JP2004353551A - V型エンジン、船外機用エンジン - Google Patents

V型エンジン、船外機用エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP2004353551A
JP2004353551A JP2003151915A JP2003151915A JP2004353551A JP 2004353551 A JP2004353551 A JP 2004353551A JP 2003151915 A JP2003151915 A JP 2003151915A JP 2003151915 A JP2003151915 A JP 2003151915A JP 2004353551 A JP2004353551 A JP 2004353551A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sprocket
bank
timing
chain
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003151915A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahisa Kamiya
雅久 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2003151915A priority Critical patent/JP2004353551A/ja
Publication of JP2004353551A publication Critical patent/JP2004353551A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構成で、エンジンを大型化することなく、タイミングチェーン及びその関連部分を潤滑する。
【解決手段】シリンダブロック50の下面に設けられたカバー130の下部にジェットノズル160が設けられ、ジェットノズル160は、タイミングスプロケット46とタイミングチェーン35とのチェーン噛み合い部Z1と、リダクションベアリングホルダ165の締結ボス部166(1)とをほぼ結ぶ直線上に配置される。ジェットノズル160から噴射される噴射オイルOL1は、一部がチェーン噛み合い部Z1に供給されると共に、他の一部が締結ボス部166(1)で反射して、反射オイルOL2としてギヤ噛み合い部Z2に供給される。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、クランクシャフトの回転を伝達してドライブシャフト及びカムシャフトを駆動するようにしたV型エンジン、船外機用エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クランクシャフトの駆動力でドライブシャフトを駆動すると共に、タイミングチェーンを介してカムシャフトを駆動するようにした船外機用等のV型エンジンが知られている。このエンジンでは、通常、リダクションドライブギヤによってリダクションドリブンギヤが駆動され、リダクションドリブンギヤと同心で一体に回転するタイミングスプロケットに巻き掛けられたタイミングチェーンを介して、両バンクの動弁用カムシャフトに駆動力が伝達される。
【0003】
また、船外機のエンジンで、特にDOHC型のエンジンでは、吸気カムシャフトと一体に回転する第1、第2吸気カムスプロケットと、排気カムシャフトと一体に回転する第1、第2排気カムスプロケットとが設けられた船外機用エンジンも知られている。この船外機用エンジンでは、例えば、第1吸気カムスプロケットにタイミングチェーンが巻き掛けられ、第2吸気カムスプロケットと第1排気カムスプロケットとの間にカムチェーンが巻き掛けられ、さらに、第2排気カムスプロケットとオイルポンプスプロケットとの間にオイルポンプ用チェーンが巻き掛けられて、クランクシャフトの駆動力を用いてオイルポンプを駆動するようにしている。
【0004】
この船外機用エンジンでは、例えば、エンジン下部に、平面視において、第2排気カムスプロケットと第1吸気カムスプロケットとが隣接配置される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−306610号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記V型エンジンにおいては、タイミングスプロケットとタイミングチェーンとの噛み合い部には、タイミングチェーンの張力が作用し、リダクションドライブギヤとリダクションドリブンギヤとの噛み合い部には、タイミングチェーンの張力とクランクシャフトのトルク変動が作用する。特に、DOHC型のエンジンでは、4本のカムシャフトの駆動力がタイミングスプロケットにかかり、可変動弁機構が設けられる場合は、タイミングスプロケットにかかる力が一層増大する。
【0007】
そのため、上記両噛み合い部の摩耗が促進され、タイミングチェーンの延びや騒音増大等が懸念される。そこで、タイミングチェーンを2重構造にする等の対処案が考えられるが、そのようにすると、エンジン全長が長くなる。
【0008】
一方、上記特許文献1では、クランクスプロケットとタイミングチェーンとの噛合部位にオイルを供給する突出部をシリンダブロックに設けることで、同部位の潤滑を確保しているが、オイル供給用の突出部を、潤滑を要する部位毎に設けると、構成が複雑化し、エンジンの大型化につながるという問題がある。
【0009】
また、上記DOHC型の船外機用エンジンでは、隣接配置される第2排気カムスプロケットと第1吸気カムスプロケットとの干渉を回避するために、カムシャフトの軸心方向における両スプロケット同士の位置をずらすことが考えられるが、そのようにすると、エンジン全長が長くなる。また、吸気カムシャフトと排気カムシャフトの軸間を広げると、エンジンが大型化し、重量も増大する。
【0010】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その第1目的は、簡単な構成で、エンジンを大型化することなく、タイミングチェーン及びその関連部分を潤滑することができるV型エンジンを提供することにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、オイルポンプ駆動のための機構を設けつつ、エンジンの大型化を回避することができる船外機用エンジンを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項1のV型エンジンは、クランクシャフトの回転をリダクションドライブギヤを介してドライブシャフトに伝達するようにされたV型エンジンであって、前記ドライブシャフトと一体に回転し、前記リダクションドライブギヤによって回転駆動されるリダクションドリブンギヤと、前記リダクションドリブンギヤと一体に回転するタイミングスプロケットと、前記タイミングスプロケットに巻き掛けられ、カムシャフトを駆動するためのタイミングチェーンと、前記リダクションドライブギヤと前記リダクションドリブンギヤとのギヤ噛み合い部に近接している締結ボス部を有するリダクションベアリングホルダと、前記タイミングスプロケットと前記タイミングチェーンとのチェーン噛み合い部と前記リダクションベアリングホルダの前記締結ボス部とをほぼ結ぶ直線上に配置された、潤滑オイルの噴射口とを有することを特徴とする。
【0013】
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項5のV型エンジンは、クランクシャフトが鉛直方向を向くように配置され、カムシャフトの駆動機構部が下部に設けられたV型エンジンであって、ドライブシャフトと一体に回転するタイミングスプロケットと、第1バンク側のカムシャフトと一体に回転する第1バンク側カムスプロケットと、第2バンク側のカムシャフトと一体に回転する第2バンク側カムスプロケットと、前記タイミングスプロケット、前記第1バンク側カムスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間に巻き掛けられ、前記タイミングスプロケット及び前記第1バンク側カムスプロケット間が張り側、前記タイミングスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間が緩み側とされるタイミングチェーンとを有し、前記第1バンク側の下部に、張り側オイル落とし穴を設け、少なくとも前記第1バンク側のカムシャフトを潤滑した潤滑オイルが前記張り側オイル落とし穴から自由落下して前記第1バンク側カムスプロケットに当たるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項6のV型エンジンは、クランクシャフトが鉛直方向を向くように配置され、カムシャフトの駆動機構部が下部に設けられたV型エンジンであって、ドライブシャフトと一体に回転するタイミングスプロケットと、第1バンク側のカムシャフトと一体に回転する第1バンク側カムスプロケットと、第2バンク側のカムシャフトと一体に回転する第2バンク側カムスプロケットと、前記タイミングスプロケット、前記第1バンク側カムスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間に巻き掛けられ、前記タイミングスプロケット及び前記第1バンク側カムスプロケット間が張り側、前記タイミングスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間が緩み側とされるタイミングチェーンと、前記タイミングチェーンの緩み側に配置されたチェーンテンショナとを有し、前記第2バンク側の下部に、緩み側オイル落とし穴を設け、少なくとも前記第2バンク側のカムシャフトを潤滑した潤滑オイルが前記緩み側オイル落とし穴から自由落下して、前記タイミングチェーンと前記チェーンテンショナとの摺動部に当たるように構成されたことを特徴とする。
【0015】
上記第2の目的を達成するために本発明の請求項7の船外機用エンジンは、吸気カムシャフトと一体に回転する第1、第2吸気カムスプロケットと、排気カムシャフトと一体に回転する第1、第2排気カムスプロケットと、オイルポンプに駆動力を伝えるためのオイルポンプスプロケットと、前記第1吸気カムスプロケットに巻き掛けられ、クランクシャフトの駆動力を伝達するタイミングチェーンと、前記第2吸気カムスプロケットと前記第1排気カムスプロケットとの間に巻き掛けられたカムチェーンと、前記第2排気カムスプロケットと前記オイルポンプスプロケットとの間に巻き掛けられたオイルポンプ用チェーンとを有し、前記オイルポンプ用チェーンのピッチが前記タイミングチェーンのピッチよりも小さい値に設定されると共に、平面視において、前記第2排気カムスプロケットが前記第1吸気カムスプロケットと干渉しないように前記第2排気カムスプロケットの外径が設定されたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係るV型エンジンが適用される船外機の一例を示す縦断面図である。なお、以降、船外機1について、同図左方(船体側)を「前方」、右方を「後方」、上方を「上方」と呼称する。また、同図手前側を「左舷側」、奥側を「右舷側」と呼称する。図2は、船外機1の上半部の断面図である。
【0018】
図1に示すように、この船外機1はエンジンホルダ4を備え、エンジンホルダ4の上方にエンジン2が設置される。このエンジン2は、その内部にクランクシャフト3が略垂直に(縦置きに)配置された水冷4サイクルのV型6気筒エンジンである。
【0019】
エンジンホルダ4の下面にはオイルパン5が接合固定され、オイルパン5の下部にドライブシャフトハウジング6、ギヤハウジング7が順に固定され、エンジン2、エンジンホルダ4及びオイルパン5の周囲は上下分割可能なエンジンカバー8によって覆われている。
【0020】
オイルパン5の下方にはドライブシャフトハウジング6が設置される。エンジンホルダ4、オイルパン5及びドライブシャフトハウジング6内にはドライブシャフト13が略垂直に配置される。ドライブシャフト13は、ドライブシャフトハウジング6内を下方に向かって延び、ドライブシャフトハウジング6の下部に設けられたギヤハウジング7内のベベルギヤ16及びプロペラシャフト14を介して、推進装置であるプロペラ15を駆動するように構成される。
【0021】
エンジンホルダ4の前縁付近には、左右一対のアッパーマウント11が設けられ、アッパーマウント11は、アッパーマウントブラケット19に連結される。また、ドライブシャフトハウジング6の両側部には図示しない一対のロアーマウントが設けられる。そして、船外機1は、これらアッパーマウント11及び上記ロアーマウントの前端がクランプブラケット12に連結され、クランプブラケット12が図示しない船体の船尾板に固定される。
【0022】
クランプブラケット12には、チルト軸20を介してスイベルブラケット17が設けられ、このスイベルブラケット17内にパイロットシャフト18が鉛直方向に、且つ回動自在に軸支される。そして、このパイロットシャフト18の上下端に、アッパーマウントブラケット19及び図示しないロアーマウントブラケットがそれぞれ回動一体に設けられる。これらにより、船外機1は、クランプブラケット12に対しパイロットシャフト18を中心に左右に操舵可能になると共に、チルト軸20を中心に上方に向かってチルトアップ可能になる。
【0023】
エンジン2の最前部(船首側)に配置されるクランクケース79の後方にはシリンダブロック50が配置され、シリンダブロック50の後方にはシリンダヘッド80、吸気装置23が順に配置される。クランクケース79とシリンダブロック50の合面部分にクランクシャフト3が軸支される。
【0024】
ドライブシャフト13の軸心は、クランクシャフト3の軸心より後方(シリンダヘッド80)寄りにオフセットして配置される。図2に示すように、クランクシャフト3の下端部にはリダクションドライブギヤ45が取り付けられると共に、ドライブシャフト13の上端部には、リダクションドライブギヤ45が噛み合うリダクションドリブンギヤ38が同軸に設けられる。クランクシャフト3が回転すると、その回転力はリダクションドライブギヤ45からリダクションドリブンギヤ38に伝達され、ドライブシャフト13がクランクシャフト3より減速されて回転駆動される。
【0025】
図1に示すように、ギヤハウジング7の上部には、ドライブシャフト13によって駆動されるウォータポンプ21が設置され、ギヤハウジング7内に吸水口22が設けられる。また、エンジンホルダ4の下部には水溜まり部24が設けられ、ウォータポンプ21によって吸水口22から冷却水として取り入れた外部の水(海水、湖水、河水等)が、水溜まり部24に送られる。
【0026】
図2に示すように、エンジンホルダ4内には、水溜まり部24からの水が上がる水上がり通路25が形成され、この水上がり通路25を通過した冷却水が、ユニオン26から、パイプ27(1)、27(2)に送られる。パイプ27(1)は、吸気装置23に対して冷却水を供給する。パイプ27(2)は、シリンダブロック50に設けられたピストンクーリングギャラリ冷却通路153に冷却水を供給し、ピストンクーリングギャラリ70内のオイルを冷却する。
【0027】
また、吸気装置23を冷却した水、及びピストンクーリングギャラリ冷却通路153を通過した水は、それぞれパイプ28(1)、28(2)を通じて所定の下り通路に戻る。一方、ウォータポンプ21により水溜まり部24に送られた冷却水は、エンジンホルダ4に設けられた図示しない冷却水通路で分岐し、シリンダブロック50及び左右のシリンダヘッド80(80L、80R;図3参照)を冷却した後、それぞれパイプ29、30を通じて、所定の下り通路に戻る。なお、冷却機能を果たして戻った水は、排気ガスと共にプロペラ15の中心孔から船外機1外部の水中に放出される。
【0028】
エンジン2の下部には、オイルポンプ31が設置されており、オイルポンプ31にはオイルパン5内の底部に延びるオイルストレーナ32が接続されている。オイルパン5内に貯溜されたオイルは、オイルストレーナ32を通じてオイルポンプ31により吸い上げられ、エンジン2内の各部に給送された後、オイルパン5内に再び戻される。
【0029】
図3は、図2のF1矢視図であり、一部が断面図で示されている。
【0030】
シリンダヘッド80(80L、80R)は、平面視で後方に向かって開くV字形状のシリンダーバンクをなすよう左右一対設けられている。なお、本実施の形態では、船外機1の幅を縮小する観点から、バンク狭角を小さくして(例えば55°程度)に設定している。
【0031】
左舷側シリンダーバンクLB及び右舷側シリンダーバンクRBは、基本的に同様に構成され、シリンダブロック50の内部には、片側(各シリンダーバンクLB、RBに)3気筒ずつシリンダーボア51が形成される一方、シリンダヘッド80側には、各シリンダーボア51に整合する燃焼室52と、燃焼室52に連通される吸気ポート89及び排気ポート90が形成されている。シリンダヘッド80にはヘッドカバー33が被装されており、両者間に画成されるカム室内に吸気、排気カムシャフト82(82L、82R)、81(81L、81R)が、それぞれ回転自在に支持されている。
【0032】
吸気ポート89は、その入口が各シリンダーバンクLB、RB(乃至シリンダヘッド80L、80R)が呈するV字形状の内側に開口し、燃焼室52への連通部が吸気バルブ55及び吸気カムシャフト82により開閉制御される。また、排気ポート90は、その入口が各シリンダーバンクLB、RBが呈するV字形状の外側に開口し、燃焼室52への連通部が排気バルブ54及び排気カムシャフト81により開閉制御される。
【0033】
そして、各シリンダーボア51内に摺動自在に挿入されたピストン53の往復運動が、コンロッド34を介してクランクシャフト3の回転運動に変換され、リダクションドライブギヤ45(図2参照)に伝達される。排気ポート90から排出される排気ガスは、所定の排気通路を経て水中に排出される。
【0034】
シリンダブロック50の右側部下部には、オイルフィルタ56が配置される。また、ピストンクーリングギャラリ70は、シリンダブロック50の幅方向略中央部であって、各シリンダーバンクLB、RBが呈するV字形状の内側に設けられる。ピストンクーリングギャラリ冷却通路153は、ピストンクーリングギャラリ70の後方に近接して鋳抜き形成により形成された空間を蓋体154で後方から密閉することで形成される。ピストンクーリングギャラリ70には、ピストンジェット通路150が連通されている。
【0035】
図4は、船外機1のオイルパン5より上方の主要部を、エンジンホルダ4を外して下方からみた図である。同図上方が船外機1の後方である。図5は、図4と同様に、船外機1のオイルパン5より上方の主要部を、エンジンホルダ4を外して下方からみた図であり、特にカムシャフトの駆動機構部を示している。図5では、ヘッドカバー33及びクランクケース79の図示が省略されている。図6は、図5のA−A線に沿う断面図、図7は、図5のB−B線に沿う断面図、図8は、図5のC−C線に沿う断面図、図9は、図5のD−D線に沿う断面図、図10は、図5のE−E線に沿う断面図である。図11は、図5のF2矢視図である。
【0036】
図5に示すように、シリンダブロック50の下部には、リダクションベアリングホルダ165が4つの略円筒状の締結ボス部166(1)〜166(4)においてボルトで取り付け固定されている。図6、図7に示すように、タイミングスプロケット46及びリダクションドリブンギヤ38は、ドライブシャフト13と一体成形されている。ドライブシャフト13は、リダクションベアリングホルダ165内に設けられたボールベアリング176、177によって回転自在に支持され、タイミングスプロケット46及びリダクションドリブンギヤ38と共に一体に回転するようになっている。
【0037】
図6に示すように、右舷側(シリンダーバンクRB側)の吸気カムシャフト82Rの下端部には、第1、第2右舷吸気カムスプロケット37、164が固定され、これらが吸気カムシャフト82Rと一体に回転するようになっている。また、図4、図5に示すように、右舷側の排気カムシャフト81Rの下端部には、右舷排気カムスプロケット43が固定されている。
【0038】
図10、図11に示すように、カム軸受部179で軸支される左舷側(シリンダーバンクLB側)の吸気カムシャフト82Lの下端部には、第1、第2左舷吸気カムスプロケット36、162が固定され、これらが吸気カムシャフト82Lと一体に回転するようになっている。また、図8、図11に示すように、カム軸受部180で軸支される左舷側の排気カムシャフト81Lの下端部には、第1、第2左舷排気カムスプロケット92、41が固定され、これらが排気カムシャフト81Lと一体に回転するようになっている。また、図8に示すように、シリンダヘッド80Lには、ボールベアリング167が圧入固定され、オイルポンプ31のオイルポンプシャフト178が、ボールベアリング167によって軸支される。オイルポンプシャフト178には、オイルポンプスプロケット163が嵌合されている。
【0039】
図5、図6、図9に示すように、第2右舷吸気カムスプロケット164と右舷排気カムスプロケット43との間には、カムチェーン42が巻き掛けられ、これにより、右舷側の吸気、排気カムシャフト82R、81Rが同期して回転する。図4、図5、図6に示すように、第1左舷吸気カムスプロケット36、第1右舷吸気カムスプロケット37及びタイミングスプロケット46には、タイミングチェーン35が巻き掛けられ、これにより、クランクシャフト3による駆動力が、タイミングチェーン35を介して、両吸気カムシャフト82L、82Rに伝達される。
【0040】
図5、図8、図10、図11に示すように、第2左舷吸気カムスプロケット162と第1左舷排気カムスプロケット92との間には、カムチェーン40が巻き掛けられ、これにより、左舷側の吸気、排気カムシャフト82L、81Lが同期して回転する。図5、図8に示すように、第2左舷排気カムスプロケット41とオイルポンプスプロケット163との間には、オイルポンプ用チェーン44が巻き掛けられており、左舷側の排気カムシャフト81Lによりオイルポンプ31が駆動されるようになっている。
【0041】
タイミングチェーン35は、第1左舷吸気カムスプロケット36とタイミングスプロケット46との間が張り側、第1右舷吸気カムスプロケット37とタイミングスプロケット46との間が緩み側となっている。図5に示すように、タイミングチェーン35の緩み側にはチェーンテンショナ39及び油圧式のチェーンアジャスタ161が配置される。チェーンテンショナ39は、チェーンアジャスタ161によって押圧駆動され、チェーンテンショナ39が、摺動部Z5(図9参照)でタイミングチェーン35を押圧することで、タイミングチェーン35の緩み側の張力が調整される。また、タイミングチェーン35の張り側には、タイミングチェーン35を案内してその走行を円滑にするチェーンガイド91が設けられる。チェーンガイド91と、チェーンテンショナ39とによって、タイミングチェーン35の振れと張り(テンション)が常時適切な状態に保たれる。
【0042】
図10に示すように、吸気カムシャフト82Lに近接して油圧式位相アジャスタ175が設けられ、油圧式位相アジャスタ175により両吸気カムシャフト82L、82Rの位相が制御される。
【0043】
エンジン2の下部に設けられる、リダクションドライブギヤ45やタイミングスプロケット46等の、ギヤ及びスプロケット類と、タイミングチェーン35等のチェーン類等とで「カムシャフトの駆動機構部」が構成される。
【0044】
図12は、図5の部分拡大図であり、特に第1左舷吸気カムスプロケット36及び第2左舷排気カムスプロケット41の近傍を示している。
【0045】
図12に示すように、オイルポンプ用チェーン44のピッチPIT2は、タイミングチェーン35のピッチPIT1よりも小さい値に設定される。これに加えて、第2左舷排気カムスプロケット41と第1左舷吸気カムスプロケット36とが平面視において干渉しないように、第2左舷排気カムスプロケット41の外径DIA1が小さめに設定されている。これに伴い、オイルポンプスプロケット163の外径DIA2も小さめに設定されている。また、左舷側の吸気、排気カムシャフト82L、81Lの軸心方向において、第1左舷吸気カムスプロケット36と第2左舷排気カムスプロケット41との位置をほぼ一致させている。これらにより、両カムスプロケット36、41間の軸間ADを不要に広げることなく両者の配置を可能にしている。
【0046】
すなわち、オイルポンプ用チェーン44のピッチPIT2がタイミングチェーン35のピッチPIT1と同程度に大きいと、通常の設計では、第2左舷排気カムスプロケット41の外径DIA1が大きく設定される。その場合、両カムスプロケット36、41の干渉を回避するためには、カムシャフト82L、81Lの軸心方向における両カムスプロケット36、41の位置を大きくずらすか、あるいは軸間ADを大きくとる必要が生じる。その結果、エンジン2の上下方向におけるスペースが無駄になるか、あるいはエンジン2が軸間AD方向に拡大し、いずれにしてもエンジン2の大型化、重量増加につながるという不利が生じる。
【0047】
さらには、両カムスプロケット36、41の位置を大きくずらすためにいずれか一方がカムシャフト82L、81Lの下端部から遠くに配置される場合は、そのカムシャフト82L、81Lを軸支しているカム軸受部179、180に作用するモーメントが大きくなり、カム軸受部179、180の摩耗が促進されるという不利も生じる。
【0048】
従って、本実施の形態のようにピッチPIT1、PIT2及び外径DIA1等を設定することで、上記不利が回避される。それだけでなく、生産ラインにおいて、従来機種に対し軸間ADを変更することなく生産を可能にすることが容易になることから、大幅な設備改造が回避され、生産コスト面でも有利である。
【0049】
さらには、オイルポンプ用チェーン44のピッチPIT2を小さくしたことで、オイルポンプ用チェーン44の重量を削減でき、高回転時における第2左舷排気カムスプロケット41とオイルポンプスプロケット163の各歯底部に加わる衝撃エネルギが低減されるため、噛み込みによる騒音が低減される。
【0050】
図5、図6、図10に示すように、両吸気カムシャフト82R、82Lの各下端部において、吸気カムスプロケット37、36には、可変バルブタイミング装置(VVT)100(1)、100(2)が固定され、さらに、図4に示すように、可変バルブタイミング装置100(1)、100(2)に対応して、オイルコントロールバルブ(OCV)101(1)、101(2)が設けられる。オイルコントロールバルブ101は、図示しないカムシャフトハウジング(ヘッドカバー33に連設される)に取り付けられる。
【0051】
可変バルブタイミング装置100は油圧によって駆動される公知の装置であり、可変バルブタイミング装置100に供給される油圧をオイルコントロールバルブ101によって切り換えることによって、吸気バルブ55の開閉タイミングがエンジン回転数に応じて制御される。
【0052】
図4に示す、エンジン2の幅方向中央に設けられる穴47、48は、それぞれパイプ29、30(図2参照)が接続される穴である。また、オイルパン5からオイルストレーナ32を通じて吸い上げられるオイルは、オイル吸入口31aからオイルポンプ31側に流入し、オイルポンプ31のオイル吐出口31bから吐出される。
【0053】
図4、図5に示すように、シリンダブロック50の下面には、カバー130が取り付けられている。カバー130は、図7、図9に示すように、プレート110を介してシリンダブロック50にボルトで固定され、プレート110とシリンダブロック50との間にオイル往路PA1が、カバー130とプレート110との間にオイル復路PA2が、それぞれ形成される。オイル往路PA1においては、潤滑オイルは始端部130aから終端部130bに向かって流れ(図5参照)、オイル復路PA2においてはこれとは逆方向に流れる。カバー130の下部には、ジェットノズル160が設けられている。ジェットノズル160からは、オイル復路PA2内の潤滑オイルが噴射される。
【0054】
図13は、図5の部分拡大図であり、特にタイミングスプロケット46及びその近傍を示している。図13に示すように、ジェットノズル160は、タイミングスプロケット46とタイミングチェーン35とのチェーン噛み合い部Z1と、リダクションベアリングホルダ165の締結ボス部166(1)とをほぼ結ぶ直線上に配置される。具体的には、ジェットノズル160は、その噴射方向に沿う中心SLが、締結ボス部166(1)の径方向中心CEBに対して、リダクションドライブギヤ45とリダクションドリブンギヤ38とのギヤ噛み合い部Z2側に所定量OFS2だけオフセットして配置されている。所定量OFS2は、ジェットノズル160から噴射される噴射オイルOL1の一部が、締結ボス部166(1)で反射して、反射オイルOL2としてギヤ噛み合い部Z2に効率よく向かうような値に設定される。ギヤ噛み合い部Z2は締結ボス部166(1)に近接しているので、反射オイルOL2が十分に当たる。
【0055】
また、図7に示すように、ジェットノズル160の噴射方向の中心SLは、タイミングスプロケット46の幅方向における中心CESに対してシリンダブロック50側に所定量OFS1だけオフセットされている。これにより、チェーン噛み合い部Z1及び締結ボス部166(1)の双方に、ジェットノズル160から噴射される噴射オイルOL1が直接当たるので、チェーン噛み合い部Z1に噴射オイルOL1が確実に届くだけでなく、ギヤ噛み合い部Z2に反射オイルOL2が確実に届く。所定量OFS1は、チェーン噛み合い部Z1及び締結ボス部166(1)のそれぞれに、噴射オイルOL1をどの程度の割合で供給すればよいかによって定めればよい。
【0056】
また、図5に示すように、エンジン2の下部には、オイル落とし穴171、172、173、174が設けられる。オイル落とし穴173、174は、図5、図12に示すように、シリンダーバンクLB側のシリンダヘッド80Lの下面に形成される。オイル落とし穴173、174からは、吸気、排気カムシャフト82L、81Lを含むシリンダヘッド80L内部を潤滑したオイルが自由落下する。
【0057】
特に、オイル落とし穴173は、図5、図10に示すように、第1左舷吸気カムスプロケット36の歯部のほぼ上方に位置している。従って、図10に示すように、オイル通路170から圧送される潤滑オイルが吸気、排気カムシャフト82L、81L等を潤滑した後、オイル落とし穴173から流出し、落下オイルOL4として第1左舷吸気カムスプロケット36に当たる。これにより、第1左舷吸気カムスプロケット36とタイミングチェーン35とのチェーン噛み合い部Z3が潤滑されると共に、チェーンガイド91とタイミングチェーン35との摺動部Z4も潤滑される(図12参照)。
【0058】
図14は、シリンダブロック50の下面図である。オイル落とし穴171、172は、図5、図14に示すように、シリンダブロック50の下面に形成される。オイル落とし穴171、172からは、吸気、排気カムシャフト82R、81Rを含むシリンダーバンクRB側のシリンダヘッド80R内部を潤滑したオイルが自由落下する。
【0059】
特に、オイル落とし穴171は、図9、図14に示すように、チェーンテンショナ39とタイミングチェーン35とが摺接する摺動部Z5のほぼ上方に位置している。図9に示すように、シリンダヘッド80R内のオイル通路168から圧送される潤滑オイルが、吸気、排気カムシャフト82R、81R等を潤滑した後、オイル溜まり室169に一旦溜まる。その後、オイル溜まり室169に溜まった潤滑オイルがオイル落とし穴171から流出し、落下オイルOL3として、摺動部Z5に当たることで、摺動部Z5が潤滑される。
【0060】
かかる構成において、オイルの流れを順に辿ると、次のようになる。
【0061】
オイルパン5内に貯溜されたオイルは、オイルストレーナ32を通じてオイルポンプ31により吸い上げられ(図2参照)、オイル吐出口31bから吐出されて(図4参照)、左舷側のシリンダヘッド80L及びシリンダブロック50内を経由してオイル往路PA1に流入する。
【0062】
ところで、図示しないメインオイルギャラリが、シリンダブロック50の右舷側の側部に縦方向に設けられており、オイル往路PA1に流れたオイルは、オイルフィルタ56に流れ、そこで濾過されて、上記メインオイルギャラリに入る。メインオイルギャラリに流入したオイルは、一部がクランクシャフト3の図示しないクランクジャーナルに対して潤滑オイルとして供給され、一部がオイル復路PA2にも流れる。
【0063】
オイル復路PA2に流入したオイルは、シリンダブロック50内部を通ってピストン53等の潤滑に用いられる。また、オイル復路PA2に流入したオイルは、ジェットノズル160から噴射オイルOL1として噴射され、上述のように、噴射オイルOL1の一部がチェーン噛み合い部Z1に直接供給されると共に、他の一部が、締結ボス部166(1)で反射して、反射オイルOL2としてギヤ噛み合い部Z2に供給される。その後、自然落下してオイルパン5内に回収される。
【0064】
オイル復路PA2内のオイルはまた、シリンダヘッド80L、80Rにも潤滑用オイルとして流れ、各シリンダヘッド80L、80Rの内部が潤滑される。その際、オイル通路170、168を介して吸気、排気カムシャフト82L、82R、81L、81Rも潤滑される。吸気、排気カムシャフト82L、81L等を潤滑した潤滑オイルは、オイル落とし穴173から落下オイルOL4として自由落下し、第1左舷吸気カムスプロケット36に当たって、チェーン噛み合い部Z3及び摺動部Z4を潤滑する。一方、吸気、排気カムシャフト82R、81R等を潤滑した潤滑オイルは、オイル溜まり室169を経て、オイル落とし穴171から落下オイルOL3として自由落下して摺動部Z5を潤滑する。その後、オイルパン5内に回収される。
【0065】
また、オイルポンプ31から圧送されるオイルは、チェーンアジャスタ161、油圧式位相アジャスタ175、可変バルブタイミング装置100及びオイルコントロールバルブ101にも、駆動用オイルとして供給される。
【0066】
本実施の形態によれば、ジェットノズル160を、チェーン噛み合い部Z1と締結ボス部166(1)とをほぼ結ぶ直線上に配置し、ジェットノズル160からの噴射オイルOL1が、チェーン噛み合い部Z1に供給されると共に、締結ボス部166(1)で反射して反射オイルOL2としてギヤ噛み合い部Z2にも供給されるようにしたので、両噛み合い部Z1、Z2を潤滑することができる。その結果、両噛み合い部Z1、Z2の摩耗促進を抑制し、タイミングチェーン35の延びの抑制や、噛み込み音等の騒音の抑制にもつながる。また、各噛み合い部Z1、Z2毎にジェットノズル等のオイル供給部を設ける場合に比し構成が簡単である。しかも、ジェットノズル160の噴射方向の中心SLをシリンダブロック50側に所定量OFS1オフセットしたことで、チェーン噛み合い部Z1及び締結ボス部166(1)の双方に噴射オイルOL1が直接当たるので、両噛み合い部Z1、Z2を確実に潤滑することができる。さらに、中心SLをギヤ噛み合い部Z2側に所定量OFS2オフセットしたことで、締結ボス部166(1)に当たった噴射オイルOL1の一部が、ギヤ噛み合い部Z2に向かって反射しやすくなるので、ギヤ噛み合い部Z2を確実に潤滑することができる。
【0067】
また、吸気、排気カムシャフト82L、81L等を潤滑した潤滑オイルが、オイル落とし穴173から落下オイルOL4として第1左舷吸気カムスプロケット36に当たるようにしたので、チェーン噛み合い部Z3と摺動部Z4とを潤滑することができる。さらに、吸気、排気カムシャフト82R、81R等を潤滑した潤滑オイルが、オイル落とし穴171から落下オイルOL3として摺動部Z5に当たるようにしたので、摺動部Z5を潤滑することができる。特に、オイル落とし穴173、171は、シリンダヘッド80Lの下面、シリンダブロック50の下面にそれぞれ形成され、潤滑オイルはそれぞれ自重で落下するだけでチェーン噛み合い部Z3及び摺動部Z4、Z5に供給されるように構成したので、省スペースで且つ構成が簡単でありながら、潤滑が確実に行えるだけでなく、ジェットノズルを別途設ける場合に比しオイルポンプ31の大型化の回避にもつながる。
【0068】
よって、簡単な構成で、エンジンを大型化することなく、タイミングチェーン及びその関連部分を潤滑することができる。
【0069】
本実施の形態によればまた、オイルポンプ用チェーン44のピッチPIT2を、タイミングチェーン35のピッチPIT1よりも小さい値に設定すると共に、第2左舷排気カムスプロケット41の外径DIA1を小さめに設定することで、吸気、排気カムシャフト82L、81Lの軸心方向における第1左舷吸気カムスプロケット36と第2左舷排気カムスプロケット41との位置をほぼ一致させても両者が干渉しないように設計した。これらにより、両カムスプロケット36、41間の軸間ADを不要に広げることなく両者の配置を可能にすると共に、エンジン2の上下方向の長さを短くすることが容易になる。よって、オイルポンプ駆動のための機構を設けつつ、エンジンの大型化を回避することができる。
【0070】
加えて、タイミングチェーン35に深く関連する主な潤滑オイル供給部としては、上記のようなオイル落とし穴173、171及びジェットノズル160があるが、これらは、平面視で略三角形のタイミングチェーン35からみると、第1左舷吸気カムスプロケット36、摺動部Z5、チェーン噛み合い部Z1というほぼ均等に離間した3箇所に配置されるため、タイミングチェーン35に対する潤滑という点で理想的になっている。
【0071】
なお、オイル落とし穴173、171の位置、及びジェットノズル160の位置乃至噴射方向は、例示したものに限定されるものではなく、ギヤ、スプロケット、チェーン間の噛み合い乃至摺動が生じる箇所や、その可動方向における直前部分に潤滑オイルが供給されるように設定すればよい。
【0072】
なお、本実施の形態では、ジェットノズル160の噴射方向の中心SLをシリンダブロック50側にオフセットしたが、タイミングスプロケット46よりギヤ噛み合い部Z2が下方に位置する場合は、これとは反対側にオフセットしてもよい。
【0073】
なお、ジェットノズル160の適用は、クランクシャフトの回転をリダクションドライブギヤを介してドライブシャフトに伝達するようにされたV型エンジンであればよく、船外機用エンジンに限定されるものではない。また、オイル落とし穴173、171の適用は、クランクシャフト3が鉛直方向を向くように配置され、カムシャフトの駆動機構部がエンジン下部に設けられたV型エンジンであればよく、船外機用エンジンに限定されるものではない。
【0074】
なお、オイルポンプ用チェーン44のピッチPIT2、タイミングチェーン35のピッチPIT1、及び第2左舷排気カムスプロケット41の外径DIA1の各設定の適用については、船外機用エンジンであればよく、V型エンジンに限定されるものではない。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、1つの噴射口で、リダクションドライブギヤに対するタイミングチェーン及びリダクションドリブンギヤの両噛み合い部の潤滑を可能にして、簡単な構成で、エンジンを大型化することなく、タイミングチェーン及びその関連部分を潤滑することができる。
【0076】
本発明の請求項5によれば、第1バンク側カムスプロケットに潤滑オイルが自由落下させ、第1バンク側カムスプロケットとタイミングチェーンとの噛み合い部を潤滑するようにして、簡単な構成で、エンジンを大型化することなく、タイミングチェーン及びその関連部分を潤滑することができる。また、タイミングチェーンの張り側にチェーンガイドを設ける場合は、チェーンガイドとタイミングチェーンとの摺動部も同時に潤滑することができる。
【0077】
本発明の請求項6によれば、タイミングチェーンとチェーンテンショナとの摺動部に潤滑オイルが自由落下するようにして、エンジンを大型化することなく、タイミングチェーン及びその関連部分を潤滑することができる。
【0078】
本発明の請求項7によれば、排気カムスプロケットと吸気カムスプロケットの軸間を不要に広げることなく両者の配置を可能にして、オイルポンプ駆動のための機構を設けつつ、エンジンの大型化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るV型エンジンが適用される船外機の一例を示す縦断面図である。
【図2】船外機の上半部の断面図である。
【図3】図2のF1矢視図(一部断面図)である。
【図4】船外機のドライブシャフトハウジングより上方の主要部を、エンジンホルダを外して下方からみた図である。
【図5】船外機のオイルパンより上方の主要部(特にカムシャフトの駆動機構部)を、エンジンホルダを外して下方からみた図である。
【図6】図5のA−A線に沿う断面図である。
【図7】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図8】図5のC−C線に沿う断面図である。
【図9】図5のD−D線に沿う断面図である。
【図10】図5のE−E線に沿う断面図である。
【図11】図5のF2矢視図である。
【図12】図5の部分拡大図である。
【図13】図5の部分拡大図である。
【図14】シリンダブロックの下面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
3 クランクシャフト
13 ドライブシャフト
31 オイルポンプ
35 タイミングチェーン
36 第1左舷吸気カムスプロケット(第1バンク側カムスプロケット、第1吸気カムスプロケット)
37 第1右舷吸気カムスプロケット(第2バンク側カムスプロケット)
38 リダクションドリブンギヤ
39 チェーンテンショナ
40、42 カムチェーン
41 第2左舷排気カムスプロケット(第2排気カムスプロケット)
44 オイルポンプ用チェーン
45 リダクションドライブギヤ
46 タイミングスプロケット
50 シリンダブロック
80L、80R シリンダヘッド
81L、81R 排気カムシャフト
82L、82R 吸気カムシャフト
92 第1左舷排気カムスプロケット(第1排気カムスプロケット)
160 ジェットノズル(噴射口)
162 第2左舷吸気カムスプロケット(第2吸気カムスプロケット)
163 オイルポンプスプロケット
165 リダクションベアリングホルダ
166 締結ボス部
171 オイル落とし穴(緩み側オイル落とし穴)
173 オイル落とし穴(張り側オイル落とし穴)
LB 左舷側シリンダーバンク(第1バンク)
RB 右舷側シリンダーバンク(第2バンク)
PIT1、PIT2 ピッチ
DIA1 外径
SL、CES、CEB 中心
Z1、Z3 チェーン噛み合い部
Z2 ギヤ噛み合い部
Z4、Z5 摺動部

Claims (8)

  1. クランクシャフト(3)の回転をリダクションドライブギヤ(45)を介してドライブシャフト(13)に伝達するようにされたV型エンジンであって、
    前記ドライブシャフトと一体に回転し、前記リダクションドライブギヤによって回転駆動されるリダクションドリブンギヤ(38)と、
    前記リダクションドリブンギヤと一体に回転するタイミングスプロケット(46)と、
    前記タイミングスプロケットに巻き掛けられ、カムシャフトを駆動するためのタイミングチェーン(35)と、
    前記リダクションドライブギヤと前記リダクションドリブンギヤとのギヤ噛み合い部(Z2)に近接している締結ボス部(166)を有するリダクションベアリングホルダ(165)と、
    前記タイミングスプロケットと前記タイミングチェーンとのチェーン噛み合い部(Z1)と前記リダクションベアリングホルダの前記締結ボス部とをほぼ結ぶ直線上に配置された、潤滑オイルの噴射口(160)とを有することを特徴とするV型エンジン。
  2. 前記噴射口の噴射方向に沿う中心(SL)を、前記タイミングスプロケットの幅方向における中心(CES)に対して前記タイミングスプロケットの幅方向に所定量(OFS1)オフセットして前記噴射口を配置することで、前記チェーン噛み合い部及び前記締結ボス部の双方に、前記噴射口から噴射される潤滑オイルが直接当たるように構成されたことを特徴とする請求項1記載のV型エンジン。
  3. 前記噴射口の噴射方向に沿う中心(SL)を、前記締結ボス部の径方向中心(CEB)に対して前記ギヤ噛み合い部側に所定量(OFS2)オフセットして前記噴射口を配置することで、前記噴射口から噴射される潤滑オイルの一部が、前記締結ボス部で反射して前記ギヤ噛み合い部に向かうように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のV型エンジン。
  4. 前記クランクシャフトが鉛直方向を向くように配置され、前記カムシャフトの駆動機構部が下部に設けられた船外機用のエンジンに適用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のV型エンジン。
  5. クランクシャフトが鉛直方向を向くように配置され、カムシャフトの駆動機構部が下部に設けられたV型エンジンであって、
    ドライブシャフト(13)と一体に回転するタイミングスプロケット(46)と、
    第1バンク(LB)側のカムシャフト(82L)と一体に回転する第1バンク側カムスプロケット(36)と、
    第2バンク(RB)側のカムシャフト(82R)と一体に回転する第2バンク側カムスプロケット(37)と、
    前記タイミングスプロケット、前記第1バンク側カムスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間に巻き掛けられ、前記タイミングスプロケット及び前記第1バンク側カムスプロケット間が張り側、前記タイミングスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間が緩み側とされるタイミングチェーン(35)とを有し、
    前記第1バンク側の下部に、張り側オイル落とし穴(173)を設け、少なくとも前記第1バンク側のカムシャフトを潤滑した潤滑オイルが前記張り側オイル落とし穴から自由落下して前記第1バンク側カムスプロケットに当たるように構成されたことを特徴とするV型エンジン。
  6. クランクシャフトが鉛直方向を向くように配置され、カムシャフトの駆動機構部が下部に設けられたV型エンジンであって、
    ドライブシャフト(13)と一体に回転するタイミングスプロケット(46)と、
    第1バンク(LB)側のカムシャフト(82L)と一体に回転する第1バンク側カムスプロケット(36)と、
    第2バンク(RB)側のカムシャフト(82R)と一体に回転する第2バンク側カムスプロケット(37)と、
    前記タイミングスプロケット、前記第1バンク側カムスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間に巻き掛けられ、前記タイミングスプロケット及び前記第1バンク側カムスプロケット間が張り側、前記タイミングスプロケット及び前記第2バンク側カムスプロケット間が緩み側とされるタイミングチェーン(35)と、
    前記タイミングチェーンの緩み側に配置されたチェーンテンショナ(39)とを有し、
    前記第2バンク側の下部に、緩み側オイル落とし穴(171)を設け、少なくとも前記第2バンク側のカムシャフトを潤滑した潤滑オイルが前記緩み側オイル落とし穴から自由落下して、前記タイミングチェーンと前記チェーンテンショナとの摺動部(Z5)に当たるように構成されたことを特徴とするV型エンジン。
  7. 吸気カムシャフト(82L)と一体に回転する第1、第2吸気カムスプロケット(36、162)と、
    排気カムシャフト(81L)と一体に回転する第1、第2排気カムスプロケット(92、41)と、
    オイルポンプ(31)に駆動力を伝えるためのオイルポンプスプロケット(163)と、
    前記第1吸気カムスプロケットに巻き掛けられ、クランクシャフト(3)の駆動力を伝達するタイミングチェーン(35)と、
    前記第2吸気カムスプロケットと前記第1排気カムスプロケットとの間に巻き掛けられたカムチェーン(40)と、
    前記第2排気カムスプロケットと前記オイルポンプスプロケットとの間に巻き掛けられたオイルポンプ用チェーン(44)とを有し、
    前記オイルポンプ用チェーンのピッチ(PIT2)が前記タイミングチェーンのピッチ(PIT1)よりも小さい値に設定されると共に、平面視において、前記第2排気カムスプロケットが前記第1吸気カムスプロケットと干渉しないように前記第2排気カムスプロケットの外径(DIA1)が設定されたことを特徴とする船外機用エンジン。
  8. 前記吸気カムシャフト及び前記排気カムシャフトの軸心方向において、前記第2排気カムスプロケットと前記第1吸気カムスプロケットとの位置をほぼ一致させたことを特徴とする請求項7記載の船外機用エンジン。
JP2003151915A 2003-05-29 2003-05-29 V型エンジン、船外機用エンジン Pending JP2004353551A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151915A JP2004353551A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 V型エンジン、船外機用エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151915A JP2004353551A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 V型エンジン、船外機用エンジン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004353551A true JP2004353551A (ja) 2004-12-16

Family

ID=34047266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003151915A Pending JP2004353551A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 V型エンジン、船外機用エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004353551A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291715A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Toyota Industries Corp 可変バルブタイミング機構付き内燃機関
JP2013113166A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Honda Motor Co Ltd 内燃機関のカバー構造
US8714124B2 (en) 2011-11-25 2014-05-06 Honda Motor Co., Ltd. Cover structure for internal combustion engine
FR3058759A1 (fr) * 2016-11-15 2018-05-18 Renault S.A.S Dispositif de transmission de mouvement de distribution
JP2019173585A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 ヤンマー株式会社 エンジン

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291715A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Toyota Industries Corp 可変バルブタイミング機構付き内燃機関
JP2013113166A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Honda Motor Co Ltd 内燃機関のカバー構造
US8714124B2 (en) 2011-11-25 2014-05-06 Honda Motor Co., Ltd. Cover structure for internal combustion engine
FR3058759A1 (fr) * 2016-11-15 2018-05-18 Renault S.A.S Dispositif de transmission de mouvement de distribution
JP2019173585A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 ヤンマー株式会社 エンジン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6725958B2 (en) Snowmobile
US7434561B2 (en) Engine
US7219644B2 (en) Engine cooling system configuration, and personal watercraft incorporating same
JP4583338B2 (ja) ベルト式伝動機構を備えるバーチカル内燃機関
JP4512011B2 (ja) 内燃機関
JP3815138B2 (ja) 4サイクル船外機
JP2003129857A (ja) V型内燃機関
JP2004353551A (ja) V型エンジン、船外機用エンジン
US7086915B2 (en) Lubricating structure for outboard motors
JP2003083018A (ja) 船外機の潤滑装置
US7281598B2 (en) Snowmobile
JP2005256694A (ja) 内燃機関における動弁系の潤滑構造
JP4254259B2 (ja) 船外機の潤滑構造
JP2009085188A (ja) 水平対向エンジン
JP2009103083A (ja) 動弁装置の潤滑構造
JP5578050B2 (ja) エンジンのオイルポンプ配置構造
JP2011085028A (ja) V型エンジンの潤滑油通路構造
JP2007321746A (ja) ベルト式伝動機構を備えるバーチカル内燃機関
JP4066677B2 (ja) エンジンの潤滑装置
JP2004232615A (ja) 船外機のエンジン構造
JP3807149B2 (ja) 船外機の潤滑構造
JP2007309234A (ja) 内燃機関の潤滑装置
JP2000248916A (ja) エンジンのオイルリリーフ構造
JP2001098951A (ja) 船外機用4サイクルエンジン
JP2007002792A (ja) V型内燃機関