JP2004344743A - 液状体の塗布方法およびその装置、電気光学装置、ならびに電子機器 - Google Patents

液状体の塗布方法およびその装置、電気光学装置、ならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】規格量の液晶を正確に塗布することが可能な、液晶表示装置の製造装置の提供を目的とする。
【解決手段】インクジェットヘッド20を備えた液晶の塗布手段10と、液晶の塗布量の計測手段120と、計測手段120による液晶の塗布量の計測値が規格値を下回る場合に、液晶の追加塗布量を含む追加塗布信号を出力する制御手段130と、液晶の追加塗布手段10と、を有する構成とした。なお、塗布手段10および追加塗布手段10、ならびに基板48を載置するテーブルには、液晶の温度調節手段が設けられていることが望ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体の塗布方法およびその装置、電気光学装置、ならびに電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の電子機器におけるカラー画像表示部には、液晶表示装置等の電気光学装置が使用されている。液晶表示装置は、一対の透明基板の間に液晶層が挟持されて構成されている。この液晶表示装置を形成するには、まず一方の基板の表面周縁部にシール剤を塗布する。その際、シール剤の一部に液晶の注入口を形成しておく。次に、シール剤の内側にスペーサを散布し、シール剤を介して他方の基板を貼り合わせる。これにより、一対の基板とシール剤とによって囲まれた領域に液晶セルが形成される。次に、真空中で液晶セル内を脱気し、液晶注入口を液晶槽内に浸漬した状態で、全体を大気圧下に戻す。すると、液晶セルと外部との圧力差および表面張力によって、液晶セル内に液晶が充填される。
【0003】
しかしながら、上述した方法で液晶を充填した場合には、充填時間が非常に長くなる。特に、対角1m以上の大型の基板を使用する場合には、液晶の充填に1日以上を要することになる。
【0004】
そこで、インクジェット等の液滴吐出装置を用いて基板上に液晶を塗布する滴下組立法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。この方法は、まず一方の基板の表面周縁部にシール剤を塗布する。次に、そのシール剤の内側に、液滴吐出装置により規格量の液晶を滴下する。最後に、シール剤を介して他方の基板を貼り合わせ、液晶表示装置を形成するというものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−19790号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した滴下組立法では、液滴吐出ヘッドに形成された微小直径のノズルから液滴を吐出する。そのため、液晶等の高粘性流体を吐出しようとすると、その高粘性流体によって一部のノズルが閉塞され、液滴を吐出できなくなる場合がある。これにより、規格量の液晶を基板上に塗布することができないという問題がある。なお、特許文献1では、液滴吐出ヘッド等に加熱手段、温度監視手段および温度制御手段を設けることにより、機能性液体の粘度を低下させて吐出できるようにする構成が示されている。しかしながら、液晶等の材料自体がばらついた場合や、液滴吐出ヘッドのノズルにゴミが溜まった場合などには、なお吐出が困難となる可能性がある。
【0007】
ところで、液晶表示装置における一対の基板の間隔(セルギャップ)は、液晶表示装置におけるコントラスト比等の表示性能と密接に関連している。なお、一対の基板の間にスペーサを配置すればセルギャップを確保することはできるが、スペーサを配置しない場合には液晶の塗布量がセルギャップを決定することになる。そのため、規格量の液晶を塗布することができない場合には、所望のセルギャップを確保することができずに、液晶表示装置の表示性能を低下させることになる。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、規格量の液状体を正確に塗布することが可能な、液状体の塗布方法およびその装置の提供を目的とする。
また、コントラスト比等の表示性能に優れた電気光学装置および電子機器の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る液状体の塗布方法は、液状体を塗布する工程と、前記液状体の塗布量を計測する工程と、前記液状体の塗布量の計測値が、前記液状体の塗布量の規格値を下回る場合に、前記液状体を追加塗布する工程と、を有することを特徴とする。この構成によれば、規格量の液状体を正確に塗布することができる。
【0010】
また、本発明に係る他の液状体の塗布方法は、液状体を塗布しつつ、前記液状体の塗布量を計測する工程と、前記液状体の塗布量の計測値が、前記液状体の塗布量の規格値を下回る場合に、前記液状体を追加塗布する工程と、を有することを特徴とする。この構成によっても、規格量の液状体を正確に塗布することができる。また、液状体を塗布しつつ追加塗布量を算出するので、迅速に追加塗布を行うことが可能になり、全体の塗布時間を短縮することができる。
【0011】
なお前記液状体の塗布量は、塗布された前記液状体の投影面積であってもよい。この構成によれば、簡単な装置により短時間に液状体の塗布量を把握して、規格量の液状体を正確に塗布することが可能となる。したがって、設備コストおよび塗布時間の増大を抑制することができる。
【0012】
なお前記液状体の塗布量は、塗布された前記液状体の体積であってもよい。この構成によれば、追加塗布量を簡単に算出することができる。また、液状体の濡れ広がり方に多少のばらつきがあっても、液状体の塗布量を正確に把握して追加塗布量を算出することができる。したがって、規格量の液状体を正確に塗布することができる。
【0013】
なお前記液状体の塗布量は、塗布された前記液状体の質量であってもよい。この構成によれば、追加塗布量を簡単に算出することができる。したがって、規格量の液状体を正確に塗布することができる。
【0014】
なお前記液状体は、電気光学物質であってもよい。これにより、規格量の電気光学物質を正確に塗布することができる。
【0015】
一方、本発明に係る液状体の塗布装置は、液状体の塗布手段と、前記液状体の塗布量の計測手段と、前記計測手段による前記液状体の塗布量の計測値が、前記液状体の塗布量の規格値を下回る場合に、前記液状体の追加塗布量を含む追加塗布信号を出力する制御手段と、前記液状体の追加塗布手段と、を有することを特徴とする。この構成によれば、規格量の液状体を正確に塗布することができる。
【0016】
また、少なくとも前記追加塗布手段は、液滴吐出手段であることが望ましい。液滴吐出手段によれば、所定量の液状体を正確に塗布することが可能である。したがって、追加塗布量を正確に塗布することが可能になり、規格量の液状体を正確に塗布することができる。
【0017】
また、前記塗布手段および/または前記追加塗布手段には、前記液状体の温度調節手段が設けられていることが望ましい。この構成によれば、液状体の粘度を調節することが可能になり、所定量の液状体を正確に塗布することができる。
【0018】
また、前記液状体の塗布対象物を載置するテーブルに、温度調節手段が設けられていることが望ましい。この構成によれば、液状体の濡れ広がり方を制御することが可能になり、液状体の塗布量を正確に把握することができる。
【0019】
また、前記塗布手段と前記計測手段との間および/または前記計測手段と前記追加塗布手段との間で、前記液状体の塗布対象物を自動搬送可能に形成されていることが望ましい。この構成によれば、所定量の液状体を正確かつ自動的に塗布することができる。
【0020】
一方、本発明に係る電気光学装置は、上述した液状体の塗布方法を使用して、電気光学物質を塗布することにより製造したことを特徴とする。上述した液状体の塗布方法により、所定量の電気光学物質を正確に塗布することができるので、電気光学装置において所望のセルギャップを確保することが可能になる。したがって、コントラスト比等の表示性能に優れた電気光学装置を提供することができる。
【0021】
一方、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備えたことを特徴とする。これにより、コントラスト比等の表示性能に優れた電子機器を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液状体の塗布方法およびその装置の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の実施形態では、液状体の一例として液晶を採用し、液晶表示装置の製造方法およびその装置について説明する。もっとも、液晶以外の液状体を塗布する場合にも本発明を適用することは可能である。
[第1実施形態]
最初に、第1実施形態に係る液晶表示装置の製造方法につき、図1ないし図6を用いて説明する。
【0023】
[液晶表示装置]
図2に、液晶表示装置のカラーフィルタ基板を取り外した状態の平面図を示す。また図3に、図2のH−H′線に相当する部分における液晶表示装置の側面断面図を示す。液晶表示装置200は、TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220と、シール剤252とによって形成される空間に、液晶250を封入したものである。
【0024】
TFTアレイ基板210は、ガラス基板の表面に、各画素のスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を形成したものである。各TFTのゲート電極からのびる複数の走査線は、基板周縁部に形成された走査線駆動回路204に接続されている。また、各TFTの上方には層間絶縁膜が形成され、その表面に複数のデータ線が形成されている。そして、各TFTのソースはスルーホールを介してデータ線に接続され、各データ線は基板周縁部に形成されたデータ線駆動回路201に接続されている。なお、走査線駆動回路204およびデータ線駆動回路201を外部に接続するための端子202が、基板周縁部に形成されている。さらに、データ線の上方には層間絶縁膜が形成され、その表面に画素電極が形成されている。そして、各TFTのドレインは、スルーホールを介して画素電極に接続されている。加えて、画素電極の上方には、液晶分子の配向膜が形成されている。
【0025】
一方、カラーフィルタ基板220は、ガラス基板の表面に、RGB各色のカラーフィルタ層を形成したものである。このカラーフィルタの間には、額縁状にブラックマトリクスが形成されている。また、カラーフィルタ層の表面には保護膜が形成され、その表面にはITO等からなる共通電極が形成されている。さらに、共通電極の上方には液晶分子の配向膜が形成されている。
【0026】
そして、図2に示すように、TFTアレイ基板210の画像表示領域を取り囲むように、熱硬化性樹脂等からなるシール剤252が塗布されている。なお、シール剤252はTFTアレイ基板210の全周に塗布されている。そして、このシール剤252の内側には、後述する塗布方法により、液晶250が塗布されている。さらに、このシール剤252を介して、TFTアレイ基板210とカラーフィルタ基板220とが貼り合わされている。これにより、TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220と、シール剤252とによって形成される空間内に、液晶250が封入される。加えて、TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220の外側表面に偏光フィルムを形成すれば、液晶表示装置200が構成される。なお、液晶表示装置200の画像表示領域には、複数の画素がマトリクス状に形成されている。
【0027】
[製造装置]
上述したTFTアレイ基板に対する液晶の塗布は、第1実施形態に係る液晶表示装置の製造装置を使用して行う。図1に、第1実施形態に係る液晶表示装置の製造装置の説明図を示す。この液晶表示装置の製造装置100は、基板48上に液晶を塗布する塗布手段10と、塗布された液晶の投影面積を計測する計測手段120と、液晶の投影面積の計測値が規格値を下回る場合に液晶の追加塗布信号を出力する制御手段130と、液晶の追加塗布を行う追加塗布手段10と、を有するものである。なお、液晶の塗布手段10は、追加塗布手段を兼ねている。
【0028】
図4は、塗布手段10の概略的な外観斜視図である。塗布手段10は、ベース12と、第1移動手段14と、第2移動手段16と、不図示の電子天秤(重量測定手段)と、液滴吐出装置を構成するインクジェットヘッド(ヘッド)20と、キャッピングユニット22と、クリーニングユニット24等とを有している。第1移動手段14、電子天秤、キャッピングユニット22、クリーニングユニット24及び第2移動手段16は、それぞれベース12上に設置されている。なお図4において、X方向はベース12の左右方向であり、Y方向は前後方向であり、Z方向は上下方向である。
【0029】
第1移動手段14は、ガイドレール40,40をY軸方向に一致させて、ベース12の上面に直接設置されている。この第1移動手段14は、ガイドレール40,40に沿って移動可能なスライダ42を有している。このスライダ42の駆動手段として、たとえばリニアモータを採用することができる。これにより、スライダ42がY軸方向に沿って移動可能となり、また任意の位置で停止可能となる。
【0030】
スライダ42の上面にはモータ44が固定され、モータ44のロータにはテーブル46が固定されている。このテーブル46は、基板48を保持しつつ位置決めするものである。そのため、テーブル46には吸着保持手段50が接続されている。この吸着保持手段50を作動させることにより、テーブル46の穴46Aを通して基板48が吸着され、基板48をテーブル46上に保持することができる。また、モータ44は、たとえばダイレクトドライブモータである。このモータ44に通電することにより、ロータとともにテーブル46がθ方向に回転して、テーブル46をインデックス(回転割り出し)することができる。なお、テーブル46には、インクジェットヘッド(液滴吐出装置)20がインク(液晶などの液状体)を捨打ち、或いは試し打ち(予備吐出)するための予備吐出エリアが設けられている。
【0031】
一方、ベース12の後方には支柱16A、16Aが立設され、その支柱16A,16Aの上端部にコラム16Bが架設されている。そして、そのコラム16Bの前面に第2移動手段16が設けられている。この第2移動手段16は、X軸方向に沿って配置されたガイドレール62A,62Aを有し、またガイドレール62A,62Aに沿って移動可能なスライダ60を有している。このスライダ60の駆動手段として、たとえばリニアモータを採用することができる。これにより、スライダ60がX軸方向に沿って移動可能となり、また任意の位置で停止可能となる。
【0032】
スライダ60には、液滴吐出手段としてのインクジェットヘッド20が設けられている。インクジェットヘッド20は、揺動位置決め手段としてのモータ62,64,66,68に接続されている。モータ62は、インクジェットヘッド20をZ軸方向に移動可能とし、また任意の位置で位置決め可能とするものである。モータ64は、インクジェットヘッド20をY軸回りのβ方向に揺動可能とし、また任意の位置で位置決め可能とするものである。モータ66は、インクジェットヘッド20をX軸回りのγ方向に揺動可能とし、また任意の位置で位置決め可能とするものである。モータ68は、インクジェットヘッド20をZ軸回りのα方向に揺動可能とし、また任意の位置で位置決め可能とするものである。
【0033】
以上のように、基板48はY方向に移動および位置決め可能とされ、θ方向に揺動および位置決め可能とされている。また、インクジェットヘッド20はX,Z方向に移動および位置決め可能とされ、α,β,γ方向に揺動および位置決め可能とされている。したがって、インクジェットヘッド20のインク吐出面20Pと、テーブル46上の基板48との相対的な位置および姿勢を、正確にコントロールすることができる。
【0034】
ここで、インクジェットヘッド20の構造例について、図5を参照して説明する。インクジェットヘッド20のヘッド本体90には、リザーバ95および複数のインク室(圧力発生室)93が形成されている。リザーバ95は、各インク室93に液晶等のインクを供給するための流路になっている。また、ヘッド本体90の一方端面には、インク吐出面20Pを構成するノズルプレートが装着されている。そのノズルプレートには、各インク室93に対応して、インクを吐出する複数(例えば120個)のノズル91が開口されている。そして、各インク室93から対応するノズル91に向かって流路が形成されている。一方、ヘッド本体90の他方端面には振動板94が装着されている。なお、振動板94はインク室の壁面を構成している。その振動板94の外側には、各インク室93に対応して、ピエゾ素子(圧力発生手段)92が設けられている。ピエゾ素子92は、水晶等の圧電材料を一対の電極(図示せず)で挟持したものである。
【0035】
図6は、ピエゾ素子の駆動電圧波形W1と、その駆動電圧に対応したインクジェットヘッド20の動作を示す概略図である。ピエゾ素子92を構成する一対の電極に対して、波形W1の駆動電圧が印加された場合について説明する。まず正勾配部a1,a3では、ピエゾ素子92が収縮してインク室93の容積が増加し、リザーバ95からインク室93内にインクが流入する。また負勾配部a2では、ピエゾ素子92が膨張してインク室93の容積が減少し、加圧されたインク99がノズル91から吐出される。そして、この駆動電圧波形W1の印加回数により、インクの塗布量が決定される。なお、インクジェットヘッド20の駆動方式としては、ピエゾ素子92を用いたピエゾジェットタイプに限られず、例えば熱膨張を利用したサーマルインクジェットタイプなどを採用してもよい。
【0036】
一方、ヘッド本体90には、液晶等のインクの温度調整手段としてヒータ(不図示)が装着されている。なおインクは、インクタンク(不図示)からインク経路(不図示)を介してヘッド本体90に供給される。そこで、このインクタンクおよびインク経路にもヒータを設けて、インクの温度を調整可能とするのが好ましい。またインクは、基板48に対して吐出されるので、基板48が載置されるテーブル46にも、液晶等のインクの温度調整手段としてヒータおよび/またはクーラ(不図示)を設けて、吐出されたインクの温度を調整可能とするのが好ましい。なお上述した温度調節手段に代えて、または上述した温度調節手段とともに、内部温度の調節が可能なチャンバを塗布手段10の周囲に設けてもよい。このチャンバは、塗布手段10の全体を包含するものであってもよいし、基板48が載置されるテーブル46およびインクジェットヘッド20のみを包含するものであってもよい。このチャンバにより、塗布前後の液晶の温度を一括して管理することができる。
【0037】
上述したピエゾ素子に対する駆動電圧の印加は、図1に示す描画システム12によって制御される。また描画システム12は、インクジェットヘッド20およびスライダ60を駆動する各種モータや、テーブル46およびスライダ42を駆動する各種モータの動作を制御する。さらに描画システム12は、インクジェットヘッド20のキャッピングユニット22およびクリーニングユニット24の動作、ならびに基板48の吸着保持手段50の動作をも制御する。
【0038】
一方、図1に示す液晶表示装置の製造装置には、塗布された液晶の投影面積を計測する計測手段120が設けられている。計測手段120は、カメラ122、モニタ124および画像処理システム126によって構成されている。カメラ122は、基板48に塗布された液晶のデジタル画像を基板48の上方から撮影するものであり、CCD等によって構成されている。なおカメラ122は、カメラ移動手段(不図示)に接続され、基板48上の任意の位置に移動可能とされている。またモニタ124は、カメラ122によって撮影されたデジタル画像を表示するものである。
【0039】
画像処理システム126は、カメラ122によって撮影されたデジタル画像から、塗布された液晶の投影面積(塗布面積)を計算するものである。具体的には、画像処理システム126は、デジタル画像を構成する複数の画素のうち液晶が撮影されている画素数をカウントし、その画素数に一画素分の面積を乗算して液晶の投影面積を算出する。また画像処理システム126は、算出した塗布面積の計測値を制御手段130に出力するように形成されている。
【0040】
制御手段130は、主に面積比較部およびメモリによって構成されている。制御手段130のメモリは、液晶の塗布面積の規格値を記録するものである。面積比較部は、メモリから塗布面積の規格値を読み出して、画像処理システム126から入力された計測値と比較するものである。そして、塗布面積の計測値が規格値を下回る場合には、規格値と計測値との差分を計算するとともに、その差分に相当する液晶の追加塗布量を算出するように形成されている。さらに面積比較部は、液晶の追加塗布信号を塗布手段10に対して出力するように形成されている。この追加塗布信号には、算出した液晶の追加塗布量が含まれるようになっている。
【0041】
なお上述した計測手段120は、塗布手段10と同じ場所に形成してもよいし、別の場所に形成してもよい。塗布手段10および計測手段120を同じ場所に形成した場合には、基板48の搬送手段が不要となり、また省スペース化が可能となる。一方、塗布手段10および計測手段120を別の場所に形成した場合には、両者間に基板48の搬送手段を設ける。その搬送手段は、基板48を自動搬送可能に形成するのが好ましい。すなわち、塗布手段10による液晶の塗布が終了したら、搬送手段が自動的に基板48を計測手段120まで搬送するように形成する。また、搬送手段による基板48の搬送が終了たら、計測手段120が自動的に塗布面積の計測を開始するように形成する。
【0042】
[製造方法]
次に、上記のように構成した液晶表示装置の製造装置を使用して、液晶表示装置を製造する方法につき、図1を用いて説明する。第1実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、基板の表面に液晶を塗布する工程と、塗布された液晶の投影面積を計測する工程と、液晶の投影面積の計測値が規格値を下回る場合に液晶を追加塗布する工程と、を有するものである。
【0043】
一般に、液晶は高粘性流体であり、常温(20℃)で50cps以上の粘度を示す。このような高粘性流体は、インクジェットヘッド20における微小直径のノズルから吐出することができない。なお、インクジェットヘッド20により液体を安定的に吐出するには、液体の粘度が10cps程度であることが必要である。そこで、インクジェットヘッド20に装着されたヒータを駆動して、ヘッド本体の内部の液晶を70℃程度に保持する。液晶を70℃程度に加熱することにより、液晶の粘度は10cps程度に低下する。これにより、インクジェットヘッド20による液晶の吐出が可能になり、所定量の液晶を正確に吐出することができる。
【0044】
次に、図4に示す塗布手段10において、テーブル46の表面にTFTアレイ基板(以下、単に基板という)48を載置する。なお、吸着保持手段50を駆動することにより、基板48をテーブル46に吸着させる。また、テーブル46に装着したヒータを駆動して、基板の温度を70℃程度に保持しておく。これにより、塗布された液晶の濡れ広がり速度が一定となり、液晶の塗布量を正確に把握することができる。次に、インクジェットヘッド20を移動および揺動させることにより、また基板48を載置したテーブル46を移動および陽動させることにより、基板48における吐出開始位置の上方にインクジェットヘッド20のノズルを配置する。そして、インクジェットヘッド20および/または基板48を移動させつつ、インクジェットヘッド20から液晶を吐出して、基板48に形成されたシール剤の内側全体に液晶を吐出する。吐出直後の液晶は、基板表面において複数の点状態に分布するが、時間の経過とともに各液晶は濡れ広がり、隣接する液晶と連結して面状態となる。
【0045】
インクジェットヘッド20からの液晶の吐出は、ノズル詰まりがない場合に規格量を塗布しうるように行う。もっとも、後述する方法で追加塗布することを前提に、規格量より少なめに塗布してもよい。ところで、インクジェットヘッド20のノズルにゴミが溜まったことなどを原因として、インクジェットヘッド20にノズル詰まりが発生した場合には、規格量の液晶を吐出できないことになる。そこで、図1に示す計測手段120により、塗布された液晶の投影面積を計測して、液晶の塗布量を把握する。
【0046】
具体的には、まずカメラ122により基板表面に塗布された液晶のデジタル画像を撮影する。なお、塗布手段10による液晶の塗布から、計測手段120による液晶の撮影までの時間が、常に一定時間となるように撮影を行う。カメラ122は、撮影した液晶の画像をモニタ124に出力するとともに、画像処理システム126に出力する。モニタ124は、入力された液晶の画像を表示する。画像処理システム126は、液晶の画像から液晶の塗布面積を計算する。具体的には、デジタル画像を構成する複数の画素のうち液晶が撮影されている画素数をカウントし、その画素数に一画素分の面積を乗算して液晶の塗布面積を算出する。その後、画像処理システム126は、算出した塗布面積の計測値を制御手段130に出力する。
【0047】
一方、制御手段130のメモリには、あらかじめ液晶の塗布面積の規格値を記録しておく。この規格値とは、上記と同じ方法で規格量の液晶を塗布してから、上記一定時間の経過後に上記と同じ方法で計測した液晶の面積である。画像処理システム126から計測値の入力を受けた制御手段130の面積比較部は、メモリから規格値を読み出して計測値と比較する。そして、塗布面積の計測値が規格値を下回る場合には、規格値と計測値との差分を計算するとともに、その差分に相当する液晶の追加塗布量を算出する。さらに面積比較部は、液晶の追加塗布信号を塗布手段10に対して出力する。この追加塗布信号には、算出した液晶の追加塗布量が含まれている。
【0048】
制御手段130からの追加塗布信号は、塗布手段10の描画システム12に入力される。描画システム12は、追加塗布信号に含まれる追加塗布量にしたがって、基板48上に液晶を追加塗布する。具体的には、その追加塗布量を実現しうるインクジェットヘッド20の吐出回数を計算して、その吐出回数だけ基板48の表面に液晶を吐出する。これにより、基板表面に規格量の液晶が塗布される。
【0049】
以上に詳述したように、第1実施形態に係る液晶表示装置の製造方法では、液晶の塗布面積を計測し、計測値が規格値を下回る場合に追加塗布を行う。この構成によれば、規格量の液晶を正確に塗布することができる。また、液晶の塗布面積を計測するので、簡単な装置により短時間に液晶の塗布量を把握することが可能となる。したがって、設備コストおよび塗布時間の増大を抑制することができる。
【0050】
なお本実施形態では、TFTアレイ基板の表面にシール剤を形成したが、カラーフィルタ基板の表面にシール剤を形成してもよい。また本実施形態では、シール剤を形成したTFTアレイ基板の表面に液晶を塗布したが、シール剤を形成していない基板の表面に液晶を塗布した上で、両基板を接合してもよい。
【0051】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る液晶表示装置の製造装置につき、図7を用いて説明する。図7に、第2実施形態に係る液晶表示装置の製造装置の説明図を示す。この液晶表示装置の製造装置400は、基板48上に液晶を塗布する塗布手段410と、塗布された液晶の体積を計測する計測手段420と、液晶の体積の計測値が規格値を下回る場合に液晶の追加塗布信号を出力する制御手段430と、液晶の追加塗布を行う追加塗布手段440と、を有するものである。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、詳細な説明を省略する。
【0052】
第2実施形態における塗布手段410は、第1実施形態における塗布手段10と同様に構成されている。ただし、第1実施形態におけるインクジェットヘッド20の代わりに、ディスペンサ414が採用されている。ディスペンサ414は、ペン状に形成された液状体定量吐出装置である。その先端部の液状体吐出ノズルは、インクジェットヘッドより大口径に形成されているため、液晶等の高粘性流体を吐出することが可能となっている。このディスペンサ414にも、吐出する液状体の温度を調整するためのヒータ(不図示)を装着するのが好ましい。
【0053】
また、塗布された液晶の体積を計測する計測手段420が設けられている。計測手段420は、ライン形状のレーザ422およびCCD423を備えている。このレーザ422が液晶に向かってレーザ光を照射し、CCD423が液晶からの反射光を撮影して、三角測距方式により液晶の高さを計測しうるように形成されている。なお、レーザ422によりライン状にレーザ光を照射すれば、塗布された液晶の断面形状を計測することができる。また、液晶各部の断面形状を計測すれば、塗布された液晶の体積を計測することができる。モニタ424は、レーザ422およびCCD423により計測された断面形状を表示するものである。画像処理システム426は、計測された断面形状から液晶の断面積を計算し、さらに液晶各部の断面積から液晶全体の体積を計算するものである。また画像処理システム426は、算出した体積の計測値を制御手段430に出力するように形成されている。
【0054】
制御手段430は、主に体積比較部およびメモリによって構成されている。制御手段430のメモリは、液晶の体積の規格値を記録するものである。体積比較部は、メモリから体積の規格値を読み出して、画像処理システム426から入力された計測値と比較するものである。そして、体積の計測値が規格値を下回る場合には、規格値と計測値との差分を計算するとともに、その差分に相当する液晶の追加塗布量を算出するように形成されている。さらに体積比較部は、液晶の追加塗布信号を追加塗布手段440に対して出力するように形成されている。この追加塗布信号には、算出した液晶の追加塗布量が含まれるようになっている。
【0055】
追加塗布手段440は、第1実施形態の塗布手段10と同様に形成されている。すなわち、液晶の吐出装置としてインクジェットヘッドが採用され、追加塗布量を正確に塗布することができるようになっている。なお、追加塗布手段440は、塗布手段410や計測手段420と同じ場所に形成してもよいし、別の場所に形成してもよい。同じ場所に形成した場合には、基板48の搬送手段が不要となり、また省スペース化が可能となる。一方、追加塗布手段440を塗布手段410や計測手段420と別の場所に形成した場合には、両者間に基板48の搬送手段を設ける。その搬送手段は、基板48を自動搬送可能に形成するのが好ましい。すなわち、計測手段420による計測が終了したら、搬送手段が自動的に基板48を追加塗布手段440まで搬送するように形成する。また、搬送手段による基板48の搬送が終了したら、追加塗布手段440が自動的に追加塗布を開始するように形成する。
【0056】
次に、上記のように構成した液晶表示装置の製造装置を使用して、液晶表示装置を製造する方法につき、図7を用いて説明する。第2実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、基板の表面に液晶を塗布する工程と、塗布された液晶の体積を計測する工程と、液晶の体積の計測値が規格値を下回る場合に液晶を追加塗布する工程と、を有するものである。
【0057】
上述したように、塗布手段410には液状体の吐出装置としてディスペンサを採用している。したがって、液晶の粘度を低下させることなく、高粘性状態のまま吐出することができる。ただし、液晶の粘度によって液晶の濡れ広がり速度が異なるので、体積の計測中に液晶の形状が変化して、体積の正確な計測が不可能になるおそれがある。そこで、ディスペンサに装着されたヒータを駆動して、ディスペンサ内部の液晶を一定温度に保持する。その一定温度は、液晶が容易に濡れ広がることのない低温とするのが望ましい。これにより、液晶の体積の正確な計測が可能になる。
【0058】
次に、塗布手段410のテーブルに基板48を載置する。ここで、テーブルに装着したヒータおよび/またはクーラを駆動して、基板の温度を上述した一定温度に保持するのが望ましい。これにより、液晶が容易に濡れ広がることがなくなり、液晶の体積の正確な計測が可能になる。そして、ディスペンサ414から液晶を吐出する。吐出された液晶は、基板表面において1個の山状態に配置される。
【0059】
次に、計測手段420において、塗布された液晶の体積を計測する。なお、塗布手段410による液晶の塗布の直後に、計測手段420による液晶の体積の計測を行う。しかも、塗布手段410による液晶の塗布から、計測手段420による液晶の体積の計測までの時間が、常に一定時間となるようにする。画像処理システム426は、算出した体積の計測値を制御手段430に出力する。
【0060】
一方、制御手段430のメモリには、あらかじめ液晶の体積の規格値を記録しておく。この規格値とは、上記と同じ方法で規格量の液晶を塗布してから、上記一定時間の経過後に上記と同じ方法で計測した液晶の体積である。画像処理システム426から計測値の入力を受けた制御手段430の体積比較部は、メモリから規格値を読み出して計測値と比較する。そして、体積の計測値が規格値を下回る場合には、規格値と計測値との差分を計算するとともに、その差分に相当する液晶の追加塗布量を算出する。さらに体積比較部は、液晶の追加塗布信号を追加塗布手段440に対して出力する。この追加塗布信号には、算出した液晶の追加塗布量が含まれている。
【0061】
制御手段430からの追加塗布信号は、追加塗布手段440の描画システム442に入力される。描画システム442は、追加塗布信号に含まれる追加塗布量にしたがって、基板48上に液晶を追加塗布する。以上により、基板表面に規格量の液晶が塗布される。追加塗布は、基板48に形成されたシール剤の内側における任意の位置に行うことができる。
【0062】
なお、塗布手段410により塗布された液晶は、TFTアレイ基板に形成されたシール剤の内側全体に自然に濡れ広がる。したがって、計測手段420による計測の終了後、液晶が自然に濡れ広がるまで放置しておいてもよい。しかし、シール剤の内側全体に濡れ広がるまでには長時間を要し、塗布工程のスループットが低下することになる。そこで、計測手段420による計測の終了後、テーブルに装着したヒータを駆動して基板の温度を上昇させ、基板上に塗布された液晶の温度を上昇させるのが好ましい。これにより、液晶の粘度が低下して、濡れ広がり速度が速くなり、塗布工程のスループットを向上させることができる。
【0063】
以上に詳述したように、第2実施形態に係る液晶表示装置の製造方法では、塗布された液晶の体積を計測し、計測値が規格値を下回る場合に追加塗布を行う。この構成によれば、液晶の体積を計測するので、追加塗布量を簡単に算出することができる。また、液晶の粘度の違いに起因して濡れ広がり方に多少のばらつきがあっても、液晶の塗布量を正確に把握して追加塗布量を算出することが可能である。したがって、規格量の液晶を正確に塗布することができる。
【0064】
なお上述した塗布手段410では、液晶の吐出装置としてディスペンサを使用したが、インクジェットヘッドを使用してもよい。この場合、塗布手段410が追加塗布手段を兼ねてもよい。
また本実施形態では、液晶の体積を計測して塗布量を把握した。しかし、塗布された液晶の頂点の高さを計測して塗布量を把握してもよい。液晶の粘度が一定であれば、液晶の頂点の高さと体積とはほぼ比例関係にあると考えられるからである。この場合、計測時間が短縮されるので、塗布工程のスループットを向上させることができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る液晶表示装置の製造装置につき、図8を用いて説明する。図8に、第3実施形態に係る液晶表示装置の製造装置の説明図を示す。この液晶表示装置の製造装置300は、基板48上に液晶を塗布する塗布手段310と、塗布された液晶の質量を計測する計測手段320と、液晶の質量の計測値が規格値を下回る場合に液晶の追加塗布信号を出力する制御手段330と、液晶の追加塗布を行う追加塗布手段310と、を有するものである。なお、液晶の塗布手段310は、追加塗布手段を兼ねている。また、第1実施形態と同様の構成となる部分については、詳細な説明を省略する。
【0066】
塗布手段310は、主にインクジェットヘッド314、テーブル316、モータ311、ドライブ回路322および描画システム312で構成されている。インクジェットヘッド314は、テーブル316の上方に対向配置されている。このインクジェットヘッド314は、X方向に沿って移動可能とされ、また任意の位置で位置決め可能とされている。なお、インクジェットヘッド314の内部構造は第1実施形態と同様である。一方、テーブル316にはリニアモータ311が接続され、リニアモータ311にはドライブ回路322が接続されている。このテーブル316は、Y方向に沿って所定速度で移動可能とされ、また任意の位置で位置決め可能とされている。ドライブ回路322は、テーブル316が所定速度で移動しうるように、モータ311に対して電圧を印加するものである。以上により、テーブル316上に載置された基板48の任意の位置に、インクジェットヘッド314から液晶を吐出することができるようになっている。
【0067】
また、塗布された液晶の質量を計測する計測手段320が設けられている。この計測手段320は、モータ311に対する印加電圧を介して、塗布された液晶の質量を間接的に把握するものである。計測手段320は、主にドライブ回路322および駆動負荷管理システム324で構成されている。基板48上に塗布された液晶の質量が増加すると、ドライブ回路322からモータ311に対する印加電圧が増加する。そこでドライブ回路322は、モータ311への印加電圧を計測し、計測した印加電圧を所定時間ごとに駆動負荷管理システム324に出力するように形成されている。一方の駆動負荷管理システム324は、ドライブ回路322から入力された電圧の計測値を、液晶の吐出開始からの経過時間(計測時間)と関連付けて、所定時間ごとに制御手段330に出力するように形成されている。
【0068】
制御手段330は、主に電圧比較部およびメモリによって構成されている。制御手段330のメモリは、電圧の規格値を記録するものである。電圧比較部は、上述した計測時間に対応する電圧の規格値をメモリから読み出して、計測値と比較するものである。そして、電圧の計測値が規格値を下回る場合には、規格値と計測値との差分を計算するとともに、その差分に相当する液晶の追加塗布量を算出するように形成されている。さらに電圧比較部は、液晶の追加塗布信号を追加塗布手段310に対して出力するように形成されている。この追加塗布信号には、算出した液晶の追加塗布量が含まれるようになっている。
【0069】
次に、上記のように構成した液晶表示装置の製造装置を使用して、液晶表示装置を製造する方法につき、図8を用いて説明する。第3実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、基板の表面に液晶を塗布しつつ、塗布された液晶の質量を計測する工程と、液晶の質量の計測値が規格値を下回る場合に液晶を追加塗布する工程と、を有するものである。
【0070】
図8に示す塗布手段310において、テーブル316の表面にTFTアレイ基板(以下、単に基板という)48を載置する。そして、インクジェットヘッド314により基板の表面に液晶を吐出する。これと同時に、ドライブ回路322からモータ311に対して電圧を印加し、テーブル316を移動させる。これにより、基板48に形成されたシール剤の内側全体に液晶が吐出される。
【0071】
基板48上に塗布された液晶の質量の増加にともなって、ドライブ回路322からモータ311に対する印加電圧が増加する。ドライブ回路322は、モータ311に対する印加電圧を計測し、所定時間ごとに駆動負荷管理システム324に出力する。駆動負荷管理システム324は、ドライブ回路322から入力された電圧の計測値を、液晶の吐出開始からの経過時間(計測時間)と関連付けて、所定時間ごとに制御手段330に出力する。なお、上述した所定時間はできるだけ短時間とし、電圧の計測値および計測時間が連続的に出力されるようにする。
【0072】
制御手段330のメモリには、あらかじめ電圧の規格値を記録しておく。この規格値とは、上記と同じ方法で規格量の液晶を塗布しつつ、上記と同じ方法で計測したモータ311に対する印加電圧である。この電圧の規格値も、液晶の吐出開始からの経過時間(計測時間)と関連付けて記録しておく。駆動負荷管理システム324から電圧の計測値および計測時間の入力を受けた制御手段330の電圧比較部は、その計測時間に対応する電圧の規格値をメモリから読み出して、計測値と比較する。そして、電圧の計測値が規格値を下回る場合には、規格値と計測値との差分を計算するとともに、その差分に相当する液晶の追加塗布量を算出する。さらに電圧比較部は、液晶の追加塗布信号を追加塗布手段310に対して出力する。この追加塗布信号には、算出した液晶の追加塗布量が含まれている。
【0073】
制御手段330からの追加塗布信号は、追加塗布手段310の描画システム312に入力される。描画システム312は、追加塗布信号に含まれる追加塗布量にしたがって、基板48上に液晶を追加塗布する。追加塗布は、基板に対する液晶の吐出が終了した後に行う。その追加塗布は、シール剤の内側における基板上の任意の位置に対して行うことができる。
【0074】
以上に詳述したように、第3実施形態に係る液晶表示装置の製造方法では、液晶を塗布しつつ、塗布された液晶の質量を計測し、計測値が規格値を下回る場合に追加塗布を行う。この構成によれば、液晶を塗布しつつ追加塗布量を算出するので、迅速に追加塗布を行うことが可能になり、塗布工程全体の塗布時間を短縮することができる。
【0075】
なお本実施形態では、モータに対する印加電圧を計測して、塗布された液晶の質量を間接的に把握した。しかし、モータ付加状況を把握する他のパラメータを計測して、塗布された液晶の質量を把握することも可能である。具体的には、モータを流れる電流や、出力パルスとフィードバックエンコーダパルスとの差異などを計測すればよい。また、直接的に液晶の質量を計測してもよい。具体的には、テーブルの下方に秤などの質量測定手段を配置すればよい。この場合には、質量の計測値と規格値との差分から、追加塗布量を簡単に算出することが可能になり、正確な量の液晶を塗布することができる。
【0076】
また、本実施形態により追加塗布を行った後に、塗布された液晶全体の質量を再計測し、再計測値が規格値を下回る場合には、再追加塗布を行ってもよい。インクジェットヘッドにおける一部のノズルが閉塞されて液晶を吐出できなくなっている場合には、そのインクジェットヘッドを使用して追加塗布を行っても、正確な追加塗布量を吐出することができないからである。この場合でも、再計測および再追加塗布を繰り返し行えば、最終的には規格量の液晶を塗布することができるのである。
【0077】
なお、上述した各実施形態では、塗布された液晶の投影面積、体積または質量を所定の方法で計測することにより、液晶の塗布量を把握した。しかし、液晶の投影面積、体積または質量の計測方法は、各実施形態で説明した方法に限られず、他の方法を採用してもよい。また、塗布された液晶につき、投影面積、体積または質量以外の量を計測することにより、液晶の塗布量を把握してもよい。たとえば、塗布された液晶の分光特性を計測して、液晶の塗布量を把握することも可能である。
【0078】
また、上述した各実施形態では、液晶の塗布装置および/または追加塗布装置として、インクジェットヘッドを採用した。しかし、液晶の微量吐出が可能であり、また吐出量が制御可能であれば、インクジェットヘッド以外の装置を採用してもよい。
【0079】
[電子機器]
次に、液晶表示装置を備えた電子機器の例について、図9を用いて説明する。図9は、携帯電話の斜視図である。上記の方法で形成した液晶表示装置は、携帯電話3000の筐体内部に配置されている。
【0080】
なお、上記の方法で形成した液晶表示装置は、携帯電話以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの電子機器に適用することが可能である。
【0081】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る液晶表示装置の製造装置の説明図である。
【図2】液晶表示装置のカラーフィルタ基板を取り外した状態の平面図である。
【図3】図2のH−H′線に相当する部分における液晶表示装置の側面断面図である。
【図4】塗布手段の概略的な外観斜視図である。
【図5】インクジェットヘッドの構造例の説明図である。
【図6】ピエゾ素子の駆動電圧波形と、その駆動電圧に対応したインクジェットヘッドの動作を示す概略図である。
【図7】第2実施形態に係る液晶表示装置の製造装置の説明図である。
【図8】第3実施形態に係る液晶表示装置の製造装置の説明図である。
【図9】携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
10塗布手段 20インクジェットヘッド 48基板 100液晶表示装置の製造装置 120計測手段 130制御手段

Claims (13)

  1. 液状体を塗布する工程と、
    前記液状体の塗布量を計測する工程と、
    前記液状体の塗布量の計測値が、前記液状体の塗布量の規格値を下回る場合に、前記液状体を追加塗布する工程と、
    を有することを特徴とする液状体の塗布方法。
  2. 液状体を塗布しつつ、前記液状体の塗布量を計測する工程と、
    前記液状体の塗布量の計測値が、前記液状体の塗布量の規格値を下回る場合に、前記液状体を追加塗布する工程と、
    を有することを特徴とする液状体の塗布方法。
  3. 前記液状体の塗布量は、塗布された前記液状体の投影面積であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状体の塗布方法。
  4. 前記液状体の塗布量は、塗布された前記液状体の体積であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状体の塗布方法。
  5. 前記液状体の塗布量は、塗布された前記液状体の質量であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状体の塗布方法。
  6. 前記液状体は、電気光学物質であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液状体の塗布方法。
  7. 液状体の塗布手段と、
    前記液状体の塗布量の計測手段と、
    前記計測手段による前記液状体の塗布量の計測値が、前記液状体の塗布量の規格値を下回る場合に、前記液状体の追加塗布量を含む追加塗布信号を出力する制御手段と、
    前記液状体の追加塗布手段と、
    を有することを特徴とする液状体の塗布装置。
  8. 少なくとも前記追加塗布手段は、液滴吐出手段であることを特徴とする請求項7に記載の液状体の塗布装置。
  9. 前記塗布手段および/または前記追加塗布手段には、前記液状体の温度調節手段が設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の液状体の塗布装置。
  10. 前記液状体の塗布対象物を載置するテーブルに、温度調節手段が設けられていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の液状体の塗布装置。
  11. 前記塗布手段と前記計測手段との間および/または前記計測手段と前記追加塗布手段との間で、前記液状体の塗布対象物を自動搬送可能に形成されていることを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の液状体の塗布装置。
  12. 請求項1ないし6のいずれかに記載の液状体の塗布方法を使用して、電気光学物質を塗布することにより製造したことを特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項12に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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