JP2004345023A - ガラス基板を吸着保持するための吸着パッドとその成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノンテンプレート式の片面研磨機を用いた研磨において、研磨に伴い、ガラス基板の平滑性が吸着面に転写し吸着面が平滑に変化していく結果、ガラス基板への吸着パッドの吸着力が強くなりすぎて、研磨後のガラス基板の吸着パッドからの剥離が困難になって、割れが生じることを抑制する。
【解決手段】ノンテンプレート式の片面研磨機によりガラス基板を研磨する際に、ガラス基板を吸着保持するための吸水性を有する多孔質軟質樹脂からなる吸着パッドであって、吸着パッドからのガラス基板の剥離を容易とするために、吸着面に、周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下の凹凸を形成したことを特徴とする吸着パッドを使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状体、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板または磁気ディスク用ガラス基板、特に液晶ディスプレイ用ガラス基板の片側を吸着保持し、片面研磨するための吸着パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板等、板状体の製造直後の表面は完全な平滑面ではなく、多少のうねりやマイクロコルゲーション、凹凸、キズ等を有している。よって、通常、これらの基板は、片面研磨または両面研磨される。
【0003】
片面研磨におけるガラス基板の保持方法には、テンプレート式およびノンプレート式がある。
【0004】
テンプレート式は、片面研磨機において、定盤に吸着されたスエード状のパッドにガラス基板を密着させ、ガラス基板より若干薄いガラス基板が収まる開口穴を有する硬質の樹脂枠内にガラス基板を保持する方法である。保持した状態のガラス基板に研磨布を摺接して研磨する際に、樹脂枠によってガラス基板がずれることを防止でき、スエード状のパッドに密着させたガラスの保持力が小さいため、研磨後のガラス基板の剥離が容易であり、剥離時のわれ等の不具合が生じにくいという長所を有する。しかしながら、樹脂枠を用いたことに起因するガラスエッジ部の研磨異常および欠け等が発生し易いという短所を有する。
【0005】
ノンテンプレート式は、片面研磨機において、定盤に貼着された微小空泡を有する多孔質軟質樹脂からなる吸着パッドを吸水させて、その平滑な吸着面に加圧ローラ等の押圧手段でガラス基板を押しつけることで、吸着させて保持する方法である。吸着パッドにガラス基板を保持させることが容易であり、保持した状態のガラス基板に研磨布を摺接して研磨した後に、樹脂枠を用いたことに起因するガラスエッジ部の研磨異常および欠け等の発生の懸念がないという長所を有する。しかしながら、研磨後に吸着パッドに吸着保持されたガラス基板を剥離する際に、ガラス基板が薄く反るために剥離動作が速すぎるとガラス基板が破損し易いという短所を有している。
【0006】
近年、例えば、液晶テレビ、パーソナルコンピュータ用液晶ディスプレイのサイズは大きくなってきており、液晶パネルは、フロート法などで製造後、研磨された1枚の薄い大板ガラスから、液晶パネルとするためのフォトリソ工程を経た後、パネルサイズに切断して使用される。即ち、通称、多面取りされる。このため、研磨工程において、研磨される液晶用ガラス基板は大型化してきている。
【0007】
ガラス基板の大型化に従い、樹脂枠を用いず、多孔質軟質樹脂からなる吸着パッドにガラス基板を吸着させて保持するノンテンプレート式のガラス基板の保持方法が、片面研磨において主流となってきているが、ガラス基板を吸着パッドから剥がす際、ガラス基板サイズが大きいほど、薄いほど割れ易いという問題があった。
【0008】
このことの対策として、例えば、特許文献1には、上側の可撓自在な定盤でガラス基板の全面を保持し、定盤を可撓手段で撓ませてガラス基板を下側の研磨テーブル上の吸着パッドから剥離させていき、定盤を退避手段で研磨テーブルから退避移動させることで、ガラス基板を研磨テーブルから自動で剥離するガラス基板の吸着パッドからの剥離方法およびその機械が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、ガラス基板の一方側を吸着パッドによって、保持した後、ガラス板の他方側と吸着パッドとの境界部に向けて圧縮エアーを噴出し、ガラス板を浮上させ、そして、浮上したガラス板と吸着パッドとの隙間に水滴を供給して吸着パッドの吸着力を無くすことで、ガラス板を吸着パッドから自動で剥離するガラス基板の吸着パッドからの剥離方法およびその機械が開示されている。
【0010】
一方、ノンテンプレート式の片面研磨機の研磨時にガラスを吸着保持するために用いる吸着パッドは、内部に多数の空隙を有し、空隙のサイズが、吸着面に近づくほど細かくなる緻密な構造であり、吸着面は微小空隙を有するが平滑に仕上げられている。特に、吸着面の表面層は、空隙のサイズが細かく緻密な層となっている。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−84844号公報
【特許文献2】
特開2000−94319号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のガラス基板の吸着パッドは、所望のガラス基板の吸着力を得るために吸着面は凹凸のサイズが10μm以下、周期が20mm以上の平滑面としていた。
【0013】
しかしながら、ガラス基板を研磨していくと、微小空泡を有する多孔質軟質樹脂からなる吸着パッドの弾性が弱くなり、研磨時間の進行と共に吸着面が更に平滑に変化していく結果、ガラス基板への吸着パッドの吸着力が強くなりすぎて、研磨後のガラス基板の吸着パッドからの剥離が困難となって、特に薄く且つ大型のガラス基板の剥離時において、割れが生じ易いという問題があった。
【0014】
本発明は、上記の問題を解決するために発明されたものであり、ノンテンプレート式の片面研磨機において、研磨後の大型ガラス基板、薄板ガラス基板の吸着パッドからの剥離を容易とし、言い換えれば、剥離時の反りによるガラス基板の割れを防止することを目的とする。
【0015】
【発明を解決するための手段】
本発明者は、ノンテンプレート式の片面研磨機を用いて研磨した片面研磨後のガラス基板の剥離時に割れが発生する原因を検討した結果、研磨時間および研磨枚数の経過に従い吸着パッドの弾性がなくなり、研磨時に平滑なガラス基板が吸着面に押し当てられることでガラス基板の平滑性が吸着面に転写して吸着面の平滑性が増し、吸着パッドのガラス基板に対する吸着力が強くなり、吸着パッドの吸着面とガラス面の全面とが強く密着するようになるためであることが判った。
【0016】
即ち、本発明者が、ガラス基板を吸着パッドに吸着保持した状態で、ノンテンプレート式の片面研磨機を用いて複数のガラス基板を研磨しつつ、ガラス基板が研磨パッドに吸着保持される力の推移を確認したところ、ガラス基板を研磨パッドに摺接する研磨時に、ガラス基板が吸着パッドを押圧することで、研磨枚数が多くなるほど吸着パッドの吸着面の平滑性が増し、吸着面とガラス面の全面とが強く吸着することが判った。即ち、研磨終了後にガラス基板を片側より吸着パッドから剥がして全体を剥離する際に、ガラス基板と吸着パッドの間に空気が入り辛くなり、ガラス基板が反る際に無理な力がかかり破損に至る。
【0017】
本発明者は、鋭意検討した結果、割れを防止するために、ガラス基板を研磨する際に、研磨時間および研磨枚数の経過に伴い、吸着パッドの吸着面が平滑になることを抑制し、吸着面とガラス面の全面とが強く密着することを抑制した吸着パッドを得るに至った。
【0018】
即ち、本発明は、ノンテンプレート式の片面研磨機によりガラス基板を研磨する際に、ガラス基板を吸着保持するための吸水性を有する多孔質軟質樹脂からなる吸着パッドであって、研磨後の吸着パッドからのガラス基板の剥離を容易とするために、吸着面に、周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下の凹凸を形成したことを特徴とする吸着パッドである。
【0019】
更に、本発明は、JIS K6253(1997)に準拠するデュロメータタイプAにより測定した乾燥状態での硬度が5以上、50以下の多孔質ウレタン樹脂からなることを特徴とする上記の吸着パッドである。
【0020】
更に、本発明は、周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下の凹凸を形成した樹脂板または鋼板に平滑な吸着パッド素材の吸着面を押し当てることで、該凹凸を転写させる上記の吸着パッドの成形方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(吸着パッド)
吸着パッドは、従来の吸着パッドと同様に、例えば、イソシアネートとグリコールを反応させて得られたウレタンプレポリマーに、活性水素化合物と加熱膨張性粒子等を加えた後、成形型に塗り付けるまたは成形型内に流し込んで成形した後、加熱して加熱膨張性粒子を膨張させて作製される、または、前記ウレタンプレポリマーに、活性水素化合物と水溶性微粒子等を加えた後、成形型に塗り付けるまたは成形型内に流し込んで成形した後、水洗いして水溶性粒子を溶かして作製される。具体的には、末端がイソシアネート基であるポリウレタンプレポリマーに活性水素化合物であるジメチルホルムアミド、水および加熱膨張性微粒子等を添加し液状とした後、成形型となるポリエステルフィルム上にリバースコーターで塗布し、硬化させた後にポリエステルフィルムより剥離させ、加熱して微粒子を膨張させて作製される。
【0022】
尚、加熱膨張性微粒子としては、殻部分がアクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された中空の微小微粒子が使用される。
【0023】
図1は、吸着パッドの拡大断面図である。
【0024】
図1に示すように、吸着パッド1は内部に多数の空隙2を有し、空隙2のサイズが、吸着面3に近づくほど細かくなる緻密な構造であり、吸着面3は微小空孔を有し、吸着面3の表面層は、空隙2のサイズが細かく緻密な層となっている。
【0025】
また、図1に示すように、本発明の吸着パッド1の吸着面3には、研磨後に吸着面からのガラス基板の剥離が容易なように、吸着面3の全面または少なくともガラス基板を吸着する吸着面3に凹凸が形成されている。本発明において、図1に示す凸部の開始点Aと凸部の終点Bまでの距離が凹凸の周期であり、凸部の頂点Cと凹部の頂点Dとの差Eが凹凸のサイズである。
【0026】
ガラス基板の研磨作業の経過に従い、研磨時間が経過し、研磨枚数が増加したとしても、吸着パッド1の吸着面3に、周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下の凹凸があれば、好ましくは、周期、0.3mm以上、1mm以下、サイズ、10μm以上、30μm以下の凹凸があれば、ガラス基板の平滑性が転写されることが抑制され、吸着面3とガラス面の全面とが強く密着し割れに至ることが防止される。
【0027】
吸着面3の凹凸の周期が0.2mmより小さいと、ガラス基板の研磨作業の経過に従い、凹凸がなくなり平滑面となってしまうため、吸着パッド1のガラス基板の吸着力が強くなりすぎる、好ましくは、周期、0.3mm以上である。一方、吸着面3の凹凸の周期が2mmより大きいと、吸着面3とガラス基板が密着せず、ガラス基板に対する吸着パッド1の吸着力が弱くなり、ガラス基板を吸着保持できず、研磨中にガラス基板が吸着パッド1よりずれて破損する等の問題が生じる、好ましくは、周期、1mm以下である。
【0028】
吸着面3の凹凸のサイズが5μmより小さいと、ガラス基板の研磨作業の経過に従い、凹凸がなくなり平滑面となってしまうため、吸着パッド1のガラス基板の吸着力が強くなりすぎる、好ましくは、サイズ、10μm以上である。一方、吸着面3の凹凸のサイズが40μmより大きいと、吸着面3とガラス基板が密着せず、ガラス基板に対する吸着パッド1の吸着力が弱くなり、ガラス基板を吸着保持できず、研磨中にガラス基板が吸着パッド1よりずれて破損する等の問題が生じる、好ましくは、サイズ、30μm以下である。
【0029】
本発明の吸着パッド1において、前記の周期およびサイズの凹凸を吸着面にマット状に形成する。凹凸をマット状に形成するとは、例えば、光を散乱させる絹目状の写真および樹脂からなる本の表紙等の様に、凹凸を形成することである。
【0030】
尚、吸着面に前記周期、およびサイズの凹凸を形成する部位は全面が好ましいが、ガラス基板を吸着する際に、少なくとも吸着されたガラス基板の面積の50%以上は、前記周期、およびサイズの凹凸を形成する。50%未満であると、研磨後のガラス基板の剥離時に、ガラス基板の反りによる割れを防止する効果が得られ難い。
【0031】
吸着パッド1の吸着面に周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下、好ましくは、周期、0.3mm以上、1mm以下、サイズ、10μm以上、30μm以下のマット状の凹凸を形成するには、凹凸のサイズが10μm以下、周期が20mm以上の平滑な吸着パッド1の吸着面に、表面に周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下、好ましくは、周期、0.3mm以上、1mm以下、サイズ、10μm以上、30μm以下の凹凸が形成された金属板を加熱し押し当てて凹凸を転写させる方法が挙げられる。
【0032】
凹凸が形成された金属板の作製方法には、硬質の粒子を金属板に吹きつけ凹凸を形成するサンドブラスト法、またはスクリーン印刷等によりペーストで金属板に凹凸の元となる模様を形成後、酸によるエッチングでペーストの塗られていない露出部を触刻する方法等が挙げられる。これらの方法で作製した金属面に押圧し、マット状の凹凸を形成することが、前記の絹目状の写真紙および樹脂からなる本の表紙の作成において、実際に行われている。これら方法で作製した場合、凹凸の一部は、前記、本発明の範囲から逸脱することは避けられない。少なくとも凹凸を形成した面の面積の50%以上が本発明の凹凸の周期、サイズの範囲内であれば、研磨後のガラス基板の剥離時に、ガラス基板の反りによる割れを防止する効果が得られる。
【0033】
本発明の吸着パッド1の乾燥状態でのJIS K6253(1997)に準拠するデュロメータタイプAで測定した硬度は5以上、50以下である。該硬度が、5より小さいと、吸着パッド1が軟らか過ぎ、研磨中にガラス基板が吸着パッド1に沈み込み過ぎて、単位時間当たりの研磨量が小さくなり、研磨時間が長くなる。しかしながら、50より大きいと、吸着パッド1が硬過ぎ、吸着パッド1のガラス基板に対する吸着力が弱くなり、ガラス基板を吸着保持できず、研磨中にガラス基板が吸着パッド1よりずれて破損する等の問題が生じる。吸着パッド1に、上記の硬度範囲内を得るためには、吸着パッド1の材料を多孔質ウレタン樹脂とすることが好ましい。
【0034】
尚、JIS K6253(1997)に準拠する加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法は、試験片にデュロメータを密着させた際に、デュロメータ内部のスプリングによる加圧で押針が試験片を押し、試験片がそれに反発した際の平衡状態における押針の押し込み深さから、硬さを示す試験方法に属する。JISK6253(1997)に準拠するデュロメータには、中硬さ用のタイプA、高硬さ用のタイプD、低硬さ用のタイプEがあり、本発明におけるデュロメータタイプAは、例えば、株式会社アカシ、株式会社島津製作所、株式会社テクロックから市販されている。
(片面研磨機)
図2は、実施例で使用したノンテンプレート式に属するオスカー式片面研磨機の主要部の側面図である。
【0035】
図2に示すように、ガラス基板Gを片面研磨する際は、上側に加圧盤4を配し、研磨対象であるガラス基板Gを挟み込んだ下側の研磨盤5を回転させることによって研磨する。詳しくは、加圧盤4の下面に、両面粘着シート6で吸着パッド1を貼り付け、更に、吸着パッド1の下面、即ち、吸着面3にガラス基板Gの非研磨面側を密着固定する。ガラス基板Gの吸着パッド1への固定は吸着パッド1に水を含ませ、ガラス基板Gを図示しない加圧ローラ等で押圧しつつ接触させると、ガラス基板Gが吸着パッド1に吸着され、吸着面3に保持される。自転軸7を中心に自転可能な加圧盤4を加圧し、保持されたガラス基板Gの下面側である研磨面を、回転駆動軸8を中心に回転する研磨盤5に両面粘着シート6´で貼着され研磨布9上に、酸化セリウムからなる研磨砥粒を水に懸濁させてスラリーとした研磨液を供給しながら、両面粘着シート6´で貼り付けた研磨布9に加圧し押しつけることで研磨を行う。
【0036】
図3は、吸着パッドよりガラス基板を剥離している様子を示す側面図である。
【0037】
研磨後、加圧盤4を移動させて、図3に示すように、吸着パッド1に吸着した状態でガラス基板Gを保持具10に付設した複数の吸盤11で吸着し、吸着パッド1とガラス基板Gとの間にスプレーガン12で水を噴射しつつ供給し、またはエアーガン12で高圧エアーを吹きつけつつ、ガラス基板Gの片側を吸盤11で下方に引くことによって、吸着パッド1からガラス基板Gを剥離させる
【0038】
【実施例】
市販の吸着パッド1(富士紡株式会社製、製品名、ポリパス ワックスレス マウティング用保持パッド、型番2000R)の凹凸のサイズが10μm以下、周期が20mm以上の吸着面側を、サンドブラスト法により全面に凹凸を形成したステンレス板に押し当てて、吸着面3にステンレス板の凹凸を転写させた。その際のステンレス板の温度は100℃であり、押し当てる圧力は2kg/cm、押し当てる時間は3minとした。こうして、吸着パッド全面に周期0.3mm〜1mm、サイズ10μm〜30μmの凹凸を形成した。
【0039】
一方、研磨定盤2に両面粘着シート3で貼り付けた状態で、該吸着パッド1の乾燥状態における硬度を、JIS K6253(1997)に準拠するデュロメータタイプA(株式会社アカシ製、デュロメータ タイプA 型番HH−335)を用いて測定したところ、測定値は15であった。
【0040】
次いで、前記凹凸を形成した硬度15の吸着パッド1を使用し、図2に示すオスカー式研磨機により、厚み、0.7mm、大きさ、680×880mmのソーダライムシリケートガラス基板Gを前述の手順で研磨した。加圧盤4の直径は1200mmであり、研磨盤5の直径は1500mmである。研磨布9には、酸化セリウムの微粒子を含浸させた多孔質ウレタン樹脂からなる研磨布9(九重電気株式会社製、型番KSP66A)を用い、研磨液には酸化セリウムからなる研磨砥粒を水に懸濁させスラリーとした市販の研磨液(三井金属鉱業株式会社製、製品名、ミレーク)を用い、研磨時間、5分間でガラス基板Gの片面研磨を行った。
【0041】
研磨後、加圧盤4を移動させて、図3に示すように、吸着パッド1に吸着した状態でガラス基板Gを保持具10に付設した複数の吸盤11で吸着し、吸着パッド1と、寸法680mmであるガラス基板Gの片方の端面との間にエアーガン12で高圧エアーを吹き付けて、ガラス基板Gの片側を吸盤11で下方に引くことによって、剥離時間10秒で吸着パッド1からガラス基板Gを剥離させ、剥離の際にガラス基板の割れの発生の有無を、研磨枚数で追って確認した。
表1に研磨枚数と剥離割れ枚数の推移を示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004345023
【0043】
表1に示すように、前記凹凸を形成した本発明の吸着パッド1を使用した際は、研磨200枚目まで、ガラス基板Gに割れは発生しなかった。凹凸を形成していない以外は同様の吸着パッド1を使用した際は、90枚目以降から割れが発生し始め、研磨枚数の増加に伴い、増加傾向にある。
【0044】
【発明の効果】
ノンテンプレート式の片面研磨機によりガラス基板を研磨する際に、周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下、好ましくは、周期、0.3mm以上、1mm以下、サイズ、10μm以上、30μm以下の凹凸を吸着面に形成した本発明の吸着パッドを使用すれば、ガラス基板の平滑性が吸着面に転写し吸着面が平滑に変化していく結果、ガラス基板への吸着パッドの吸着力が強くなりすぎて、研磨の進行に伴い研磨後のガラス基板の吸着パッドからの剥離が困難になって、割れが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着パッドの拡大断面図である。
【図2】実施例で使用したノンテンプレート式に属するオスカー式片面研磨機の主要部の側面図である。
【図3】吸着パッドよりガラス基板を剥離している様子を示す側面図である。
【符号の説明】
G ガラス基板
1 吸着パッド
2 空隙
3 吸着面
4 加圧盤
5 研磨盤
6、6´ 両面粘着シート
7 自転軸
8 回転駆動軸
9 研磨布
10 保持具
11 吸着盤
12 スプレーガンまたはエアーガン

Claims (3)

  1. ノンテンプレート式の片面研磨機によりガラス基板を研磨する際に、ガラス基板を吸着保持するための吸水性を有する多孔質軟質樹脂からなる吸着パッドであって、研磨後の吸着パッドからのガラス基板の剥離を容易とするために、吸着面に、周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下の凹凸を形成したことを特徴とする吸着パッド。
  2. JIS K6253(1997)に準拠するデュロメータタイプAにより測定した乾燥状態での硬度が5以上、50以下の多孔質ウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の吸着パッド。
  3. 周期、0.2mm以上、2mm以下、サイズ、5μm以上、40μm以下の凹凸を形成した樹脂板または鋼板に平滑な吸着パッド素材の吸着面を押し当てることで、該凹凸を転写させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着パッドの成形方法。
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