JP2004349688A - セラミックス基板、圧電アクチュエータ基板、圧電アクチュエータおよびこれらの製造方法 - Google Patents

セラミックス基板、圧電アクチュエータ基板、圧電アクチュエータおよびこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型であっても反りやうねりの発生が抑制され、低い焼成温度で製造できるセラミック基板、安定した圧電特性を備えた圧電アクチュエータ基板および圧電アクチュエータ、並びにこれらの製造方法を提供することである。
【解決手段】セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシート12,13,14を複数積層した厚みが100μm以下の積層体17を焼成して得られ、積層体17には、平均粒径2μm以下の導電性物質を主成分とし焼成時にグリーンシート12,13,14よりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層15,16が、積層体17の厚み方向の断面において、積層体17の厚みの1/2の位置を通りかつ積層体17の表面に平行な線に関して線対称となるように、グリーンシート12,13,14と積層されて配置されている圧電アクチュエータ基板17、並びにこの圧電アクチュエータ基板17の一方の表面に個別電極18が形成された圧電アクチュエータ11である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子工業用途で好適に用いられるセラミックス基板、微細な変位を発生させることにより各種デバイスの位置決めや加圧などに用いられ、特にインクジェット記録ヘッドに利用される圧電アクチュエータ基板および圧電アクチュエータ、並びにこれらの製造方法に関するものである。
一般に、セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートを複数積層した積層体を焼成して得られるセラミックス基板は、電子部品基板などに用いられている。特に、近年では、パーソナルコンピュータの普及やマルチメディアの発達に伴って情報を記録媒体に出力する記録装置としてインクジェット方式のプリンタの利用が急速に拡大しており、かかるプリンタのインクジェット記録ヘッドに搭載される圧電アクチュエータにもセラミックス基板が広く利用されている。この圧電アクチュエータを用いる圧電方式のインクジェット記録ヘッドは、ヘッドの小型薄型化が容易で、しかも高精度の印字が可能になるという点で優れている。
図5は、従来の圧電アクチュエータを備えたインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。図5に示すように、このインクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路33aが並設され、各インク流路33aを仕切る壁として隔壁33bを形成した流路部材33の上に、圧電アクチュエータ34が取り付けられた構造を有する(特許文献1参照)。
圧電アクチュエータ34は、振動板の役割を兼ねた導電性の共通電極36上に、圧電セラミック層35を積層して圧電アクチュエータ基板34aを作製し、この圧電アクチュエータ基板34aの一方の表面に個別電極37を複数配列したものである。この圧電アクチュエータ34では、個別電極37、この個別電極37直下の圧電セラミック層35および共通電極36により複数の圧電変位部38が形成されている。さらに、圧電アクチュエータ34は、インク流路33aの上に個別電極37が位置するようにして流路部材33上に取り付けられている。
上記のようなインクジェット記録ヘッドは、共通電極36と所定の個別電極37との間に電圧を印加して該個別電極37直下の圧電セラミック層35を変位させることにより、インク流路33a内のインクを加圧して、流路部材33の底面に開口したインク吐出孔33cよりインク滴を吐出する。
しかしながら、圧電アクチュエータ基板34aなどのセラミックス基板は、焼成時において、セラミックス原料粉末が焼結緻密化することにより製造されるため、焼成前のグリーンシートの寸法に対して焼成後のセラミックス基板の寸法は収縮して小さくなる。この焼成時の収縮に伴ってセラミックス基板には反りやうねりが生じることがある。
そこで、特許文献2には、焼結温度の異なる2種以上の絶縁体セラミックス基板用組成物を層状に積層し、面方向の焼成収縮率を厚み方向の焼成収縮率より小さくなるようにしたセラミックス基板用グリーンシートおよびこれを焼成して得られるセラミックス基板が提案されている。この特許文献2によれば、うねりの少ないセラミックス基板を提供できるとされている。
しかしながら、特許文献2に記載のセラミックス基板では、積層体の厚みが100μm以下と薄い場合には、反りやうねりを抑制する効果が十分ではなく、焼成収縮率の差によって反りやうねりの発生が顕著になるという問題があった。また、一般に、セラミックス基板を製造する際には非常に高い温度で焼成する必要があるため、コスト面などの観点から、焼成温度を下げることが要望されている。
特開平11−34321号公報図1 特開平6−172017号公報
本発明の主たる目的は、薄型であっても反りやうねりの発生が抑制され、しかも低い焼成温度で製造できるセラミックス基板およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、薄型であっても反りやうねりの発生が抑制され、しかも安定した圧電特性を備えた圧電アクチュエータ基板、圧電アクチュエータおよびこれらの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明のセラミックス基板は以下の構成からなる。
(1) セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートを複数積層した厚みが100μm以下の積層体を焼成して得られるセラミックス基板であって、前記積層体には、平均粒径2μm以下の導電性物質を主成分とし焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層が、前記積層体の厚み方向の断面において、前記積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ前記積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように、前記グリーンシートと積層されて配置されていることを特徴とするセラミックス基板。
(2) 前記高収縮層が複数配置され、前記高収縮層間の距離、最上層の前記高収縮層の上方側の表面と前記積層体の上方側の表面との距離および最下層の前記高収縮層の下方側の表面と前記積層体の下方側の表面との距離が、それぞれ30μm以下である(1)記載のセラミックス基板。
(3) 前記高収縮層の厚みが0.5〜5μmである(1)または(2)記載のセラミックス基板。
(4) 前記セラミックス原料粉末が圧電性セラミックス原料粉末である(1)〜(3)のいずれかに記載のセラミックス基板。
(5) 前記高収縮層が導体層である(1)〜(4)のいずれかに記載のセラミックス基板。
上記のセラミックス基板は、特に圧電アクチュエータ基板および圧電アクチュエータに好適である。すなわち、本発明の圧電アクチュエータ基板および圧電アクチュエータは以下の構成からなる。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載のセラミックス基板において、前記セラミックス原料粉末がPb、ZrおよびTiを含むペロブスカイト型化合物粉末であり、前記高収縮層がAgを含む導体層であることを特徴とする圧電アクチュエ―タ基板。
(7) 前記導体層がAgを80質量%以上含有する(6)記載の圧電アクチュエータ基板。
(8) (6)または(7)記載の圧電アクチュエータ基板における一方の表面に電極が形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
(9) 前記電極が前記表面に複数配列されている(8)記載の圧電アクチュエータ。
本発明のセラミックス基板、圧電アクチュエータ基板および圧電アクチュエータの製造方法は以下の構成からなる。
(10) セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートと、焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層を前記グリーンシートとを積層して積層体を形成し、前記高収縮層による焼成収縮によって、前記グリーンシートの焼成収縮を促進せしめながら前記積層体を焼成することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
(11) セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートと、焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層を前記グリーンシートとを積層して積層体を形成し、この積層体を、前記グリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度で焼成することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
(12) 前記積層体の厚みが100μm以下であることを特徴とする(10)又は(11)記載のセラミックス基板の製造方法。
(13) 前記高収縮層を、前記積層体の厚み方向の断面において、前記積層体の厚みの1/2の位置を通り、かつ前記積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように、前記グリーンシートと積層して配置してなることを特徴とする(10)〜(12)のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法。
(14) 前記高収縮層が、前記積層体の内部及び/又は表面に、複数設けられていることを特徴とする(10)〜(13)のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法。
(15) 前記積層体が、前記グリーンシート単独での焼成温度において揮発性の高い成分を含むことを特徴とする(10)〜(14)記載のセラミックス基板の製造方法。
(16) セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートを複数積層した厚みが100μm以下の積層体を焼成してセラミックス基板を製造する方法であって、平均粒径2μm以下の導電性物質を主成分とし焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層を、前記積層体の厚み方向の断面において、前記積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ前記積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように、前記グリーンシートと積層して配置し、この積層体を、前記グリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度で焼成することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
(17) 前記積層体を1100℃以下の温度で焼成する(10)〜(16)のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法。
(18) 前記積層体を、前記グリーンシート単独での焼成温度よりも50℃以上低い温度で焼成する(10)〜(17)のいずれか記載のセラミックス基板の製造方法。
(19) 前記(10)〜(18)のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法において、前記セラミックス原料粉末がPb、ZrおよびTiを含むペロブスカイト型化合物粉末であり、前記高収縮層がAgを含む導体層であることを特徴とする圧電アクチュエータ基板の製造方法。
(20) 前記積層体を焼成する際の焼成雰囲気中の酸素濃度を90%以上とする(19)記載の圧電アクチュエータ基板の製造方法。
(21) 前記(19)または(20)記載の圧電アクチュエータ基板の製造方法に加えて、さらに前記圧電アクチュエータ基板における一方の表面に電極を形成することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
前記(1)に記載のセラミックス基板によれば、前記積層体において、平均粒径2μm以下の導電性物質を主成分とし焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層が、前記グリーンシートと積層されて配置されていることによって、グリーンシートの焼成駆動力が高まり、グリーンシートの焼結開始温度が低下する。これにより、積層体の焼成温度を下げることができる。また、前記積層体において、前記高収縮層が、積層体の厚み方向の断面において、積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように配置されていることによって、積層体の厚み方向における収縮量が均等になる。これにより、焼成後のセラミックス基板に反りやうねりが生じるのを抑制することができる。
なお、前記導電性物質の平均粒径を2μm以下にするのは、積層体の厚みを100μm以下と薄くしても厚みばらつきを低減することができるとともに、比表面積が大きくなるので活性エネルギーが高くなって焼結しやすくなり、焼成温度を下げることができるからである。また、グリーンシートの焼成駆動力が高まるのは、焼成時にグリーンシートに対して高収縮層の収縮力が加わることによりグリーンシートの活性エネルギーが高まるためであると推測される。
また、前記(2)に記載のセラミックス基板では、高収縮層間の距離、最上層の高収縮層の上方側の表面と積層体の上方側の表面との距離および最下層の高収縮層の下方側の表面と積層体の下方側の表面との距離が、それぞれ30μm以下と薄く剛性が低いので、仮に積層体の厚み方向における収縮量に差が生じると、その影響を受けて反りやうねりが生じやすいが、高収縮層が、前記したように厚み方向に対称に配置されているので、反りやうねりが生じるのを抑制することができる。
前記(3)に記載のセラミックス基板によれば、高収縮層の厚みが上記範囲にあるので、グリーンシートの焼成駆動力を高める効果が十分に得られるとともに、適度な剛性を得ることができる。したがって、このセラミックス基板を、例えば圧電アクチュエータに適用する場合には、過度に剛性が高くなりすぎないので、大きな変位を得ることができる。
前記(4)および(5)に記載のように、本発明のセラミックス基板は、前記セラミックス原料粉末が圧電性セラミックス原料粉末であってもよく、前記高収縮層が導体層であってもよい。このような構成のセラミックス基板は、圧電アクチュエ―タ基板に好適である。
一般に、Pbを含むペロブスカイト型化合物を原料とする圧電アクチュエータは、1100℃を超える温度で焼成して得られるが、この温度域ではPbの蒸発が顕著になるため、焼成後の圧電特性が低下したり、圧電特性にばらつきが生じたりする。特に、これらの問題は積層体の厚みが100μm以下と薄い場合に顕著となる。
一方、前記(6)記載の圧電アクチュエータ基板によれば、Agを主成分とする平均粒径2μm以下の導電性物質を含む導体層である前記高収縮層が、前記ペロブスカイト型化合物粉末を主成分とする前記グリーンシートと積層されて配置されていることによって、グリーンシートの焼成駆動力が高まり、グリーンシートの焼結開始温度が低下する。これにより、積層体の焼成温度を下げることができるので、グリーンシートからPbが蒸発するのを抑制することができる。このため、圧電特性の低下やばらつきを抑制し、安定した圧電特性を備えた圧電アクチュエータ基板を得ることができる。また、前記高収縮層が、積層体の厚み方向の断面において、積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように配置されていることによって、積層体の厚み方向における収縮量が均等になる。これにより、焼成後の圧電アクチュエータ基板に反りやうねりが生じるのを抑制することができる。さらに、この圧電アクチュエータ基板では、前記ペロブスカイト型化合物を原料としているので、大きな変位を得ることができ、前記高収縮層がAgを含む導体であるので、高収縮層を共通電極としても利用することができ、製造工程を削減することができる。
前記(7)記載の圧電アクチュエータ基板によれば、高収縮層である導体層がAgを80質量%以上含有しているので、焼成時のAgの拡散により圧電体の体積拡散が促進され、高収縮層の収縮がより促進されるようになるため、前記したように活性化エネルギーがより高まって焼成駆動力がさらに高まる。また、Agの比率を向上させることにより低コスト化が図れる。
前記(8)および(9)に記載の圧電アクチュエータは、前記圧電アクチュエータ基板の一方の表面に電極を形成することにより得られるものである。この圧電アクチュエータは、薄型であっても反りやうねりの発生が抑制され、しかも安定した圧電特性を備えている。
前記(10)記載のセラミックス基板の製造方法によれば、グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層をグリーンシートと積層し、高収縮層による焼成収縮によってグリーンシートの焼成収縮を促進させながら積層体を焼成するので、グリーンシートの焼成駆動力を高め、グリーンシートの焼結開始温度を低下させて積層体の焼成温度を下げることができる。
前記(11)記載のセラミックス基板の製造方法では、グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層をグリーンシートと積層して積層体を形成し、前記した高収縮層の焼成収縮による作用によりグリーンシートの焼結開始温度を低下させることで、積層体の焼成温度をグリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度で焼成する。これにより、セラミック基板の製造コストを削減することができる。
前記(12)記載のセラミックス基板の製造方法によれば、積層体の厚みが100μm以下に薄くされているので、高収縮層の焼成収縮による作用により各グリーンシートをより収縮させやすくなり、焼成温度のさらなる低温化を図ることができる。特に、各グリーンシートの厚みが小さいほど、収縮効果が大きくなる。
前記(13)記載のセラミックス基板の製造方法によれば、高収縮層が、積層体の厚み方向の断面において、積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように配置されていることにより、積層体の厚み方向における収縮量が均等になるので、焼成後のセラミックス基板に反りやうねりが生じるのを抑制することができる。
前記(14)記載のように、高収縮層を複数設けることによって、グリーンシートに作用する高収縮層の収縮力が多く得られるので、積層体を収縮させやすくでき、焼成温度のさらなる低温化を図ることができる。
前記(15)記載のように、積層体が、グリーンシート単独での焼成温度において揮発性の高い成分を含んでいる場合であっても、本発明の製造方法によれば、積層体の焼成温度の低温化が図れるので、蒸発しやすい揮発性の高い成分の蒸発量を少なくでき、組成の制御が容易になる。
前記(16)〜(18)に記載のセラミックス基板の製造方法によれば、グリーンシートの焼結開始温度を低下させ、積層体の焼成温度を下げることができるので、積層体の焼成温度を下げることができるとともに、積層体の厚み方向における収縮量を均等にすることができるので、焼成後のセラミックス基板に反りやうねりが生じるのを抑制することができる。これにより、低コストで高品質のセラミック基板を得ることができる。
前記(19)記載の圧電アクチュエータ基板の製造方法によれば、Agを含む導体である高収縮層が、ペロブスカイト型化合物粉末を主成分とするグリーンシートと積層されて配置されているので、グリーンシートの焼成駆動力を高めてグリーンシートの焼結開始温度を低下させ、積層体の焼成温度を下げることができる。これにより、グリ―ンシートからPbが蒸発するのを抑制して、圧電特性の低下やばらつきを抑制し、安定した圧電特性を備えた圧電アクチュエータ基板を得ることができるとともに、積層体の厚み方向における収縮量を均等にすることができるので、焼成後の圧電アクチュエータ基板に反りやうねりが生じるのを抑制することができる。これにより、高品質な圧電アクチュエータ基板を得ることができる。
前記(20)に記載の圧電アクチュエータ基板の製造方法によれば、焼成雰囲気中の酸素分圧が高くなることによって、焼成時に積層体中のPbOが分解するのを抑制することができるので、積層体からPbが蒸発するのをさらに抑制することができる。これにより、より安定した圧電特性を備えた圧電アクチュエータ基板を得ることができる。
前記(21)に記載の圧電アクチュエータの製造方法によれば、安定した圧電特性を備え、反りやうねりの発生が抑制された高品質な圧電アクチュエータを得ることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる圧電アクチュエータについて図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の圧電アクチュエータを示す断面図である。
図1に示すように、圧電アクチュエータ11は、セラミック層12,13,14と、これらの間に積層して配置された高収縮層15,16とを備えた圧電アクチュエータ基板における一方の表面に、個別電極18が複数配列されたものである。この圧電アクチュエータ11は、個別電極18と共通電極の役割を果たす高収縮層15との間に電圧を印加することによって、個別電極18直下のセラミック層12に圧電振動を発生させることができる。
セラミック層12としては、例えばPb、ZrおよびTiを含むチタン酸ジルコン酸鉛化合物(PbZrTiO3系化合物(PZT系))、チタン酸鉛化合物、チタン酸バリウム化合物などのペロブスカイト型化合物の圧電性セラミックス原料が好適に用いられる。これらのうち、大きな変位を得られるという点で、PZT系を用いるのが好ましい。また、セラミック層13,14には、セラミック層12と同一材料を使用するのがよい。セラミック層12は厚み方向に互いに相対する方向に分極してある。
高収縮層15,16は、Ag、Cu、Pd、Pt、Rh、Au、Niの単独もしくは2種以上の組み合わせからなる導体(導電性物質)、好ましくはAgを含む導体、より好ましくはAg−Pd系合金によって形成されるのがよい。また、高収縮層15,16は、好ましくはAgを80質量%以上、より好ましくは90〜95質量%含有する導体層であるのがよい。さらに、高収縮層15,16は同一材料により形成されるのが好ましい。高収縮層15,16には、セラミック層12と同一材料を添加して用いるのがより好ましい。
個別電極18としては、Ag、Cu、Pd、Pt、Rh、Au系材料、Niの単独もしくは2種以上の組み合わせからなる導体などが使用され、薄層化しても高い導電性が得られるという点でAu系材料によって形成されるのがよい。
次に、本発明の圧電アクチュエータ11の製造方法について説明する。図2は、圧電アクチュエータ11の製造工程を示す断面図である。まず、前記したチタン酸ジルコン酸鉛化合物、チタン酸鉛化合物、チタン酸バリウム化合物などを主成分とする圧電性セラミックス原料粉末を準備する。このセラミックス原料粉末は、平均粒径が2μm以下、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下であるのがよい。セラミックス原料粉末の平均粒径を2μm以下にすることにより焼結時の均一な焼成収縮が得られるので焼成により均質なセラミック層12,13,14を得ることができる。このセラミック原料粉末と有機バインダ成分を混合しスラリを調製する。ついで、このスラリを用いてロ―ルコータ法、スリットコータ法、ドクターブレード法等の一般的なシート成形法によって、焼成後にセラミック層12,13,14となる3枚のグリーンシートを作製する(図2(a):成形工程)。なお、図2では、便宜上これらのグリーンシートをそれぞれグリーンシート12,13,14という。
ついで、成形工程で得られたグリーンシート12,13,14を加圧する(加圧工程)。加圧法として公知の手法を採用することができるが、均一な厚みにすることが容易である点で、加圧には特にロール加圧法、平面加圧法、静水圧加圧法等を用いることができる。このように、シート成形後にグリーンシートの加圧処理を行うことで、シートの密度を高め、厚みばらつきや密度ばらつきを低減することができる。加圧圧力は、材料組成、有機バインダ量、グリーンシート厚み等によって異なるが10〜100MPa、特に、20〜50MPa、更には、30〜40MPaの圧力で加圧するのが好ましい。
上述したように、本発明によれば、セラミック原料粉末を主成分とするグリーンシート12,13,14と、焼成温度においてグリーンシート12,13,14よりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層15,16とを、塗布層やグリーンシートとして形成し、これらを積層した積層体を形成し、焼成することが重要である。焼成においては、高収縮層15,16がグリーンシート12,13,14よりも収縮が大きいため、グリーンシート12,13,14の収縮を促進し、グリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度で焼成することができる。
本発明における焼成状態を、図3に示すグラフを用いて説明する。図3は、グリーンシートおよび高収縮層の収縮曲線を示すグラフである。図3に示す収縮曲線は、粉末成形体を特定温度に昇温するとともに、該特定温度で一定時間保持した後に冷却し、その試料寸法を測定して得ることができる。図3に示すように、破線で示すグリーンシートの収縮率よりも実線で示す高収縮層の収縮率の方が大きい。例えば、高収縮層の収縮率は温度T1以上で一定となるが、グリーンシートの収縮率はT0まで一定にならない。従って、高収縮層を含まない積層体の場合、その焼成温度をT0以上に設定する必要があるが、グリーンシートと高収縮層を複数積層した積層体を作製して焼成することにより、グリーンシートをT0よりも低い温度、例えばT1で焼結させることができる。
このような積層体を得るためには、例えばグリーンシートや高収縮層の粉末成形体密度を調整することにより達成できる。粉末成形体密度は、バインダー量、成形時の加圧圧力、乾燥温度、乾燥時間等に依存し、これらの製造条件を調整する。また、焼成温度の設定は、高収縮層の収縮とグリーンシートの収縮とを勘案し決定するが、グリーンシートを含み、高収縮層を含まない積層体の焼成温度よりも低く、高収縮層単独の焼成温度よりも高い温度で焼成するのが好ましい。
また、焼成温度に達する前に、焼成温度よりも低い温度、例えば図3において、高収縮層の収縮開始温度T3よりも大きく、収縮完了温度T1の間の温度T2で一定時間保持することがグリーンシートの収縮、すなわち積層体の収縮を安定化するために好ましい処理である。特に、T2は、T1に近く高収縮層の収縮率が大きく、かつ、グリーンシートの収縮率が小さい温度に設定するのが望ましい。
上記のような収縮曲線は、グリーンシートや積層体等のバルク体であれば容易に得ることができるが、高収縮層がグリーンシートへの塗布層等からなる場合には、塗布層単独の収縮曲線を得るのが難しいことがある。その場合には、グリーンシート単体または高収縮層を含まない積層体の収縮率を測定し、高収縮層とグリーンシートとの積層体の収縮率を測定し、高収縮層の付加によって収縮率が大きくなった場合に、グリーンシートよりも塗布層(高収縮層)が大きな収縮率を有していると判断できる。
次に、前記した電極材料(導電性物質)からなる導体ペーストを用いて、加圧工程で得られたグリーンシートのうち、焼成後にセラミック層13およびセラミック層14となるグリーンシート13,14の一方の表面に高収縮層15および高収縮層16をそれぞれ形成する(図2(b))。導体ペースト中の電極材料の平均粒径は2μm以下であるのがよい。
次に、グリーンシート12,13,14を図2(c)に示す順に積層し、密着させて積層体を得る(積層工程)。なお、図2では、便宜上この積層体を積層体17という。密着を行う手法としては、接着成分の含まれた密着液使用による方法、加熱によりグリーンシート中の有機バインダ成分に接着性を持たせて密着する方法、加圧だけで密着させる方法等を例示できる。
本発明では、積層体17の厚みZは、圧電アクチュエータ11の変位量を大きくするという点で、100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下であるのがよい。一方、厚みZの下限値は、取扱中や作動中に破損しない程度の機械的強度を有し、印加される電圧に耐えうるようにするために、好ましくは20μm以上、より好ましくは25μm以上、さらに好ましくは30μm以上であるのがよい。
また、積層体17では、高収縮層15,16は、積層体17の厚み方向の断面において、積層体17の厚みの1/2の位置を通りかつ積層体17の表面に平行な線に関して線対称となるようにグリーンシート12,13,14と積層されて配置されている。すなわち、高収縮層15,16は、積層体17の厚み方向の断面において、積層体17の厚みの1/2の位置を通りかつ積層体17の表面に平行な線からそれぞれtの距離を隔てて配置されている。
高収縮層15,16間の距離、最上層の高収縮層15の上方側の表面と積層体17の上方側の表面との距離および最下層の高収縮層16の下方側の表面と積層体17の下方側の表面との距離(すなわち、グリーンシート12,13,14の厚み)は、特に限定されないが、圧電体として大きな変位量を得ることができるという点で、好ましくは30μm以下、より好ましくは10〜30μmであるのがよい。各グリーンシートの厚みばらつきは15%以下、特に10%以下にするのがよい。これにより、焼成後に形成されるセラミック層12,13,14の厚みばらつきを低減して反りやうねりをより確実に抑制することができる。また、より低温で収縮を得るという点で、グリーンシート12,13,14の厚みは、20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下であるのよい。さらに、高収縮層の駆動力を十分に発揮させるために、高収縮層15,16とグリーンシート12,13,14の厚みを同程度にしてもよい。
高収縮層15,16の厚みは0.5〜5μm、好ましくは1〜2μmであるのがよい。高収縮層15,16の厚みが0.5μm未満になると、この高収縮層15,16の収縮力が小さくなり、グリーンシート12,13,14の焼成駆動力を高めて焼成開始温度を下げる効果が十分に得られないおそれがある。一方、高収縮層15,16が5μmを超えると、焼成後のセラミック層12,13,14のコンプライアンス(ヤング率の逆数)が小さくなり、十分な変位量が得られなくなるおそれがある。
高収縮層15,16の収縮率は、特に限定されず、グリーンシート12,13,14よりも大きければよい。例えば、前記したペロブスカイト型化合物の収縮率は85%〜95%程度であるので、この場合の高収縮層15,16の収縮率は85%未満であればよい。また、高収縮層15,16は、グリーンシートの形態に成形した後、該グリーンシート(高収縮層15,16)をグリーンシート13,14の表面にそれぞれ配置するようにしてもよいが、焼成時の収縮率がグリーンシート12,13,14よりも大きければ、これには限定されず、印刷等による塗布層であっても、その他の形態であってもよい。なお、収縮率は、高収縮層となるシートもしくはバルク体を加熱し、加熱温度とそのときの収縮量のカーブを取ることで測定できる。
次に、積層工程で得られた積層体17は、脱脂処理して積層体17中の有機成分の除去を行った後、酸素雰囲気中において焼成される。この積層体17の焼成時には、高収縮層15,16による焼成収縮によってグリーンシート12,13,14の焼成収縮が促進されるので、グリーンシート12,13,14の焼結開始温度を低下させて積層体17の焼成温度を下げることができる。焼成温度は、グリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度、好ましくは50℃以上低い温度、より好ましくは70〜100℃低い温度であるのがよい。具体的には、Pbを含むペロブスカイト型化合物を原料とする場合には、一般に1100℃を超える温度で焼成されるが、本発明では1100℃以下で焼成することができる。これにより、積層体17が、グリーンシート単独での焼成温度において揮発性の高いPbを含んでいる場合であっても、上記のように積層体17の焼成温度の低温化が図れるので、Pbの蒸発量を少なくでき、組成の制御が容易になる。このようにして圧電アクチュエータ基板17を得ることができる(焼成工程)。この焼成工程では、酸素濃度を90%以上、好ましくは95〜99%とするのがよい。
なお、圧電アクチュエータ基板17を作製する焼成工程においては、積層工程で得られた積層体をジルコニアもしくはマグネシアからなる試料台板を介して複数段積みにし、さらに、この段積みされた積層体上に重しを置いて焼成することが望ましい。このようにすることにより、圧電アクチュエータ基板17の反り変形がさらに抑制される。
最後に、圧電アクチュエータ基板17における一方の表面に導電ペーストをスクリーン印刷や蒸着などによって印刷し、600〜800℃程度で焼成することにより個別電極18を形成することができる。これにより、図2(d)に示す圧電アクチュエータ11を得ることができる。上記のように、積層体17に対称性を持たせた状態で焼成して圧電アクチュエータ基板17を得る方法は、焼成時の反りやうねりを防止するのに有効である。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、積層体中に高収縮層を2層設けた場合について説明したが、1層あるいは3層以上設けることもできる。ただし、これらの場合にも、高収縮層は積層体中において前記した線対称の位置に配置されることが必要である。
また、上記実施形態では、圧電アクチュエータ基板を例に挙げて説明したが、本発明は電子工業用途で好適に用いられる各種セラミックス基板にも同様に適用することができる。
[実施例1]
まず、セラミックス原料として、平均粒径(D50)が0.5μmのチタン酸ジルコン酸鉛化合物粉末と、有機溶剤と、有機バインダーと、界面活性剤とを混合したスラリを準備し、このスラリをロールコーター法にて厚み20μmのグリーンシートに成形した。次に、予め、導電ペースト単体での収縮率を測定し、グリーンシートよりも収縮率を大きくするように有機バインダと有機溶剤を調整した平均粒径1μmのAg−Pd(Ag:Pd=80:20)からなる導体ペーストを用いて、前記グリーンシートのうち、2枚のグリーンシ―トの一方の表面に厚み5μmの高収縮層をスクリーン印刷法にて形成した。次に、高収縮層が形成されていないグリーンシートを上層に、高収縮層を形成したグリーンシートを中層および下層に配置して積層し、加圧密着を行い積層体を得た。次に、この積層体を大気中において600℃で3時間脱脂処理を行い、ついで酸素濃度95%の雰囲気中において温度1100℃で2時間焼成を行い、圧電アクチュエータ基板を得た。
得られた圧電アクチュエータ基板の一方の表面に蒸着にて導体パターンを10点形成することにより圧電アクチュエータを得た。この圧電アクチュエータについて、静電容量測定機(LCRメーター)を用いて各点の静電容量の測定を行い、 画像認識測長機を用いて導体パターン面積および圧電体厚みを測定し、これらのデータから比誘電率を算出した。
その結果、10点の比誘電率の平均値は2030で、最大値は2110、最小値は1940であり、比誘電率のばらつきは±5%以内であった。また、非接触式レーザー3次元形状測定機を用いて圧電アクチュエータ基板の反り量の測定を行った。その結果、反り量は16μmと小さかった。ここで、反り量とは、基準面に対する基板面内の最大高さと最小高さの差を示している。
[実施例2]
まず、セラミックス原料として、平均粒径(D50)が0.5μmのチタン酸ジルコン酸鉛化合物粉末と、有機溶剤と、有機バインダーと、界面活性剤とを混合したスラリを準備し、このスラリをロールコーター法にて厚み15μmのグリーンシートに成形した。次に、平均粒径1μmのAg−Pd(Ag:Pd=80:20)からなるスラリを用いて、同様にロールコーター法にて厚み5μmの高収縮シートを成形した。この高収縮シートの収縮曲線を測定し、グリーンシートよりも大きな収縮率を有することを確認した。ついで、図4に示すように、4層の高収縮層(高収縮シート)21と5層のグリーンシート22とを積層し、加圧密着を行い積層体を得た。次に、この積層体を大気中において600℃で3時間脱脂処理を行い、ついで酸素濃度95%の雰囲気中において温度1100℃で2時間焼成を行い、圧電アクチュエータ基板を得た。
得られた圧電アクチュエータ基板を実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果、10点の比誘電率の平均値は2075で、最大値は2167、最小値は1980であり、比誘電率のばらつきは±5%以内であった。また、非接触式レーザー3次元形状測定機を用いて圧電アクチュエータ基板の反り量の測定を行った。その結果、反り量は21μmと小さかった。
[比較例1]
グリーンシートの表面に高収縮層を形成せず、焼成温度を1200℃とした他は、実施例1と同様にして圧電アクチュエータ基板を作製し、得られた圧電アクチュエータ基板の一方の表面に蒸着にて導体パターンを10点形成し、他方の表面に高収縮層を形成することにより圧電アクチュエータを得た。この圧電アクチュエータについて、実施例と同様にして比誘電率および反り量の測定を行った。
その結果、10点の比誘電率の平均値は1880で、最大値は2090、最小値は1740であり、比誘電率のばらつきは±10%以上であった。また、反り量は16μmと小さかった。
[比較例2]
1枚のグリーンシートにのみ高収縮層を形成し、高収縮層を形成していないグリーンシートを上層および下層に、高収縮層を形成したグリーンシートを中層に配置して積層した他は、実施例1と同様にして圧電アクチュエータを作製し、比誘電率および反り量の測定を行った。
その結果、10点の比誘電率の平均値は1990で、最大値は2070、最小値は1900であり、比誘電率のばらつきは±5%以内であった。また、反り量は100μm以上と大きいものであった。
以上のように、実施例1,2の圧電アクチュエータでは、圧電特性のばらつきが小さく、しかも反りやうねりも小さいことがわかった。
本発明の一実施形態にかかる圧電アクチュエータを示す断面図である。 図1の圧電アクチュエータの製造工程を示す断面図である。 グリーンシートおよび高収縮層の収縮曲線を示すグラフである。 実施例2において作製した積層体の構成を示す断面図である。 従来の圧電アクチュエータを備えたインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。
符号の説明
11 圧電アクチュエータ
12,13,14 セラミック層
15,16 高収縮層
17 圧電アクチュエータ基板
18 個別電極

Claims (21)

  1. セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートを複数積層した厚みが100μm以下の積層体を焼成して得られるセラミックス基板であって、前記積層体には、平均粒径2μm以下の導電性物質を主成分とし焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層が、前記積層体の厚み方向の断面において、前記積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ前記積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように、前記グリーンシートと積層されて配置されていることを特徴とするセラミックス基板。
  2. 前記高収縮層が複数配置され、前記高収縮層間の距離、最上層の前記高収縮層の上方側の表面と前記積層体の上方側の表面との距離および最下層の前記高収縮層の下方側の表面と前記積層体の下方側の表面との距離が、それぞれ30μm以下である請求項1記載のセラミックス基板。
  3. 前記高収縮層の厚みが0.5〜5μmである請求項1または2記載のセラミックス基板。
  4. 前記セラミックス原料粉末が圧電性セラミックス原料粉末である請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックス基板。
  5. 前記高収縮層が導体層である請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックス基板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックス基板において、前記セラミックス原料粉末がPb、ZrおよびTiを含むペロブスカイト型化合物粉末であり、前記高収縮層がAgを含む導体層であることを特徴とする圧電アクチュエータ基板。
  7. 前記導体層がAgを80質量%以上含有する請求項6記載の圧電アクチュエータ基板。
  8. 請求項6または7記載の圧電アクチュエータ基板における一方の表面に電極が形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  9. 前記電極が前記表面に複数配列されている請求項8記載の圧電アクチュエータ。
  10. セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートと、焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層を前記グリーンシートとを積層して積層体を形成し、前記高収縮層による焼成収縮によって、前記グリーンシートの焼成収縮を促進せしめながら前記積層体を焼成することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
  11. セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートと、焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層を前記グリーンシートとを積層して積層体を形成し、この積層体を、前記グリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度で焼成することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
  12. 前記積層体の厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項10又は11記載のセラミックス基板の製造方法。
  13. 前記高収縮層を、前記積層体の厚み方向の断面において、前記積層体の厚みの1/2の位置を通り、かつ前記積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように、前記グリーンシートと積層して配置してなることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法。
  14. 前記高収縮層が、前記積層体の内部及び/又は表面に、複数設けられていることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法。
  15. 前記積層体が、前記グリーンシート単独での焼成温度において揮発性の高い成分を含むことを特徴とする請求項10〜14記載のセラミックス基板の製造方法。
  16. セラミックス原料粉末を主成分とするグリーンシートを複数積層した厚みが100μm以下の積層体を焼成してセラミックス基板を製造する方法であって、平均粒径2μm以下の導電性物質を主成分とし焼成時に前記グリーンシートよりも表面に平行な方向に対して大きい収縮率を有する高収縮層を、前記積層体の厚み方向の断面において、前記積層体の厚みの1/2の位置を通りかつ前記積層体の表面に平行な線に関して線対称となるように、前記グリーンシートと積層して配置し、この積層体を、前記グリーンシート単独での焼成温度よりも低い温度で焼成することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
  17. 前記積層体を1100℃以下の温度で焼成する請求項10〜16のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法。
  18. 前記積層体を、前記グリーンシート単独での焼成温度よりも50℃以上低い温度で焼成する請求項10〜17のいずれか記載のセラミックス基板の製造方法。
  19. 請求項10〜18のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方法において、前記セラミックス原料粉末がPb、ZrおよびTiを含むペロブスカイト型化合物粉末であり、前記高収縮層がAgを含む導体層であることを特徴とする圧電アクチュエータ基板の製造方法。
  20. 前記積層体を焼成する際の焼成雰囲気中の酸素濃度を90%以上とする請求項19記載の圧電アクチュエータ基板の製造方法。
  21. 請求項19または20記載の圧電アクチュエータ基板の製造方法に加えて、さらに前記圧電アクチュエータ基板における一方の表面に電極を形成することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
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