JP2004517882A - トリプトライドプロドラッグを使用する抗癌処置 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、トリプトライドの水溶性プロドラッグまたはその誘導体である化合物を使用する、抗癌処置に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
多くの癌は、外科的切除によって治癒され得るが、外科治療の補助として、化学療法がしばしば使用され、そしてこれは、主に、手術不能または転移性の悪性疾患の処置に使用される。
【0003】
結腸直腸癌は、初期診断の5年以内に罹患した患者のほぼ半数が死亡する疾患であり、そしておよそ17人に1人の米国人が、彼らの生涯において結腸直腸癌を発症する。外科的介入は、進行性の転移性結腸直腸癌を有するほとんどの患者についての選択肢ではない。フルオロウラシル(5−FU)およびロイコボリンでの初期の化学療法が、第III段階の結腸癌を有する患者についての標準となっている(NIH Consensus Conference,「Adjuvant therapy for patients with colon and rectal cancer」,JAMA 264:1444−50,1990;Goldberg RMおよびErlichman C,Oncology 12:59−63,1998)。イリノテカンは、5−FU不応性の進行性結腸直腸癌を有する患者を処置するために、現在使用されている(Van Cutsem EおよびBlijham GH,Semin Oncol 26:13−20,1999;Cunningham Dら、Lancet 352:1413−18,1998)。
【0004】
乳癌は、米国の女性において2番目に多い形態の癌であり、女性の癌による第2位の死因である。乳癌の処置において、アジュバント全身療法は、主要な治療(手術および放射線療法)の直後に開始され、再発を遅延し、そして/または、生存を延長する。現在の処置レジメンとしては、シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(CMF)、ならびにアントラサイクリン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)およびエピルビシン、および進行性で転移性の癌の処置についての、タキサン、パクリタキセル(Taxol)およびドセタキセル(Taxotere)、の組み合わせレジメンが挙げられる。
【0005】
前立腺癌は、男性において最も多い癌であり、1995年の米国において、推定244,000の症例が存在する。前立腺癌は、新形成で死亡する男性の第2位の死因であり、毎年推定44,000人が死亡する。前立腺癌は、従来の細胞傷害性の化学療法に対して比較的耐性であることが見出されており、毒性が、このような治療を、高齢患者に不適切なものにし得る。前立腺癌が、局在化され、早期に検出され、そして患者の平均余命が10年以上である場合、根治的な前立腺切除術が、この疾患の根治のための最良の機会を提供するが;大きな高度の腫瘍を有する患者、あるいは高齢またはそれほど健常でない患者は、根治的な前立腺切除術によって、首尾よく処置される可能性は高くない。放射線療法は、代替法として使用され得るが、疾患の長期の再発が、問題である。
【0006】
癌による毎年多くの死亡の観点から、抗癌剤として使用するための効果的かつ比較的非毒性の化学療法薬物を同定する必要性が、存在し続けている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、抗癌処置の方法を提供する。この方法は、そのような処置を必要とする被験体に、以下に示されそして記載される、構造I−IVのいずれかによって表される、有効量のトリプトライドプロドラッグ、またはその薬学的に受容可能な塩を、薬学的に受容可能なビヒクルにおいて投与する工程を包含する。好ましい化合物は、構造Iの化合物であり;特に好ましい化合物は、トリプトライド14−スクシネート(本明細書中でPG490−88と称する)である。好ましい実施形態において、この方法は、結腸、肺、胸部または前立腺の癌または腫瘍の処置に使用される。本発明はまた、抗癌処置または抗腫瘍処置のための薬学的組成物を提供し、これは、本質的に、薬学的に受容可能なビヒクルにおける、以下に示されそして記載される、構造I−IVのいずれか1つによって表されるトリプトライドプロドラッグまたはその薬学的に受容可能な塩からなる。これらの組成物は、本明細書中に記載される抗癌処置方法において使用される。
【0008】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、添付の図面と共に、本発明の以下の詳細な説明を読んだ場合に、より完全に明らかとなる。
【0009】
(発明の詳細な説明)
(I.定義)
以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有する。
【0010】
「アルキル」とは、炭素および水素を含む、完全に飽和した非環式の一価のラジカルをいい、これは、分枝鎖または直鎖であり得る。例は、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘプチル、およびイソプロピルである。「シクロアルキル」とは、炭素および水素を含む、完全に飽和した環式の一価のラジカルをいい、これは、アルキルでさらに置換され得る。例は、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子(好ましくは、1〜4個の炭素原子)のアルキルラジカルをいい、メチル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソアミル、n−ペンチルおよびイソペンチルによって例示される。
【0011】
「アルケニル」とは、炭素および水素を含む、一価または二価の不飽和(好ましくは、一不飽和)のラジカルをいい、そしてこれは、環状、分枝鎖または直鎖であり得る。「低級アルケニル」とは、1〜4個の炭素原子を有する、このようなラジカルをいう。
【0012】
「アシル」とは、形態−C(O)Rを有するラジカルをいい、ここで、Rは、アルキル、アリールまたはアラルキル基である。
【0013】
「アリール」とは、1個の環(例えば、ベンゼン)または2個の縮合環(例えば、ナフチル)を有する、置換または非置換の、一価の芳香族ラジカルをいう。この用語には、ヘテロアリール基が含まれ、これらは、その環中に1個以上の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を有する芳香族環基(例えば、フリル、ピロール、ピリジルおよびインドール)である。「置換(された)」とは、アリール基中の1個以上の環水素が、ハライド(例えば、フッ素、塩素または臭素);1個または2個の炭素原子を含む低級アルキル基;ニトロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、ハロメトキシ、ハロメチルあるいはハロエチルで置き換えられることを意味する。
【0014】
「アラルキル」とは、アリール基でさらに置換された、アルキル(好ましくは、低級アルキル)置換基をいい;1つの例は、ベンジル基である。
【0015】
「複素環」とは、非芳香族環(好ましくは、5〜7員環)をいい、その環原子は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される。好ましくは、環原子は、3個〜6個の炭素原子を含む。このような複素環としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンが挙げられる。
【0016】
用語「薬学的に受容可能な塩」は、有機カチオンおよび無機カチオンを有する、カルボン酸塩を包含し、このようなカチオンとしては、例えば、アルカリ金属カチオンおよびアルカリ土類金属カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウムおよびカルシウム);アンモニウム;または例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニルエチルベンジルアンモニウムなどの有機カチオンが、挙げられる。上記用語に包含される他のカチオンとしては、プロカイン、キニーネおよびN−メチルグルコサミンのプロトン化形態、および塩基性アミノ酸(例えば、グリシン、オルニチン、ヒスチジン、フェニルグリシン、リジン、およびアルギニン)のプロトン化形態が挙げられる。
【0017】
この用語はまた、有機酸または無機酸から誘導される対イオンを有する塩基性基(例えば、アミノ基)との標準的な酸−塩基反応によって形成される塩を包含する。このような酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、パルミチン酸、コール酸、パモ酸、粘液酸、D−グルタミン酸、D−ショウノウ酸、グルタール酸、フタル酸、酒石酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ソルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、桂皮酸などが挙げられる。
【0018】
本明細書中で記載される場合、「トリプトライド誘導体」または「トリプトライドアナログ」とは、トリプトライド、16−ヒドロキシトリプトライドまたはトリプジオライド(2−ヒドロキシトリプトライド)(これは、親化合物の12,13−エポキシ基またはラクトン環で誘導体化される)に基づく化合物をいう。
【0019】
本開示の目的のために、トリプトライドおよびトリプトライドアナログについて、以下の番号付け法:
【0020】
【化7】
を使用する。
【0021】
(II.トリプトライドプロドラッグ)
トリプトライドは、中国の薬草Tripterygium wilfordii(TW)の根の木部から得られる。TW植物は、福建省および中国の他の南部の省において見出され;TW植物の材料は、一般に、中国で得られ得るか、または米国の商業的供給源を通して得られ得る。トリプトライドおよびその誘導体を調製するための方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、Lipskyら(米国特許第5,294,443号;1994)、Zhengら(Zhongguo Yixue Kexueyuan Xuebao 13:391,1991;Zhongguo Yixue Kexueyuan Xuebao 16:24,1994)、およびMaら(J.Chin.Pharm.Sci.1:12,1992)に記載される。これらの化合物は、免疫抑制化合物として広範に報告されており、そしてまた、抗白血病活性を有することも報告されている(Kupchan SMら、J.Am.Chem.Soc.94:7194,1972;米国特許第4,005,108号(1977))。しかし、これらの化合物の投与および治療効果は、それらの低い水溶性によって制限されていた。
【0022】
以下の式I〜IVによって示されるような、トリプトライドプロドラッグは、共有に係る米国特許第5,663,335号、同第5,962,516号および同第6,150,539号(これらは、その全体が参考として本明細書によって援用される)に記載されている。これらの化合物は、中国の薬草Tripterygium wilfordii(TW)の根の木部から得られ得るか、または上記の特許に記載されるような、他の公知の供給源から得られるトリプトライドから調製され得る。これらの化合物は、親水性の置換基を有するトリプトライドの誘導体である。これらの化合物は、誘導体化されていない出発化合物よりも高い水溶性を有し、そしてインビボで加水分解し、そして親化合物に変換するのに効果的である。
【0023】
構造I〜IVの各々は、トリプトライドの核上の1つの位置で改変された化合物を示し、1より多くのこのような改変を有する化合物もまた、企図される。これらの化合物は、以下に実証されるように、抗癌治療に有用である。
【0024】
(A.構造Iの化合物)
1つの局面において、本発明は、以下の式Iによって示される構造を有する化合物を使用する、抗癌処置を提供する:
【0025】
【化8】
ここで、X1は、OHまたはOR1であり、そしてX2およびX3は、独立して、OH、OR1またはHであり、但し、X1、X2およびX3の少なくとも1つは、OR1であり、そしてX2およびX3の少なくとも1つは、Hであり;そして
R1は、−C(O)−Y−Zであり、ここで、
Yは、分枝または非分枝のC1〜C6のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり;そして
Zは、COOR2、NR3R3’または+NR4R4’R4’’であり、ここで、R2は、水素またはカチオンであり;R3およびR3’は、独立して、H、または分枝もしくは非分枝のC1〜C6のアルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはアルコキシアルキルであるか、あるいはR3およびR3’は、一緒になって、5員〜7員の複素環式環を形成し、該環の環原子は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択され、ここで、該環原子は、2〜6個の炭素原子、1個以上の窒素原子、および必要に応じて、1個以上の酸素原子または硫黄原子を含み、そして該環は、置換されていないか、またはR5、OR5、NR5R6、SR5、NO2、CN、C(O)R5、C(O)NR5R6、OC(O)R5、OC(O)NR5R6、およびハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)から選択される1個以上の基で置換されており、ここで、R5およびR6は、独立して、水素、低級アルキルまたは低級アルケニルであり;そしてR4、R4’およびR4’’は、独立して、分枝もしくは非分枝のC1〜C6のアルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシアルキルである。
【0026】
1つの一般的な実施形態において、この化合物は、X1が、OHまたは上記のようなOR1であり、そしてX2およびX3が、Hである、トリプトライドの誘導体である。これには、本明細書中でPG490−88と称される化合物が含まれ、ここで、Yが、C2(すなわち、−CH2CH2−)であり、そしてZが、COOHまたはCOOR2であり、ここで、R2が、カチオンである。第2の一般的な実施形態において、この化合物は、16−ヒドロキシルトリプトライドの誘導体であり、ここで、X1およびX3が、OHまたはOR1であり、そしてX2が、Hである。第3の一般的な実施形態において、この化合物は、トリプジオライド(2−ヒドロキシトリプトライド)の誘導体であり、ここで、X1およびX2が、OHまたはOR1であり、そしてX3が、Hである。
【0027】
1つの好ましい実施形態において、Zは、COOHまたはCOOR2であり、ここで、R2が、金属イオン(好ましくは、Na+またはK+)である。代替的な実施形態において、R2は、必要な場合にプロトン化された、有機アンモニウムイオンであり、好ましくは、リジン、トリエチルアミンまたはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンから選択される。好ましくは、R2は、Na+、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンまたはリジンであり、そしてYは、C1〜C4アルキル鎖である。
【0028】
別の好ましい実施形態において、Zは、NR3R3’であり、ここで、R3およびR3’が、独立して、Hまたは分枝もしくは非分枝のC1〜C6のアルキルであるか、あるいは一緒になって、5員〜7員の複素環式環を形成し、該複素環式環が、2〜6個の炭素原子、1個以上の窒素原子、および必要に応じて、1個以上の酸素原子または硫黄原子を含む。好ましくは、Zは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノまたはN−モルホリノであり、Yは、C1〜C4アルキル鎖である。
【0029】
Zが、第4級アミノ基またはプロトン化された第3級アミノ基である場合、この化合物はまた、アニオン性対イオンを含む。このアニオン性対イオンは、好ましくは、ハライドまたはカルボン酸イオン、スルホン酸イオンもしくは硫黄含有イオンである。より好ましくは、この対イオンは、クロリド、ブロミド、アセテート、オキサレート、マレエート、フマレート、メタンスルホネートまたはトルエンスルホネートである。
【0030】
これらの化合物の調製は、共有に係る米国特許第5,663,335号に記載される。以下の構造II〜IVの調製は、共有に係る米国特許第第6,150,539号に記載される。
【0031】
(B.構造IIの化合物)
以下の構造IIの化合物において:
【0032】
【化9】
OR7は、加水分解可能な親水性基であり、例えば、カルボン酸エステル、無機エステル、またはアノマー酸素を介して親化合物に結合したモノサッカリド、ジサッカリドもしくはトリサッカリドである。このカルボン酸エステルまたは無機エステルは、炭素、硫黄、リンおよびホウ素から選択される中心原子を有し、その中心原子に、少なくとも1個の酸素原子、および形態−O−Y−Z’の少なくとも1個の基が結合されている。この基において、Yは、分枝または非分枝のC1〜C6のアルキル鎖またはアルケニル鎖を示し、そしてZ’は、水素、あるいは好ましくは、ケト、アルデヒド、カルボキシレート、カルボン酸エステル、ヒドロキシ、アルコキシ、ポリエーテル、チオール、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、または5員〜7員の複素環から選択される極性基を示し、該環原子は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択され、ここで、該環原子は、3〜6個の炭素環原子を含む。このような複素環としては、例えば、ピリジン、ピロリジン、ピペラジンおよびモルホリノが挙げられる。
【0033】
このような無機エステルの例としては、スルファイト(−O−S(=O)−OR)、スルフィネート(−O−S(=O)−R)、スルフェート(−O−S(=O)2−OR)、スルホネート(−O−S(=O)2−R)、ホスフェート(−O−P(=O)(OR)2)、ホスホネート(−O−P(=O)R(OR))、およびボレート(−O−B(OR)2)が挙げられる。
【0034】
Z’が、アニオン種(例えば、カルボキシレート)である場合、正に荷電した対イオンは、好ましくは、無機金属(例えば、Na+、K+またはMg+2)、またはプロトン化された有機アミン(例えば、トロメタミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン))である。Zが、塩基性アミンである場合、この化合物は、負に荷電した対イオン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、アセテート、オキザレート、マレエート、フマレート、メシレートまたはトシレート)を有する、プロトン化された塩の形態を取り得る。
【0035】
置換基OR9は、OHまたはO−(C=O)Rであり、ここで、Rは、低級アルキルである。
【0036】
好ましくは、R7は、以下
【0037】
【化10】
から選択され、ここで、R8は、低級アルキルであり、R10は、Hまたは低級アルキルであり、n=0〜4、m=1〜2、そしてX=CH2、OまたはNR8である。
【0038】
これらの置換基の親水性の性質は、これらの化合物の水溶性を増加し、そしてOR1の加水分解(例えば、インビボでの)は、トリプトライドの不飽和ラクトン(ブテノライド)を再生する。
【0039】
(C.構造IIIの化合物)
別の実施形態において、トリプトライドアナログは、以下:
【0040】
【化11】
に示されるような、構造IIIのトリプトライドアナログである。基OR9は、上記に定義されたとおりであり、そして好ましくは、低級アシル(例えば、アセチル)である。基OR11は、好ましくは、形態−O−Y−Z’または−O−(C=O)−Y−Z’であり、ここで、Yは、分枝または非分枝のC1〜C6のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり、そしてZ’は、水素、あるいはケト、アルデヒド、カルボキシレート、カルボン酸エステル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ポリエーテル、チオール、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、無機エステル、または5員〜7員の複素環式環から選択される極性基であり、該複素環式環の環原子は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択され、ここで、該環原子は、3〜6個の炭素を有する。R11はまた、アノマー中心でC14に結合された、モノサッカリド、ジサッカリドまたはトリサッカリドであり得る。
【0041】
さらに、Z’が、アニオン種(例えば、カルボキシレート)である場合、正に荷電した対イオンは、好ましくは、無機金属(例えば、Na+、K+またはMg+2)、またはプロトン化された有機アミン(例えば、トロメタミン)である。Z’が、塩基性アミンである場合、この化合物は、負に荷電した対イオン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、アセテート、オキサレート、マレエート、フマレート、メシレートまたはトシレート)を有する、プロトン化された塩の形態を取り得る。
【0042】
好ましくは、R11は、以下:
【0043】
【化12】
の形態であり、ここで、R8は、低級アルキルであり、R10は、Hまたは低級アルキルであり、m=1〜2、n=1〜4、そしてX=CH2、OまたはNR8である。
【0044】
(D.構造IVの化合物)
さらなる実施形態において、トリプトライドアナログは、以下に示されるような、構造IVを有する:
【0045】
【化13】
ここでR12は、好ましくは、アルキルスルホネート、フルオロアルキルスルホネート、アリールスルホネート、フルオロスルホネート、ニトレート、アルキルホスフェート、アルキルボレート、トリアルキルアンモニウム、およびジアルキルスルホニウムからなる群より選択される、脱離基である。好ましい脱離基は、トシレート、p−メトキシベンゼンスルホネート、メシレート、フルオロスルホネート、トリフルオロメチルスルホネート、ニトレート、およびアルキルホスフェートまたはボロネート(−OP(O)(OR10)2および−OB(OR10)2(ここで、R10が、水素または低級アルキルである)によって示される)である。
【0046】
さらに好ましい実施形態において、脱離基は、アリールスルホネートであり、ここで、アリール基は、エポキシド形成の速度を調節するように置換され、より好ましい薬物動態を提供し得る。例えば、エポキシドへの環化の速度は、R12=トシレートの場合よりも、R12=p−メトキシベンゼンスルホネートの場合に、有意に遅いことが見出された。
【0047】
14−OH基もまた、低級アシル基、すなわち、−O−(C=O)−Rであり得、ここで、Rは、低級アルキルである。
【0048】
(III.治療的組成物)
上記のトリプトライドアナログを含有する処方物は、好ましくは、正確な投薬量の単回投与に適切な単位投薬形態の、固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体の投薬形態(例えば、錠剤、カプセル、粉末、徐放性処方物、溶液、懸濁液、エマルジョン、軟膏、ローションまたはエアロゾル)を取り得る。これらの組成物は、代表的には、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤を含み、そしてさらに、他の医療用薬剤、キャリアまたはアジュバントを含み得る。好ましくは、組成物は、約0.5重量%〜75重量%の本発明の化合物(単数または複数)であり、残りは、適切な薬学的賦形剤からなる。経口投与のために、このような賦形剤としては、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。所望の場合、組成物はまた、少量の非毒性補助物質(例えば、湿潤剤、乳化剤または緩衝剤)を含み得る。
【0049】
組成物は、例えば、静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射または筋内注射によって、経口的、経皮的または非経口的に、被験体に投与され得る。経口液体調製物のために、組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョンまたはシロップとして調製され得、これらは、液体形態で供給されるか、または水もしくは通常の生理食塩水での水和に適切な乾燥形態で供給されるかのいずれかである。非経口投与のために、非経口投与のための注射用組成物は、代表的には、適切な静脈内溶液(例えば、滅菌した生理学的塩溶液)にトリプトライドアナログを含む。
【0050】
液体組成物は、キャリア(例えば、生理食塩水溶液、水性デキストロース、グリセロールまたはエタノールのような)中にトリプトライドアナログ(約0.5%〜約20%)および任意の薬学的アジュバントを溶解または分散させて、溶液または懸濁液を形成することによって、調製され得る。本発明の化合物の高い水溶性は、それらを、水溶液での投与(例えば、腹腔内注射による)に特に有利なものにする。水溶液が好ましいが、本発明に従う組成物はまた、脂質(例えば、トリグリセリド、リン脂質、またはポリエトキシ化ヒマシ油(例えば、「CREMOPHOR EL」TM))の懸濁液として、リポソーム懸濁液、または水性エマルジョンで処方され得る。
【0051】
化合物はまた、好ましくは、呼吸可能なサイズの、エアロゾル粒子(固体または液体のいずれか)の形態で、吸入によって投与され得る。このような粒子は、吸入時に口および喉頭を通って、そして気管支および肺の肺胞へ通過するのに十分小さい。一般に、約1〜10ミクロンの範囲の大きさ(好ましくは、約5ミクロン未満の大きさ)の粒子が、呼吸可能である。吸入のための液体組成物は、水性キャリア(例えば、滅菌した発熱物質フリーの生理食塩水溶液または滅菌した発熱物質フリーの水)に分散させた活性剤を含む。所望の場合、組成物は、噴霧体と混合され、組成物のスプレーおよびエアロゾルの形成を補助し得る。
【0052】
このような投薬形態を調製するための方法は、当業者に公知であるか、または当業者に明らかである;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第19版、Williams & Wilkins,1995)を参照のこと。投与される組成物は、被験体において免疫抑制をもたらすための薬学的に有効な量で、一定量の選択された化合物を含む。
【0053】
全身投与のために、組成物は、例えば、静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射または筋内注射によってか、あるいは吸入によって、経口的、経皮的または非経口的に投与され得る。複数回の静脈内用量、皮下用量および/または筋内用量が可能であり、そして移植可能な処置方法の場合、徐放用に設計された処方物が、特に有用である。患者はまた、移植可能な皮下ポータル(portal)、レザバまたはポンプを使用して処置され得る。
【0054】
局所処置は、特定の器官における癌の処置に有用である。処置は、動脈内注入によって達成され得る。カテーテルは、罹患した器官へ処置を向けるように、外科的または血管造影によって移植され得る。カテーテルに接続される皮下ポータルは、慢性処置に使用され得るか、または移植可能で、詰め替え可能なポンプもまた、使用され得る。
【0055】
(IV.抗癌処置)
トリプトライドプロドラッグは、以下を含むが、これらに限定されない、種々の癌細胞型の処置に使用され得る:胸部腫瘍、結腸腫瘍、小細胞肺腫瘍、大細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、悪性メラノーマ、肝臓腫瘍、腎臓腫瘍、膵臓腫瘍、食道腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、頸部腫瘍またはリンパ腫の腫瘍。胸部腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍および前立腺腫瘍の処置が、特に企図される。白血病の処置もまた、企図される。
【0056】
図5〜6に示されるデータは、結腸癌についての現在の好ましい2つの処置と比較した、マウス異種移植モデルにおけるHT−29ヒト結腸腫瘍の処置における、トリプトライドプロドラッグであるトリプトライド14−スクシネート(本明細書中でPG490−88と称される)の有効性を示す。これらの研究は、以下の「材料および方法」に記載されるように行った。
【0057】
図5に示されるように、PG490−88は、CPT−11(イリノテカン)に必要とされた用量よりもはるかに少ない用量で、用量依存様式で、HT−29腫瘍増殖を阻害した。16日目までに(下の棒)、0.125mg/kgのPG490−88で処置したマウスにおける腫瘍増殖は、わずかに阻害され、そして平均腫瘍体積は、ビヒクルコントロール群における721%と比較して、462%増加した。0.25mg/kgのPG490−88は、中程度の阻害を生じ、そして平均腫瘍体積は、131%増加した。0.75mg/kgのPG490−88は、強力に、腫瘍増殖を阻害し、そして腫瘍退行を誘導した。16日目まで、平均腫瘍体積は、初期値から54%減少した。
【0058】
一方、22mg/kgのCPT−11による腫瘍増殖阻害は、わずか〜中程度に過ぎず、平均腫瘍体積は、初期値から252%増加した。従って、PG490−88は、CPT−11と比較して、予測されない効力を示した。
【0059】
5−FU(5−フルオロウラシル)は、結腸癌を処置するために臨床的に使用される、標準的な従来の化学療法である。5−FUと比較して、PG490−88はまた、HT−29腫瘍を用いて、予測されない優れた効力を示した(図6)。20mg/kgで、5−FUは、腫瘍増殖をわずかにしか阻害せず、そして腫瘍は、一定して増殖した。16日目まで、5−FU群の平均腫瘍体積は、コントロール群における721%と比較して、470%増殖した。この投薬量は、このモデル系における5−FUについて比較的高い量であり;より高用量の5−FU(30mg/kg)は、毒性の徴候を示す。
【0060】
これと比較して、0.25mg/kgのPG490−88で処置したマウスにおける腫瘍増殖は、阻害され、そして抑制効果は、5日目後に特に明らかであった。16日目までに、平均腫瘍体積は、この処置群において、わずか131%増加しただけである。0.75mg/kgのPG490−88は、腫瘍増殖を強力に阻害し、そして5日目から腫瘍サイズを次第に減少させた(図6)。9日目までに、平均腫瘍体積は、5日目の値からほぼ初期値まで減少した。16日目までに、平均腫瘍体積は、元の体積から54%減少した。
【0061】
従って、HT−29ヒト結腸癌細胞株の腫瘍異種移植片を用いたこれらの研究において、トリプトライドプロドラッグは、5−FUおよびCPT−11と比較して、低用量で、予測されない効力を示した。
【0062】
(実施例)
ヒト腫瘍異種移植片研究。HT−29ヒト結腸癌細胞株を、ATCC(Manassas,Virginia)から購入した。細胞を、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを補充した、10%胎仔ウシ血清(FBS)を含む、GIBIOBRL(Grand Island,New York)製のDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で培養した。培養物が80〜90%のコンフルエンシーになった時に、腫瘍細胞を収集した。上清を廃棄し、そして細胞ペレットを、FBSを含まないDMEM培地中に、1×108細胞/mlに懸濁した。HT−29細胞(5×106)を、各マウスの背中に、皮内移植した。腫瘍サイズを、各腫瘍の長さ(L)、幅(W)および高さ(H)を測定し、腫瘍体積を計算することによって(体積=1/2×4/3π×(L/2)×(W/2)×H)、モニターした。
【0063】
腫瘍が適切なサイズに到達した時、マウスを、各実験の群において類似の平均腫瘍サイズ(約100mm3)を構成するように、グループ化し(5匹のマウス/群)、そして処置を、0日目に開始した。
【0064】
ヒト腫瘍細胞異種移植片を保持するマウスを、1週間当たり5日間、毎日、PG490−88をIPで処置した。化合物を、ナトリウム塩として投与した。CPT−11を、1週間当たり2回、IV投与した。5−FUを、1週間当たり5日間、毎日、IPで与えた。各治療剤のストック溶液を、投薬のために0.9% NaCl中に希釈した。これらの薬剤を、10gのマウス体重当たり100μlで、マウスに与えた。マウスに、2週間投薬し、そして0.9% NaClを、ビヒクルコントロールとして使用した。腫瘍体積をモニターし、そして化学療法処置の毒性を、毎日、マウスの体重を測定することによって、モニターした。結果は、上記に記載され、そして図5〜6に示される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1A〜Cは、構造Iの特定の実施形態の例を示す。
【図2】図2A〜Cは、構造IIの特定の実施形態の例を示す。
【図3】図3A〜Cは、構造IIIの特定の実施形態の例を示す。
【図4】図4A〜Cは、構造IVの特定の実施形態の例を示す。
【図5】図5は、マウス異種移植モデルにおけるHT−29ヒト結腸腫瘍の処置における、図1Aに示されるトリプトライドプロドラッグであるトリプトライド14−スクシネート(m=2、本明細書中でPG490−88と称される)の有効性を示す。図5において、上の棒は、0日目の腫瘍体積を示し、下の棒は、処置16日目での腫瘍体積を示す。パーセンテージは、16日目での体積における増加(または減少)パーセントを示す。
【図6】図6は、マウス異種移植モデルにおけるHT−29ヒト結腸腫瘍の処置における、図1Aに示されるトリプトライドプロドラッグであるトリプトライド14−スクシネート(m=2、本明細書中でPG490−88と称される)の有効性を示す。
Claims (16)
- 抗癌処置の方法であって、そのような処置を必要とする被験体に、薬学的に受容可能なビヒクルにおいて、有効量のトリプトライドプロドラッグまたはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を包含し、該トリプトライドプロドラッグは、以下から選択される構造を有する、方法:
X1は、OHまたはOR1であり、そしてX2およびX3は、独立して、OH、OR1またはHであり、但し、X1、X2およびX3の少なくとも1つは、OR1であり、そしてX2およびX3の少なくとも1つは、Hであり;そして
R1は、−C(O)−Y−Zであり、ここで、
Yは、分枝または非分枝のC1〜C6のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり;そして
Zは、COOR2、NR3R3'または+NR4R4'R4''であり、ここで、
R2は、カチオンであり;
R3およびR3'は、独立して、H、または分枝もしくは非分枝のC1〜C6のアルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはアルコキシアルキルであるか、あるいはR3およびR3'は、一緒になって、5員〜7員の複素環式環を形成し、該環の環原子は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択され、ここで、該環原子は、2〜6個の炭素原子、1個以上の窒素原子、および必要に応じて、1個以上の酸素原子または硫黄原子を含み、そして該環は、置換されていないか、またはR5、OR5、NR5R6、SR5、NO2、CN、C(O)R5、C(O)NR5R6、OC(O)R5、OC(O)NR5R6、およびハロゲンから選択される1個以上の基で置換されており、ここで、R5およびR6は、独立して、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルケニルであり;そして
R4、R4'およびR4''は、独立して、分枝もしくは非分枝のC1〜C6のアルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはアルコキシアルキルである;
(i)カルボン酸エステル、カルボネート、または無機エステルであって、炭素、硫黄、リン、窒素、およびホウ素から選択される中心原子を有し、そして形態−Y−Z'または−O−Y−Z'の少なくとも1つの基が該中心原子に結合されており、ここで、Yは、分枝または非分枝のC1〜C6のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり、そしてZ'は、水素、あるいはケト、アルデヒド、カルボキシレート、カルボン酸エステル、ヒドロキシ、アルコキシ、ポリエーテル、チオール、アルキルチオ、アミノ、シアノ、ニトロ、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、または5員〜7員の複素環から選択される極性基であり、該複素環は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される環原子、および3〜6個の炭素環原子を有する、カルボン酸エステル、カルボネート、または無機エステル、ならびに
(ii)アノマー中心でC14に結合された、モノサッカリド、ジサッカリドまたはトリサッカリド
から選択され、そして
OR9は、OHまたはO−(C=O)Rであり、ここで、Rは、低級アルキルである;
(i)−O−Y−Zまたは−O−(C=O)−Y−Zであって、ここで、Yは、分枝または非分枝のC1〜C6のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり、そしてZは、水素、あるいはケト、アルデヒド、カルボキシレート、カルボン酸エステル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ポリエーテル、チオール、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、無機エステル、または5員〜7員の複素環式環から選択される極性基であり、該複素環式環の環原子は、炭素、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択され、ここで、該環原子は、3〜6個の炭素を含む、−O−Y−Zまたは−O−(C=O)−Y−Z、ならびに
(ii)アノマー中心でC14に結合された、モノサッカリド、ジサッカリドまたはトリサッカリド
から選択され、そして
OR9は、O−(C=O)Rであり、ここで、Rは、低級アルキルである;および
R12は、アルキルスルホネート、フルオロアルキルスルホネート、アリールスルホネート、フルオロスルホネート、ニトレート、アルキルホスフェート、アルキルボレート、トリアルキルアンモニウム、およびジアルキルスルホニウムからなる群より選択される、脱離基である。 - 前記トリプトライドプロドラッグが、構造Iのトリプトライドプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
- X2=X3=Hである、請求項2に記載の方法。
- Yが、−CH2CH2−である、請求項2に記載の方法。
- Zが、COOHである、請求項4に記載の方法。
- Zが、COOR2であり、そしてR2が、金属イオンまたは有機アンモニウムイオンである、請求項4に記載の方法。
- 前記トリプトライドプロドラッグが、構造IIのトリプトライドプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
- R7が、群(i)から選択される、請求項7に記載の方法。
- 前記トリプトライドプロドラッグが、構造IIIのトリプトライドプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
- R7が、群(i)から選択される、請求項10に記載の方法。
- 前記トリプトライドプロドラッグが、構造IVのトリプトライドプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
- 請求項13に記載の方法であって、R12が、ニトレート、トシレート、p−メトキシベンゼンスルホネート、メシレート、フルオロスルホネート、トリフルオロメチルスルホネート、−OP(O)(OR10)2、および−OB(OR10)2から選択され、ここで、R10が、水素または低級アルキルである、方法。
- 前記処置が、結腸癌、乳癌、肺癌または前立腺癌の処置である、請求項1に記載の方法。
- 前記処置が、結腸癌の処置である、請求項15に記載の方法。
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