JP2004520470A - 難燃性ポリカーボネート組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、難燃性でかつ鉱物強化されたポリカーボネート組成物であって、高い弾性率、良好な耐熱性、優れた加工特性および改良された流れすじ強度を有するポリカーボネート組成物に関する。
【0002】
欧州特許第A0391413号明細書からは、低い線形の熱膨張係数および高い衝撃抵抗および耐熱性を有し、しかも無機フィラーを4〜18重量%含有するPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)組成物が公知である。無機フィラー粒子は、平均直径/厚さ比が4〜24である。この無機フィラーは、タルクやマイカのような層状材料である。前記***要素生物は難燃性ではない。
【0003】
欧州特許第A0754531号明細書には、とりわけ、ビスフェノールAから誘導されるオリゴホスフェートで難燃性にされ、かつ層状の強化剤を含有するPC/ABS組成物が記載されている。国際公開第WO00/46298号パンフレットには、有機リン化合物で難燃性にされ、かつタルクを0.1〜5重量%含有するPC/ABSブレンドが開示されている。
【0004】
前記特許公報に記載の層状フィラーを含む成形用組成物は、一般に、不満足な流れすじ強度を有する。
【0005】
繊維様の鉱物フィラーを含むPC/ABS成形用組成物も公知である。米国特許第A5965655号明細書には、特に、改良された表面特徴を有し、しかもいわゆるクラスA表面を有する桂灰石を含むPC/ABS組成物が記載されている。好ましく使用される珪灰石は、平均アスペクト比、すなわち繊維長と繊維直径との比が6までである。桂灰石などを含有する成形用組成物は、大抵、不充分に剛性である(すなわち、低過ぎる縦弾性係数/曲げ弾性率を示す)。前記成形用組成物は、難燃性にされなかった。
【0006】
国際公開第WO98/51737号パンフレットのPC/ABS成形用組成物も、改良された耐熱性、流動性、低温強度および寸法安定性を特徴とするが、難燃性ではない。国際公開第WO98/51737号パンフレット記載の前記組成物は、平均最大粒径0.1〜30μmを有するタルクまたは桂灰石などの鉱物フィラーを1〜15重量部含有する。大きなアスペクト比を有する桂灰石などの繊維様の繊維の場合、一般にはこの範囲を超えてている。特別な溶融ポリカーボネート、ABSおよび強化用フィラー5〜200重量部を含有する欧州特許第A1038920号明細書の成形用組成物も、難燃性にされなかった。
【0007】
欧州特許第A1026205号明細書には、低い塩素含量の難燃性PC/ABS組成物が記載されており、これは、シリケートフィラー0.1〜30重量部を含有し、しかも特に、傑出した加水分解耐性を特徴とする。フィラーとして、タルクおよびマイカ並びに桂灰石を使用してよい。前記成形用組成物は、不満足な難燃性、熱安定性、低過ぎるESC特性を示し、しかも射出成形時に、難燃性添加物のブリーディング(bleeding)のために、ツール上に望ましくないコーティングをもたらすことがある(いわゆるジューシング)。これは、特開平11-199768号公報に記載のPC/ABS成形用組成物にも適合する。これは、無機フィラー0.5〜5重量%のみを含有し、このため多くの利用に不適当な剛性を示す。
【0008】
従って、本発明の目的は、優れた難燃性、特に薄い壁厚の場合でも、優れた加工性に起因して(すなわち、良好な流動性と、射出成形中にツール表面へコーティングを形成する傾向が極めて低いこと)高い剛性、良好な熱安定性および靭性を有しかつ顕著なESC(環境ストレスクラッキング)特性、並びにとりわけかなり改良された流れすじ強度を特徴とする、鉱物強化された難燃性ポリカーボネート組成物を提供することである。このような成形用組成物は、あらゆる成形部品、機械特性と難燃性に関する厳しい要件を満足しなければならない特に薄い壁の部品の製造に使用され得る。
【0009】
前記目的は、ISO 179/1eUに準拠した測定で6kJ/m2以上の流れすじ強度(flow line strength)を有する、衝撃抵抗変性された、難燃性の鉱物強化ポリカーボネート組成物によって達成される。本発明は、このポリカーボネート組成物を含有する成形品も提供する。好ましい態様において、本発明のポリカーボネート組成物は、3.5GPa以上の高い弾性率を有する。
【0010】
特に好ましくは、本発明の組成物は、UL−94Vに準拠した難燃性試験において、壁厚さ1.5mm以下、好ましくは1.2mm以下、特に1.0mm以下で評価V−0を達成する。
【0011】
強化用鉱物として、本発明の組成物は、平均アスペクト比が好ましくは10を超え、特に好ましくは15を超える桂灰石を含有する。いわゆるアスペクト比は、粒子の最大粒径と最小粒径との比を表す。桂灰石のように繊維様の粒子の場合、これはその平均長さと平均直径との比である。本発明で用いられる桂灰石は、平均繊維直径15μm未満、好ましくは10μm以下を有していてよい。本発明で用いられる桂灰石は、ポリカーボネート組成物中に1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部、特に好ましくは8〜15重量部の量で使用されてよい。
【0012】
桂灰石は、理想的な経験式Ca3[Si3O9]で表される珪酸カルシウムであって、一般には緻密な、繊維状の、円柱形の、葉片状の、または微細な繊維状の塊を形成し、そして単離された場合には平板状ないし針状の結晶も形成する。非常に広範なタイプが市販されている。これは、本発明で使用しようとする真の桂灰石でもある。
【0013】
驚くことに、特定のアスペクト比を有する桂灰石を含むポリカーボネート組成物は、所望の特性を示し、しかも特に、高い流れすじ強度と高い弾性率を有することが分かった。このことは驚くべきことである。というのも、対応するアスペクト比を有するタルクは、シリケート強化剤と同様に、PC/ABS成形用組成物の流れすじ強度をかなり低下させるためである。
【0014】
本発明の所望の特性範囲は、本発明の好ましい態様によれば、選択された桂灰石に加えて、以下の成分:
A) 芳香族ポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネート、
B) 衝撃抵抗変性剤、
C) 任意に、熱可塑性ホモポリマーおよび/またはコポリマー、および
D) リン化合物、好ましくはビスフェノール化合物から誘導されるオリゴホスフェート、
E) 任意に、フッ素ポリオレフィン、および
加えて、更なる添加物を含有するポリカーボネート組成物によって達成され得る。
【0015】
本発明の、衝撃抵抗変性された、難燃性の、鉱物強化ポリカーボネート組成物の好適な成分を以降に例を用いて説明する。
【0016】
成分 A
本発明の成分Aの好適な芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートは、文献公知であるか、あるいは文献公知の方法で製造され得る(芳香族ポリカーボネートの製造に関しては、例えば、シュネル(Schnell)著、「ケミストリー・アンド・フィジクス・オブ・ポリカーボネーツ(Chemistry and Physics of Polycarbonates)」、インターサイエンス・パブリッシャーズ、1964年、および独国特許出願公開第AS1495626号明細書、同第A2232877号明細書、独国特許発明第A2703376号明細書、同第A2714544号明細書、同第A3000610号明細書、同第A3832396号明細書を、また芳香族ポリエステルカーボネートの製造に関しては、例えば、独国特許発明第A3077934号明細書をそれぞれ参照のこと)。
【0017】
芳香族ポリカーボネートの製造は、例えば、ジフェノールと炭酸ハライド、好ましくはホスゲンとの、および/または芳香族ジカルボン酸ジハライド、好ましくはベンゼンジカルボン酸ジハライドとの反応によって、相境界法により、場合によりモノフェノールなどの連鎖停止剤を用い、そして場合により3官能以上の枝分かれ剤、例えば、トリフェノールまたはテトラフェノールを用いて行われる。
【0018】
芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートの製造のためのジフェノールは、好ましくは、式(I)で表されるものである。
【化1】
前記式中、A1は、単結合、C1〜C5アルキレン、C2〜C5アルキリデン、C5〜C6シクロアルキリデン、-O-、-SO-、-CO-、-S-、-SO2-、C6〜C12アリーレン(これはヘテロ原子を任意に含有する別の芳香環と縮合されていてよい)あるいは式(II)または(III):
【化2】
の基を表し、Bはそれぞれ、C1〜C12アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素を表し、xは、互いに独立して、0、1または2であり、pは、0または1であり、およびR5およびR6は、各X1について個別に選択され、かつ互いに独立して水素またはC1〜C6アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルを表し、X1は炭素を表し、そしてmは4〜7の整数、好ましくは4または5を表し、少なくとも1個のX1原子において、R5およびR6は同時にアルキルであることを条件とする。
【0019】
好ましいジフェノールは、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェノール、ビス-(ヒドロキシフェニル)-C1〜C5-アルカン、ビス-(ヒドロキシフェニル)-C5〜C6-シクロアルカン、ビス-(ヒドロキシフェニル)-エーテル、ビス-(ヒドロキシフェニル)-スルホキシド、ビス-(ヒドロキシフェニル)-ケトン、ビス-(ヒドロキシフェニル)-スルホンおよびα,α-ビス-(ヒドロキシフェニル)-ジイソプロピルベンゼン、並びにこれらの核臭素化および/または核塩素化誘導体である。
【0020】
特に好ましいジフェノールは、4,4'-ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキサン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、およびこれらの二臭素化および四臭素化または塩素化誘導体であり、例えば、2,2-ビス-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、または2,2-ビス-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパンが挙げられる。2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。
【0021】
ジフェノールは、単独でまたは任意に混合物として使用されてよい。ジフェノールは、文献公知であっても、あるいは文献公知の方法で生成されてもよい。
【0022】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤は、フェノール、p-クロロフェノール、p-tert-ブチルフェノールまたは2,4,6-トリブロモフェノール、および独国特許出願公開第OS2842005号明細書に記載の4-(1,3-テトラメチルブチル)フェノールのような長鎖アルキルフェノール、またはアルキル置換基中に炭素原子を合計8〜20個有するモノアルキルフェノールもしくはジアルキルフェノールを包含し、例えば、3,5-ジ-tert-ブチルフェノール、p-イソ-オクチルフェノール、p-tert-オクチルフェノール、p-ドデシルフェノールおよび2-(3,5-ジメチルヘプチル)フェノールおよび4-(3,5-ジメチルヘプチル)フェノールなどが挙げられる。用いられる連鎖停止剤の量は、一般に、使用されるジフェノールの合計モル数に対して0.5モル%〜10モル%である。
【0023】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートは、平均的な重量平均分子量(Mw、超遠心分離法または光散乱測定法などによって測定されるもの)10,000〜200,000、好ましくは15,000〜80,000を有する。
【0024】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートは、それ自体公知の方法で、特に好ましくは3官能以上の化合物、例えば、フェノール性基を3個以上有するものを、用いられるジフェノールの合計に対して0.05〜2.0モル%混入することによって枝分かれされてよい。
【0025】
ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートも好適である。本発明のコポリカーボネートの製造において、成分Aとして、ヒドロキシ-アリールオキシ末端基を有するポリジオルガノシロキサンを(用いられるジフェノールの合計量に対して)1〜25重量%、好ましくは2.5〜25重量%を使用してもよい。これは、公知であり(例えば、米国特許第3419634号明細書参照)、そして文献公知の方法で製造することができる。ポリジオルガノシロキサン含有コポリカーボネートの製造は、例えば、独国特許出願公開第OS3334782号明細書に記載されている。
【0026】
好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールAホモポリカーボネートに加えて、ビスフェノールAと、ジフェノールの合計モル数に対して15モル%までの前記の好ましいおよび/または特に好ましいジフェノール以外のジフェノール、特に15モル%までの2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパンとのコポリカーボネートも包含する。
【0027】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造のための芳香族ジカルボン酸ジハライドは、好ましくはイソフタル酸の二酸二塩化物、テレフタル酸の二酸二塩化物、ジフェニルエーテル-4,4'-ジカルボン酸の二酸二塩化物およびナフタレン-2,6-ジカルボン酸の二酸二塩化物である。
【0028】
イソフタル酸の二酸二塩化物とテレフタル酸の二酸二塩化物との比1:20〜20:1の混合物が特に好ましい。
【0029】
ポリエステルカーボネートの製造において、炭酸ハライド、好ましくはホスゲンは、二官能の酸誘導体として更に同時使用される。
【0030】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤は、前述のモノフェノール以外に、その塩素化炭酸エステル、および芳香族モノカルボン酸の酸クロライド(これらは、C1〜C22アルキル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてよい)、および脂肪族C2〜C22モノカルボン酸クロライドを包含する。
【0031】
連鎖停止剤の量は、フェノール性連鎖停止剤の場合は、ジフェノールのモル数に対して、そしてモノカルボン酸クロライド連鎖停止剤の場合は、ジカルボン酸ジクロライドのモル数に対して、それぞれ0.1〜10モル%である。
【0032】
芳香族ポリエステルカーボネートは、混入された芳香族ヒドロキシカルボン酸を包含していてもよい。
【0033】
芳香族ポリエステルカーボネートは、直鎖であっても、あるいはそれ自体公知の方法で枝分かれされていてもよい(これに関しては、独国特許出願公開第OS2940024号明細書および同第OS3007934号明細書を参照のこと)。
【0034】
枝分かれ剤として、例えば、トリメシン酸トリクロライド、シアヌール酸トリクロライド、3,3'-4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラクロライド、1,4,5,8-ナフタレン-テトラカルボン酸テトラクロライドまたはピロメリット酸テトラクロライドなどの3官能性または多官能性カルボン酸クロライドを、(使用されるジカルボン酸ジクロライドに対して)0.01〜1.0モル%の量で使用しても、あるいは、例えば、フロログルシノール、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプテン-2、4,4-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゼン、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、2,2-ビス[4,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニルイソプロピル)-フェノール、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、2,6-ビス-(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロパン、テトラ-(4-[4-ヒドロキシフェニルイソプロピル]-フェノキシ)-メタン、1,4-ビス-[4,4'-ジヒドロキシトリフェニル)-メチル]-ベンゼンなどの3官能性または多官能性フェノールを、用いられるジフェノールに対して0.01〜1.0モル%の量で使用してもよい。フェノール性枝分かれ剤は、ジフェノールと一緒に添加されてよく、また、酸クロライド枝分かれ剤は、酸ジクロライドと一緒に添加されてよい。
【0035】
熱可塑性の芳香族ポリエステルカーボネートにおいて、カーボネート構造単位の割合は、所望により変更してよい。好ましくは、カーボネート基の割合は、エステル基とカーボネート基の合計に対して100モル%まで、特に80モル%まで、特に好ましくは50モル%までである。芳香族ポリエステルカーボネートのエステルフラクションとカーボネートフラクションは、ブロックの形態で含まれていても、あるいは重縮合物中に統計学的に分布されていてよい。
【0036】
前記芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートの相対溶液粘度(ηre l)は、1.18〜1.4の範囲、好ましくは1.20〜1.32である(塩化メチレン溶液100mL中にポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート0.5gを含有する溶液において25℃で測定したもの)。
【0037】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートは、単独で、あるいは互いの任意の混合物として使用されてよい。
【0038】
前記成分Aは、本発明の組成物中に好ましくは5〜95重量部、特に好ましくは10〜90重量部、最も好ましくは50〜85重量部の量で含まれていてよい。
【0039】
成分 B
成分Bは、
B.1 少なくとも1種のビニルモノマー5〜95重量部、好ましくは30〜90重量部の、
B.2 ガラス転移温度が10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−20℃未満の1種以上のグラフトベース95〜5重量部、好ましくは70〜10重量部への
のグラフトポリマーを1種以上包含する。
【0040】
前記グラフトベースB.2は一般に、平均粒径(d50値)0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.2〜1μmを有する。
【0041】
モノマーB.1は、好ましくは、
B.1.1 ビニル芳香族化合物および/または核置換ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン)および/またはメタクリル酸(C1〜C8)アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート)50〜99重量部と
B.1.2 ビニルシアニド(アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル)および/または(メタ)アクリル酸(C1〜C8)アルキルエステル(メチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート)および/または(無水物およびイミドなどの)不飽和カルボン酸の誘導体(例えば、無水マレイン酸およびN-フェニルマレイミド)1〜50重量部と
の混合物である。
【0042】
好ましいモノマーB.1.1は、モノマースチレン、α-メチルスチレンおよびメチルメタクリレートのうち少なくとも1種から選択され、そして好ましいモノマーB.1.2は、モノマーアクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートのうち少なくとも1種から選択される。
【0043】
特に好ましいモノマーは、B.1.1スチレンおよびB.1.2アクリロニトリルである。
【0044】
グラフトポリマーBにおいて、好適なグラフトベースB.2は、例えば、ジエンゴム、EP(D)Mゴム(すなわちエチレン/プロピレンおよび任意にジエンをベースとするもの)、アクリレートゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴムおよびエチレン/酢酸ビニルゴムである。
【0045】
好ましいグラフトベースB.2は、ジエンゴム(例えば、ブタジエン、イソプレンをベースとするもの)またはジエンゴムの混合物またはジエンゴムのコポリマー、あるいはこれらと更なる共重合性モノマー(例えば、B.1.1およびB.1.2に挙げたもの)との混合物であり、成分B.2のガラス転移温度が10℃以下、好ましくは0℃以下、特に好ましくは−10℃以下であることを条件とする。純粋なポリブタジエンゴムが特に好ましい。
【0046】
特に好ましいポリマーBは、例えば、ABSポリマーである(エマルション、バルクおよび懸濁ABS)であって、例えば、独国特許発明第A2035390号明細書(米国特許第A3644574号明細書に対応)または独国特許発明第A2248242号明細書(英国特許第A1409275号明細書に対応)、あるいはウルマンズ(Ulmanns)著のエンサイクロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミー(Encyklopadie der Technischen Chemie)、第19巻(1980年)、第280頁以降に記載されている。グラフトベースB.2のゲル含量は、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%である(トルエン中での測定)。
【0047】
グラフトコポリマーBは、遊離基重合法、例えば、エマルション重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合法、好ましくはエマルション重合または塊重合法により製造される。
【0048】
特に好適なグラフトゴムは、米国特許第A4937285号明細書に記載の、有機過酸化物とアスコルビン酸との開始剤系を用いてレッドクス開始により製造されるABSポリマーである。
【0049】
グラフト化反応において、グラフトモノマーは、公知のように、必ずしも完全にグラフトベースにグラフト化されないため、本発明における、グラフトポリマーBという表現は、グラフトベースの存在下でのグラフトモノマーの(共)重合によって生成される生成物や、精製中に前記生成物と共に生じるものを包含するとも考えられる。
【0050】
ポリマーBの成分B.2に係る好適なアクリレートゴムは、好ましくは、アクリル酸アルキルエステルのポリマー、任意に、他の重合性エチレン性不飽和モノマーをB.2に対して40重量%まで含むものである。好ましい重合性アクリル酸エステルは、C1〜C8アルキルエステル(例えば、メチル-、エチル-、ブチル-、n-オクチル-および2-エチルヘキシル-エステル)、ハロゲン化アルキルエステル、好ましくはハロゲン化-C1〜C8-アルキルエステル(例えば、クロロエチルアクリレート)、およびこれらモノマーの混合物を包含する。
【0051】
1以上の重合性二重結合を含むモノマーは、その架橋性のために共重合されていてよい。架橋性モノマーの好ましい例は、炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と炭素数3〜12の不飽和1価アルコールまたはOH基を2〜4個有しかつ炭素数2〜20の飽和ポリオール(例えば、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート)とのエステル、多重不飽和複素環式化合物(例えば、トリビニルシアヌレートおよびトリアリルシアヌレート)、多官能ビニル化合物(ジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼン)、並びにトリアリルホスフェートおよびジアリルフタレートである。
【0052】
好ましい架橋性モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、およびエチレン性不飽和基を少なくとも3個含有する複素環式化合物である。
【0053】
特に好ましい架橋性モノマーは、環状のモノマーであるトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロイルヘキサヒドロ-s-トリアジンおよびトリアリルベンゼンである。架橋性モノマーの量は、グラフトベースB.2に対して、好ましくは0.02〜5重量%、特に0.05〜2重量%である。
【0054】
エチレン性不飽和基を少なくとも3個含有する環状の架橋性モノマーの場合、グラフトベースB.2の量を1重量%までに制限することが有利である。
【0055】
アクリル酸エステルに加えて、グラフトベースB.2の製造に任意に供され得る好ましい「他の」重合性エチレン性不飽和モノマーは、例えば、アクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリルアミド、ビニルC1〜C6アルキルエーテル、メチルメタクリレートおよびブタジエンである。グラフトベースB.2として好ましいアクリレートゴムは、ゲル含量が少なくとも60重量%のエマルションポリマーである。
【0056】
B.2に係る更に好適なグラフトベースは、グラフト活性部位を有するシリコーンゴムであり、例えば、独国特許発明第A3704657号明細書、同第A3704655、号明細書、同第A3631540号明細書および同第A3631539号明細書に記載されている。
【0057】
グラフトベースB.2のゲル含量は、25℃において、好適な溶媒中で測定される(エム・ホフマン(M. Hoffmann)、エイチ・クレマー(H. Kromer)、アール・クーン(R. Kuhn)著、ポリマーアナリティーク(Polymeranalytik)IおよびII、ゲオルグ・ティエメ−フェルラーク、シュトゥットガルト1977年)。
【0058】
平均粒径d50は、粒子の50重量%がそれ以上でかつ50重量%がそれ以下の直径であり、超遠心分離測定によって求めてよい(ダブリュー・ショルタン(W. Scholtan)、エイチ・ランゲ(H. Lange)、コロイド・ツァイシュリフト・ウント・ツァイシュリフト・フューア・ポリメレ(Kolloid, Z. und Z. Polymere)250巻(1972年)、第782〜1796頁)。
【0059】
前記成分Bは、本発明の組成物中に、好ましくは0.5〜60重量部、特に好ましくは1〜40重量部、最も好ましくは2〜30重量部の量で含まれていてよい。
【0060】
成分 C
成分Cは、1種以上の熱可塑性ビニル(コ)ポリマーC.1および/またはポリアルキレンテレフタレートC.2を包含する。
【0061】
ビニル(コ)ポリマーC.1として好適なのは、ビニル芳香族化合物、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、(メタ)アクリル酸(C1〜C8)アルキルエステル、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体から成る群のうち少なくとも1種のモノマーのポリマーである。特に好適なのは、
C.1.1 ビニル芳香族化合物および/または核置換ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレンなど)および/またはメタクリル酸(C1〜C8)アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなど)50〜99重量部、好ましくは60〜80重量部と、
C.1.2 ビニルシアニド(不飽和ニトリル、例えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)および/または(メタ)アクリル酸(C1〜C8)アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレートなど)および/または不飽和カルボン酸(例えば、マレイン酸など)および/または不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体(例えば、無水マレイン酸およびN-フェニルマレイミド)1〜50重量部、好ましくは20〜40重量部との
(コ)ポリマーである。
【0062】
(コ)ポリマーC.1は、樹脂状であって、熱可塑性で、しかもゴムを含まない。特に好ましいのは、C.1.1スチレンとC.1.2アクリロニトリルとのコポリマーである。
【0063】
C.1に係る(コ)ポリマーは、公知であり、しかも遊離基重合法、特にエマルション重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合によって製造され得る。(コ)ポリマーは、好ましくは平均分子量Mw(重量平均、光散乱または沈降法によって求められる)15,000〜200,000を有する。
【0064】
成分C.2のポリアルキレンテレフタレートは、芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘導体(例えば、ジメチルエステルまたは無水物)と、脂肪族、脂環族または芳香脂肪族ジオールとの反応生成物、および前記反応生成物の混合物である。
【0065】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基を、ジカルボン酸成分に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、およびエチレングリコール基および/またはブタンジオール-1,4基を、ジオール成分に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90モル%含有する。
【0066】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基に加えて、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、4,4'-ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酢酸の基などの炭素数8〜14の他の芳香族または脂環族ジカルボン酸の基あるいは炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸の基を20モル%まで、好ましくは10モル%まで含有していてよい。
【0067】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、エチレングリコール基またはブタンジオール-1,4基に加えて、プロパンジオール-1,3、2-エチルプロパンジオール-1,3、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール-1,5、ヘキサンジオール-1,6、シクロヘキサンジメタノール-1,4、3-エチルペンタンジオール-2,4、2-メチルペンタンジオール-2,4、2,2,4-トリメチルペンタンジオール-1,3、2-エチルヘキサンジオール-1,3、2,2-ジエチルプロパンジオール-1,3、ヘキサンジオール-2,5、1,4-ジ-(β-ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチルシクロブタン、2,2-ビス-(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパンおよび2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパンなどの炭素数3〜12の他の脂肪族ジオールまたは炭素数6〜21の脂環族ジオールを20モル%まで、好ましくは10モル%まで含有していてよい(独国特許出願公開第A2407674号明細書、同第2407776号明細書、同第2715932号明細書)。
【0068】
ポリアルキレンテレフタレートは、例えば、独国特許出願公開第A1900270号明細書および米国特許第A3692744号明細書に従って、比較的少量の3価もしくは4価のアルコールまたは三塩基性もしくは四塩基性のカルボン酸を混入することによって枝分かれされてよい。好ましい枝分かれ剤の例は、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールである。
【0069】
特に好ましいのは、テレフタル酸およびその反応性誘導体(例えば、そのジアルキルエステル)と、エチレングリコールおよび/またはブタンジオール-1,4とから単に製造されたポリアルキレンテレフタレート、およびこのポリアルキレンテレフタレートの混合物である。
【0070】
ポリアルキレンテレフタレートの混合物は、ポリエチレンテレフタレートを1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、およびポリブチレンテレフタレートを50〜99重量%、好ましくは70〜99重量%含有する。
【0071】
好ましく使用されるポリアルキレンテレフタレートは、一般に、フェノール/o-ジクロロベンゼン(重量部比1:1)中、25℃においてウベローデ粘度計で測定される固有粘度0.4〜1.5dL/g、好ましくは0.5〜1.2dL/gを有する。
【0072】
ポリアルキレンテレフタレートは、それ自体公知の方法で製造され得る(例えば、クンシュトストッフ-ハンドブッフ(Kunststoff-Handbuch)、第VIII巻、第695頁以降、カール-ハンサー-フェルラーク、ミュンヘン1973年参照)。
【0073】
前記成分Cは、本発明の組成物中に、好ましくは0〜50重量部、特に好ましくは30重量部まで、最も好ましくは20重量部までの量で含まれていてよい。
【0074】
成分 D
前記組成物は、低揮発性のリン含有化合物の添加により難燃性になる。
【0075】
好ましくは、前記組成物は、オリゴマー性リン酸およびホスホン酸エステル、ホスホネートアミンおよびホスファゼンから成る群からのリン含有難燃剤を含有する。ここで、前記群のうち1種またはいくつかから選ばれる数種の成分の混合物を難燃剤として使用されてもよい。
【0076】
好ましいオリゴマー性リン酸および/またはホスホン酸エステルは、下記の式(IV)のリン化合物である。
【化3】
(前記式中、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して、それぞれ任意にハロゲン化されたC1〜C8アルキル、またはC5〜C6シクロアルキル、C6〜C20アリールもしくはC7〜C12アラルキル(任意にアルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、および/またはハロゲン、好ましくは塩素または臭素で置換されていてよい)を表し、nは、互いに独立して0または1、好ましくは1を表し、qは、0.5〜30までの数、好ましくは0.7〜15、特に0.9〜5であり、およびXは、炭素数6〜30の単核もしくは多核芳香族基または炭素数2〜30の直鎖もしくは分枝の脂肪族基を表し、これらはOH置換されていてよくかつエーテル結合を8個まで含有していてよい。)
【0077】
式(IV)の別の成分の混合物を用いる場合、qは、数平均値を採用し、そのために平均値を表す。
【0078】
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して、C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチルまたはフェニル-C1〜C4-アルキルを表す。さらに、芳香族基R1、R2、R3およびR4は、ハロゲンおよび/またはアルキル基、好ましくは塩素、臭素および/またはC1〜C4アルキルで置換されていてよい。特に好ましいアリール基は、クレジル、フェニル、キシレニル、プロピルフェニルまたはブチルフェニル、およびこれらの対応する臭素化および塩素化誘導体である。
【0079】
前記式(IV)中のXは、好ましくは下記の式で表される基を表す。
【化4】
(前記式中、R5およびR6は互いに独立して、C1〜C5アルキル、好ましくはメチル、またはハロゲン、好ましくは塩素または臭素を表し、mは、0〜4の整数であり、およびYは、C1〜C7アルキリデン、C1〜C7アルキレン、C5〜C12シクロアルキレン、C5〜C12シクロアルキリデン、-O-、-S-、-SO-、-SO2-または-CO-を表す。)
【0080】
Xは、特に好ましくは、
【化5】
またはこれらの塩素化もしくは臭素化誘導体を表す。Xは、特に好ましくはビスフェノールAから誘導される。
【0081】
ビスフェノールAまたは類似の化合物から誘導されるオリゴマー性ホスホン酸エステルの使用は、このようなリン化合物を含有する前記組成物が特に高い応力クラック耐性を示し、そして射出成形加工中にツール上にコーティングを形成する傾向が特に低いことから、とりわけ有利である。さらに、この難燃剤を用いると、特に高い耐熱性が達成される。
【0082】
成分Dに係るリン化合物、式(IV)は、公知であるか(例えば、欧州特許出願公開第A0363608号明細書、同第A0640655号明細書参照)、または公知の方法で同様にして製造することができる(例えば、ウルマンズ・エンサイクロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミー、第18巻、第301頁以降、1979年、ホウベン−ヴェイル(Houben-Weyl)著、メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー(Methoden der Organischen Chemie)、第12/1巻、第43頁、およびバイルシュタイン(Beilstein)、第6巻、第177頁を参照)。
【0083】
平均q値は、ホスフェート混合物の組成(分子量分布)を好適な方法(ガスクロマトグラフィー(GC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))を用いて求めることによって決定されてよい。前記方法から、その後、qについての平均値が算出される。
【0084】
ホスホネートアミンは、好ましくは下式(V)の化合物である。
【化6】
前記式中、Aは、式(Va):
【化7】
または(Vb):
【化8】
の基を表し、R11およびR12は互いに独立して、C1〜C10アルキルを表すか、または非置換もしくは置換のC6〜C10アリールを表し、R13およびR14は互いに独立して、非置換もしくは置換のC1〜C10アルキルまたは非置換もしくは置換のC6〜C10アリールを表すか、あるいはR13およびR14は合わせて、非置換もしくは置換のC3〜C10アルキレンを表し、yは、0、1または2の数値を表し、およびB1は、独立して、水素、任意にハロゲン化されたC2〜C8アルキル、非置換もしくは置換のC6〜C10アリールを表し、B1は、好ましくは独立して、水素、エチル、n-プロピルまたはイソプロピル(これらはハロゲンで置換されていてよい)、非置換のC6〜C10アリール、またはC1〜C4アルキルおよび/またはハロゲンで置換されたC6〜C10アリール、特にフェニルまたはナフチルを表す。
【0085】
R11、R12、R13およびR14中のアルキルは、独立して、好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-、イソ-、sec-もしくはtert-ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表す。
【0086】
R11、R12、R13およびR14中の置換アルキルは、独立して、好ましくは、ハロゲンで置換されたC1〜C10アルキル、特に一置換または二置換されたメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-、イソ-、sec-もしくはtert-ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表す。
【0087】
R11、R12、R13およびR14中のC6〜C10アリールは、独立して、好ましくは、フェニル、ナフチルまたはビナフチル、特にo-フェニル、o-ナフチル、o-ビナフチルを表し、これらは、ハロゲンで置換(一般には一置換、二置換または三置換)されていてよい。
【0088】
R13およびR14は、直接結合している酸素原子や、リン原子と合わせて、環構造を形成していてよい。
【0089】
以下の化合物が、例として、好ましく挙げられる:
式(Va−1):
【化9】
の5,5,5',5',5'',5''-ヘキサメチルトリス(1,3,2-ジオキサホスホリナン-メタン)アミノ-2,2',2''-トリオキサイド(実験製品XPM1000、ソルティア・インク(Solutia Inc.)、セント・ルイス、米国)、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンアミン,N-ブチル-N-[(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル)メチル]-5,5-ジメチル-,P,2-ジオキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンアミン,N-[(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル)メチル]-5,5-ジメチル-N-フェニル-,P,2-ジオキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンアミン,N,N-ジブチル-5,5-ジメチル-,2-オキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンイミン,N-[(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル)メチル]-N-エチル-5,5-ジメチル-,P,2-ジオキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンアミン,N-ブチル-N-[(5,5-ジクロロメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル)-メチル]-5,5-ジ-クロロメチル-,P,2-ジオキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンアミン,N-[(5,5-ジクロロメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル)メチル]-5,5-ジ-クロロメチル-N-フェニル-,P,2-ジオキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンアミン,N,N-ジ-(4-クロロブチル)-5,5-ジメチル-2-オキサイド、
1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-メタンイミン,N-[(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-イル)-メタン]-N-(2-クロロエチル)-5,5-ジ(クロロメチル)-,P,2-ジオキサイド
が挙げられる。
【0090】
式(Va−2)または(Va−3)の化合物も好ましい。
【化10】
(式中、R11、R1 2、R13およびR14は、前述の意味を示す。)
特に好ましいのは、式(Va−2)または(Va−1)の化合物である。
【0091】
ホスホネートアミンの製造は、米国特許第A5844028号明細書に記載されている。
【0092】
ホスファゼンは、式(VIa)および(VIb)の化合物である。
【化11】
【化12】
前記式中、Rはそれぞれ、同一または異なって、アミノ、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ(任意にハロゲン化、好ましくはフッ素でハロゲン化されていてよい)、C5〜C6シクロアルキル(任意にアルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、および/またはハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素で置換されていてよい)、C6〜C20アリール、好ましくはフェニルまたはナフチル、C6〜C20アリーロキシ、好ましくはフェノキシ、ナフチロキシあるいはC7〜C12アラルキル、好ましくはフェニル-C1〜C4-アルキルを表し、kは、0または1〜15までの数、好ましくは1〜10までの数を表す。
【0093】
以下のものが例として挙げられる。
プロポキシホスファゼン、フェノキシホスファゼン、メチルフェノキシホスファゼン、アミノホスファゼンおよびフルオロアルキルホスファゼン。フェノキシホスファゼンが特に好ましい。
【0094】
ホスファゼンは、単独でまたは混合物として使用してよい。基Rは常に同一であっても、あるいは式(Ia)および(Ib)中の1以上の基が異なっていてもよい。ホスファゼンおよびその調製は、例えば、欧州特許出願公開第A0728811号明細書、独国特許出願公開第A1961668号明細書および国際公開第WO97/40092号パンフレットに記載されている。
【0095】
難燃剤は、単独でまたは任意に互いの混合物として使用されても、あるいは他の難燃剤および/または難燃性共同薬と混合されていてもよい。
【0096】
成分Dは、本発明の組成物中に、好ましくは0.5〜30重量部、特に好ましくは1〜25重量部、最も好ましくは2〜20重量部の量で含まれていてよい。
【0097】
成分 E
本発明の難燃剤(成分D)は、好ましくは、いわゆる滴り落ち防止剤と組み合わせて使用されてよい。滴り落ち防止剤は、材料が燃焼時に燃焼液滴を形成する傾向を低減するものである。フッ素化ポリオレフィン、シリコーンおよびアラミド繊維を包含する物質の分類の化合物が例として挙げられる。フッ素化ポリオレフィンは、好ましくは、本発明の組成物中に滴り落ち防止剤として使用される。
【0098】
フッ素化ポリオレフィンは、公知であり、そして例えば、欧州特許出願公開第A0640655号明細書に記載されている。これは、デュポン社から商品名テフロン( 登録商標 )として市販されている。
【0099】
フッ素化ポリオレフィンは、純粋な形態で、およびフッ素化ポリオレフィンのエマルションと、グラフトポリマー(成分B)のエマルションまたはコポリマー(好ましくはスチレン-アクリロニトリルをベースとするコポリマー)のエマルションとの凝集混合物の形態で使用されてよい。後者の場合、前記フッ素化ポリオレフィンは、エマルションとして、グラフトポリマーまたはコポリマーのエマルションと混合されて、その後凝集される。
【0100】
更に、フッ素化ポリオレフィンは、グラフトポリマー(成分B)またはコポリマー(好ましくはスチレン-アクリロニトリルをベースとするコポリマー)とのプレコンパウンド(pre-compound)として使用されてもよい。フッ素化ポリオレフィンは、粉末として、グラフトポリマーまたはコポリマーの粉末または顆粒と混合されて、一般に200℃〜330℃の温度で内部ニーダー、押出機または二軸スクリュー押出機のような汎用の装置において溶融コンパウンド化される。
【0101】
フッ素化ポリオレフィンは、フッ素化ポリオレフィンの水性分散体の存在下での少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーのエマルション重合により製造されるマスターバッチの形態で使用されてもよい。好ましいモノマー成分は、スチレン、アクリロニトリルおよびこれらの混合物である。ポリマーは、酸での沈殿およびその後の乾燥後に、自由流動性粉末として用いられる。
【0102】
凝集物またはプレコンパウンドまたはマスターバッチは、通常、フッ素化ポリオレフィンの固形分5〜95重量%、好ましくは7〜60重量%を有する。本発明の組成物中、フッ素化ポリオレフィンは、0〜5重量部、好ましくは2重量部まで、特に好ましくは0.1〜0.5重量部の量で含まれていてよい。
【0103】
F.更なる添加物
本発明の成形用組成物は、更に、潤滑剤および離型剤、例えば、ペンタエリスリトールテトラステアレート、核形成剤、帯電防止剤、安定化剤、フィラーおよび強化剤(例えば、ガラス繊維またはカーボン繊維、マイカ、カオリン、CaCO3およびガラス片)および染料および顔料などの汎用の添加物のうち少なくとも1種を30重量部まで含有していてよい。
【0104】
本発明の成形用化合物(組成物)は、更なる任意の相乗作用性の難燃剤を30重量部まで含有していてよい。
【0105】
更なる難燃剤としては、モノマー性オルガノホスフェートなどの他のリン含有化合物、例えば、トリフェニルホスフェート、またはデカブロモビスフェニルエーテルもしくはテトラブロモビスフェノールAなどの有機ハロゲン化化合物、臭化アンモニウムなどの無機ハロゲン化化合物、メラミン、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂などの窒素化合物、水酸化Mgまたは水酸化Alなどの無機水酸化物、酸化アンチモン、メタホウ酸バリウム、ヘキサヒドロキソアンチモネート、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、メタホウ酸バリウム、酸化ケイ素または酸化錫などの無機化合物、並びにシロキサン化合物が挙げられる。
【0106】
好ましくは、難燃性(FR)共同薬として、米国特許第5849827号明細書に記載の非常に微細な粒状の(ナノスケールの)無機粉末、例えば、TiN、TiO2、SiO2、SnO2、WC、ZnO、ベーマイト、ZrO2およびAl2O3を使用する。これら粒子は、0.1〜1.000nm、好ましくは1〜500nm、特に好ましくは1〜100nmの平均的な初期粒径を有する。ベーマイトが特に好ましい。
【0107】
全ての成分の重量部の合計は100である。
【0108】
成形用組成物および成形物品の製造
本発明の成形用化合物(組成物)は、各成分を公知の方法で混合して、200℃〜300℃の温度で、内部ニーダー、押出機および二軸スクリュー押出機などの汎用の装置において溶融コンパウンド化および溶融押出することにより、製造される。
【0109】
個々の成分の混合は、公知の方法で順番にまたは同時に、具体的には約20℃(室温)またはそれより高温で行われてよい。
【0110】
本発明の成形用組成物は、あらゆる種類の成形物品を製造するのに使用されてよい。前記物品は、射出成形、押出成形およびブロー成形法によって製造されてよい。更なるタイプの加工は、予め製造されたシートまたはフィルムを熱形成することによる成形物品の製造である。
【0111】
前記成形物品の例は、フィルム、プロファイルされた部分品、あらゆる種類のハウジング部品であり、例えば、ジューサー、コーヒーメーカーおよびミキサーなどの家庭用のもの、モノター、フラットスクリーン、ノートブック型コンピュータ、プリンターおよびコピー機などの事務用機器のためのもの、建築および建設分野におけるシート、チューブ、電気絶縁導管(ducting)、窓、ドアおよび更なるプロファイルされた部分品、並びにスイッチ、プラグおよびソケットなどの電気および電子部品が挙げられる。
【0112】
特に、本発明の成形用組成物は、例えば、以下の成形物品または成形部品を製造するのにも使用されてよい。
列車車両、ボート、航空機、バスおよび他の乗物のための内部仕上げ用部品、小さな変圧器を含む電気装置用のハウジング、情報処理および情報変換のための機器用のハウジング、医療設備および装置用のハウジングおよびケーシング、マッサージ器具およびそのためのハウジング、子供用のおもちゃの乗物、平面な壁部材、安全装置のためのハウジング、断熱輸送容器、衛生陶器および浴室備品のための成形部品、排気口用の被覆格子、およびガーデンツール用のハウジング。
【0113】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するために記載する。
実施例
表1に示しかつ以降に詳しく記載する成分を、ZSK−25装置において240℃でコンパウンド化する。成形物品を、Arburg270E型射出成形機において240℃で製造する。
成分 A
溶媒としてのCH2Cl2中、25℃において濃度0.5g/100mLで測定される相対溶液粘度が1.24である、ビスフェノールAをベースとする直鎖ポリカーボネート。
成分 B
スチレンとアクリロニトリルの比73:27のスチレンとアクリロニトリルのコポリマー40重量部の、粒状の架橋ポリブタジエンゴム(平均粒径d50=0.3μm)60重量部へのエマルション重合によって製造されたグラフトポリマー。
成分 C
スチレン/アクリロニトリル比72:28および(ジメチルホルムアミド中、20℃で測定される)固有粘度0.55dL/gのスチレン/アクリロニトリルコポリマー。
【0114】
成分 D
ビスフェノールA系オリゴホスフェート。
【化13】
成分 E
前記成分Bに係るSANグラフトポリマーの水中エマルションとテトラフルオロエチレンポリマー水中エマルションとの凝集混合物としてのテトラフルオロエチレンポリマー。前記混合物中のグラフトポリマーBとテトラフルオロエチレンポリマーEとの重量比は、90重量%対10重量%である。テトラフルオロエチレンポリマーエマルションは、固形分60重量%であり、および平均粒径は0.05〜0.5μmである。SANグラフトポリマーエマルションは、固形分34重量%であり、および平均ラテックス粒径d50は0.3μmである。
【0115】
テトラフルオロエチレンポリマー(テフロン( 登録商標 )30N)のエマルションを、SANグラフトポリマーBのエマルションと混合し、ポリマー固形分に対して1.8重量%のフェノール性酸化防止剤を用いて安定化させる。前記混合物を85℃〜95℃で、MgSO4(エプソム塩)の水溶液と酢酸を用いてpH4〜5において凝集させ、濾過して、電解質が実質上無くなるまで洗浄し、その後、主な割合の水を遠心分離によって排除し、最後に100℃で乾燥させて、粉末を形成する。
【0116】
成分 F . 1
離型剤としてのペンタエリスリトールテトラステアレート(PETS)。
成分 F . 2
亜リン酸エステル(phosphite)安定化剤。
成分 G . 1
タルク:Naintsch( 登録商標 )A3(ナインッシュ・ミネラルヴェルケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング(Naintsch Mineralwerke GmbH)、グラーツ、オーストリア国)、平均粒径1.2μm。
成分 G . 2
桂灰石:Nyglos( 登録商標 )5、長さ/厚さ比13/1および平均繊維直径D506.5μm。
成分 G . 3
桂灰石:Nyglos( 登録商標 )8−10013、表面処理された桂灰石、長さ/厚さ比19/1および平均繊維直径D509.9μm。
【0117】
本発明の成形用組成物の試験
VicatB熱安定性は、DIN53460(ISO306)に準拠して、寸法80mm×10mm×4mmの試験ロッドについて測定する。
ノッチ付き衝撃強度akは、ISO180/1Aに準拠して測定する。衝撃強度an(ノッチ無し)は、ISO180/1Uに準拠して測定する。
弾性率Eは、ISO527に準拠して引張り試験において測定する。
ISO179/1eUに準拠した流れすじ強度を求めるために、寸法170mm×10mm×4mmの両面射出成形された(加工温度260℃)試験主体の流れすじにおいて衝撃強度を測定する。
試料の火炎特性は、UL94Vに準拠して、厚さ1.2mmおよび1.0mmのロッドについて測定する。
【0118】
応力−クラック特性(ESC特性)は、寸法80mm×10mm×4mmのロッドについて評価する。トルエン60体積%とイソプロパノール40体積%との混合液を試験媒体として使用する。試料主体は、環状アークテンプレートを用いて予備延伸(予備延伸率(%))に付して、試験媒体中、室温で貯蔵する。応力−クラック特性を、試験媒体中での予備延伸(εX)の関数としてのクラックの形成および/または割れによって評価する。
MVR(溶融体積速度)は、ISO1133に準拠して、240℃においてパンチ荷重5kgを用いて測定する。
本発明の組成物またはそれから製造された成形物品の特性のまとめを表1に示す。
【0119】
【表1】
表中の結果は、優れた弾性率および顕著な流れすじ強度と組み合わせて、良好な靭性、流動性、難燃性およびESC耐性が、選択されたアスペクト比を有する桂灰石を用いることにより達成されることを示している。前記特性の組み合わせは、タルクを用いても達成されない。
Claims (17)
- ISO 179/1eUに準拠した測定で6kJ/m
2以上の流れすじ強度(flow line strength)を有する、衝撃抵抗変性された、難燃性の鉱物強化ポリカーボネート組成物。 - 少なくとも3.5GPaの弾性率を有する請求項1記載のポリカーボネート組成物。
- UL94Vに準拠した難燃性試験で壁厚さ1.5mm以下において評価V−0に適合する請求項1または2記載のポリカーボネート組成物。
- 桂灰石を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート組成物。
- 桂灰石が、平均アスペクト比約10以上および平均繊維直径約10μm以下を有する請求項4記載のポリカーボネート組成物。
- ポリカーボネートが芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリエステルカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートと芳香族ポリエステルカーボネートの混合物である請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート組成物。
- 前記ポリカーボネートまたは前記ポリエステルカーボネートが、該組成物の重量に対して約50〜85重量%の量で含まれている請求項6記載のポリカーボネート組成物。
- 少なくとも1種のビニルモノマー5〜95重量%の、ガラス転移温度約10℃以下の少なくとも1種のグラフトベース95〜5重量%へのグラフトポリマーを、該組成物の重量に対して50重量%まで含有する請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート組成物。
- グラフトポリマーが、ジエンゴム、EP(D)Mゴム、アクリレートゴムまたはシリコーンゴムをベースとする請求項8記載のポリカーボネート組成物。
- エマルションまたはバルクABSまたはこれらの混合物がグラフトポリマーとして含まれている請求項9記載のポリカーボネート組成物。
- リン含有難燃剤を含有する請求項1〜10のいずれかに記載のポリカーボネート組成物。
- 式:
のリン含有化合物を含有する請求項11記載のポリカーボネート組成物。 - フッ素化ポリオレフィンを5重量%まで含有する請求項1〜13のいずれかに記載のポリカーボネート組成物。
- 潤滑剤および離型剤、核形成剤、帯電防止剤、安定化剤、ガラス繊維またはカーボン繊維、フィラー、染料および/または顔料などの少なくとも1種の通常のポリマー添加物を、該組成物の重量に対して30重量%まで含有する請求項1〜14のいずれかに記載のポリカーボネート組成物。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のポリカーボネート組成物を含有する成形品。
- フィルム、プロファイルされた部分品、列車、船舶、航空機または他の乗物のための内部構造部品、小さな変圧器を含む電気設備のハウジング、情報処理および伝達のための装置用のハウジング、医療設備用のハウジングまたはケーシング、子供のおもちゃの乗物、平面的な壁要素、安全装置用のハウジング、断熱輸送容器、衛生陶器および風呂備品用の成形部品、排気口用の被覆格子、プレート、チューブ、内部使用のためおよび外部適用のための電気設備ダクト、またはガーデンツール用のハウジングの形態の請求項16記載の成形品。
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