以下に、この発明の実施形態をディジタル複写機を例にあげて説明する。なお、この発明は、ディジタル複写機に限らず、多数の機能を備えた情報処理装置に一般的に実施することができる。
図1は、この発明の実施形態に係るディジタル複写機の構成を示す図である。この発明の実施形態に係るディジタル複写機30は、原稿画像についての複写モード、パーソナルコンピュータ等の外部装置において作成された画像データについてのプリンタモード、及び、公衆電話回線網を介して送信されたファクシミリ画像についてのファクスモード等の各モードによる画像形成処理を実行する。
ディジタル複写機30は、スキャナ部31とレーザ記録部32とに大別される。スキャナ部31は、透明ガラス体の原稿台35、原稿台35の上面に原稿を給送する自動両面原稿送り装置(RADF)36、原稿台35の上面に載置された原稿の画像を読み取るスキャナユニット40によって構成されている。スキャナ部31において読み取られた原稿の画像データは、レーザ記録部32に出力される。
RADF36は、図外の原稿トレイから原稿台35を経由して図外の排出トレイに至る片面原稿給送路、スキャナユニット40による片面の画像の読取が完了した原稿の表裏面を反転して再度原稿台35に導く両面原稿給送路、オペレータの選択に応じて片面原稿給送路又は両面原稿給送路のいずれかを有効にする給送路切換手段、各給送路中において原稿に給送力を与える給送ローラ及び給送ベルト、並びに、給送路中における原稿の給送状態を検出するセンサ等を備えている。
スキャナユニット40は、ランプリフレクタアセンブリ41、ミラー42a〜42c、レンズ43及び光電変換素子44を備えている。ランプリフレクタアセンブリ41はミラー42とともに第1ミラーベース40aに搭載されており、ミラー42b及び42cは第2ミラーベース40bに搭載されている。第1ミラーベース40aは、原稿台35の下面を所定速度で移動し、原稿台35に載置された原稿の画像面の全面をランプリフレクタアセンブリ41から照射される光によって走査する。第2ミラーベース40bは、原稿台35の下面を第1ミラーベース40aの移動速度の1/2の速度で移動し、原稿の画像面における反射光を光路長を変化させることなくレンズ43に配光する。レンズ43は、原稿の画像面における反射光を光電変換素子44の受光面に結像させる。光電変換素子44は、原稿の画像面における反射光を電気信号に変換し、後述する画像処理部に出力する。
レーザ記録部32は、記録用紙を搬送する用紙搬送部50、レーザ書込ユニット46及び電子写真プロセス部47を備えている。用紙搬送部50は、手差しトレイ54及び給紙カセット51,52から電子写真プロセス部47を経由して複写機30の排紙側の側面に装着された後処理装置34に至る用紙搬送路を構成する給紙ローラ、搬送ローラ、搬送ベルト及び排紙ローラを備えている。また、用紙搬送部50は、記録用紙の両面に画像を形成する両面複写モード時、又は、記録用紙の片面に複数の原稿の画像を形成する多重複写モード時に、定着ローラ49を通過した記録用紙を表裏面を反転して、又は、表裏面を反転せずに中間トレイ53を経由して再度電子写真プロセス部47に導く副搬送路を備えている。
レーザ書込ユニット46は、画像処理部から供給される画像データに基づいてレーザ光を照射する半導体レーザ、半導体レーザから照射された光を電子写真プロセス部47の感光体ドラム48の表面に主走査方向に配光するポリゴンミラー、及び、ポリゴンミラーにおいて配光されたレーザ光を等角速度偏光するf−θレンズを備えている。この構成により、レーザ書込ユニット46は、画像処理部において画像処理を施された画像データに基づく画像光を感光体ドラム48の表面に配光する。
電子写真プロセス部47は、回転自在に支持された感光体ドラム48の周囲に、帯電チャージャ、現像装置、転写チャージャ、剥離チャージャ、クリーナ及び除電器等を配置して構成されている。感光体ドラム48の表面は、レーザ書込ユニット46による画像光の配光に先立って、帯電チャージャにより単一極性の電荷が均一に付与されており、画像光が配光されると光導電作用により静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像装置からトナーが供給され、トナー画像に顕像化される。
用紙搬送部50は、感光体ドラム48の回転に同期して記録用紙を感光体ドラム48と転写チャージャとの間に導き、転写チャージャのコロナ放電により感光体ドラム48の表面に担持されたトナー画像が記録用紙の表面に転写される。トナー画像が転写された記録用紙は、剥離チャージャのコロナ放電により感光体ドラム48の表面から剥離された後に定着ローラ49に導かれ、加熱及び加圧を受け、トナー画像が溶融して記録用紙の表面に定着する。トナー画像を記録用紙に転写した感光体ドラム48の表面は、クリーナによる残留トナーの除去、及び、除電器による残留電荷の除去を受けた後、再度帯電チャージャによる電荷の付与を受け、電子写真プロセスに繰り返し使用される。
図2は、上記複写機の制御部の構成を示すブロック図である。複写機30の制御部は、メイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401により、ユニット毎に配置されたボードに搭載されたCPUを介して各ユニットを構成する機器を統括して制御する。即ち、複写機30の制御部は、複写機30の上面に設けられた操作パネルを管理するオペレーションパネルボード100、複写機30内の各機器を管理するマシンコントロールボード200、光電変換素子44を周辺部品とともに搭載したCCDボード300、画像データに対して基本的な各種の画像処理を施すCPU41を周辺部品とともに搭載したメイン画像処理ボード400、メイン画像処理ボード400における画像処理後の画像データに対して種々の画像処理を選択的に施すサブ画像処理ボード500、並びに、複写機30のプリンタ機能やファクシミリ機能等の拡張機能に対応したプリンタボード601、機能拡張ボード602及びファクシミリボード603等の拡張ボード群600によって構成されている。
オペレーションパネルボード100は、メイン画像処理ボード400のCPU401をマスタCPUとするスレーブCPUであるCPU101をメモリ102とともに搭載している。CPU101は、操作パネル103に配置された液晶表示装置(以下、表示装置と言う。)6に供給する表示データ、及び、操作キー105の操作データを管理し、CPU101に入出力されるデータをメモリ102に一時格納する。CPU101はCPU401との間でデータの通信を行い、操作キー105の操作によるオペレータの動作指示の内容を表すデータをCPU401に送信するとともに、CPU401から送信されるデータに基づいて表示装置6に複写機30の動作状態に応じた表示を行う。
マシンコントロールボード200は、メイン画像処理ボード400のCPU401をマスタCPUとするスレーブCPUであるCPU201をメモリ202とともに搭載している。CPU201は、後処理装置34、RADF36、スキャナ部31、電子写真プロセス部47及び用紙搬送部50のそれぞれを管理する。 CCDボード300は、光電変換素子44、光電変換素子44を駆動するゲートアレイ302、光電変換素子44の出力信号のゲイン調整等を行うアナログ回路303、及び、アナログ回路303の出力信号をディジタルデータに変換するA/D変換回路304を搭載している。これらの光電変換素子44及び各回路302〜304は、メイン画像処理ボード400に搭載されているCPU401によって管理される。
メイン画像処理ボード400は、CPU401、多値画像処理部402、メモリ403及びレーザコントロール部404を搭載している。多値画像処理部402は、CCDボード300のA/D変換回路304を介して入力された画像データに対して、画像の階調性を所望の状態で表現するためのシェーディング補正、濃度補正、領域分離、フィルタ処理、MTF補正、解像度変換、変倍処理及びγ補正等の多値の画像データに対する画像処理を実行する。メモリ403は、画像処理後の画像データを画像処理手順管理のための制御データとともに記憶する。レーザコントロール部404は、画像処理後の画像データによってレーザ書込ユニット46の半導体レーザを駆動する。
サブ画像処理ボード500は、メイン画像処理ボード400とコネクタ405,505を介して接続されており、メイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401によって制御される2値画像処理部501、メモリ502、ハードディスク503及びSCSI504が搭載されている。2値画像処理部501は、多値画像データを2値画像データに変換する変換処理部、画像を回転する回転処理部、及び、2値画像データの倍率変換を行う変倍処理部等の処理部とともに、ファクシミリ画像の送受信を行うファクシミリインタフェースを備えている。また、メモリ502、ハードディスク503及びSCSI504に対するデータの入出力は、ゲートアレイを介して行われる。
拡張ボード600には、パーソナルコンピュータ等の外部装置からの画像データの入力を受け付けるプリンタボード601、複写機30が有する編集機能を用いて編集した画像データを外部装置において活用するための機能拡張ボード602、及び、画像データを公衆電話回線網を介して送受信するためのファクシミリボード603等がある。
以下に、複写機30におけるコピーモード、プリンタモード及びファクシミリモードのそれぞれにおける画像データの処理について説明する。
通常のコピーモード時には、RADF36を介して原稿台35に給送された原稿の画像がスキャナユニット40によって順次読み取られ、8ビットの画像データとしてメイン画像処理ボード400に送られ、多値画像処理部402において所定の画像処理が施された後、レーザコントロール部404を介してレーザ書込ユニット46に供給される。これによって、記録部32において階調性のあるコピー画像が記録用紙上に形成されて出力される。
電子RDH機能によるコピーモード時には、RADF36を介して原稿台35に給送された原稿の画像がスキャナユニット40によって順次読み取られ、8ビットの画像データとしてメイン画像処理ボード400に送られ、多値画像処理部402において所定の画像処理が施された後、サブ画像処理ボード500に供給される。サブ画像処理ボード500では、2値画像処理部501において、8ビットの画像データに対して誤差拡散等の処理を含む2値化処理を行い、1ビットの画像データとして原稿1枚毎にハードディスク503に格納される。これらの処理がRADF36にセットされた全ての原稿について実行される。ハードディスク503に格納された複数枚の画像データは、ゲートアレイの制御によりページ順に読み出す処理が設定部数回だけ繰り返して実行され、メイン画像処理ボード400において所定の画像処理の後にレーザコントロール部404を介してレーザ書込ユニット46に供給される。したがって、各原稿の画像を複数部ずつ画像形成する場合にも、各原稿の画像についての読取動作を1回のみ行うだけでよい。また、この電子RDH機能によるコピーモードでは、RADF36にセットされた全ての原稿の画像を一旦ハードディスク503に格納する際に、画像データを2値化するため、ハードディスク503として多量のメモリ容量が必要となることがない。さらに、この2値化処理時に誤差拡散等の処理を実行するため、画質の著しい低下を招くこともない。なお、1部目の画像形成処理時には、ハードディスク503への書込と同時に2値化処理後の画像データをメイン画像処理ボード400に出力するようにしてもよい。
プリンタモード時には、パーソナルコンピュータ等の外部装置から入力された画像データはプリンタボード601においてページ単位の画像として展開された後、SCSI504から一旦サブ画像処理ボード500に供給されてハードディスク503に格納される。この時、サブ画像処理ボード500において2値化処理は行わない。ハードディスク503に格納された画像データは、所定のページ順となるように読み出されてメイン画像処理ボード400に出力され、γ補正等の処理の後にレーザコントロール部404を介してレーザ書込ユニット46に供給される。
ファクシミリモード時の処理としては、画像データを送信する処理と受信する処理とがある。原稿の画像データを送信する際には、RADF36にセットされた送信原稿が1枚ずつ原稿台35に給送され、スキャナユニット40による読取処理を受ける。スキャナユニット40によって読み取られた送信原稿の画像データは、8ビットの画像データとしてメイン画像処理ボード400の多値画像処理部402において所定の画像処理が施された後にサブ画像処理ボード500に転送され、2値画像処理部501において誤差拡散処理を含む2値化処理、及び、所定の形式による圧縮処理を施された後にメモリ502に格納される。次いで、公衆電話回線網に対して送信先のファクシミリ番号を発呼し、送信可能な状態が確保されると、メモリ502に格納されている画像データを読み出してファクシミリボード603において圧縮形式の変更等の必要な処理を施した後、送信先のファクシミリ装置に送信する。
公衆電話回線網を介して送信された画像データを受信する際には、ファクシミリボード603において受信した画像データをファクシミリインタフェースを介して2値画像処理部501に転送し、2値画像処理部501において伸長処理を施してページ画像に再現する。ページ単位の画像として再現された画像データは、メイン画像処理ボード400に転送され、γ補正等の画像処理後にレーザコントロール部404を介してレーザ書込ユニット46に供給される。
以上のように、複写機30では、多値画像データを処理するメイン画像処理ボード400と2値画像データを処理するサブ画像処理ボード500とに分割して画像処理部を構成しており、スキャナ部31において読み取られた原稿の画像は、メイン画像処理ボード400において多値画像データとして画像処理してレーザ書込ユニット46に供給することにより、原稿の画像の特徴を損なうことなく記録用紙上に複写画像を形成することができるとともに、大量の原稿の画像を多量部数出力する場合には、サブ画像処理ボード500において2値画像データとして画像処理することにより、処理の高速化を図ることができる。また、画像処理部を分散させることによって複写機の機能の多様化に対応することができる。さらに、メイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401によってサブ画像処理ボード500に搭載されている各部を制御するようにしているため、メイン画像処理ボード400及びサブ画像処理ボード500において連続して画像データを処理する際に画像データ及び処理の流れを円滑に行うことができ、画像データの損失を生じることがない。
図3は、上記複写機に備えられる操作パネルの平面図である。操作パネル75の中央部には、タッチパネルを備えた表示装置6が配置されており、表示装置6における基本スタート画面には、複写機30の概略図とともに、コピー濃度を設定するための濃度設定キー7、用紙サイズを設定する用紙サイズ設定キー8、及び、複写倍率を設定する倍率設定キー9が設けられている。表示装置6の左右側面の近傍には、液晶表示装置6の表示画面に、画像編集機能の設定のための編集モード設定画面を表示させる特別機能モードキー10、両面複写機能の設定のための両面複写モード設定画面を表示させる両面複写モードキー11、ソータ処理やステープル処理等の後処理機能の設定のための後処理設定画面を表示させるソータ/ステープルキー12、現在設定されているモードの内容を確認するための設定確認キー13、操作方法等のガイダンスを表示させる操作ガイドキー14、ガイダンスの表示内容をスクロールさせるスクロールキー141及び142、並びに、外部装置との通信状況を確認するための通信状況確認キー23が設置されている。
また、操作パネル75における表示装置6の右側には、複写枚数等の数値情報を入力するためのテンキー15、複写動作の実行中に別の複写モードに係る複写動作を割込処理させるための割込キー16、テンキー15等による設定内容を消去するクリアキー17、複写機30に対する全ての設定内容を標準状態に復帰させる全解除キー18、及び、複写動作の開始を指示するためのスタートキー19が配置されている。さらに、操作パネル75における表示装置6の左側には、複写機30の動作モードをファクシミリモード、プリンタモード及びコピーモードのそれぞれに切り換えるためのモード切換キー20〜22が配置されている。
なお、上述した操作パネル75における表示装置やキーの配置状態は一例を示すものであり、複写機30が有する機能に応じて配置されるキーや表示装置6における表示内容も変化する。
図4は、上記複写機の操作パネルに配置された表示装置の表示画面の詳細を示す図である。複写機30の表示装置6は、上面に透明のタッチパネル101を積層配置して備えている。なお、タッチパネル101は、表示装置6の上面のみならず表示装置6の近傍のパネル面に表記されたキーの上面をも被覆しており、表示装置6に表示されたキーの操作状態(操作内容)とともにパネル面に表記されたキーの操作状態をもタッチパネル101によって検出する。標準状態における複写機30の表示装置6に表示される基本画面の中央部には、複写機30の外観図102が表示される。この概略図102には、複写機30の本体103やソータ104とともに用紙給紙装置105が含まれ、用紙給紙装置105に準備されている記録用紙のサイズ等が表示される。
図5は、上記複写機の表示装置における両面複写機能の設定画面の表示状態を示す図である。図4に示す表示画面において外観図102における本体103の表示位置、又は、両面コピーキー11の表記位置を押圧操作すると、表示装置6の表示画面は、図5(A)に示す両面複写機能の設定画面に移行する。この両面複写機能の設定画面では、表示装置6に図4の基本画面に表示されていた外観図102における本体103が表示されるとともに、両面複写機能における処理内容を設定するための設定キーが表示される。
即ち、表示装置6において、本体103の左側には片面原稿から片面コピーを作成する標準状態のモードを指示するためのキー106が表示される。また、本体103の下側には、偶数枚の片面原稿から両面コピーを作成するモードを指示するためのキー107、奇数枚の片面原稿から両面コピーを作成するモードを指示するためのキー108、両面原稿から両面コピーを作成するモードを指示するためのキー109、及び、両面原稿から片面コピーを作成するモードを指示するためのキー110が、それぞれのモードの内容を示すアイコンとともに表示される。さらに、本体103の右側には、処理すべき片面原稿が偶数枚であるか奇数枚であるかが不明である場合に原稿の枚数を計数する処理を行わせる際に操作するキー111、及び、両面複写モードの表示画面の表示を終了させる際に操作するキー113が表示される。
図5(A)に示す表示画面において、キー106〜キー110のいずれかが押圧操作されると、表示画面中の本体103内に指示された処理内容を示すアイコンが表示される。例えば、図5(A)に示す表示画面において偶数枚の片面原稿から両面コピーを作成するモードを指示するキー107が押圧操作されると、図5(B)に示すように、キー107内に表示されているものと同じアイコン112が本体103内に表示される。この状態からキー113が押圧操作されると、偶数枚の片面原稿から両面コピーを作成するモードの設定が確定し、図5(C)に示すように、本体103内にアイコン112を表示した状態で、標準状態の表示画面に戻る。
図6は、上記複写機の表示装置におけるアウトプット機能の設定画面の表示状態を示す図である。図4に示す基本画面において外観図102における後処理装置104の表示位置、又は、ソータ/ステープルキー12の表記位置を押圧操作すると、表示装置6の表示画面は、図6(A)に示すアウトプット機能の設定画面に移行する。このアウトプット機能の設定画面では、表示装置6の表示画面に図4の基本画面に表示されていた外観図102における後処理装置104が表示されるとともに、アウトプット機能における処理内容を設定するための設定キーが表示される。
即ち、表示装置6の表示画面において、本体103の右側には、コピー済みの用紙を丁合した状態で複数の部数に仕分けるソート機能を指示するためのキー114、コピー済みの用紙に対するステープル処理を施すステープル機能を指示するためのキー115、及び、コピー済みの用紙を丁合した状態で各部毎に異なる位置に排出するオフセット機能を指示するキー116が、それぞれの機能の内容を示すアイコンとともに表示される。また、本体103の右側の上部には、アウトプット機能の表示画面の表示を終了させる際に操作するキー113が表示される。
図6(A)に示す表示画面において、キー114〜キー116のいずれかが押圧操作されると、表示画面中の後処理装置104内に指示された処理内容を示すアイコンが表示される。例えば、図6(A)に示す表示画面においてソート機能を指示するキー114が押圧操作されると、図6(B)に示すように、キー114内に表示されているものと同じアイコン118が後処理装置104内に表示される。また、図6(A)に示す表示画面において、キー114〜キー116のうち、重複して設定することができる複数の機能に係る複数のキーが押圧操作された場合には、重複して設定された複数の機能を示すアイコンを後処理装置104内に表示するようにしてもよい。例えば、ソート機能とステープル機能とが重複して設定された場合には、図6(C)に示すように、キー114及び115のアイコンを組み合わせたアイコン119を後処理装置104内に表示する。図6(B)又は(C)に示す状態からキー113が押圧操作されると、ソート機能又はソート機能とステープル機能の設定が確定し、図6(D)に示すように、後処理装置104内にアイコン118又は119を表示した状態で基本画面に戻る。
図7は、上記複写機の表示装置における用紙選択機能の設定画面の表示状態を示す図である。図4に示す基本画面において外観図102における給紙装置105の表示位置、又は、用紙サイズ設定キー8の表示位置を押圧操作すると、表示装置6の表示画面は、図7(A)に示す用紙選択機能の設定画面に移行する。この用紙選択機能の設定画面では、表示装置6の表示画面に実際の給紙装置における用紙の装着位置を一致させた状態で給紙位置を選択するためのキー120a〜120hが表示される。
図7(A)に示す表示画面において、キー120a〜120hのいずれかが押圧操作されると、操作されたキーが反転表示される。キー120a〜120hの押圧操作による用紙の選択が確定すると、図7(B)に示すように、外観図102の給紙装置105において給紙すべき用紙として選択された用紙の位置を反転表示した状態で、基本画面に戻る。
図8は、上記複写機の表示装置における特別機能の選択画面の表示状態を示す図である。操作パネル75上に配置された特別機能キー10が押圧操作されると、表示装置6には、複写機30において設定可能な各種の特別機能の選択画面が表示される。この選択画面において表示装置6に表示される特別機能としては、例えば、記録用紙に綴じ代を形成する綴じ代機能や原稿の周囲の画像を消去する枠消去機能等があり、表示装置6には、各機能の実行を選択するためのキー121a〜121g等が表示される。これらキー121a〜121gのうちで押圧操作されたキーが反転表示される。
また、機能によっては詳細な条件の設定が必要になるものもあり、詳細な条件の設定が必要な機能が選択された場合には、表示装置6にはその機能に係る条件の設定入力を受け付ける条件設定画面が表示される。例えば、図8に示す機能選択画面において綴じ代キー121aが押圧操作されると、図9(A)又は(B)に示す条件設定画面が表示され、記録用紙において綴じ代を形成すべき位置、及び、綴じ代量の設定入力を受け付ける。図9(A)は記録用紙の左側に綴じ代を形成する場合であり、図9(B)は記録用紙の上側に綴じ代を形成する場合である。また、図8に示す機能選択画面において枠消去キー121bが押圧操作されると、図10(A)〜(C)に示す条件設定画面が表示され、原稿の画像において消去すべき枠の位置、及び、消去幅の設定入力を受け付ける。図10(A)は原稿画像の周囲を消去する場合、図10(B)は原稿画像の中央部を消去する場合、図10(C)は原稿画像の周囲及び中央部を消去する場合である。
次に、上記ディジタル複写機の制御部で実施される処理手順について説明する。以下の第1〜第13の処理手順のうち、本発明の実施例に対応するものは、第1、第2、第8、及び第9の処理手順であり、他の処理手順は参考例である。
図11は、上記複写機の制御部の第1の処理手順の一部を示すフローチャートである。図11に示す処理は、複写機30の状態に基づいてオペレータの所望する使用状況を推定し、推定した使用状況に応じた機能を表示装置6における表示によってオペレータに認識させるものである。複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、スタートキー19の押圧操作による複写動作の開始の指示を待機している間において他のキーが操作されたか否か、及び、原稿台35の上面が開放されたか否かの判別を行い(s1〜s3)、RADF36の揺動による原稿台35の開放状態を検出すると、原稿台35上に原稿がセットされているか否かの判別を行う(s4)。
原稿台35上に原稿がセットされた状態で原稿台35の上面が開放されている場合には、CPU401は、オペレータが原稿の背面を覆うことなく原稿の画像を読み取ろうとしているか、又は、RADF36によって原稿の背面を覆うことができない本等の厚みの大きい原稿の画像を読み取ろうとしていると判断し、これらの読取処理に適した枠消去機能及び1セット2コピー機能が存在することをオペレータに表示するヒント表示を行う(s5,s6)。
このヒント表示は、例えば図12に示すように、表示装置6における表示画面の余白部分に、複写機30の状態に基づいて判断したオペレータによる使用状況に適した機能名131,132を「ヒント」の文字130とともに表示する。オペレータが機能名131又は132の表示位置を押圧操作すると、押圧操作した機能の内容を説明するガイダンスを例えば図13(A),(B)に示すように表示する(s7,s8)。このガイダンスには、その機能を選択しない場合に操作する戻りキー141及びその機能を選択する場合に操作する選択キー142が含まれ、CPU401は、戻りキー141が押圧操作された場合には表示装置6の表示内容を基本画面にしてスタートキー19の押圧操作を待機する(s9,s10)。
図13(A)又は(B)に示すガイダンス画面において選択キー142が押圧操作された場合には、CPU401は、その機能に設定すべき詳細情報があるか否かを判別し(s11,s12)、枠消去モードのように詳細情報の設定が必要なモードが選択された場合には、図10に示した条件設定画面を表示装置6に表示して詳細な条件の設定入力を受け付ける(s13,s14)。1セット2コピーモードのように詳細な条件の設定が必要でないモードが選択された場合には、そのモードを設定して表示装置6に基本画面を表示した状態でスタートキー19の押圧操作を待機する(s15→s10→s1)。スタートキー19が押圧操作されると、CPU401は、設定されているモードの内容にしたがって複写動作を実行する(s1→s16)。また、スタートキー19以外のキーが押圧操作された場合には(s2)、操作されたキーに応じた処理を実行する。
なお、上記s6のヒント表示の処理において表示する機能は枠消去モード及び1セット2コピーモードに限定するものではなく、複写機30の状態から推定されるオペレータの使用状況に応じて、複写機30が有する他の機能を表示することもできる。
以上の処理により、オペレータの指示のみならず、複写機30の状態に基づいてオペレータが所望する複写機30の使用状況を推定し、推定した使用状況に適した機能をオペレータに認識させることができ、複写機30が有する機能を有効に活用することができる。
図14は、上記複写機の制御部の第2の処理手順の一部を示すフローチャートである。図14に示す処理は、オペレータが設定した機能の内容に基づいてオペレータの所望する使用状況を推定し、推定した使用状況に応じた機能を表示装置6における表示によってオペレータに認識させるものである。複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、スタートキー19の押圧操作による複写動作の開始の指示を待機している間において、オペレータがソータ/ステープル機能及び綴じ代機能を選択したことを検出すると(s21〜s23)、オペレータが複数枚の記録用紙を綴じる処理を所望しているものと判断し、より適切な機能として製本機能が選択可能であることをヒント表示する(s24)。
このヒント表示では、図15に示すように、表示装置6に表示されている基本画面における余白部分に、製本機能を表す文字151を「ヒント」の文字130とともに表示する。図15に示す表示画面において製本機能の文字151の表示位置が押圧操作されると、図16(A)に示すように、製本機能のうち、ステープル機能及び綴じ代機能が現在設定されている旨とともに、表紙挿入機能が選択可能である旨を示す第1のガイダンス画面を表示する(s25,s26)。図16(A)に示す第1のガイダンス画面において確認キー152が押圧操作されると、図16(B)に示すように、表紙挿入機能の内容を示す第2のガイダンス画面を表示装置6に表示する(s27,s28)。さらに、図16(B)に示す第2のガイダンス画面において選択キー153が押圧操作されると、図16(C)に示す表紙挿入機能における設定画面を表示装置6に表示する(s29,s30)。
図16(C)に示す設定画面における設定が完了した後、又は、第1のガイダンス画面若しくは第2のガイダンス画面において、戻りキー154,155が押圧操作された場合には、表示装置6の表示内容を図4に示した基本画面に戻してスタートキー19の押圧操作を待機し(s30〜s33→s21)、スタートキー19が押圧操作されると、CPU401は、設定されている機能の内容にしたがって複写動作を実行する(s21→s34)。
なお、上記s26のヒント表示の処理において表示する機能は製本機能に限定するものではなく、複写機30の状態から推定されるオペレータの使用状況に応じて、複写機30が有する他の機能、例えば穿孔機能を表示することもできる。 以上の処理により、オペレータが選択した処理内容からオペレータが所望する複写機30の使用状況を推定し、推定した使用状況により適した機能の存在をオペレータに認識させることができ、複写機30が有する機能を有効に活用することができる。
図17は、上記複写機の制御部の第3の処理手順の一部を示すフローチャートである。図17に示す処理は、複写機30において実行した複写動作、即ち、オペレータによる複写機30の使用状態に基づいてオペレータの所望する最終的な出力結果を推定し、推定した最終的な出力結果に応じた機能を表示装置6における表示によってオペレータに認識させるものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、今回の複写動作における複写枚数を前回の複写枚数と比較し(s41)、両者が一致する場合にはさらに今回の複写動作が手差し給紙トレイから給紙された記録用紙に対して行われたか否かを判別する(s42)。CPU401は、給紙部に装着された給紙カセットから記録用紙を給紙して所定枚数の複写動作を行った後、手差し給紙トレイから記録用紙を給紙して同一枚数の複写動作が行われた場合、オペレータが記録用紙の両面に画像を形成する両面複写処理を行っているのではないかと判断し、表示装置6に表示している基本画面の余白部分に図18に示すように両面コピー機能を表す文字161をヒントの文字162とともに表示する(s43)。
例えば、オペレータが両面コピー機能の存在を知らないオペレータが複数枚の両面原稿の画像を複数部両面コピーする場合、オペレータは複数の原稿の表面についての複写動作を給紙カセットから給紙された記録用紙について行った後に片面に画像を形成した記録用紙を表裏面を反転して手差し給紙トレイから給紙して原稿の裏面についての複写動作を行う作業を必要な部数回繰り返して行うことが考えられる。そこで、複数の給紙トレイのいずれかが選択され、複写倍率や複写濃度等の他の条件が設定された後にスタートキー19が押圧操作され、設定された条件にしたがって選択された給紙トレイから記録用紙を給紙して所定回数の複写動作を実行した後、所定時間内に、手差し給紙トレイが選択され、同一の複写条件が設定された後にスタートキー19が押圧操作され、設定された条件にしたがって手差し給紙トレイから記録用紙を給紙して同一回数の複写動作を実行した場合には、CPU401は、オペレータが記録用紙の両面に複写画像を形成する両面複写作業を実行しているものと判断し、片面に画像を形成した記録用紙の表裏面を反転して手差し給紙トレイ上に載置する等の取扱が不要な両面コピー機能の存在をオペレータが認識できるように表示装置6に表示する。
上記s43の処理による表示装置6の表示内容において両面コピー機能の文字161の表示部分が押圧操作されると(s44)、表示装置6に図19に示す両面コピー機能の処理内容を示すガイダンス画面を表示する(s45)。このガイダンス画面において選択キー163が押圧操作されると表示装置6に図5(A),(B)に示した両面コピー機能の設定画面を表示し(s46,s47)、両面コピー機能に係る条件の設定入力を受け付ける(s48)。この後、図5(C)に示したように、両面コピー機能が設定されている旨を表示する基本画面を表示し(s49)、スタートキー19が押圧操作されると、設定された条件による両面コピー機能の複写動作を実行する(s50,s51)。また、ガイダンス画面において戻りキー164が押圧操作された場合には、図4に示した基本画面を表示してスタートキー19の押圧操作を待機する(s52→s49)。
なお、上記s43におけるヒント表示は、複写機30において両面コピー機能が実行可能であることを確認した後に行うようにしてもよい。これによって、例えば、両面ユニットが装着されていない場合や両面ユニットに故障を生じている場合に、誤って両面コピー機能の複写動作が指示されることを未然に防止することができる。
また、s43においてヒント表示する機能は両面コピー機能に限るものではなく、複写機30の使用状態から判断した最終的な出力結果を得るために最適な他の機能を表示することができる。この場合に、複写機30の複数回の使用状態において、同一内容の使用状態が繰り返し実行されている場合に、その使用状態に適した機能の存在をオペレータに表示するようにしてもよく、複写動作の実行中または待機中のいずれにおいても表示することができる。
さらに、オペレータが最終的な出力結果として記録用紙の両面に対する画像の形成処理を所望していることを判断する際に、給紙トレイから給紙した記録用紙のサイズと手差し給紙トレイから給紙した記録用紙のサイズとが一致するか否か等の他の条件を付加することにより、判断の精度を向上することができる。
加えて、複写機30が図20に示すように、複写処理毎に複写条件等を記憶した管理テーブルを作成する場合には、この管理テーブルの内容に基づいて、同一内容の使用状態の繰り返しを検出することができる。例えば、図20に示す管理テーブルからは、管理ナンバ33及び34、並びに、管理ナンバ35及び36の関係から、記録用紙の両面にコピーを行っていることが判断できる。
なお、管理テーブルの内容は、一定期間を経過する毎に一部又は全部をクリアしたり、古いものから順にクリアして所定数の複写処理に係る情報のみを記憶したり、同一内容の複写処理の繰り返しが現れない場合に一部又は全部をクリアすることができる。
図21は、上記複写機の制御部の第4の処理手順の一部を示すフローチャートである。図21に示す処理は、複写機30における各機能の使用状況に基づいて、各機能に係る条件の設定方法を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、オペレータがいずれかの機能を選択すると(s61)、選択された機能についての使用状況を判断し(s62)、使用頻度が低い場合には通常の設定状態とする一方(s63,s65)、使用頻度が高い場合には条件をより詳細に設定できるようにし(s63→s64)、オペレータによる条件の設定入力を受け付ける(s66)。
例えば、綴じ代機能が選択された場合、それまでの複写処理において綴じ代機能の使用頻度が低い場合には、図22に示すように、綴じ代の設定を0mm、5mm又は10mmの3段階のいずれかから選択するようにし、綴じ代モードの使用頻度が高い場合には、図9に示したように、0〜20mmの範囲で1mm間隔で設定できるようにする。
なお、各機能の使用頻度の判別は、例えば、図23に示す管理テーブルにおいて各機能の使用状況を管理し、この管理テーブルの内容を参照して行うことができる。また、オペレータ毎に各機能の使用頻度を管理し、各オペレータにおける使用頻度に応じて各機能に係る条件の設定方法を変更することもできる。
図24は、上記複写機の制御部の第5の処理手順の一部を示すフローチャートである。図24に示す処理は、複写機30における各機能の使用状況に基づいて機能選択画面における各機能の表示状態を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、特別機能キー10が操作されると、例えば図25に示す状態で各機能の使用状態を記憶した管理テーブルを参照し(s71,s72)、管理テーブルの内容に基づいて機能選択画面における各機能の表示状態を変更し(s73)、各機能の表示状態を変更した後の機能選択画面を表示装置6に表示する(s74)。
例えば、CPU401は、図26に示すように、機能選択画面において使用頻度の高い機能の選択キーを大きく、使用頻度の低い機能の選択キーを小さく表示する。また、図27に示すように機能選択画面において使用頻度の高い機能の選択キーを強調表示したり、図28に示すように機能選択画面において使用頻度の高い機能の選択キーをオペレータの目に付き易い中央部に表示したり、図29に示すように機能選択画面において使用頻度の高い機能の選択キーを操作パネル75において他の操作頻度の高いキーにより近い位置に表示することができる。さらに、図30(A)及び(B)に示すように、各機能を使用頻度に応じてグループ化し、使用頻度の高いグループから順に機能選択画面を階層表示するようにしてもよい。また、図31に示すように、機能選択画面において使用頻度の低い機能の選択キーを見難い状態で表示することもできる。
なお、複写機30を設置した後の所定期間において各機能の使用回数を累積的に集計し、この集計結果に基づいて機能選択画面における各機能の選択キーの表示状態を決定するようにしもよい。また、複写処理に欠かすことのできない複写倍率、複写濃度及び用紙サイズ等の重要な機能については、使用頻度の高低に拘らず表示状態を固定し、これら以外の機能についてのみ使用頻度に応じて表示状態を変更するようにしてもよい。
図32は、上記複写機の制御部の第6の処理手順の一部を示すフローチャートである。図32に示す処理は、複写機30における各機能の使用状況に基づいてガイダンス画面における表示形態を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、特別機能キー10の操作に基づいて機能選択画面を表示中にいずれかの機能に係る選択キーが押圧操作されると(s81,s82)、予め記憶しているガイダンス情報を読み出すとともに(s83)、例えば図25に示す状態で各機能の使用状態を記憶した管理テーブルを参照し(s84)、選択キーの押圧操作によって選択された機能の使用頻度が高い場合には読み出したガイダンス情報のサイズを縮小して表示装置6に表示する(s85〜s87)。一方、選択された機能の使用頻度が低い場合には読み出したガイダンス情報をそのままのサイズで表示装置6に表示する(s85→s87)。 例えば、CPU401は、選択された機能の使用頻度が高い場合には、オペレータがその機能の内容について熟知していると判断し、選択された機能についてのガイダンス情報を図33(A)に示すように小さく表示するとともに、選択された機能の使用頻度が低い場合には、オペレータがその機能の内容を正確に認識していないと判断し、選択された機能についてのガイダンス情報を図33(B)に示すように大きいサイズで見易く表示する。
また、各機能毎に図33(B)に示す通常のガイダンス情報と図34に示す詳細なガイダンス情報とを準備しておき、使用頻度の高い機能が選択された場合には通常のガイダンス情報を表示し、使用頻度の低い機能が選択された場合には詳細なガイダンス情報を表示するようにしてもよい。なお、詳細なガイダンス表示の内容が表示装置6の表示面積を越える場合には、図35に示すように、表示装置6の画面の一部にスクロールキー171を設け、スクロールキー171の操作によってガイダンス情報の全体を表示装置6にスクロール表示するようにしてもよい。なお、詳細なガイダンス情報には、その機能の設定入力を受け付けるキーを含めることができる。
さらに、管理テーブルにおいて各機能の使用頻度をオペレータ毎に記憶しておき、各オペレータの使用頻度に応じて各機能のガイダンス情報の表示形態を変更するようにしてもよい。
図36は、上記複写機の制御部の第7の処理手順の一部を示すフローチャートである。図36に示す処理は、オペレータの複写機30に対する習熟度に応じてガイダンス画面における表示形態を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、特別機能キー10の操作に基づいて機能選択画面を表示中にいずれかの機能に係る選択キーが押圧操作されると(s91,s92)、予め記憶しているガイダンス情報を読み出すとともに(s93)、オペレータの複写機30に対する習熟度の判定結果を参照し(s94)、オペレータの習熟度が高い場合には読み出したガイダンス情報のサイズを縮小して表示装置6に表示する(s95〜s97)。一方、オペレータの習熟度が低い場合には読み出したガイダンス情報をそのままのサイズで表示装置6に表示する(s85→s87)。
例えば、CPU401は、複写機30を操作中のオペレータの習熟度が高い場合には、オペレータがその機能の内容についても熟知していると判断し、選択された機能についてのガイダンス情報を図33(A)に示したように小さく表示するとともに、オペレータの習熟度が低い場合には、オペレータがその機能の内容を正確に認識していないと判断し、選択された機能についてのガイダンス情報を図33(B)に示したように大きいサイズで見易く表示する。
CPU401は、例えば、スタートキー19の操作によってクリアされ操作パネル75におけるキー操作回数を計数するカウンタC、及び、スタートキー19の操作後の最初のキー操作によって起動するタイマTを備え、オペレータによりキー操作がされる毎にタイマTの計時時間をカウンタCの計数値によって除算してキー操作の時間間隔tを算出し、算出したキー操作の時間間隔を閾値と比較することより、複写機30の操作に対するオペレータの習熟度を判定する。
また、CPU401が、複写機30の前面におけるオペレータの有無を検出するセンサを備え、このセンサがオペレータを検出した後に最初にキー操作がされるまでの経過時間を計時し、この経過時間を閾値と比較することにより複写機30の操作に対するオペレータの習熟度を判定するようにしてもよい。
さらに、オペレータによる最初のキー操作からの経過時間、又は、ガイダンス情報を表示した時からの経過時間に基づいて、複写機30の操作に対するオペレータの習熟度を判定することもでき、ガイダンス情報を表示した時からの経過時間に基づいてオペレータの習熟度が低いと判断した場合に、ガイダンス情報の表示形態を変更するようにしてもよい。
加えて、オペレータ毎の複写機30の使用回数又は使用頻度を記憶しておき、この記憶内容に基づいて複写機30の操作に対する各オペレータの習熟度を判定するようにしてもよい。この場合には、オペレータの最初のキー操作からスタートキー19の操作までに要する時間に基づいて習熟度を判定し、この判定結果を記憶しておくこともできる。
また、機能の設定内容に基づいてオペレータの習熟度を判定することもできる。例えば、複写機30において選択できる複数の機能を、条件の設定が比較的簡単な第1の機能群と条件の設定が複雑な第2の機能群とに分類しておき、第2のの機能群に含まれる機能を設定したか否かに応じてオペレータの習熟度を判断するようにしてもよい。
なお、各機能毎に図33(B)に示した通常のガイダンス情報と図34に示した詳細なガイダンス情報とを準備しておき、オペレータの習熟度が高い場合には通常のガイダンス情報を表示し、オペレータの習熟度が低い場合には詳細なガイダンス情報を表示するようにしてもよい。この場合に、詳細なガイダンス表示の内容が表示装置6の表示面積を越える場合には、図35に示したように、表示装置6の画面の一部にスクロールキー171を設け、スクロールキー171の操作によってガイダンス情報の全体を表示装置6にスクロール表示するようにしてもよい。また、詳細なガイダンス情報には、その機能の設定入力を受け付けるキーを含めることができる。
図37は、上記複写機の制御部の第8の処理手順の一部を示すフローチャートである。図37に示す処理は、処理対象の画像情報である原稿台35に載置された原稿の特徴に応じて機能選択画面における表示内容を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、原稿台35に原稿がセットされると、原稿台35にセットされた原稿のサイズを検出し(s101,s102)、原稿のサイズがB5又はA4等の比較的小さいサイズである場合には、これらのサイズの原稿に対して実行することができない機能を除いた機能選択画面を表示装置6に表示する(s103〜s105)。
例えば、1セット2コピー機能及びA2コピー機能については、B5又はA4サイズの原稿について実行することはできないため、原稿台35にセットされた原稿のサイズがB5又はA4である場合には図38に示すように機能選択画面において1セット2コピー機能及びA2コピー機能に係る選択キーを表示しないようにする。これに対して、原稿台35にセットされた原稿のサイズがB4又はA3である場合には図8に示したように機能選択画面において1セット2コピー機能及びA2コピー機能に係る選択キーを含めて表示する。これによって、複写動作を実行すべき原稿のサイズに適した機能のみを機能選択画面に表示することができ、オペレータによる機能の選択を容易にすることができる。
また、原稿台35にセットされた原稿の特徴に応じて各機能についての条件の設定内容を変更するようにしてもよい。例えば、枠消去機能において、B5又はA4サイズの原稿については原稿の周囲に生じる影の消去のみ行うことができ、B4又はA3サイズの原稿については原稿の周囲に生じる影の消去のみならず原稿の中央に生じる影の消去も行うことができる。そこで、オペレータが枠消去機能を選択した際に、原稿台35にセットされた原稿のサイズがB5又はA4である場合には図39に示すように原稿の周囲についてのみ枠消去の条件の設定を受け付ける条件設定画面を表示装置6に表示し、原稿台35にセットされた原稿のサイズがB4又はA3である場合には図10に示したように原稿の周囲だけでなく原稿の中央部についても枠消去の条件の設定を受け付ける条件設定画面を表示装置6に表示する。
さらに、原稿台35にセットされた原稿の特徴として、原稿の画像が写真画像等の多値画像であるか文字原稿等の2値画像であるか、又は、原稿の画像がカラー画像であるかモノクロ画像であるかを抽出し、この抽出結果に基づいて条件設定画面の表示内容を変更することもできる。例えば、図4に示した基本画面からコピー濃度キーが操作された場合に、原稿台35にセットされた原稿の画像が写真画像であると判断した場合には図40(A)に示すように写真モードの濃度設定画面を表示装置6に表示し、原稿台35にセットされた原稿の画像が文字画像であると判断した場合には図40(B)に示すように文字モードの濃度設定画面を表示装置6に表示する。これによって、コピー濃度の設定時にオペレータが原稿の種類に応じて写真モード又は文字モードを選択する必要がなく、濃度設定作業を簡略化できる。
また、図4に示した基本画面からコピー濃度キーが操作された場合に、原稿台35にセットされた原稿の画像がカラー画像であると判断した場合には図41(A)に示すように明度設定及び色度設定を受け付ける設定画面を表示装置6に表示し、原稿台35にセットされた原稿の画像がモノクロ画像であると判断した場合には図41(B)に示すように濃度設定のみを受け付ける設定画面を表示装置6に表示する。
以上の処理によって、コピー濃度の設定時にオペレータが原稿の種類に応じて写真モード若しくは文字モード、又は、カラーモード若しくはモノクロモードを選択する必要がなく、濃度設定作業を簡略化できる。
なお、原稿から抽出した特徴に応じて設定画面の表示形態を変更するとともに、画像処理内容も原稿の特徴に応じて変更される。
図42は、上記複写機の制御部の第9の処理手順の一部を示すフローチャートである。図42に示す処理は、処理結果の出力対象である記録用紙の特徴に応じて機能選択画面における表示内容を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、オペレータが給紙すべき記録用紙を選択すると、選択された記録用紙のサイズを検出し(s111,s112)、記録用紙のサイズがB5又はA4等の比較的小さいサイズである場合には、これらのサイズの原稿に対して実行することができない機能を除いた機能選択画面を表示装置6に表示する(s113〜s115)。
例えば、紙折り機能、袋綴じ機能及び記録用紙の中央部に対するステープル機能については、B5又はA4サイズの原稿について実行することはできないため、選択された記録用紙のサイズがB5又はA4である場合には、図43(A)に示すように後処理機能の選択画面において紙折り機能、袋綴じ機能及び記録用紙の中央部に対するステープル機能に係る選択キーを表示しないようにする。これに対して、選択された記録用紙のサイズがB4又はA3である場合には図43(B)に示したように後処理機能の選択画面において紙折り機能、袋綴じ機能及び記録用紙の中央部に対するステープル機能に係る選択キーを含めて表示する。これによって、複写動作に使用する記録用紙のサイズに適した機能のみを機能選択画面に表示することができ、オペレータによる機能の選択を容易にすることができる。
図44は、上記複写機の制御部の第10の処理手順の一部を示すフローチャートである。図44に示す処理は、複写機30の設置場所に応じて表示装置6における表示内容を変更するようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、複写動作の待機中において、予め入力されている複写機30の設置場所を読み出し(s121)、複写機30が特定のオペレータによって操作されるオフィス等に設置されている場合には図4に示した通常の基本画面を表示装置6に表示し(s122→s123→s125)、不特定のオペレータによって操作される店舗等に設置されている場合には図45に示す簡易表現状態の基本画面を表示装置6に表示する(s122→s124,s125)。
例えば、オフィス等に設置された複写機30を操作するオペレータは特定人に限定される可能性が高く、複写機30の表示内容に専門的な用語を含む場合であってもオペレータがその内容を認識することができる。一方、コンビニエンスストア等の店舗等に設置された複写機30は、不特定の顧客によって操作されることから、オペレータが表示装置6に表示された専門的な用語を理解することができない場合を生じ得る。そこで、複写機30の設置場所を予め記憶しておき、設置場所の記憶内容に応じて表示装置6の表示内容を変更することにより、常にオペレータが表示内容を容易に理解できるようにして、複写機30の機能が有効に活用されるようにすることができる。
上記の例では、複写機30の設置場所に応じて基本画面の表示形態を変更するようにしているが、複写機30の設置場所に応じて機能選択画面の表示形態を変更するようにしてもよい。例えば、複写機30が不特定人によって操作される可能性のある店舗等に設置されている場合には、図8に示した通常の表示形態の機能選択画面に代えて、図46に示すように、各機能の内容の説明を付した機能選択画面を表示する。
また、複写機30の設置場所に応じてガイダンス画面の表示形態を変更することもできる。例えば、枠消去機能についてのガイダンス表示に関して、複写機30が特定のオペレータによって操作される場所に設置されている場合には図33(A)に示す状態でガイダンス情報を表示するとともに、複写機30が不特定のオペレータによって操作される場所に設置されている場合には図33(B)に示した状態でガイダンス情報を表示する。また、複写機30が特定のオペレータによって操作される場所に設置されている場合には図33(B)に示した状態でガイダンス情報を表示するとともに、複写機30が不特定のオペレータによって操作される場所に設置されている場合には図34に示した状態でガイダンス情報を表示する。
さらに、複写機30が設置されるコンビニエンスストア等の店舗の立地条件、季節、時間帯等に応じて複写機30の操作者の傾向が変化することが考えられる。例えば、ビジネス街の店舗では主としてビジネスマンが複写機30を操作し、学生街の店舗では主として学生が複写機30を操作する。また、学生街の店舗では、長期休暇中においては学生が複写機30を操作する可能性は低くなる。そこで、複写機30が設置されている場所の立地条件、季節及び時間帯等に応じて表示装置6における表示形態を変更するようにしてもよい。
加えて、複写機30の設置場所等に基づいて特定される操作者のタイプに応じて使用する機能が変化することが明らか場合には、複写機30の設置場所等に基づいて機能選択画面の構成を変更するようにしてもよい。
また、表示装置6における表示形態の変更に際しては、表示に使用する文字を漢字とかな文字との間での変更、記号や図形の追加又は削除、音声等によるメッセージの追加又は削除、及び、表示切換速度の変更等が考えられる。
図47は、上記複写機の制御部の第11の処理手順の一部を示すフローチャートである。図47に示す処理は、複写機30が有する複数の機能のうち、使用する可能性の全くない機能を予め指定しておき、指定された機能に係る選択キーや条件設定キーが機能選択画面等に表示されないようにし、表示装置6における表示形態を複写機30毎の使用状態に応じた表示形態とするようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、特別機能キー10が押圧操作された際に、使用する可能性のある機能として予め設定された機能の記憶内容を参照し(s131,s132)、この記憶内容に基づいて機能選択画面を構成して表示装置6に表示する(s133,s134)。
この処理によって複写機30の表示装置6に表示される機能選択画面は、その複写機30において使用される可能性のある機能に係る選択キーのみによって構成され、使用される可能性のない機能に係る選択キーは表示されないため、複写動作において使用する機能の選択処理を簡略化することができる。
なお、上記の処理では、予め設定された内容に基づいて機能選択画面の表示内容を構成するようにしたが、予め設定された内容に基づいて各機能に係る条件設定画面の表示形態を変更するようにしてもよい。また、使用する可能性のない機能についての設定内容をオペレータ毎に記憶しておき、複写機30を操作するオペレータに応じて機能選択画面等の表示内容を変更することもできる。この場合に、複写動作の割込処理時に、通常の表示状態に復元したり、割込処理を行うオペレータに応じて機能選択画面等の表示内容を変更することもできる。
また、表示装置6における表示形態を、予め設定された内容や使用状況等に応じて変更する場合に、各表示形態の使用履歴を記憶しておき、この使用履歴に基づいて表示装置6における表示形態をさらに変更するようにしてもよい。例えば、図48に示すように、表示装置6における表示形態毎に、その表示形態の設定日時、設定者及び利用回数等を記憶しておき、この記憶内容に基づいて今回の表示装置6における表示形態を決定する。
例えば、設定日時と利用回数とから各表示形態について単位期間当たりの利用回数を利用頻度として求めることができ、最後に設定された表示形態の利用頻度が他の表示形態の利用頻度に比較して少ない場合に、表示装置6の表示形態を利用頻度の高い表示形態に戻すことが考えられる。また、現在設定されている表示形態の設定者が今回の複写動作に係るオペレータと異なる場合であって、今回の複写動作に係るオペレータが過去に設定した表示形態が記憶さている場合には、今回の表示装置6における表示形態をそのオペレータが設定した表示形態に変更することが考えられる。
図49は、上記複写機の制御部の第12の処理手順の一部を示すフローチャートである。図49に示す処理は、複写機30が有する複数の機能の内容を複写機30が複写動作を実行している間にオペレータに案内する表示を行うようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、複写動作が開始されると予め記憶している各機能の案内メッセージを読み出して、例えば、図50に示すように表示装置6に表示する(s141〜s144)。CPU401は、上記s142,s143の処理を複写動作が終了するまで継続して行い(s144,s145)、複数の機能のそれぞれの案内メッセージを順次表示する。 この処理により、オペレータが複写機30の近傍に存在する可能性が高い複写動作中において、複写機30が有する複数の機能のそれぞれの内容をオペレータに認識させることができ、後の複写作業において複写機30が有する機能が有効に活用されるようにすることができる。
なお、各機能の案内メッセージを表示するタイミングは、オペレータが表示装置6の表示内容にしたがって機能の選択や条件の設定のための操作を行っている時に、表示装置6の一部のエリアにおいて行うことができ、今回の複写動作においてオペレータが選択した機能以外の機能についてのみ案内メッセージを表示するようにしてもよい。また、図51に示すように、複写機30が有する各機能についての使用回数を記憶しておき、使用回数の多い機能、又は、使用回数が少ない機能から順に案内メッセージを表示するようにしもよい。
また、オペレータが複写動作の開始前において機能の選択を行っている間に、オペレータが選択した機能についての案内メッセージを表示するようにしてもよい。さらに、オペレータが選択していない機能についての案内メッセージを表示する際に、図52に示すように、案内メッセージの表示エリア181内に、より詳細な案内情報の表示の指示を受け付ける詳細確認キー182、及び、その機能の選択を受け付ける採用キー183を表示し、それぞれのキーの押圧操作により、より詳細な案内情報を表示したり、その機能に係る条件設定画面を表示するようにしもよい。
さらに、オペレータによる機能の選択の有無に拘らず、複写機30が有する全ての機能について案内メッセージを表示する場合には、その案内メッセージが既に選択されている機能に関するものであるか、又は、選択されていない機能に関するものであるかをオペレータが識別できるようにし、案内メッセージの内容に基づいて必要な機能のみを正確に選択したか否かを確認できるようにしてもよい。
加えて、複写動作を実行中に各機能の案内メッセージを表示する場合には、図53に示すように、現在実行中の複写動作に対して割込処理が可能な機能についての案内メッセージを表示するようにしてもよい。また、図54に示すように、複写動作中に操作パネル75上に設けられている割込キー16が操作された際に、実行中の複写動作に対して割込処理が可能な機能を一覧表示するようにしてもよい。この場合に、案内メッセージを表示中の表示装置6において何れかの機能を選択できるようにすることが考えられ、何れかの機能が選択された時に、実行中の複写動作を中止するようにしてもよい。
また、複写機30が複数の処理を並行して実行できる場合に、何れかの処理に係る動作の実行中に、自動的に、又は、オペレータの指示に基づいて、並行して実行可能な他の処理を図55に表示することもできる。例えば、複写機30は、原稿から読み取った画像を複写する処理だけでなく、ファクシミリ装置又はプリンタ装置としても機能する。したがって、原稿の画像の読取処理を含む複写動作を実行中においては、外部装置からのファクシミリ画像やプリントデータの受信処理等の画像読取処理及び画像形成処理を含まない処理を並行して行うことができる。また、例えば、読取処理が終了した原稿の画像についてのマルチコピー時には、次の複写動作に係る原稿の画像の読取処理や外部装置に送信すべき画像の読取処理等の画像読取処理を含む処理を並行して行うことができる。そこで、何れかの処理に係る動作を実行中の複写機30において並行して実行可能な他の処理を案内表示するようにし、複数の処理を素早く完了することができる。
なお、オペレータによる並行して実行可能な処理の案内表示の指示は、例えば、操作パネル75に設置されている割込キー16の押圧操作によるものとすることができる。このように、オペレータの指示に基づいて変更して実行可能な処理を案内表示することにより、並行処理を所望するオペレータに対して並行して実行可能な処理を確実に認識させることができ、実行中の動作が不要に中断することがない。
図56は、上記複写機の制御部の第13の処理手順の一部を示すフローチャートである。図56に示す処理は、複写機30が有する何れかの機能において、その機能を実行するために複数の条件が設定される必要がある場合に、条件設定画面において表示した複数の条件のうち、設定すべき条件を順次視覚的にオペレータに認識させる誘導表示を行うようにしたものである。このため、複写機30のメイン画像処理ボード400に搭載されたCPU401は、表示装置6に表示している機能選択画面において何れかの機能に係る選択キーが押圧操作されると、選択キーが操作された機能に係る条件設定画面を表示し(s151,s152)、予め決定されている操作順序にしたがって、最初に設定すべき条件から順に条件設定画面における各条件の表示位置を点滅表示し、点滅表示している表示位置に表示している条件の設定入力を受け付ける(s153〜157)。
例えば、複写機30にファクシミリ機能における送信時刻設定機能を実行させるためには、送信曜日及び送信時刻の2つの条件を設定する必要がある。このため、CPU401は、操作パネル75においてファクシミリモードキー20が押圧操作されて表示装置6に図57に示すファクシミリモードの基本画面を表示している間に特別機能キー10が押圧操作されると、図58に示すファクシミリモードの機能選択画面を表示装置6に表示する。CPU401は、この機能選択画面において時刻設定機能の選択キーが押圧操作されると、図59に示す条件設定画面を表示して送信曜日及び送信時刻の2つの条件の設定入力を受け付ける。このとき、時刻設定機能の条件設定画面における操作順序として、送信曜日→送信時刻→OKキーの順に操作すべきことが予め決定されているとすると、CPU401は、先ず、図59に示す表示エリア1を点滅表示し、送信曜日の設定操作を待機する。次いで、オペレータが送信曜日の設定操作を完了すると、CPU401は図59に示す表示エリア2を点滅表示し、送信時刻の設定操作を待機する。さらに、オペレータが送信時刻の設定操作を完了すると、CPU401は図59に示す表示エリア3を点滅表示し、OKキーの操作を待機する。
このようにして、条件設定画面においてオペレータが設定操作すべき複数の条件を同時に表示する場合に、予め決定されている操作順序にしたがってオペレータが次に設定操作すべき表示位置をその他の部分の表示状態と異なる表示状態で表示することにより、次に操作すべき条件をオペレータに視覚的に誘導することができ、オペレータが条件の設定操作に習熟していない場合でも、複数の条件についての設定操作を所定の順序で正確かつ迅速に行わせることができる。
なお、CPU401は、例えば、条件設定画面を表示した後にオペレータが何れかの表示位置を押圧操作することなく所定時間が経過したか否か等によってオペレータの習熟度を判別し、オペレータがその機能についての設定操作に習熟していないと判断した場合にのみ、s153〜s157の処理による誘導表示を行うようにしてもよい。
また、表示装置6において次に操作すべき表示位置を他の部分と異なる表示状態で表示する誘導表示方法は、少なくとも1回の点滅表示に限るものではなく、次に操作すべき表示位置のみを反転表示等するようにしてもよい。
さらに、複数の条件についての設定操作の順序が必ずしも一義的でない場合に、オペレータが表示操作6において誘導表示をしている表示エリア以外の部分を押圧操作して他の条件を設定した際には、オペレータが条件の設定操作について認識していると判断して後の誘導表示を行わないようにしてもよい。