JP2004354372A - 膜厚計測装置搭載の光学薄膜形成用装置及び光学薄膜の成膜方法 - Google Patents

膜厚計測装置搭載の光学薄膜形成用装置及び光学薄膜の成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のNBPFの製造工程におけるNBPF作成時の膜厚制御法とNBPF作成後の評価法が異なるための問題点を解決する。
【解決手段】 所望の光学特性を得るための膜設計に基づき、各層の種々の膜厚における分光特性を理論値として予め計算し、前記理論値と成膜時における分光特性の実測値とを逐次比較し膜厚制御を行うために、成膜基板に投光する測定光を波長掃引し、成膜基板の分光特性を実測する。具体的には、成膜基板に投光する測定光を波長掃引する波長可変レーザーを、成膜基板を透過または反射した光を受光し、波長可変レーザーの波長掃引に同期して受光した光を光電変換し出力する分光特性測定用受光器と、分光特性測定用受光器の出力に同期して成膜基板の透過率または反射率を計測し出力する光パワーメータと、光パワーメータの出力する透過率または反射率から成膜基板の分光特性を読込み、前記理論値との比較を行う。又、単色測定法と分光特性法とを択一的に選択する手法も提供している。
【選択図】 図14

Description

本発明は光学薄膜形成用装置に搭載する光学膜厚計測装置に関するものであり、光学薄膜作成後の光学特性評価に使用されていた分光特性測定法を、膜厚制御法に導入し、高精度の光学膜厚計測装置を実現するものである。
高密度波長分割多重伝送方式(以下DWDMと記す)に於いて、波長の多重化及び多重化された光信号の分波には光合分波器が用いられるが、光合分波器内部で使用される誘電体多層膜構造の狭帯域バンド・パス・フィルタ(以下NBPFと称す。)に要求される透過帯域幅、平坦度、透過損失、隣接波長との抑圧比等の光学的仕様は、光通信の高速・大容量化実現のために厳しい値となっている。図1及び表1に50GHz(国際電気通信連合:ITUで規定された波長間隔)用NBPFに要求される光学的仕様の一例を示す。透過帯域内の透過損失は1.0dB以下、透過帯域内の平坦度は0.4dB以下が要求され、波形の矩形特性では0.5dB帯域幅:0.25nm以上、且つ25dB帯域幅:0.6nm以下が要求されている。
Figure 2004354372
前記NBPFは光の干渉を利用した光学薄膜の応用製品のひとつであり、その構造は高・低屈折率誘電体物質を交互に堆積し、層界面からの多重反射を利用して所望のフィルタリング特性を得るものである。図2はNBPFの基本構造であるが、透過波長:λに対して各層の光学膜厚がλ/4、すなわち高屈折率物質(29)と低屈折率物質(30)のペアでλ/2となるよう多層化することにより、層界面からの反射光が同相で加算されて反射帯層(31)となる。反射帯層(31)は2つ存在し、間に光学膜厚がλ/2の整数倍となるスペーサ層(32)を配置して対向させるファブリペロー構造のフィルタとなりキャビティ(33)を形成する。NBPFでは前記光学的仕様を満たすために、ファブリペロー構造のフィルタを結合層(34)を介して複数段接続したマルチキャビティー構造とし、その積層数は100層以上の多層構造となる。更に、各層の光学膜厚は0.01%以下の精度で制御しなければ、前記した光学的仕様を満足することが出来ない。
次に各層の光学膜厚制御方法について述べる。屈折率:nの透明基板上に屈折率:nの薄膜を厚さ:d堆積させ、空気中または真空中で波長:λの光を入射した際、エネルギー反射率:Rは
Figure 2004354372
で表される。図3は透明基板の屈折率を1.52とした時の光学膜厚:n・dと反射率:Rの関係を示したものである。光の干渉に伴いn<nの場合エネルギー反射率:Rは増加し、n>nの時は反対に減少するが、n・d=λ/4で共に極値となる。このように、光学膜厚:n・dがλ/4の整数倍となる毎にエネルギー反射率(透過率):Rは極値となる。NBPF製造に於ける各層の膜厚制御は、この極値で行われる。
図4に従来の光学膜厚計測装置を具えたNBPF用真空成膜装置の構成図を示す。真空容器(1)は図示していない油拡散ポンプやクライオポンプ等の真空ポンプにより1×10-5Pa台まで排気される。基板ドーム(5)中心に取り付けられた成膜基板(6)は、基板内膜厚分布の均一化を図るため、図示していない高速回転機構により基板ドーム(5)と共に1000rpmで回転し、基板加熱用シースヒーター(7)及びハロゲンヒーター(21)により加熱される。また、成膜基板(6)の温度は放射型温度計(17)を用いて測定し、実測データは温度調節器(18)に入力され、温度調節器(18)は、予め設定された温度と実測温度を比較・演算し、その結果を基に、成膜基板(6)が電子ビームからの輻射熱やプラズマ発生時の熱を受けても基板温度が常に一定となるようハロゲンヒーター用電力調整器(19)を制御する(特2002-229025号)。
光学薄膜である誘電体膜の成膜には電子ビーム蒸発源(2)が用いられる。その際、高周波電源(22)より出力される高周波電力(周波数:13.56MHz)を直接基板ドーム(5)に印加すると、基板ドーム(5)と蒸発源(2)との空間にグロー放電が発生しプラズマ状態になり、基板ドーム(5)に取り付けられた成膜基板(6)表面には自己誘起された負の直流電界が生じ、その高いエネルギーで高充填密度な薄膜が形成される(特開2001-73136号)。
マッチングボックス(23)は高周波電源(22)の出力インピーダンスと負荷である基板ドーム(5)を含む放電機構のインピーダンスの整合をとるものである。水晶膜厚センサ(4)は蒸発速度を検出し、図示していないが電子ビーム蒸発源コントローラに検出信号をフィードバックし成膜速度を一定に制御している。光学膜厚計測装置はレーザ光源(11)、光ファイバ(13)、出射筒(14)単色測光用受光器(15)及びコントローラ(10)部で主に構成されている。レーザ光源(11)から出射されたレーザ光(単色光)は、デポラライザー(12)、光ファイバ(13)、出射筒(14)、下部覗き窓(8)を介して成膜基板(6)、上部覗き窓(9)を透過し、単色測光用受光器(15)に入射する。成膜基板(6)上に堆積した光学薄膜の膜厚により変化した透過光量は単色測光用受光器(15)で電気信号に光電変換される。コントローラ(10)は光電変換された電気信号を演算処理し、透過率がλ/4の極値に達した際、シャッタ(3)を閉にし、成膜を終了させ、順次誘電体物質を積層していく。
図5は成膜基板(6)の詳細図である。成膜基板(6)裏面には、入射光と反射光による干渉を低減するための反射防止膜(36)が形成されており、また、レーザ光が成膜基板(6)表面に入射する点を基準点(37)とし成膜基板(6)裏面で反射したレーザ光が成膜基板(6)表面に戻る点を反射点(38)として、基準点(37)と反射点(38)の距離がレーザ光の波長よりも長くなるよう成膜基板(6)裏面側に傾斜を持たせ、成膜基板(6)裏面での反射光が入射光路上に戻るのを防いでいる(特願2002-229025号)。
NBPFの製造工程では前記NBPF用真空成膜装置を用いての全層成膜終了後、成膜基板を大気中に取り出し、光スペクトルアナライザー等を用いた分光特性測定法により図1及び表1に示した光学的仕様を満たしているかを測定・評価する。前記した単色測光法による光学膜厚計測装置を用いて高精度の膜厚制御を行った場合でも、種々の測定誤差の累積、成膜中の諸条件(真空度、成膜速度、基板温度等)の変動によりNBPFの分光特性が悪化し、図1及び表1に示した光学的仕様が得られないことがあり、この場合10〜20時間に及ぶ成膜工程が全て無駄となる製造上の大きな問題を抱えている。
図6を用いてこの問題を説明する。単色測光法による従来の膜厚制御は、NBPFの中心波長、図6では1550.0nmで膜厚監視していることに相当する。仮に、基板上に成膜されたNBPFの分光特性結果が、図6に示した実線(47)のように正常な分光特性であれば問題無いが、点線(48)で示したように分光特性に異常があった場合、1550.0nmの波長だけで膜厚監視している従来の単色測光法では、異常を判別する事は不可能である。更に、単色測光法による膜厚制御は、膜厚:n・dがλ/4の整数倍となる毎に透過率が極値となることを利用するものであり、透過率の変化を監視しているため、透過率の変化量が小さい層では極値検出に誤差が生じ易く、結果的にNBPFの光学的特性が悪化するという問題がある。問題解決のため本出願人はレーザ光源の出力を可変し、透過率の変化量が小さい層ではレーザ光の強度を増大して透過光量の変化を拡大し、極値検出による膜厚制御の精度を向上させている(特願2003-282837号)。
図19にNBPFにおける各層の透過率変化をシミュレーションした結果を示す。図は横軸に層番号を、縦軸に透過率を示す。層番号は、ガラス基板から数えて何層目であるかを示し、層番号1〜15,17〜31,33〜47,49〜63は反射帯層を、層番号16,48はスペーサ層を、層番号32は結合層を示している。特願2003-282837号に示す方法は、スペーサ層のように透過率が低い層を成膜する場合には有効であるが、結合層のように透過率が高く透過光量がもともと大きい層を成膜する場合、レーザ光源の出力増大による透過光量の変化拡大に限界があり、精度良く極値検出を行うことが困難であった。
従来のNBPFの製造工程では、NBPF作成時の膜厚制御法とNBPF作成後の評価法が異なるため、上記問題点が発生した。本発明は、NBPF作成時の膜厚制御法にNBPF作成後の評価法である分光特性測定法を導入することにより、単色測光法では判別不能であったNBPFの分光特性を成膜中常時測定し、NBPFの分光特性の変化から膜厚制御を行う、新方式の光学膜厚計測装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するための第1の手段は、所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性の理論値を記憶し、分光特性理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し膜厚制御を行うために、薄膜試料に投光する実測光を波長掃引し、薄膜試料の分光特性を実測することを特徴とする。具体的には、薄膜試料に投光する実測光を波長掃引する波長可変レーザと、薄膜試料を透過または反射した光を受光し、受光した光を光電変換して薄膜試料の分光特性を実測する光パワーメータと、光パワーメータの出力する薄膜試料の分光特性を読込み前記理論値との比較を行うコンピュータと、コンピュータの比較結果に応じて成膜を制御する制御手段とを備えていればよい。成膜は実測値が理論値の目標範囲内となった時点で終了させる。分光特性の理論値の計算式を以下に示す。
NBPFの分光特性の理論値は四端子行列の積から求めることが可能であり、
NBPFの各層は四端子行列
Figure 2004354372
で表される。Nは複素屈折率、dは薄膜の厚さ、θは薄膜への光の入射角を表す。
また、多層膜は各層に対する四端子行列の積として表されるから
Figure 2004354372
となり、多層膜の振幅透過率:τ及びエネルギー透過率:Tは四端子行列の要素と媒質の屈折率:N及び基板の屈折率Nから
Figure 2004354372
と表され、波長に対する透過率をプロットすると分光特性が得られる。
前記目的を達成するための第2の手段は、所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性の理論値を記憶し、前記分光特性理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し膜厚制御を行うために、薄膜試料に広帯域多波長の光を投光し、薄膜試料を透過または反射した光を波長掃引し、薄膜試料の分光特性を実測することを特徴とする。具体的には、薄膜試料に広帯域多波長の光を投光する広帯域光源と、薄膜試料を透過または反射した光を受光し、薄膜試料の分光特性を計測する光スペクトルアナライザーと、光スペクトルアナライザーの出力する薄膜試料の分光特性を読込み、前記理論値との比較を行うコンピュータと、コンピュータの比較結果に応じて成膜を制御する制御手段とを備えていればよい。成膜は実測値が理論値の目標範囲内となった時点で終了させる。
更に、前記第1及び第2の手段に、成膜基板に単色光を投光し成膜基板の透過率あるいは反射率の変化から光学薄膜の膜厚を制御する単色測光による膜厚制御手段と、分光特性測定による膜厚制御と単色測光による膜厚制御とを切り替える手段とを設け、成膜中に分光特性測定法と単色測光法を適宜選択した膜厚制御を行うことを特徴とする。
本発明で、光学薄膜の膜厚制御法に分光特性測定法を導入することにより、単色測光法のみの膜厚制御法では判別不能であった光学薄膜の分光特性を成膜中常時測定することが可能となり、高精度の成膜を行うことが可能となった。
実施例の構成の説明
図9〜12に、第1と第2のキャビティとからなる2キャビティNBPFを題材とし、2キャビティ目の結合層、スペーサ層、反射帯層における光学膜厚の分光特性をシミュレーションした結果を示す。図中aからeは、各層の成膜開始時を光学膜厚0として、光学膜厚が0、λ/16、λ/12、λ/8、λ/4と変化する様子を示す。シミュレーションは、高屈折率物質にTaを、低屈折物質にSiOを用い、中心波長をλ=1550.00nmとして、TaとSiOの光学膜厚λ/4をそれぞれH,Lとすると、基板/{[HL]H8LH[LH]}L{[HL]H8LH[LH]}で表わされる膜構成のNBPFを想定している。屈折率は、図4に示したNBPF用真空成膜装置を用いて光学薄膜材料であるTa及びSiOをそれぞれ単層成膜した結果より算出した。
図9は結合層の分光特性を、図10はスペーサ層の分光特性を、図11はスペーサ層直後の反射帯層第1層目の分光特性を、図12は反射帯層最終層の分光特性をシミュレーションした結果である。図9は、ガラス基板上に形成された反射帯層(31)、スペーサ層(32)及び反射帯層(31)とからなる第1のキャビティ(33)上に結合層を成膜していくとき、その第1のキャビティ(33)と結合層からなるサブアッセンブリAの透過損失が結合層膜の成長につれて変化する様子を示す。結合層膜がないとき(膜厚が0)、その透過損失は曲線aであり、結合層膜厚がλ/16、λ/12、λ/8、λ/4となるにつれて透過損失はb、c、d、及びeと変化する。その際、膜厚が0のときの透過損失曲線aのピークと膜厚がλ/4(つまりターゲット膜厚)のときの透過損失曲線のピークはともに中心波長の1550.0nmであるが、途中の膜厚では透過損失曲線のピークが中心波長の1550.0nmからずれている。
図10は、第1のキャビティと結合層とからなる上述のサブアッセンブリA上に反射帯(31)を形成した後、その反射帯層(31)上に更にスペーサ層(即ち第2のキャビティのスペーサ層)を成膜していくとき、サブアッセンブリA、反射帯層及びスペーサ層からなるサブアッセンブリBの透過損失がスペーサ層膜の成長につれて変化する様子を示す。この場合、透過損失曲線a、b、c、d、eはいすれも波長1550.0nmでピークを有する。
図11は上述のサブアッセンブリB上に反射帯層の第1層目(即ち、第2キャビティにおけるスペーサ上の反射帯層の第1層目)を成膜する際の、サブアッセンブリBと反射帯第1層とからなるサブアッセンブリCの透過損失特性を示す。図10と同様、曲線a、b、c、d、eはいずれも波長1550.0nmでピークを有する。
図12は、上述のサブアッセンブリCに反射帯の層を重ねた後に反射帯の最後の層(即ち、2キャビティNBPFアッセンブリの最終層)を成膜する際のNBPFアッセンブリの透過損失特性を示す。図9と同様、膜の成長につれて透過損失曲線のピークが変化している。
図9〜12には特定層の特定膜厚における分光特性のみを一例として示したが、任意の層における任意の膜厚の分光特性がシミュレーション可能である。例えば図13は、172層構造を有するNBPFの分光特性をシミュレーションした結果である。
本発明は、光学薄膜形成用装置に分光特性測定装置を搭載し、成膜過程に於ける分光特性の変化を常時測定し、得られた測定データとシミュレーション結果を逐次比較しながら膜厚を制御するものである。成膜は、シミュレーション結果を基に分光特性の目標範囲を予め設定し、実測データが目標範囲内となった時点で終了させる。図9〜12に示す場合であれば、透過損失曲線eとなるように制御すればよい。図9〜12を参照すると、図10及び図11に見られるように膜成長の過程において透過損失曲線のピークが一定である層と、図9及び図12に見られるようにピークが変化する層とがある。膜成長の過程において透過損失曲線のピークが変化する層では分光特性の変化を観察し易いため、分光特性測定法は、透過損失曲線のピークが変化する層で特に有効である。
図7及び図8に分光特性測定装置の概略図を示す。図7は、光源に波長可変レーザ(39)を用い受光側に光パワーメータ(40)を用いた、光源側で波長掃引する方式である。図8は、光源に広帯域光源(45)を用い受光側に光スペクトルアナライザー(46)を用いた、受光側で波長掃引する方式である。両方式ともNBPFの分光特性の測定が可能である。図中(43)は測定基板を、(42)は受光側コリメーターを、(44)は投光側コリメーターを示す。
以下、本発明の第1の構成形態について説明する。第1の構成形態では、成膜時における基板の分光特性を光源側で波長掃引を行うことにより測定する。図14は、図7に示した分光特性測定装置を図4に示したNBPF用真空成膜装置に搭載した際の概略図である。従来装置と同様のものには同一符号を付し説明を省略する。図中(11)は波長掃引を行う波長可変レーザを示し、(49)は光雑音を除去する外乱光カットフィルタ、(27)は波長可変レーザの波長掃引に同期して成膜基板(6)の透過率を測定する光パワーメータを示す。外乱光カットフィルタ(49)はプラズマ生成に伴う発光や電子ビーム蒸着時に発生する光、ハロゲンヒーター(21)が発する光が光雑音として分光特性測定用受光器(25)に入射するのを防いでいる。外乱光カットフィルタ(49)には、例えば高屈折率物質と低屈折率物質とを交互に積層したバンド・パス・フィルタを用いることにより、受光器に入射する測定波長近傍の光を低減化することが可能となる。
図15に分光特性測定時のフローチャートを示す。分光特性測定時、波長可変レーザ(11)は波長掃引を繰り返す為、掃引波長範囲、掃引波長間隔の初期設定を行う必要がある(S1)。掃引波長範囲をλ〜λ(λ<λ)、掃引波長間隔をΔλとすると、波長可変レーザ(11)はλ、λ+Δλ、λ+2Δλ、λ+3Δλ、…λの波長を繰り返し出射する。
分光特性測定開始時、波長可変レーザ(11)は波長λの光を出射する(S2)。出射された光は、成膜基板を透過し、半透明鏡(26)で反射し、外乱光カットフィルタ(49)を介して分光特性測定用受光器(25)に入射する。分光特性測定用受光器(25)は受光した光を電気信号に光電変換し、光パワーメータ(27)に出力する。光パワーメータ(27)は受光器に入射する光の輝度の差を記録して波長λにおける成膜基板(6)の透過率測定し(S3)、コンピュータ(28)に出力する。コンピュータ(28)は光パワーメータ(27)の測定データの読込みを行う(S4)。次に波長可変レーザ(11)は波長λ+Δλの光を出射し(S2)同様に波長λ+Δλにおける成膜基板(6)の透過率の測定(S3)及びデータの読込み(S4)を行う。同様に、波長可変レーザ(11)は波長λになるまで間隔Δλで波長を連続的に変化させ、コンピュータ(28)は各波長における透過率データの読込みを行う。λからλまでの波長掃引を終了すると、波長可変レーザ(11)は再び波長λ1の光を成膜基板(6)に出射し、(S2)から(S4)を繰り返す。同時に、コンピュータ(28)は、分光特性の実測値とシミュレーション結果とを比較し(S5)、比較結果をシャッタ(3)を制御するコントローラ(10)にフィードバックする。分光特性の実測値がシミュレーション結果の目標範囲内となった時点で、コントローラ(10)はシャッタを閉じて成膜を終了させる。目標範囲は仕様により異なるため、目的に合わせて設定すればよい。掃引波長範囲、掃引波長間隔の設定値は自由であるが、本実施例では、波長範囲:数nm,波長間隔:0.01nmの波長掃引を1秒以下の速度で繰り返すものとする。上記実施例では、短波長から長波長へ連続的に波長掃引を行ったが、波長掃引は長波長から短波長へ移行させても、ランダムに変化させてもよい。
同図に示す装置では、従来の単色測光法による膜厚制御も可能にするため、単色測光用受光器(15)と分光特性測定用受光器(25)の双方を設け、波長可変レーザ(11)は兼用とした。更に、光軸に対して角度:45°の位置に半透明鏡(26)を配置し、成膜基板(6)を透過した測定光が、一方は単色測光用受光器(15)に入射し、もう一方は外乱光カットフィルタ(49)を介して分光特性測定用受光器(25)に入射する構成とした。単色測光時、波長可変レーザ(11)の出射する測定光は単一波長に固定され、単色測光用受光器(15)に入射する単色光の透過率をコントローラ(10)が測定し、膜厚制御を行う。各層の膜厚制御は、従来の単色測光法と分光特性測定法を、切り替え手段を用いて適宜選択するものとする。
第1の構成形態において、単色測光用受光器(15)を省略し、分光特性測光用受光器(25)のみで単色測光法と分光特性測定法との切り替えを行ってもよい。この場合、分光特性測定時の動作は前記説明と同様である。単色測光時、波長可変レーザ(11)は測定光を単一波長に固定し、光パワーメータ(27)は単色光の透過率を測定し、単色測光法により膜厚制御を行う。膜厚制御は、単色測光法と分光特性測定法の双方を適宜選択して行っても、分光特性測光法のみで行ってもよい。また分光特性測定時、コンピュータ(28)が特定の波長の透過率変化をプロットすることにより単色測光法と分光特性測定法の同時測光も可能である。
次に本発明の第2の構成形態について説明する。第2の構成形態では、広帯域光源を用い成膜時における基板の分光特性を受光側で波長掃引を行うことにより測定する。具体的には、図8に示す分光特性測定装置を図4に示すNBPF用真空成膜装置に搭載するものである。第2の構成形態では、光源に広帯域光源(45)を用い受光側に光スペクトルアナライザー(46)を用いることを特徴とする。光スペクトルアナライザー(46)は、成膜基板(6)を透過した広帯域多波長の光を波長掃引し、成膜基板(6)の分光特性を測定する。単色測光法を採用する場合は、光スペクトルアナライザー(46)は、単一波長の透過率のみを測定する。膜厚制御は、単色測光法と分光特性測定法の双方を適宜選択して行っても、分光特性測定法のみで行っても単色測光法と分光特性測定法を同時に行ってもよい。
上記構成形態では、図4に示す成膜装置に分光特性測定装置を搭載したが、分光特性測定装置を搭載する成膜装置は図4に示す装置に限られるものではない。しかし、本出願人の先の発明である、位相特性及び偏光特性を変化させて干渉性を弱めたレーザ光を成膜基板に投光する手段と、成膜基板への入射光と基板裏面からの反射光との干渉防止手段と、成膜基板の温度を一定に保つための温度制御手段とを備えた成膜装置(特願2002-229025号)に本発明分光特性測定装置を搭載することにより、光量変動を抑止し、より高精度な成膜を行うことが可能となる。
本発明により実測光を波長掃引して成膜工程中に薄膜試料の分光特性を測定する方法を採用することにより、薄膜試料の成膜中単色測光法と分光特性測定法を任意に選択することが可能となり、膜厚制御の精度を著しく向上させることが可能となった。単色測光法と分光特性測定法の選択は諸条件に合わせて自由に組み合わせ可能であるが、高精度のNBPFを成膜するための1つの提案として以下の組み合わせが考えられる。
説明は、2キャビティNBPFを題材とする。図19に示すNBPFにおける各層の透過率の変化を参照すると、ガラス基板への成膜開始後の反射帯層では透過率の変化が大きく極値検出を高精度に行うことが可能であるため、単色測光法を採用する。反射帯層の積層後透過率の変化量が小さくなるが、透過率が低いため、特願2003-282837号に示す方法を採用し、レーザ光の出力を増大させて単色測光法により膜厚制御を行う。同様に、1キャビティ目の反射帯層、スペーサ層、反射帯層における成膜は単色測光法を採用し、透過率の変化量が小さい層ではレーザ光源の出力を増大させて変化を拡大し膜厚制御を行う。
次に、1キャビティ成膜後の結合層では、図19に示すように透過率の変化量が小さくかつ透過率が高いためレーザ光源の出力制御により膜厚精度を向上させることが困難である。図9より、結合層では膜厚が変化するにつれて透過損失曲線のピーク波長が変化するため分光特性法による膜厚制御が容易であり結合層の成膜では分光特性測定法を採用する。これにより、単色測光法のみを採用した膜厚制御ではその精度に限界のあった結合層の膜厚制御が、分光特性測定法を採用することにより、高精度の膜厚制御が可能となったことがわかる。
2キャビティ目の反射帯層では再び透過率の変化量が大きくなるため、単色測光法を採用する。その後透過率の変化量が小さくなるが、前記同様にレーザ光源の出力制御を行いながら膜厚制御を行うことで2キャビティ目の反射帯層、スペーサ層、反射帯層においても単色測光法を採用する。しかし、2キャビティ目最終層では分光特性測定法を採用する。これは、最終層の特性がNBPFの最終的フィルタ特性を意味するためであり、最終層で中心波長のみを監視していると、図6に示すような欠陥を発見できないため、最終層では分光特性をチェックする必要があるためである。最終層では分光特性測定法を用い、分光特性が完成品であるNBPFフィルタ特性の規格を満たした時点で成膜を終了させる。あるいは2キャビティ目の最終層を単色測光法で完成させ、最終層まで成膜した2キャビティNBPFを所望のフィルタ特性に調整する補正膜を付加する際に、その補正膜の形成に分光特性によるチェックを行ってもよい。
上記のように、透過率の変化量が小さく、かつ透過率が高い層を成膜する際に分光特性測定法を用いて膜厚制御を行い、透過率の変化量が大きい層あるいは透過率の変化量が小さい層であっても透過率が低い層を成膜する際には単色測光法を用いればよい。
本発明により、従来透過率の変化量が小さくかつ透過率が高い層の膜厚制御では極値検出の誤差が生じ易く所望の光学特性を得ることが出来なかったという問題を、分光特性測定法と単色測光法を適宜選択して膜厚制御を行うことにより高精度の膜厚制御を行うことが可能となった。
実施例の作用・動作の説明
前記した実施例を基に単色測光法と分光特性測定法を併用し50GHz用5キャビティー構成のNBPFを作成した。作成したNBPFはTaとSiOの光学薄膜材料を用い、それらの光学膜厚はλ/4(λ:1550nm)で堆積・制御される。TaとSiOの光学膜厚をλ/4とし、それぞれをH,Lとすると膜構成は、基板/{[HL]H8LH[LH]}L{[HL]H8LH[LH]}L{[HL]H8LH[LH]}L{[HL]H8LH[LH]}L{[HL]H8LH[LH]}1.1837L 0.88899H1.54721L /大気の172層とした。
膜厚制御は、図9から12に示すシミュレーションで膜厚変化に対する中心波長の変化割合の大きかった、スペーサ層から最も離れた反射帯層で分光特性測定法を用い、その他の層では単色測光法を用いた。具体的には、172層目までは単色測光法を用いて成膜を行い、172層終了後分光特性測定法を用いて補正膜の形成を行った。成膜条件は温度調整器(18)の設定温度を400℃、真空容器(1)内の真空度は酸素ガスを導入にしてTa成膜時は2.5×10-2Pa,SiO成膜時は1.5×10-2Paに保持し、Ta及びSiOの成膜速度はそれぞれ0.4nm/sec,0.8nm/secとした。
図16の(51)に172層目終了後の分光特性測定結果を示す。透過損失は-1.2dB、平坦度は0.6dBであり、設計値(50)と大きなズレが生じ光学的仕様を満たしていないのが判る。図17の(52)は分光特性改善のため、分光特性測定法を用いてH材料による補正成膜を行った結果である。成膜中に於ける分光特性の変化とシミュレーションによる設計値とを逐次比較し、設計値(50)に最も近接した時点で成膜を終了させた。図16と比べて透過損失は25%改善され-0.9dBとなり平坦度も60%以上改善され0.2dBと光学的仕様を満足する良好な分光特性が得られているのが判る。
図18は成膜終了後、成膜基板(6)を大気中に取りだし、光スペクトルアナライザーを用いて分光特性を測定した結果である。図より-0.5dB幅:0.297nm、-25dB幅:0.53nm、平坦度:0.1dBであり、大気中においても光学的仕様を満たす良好な結果が得られた。
従来では光学的仕様を満たすことが出来ず失敗となる成膜が、本発明により光学的仕様を満たす事に成功した。上述の例では、172層完成後の補正膜の形成を分光特性のチェックで行ったが、172層の形成時に分光特性のチェックを行い、目標のフィルタ特性が得られるような172層目の膜の形成の制御を行うことも可能であった。
又、キャビティ間の結合層の形成時に分光特性による成膜の制御を行うことにより、更に精度の高いフィルタ特性のNBPFが得られた。特に、成膜中に中心波長(例えば1550.0nm)から透過損失曲線のピークがずれるようなケースについて、分光特性のチェックによる成膜を行うことで、より精度の高いNBPF完成品を得られた。
他の実施例の説明、他の用途への転用例の説明
上記実施例ではNBPFの作成について述べたが、本発明はNBPFの成膜に限られるものではなく、他の光学薄膜素子の成膜制御も可能である。また、上記実施例では透過率を測定したが反射率を測定してもよい。
NBPFの分光特性を示す図。 NPBFの膜構成を説明する図。 誘電体薄膜の光学膜厚と反射率の関係を示す図。 従来の光学膜厚計測装置搭載の成膜装置概略構成を示す図。 成膜基板の詳細を示す図。 単色測光法と分光特性測定法を説明する図。 分光特性測定装置を説明する図。 分光特性測定装置を説明する図。 シミュレーションによる2キャビティNBPF結合層の分光特性を示す図。 シミュレーションによる2キャビティNBPFスペーサ層の分光特性を示す図。 シミュレーションによる2キャビティNBPF反射帯層の分光特性を示す図。 シミュレーションによる2キャビティNBPF最終層の分光特性を示す図。 シミュレーションによる172層NBPFの分光特性を示す図。 本発明光学膜厚計測装置搭載の成膜装置概略構成を示す図。 本発明の分光特性測定時のフローチャートを示す図。 従来の光学膜厚計測装置を用いて実成膜を行った際のデータを示す図。 本発明の光学膜厚計測装置を用いて実成膜を行った際のデータを示す図。 本発明の光学膜厚計測装置を用いて実成膜を行った後、大気中で測定したデータを示す図。 NBPFにおける各層の透過率変化のシミュレーションを示す図。
符号の説明
1 真空容器
2 電子ビーム蒸発源
3 シャッタ
4 水晶センサ
5 基板ドーム
6 成膜基板
7 基板加熱用シースヒーター
8 下部覗き窓
9 上部覗き窓
10 コントローラ
11 波長可変レーザ
12 デポラライザー
13 光ファイバ
14 出射筒
15 単色測光用受光器
16 覗き窓
17 放射型温度計
18 温度調節器
19 ハロゲンヒーター用電力調整器
20 低圧導入電極
21 ハロゲンヒーター
22 高周波電源
23 マッチングボックス
24 高圧導入電極
25 分光特性測定用受光器
26 半透明鏡
27 光パワーメータ
28 コンピュータ
29 高屈折率物質
30 低屈折率物質
31 反射帯層
32 スペーサ層
33 キャビティ
34 結合層
35 基板
36 反射防止膜
37 基準点
38 反射点
39 波長可変レーザ
40 光パワーメータ
41 光ファイバ
42 受光側コリメーター
43 測定基板
44 投光側コリメーター
45 広帯域光源
46 光スペクトルアナライザー
47 正常時の分光特性
48 異常時の分光特性
49 外乱光カットフィルタ
50 50GHz用NBPFの設計値
51 単色測光法を用いた172層目終了時の分光特性
52 分光特性測定法を用いて補正成膜を行った後の分光特性

Claims (17)

  1. 薄膜形成用装置に搭載する光学膜厚計測装置に於いて、投光側の波長可変レーザ、薄膜形成中の分光特性を測定するための受光側の光パワーメータ、及び分光特性実測値と少なくとも目標膜厚値を含む膜厚に対する分光特性の理論値を逐次比較し膜厚制御を行うための信号を出力する手段を含むことを特徴とする光学膜厚計測装置。
  2. 薄膜形成用装置に搭載する光学膜厚計測装置に於いて、投光側の広帯域光源、薄膜形成中の分光特性を測定するための受光側の光スペクトルアナライザー、及び分光特性実測値と少なくとも目標膜厚値を含む膜厚に対する分光特性の理論値を逐次比較し膜厚制御を行うための信号を出力する手段を含むことを特徴とする光学膜厚計測装置。
  3. 所望の分光特性を有する光学膜膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性の理論値を記憶し、前記分光特性理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し、膜厚制御を行う光学薄膜形成用装置であって、
    薄膜試料に投光する実測光を波長掃引する波長可変レーザ、
    該薄膜試料を透過または反射した光を受光し、受光した光を光電変換して、該薄膜試料の分光特性を実測する光パワーメータ手段、
    該光パワーメータの出力する該薄膜試料の分光特性を読込み、前記理論値との比較を行うコンピュータ、及び
    該コンピュータの比較結果に応じて成膜を制御する制御手段とを備えることを特徴とする光学薄膜形成用装置。
  4. 前記波長可変レーザは、該実測光の波長を固定する手段と、該実測光の波長掃引と波長固定とを切り替える手段とを備え、
    前記光学薄膜形成用装置は、該薄膜試料を透過または反射した単色光を受光する単色測光用受光器と、該薄膜試料の透過率または反射率を計測し膜厚を実測するコントローラとを具備し、
    該波長可変レーザの単色光投光時、該単色測光用受光器と該コントローラとを用いて膜厚制御を行うことを特徴とする請求項3記載の光学薄膜形成用装置。
  5. 前記分光特性実測用受光器は、光の入射面に、高屈折率物質と低屈折率物質とを交互に積層した外乱光カットフィルタを設けていることを特徴とする請求項3及び4記載の光学薄膜形成用装置。
  6. 前記薄膜試料を透過又は反射した光の光路上に、光軸に対して所定角度をもって半透明鏡を配置し、光軸直線上と該半透明鏡による反射光路直線上の一方に単色測光用受光器を、他方に分光特性実測用受光器を設けることを特徴とする請求項4記載の光学薄膜形成用装置。
  7. 前記光学薄膜形成用装置は、薄膜試料温度を常に一定に保つための温度制御手段を備え、該薄膜試料は、裏面に反射防止膜を備えるとともに、裏面側に傾斜を持たせ該薄膜試料表面における干渉を防止する手段を備えたたことを特徴とする請求項3乃至6記載の光学薄膜形成用装置
  8. 前記光学薄膜形成用装置は、デポラライザーあるいは偏光解消板を透過させることによって非偏光状態とした該実測光を、更にレンズを透過させて集光することによって位相差を生じさせ、該薄膜試料へ投光することを特徴とする請求項7記載の光学薄膜形成用装置。
  9. 所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性の理論値を記憶し、前記分光特性理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し、膜厚制御を行う光学薄膜形成用装置であって、
    薄膜試料に広帯域多波長の光を投光する広帯域光源と、
    該薄膜試料を透過または反射した光を受光し、該薄膜試料の分光特性を計測する光スペクトルアナライザーと、
    該光スペクトルアナライザーの出力する該薄膜試料の分光特性を読込み、前記理論値との比較を行うコンピュータ、及び
    該コンピュータの比較結果に応じて、成膜を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする光学薄膜形成用装置。
  10. 前記コンピュータは、特定波長の透過率変化をプロットする手段を備え、
    単色測光への切り替えあるいは同時測光を行うことを特徴とする請求項3乃至9記載の光学薄膜形成用装置。
  11. 所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性の理論値を記憶し、前記理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し、膜厚制御を行う光学薄膜の成膜方法であって、
    薄膜試料に投光する実測光を波長掃引し、
    前記実測光の波長掃引に同期して各波長の透過率または反射率を計測し該薄膜試料の分光特性実測値を読込み、
    前記理論値と実測値とを比較し、及び
    比較結果に応じて、成膜条件の制御及び成膜の終了を行うことからなる光学薄膜の成膜方法。
  12. 前記光学薄膜の成膜方法は、前記実測光を位相特性及び偏光特性を変化させて干渉性を弱めた状態として該薄膜試料へ投光し、
    該薄膜試料における入射光と裏面からの反射光との干渉を防止し、
    該薄膜試料の温度を一定に保っていることを備えたことを特徴とする請求項11記載の光学薄膜の成膜方法。
  13. 所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性の理論値を記憶し、前記理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し、膜厚制御を行う光学薄膜の成膜方法であって、
    薄膜試料に広帯域多波長の光を投光し、
    該薄膜試料を透過または反射した光を波長掃引して、該薄膜試料の分光特性を計測し、
    該薄膜試料の分光特性実測値を読込み前記理論値と実測値とを比較し、及び
    比較結果に応じて、成膜条件の制御及び成膜の終了を行うことからなる光学薄膜の成膜方法。
  14. 光学薄膜の成膜時における膜厚制御方法において、
    所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚を含む膜厚における分光特性を理論値として記憶し、薄膜試料に投光する実測光を波長掃引して該薄膜試料の分光特性を実測し、前記理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較することにより光学薄膜の膜厚を制御する分光特性実測による膜厚制御手段と、
    該薄膜試料に単色光を投光し、該薄膜試料の透過率あるいは反射率の変化から光学薄膜の膜厚を制御する単色測光による膜厚制御手段と、
    成膜中に前記分光特性実測による膜厚制御と前記単色測光による膜厚制御とを切り替える手段とを設けたことを特徴とする請求項11乃至13記載の膜厚制御方法。
  15. 所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも膜厚目標値を含む膜厚における分光特性を理論値として記憶し、前記理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較し、光学薄膜の膜厚を制御するシステムであって、
    薄膜試料に投光する実測光を波長掃引する手段と、
    波長掃引に同期して該薄膜試料の透過率または反射率を実測する手段と、
    前記薄膜試料の透過率または反射率を実測値として読込み前記理論値と比較する手段、及び
    成膜の制御装置とからなり、
    該制御装置は、前記実測値が理論値の目標範囲内となった時点で成膜を終了させることを特徴とする光学薄膜の膜厚制御システム。
  16. 薄膜試料に単色光を投光し透過率または反射率の変化を監視し極値検出により膜厚制御を行う単色測光法と、
    所望の分光特性を有する光学薄膜の少なくとも目標膜厚値を含む膜厚における分光特性を理論値として記憶し、該薄膜試料に投光する実測光を波長掃引して該薄膜試料の分光特性を実測し、前記理論値と成膜中の分光特性の実測値とを逐次比較することにより光学薄膜の膜厚を制御する分光特性法とを択一的に選択し膜厚制御を行うNBPFの成膜方法であって、
    成膜中の透過率の変化量が大きい層あるいは、成膜中の透過率の変化量が小さくかつ透過率が低い層を成膜する際にレーザ光源の出力制御を行いながら前記単色測光法を用いて膜厚制御を行い、
    透過率の変化量が小さくかつ透過率が高い層を成膜する際に前記分光特性測定法を用いて膜厚制御を行うことを特徴とするNBPFの成膜方法。
  17. 反射帯層、スペーサ層、結合層より形成されるNBPFの成膜方法であって、
    反射帯層及びスペーサ層の成膜時には単色測光法を用いて膜厚制御を行い、
    結合層の成膜時及びNBPF製造の最終段階では分光特性測定法を用いて膜厚制御を行うことを特徴とするNBPFの成膜方法。
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