JP2004363147A - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リッジ部への実装応力の集中を防止する信頼性の高い実装を可能にし、なおかつ放熱性に優れた半導体レーザ素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも3箇所以上のリッジ構造117・118と、このリッジ構造117A・118Bの上部に1つ以上の電極層115とを有し、リッジ構造のうち1つのリッジ構造117Aが電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、電極層115の膜厚がリッジ構造117・118の間隔の半分の値、またはそれ以上であることを特徴とする半導体レーザ素子。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも3箇所以上のリッジ構造117・118と、このリッジ構造117A・118Bの上部に1つ以上の電極層115とを有し、リッジ構造のうち1つのリッジ構造117Aが電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、電極層115の膜厚がリッジ構造117・118の間隔の半分の値、またはそれ以上であることを特徴とする半導体レーザ素子。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SiO2あるいはSi3N4等の誘電体膜を用いて電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザは、レーザチップの製造コストを低減できるという利点から、光ディスクシステム用の光源として広く注目されている。一般に、高出力レーザ等の高い動作電流を必要とするレーザ素子は、サブマウントの主面上にジャンクションダウンにより実装される。
【0003】
例えば非特許文献1に、絶縁膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ構造が記載されている。しかしながら、非特許文献1に記載のリッジ導波型半導体レーザはリッジ部が剥き出しになっているため、ジャンクションダウンでの実装はリッジ部に過度の応力集中が起きる。過度の応力集中は素子特性の劣化、特に信頼性の著しい低下をもたらす要因となる。従って、リッジ導波型半導体レーザにおいて、実装時の応力緩和による素子劣化防止は極めて重要な課題であった。またジャンクションダウンによる実装ではレーザ素子の傾きが発生しやすいため、実装の安定性も問題であった。
【0004】
これら課題に対して、非特許文献2に、前記リッジ部の左右にp型電極と絶縁されたリッジ(突起部)を形成することで実装時の応力を低減するリッジ導波型半導体レーザ構造が開示されている。
【0005】
また、特許文献1に、前記リッジ部の周囲にp型電極と絶縁された突起部を形成することで信頼性の高い実装ができるリッジ導波型半導体レーザ構造が開示されている。
【0006】
また、特許文献2に、埋め込み再成長を行うことでリッジ部への応力集中を防止するとともに、素子表面の平坦性を高めることで素子の放熱性を良好にする素子製造方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−12970号公報
【特許文献2】
特開2002−94169号公報
【非特許文献1】
J. Hashimoto et. al., IEEE J. Quantum Electron, vol. 33, pp.66−70 (1997)
【非特許文献2】
宮下ほか, 2000年春季応用物理学関係連合講演会 (No.29a−N−7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非特許文献2、および特許文献1で開示されているレーザ構造では、リッジ構造の上部に形成するp型電極表面の平坦性が大きく低下する。電極表面の平坦性が低いレーザ素子をジャンクションダウンで実装した場合、レーザ素子とサブマウントとの接触面積が狭くなるため、素子の放熱性が著しく低下する可能性があった。放熱性の低下は、特に素子の信頼性、および高温での素子特性に重大な影響を与える可能性がある。
【0009】
また特許文献2で開示されているレーザ構造は、複数回の結晶成長を必要とする。このため、誘電体膜で電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザの有する利点の1つである低コスト性を充分に引き出せない。
【0010】
本発明は、前記従来の問題を解決し、誘電体膜を用いて電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザにおいて、リッジ部への実装応力の集中を防止する信頼性の高い実装を可能にし、なおかつ放熱性に優れた半導体レーザ素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造と、前記リッジ構造の上部に1つ以上の電極層とを有し、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造が電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、前記電極の膜厚が前記リッジ間隔の半分の値、またはそれ以上であることを特徴とする半導体レーザ素子である。
【0012】
本発明は、複数のリッジ構造が形成されたリッジ導波型半導体レーザをジャンクションダウンで実装する際の課題である放熱性の低下防止に対して、前記電極膜厚を前記リッジ間隔で規定することにより解決する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造と、前記リッジ構造の上部に1つ以上の電極層とを有し、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造が電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、前記電流狭窄構造であるリッジ構造とそれ以外の前記リッジ構造間の凹部がSOGにより平坦化されていることを特徴とする半導体レーザ素子である。
【0014】
本発明は、前記の課題に対して、複数のリッジ形成よって発生する素子表面の凹凸をSOGからなる誘電体層で平坦化して前記電極の表面形状を制御することにより解決する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造を形成する工程と、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造を電流狭窄構造とする工程と、前記リッジ構造の上部に前記リッジ間隔の半分の値、またはそれ以上である1つ以上の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造を形成する工程と、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造を電流狭窄構造とする工程と、前記電流狭窄構造であるリッジ構造とそれ以外の前記リッジ構造間の凹部を有機性塗布ガラス材料(Spin−On−Glass, (SOG))により平坦化する工程とを有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、本発明の半導体レーザ素子およびその製造方法を、窒化ガリウム系半導体材料からなるリッジ導波型半導体レーザ素子およびその製造方法に適用したものである。
【0019】
図1は本発明の第1の実施形態の半導体レーザ素子の共振器に垂直な方向の断面構造を示す。図2は、本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に平行な平面図である。
【0020】
図1に示した半導体レーザ素子は、n−GaN基板101上にn−AlGaNクラッド層102、n−GaN光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、undoped−GaN中間層105、p−AlGaNクラッド層106、p−GaNコンタクト層107、pメタル層108、絶縁層109、p電極115、およびn電極116を有する。絶縁膜109はリッジ部A 117の両側面、リッジ部B 118の上面および側面を被覆している。リッジ部A 117およびリッジ部B 118の上面および側面にはp電極が形成され、n−GaN基板101の裏面にはn電極116が形成されている。リッジ部B 118は上面および側面のすべてが絶縁膜で被覆されているため、p電極115はリッジ部A 117の上面でのみpメタル層108と接する。したがって、リッジ部A 115のみが電流狭窄構造として機能し、レーザ発振に寄与する。
【0021】
なお、図1および図2においては、1本のリッジ部A 117が、一対のリッジ部B 118に挟まれているが。リッジ部B 118は3本以上存在していてもよい。但し、3本以上の場合であっても、そのうちのいずれか2本のリッジ部B 118が1本のリッジ部117Aを挟んでいることが必要である。
【0022】
また、リッジ部A 117およびリッジ部B118とp−AlGaNクラッド層106との関連性について説明すると、リッジ部A 117とリッジ部B118との間の凹部の底面は、図1に示すように、p−AlGaNクラッド層106の層内部にあることが好ましい。この凹部の底面はp−GaNコンタクト層107に位置していてはならない。また、この凹部の底面は活性層104に位置していてはならない。但し、この凹部の底面はp−GaN光ガイド層105に位置していても良い。
【0023】
上記レーザ素子の製造方法は以下の通りである。有機金属化学気相成長法(MOCVD法)で窒化ガリウム基板101上にn−GaN基板101上にn−AlGaNクラッド層102、n−GaN光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、p−GaN光ガイド層105、p−AlGaNクラッド層106、およびp−GaNコンタクト層107を連続成長する。ドライエッチングによりリッジ部A 117、リッジ部B 118を形成した後、リッジ部A 117の上面が開口となるように素子上面部を絶縁膜109で被覆し、pメタル層、p電極、n電極を順次形成する。
【0024】
リッジ部A 117、およびリッジ部B 118は一定の間隔で形成する。本実施形態1ではリッジ部A 117とリッジ部B 118の間隔は10μmとした。素子の共振器長、チップ幅、および厚みはそれぞれ600μm、400μm、および100μmであり、また、リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部の深さは0.75μmである。p電極115、n電極116の最表面はAuめっき層で形成される。金めっきは、例えば、めっき浴温65℃,成膜レート0.1μm/minの条件下で行ない、めっき層厚はめっき時間で制御する。
【0025】
図1はp電極115の最表面のAuめっき層の厚みが3μmであるレーザ素子の典型的な構成断面である。レーザ素子に複数のリッジ構造が形成されているために、p電極115表面はリッジ部A 117、およびリッジ部B 118の凹凸を反映した形状となる。
【0026】
図3は、p電極115の最表面のAuめっき層の厚みが10μmであるレーザ素子の典型的な構成断面を示す。図1に示したAuメッキ層厚3μmであるレーザ素子と異なり、複数のリッジ部を形成しているにも係らず、表面が平坦なp電極115が形成されている。このように金めっき層の膜厚をリッジ部A 117とリッジ部B 118の距離(10μm)と同程度とすることで、p電極115の表面の平坦性を向上させることができる。
【0027】
ジャンクションダウン方式での実装においては、p電極115の表面の平坦性が高いほどサブマウントとの密着性は向上する。したがって、図3に示した電極表面が平坦化されたレーザ素子は、図1に示したレーザ素子よりもサブマウントとの密着性が高く、放熱性に優れる。これにより、リッジ部A 117への応力集中防止と、放熱性の向上とが両立される。
【0028】
以下の表1にp電極115のAuめっき層の膜厚(すなわち、p電極115の厚み)とこのp電極115の表面の凹凸の関係を示す。Auめっき厚(すなわち、p電極115の厚み)をリッジ部A 117とリッジ部B 118の間隔と同等、もしくはそれ以上とすることで、p電極115の表面の凹凸を0.1μm以下とすることができる。
【0029】
【表1】
Auめっき層(すなわち、p電極115)の膜厚が3μmと5μmの素子で寿命試験を実施したところ、Auめっき厚(すなわち、p電極115の厚み)が10μmの素子の寿命時間は、Auめっき厚(すなわち、p電極115の厚み)が3μmの素子と比べて、約20倍程度伸びることを確認した。
【0030】
Auめっき層(すなわち、p電極115)を厚膜化する工程において、リッジ部B 118は極めて重要な役割を果たす。Auめっき層(すなわち、p電極115)の形成は、素子をめっき浴内に配置し、素子が陽極となる電圧を印加することで行う。電圧の印加により発生する電界は、リッジ構造のような突起部分に集中する性質を有し、電界の集中する領域ではめっき層の形成が促進される。
【0031】
したがって、リッジ構造を有する導波型半導体レーザ構造の電極表面にAuめっき層を形成において、電界はリッジ部に集中するため、リッジ部周囲のAuめっき層の膜厚はリッジ部から離れた平坦部分と比べてより厚くなる。すなわち、リッジ部B 118がないリッジ導波型半導体レーザで単純にAuめっき層の膜厚を増加しても、リッジ部A 117の周囲でより金メッキ層の膜厚が厚くなるために、電極(すなわち、Auメッキ層)の表面を均一に平坦化することは容易ではない。
【0032】
これに対して、リッジ部A 117の周囲にリッジ部B 118が形成されている場合、リッジ部B 118の存在によりリッジ部A 117への電界集中が緩和され、リッジ部A 117付近の金めっき層の平坦性低下が抑制される。すなわち本発明が提案する課題解決方法は、複数のリッジ部が形成されたリッジ導波型半導体レーザにおいて極めて有効な手法である。
【0033】
なお、図3に示したレーザ素子の構造が図4に示した構造のように変形されても、Auメッキ層の厚膜化は実施の形態1と同様の効果を与える。この場合、p電極115の平坦部分は図3に示した素子の場合と比べて狭くなるが、レーザ駆動時に急激な温度上昇が起こるリッジ部A 117近傍のp電極115の表面は平坦性が保たれるため、ジャンクションダウンでの実装で優れた放熱性が保たれる。
【0034】
(第2の実施形態)
本実施形態2は、本発明の半導体レーザ素子およびその製造方法を、窒化ガリウム系半導体材料からなるリッジ導波型半導体レーザ素子およびその製造方法に適用したものである。
【0035】
図5は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の共振器に垂直な方向の断面構造を示している。図5に示す半導体レーザ素子はn−GaN基板101上にn−AlGaNクラッド層102、n−GaN光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、undoped−GaN中間層105、p−AlGaNクラッド層106、p−GaNコンタクト層107、pメタル層108、絶縁層109、p電極115、およびn電極116を有する。絶縁膜109はリッジ部A 117の両側面、リッジ部B 118の上面および側面を被覆している。リッジ部A 115、およびリッジ部B 116が一定の間隔で形成されている。リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部は有機性塗布ガラス材料(SOG)からなる誘電体層110で埋め込まれ、リッジ部A 117およびリッジ部B 118間は平坦化されている。リッジ部A 117、リッジ部B 118、および誘電体層109の上面にはp電極が形成され、n−GaN基板101の裏面にはn電極110が形成されている。リッジ部B 118は上面および側面のすべてが絶縁膜108で被覆されているため、p電極115はリッジ部A 117の上面でのみpメタル層108と接する。したがって、リッジ部A 117のみが電流狭窄構造として機能し、レーザ発振に寄与する。
【0036】
上記レーザ素子の製造方法は実施形態1で示したレーザ素子の製造方法において、リッジ部A 117の上面開口部にpメタル層108を形成した後、リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部にのみSOGを塗布する。SOGは焼成、あるいは電子線や紫外線の照射により硬化する。このようにしてリッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部に誘電体層110を形成することにより凹部の平坦化工程を経た後、p電極、n電極を順次形成する。
【0037】
本実施形態2ではリッジ部A 117とリッジ部B 118の間隔は10μmとした。素子の共振器長、チップ幅、および厚みはそれぞれ600μm、400μm、および厚み100μmであり、また、リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部の深さは0.75μmである。p電極115、およびn電極116の最表面はAuめっき層で形成される。本実施形態2ではAuめっき層厚を3μmとした。
【0038】
図5に示す半導体レーザ素子は、図1に示したリッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部が埋め込まれていないレーザ素子と比べて、リッジ間に挟まれた凹部が埋め込まれた効果によりp電極115の表面の平坦性が向上している。本発明の実施形態1と同様、p電極115の表面の平坦性向上は、サブマウントとの密着性および放熱性の向上を実現する。これにより、リッジ部A 117への応力集中防止と放熱性の向上とが両立される。
【0039】
SOGからなる誘電体層による埋め込みは、電流狭窄構造であるリッジ部A 117、あるいはInGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104への過剰な応力が働くことを抑制する点で有利である。これはSOGからなる誘電体層の熱膨張係数は電流狭窄に用いている絶縁層の熱膨張係数に近いことによる。リッジ部周辺への過度の応力集中は素子の基本特性、および信頼性を極端に低下させることが知られている。
【0040】
また、本実施形態によれば、煩雑な結晶成長をすることなくリッジ部A 117およびリッジ部B 118に挟まれた凹部を埋め込むことが可能であり、誘電体膜で電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザの有する利点の1つである低コスト性を充分に引き出すことができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明は、誘電体膜による電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザにおいて、リッジ部への実装応力の集中を防止する信頼性の高い実装を可能にし、なおかつ電極表面を平坦化することによって放熱性に優れた半導体素子およびその製造方法を提供することが実現できる。
【0042】
これにより、実装による応力集中の防止と放熱性の向上とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【図2】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に平行な平面図
【図3】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【図4】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【図5】本発明の第2の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【符号の説明】
101 n−GaN基板
102 n−AlGaNクラッド層
103 n−GaN光ガイド層
104 InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層
105 undoped−GaN中間層
106 p−AlGaNクラッド層
107 p−GaNコンタクト層
108 pメタル層
109 SOGからなる誘電体層
115 p電極
116 n電極
117 リッジ部A
118 リッジ部B
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SiO2あるいはSi3N4等の誘電体膜を用いて電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザは、レーザチップの製造コストを低減できるという利点から、光ディスクシステム用の光源として広く注目されている。一般に、高出力レーザ等の高い動作電流を必要とするレーザ素子は、サブマウントの主面上にジャンクションダウンにより実装される。
【0003】
例えば非特許文献1に、絶縁膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ構造が記載されている。しかしながら、非特許文献1に記載のリッジ導波型半導体レーザはリッジ部が剥き出しになっているため、ジャンクションダウンでの実装はリッジ部に過度の応力集中が起きる。過度の応力集中は素子特性の劣化、特に信頼性の著しい低下をもたらす要因となる。従って、リッジ導波型半導体レーザにおいて、実装時の応力緩和による素子劣化防止は極めて重要な課題であった。またジャンクションダウンによる実装ではレーザ素子の傾きが発生しやすいため、実装の安定性も問題であった。
【0004】
これら課題に対して、非特許文献2に、前記リッジ部の左右にp型電極と絶縁されたリッジ(突起部)を形成することで実装時の応力を低減するリッジ導波型半導体レーザ構造が開示されている。
【0005】
また、特許文献1に、前記リッジ部の周囲にp型電極と絶縁された突起部を形成することで信頼性の高い実装ができるリッジ導波型半導体レーザ構造が開示されている。
【0006】
また、特許文献2に、埋め込み再成長を行うことでリッジ部への応力集中を防止するとともに、素子表面の平坦性を高めることで素子の放熱性を良好にする素子製造方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−12970号公報
【特許文献2】
特開2002−94169号公報
【非特許文献1】
J. Hashimoto et. al., IEEE J. Quantum Electron, vol. 33, pp.66−70 (1997)
【非特許文献2】
宮下ほか, 2000年春季応用物理学関係連合講演会 (No.29a−N−7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非特許文献2、および特許文献1で開示されているレーザ構造では、リッジ構造の上部に形成するp型電極表面の平坦性が大きく低下する。電極表面の平坦性が低いレーザ素子をジャンクションダウンで実装した場合、レーザ素子とサブマウントとの接触面積が狭くなるため、素子の放熱性が著しく低下する可能性があった。放熱性の低下は、特に素子の信頼性、および高温での素子特性に重大な影響を与える可能性がある。
【0009】
また特許文献2で開示されているレーザ構造は、複数回の結晶成長を必要とする。このため、誘電体膜で電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザの有する利点の1つである低コスト性を充分に引き出せない。
【0010】
本発明は、前記従来の問題を解決し、誘電体膜を用いて電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザにおいて、リッジ部への実装応力の集中を防止する信頼性の高い実装を可能にし、なおかつ放熱性に優れた半導体レーザ素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造と、前記リッジ構造の上部に1つ以上の電極層とを有し、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造が電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、前記電極の膜厚が前記リッジ間隔の半分の値、またはそれ以上であることを特徴とする半導体レーザ素子である。
【0012】
本発明は、複数のリッジ構造が形成されたリッジ導波型半導体レーザをジャンクションダウンで実装する際の課題である放熱性の低下防止に対して、前記電極膜厚を前記リッジ間隔で規定することにより解決する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造と、前記リッジ構造の上部に1つ以上の電極層とを有し、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造が電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、前記電流狭窄構造であるリッジ構造とそれ以外の前記リッジ構造間の凹部がSOGにより平坦化されていることを特徴とする半導体レーザ素子である。
【0014】
本発明は、前記の課題に対して、複数のリッジ形成よって発生する素子表面の凹凸をSOGからなる誘電体層で平坦化して前記電極の表面形状を制御することにより解決する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造を形成する工程と、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造を電流狭窄構造とする工程と、前記リッジ構造の上部に前記リッジ間隔の半分の値、またはそれ以上である1つ以上の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、少なくとも3箇所以上のリッジ構造を形成する工程と、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造を電流狭窄構造とする工程と、前記電流狭窄構造であるリッジ構造とそれ以外の前記リッジ構造間の凹部を有機性塗布ガラス材料(Spin−On−Glass, (SOG))により平坦化する工程とを有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、本発明の半導体レーザ素子およびその製造方法を、窒化ガリウム系半導体材料からなるリッジ導波型半導体レーザ素子およびその製造方法に適用したものである。
【0019】
図1は本発明の第1の実施形態の半導体レーザ素子の共振器に垂直な方向の断面構造を示す。図2は、本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に平行な平面図である。
【0020】
図1に示した半導体レーザ素子は、n−GaN基板101上にn−AlGaNクラッド層102、n−GaN光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、undoped−GaN中間層105、p−AlGaNクラッド層106、p−GaNコンタクト層107、pメタル層108、絶縁層109、p電極115、およびn電極116を有する。絶縁膜109はリッジ部A 117の両側面、リッジ部B 118の上面および側面を被覆している。リッジ部A 117およびリッジ部B 118の上面および側面にはp電極が形成され、n−GaN基板101の裏面にはn電極116が形成されている。リッジ部B 118は上面および側面のすべてが絶縁膜で被覆されているため、p電極115はリッジ部A 117の上面でのみpメタル層108と接する。したがって、リッジ部A 115のみが電流狭窄構造として機能し、レーザ発振に寄与する。
【0021】
なお、図1および図2においては、1本のリッジ部A 117が、一対のリッジ部B 118に挟まれているが。リッジ部B 118は3本以上存在していてもよい。但し、3本以上の場合であっても、そのうちのいずれか2本のリッジ部B 118が1本のリッジ部117Aを挟んでいることが必要である。
【0022】
また、リッジ部A 117およびリッジ部B118とp−AlGaNクラッド層106との関連性について説明すると、リッジ部A 117とリッジ部B118との間の凹部の底面は、図1に示すように、p−AlGaNクラッド層106の層内部にあることが好ましい。この凹部の底面はp−GaNコンタクト層107に位置していてはならない。また、この凹部の底面は活性層104に位置していてはならない。但し、この凹部の底面はp−GaN光ガイド層105に位置していても良い。
【0023】
上記レーザ素子の製造方法は以下の通りである。有機金属化学気相成長法(MOCVD法)で窒化ガリウム基板101上にn−GaN基板101上にn−AlGaNクラッド層102、n−GaN光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、p−GaN光ガイド層105、p−AlGaNクラッド層106、およびp−GaNコンタクト層107を連続成長する。ドライエッチングによりリッジ部A 117、リッジ部B 118を形成した後、リッジ部A 117の上面が開口となるように素子上面部を絶縁膜109で被覆し、pメタル層、p電極、n電極を順次形成する。
【0024】
リッジ部A 117、およびリッジ部B 118は一定の間隔で形成する。本実施形態1ではリッジ部A 117とリッジ部B 118の間隔は10μmとした。素子の共振器長、チップ幅、および厚みはそれぞれ600μm、400μm、および100μmであり、また、リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部の深さは0.75μmである。p電極115、n電極116の最表面はAuめっき層で形成される。金めっきは、例えば、めっき浴温65℃,成膜レート0.1μm/minの条件下で行ない、めっき層厚はめっき時間で制御する。
【0025】
図1はp電極115の最表面のAuめっき層の厚みが3μmであるレーザ素子の典型的な構成断面である。レーザ素子に複数のリッジ構造が形成されているために、p電極115表面はリッジ部A 117、およびリッジ部B 118の凹凸を反映した形状となる。
【0026】
図3は、p電極115の最表面のAuめっき層の厚みが10μmであるレーザ素子の典型的な構成断面を示す。図1に示したAuメッキ層厚3μmであるレーザ素子と異なり、複数のリッジ部を形成しているにも係らず、表面が平坦なp電極115が形成されている。このように金めっき層の膜厚をリッジ部A 117とリッジ部B 118の距離(10μm)と同程度とすることで、p電極115の表面の平坦性を向上させることができる。
【0027】
ジャンクションダウン方式での実装においては、p電極115の表面の平坦性が高いほどサブマウントとの密着性は向上する。したがって、図3に示した電極表面が平坦化されたレーザ素子は、図1に示したレーザ素子よりもサブマウントとの密着性が高く、放熱性に優れる。これにより、リッジ部A 117への応力集中防止と、放熱性の向上とが両立される。
【0028】
以下の表1にp電極115のAuめっき層の膜厚(すなわち、p電極115の厚み)とこのp電極115の表面の凹凸の関係を示す。Auめっき厚(すなわち、p電極115の厚み)をリッジ部A 117とリッジ部B 118の間隔と同等、もしくはそれ以上とすることで、p電極115の表面の凹凸を0.1μm以下とすることができる。
【0029】
【表1】
Auめっき層(すなわち、p電極115)の膜厚が3μmと5μmの素子で寿命試験を実施したところ、Auめっき厚(すなわち、p電極115の厚み)が10μmの素子の寿命時間は、Auめっき厚(すなわち、p電極115の厚み)が3μmの素子と比べて、約20倍程度伸びることを確認した。
【0030】
Auめっき層(すなわち、p電極115)を厚膜化する工程において、リッジ部B 118は極めて重要な役割を果たす。Auめっき層(すなわち、p電極115)の形成は、素子をめっき浴内に配置し、素子が陽極となる電圧を印加することで行う。電圧の印加により発生する電界は、リッジ構造のような突起部分に集中する性質を有し、電界の集中する領域ではめっき層の形成が促進される。
【0031】
したがって、リッジ構造を有する導波型半導体レーザ構造の電極表面にAuめっき層を形成において、電界はリッジ部に集中するため、リッジ部周囲のAuめっき層の膜厚はリッジ部から離れた平坦部分と比べてより厚くなる。すなわち、リッジ部B 118がないリッジ導波型半導体レーザで単純にAuめっき層の膜厚を増加しても、リッジ部A 117の周囲でより金メッキ層の膜厚が厚くなるために、電極(すなわち、Auメッキ層)の表面を均一に平坦化することは容易ではない。
【0032】
これに対して、リッジ部A 117の周囲にリッジ部B 118が形成されている場合、リッジ部B 118の存在によりリッジ部A 117への電界集中が緩和され、リッジ部A 117付近の金めっき層の平坦性低下が抑制される。すなわち本発明が提案する課題解決方法は、複数のリッジ部が形成されたリッジ導波型半導体レーザにおいて極めて有効な手法である。
【0033】
なお、図3に示したレーザ素子の構造が図4に示した構造のように変形されても、Auメッキ層の厚膜化は実施の形態1と同様の効果を与える。この場合、p電極115の平坦部分は図3に示した素子の場合と比べて狭くなるが、レーザ駆動時に急激な温度上昇が起こるリッジ部A 117近傍のp電極115の表面は平坦性が保たれるため、ジャンクションダウンでの実装で優れた放熱性が保たれる。
【0034】
(第2の実施形態)
本実施形態2は、本発明の半導体レーザ素子およびその製造方法を、窒化ガリウム系半導体材料からなるリッジ導波型半導体レーザ素子およびその製造方法に適用したものである。
【0035】
図5は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の共振器に垂直な方向の断面構造を示している。図5に示す半導体レーザ素子はn−GaN基板101上にn−AlGaNクラッド層102、n−GaN光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、undoped−GaN中間層105、p−AlGaNクラッド層106、p−GaNコンタクト層107、pメタル層108、絶縁層109、p電極115、およびn電極116を有する。絶縁膜109はリッジ部A 117の両側面、リッジ部B 118の上面および側面を被覆している。リッジ部A 115、およびリッジ部B 116が一定の間隔で形成されている。リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部は有機性塗布ガラス材料(SOG)からなる誘電体層110で埋め込まれ、リッジ部A 117およびリッジ部B 118間は平坦化されている。リッジ部A 117、リッジ部B 118、および誘電体層109の上面にはp電極が形成され、n−GaN基板101の裏面にはn電極110が形成されている。リッジ部B 118は上面および側面のすべてが絶縁膜108で被覆されているため、p電極115はリッジ部A 117の上面でのみpメタル層108と接する。したがって、リッジ部A 117のみが電流狭窄構造として機能し、レーザ発振に寄与する。
【0036】
上記レーザ素子の製造方法は実施形態1で示したレーザ素子の製造方法において、リッジ部A 117の上面開口部にpメタル層108を形成した後、リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部にのみSOGを塗布する。SOGは焼成、あるいは電子線や紫外線の照射により硬化する。このようにしてリッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部に誘電体層110を形成することにより凹部の平坦化工程を経た後、p電極、n電極を順次形成する。
【0037】
本実施形態2ではリッジ部A 117とリッジ部B 118の間隔は10μmとした。素子の共振器長、チップ幅、および厚みはそれぞれ600μm、400μm、および厚み100μmであり、また、リッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部の深さは0.75μmである。p電極115、およびn電極116の最表面はAuめっき層で形成される。本実施形態2ではAuめっき層厚を3μmとした。
【0038】
図5に示す半導体レーザ素子は、図1に示したリッジ部A 117とリッジ部B 118に挟まれた凹部が埋め込まれていないレーザ素子と比べて、リッジ間に挟まれた凹部が埋め込まれた効果によりp電極115の表面の平坦性が向上している。本発明の実施形態1と同様、p電極115の表面の平坦性向上は、サブマウントとの密着性および放熱性の向上を実現する。これにより、リッジ部A 117への応力集中防止と放熱性の向上とが両立される。
【0039】
SOGからなる誘電体層による埋め込みは、電流狭窄構造であるリッジ部A 117、あるいはInGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104への過剰な応力が働くことを抑制する点で有利である。これはSOGからなる誘電体層の熱膨張係数は電流狭窄に用いている絶縁層の熱膨張係数に近いことによる。リッジ部周辺への過度の応力集中は素子の基本特性、および信頼性を極端に低下させることが知られている。
【0040】
また、本実施形態によれば、煩雑な結晶成長をすることなくリッジ部A 117およびリッジ部B 118に挟まれた凹部を埋め込むことが可能であり、誘電体膜で電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザの有する利点の1つである低コスト性を充分に引き出すことができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明は、誘電体膜による電流狭窄構造を形成するリッジ導波型半導体レーザにおいて、リッジ部への実装応力の集中を防止する信頼性の高い実装を可能にし、なおかつ電極表面を平坦化することによって放熱性に優れた半導体素子およびその製造方法を提供することが実現できる。
【0042】
これにより、実装による応力集中の防止と放熱性の向上とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【図2】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に平行な平面図
【図3】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【図4】本発明の第1の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【図5】本発明の第2の実施形態による誘電体膜により電流狭窄されたリッジ導波型半導体レーザ装置の共振器方向に垂直な断面図
【符号の説明】
101 n−GaN基板
102 n−AlGaNクラッド層
103 n−GaN光ガイド層
104 InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層
105 undoped−GaN中間層
106 p−AlGaNクラッド層
107 p−GaNコンタクト層
108 pメタル層
109 SOGからなる誘電体層
115 p電極
116 n電極
117 リッジ部A
118 リッジ部B
Claims (4)
- 少なくとも3箇所以上のリッジ構造と、前記リッジ構造の上部に1つ以上の電極層とを有し、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造が電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、前記電極層の厚みが前記リッジ間隔の半分の値、またはそれ以上であることを特徴とする半導体レーザ素子。
- 少なくとも3箇所以上のリッジ構造と、前記リッジ構造の上部に1つ以上の電極層とを有し、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造が電流狭窄構造としてレーザ発振に寄与し、前記電流狭窄構造であるリッジ構造とそれ以外の前記リッジ構造間の凹部が有機性塗布ガラス材料(Spin−On−Glass, (SOG))により平坦化されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
- 少なくとも3箇所以上のリッジ構造を形成する工程と、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造を電流狭窄構造とする工程と、前記リッジ構造の上部に前記リッジ間隔の半分の値、またはそれ以上である1つ以上の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
- 少なくとも3箇所以上のリッジ構造を形成する工程と、前記リッジ構造のうち1つのリッジ構造を電流狭窄構造とする工程と、前記電流狭窄構造であるリッジ構造とそれ以外の前記リッジ構造の間の凹部をSOGにより平坦化する工程とを有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
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