16: 268-271)。例えば、構成的に、活性FGF受容体は数多くの遺伝病の原因である(第1表)。血管新生の誤制御は、第2表に示した数多くの疾患の進行において重要な役割を担う(Malonneら, 1999, Clin. Exp. Metastasis., 17:1-14)。例えばガン疾患の場合、種々の研究により、腫瘍は十分な血液供給に極めて依存していることが示された。血管新生を阻害することができる場合、腫瘍の成長も停止することができるか、又はそれどころか逆行させることができる(Zetterら, 1998, Annu. Rev. Med., 49:407-424)。リンパ管新生の誘発も、ガン疾患及びフィラリア症の際に重要な役割を担う(Skobeら, 2000, Nature Med., 7:192-198; Raoら, 1996, J. Parasitol., 82:550-556)。
【0006】
受容体チロシンキナーゼのタンパク質キナーゼ活性の制御は、原理的に種々の方法で行うことができる。例えば、受容体キナーゼ/配位子結合の相互作用をブロックする抗体を使用することができる(Brekkenら, 2000, Cancer Res., 60:5117-5124; Klementら, 2000, J. Clinic. Invest., 第105巻, No.8:15-24)。これとは別に、不活性複合体への相応する配位子の結合(ゼクエストレーション)のための、可溶性の細胞外受容体断片の使用が、Aielloら(1995, Proc. Natl. Acad. Sci. 第92巻:10457-10461)により記載されている。しかしながら、上記抗体のみならず可溶性の受容体部分もが著しい欠点を有している。双方は迅速に循環系から除去される。さらに、双方の場合において、分子は極めて大きく、組織浸透の可能性は極めて限定されている。製薬的な適用のためのその製造、殊に抗体の製造には極めて費用がかかり、高価である。更に、これらは免疫応答を引き起こし得る化合物を表すものであり、従ってその生物学的な有効性は強度に低減されるか、又は完全に失効される。
【0007】
タンパク質キナーゼの活性を制御するもう1つの可能性は、例えば、基質結合ドメインに関して元来の基質であるATG又はGTPと競合する基質類似化合物による阻害である。これに関連して、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を阻害することのできるインドリノンが記載されている。特別なRTKである線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)に関する結晶学的研究により、インドリノンのオキシインドール部分が、元来の基質であるATPのアデニン環と同じ結合部位と相互に作用することが示された(Mohammadi, Mら, Science, 276: 955-960)。しかしながらオキシインドールのC3−原子上の置換基の化学構造により、更に、どのRTKの活性が阻害されるかが決定される。幾つかのインドリノンは唯一のRTKの活性をブロックし;別のインドリノンはより幅広いRTKを阻害する。
【0008】
従って、タンパク質キナーゼの活性が病的で制御不可能であるような疾患を治療するために、表面受容体タンパク質キナーゼ、有利に受容体チロシンキナーゼ(RTK)のこの制御されない活性を制御し、有利にブロックすることができる化合物を提供し、それにより疾患の進行を低減するか、又は阻止することは医学的に極めて重要である。タンパク質キナーゼの活性が病的で制御不可能であるような疾患とは、例えば、制御されない細胞増殖及び/又は障害のある細胞自滅により引き起こされるガン種であり得る。さらに、疾患、例えばフィラリア症、又は障害のあるプロセスにより血管新生及び/又はリンパ管新生の際に引き起こされる疾患もあり得る(これに関しては第2表も参照のこと)。これに関連して、元来の活性、又はタンパク質キナーゼの病的に変更された(構成的な)活性により血管新生及び/又はリンパ管新生を直接ブロックし、従って一方で腫瘍の血液供給を悪化させ、又はそれどころか阻止し、それにより腫瘍成長の停止又は病的な組織の壊死をもたらすか、又は他方で腫瘍細胞の転移を回避させる化合物を提供することも所望される。
【0009】
上記課題は、本発明により有利な方法で解決される。
【0010】
本発明の対象は、一般構造式
【0011】
【化1】
Figure 2004536127
の化合物
又は化合物I)−III)の塩
の群から選択された、制御されない細胞増殖及び/又は細胞の障害のある自滅及び/又は血管新生及び/又はリンパ管新生及び/又は血管新生に依存する疾患及び/又はリンパ管新生に依存する疾患及び/又はフィラリア症に関与するタンパク質キナーゼの活性を阻害し、かつインドリン−2−オンの、C3−原子上で置換された誘導体である化合物である。
【0012】
上記化合物は、本願明細書の記載において、MAE87(=構造式I)、MAE106(=構造式II)、MAZ51(=構造式III)とも呼称される。本発明の対象は、更に、化合物MAZ51の塩として、MAZ51の他の比較可能な特性を有するより可溶性である変形の、MAZ51−2なる記号を有する化合物である。
【0013】
本発明の有利な変形において、該化合物は、血管新生及び/又はリンパ管新生に関与する受容体チロシンキナーゼの活性をブロックする。もう1つの変形において、本発明による化合物は、単独か又はその組み合わせで、VEGFR−3(血管内皮細胞成長因子受容体)、VEGFR−2、Tie2、EGFR(上皮成長因子受容体)、ErbB2、IGF1R及びFGFR1(線維芽細胞成長因子受容体)の群からなる受容体チロシンキナーゼの活性を阻害する。本発明の有利な変形には、細胞表面受容体VEGFR−3の活性をブロックする化合物が含まれる。
【0014】
本発明の範囲内で、該化合物は、タンパク質キナーゼの元来の活性に加え、病的に変更されたタンパク質キナーゼ、即ち活性が病的で制御不可能であるタンパク質キナーゼの活性をも阻害する。例えば、タンパク質キナーゼは持続的に(構成的に)刺激されることができる。これは、配位子(エフェクター)又は別のタンパク質成分との相互作用挙動における変更された特性、又はRTKの変更された自己刺激により引き起こされ得る。
【0015】
病的に変更されたタンパク質キナーゼ変形とは、本発明の範囲において、例えば、核酸レベル及び/又はタンパク質レベルでの変更により、制御されない細胞増殖及び/又は細胞の障害のある自滅を引き起こし、かつ/又は障害のある血管新生及び/又はリンパ管新生及びそれと関連した疾患を招き(第2表参照)、かつ/又はフィラリア症に関与しているタンパク質キナーゼであると理解されるべきである。本発明によれば、核酸レベルでの変更とは、1種以上のヌクレオチドの欠失、挿入又は交換であると理解されるべき突然変異であると理解されるべきである。タンパク質レベルでの変更とは、1種以上のアミノ酸の欠失、挿入又は交換であると理解されるべきである。
【0016】
本発明による化合物の作用原理は、該化合物が、タンパク質キナーゼの元来の基質、例えばATPをシミュレートすることに基づく。即ち、該化合物はいわばATP類似物として作用する。この場合、該化合物はそのオキシインドール部分を伴って、元来ATPのアデニン環が結合するのと同じ、タンパク質キナーゼのドメインに結合する。従って、本発明による化合物及び元来の基質は基質結合部位に関して競合し、即ち、本発明による化合物はATPを基質結合部位から排除する。これに基づき、タンパク質キナーゼは目的分子へのリン酸基の転移を触媒せず、このようにして、もはやキナーゼとしてのその意図的な機能を果たさない。従って、本発明による化合物により、その構造に基づき、一般的にタンパク質キナーゼの活性を阻害するのみならず、突然変異された(構成的)活性RTKにより引き起こされるヒトの疾患を治療することも可能である。この場合、各々単独の化合物の使用が考えられるが、しかしながらその組み合わせも考えられる。
【0017】
本発明による化合物は、該化合物が極めて良好な細胞浸透性ないし組織浸透性を有する小さい分子であるという利点を有する。更に、該化合物は患者への投与、有利に経口投与に極めて好適である。更に、該化合物の製造は、製薬的な使用のための大工業的な規模においても容易であり、かつ廉価である。更に、該化合物が免疫応答を引き起こさないことは殊に有利である。
【0018】
又、本発明の対象は、発症、進行、軽減及び/又は治療に、自然に発生する及び/又は病的に変更されたタンパク質キナーゼが関与している疾患を治療するための、上記の種の本発明による化合物を少なくとも1種含有する薬剤である。これには、上記の種の化合物を少なくとも1種含有する、制御されない増殖を阻害するための、及び/又は細胞の自滅を誘発するための、及び/又は血管新生及び/又はリンパ管新生を阻害するための、本発明による薬剤が含まれる。更に、本発明による化合物を少なくとも1種含有する本発明による薬剤は、血管新生に依存する疾患及び/又はリンパ管新生に依存する疾患(例えば第2表に示されているもの)及び/又はフィラリア症の治療に適当である。
【0019】
上記薬剤は、更に、該薬剤が本発明による種の化合物少なくとも1種を、約1〜20mg/発端者の体重kg、有利に約2〜15mg/発端者の体重kg、殊に有利に約3〜10mg/発端者の体重kg、殊に約4〜8mg/発端者の体重kgの濃度で含有することが特徴的である。本発明による化合物を、上記範囲の自由に組み合わせ可能な濃度割合で組み合わせることも可能である。
【0020】
本発明によれば、本発明による化合物により次々に阻害されるタンパク質キナーゼにより、その活性に関してそれ自体が制御される(シグナル形質導入)タンパク質の生物学的機能を制御するための、上記種の化合物少なくとも1種を含有する薬剤も含まれる。
【0021】
更に、本発明による薬剤は、より良好な処理又は患者への投与に必要又は適当な、付加的な物質を含有してもよい。このような物質は、本発明による薬剤のための製造法と同様に慣用の実験室での実地であり、従ってここでは詳説しない。
【0022】
本発明の対象は、制御されない増殖を阻害するための、及び/又は細胞の自滅を誘発するための、及び/又は血管新生及び/又はリンパ管新生を阻害するための薬剤を製造するための、上記種の化合物の使用である。同様に、血管新生に依存する疾患及び/又はリンパ管新生に依存する疾患(第2表)及び/又はフィラリア症を治療するための、本発明による化合物の使用も含まれる。
【0023】
以下の例は本発明を詳説するためのものであるが、しかしながらこれにより本発明が制限されることはない:
【実施例】
【0024】
1)MAE87、MAE106及びMAZ51の構造及び合成
一般的な方法:
オキソインドール10ミリモル、アルデヒド10ミリモル及びピペリジン数滴をエタノール40ml中に溶解させる。反応混合物を90℃で5時間撹拌する。反応の間及び室温への冷却の後、所望の生成物(E/Z−混合物)が析出する。沈殿物を濾別し、エタノールで洗浄し、真空中で乾燥させる。
【0025】
【化2】
Figure 2004536127
【0026】
NMRスペクトルをBruker DRX500分光計で記録した。化学シフトをppm(百万分率)で示す。内部標準として、溶剤の残留プロトンシグナルを使用する。高分解能質量スペクトルを、Finnigan MAT MS 70 質量分析計を用いて記録した。融点は補正されていない。
【0027】
1a)3−(2,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン)―1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(MAE87)
インドール−2−オン1.33g(10ミリモル)、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド1.38g(10ミリモル)及びピペリジン3滴の混合物を、エタノール40ml中で5時間還流させる。反応の間、所望の生成物が黄色の固体として析出する。室温に冷却した後、この生成物を濾別し、エタノールで洗浄し、真空中で乾燥させる。収量1.28g(51%)
融点:250℃ 分解
【0028】
【化3】
Figure 2004536127
【0029】
1b)3−(3−フルオロ−4−メトキシ−ベンジリデン)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(MAE106)
インドール−2−オン1.33g(10ミリモル)、3−フルオロ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド1.54g(10ミリモル)及びピペリジン3滴の混合物を、エタノール40ml中で5時間還流させる。室温に冷却した後、所望の生成物が黄色の結晶質の固体として析出する。この生成物を濾別し、エタノールで洗浄し、真空中で乾燥させる。収量2.2g(82%)
融点:220℃
【0030】
【化4】
Figure 2004536127
【0031】
1c)3−(4−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−イルメチレン)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(MAZ51)
インドール−2−オン1.33g(10ミリモル)、4−ジメチルアミノ−1−ナフトアルデヒド1.99g(10ミリモル)及びピペリジン3滴の混合物を、エタノール40ml中で5時間還流させる。室温に冷却した後、所望の生成物がオレンジ色の固体として析出する。この生成物を濾別し、エタノールで洗浄し、真空中で乾燥させる。収量2.67g(85%)
【0032】
【化5】
Figure 2004536127
融点:250℃ 分解
2)MAE87、MAE106及びMAZ51はインビトロでのチロシンキナーゼアッセイにおいて、数多くの受容体チロシンキナーゼを阻害する。
【0033】
【表1】
Figure 2004536127
【0034】
インビトロで、MAE87、MAE106及びMAZ51により、種々の受容体チロシンキナーゼの阻害を試験した。阻害剤を2つの異なる濃度(1μg/ml及び10μg/ml)で試験した。阻害を%で記載する。“+”=制御に対するキナーゼ活性の刺激、“−”=制御に対するキナーゼ活性の阻害。
【0035】
RTK阻害剤の活性を、ELISAを用いて測定した。このアッセイにおいて、相応するキナーゼを組換え型GST融合タンパク質(グルタチオン、S−トランスフェラーゼ)として使用する。受容体として、合成によるpolyGlu、Tyr 4:1を使用する。種々の濃度の試験物質が上記受容体のRTKに仲介されたリン酸化を阻害する能力を評価した。全ての試験を二重測定で実施した。
【0036】
ELISAプレートを、100mM重炭酸緩衝液(pH9.6)中の0.2mg/ml polyGlu、Tyr 4:1で一晩被覆させた。この溶液を除去し、微量定量プレートをTBS緩衝液(10mMトリス−HCl、pH8.1、10mM NaCl)で2回洗浄し、次いで5%BSA/TBSで30分間ブロックした。試験物質50μl(10%DMSO中の2又は20μg/ml)、4倍のキナーゼ緩衝液(200mM HEPES、10mM NaCl、80μM NaVO及び0.04%BSA)中のGSTキナーゼ25μlを装入した。キナーゼの基質として(40mM MnCl中の)160μM ATP 25μlを添加することにより反応を開始させた。従って、試験化合物の最終濃度は、5%DMSO中で1ないし10μg/mlである。GST融合タンパク質を以下の濃度で使用した。VEGFR−2 50NG/ウェル、VEGFR−3 300ng/ウェル、Tie2 300ng/ウェル、EGFR 50ng/ウェル、ErbB2 200ng/ウェル、IGF−1R 50ng/ウェル、FGFR1 200ng/ウェル。反応混合物を30℃で90分間インキュベートした。30mM EDTA 50μl/ウェルを添加することによりキナーゼ反応を停止させた。微量定量プレートを0.05%トゥウィーン(Tween)20/TBSで2回洗浄した。抗ホスホチロシン抗体(1:500)を0.05%トゥウィーン(Tween)20/TBS(0.5%BSA、0.025%脱脂粉乳及び100μM NaVOを含有する)中に添加し、37℃で1時間インキュベートした。微量定量プレート0.05%トゥウィーン(Tween)20/TBSで3回洗浄した。引き続き、HRP結合検出抗体(1:1000)を0.05%トゥウィーン(Tween)20/TBS(0.5%BSA、0.025%脱脂粉乳及び100μM NaVOを含有する)中に添加し、37℃で1時間インキュベートした。微量定量プレート0.05%トゥウィーン(Tween)20/TBSで3回洗浄した。ABTS(2,2’−アジノ−ジ−(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホネート))基質(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)を添加した。ODをELISAリーダーを用いて405nmで測定した。
【0037】
3)MAE87、MAE106及びMAZ51は、RTK VEGFR−2及びVEGFR−3の配位子に誘発された自己リン酸化を阻害する。
【0038】
VEGFR−2ないしVEGFR−3発現PAE細胞(ブタ大動脈内皮細胞)を、相応する試験化合物0.5μM、5μM又は50μMでインキュベートした。その後、細胞をVEGF(VEGFR−2)又はVEGF−C(VEGFR−3)を用いるか、又は負の制御としての成長因子なしで刺激した。15分後、細胞を採取し、VEGFR−2ないしVEGFR−3を用いて免疫沈降させた。免疫沈降物を電気泳動後にブロッティングし、抗ホスホチロシン抗体を用いて試験した。ブロットを採取し、負荷試験のためにVEGFR−2又はVEGFR−3抗体を用いて試験した。5μMの際にMAZ51は選択的にVEGFR−3を阻害する。
【0039】
PAE/VEGFR−2又はPAE/VEGFR−3を15cmの組織培養用シャーレ内に分散させ、50%集合まで培養した。その後、細胞を無血清培地(0.2%BSAを含有する)内で16〜24時間(PAE/VEGFR−3)又は72時間(PAE/VEGFR−3)枯渇させる。1mM無血清培地(1mM NaVO)5mlを用いて種々の阻害剤濃度で30〜60分予めインキュベートした後、細胞を5分間(VEGFR−3)又は8分間(VEGFR−2)37℃で刺激した。その後、細胞を氷冷されたPBSで迅速に2回洗浄し(1mM NaVOを伴う)、氷冷された変性RIPA緩衝液(30mM トリス−HCl、pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、0.5% (v/v)トリトン(Triton) X 100、0.5%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム、10mM NaF)で溶解させ、この場合これは1mM PMSF、0.1 U/ml アプロチニン、10ng/ml ロイペプチン及び5mM NaVOを用いて新たに調合したものである。細胞をゴム冠ポリスマンを用いてプレートから採取し、遠心分離小管内で氷上で収集する。溶解産物を25Gカニューレを有するシリンジにより加圧して可溶化させ、4℃/13000rpmで15分間遠心分離して不溶性成分を分離した。
【0040】
澄明な溶解産物を抗−VEGFR−2(C−1158、Santa Cruz)又は抗−VEGFR−2抗体(M20、Santa Cruz)4μgを用いて4℃で一晩インキュベートした。
【0041】
受容体−抗体−複合体を沈殿させるために、タンパク質A−セファロース(Amersham)30μl/小管を添加し、4℃でさらに2時間インキュベートした。
【0042】
その後セファロースを4℃で1分間遠心分離し、冷却された洗浄用緩衝液(30mM トリス−HCl、pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、0.5% (v/v)トリトン(Triton) X 100、0.5%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム、10mM NaF)で3回洗浄し、、この場合これは1mM PMSF、0.1 U/ml アプロチニン、10ng/ml ロイペプチン及び5mM NaVOを用いて新たに調合したものである。洗浄用緩衝液の残分を、27Gカニューレを備えたシリンジにより吸引濾過することによって除去した。セファロースの小球状物をSDS負荷緩衝液50μl内に再懸濁させ、沸騰させ、6%アガロースゲル上に負荷させた。電気泳動による分離後、タンパク質をウェスタンブロットにより相応する膜上に固定した。ブロットをまず抗ホスホチロシン抗体(RC20:HRPO、Becton Dickinson)を用いて試験し、その後、ブロットを特別な抗受容体抗体を用いてタンパク質負荷に関して試験するために、第1の抗体を再度除去した。膜をストリッピング用緩衝液(62.5mM トリス、pH6.8、2% SDS、0.75% 2−メルカプトエタノール)を用いて55℃で20分間振盪し、第1の抗体をストリッピングにより除去した。その後、膜をTBSTで2回各2分間洗浄し、通常通りブロックし、インキュベートした。
【0043】
結果を図1に示す。
【0044】
4)MAE87、MAE106及びMAZ51は、内皮細胞増殖を阻害する。
【0045】
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を無血清下で24時間培養した。その後、細胞を相応する化合物を用いて2時間、予めインキュベートし、引き続きVEGF(MAE87)又はbFGF(MAE106、MAZ51)を用いて、阻害剤の存在でさらに24時間培養した。その後、細胞をH−チミジンを用いてインキュベートした。細胞質DNA内に取り込まれた放射能の量を測定した。全ての実験を三重測定で実施した。
【0046】
HUVE細胞を、100μl/ウェル(10細胞/ml)で96ウェルで細胞培養プレート内に分散させ、一晩放置した。その後細胞を50μl/ウェルの無血清培地を用いて24時間枯渇させた。引き続き、種々の濃度の試験物質50μlを無血清培地(2%DMSO含有)内に添加し、37℃で2時間インキュベートした。試験化合物を含有する培地を除去し、bFGF(12.5ng/ml)又はVEGF(100ng/ml)を含有する新たな培地50μlと交換した。2%DMSOを含有する無血清培地内の2倍に濃縮した試験物質の新たな希釈物を、50μl/ウェルで細胞に添加した。DMSOの最終濃度は常に1%であった。24時間後、H−チミジン(1μCi/ウェル)を添加し、細胞を更に4〜6時間インキュベートした。取り込まれた放射能を分析するために、細胞を30分間トリプシンで処置し、Harvester96細胞(Tomtec)を用いて採取し、ガラス繊維膜フィルター上に固定した。固定化した放射能をMicroBeta TriLux液体シンチレーションルミネッセンスカウンターを用いて定量化した。結果を図2に示す。
【0047】
5)MAE87、MAE106及びMAZ51はCAMアッセイにおいて血管新生を阻害する。
【0048】
漿尿膜(CAM)アッセイを、記載されたように(Wernertら)、受精5日後の鶏胚を用いて実施した。阻害剤100μgを伴ったメチルセルロース小プレート(直径2mm)をCAMに施与した。7日目に評価を行った。MAE106に関する代表的な結果を図3に示す。A.負の制御 B.MAE106で処置した卵。負の制御が示す、血管の強度に枝分かれしたネットワークは、MAE106で処置した卵において極めて発達不十分である。
【0049】
6)MAE87、MAE106及びMAZ51は腫瘍細胞の増殖を阻害する。
【0050】
ラットの腫瘍細胞株の細胞(Nestlら, 2001, Cancer Research 61: 1569-1577)を、1%DMSO(溶剤制御)、インドリノン2.5μM又は10μMの存在で24時間培養した。トリチウムチミジンをインキュベーションの最後の4〜6時間の間に培地に添加した。細胞を採取し、DNA中に取り込まれた放射能の量を定量化した。データを、DMSOのみで処置した細胞の増殖に対する百分率で記載した(制御に対する%;図4参照)。MAZ51は阻害剤として最も強度の効果を有していた。
【0051】
7)MAE87、MAE106及びMAZ51は内皮細胞及び腫瘍細胞における細胞自滅を誘発する。
【0052】
ヒト内皮細胞(HDMEC)及びラット膵臓腫瘍細胞(1AS)を再懸濁させた(10細胞/ml)。細胞懸濁液50μlを96ウェルで細胞培養プレートに分散させ、37℃で24時間インキュベートした。その後細胞を所定の濃度の種々の阻害剤を用いて更に24時間インキュベートした。化合物の副次的な細胞自滅効果(pro-apoptotische Effekt)を、Cell Death Detection ELISAplusキット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)を用いて、メーカーの記載に従って測定した。このキットは、活性な細胞死(細胞自滅)により遊離された、細胞質のヒストン随伴DNA断片(モノヌクレオソーム及びオリゴヌクレオソーム)の定性的及び定量的なインビトロ測定のための、測光による酵素免疫アッセイを有する。405nmでの光学密度の測定により、誘発された細胞自滅の割合を定量化することができる。未処置の細胞に対する測定値を、阻害剤濃度に対してプロットした。結果を図5に示すが、これは、MAZ51が内皮細胞のみならず腫瘍細胞においても細胞自滅の有効な活性化因子であることを示す。
【0053】
ラットの腫瘍細胞株の細胞(Nestlら, 2001, Cancer Research 61: 1569-1577)を、1%DMSO(溶剤制御)、インドリノン2.5μM又は10μMの存在で24時間培養した。細胞自滅を抗DNAペルオキシダーゼ抗体を用いて定量化した。ペルオキシダーゼにより触媒された色原体反応において生成された色素の量を405nmで測光により測定し、細胞自滅に関連する細胞質のモノヌクレオソーム及びオリゴヌクレオソームの量と関連づけた。データを、溶剤制御の細胞に関する細胞自滅%(制御に対する%)で示す(図6)。MAZ51は最も有効な細胞自滅誘導原である。
【0054】
8)MAZ51はインビボで、1AS及びMT450のラットのガンの成長を阻害する。
【0055】
1AS細胞(5×10)を2つの群のBDXラット(1群当たり8体のラット)に皮下注入した。引き続き、1つの群に、毎日100μl/動物のDMSOを実験の終了まで注入した。別の群には、毎日100μl/動物のMAZ51(DMSO中で10mg/ml)(これは4〜5mg/kgに相当する)を注入した。腫瘍体積を規則的に腫瘍細胞の注入後に測定した。図7に見て取れるように、MAZ51を用いた処置により、AS1腫瘍のインビボでの成長は本質的に阻害される。
【0056】
MT450のラットの乳ガン細胞をウィスターフルス(Wistar Furth)ラットに皮下注入した。100%DMSO中のMAZ51又は溶剤制御(100%DMSO)8mg/kg/日を用いた作用物質による治療を、腫瘍細胞を注入した翌日に開始した。MAZ51又は溶剤のみを、毎日腹腔内注入した。各試験群は8体の動物を含んでいた。腫瘍を4〜5日おきに測定した。平均腫瘍体積を図8に示す。
【0057】
表及び図の説明
第1表:種々の受容体チロシンキナーゼの活性化突然変異及びそれにより引き起こされる疾患に関する一覧。
【0058】
第2表:血管新生に依存する疾患に関する一覧。
【0059】
図1:MAE87、MAE106及びMAZ51で処置したPAE細胞からのVEGFR−2及びVEGFR−3の免疫沈降(i.p.)のウェスタンブロット。(−)は制御であり(刺激されていない細胞);(+)は、相応する所定の阻害剤(MAE87、MAE106又はMAZ51)0.5μM、5μM又は50μMで処置したかまたは処置しない、成長因子により刺激された細胞である。免疫沈降に使用した抗体の複数のプローブ(1つのプローブ)は、抗ホスホチロシン抗体(抗ホスホ−Y)、抗VEGFR−2抗体(抗VEGFR−2)又は抗VEGFR−3抗体(抗VEGFR−3)のいずれかである。
【0060】
図2:ヒト内皮細胞(HUVEC)への(H)−チミジンの取り込み分の量と、使用した阻害剤(MAE87、MAE106及びMAZ51)の濃度との関数。MAE87、MAE106及びMAZ51による細胞増殖の阻害は、この場合投与量に依存する。
【0061】
図3:漿尿膜(CAM)内での血管新生の阻害。A:擬似的に処置した細胞(制御)。B:Mae106で処置したCAMの細胞。
【0062】
図4:ラットの腫瘍細胞株(ASML、1AS、G、AT6.1、MTLN3、MTLY、NM081及びMT450)への(H)−チミジンの取り込み分の測定値(%で)と、使用した阻害剤の濃度との関数。MAE87、MAE106及びMAZ51による細胞増殖の阻害は投与量に依存する。
【0063】
図5:ヌクレオソーム−ELISA試験(細胞死検出 ELISA)。それぞれの細胞株の死細胞の広がりを(405nmでの相対吸収として)阻害剤MAE87、MAE106及びMAZ51及びMAZ51−2の使用に関して示す。MAZ51は、ヒト内皮細胞(HDMEC)及びラットの膵臓の細胞株1ASにおける細胞死を最も効果的に誘発する。
【0064】
図6:ヌクレオソーム−ELISA試験(細胞死検出 ELISA)。それぞれのラットの腫瘍細胞株の死細胞の広がり(%での細胞自滅)を、阻害剤MAE87、MAE106及びMAZ51の使用に関して示す。MAE87、MAE106及びMAZ51は一連のラットのガン細胞株における細胞死を誘発する。
【0065】
図7:MAZ51を用いた腫瘍細胞1ASの処置に関して、腫瘍体積と、腫瘍細胞注入後の日数との関数を示す図。試験したラットにおいて、MAZ51を用いた1AS腫瘍細胞の処置後、腫瘍の成長がインビボで阻害されることが示される。
【0066】
図8:MAZ51及びDMSO溶液(負の制御)を用いた腫瘍細胞MT450の処置に関して、腫瘍体積と、腫瘍細胞注入後の日数との関数を示す図。試験したラットにおいて、MAZ51を用いた処置後、MT450腫瘍細胞の腫瘍成長がインビボで阻害されることが示される。+/−SEは、バッチ当たりの、試験した8体のラットの平均値からの腫瘍体積の標準偏差を表す。
【0067】
【表2】
Figure 2004536127
【0068】
【表3】
Figure 2004536127

【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】阻害剤で処置したPAE細胞からのVEGFR−2及びVEGFR−3の免疫沈降(i.p.)のウェスタンブロットを示す図。
【0070】
【図2】ヒト内皮細胞(HUVEC)への(H)−チミジンの取り込み分の量と、使用した阻害剤の濃度との関数を示す図。
【0071】
【図3】漿尿膜(CAM)内での血管新生の阻害を示す図。
【0072】
【図4】ラットの腫瘍細胞株への(H)−チミジンの取り込み分の測定値と、使用した阻害剤の濃度との関数を示す図。
【0073】
【図5】ヌクレオソーム−ELISA試験において、それぞれの細胞株の死細胞の広がりを(405nmでの相対吸収として)阻害剤の使用に関して示す図。
【0074】
【図6】ヌクレオソーム−ELISA試験において、それぞれのラットの腫瘍細胞株の死細胞の広がり(%での細胞自滅)を、阻害剤の使用に関して示す図。
【0075】
【図7】MAZ51を用いた腫瘍細胞1ASの処置に関して、腫瘍体積と、腫瘍細胞注入後の日数との関数を示す図。
【0076】
【図8】MAZ51及びDMSO溶液(負の制御)を用いた腫瘍細胞MT450の処置に関して、腫瘍体積と、腫瘍細胞注入後の日数との関数を示す図。

Claims (10)

  1. 一般構造式
    Figure 2004536127
    の化合物
    又は化合物I)−III)の塩
    の群から選択された、制御されない細胞増殖及び/又は細胞の障害のある自滅及び/又は血管新生及び/又はリンパ管新生及び/又は血管新生に依存する疾患及び/又はリンパ管新生に依存する疾患及び/又はフィラリア症に関与するタンパク質キナーゼの活性を阻害し、かつインドリン−2−オンの、C3−原子上で置換された誘導体である化合物。
  2. 受容体チロシンキナーゼの活性を阻害する、請求項1記載の化合物。
  3. VEGFR−3(血管内皮細胞成長因子受容体)、VEGFR−2、Tie2、EGFR(上皮成長因子受容体)、ErbB2、IGF1R及びFGFR1(線維芽細胞成長因子受容体)の群からの受容体チロシンキナーゼの活性を阻害する、請求項1又は2記載の化合物。
  4. 細胞表面受容体VEGFR−3の活性を阻害する、請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物。
  5. 請求項1記載の化合物を少なくとも1種含有する、制御されない増殖を阻害するための、及び/又は細胞の自滅を誘発するための薬剤。
  6. 血管新生及び/又はリンパ管新生を阻害するための、請求項5記載の薬剤。
  7. 血管新生に依存する疾患及び/又はリンパ管新生に依存する疾患及び/又はフィラリア症を治療するための、請求項5又は6記載の薬剤。
  8. 請求項1から4までのいずれか1項記載の少なくとも1種の化合物を、約1〜20mg/発端者の体重kg、有利に約2〜15mg/発端者の体重kg、殊に有利に約3〜10mg/発端者の体重kg、殊に約4〜8mg/発端者の体重kgの濃度で含有する、請求項5から7までのいずれか1項記載の薬剤。
  9. 制御されない増殖を阻害するための、及び/又は細胞の自滅を誘発するための、及び/又は血管新生及び/又はリンパ管新生を阻害するための薬剤を製造するための、請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物の使用。
  10. 血管新生に依存する疾患及び/又はリンパ管新生に依存する疾患及び/又はフィラリア症を治療するための、請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物の使用。
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