JP2004343822A - モータ駆動装置および洗濯乾燥機のモータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交流電源1に接続された整流回路2の直流電力をインバータ回路3に加えて交流電力に変換し、駆動するモータ4a、4bに応じて負荷切換手段5によりインバータ回路3の出力を切換接続して複数のモータ4a、4bを1つのインバータ回路3により駆動する。インバータ回路3の出力端子に接続された転流タイミング生成回路6によりモータ出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成し、制御手段7により負荷切換手段5と転流タイミング生成回路6の出力信号よりインバータ回路3を制御する。インバータ回路3の出力端子に接続したモータに応じて制御手段7のモータ起動プログラムを変更する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路により複数のモータを駆動するモータ駆動装置および洗濯乾燥機のモータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のモータ駆動装置は、複数のモータを駆動するインバータ回路と、送風ファン、あるいは風呂水ポンプモータ等の複数のモータと、インバータ回路の出力を切り換える切換手段と、ロータの位置を検出して転流タイミング信号を生成する転流タイミング生成手段を備え、制御手段によりインバータ回路を制御するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−286175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の構成では、1つのインバータ回路の出力端子に接続される複数のモータの巻線抵抗や極数が異なる場合、モータによっては、起動時の電流が減少、あるいは増加してモータが回転起動できないという問題があった。
【0005】
本発明は上記従来課題を解決するもので、モータに応じて起動電流を最適制御し、さらに、極数に応じて強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行させる回転数を制御することにより、強制転流駆動運転時の電流を減らし、同期転流駆動運転移行時の位相ずれによる脱調を防止し、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現することを第1の目的としている。
【0006】
また、極数の異なる複数のモータあるいは負荷の異なる複数のモータを1つのインバータ回路により交互に駆動できるようにし、送風ファンと風呂水ポンプ、あるいは排水ポンプを複数のモータと1つのインバータ回路で交互に駆動できる安価な洗濯乾燥機を実現することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明のモータ駆動装置は、交流電源に接続された整流回路の直流電力をインバータ回路に加えて交流電力に変換し、駆動するモータに応じて負荷切換手段によりインバータ回路の出力を切換接続して複数のモータを1つのインバータ回路により駆動し、インバータ回路の出力端子に接続された転流タイミング生成回路によりモータ出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成し、制御手段により負荷切換手段と転流タイミング生成回路の出力信号よりインバータ回路を制御するように構成し、インバータ回路の出力端子に接続したモータに応じて制御手段のモータ起動プログラムを変更するようにしたものである。
【0008】
これにより、モータに応じて起動電流を最適制御し、さらに、極数に応じて強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行させる回転数を制御することにより、強制転流駆動運転時の電流を減らすことができるとともに、同期転流駆動運転移行時の位相ずれによる脱調を防止することができ、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0009】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明の洗濯乾燥機のモータ駆動装置は、衣類を洗濯脱水、あるいは乾燥させる洗濯兼脱水槽内に送風する送風ファンを第1のモータにより回転駆動し、洗濯兼脱水槽内に給水する風呂水ポンプ、あるいは排水する排水ポンプを第2のモータにより駆動し、交流電力を直流電力に変換する整流回路の直流電力を第1のモータあるいは第2のモータを交互に駆動するインバータ回路により交流電力に変換し、第1のモータ、第2のモータのいずれかを負荷切換手段により交互に切り換え、転流タイミング生成回路によりインバータ回路の出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成し、制御手段により転流タイミング生成回路の出力信号よりインバータ回路を制御するよう構成し、インバータ回路に接続したモータに応じて、制御手段のモータ起動プログラムを制御するようにしたものである。
【0010】
これにより、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転移行時の脱調がなく、回転数も負荷も異なるモータの誘起電圧を1つの転流タイミング生成回路により検出してインバータ回路を制御することができ、極数の異なる複数のモータあるいは負荷の異なる複数のモータを1つのインバータ回路により交互に駆動することができ、送風ファンと風呂水ポンプ、あるいは排水ポンプを複数のモータと1つのインバータ回路で交互に駆動できる安価な洗濯乾燥機を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、交流電源と、前記交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される複数のモータと、駆動するモータに応じて前記インバータ回路の出力端子を切換接続する負荷切換手段と、前記インバータ回路の出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成する転流タイミング生成回路と、前記負荷切換手段と前記転流タイミング生成回路の出力信号より前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路の出力端子に接続したモータに応じて、前記制御手段のモータ起動プログラムを変更するようにしたモータ駆動装置であり、モータに応じて起動電流を最適制御し、さらに、極数に応じて強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行させる回転数を制御することにより、強制転流駆動運転時の電流を減らすことができるとともに、同期転流駆動運転移行時の位相ずれによる脱調を防止することができ、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、制御手段は、モータ巻線に順次電流を流して回転磁界を作る強制転流駆動運転を行い、所定の最大強制駆動回転数に達した後、モータ誘起電圧を検出して転流タイミング生成回路の信号によりモータを制御する同期転流駆動運転に移行させて回転数制御し、前記強制転流駆動運転から、前記同期転流駆動運転に移行する前記最大強制駆動回転数をモータに応じて制御するようにしたモータ駆動装置であり、1つの転流タイミング生成回路により極数の異なる複数のモータを交互に駆動することができるので、少ない部品点数でモータ駆動でき、同期転流駆動運転に移行するときの脱調をなくし、安価で低価格のモータ駆動装置を実現することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、制御手段は、PWM制御によりモータ巻線電流を制御し、前記モータ巻線に順次電流を流して回転磁界を作る強制転流駆動運転において、モータ駆動時間と、強制転流周期と、モータ電流を制御するモータ起動制御テーブルをモータに応じて制御するようにしたモータ駆動装置であり、モータ起動制御テーブルを変更することにより、モータ電流を容易に変更できるので、極数、あるいは負荷条件が変わっても最適な起動条件で駆動でき、起動時の脱調や過電流を防ぐことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、制御手段は、PWM制御によりモータ巻線電流を制御し、モータに応じてPWMデューティ最大値を設定するようにしたモータ駆動装置であり、モータに応じたPWMデューティ最大値を設定することにより、モータ電流の上限を制限でき、モータロック時、あるいは、脱調時のモータ過電流を制限し、永久磁石の減磁を防ぐことができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、インバータ回路により駆動される複数のモータは、回転数に応じて極数を変えるようにしたモータ駆動装置であり、回転数が高い場合には極数を減らし、駆動周波数を減らして鉄損を減らし、回転数が低い場合には極数を増やしてトルクを増加させることによりモータ電流を減らして銅損を減らすので、モータ効率を高くすることができ、モータとインバータ装置を小型化し、小型で安価なモータ駆動装置を実現できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、インバータ回路により駆動される複数のモータは、駆動回転数が異なり、駆動回転数が低い方のモータの極数を、駆動回転数が高い方のモータの極数よりも多くしたモータ駆動装置であり、駆動回転数が高いモータは極数を減らすことにより駆動周波数を減らして鉄損を減らし、駆動回転数が低い場合には極数を増やすことによりトルクを増加させてモータ電流を減らして銅損を減らすので、モータ効率を高くすることができ、モータとインバータ装置を小型化し、複数のモータの駆動回転数が変わっても小型で安価なモータ駆動装置を実現できる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、衣類を洗濯脱水、あるいは乾燥させる洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に送風する送風ファンと、前記送風ファンを回転駆動する第1のモータと、前記洗濯兼脱水槽内に給水する風呂水ポンプ、あるいは排水する排水ポンプと、前記風呂水ポンプあるいは排水ポンプを駆動する第2のモータと、交流電力を直流電力に変換する整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換し前記第1のモータあるいは第2のモータを交互に駆動するインバータ回路と、前記第1のモータ、第2のモータのいずれかを交互に切り換える負荷切換手段と、前記インバータ回路の出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成する転流タイミング生成回路と、前記転流タイミング生成回路の出力信号より前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路に接続したモータに応じて、前記制御手段のモータ起動プログラムを制御するようにした洗濯乾燥機のモータ駆動装置であり、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転移行時の脱調がなく、回転数も負荷も異なるモータの誘起電圧を1つの転流タイミング生成回路により検出してインバータ回路を制御することができ、極数の異なる複数のモータあるいは負荷の異なる複数のモータを1つのインバータ回路により交互に駆動することができ、送風ファンと風呂水ポンプ、あるいは排水ポンプを複数のモータと1つのインバータ回路で交互に駆動できる安価な洗濯乾燥機を実現することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
図1に示すように、交流電源1は、交流電力を直流電力に変換する整流回路2に接続し、この整流回路2は全波整流回路2aと平滑コンデンサ2bにより構成し、3相全波ブリッジインバータ構成のインバータ回路3により直流電力を交流電力に変換してモータ4a、あるいはモータ4bを回転駆動し、負荷切換手段5によりインバータ回路3とモータ4a、あるいはモータ4bを交互に切換接続する。
【0020】
負荷切換手段5は、2極以上の共通接点と常開接点と常閉接点を有するリレーより構成し、常閉接点側にモータ4aを接続し、常開接点側にモータ4bを接続し、共通接点はインバータ回路3の出力U端子、V端子に接続している。インバータ回路3のW端子とモータ4a、4bのW端子は共通接続することにより負荷切換手段5の極数を減らすことができる。
【0021】
整流回路2の負端子Nとインバータ回路3の負の入力端子間に抵抗3Aを接続してインバータ回路3の電流を検出し、モータ4a、4b、あるいはインバータ回路3の過電流を検出する。転流タイミング生成回路6は、直流ブラシレスモータよりなるモータ4a、あるいはモータ4bの誘起電圧の零電圧を検出して転流タイミング信号H1、H2、H3を生成し、制御手段7に加え、制御手段7は転流タイミング信号H1、H2、H3に応じてインバータ回路3のパワースイッチング手段を制御してモータ回転制御する。
【0022】
このように、直流ブラシレスモータのモータ誘起電圧等を検出してモータ駆動する方法を一般にセンサレス駆動と呼び、モータのロータ位置を直接ホール素子等で検出する必要がなく、ロータ近傍に取り付けるロータ位置検出手段を省略でき、モータの配線を減らし、安価で信頼性を向上できる等の特徴があり、ポンプや送風ファンの駆動にしばしば使用される。
【0023】
図2は、本発明によるセンサレス駆動のタイミングチャートを示しており、矩形波駆動におけるインバータ回路3の出力電圧Vv、Vw、Vuと、転流タイミング信号H1、H2、H3、およびパワースイッチング手段の上アーム制御信号Up、Vp、Wpと下アーム制御信号Un、Vn、Wnのタイミング関係を示すタイミングチャートである。
【0024】
転流タイミング生成回路6は、インバータ回路3の各相出力電圧より図2に示すタイミングで転流タイミング信号H1、H2、H3を生成させる。時間t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6は、転流タイミング信号H1、H2、H3がLo(ロー)からHi(ハイ)、あるいはHiからLoに変化するタイミングで、いずれかの信号が変化する区間は電気角60度に相当し、電気角60度ごとに駆動巻線を切り換えるので、この周期を転流周期と呼ぶ。
【0025】
また、インバータ回路3のパワースイッチング手段の制御信号Up、Vp、Wp、Un、Vn、Wnが、Hiとなる区間で各パワースイッチング手段が導通し、その区間は電気角120度に相当するので、120度通電とも呼ばれる。
【0026】
3相全波ブリッジインバータの矩形波駆動において、各相の上下アームトランジスタがターンオフ期間中に、インバータ出力電圧よりモータ誘起電圧を検出でき、インバータ出力電圧が、インバータ直流電源電圧VDCの1/2のとき、モータ誘起電圧の零クロス点とタイミングが等しい。
【0027】
例えば、時間t0からt1区間に、W相出力電圧Vwが1/2VDCとなる時間tz1がモータのW相誘起電圧が零のタイミングと等しく、それから電気角90度遅れたタイミングt2にて、転流信号H2はLoからHiに変化する。また、時間t3からt4区間に、W相出力電圧Vwが1/2VDCとなる時間tz2がモータのW相誘起電圧が零のタイミングと等しく、それから電気角90度遅れたタイミングt5にて、転流信号H2はHiからLoに変化する。
【0028】
制御手段7は、転流タイミング信号H1、H2、H3に対応して図2に示す制御信号Up、Vp、Wp、Un、Vn、Wnを生成し、さらに、上アーム制御信号Up、Vp、Wpは、PWM制御してモータ電流を制御する。図2における波形は、分かり易くするためにPWM制御デューティが100%の場合を示したが、PWM制御デューティが100%未満の場合、スイッチング周波数で変調された波形となるが、基本的な波形は図2と同じである。
【0029】
図3は、モータ4a、あるいはモータ4bをセンサレス駆動する場合の起動時の制御特性図を示している。
【0030】
センサレス駆動は、モータ起動時にロータ位置が検出できないので、強制的に回転磁界を作ってロータを回転させる強制転流駆動運転を行い、その後、モータ誘起電圧やモータ電流を検出してロータ位置を間接的に検出し回転駆動させる同期転流駆動運転に移行させる。強制転流駆動運転は、ロータ位置を検出して同期転流駆動運転する場合に比べてトルクが極端に低下するので、モータ電流が増加し、脱調し易くなって、永久磁石が減磁し易くなる。
【0031】
モータが減磁しないように過電流保護装置を設け、モータ電流が減磁電流レベルに近づくと、インバータ回路3のパワースイッチング手段を瞬時に遮断させる必要がある。よって、強制転流駆動運転時においては、モータの回転数と加速度、すなわち、起動開始からの経過時間に対応する転流周期、モータ電流(制御PWMデューティ)をモータに応じて最適にプログラムしなければ脱調、あるいは、過電流保護装置が動作して起動できない場合が頻繁に生じる。
【0032】
図3は、極数の異なる2つのモータ4a、4bの転流周期Ta、Tb(電気角60度相当)とパワースイッチング手段の制御PWMa、PWMbを、起動開始からの経過時間tに応じて制御するものであり、モータ4aの極数はモータ4bの極数よりも多いので、転流周期Taを小さくし、駆動周波数を高くしても起動し易く、逆に、モータ4bの極数は少ないので、転流周期を大きくし駆動周波数を低くしないと脱調し易くなる。
【0033】
また、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行するときの最小転流周期Tsは、ほぼ同様の値に設定する。いいかえれば、極数に応じて同期転流駆動運転に移行する所定の最大強制駆動回転数Nmは異なるが、転流周期Ts(6Ts=1/f)、すなわち、インバータ駆動周波数fはほぼ同様に設定する。
【0034】
この理由は、転流タイミング生成回路6を1つにして共用するためであり、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行するインバータ駆動周波数fsが低い程、転流タイミング生成回路6の転流信号とロータ位置との位相ずれ(位置検出ずれ)が大きくなるので、モータ極数に関わらず同期転流駆動運転に移行するインバータ駆動周波数fsはできるだけ高く設定して位相ずれを減らす。
【0035】
センサレス駆動に移行するインバータ駆動周波数fsを同じにすると、モータ回転数N(r/min)は、N=120f/Pより求まるので、極数Pが多い程、最大強制駆動回転数Nmは低くなる。
【0036】
また、定常運転時の回転数が高いモータと定常運転時の回転数が低いモータを交互に使用する場合には、回転数の高いモータの極数を減らし、回転数の低いモータの極数を増やすことにより、モータが変わってもインバータ駆動周波数を大きく変える必要がなく、転流タイミング生成回路6を共用することができる。
【0037】
強制転流駆動運転時のモータ電流は、モータ負荷、モータの大きさ(出力)、モータ巻線抵抗、モータ巻線インダクタンスに応じてPWM制御する必要がある。モータ負荷とモータ出力に応じて起動時のモータトルクが決まり、必要な起動トルクに応じてモータ電流を設定しPWM制御する。
【0038】
強制転流駆動運転においては、定トルク制御、すなわち、定電流制御にすると加速度一定となり起動が安定となる。モータ電流は、インバータ回路直流電源電圧VDC、巻線抵抗、巻線インダクタンス、誘起電圧、転流周期、PWMデューティにより変化する。よって、モータ電流一定にして強制転流駆動運転するためには、誘起電圧はモータ回転数、すなわち、転流周期と誘起電圧定数Keに依存するので、モータと転流周期に応じてPWMデューティを制御する必要がある。
【0039】
図3において、PWMaのPWMデューティを大きくした理由は、負荷が大きく、トルク電流を増やす必要のためである。また、転流周期が小さくなる、すなわち、駆動周波数が高くなるほどモータ誘起電圧が上昇し、巻線インダクタンスの時定数の影響のため、電流値を一定にするためにはPWMデューティを増加させる必要がある。よって、図に示すように、経過時間に従い強制転流周期を小さくするとともに、PWMデューティは増加させる必要がある。
【0040】
なお、モータロック時の定常電流Iは、インバータ回路直流電源電圧VDCを2相分の巻線抵抗Rで除した値にPWMデューティdを掛けた値となり、
I=d×VDC/R
で表される。すなわち、PWMデューティdに上限値を設けることにより最大電流を制限することができるので、最大電流値が減磁電流レベルよりも低くなるように、モータに応じてPWMデューティ最大値dmaxを設定すれば、減磁の恐れがほとんどなくなる。もちろん、選択したモータに応じてソフトウェアによりPWMデューティ最大値dmaxを制限するだけではなく、ハードウェアでも過電流保護装置により減磁電流検知レベルImaxを変更する必要がある。
【0041】
図4は、本発明によるモータ制御プログラムのフローチャートを示している。ステップ100よりモータ制御プログラムが開始し、ステップ101にてどちらのモータが選択されたかを判断し、モータ4aが選択されたならば、ステップ102に移行してモータ4aに応じた過電流検知レベルImax1とPWMデューティ最大値dmax1を設定する。
【0042】
つぎに、ステップ103にて強制駆動制御テーブルaを設定する。強制駆動制御テーブルaは、図3に示した制御特性図をテーブルに置き換えたもので、起動経過時間tに対応して転流周期TaとPWMaをテーブルにしたものであり、モータに応じて強制駆動制御テーブルを選択する。
【0043】
駆動するモータが4bに選択されたならば、ステップ101からステップ104に移行し、負荷切換手段5によりインバータ回路3の出力端子をモータ4bに接続する。つぎに、ステップ105に進んでモータ4bに応じた過電流検知レベルImax2とPWMデューティ最大値dmax2を設定する。つぎに、ステップ106にてモータ4bに対応した強制駆動制御テーブルbを設定する。
【0044】
モータに対応した強制駆動制御テーブルを選択した後、ステップ107に進んで強制転流駆動運転を開始する。ステップ108にて強制転流駆動タイマーtをクリヤした後、ステップ109に進んでタイマーtのカウントを開始し、ステップ110に進んでタイマー値に応じて強制駆動制御テーブルの転流周期Tと制御PWMデータを呼び出す。つぎに、ステップ111に進みテーブルデータに応じてパワースイッチング手段を制御し、強制転流制御と上アームパワースイッチング半導体のPWM制御サブルーチンを実行する。
【0045】
つぎに、ステップ112に進んで強制転流駆動タイマーtが設定時間以上かどうか判定し、設定時間以上ならば強制転流駆動運転を終了し、ステップ113に進んでセンサレス駆動運転の設定回転数をセットし同期転流駆動運転に移行する。設定時間内ならばステップ109に戻る。強制転流駆動運転の終了判定は、転流周期Tが最小値に達したかどうかを判定しても可能である。
【0046】
同期転流駆動運転に移行する直前に、ステップ114にて転流タイミング信号H1、H2、H3を入力し、次にステップ115に進み図2に示したタイミングによりセンサレス駆動制御サブルーチンを実行する。
【0047】
このように本実施例によれば、交流電源1に接続された整流回路2の直流電力をインバータ回路3に加えて交流電力に変換し、インバータ回路3の出力をモータ4に応じて負荷切換手段5により切換接続して複数のモータ4a、4bを1つのインバータ回路3により駆動し、インバータ回路3の出力端子に接続された転流タイミング生成回路6によりモータ誘起電圧を検出して転流タイミング信号を生成し、制御手段7により負荷切換手段5と転流タイミング生成回路6の出力信号よりインバータ回路3を制御するように構成し、インバータ回路3の出力端子に接続したモータ4a、4bに応じて制御手段7のモータ起動プログラムを変更するようにしたので、モータ4a、4bに応じて起動電流を最適制御し、さらに、極数に応じて強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行させる回転数を制御することにより、強制転流駆動運転時の電流を減らすことができるとともに、同期転流駆動運転移行時の位相ずれによる脱調を防止することができ、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0048】
また、制御手段7は、モータ巻線に順次電流を流して回転磁界を作る強制転流駆動運転を行い、所定の最大強制駆動回転数に達した後、モータ誘起電圧を検出して転流タイミング生成回路6の信号によりモータを制御する同期転流駆動運転に移行させて回転数制御し、強制転流駆動運転から、同期転流駆動運転に移行する最大強制駆動回転数をモータ4a、4bに応じて制御するようにしたので、1つの転流タイミング生成回路6により極数の異なる複数のモータ4a、4bを交互に駆動することができ、少ない部品点数でモータ駆動でき、同期転流駆動運転に移行するときの脱調をなくし、安価で低価格のモータ駆動装置を実現することができる。
【0049】
また、制御手段7は、PWM制御によりモータ巻線電流を制御し、モータ巻線に順次電流を流して回転磁界を作る強制転流駆動運転において、モータ駆動時間と、強制転流周期と、モータ電流を制御するモータ起動制御テーブルをモータ4a、4bに応じて制御するようにしたので、モータ起動制御テーブルを変更することにより、モータ電流を容易に変更できるので、極数、あるいは負荷条件が変わっても最適な起動条件で駆動でき、起動時の脱調や過電流を防ぐことができる。
【0050】
また、制御手段7は、PWM制御によりモータ巻線電流を制御し、モータ4a、4bに応じてPWMデューティ最大値を設定するようにしたので、モータ4a、4bに応じたPWMデューティ最大値を設定することにより、モータ電流の上限を制限でき、モータロック時、あるいは、脱調時のモータ過電流を制限し、永久磁石の減磁を防ぐことができる。
【0051】
また、インバータ回路3により駆動される複数のモータ4a、4bは、回転数に応じて極数を変えるようにしたので、回転数が高い場合には極数を減らし、駆動周波数を減らして鉄損を減らし、回転数が低い場合には極数を増やしてトルクを増加させることによりモータ電流を減らして銅損を減らすので、モータ効率を高くすることができ、モータとインバータ装置を小型化し、小型で安価なモータ駆動装置を実現できる。
【0052】
また、インバータ回路3により駆動される複数のモータ4a、4bは、駆動回転数が異なり、駆動回転数が低い方のモータの極数を、駆動回転数が高い方のモータの極数よりも多くしたので、駆動回転数が高いモータは極数を減らすことにより駆動周波数を減らして鉄損を減らし、駆動回転数が低い場合には極数を増やすことによりトルクを増加させてモータ電流を減らして銅損を減らすので、モータ効率を高くすることができ、モータとインバータ装置を小型化し、複数のモータの駆動回転数が変わっても小型で安価なモータ駆動装置を実現できる。
【0053】
(実施例2)
図5に示すように、インバータ回路3の出力端子に2c接点のリレーで構成した負荷切換手段5bを接続し、負荷切換手段5bの出力端子には2c接点のリレーで構成した負荷切換手段5aを接続し、3つのモータ4a、4b、4cを順次切り換えるよう構成している。すなわち、図5に示すように、負荷切換手段5a、5bがそれぞれ常閉接点側に閉じた場合は、モータ4aが駆動され、負荷切換手段5bが常閉接点側で負荷切換手段5aが常開接点側に閉じた場合は、モータ4bが駆動され、負荷切換手段5bが常開接点側に閉じた場合は、モータ4cが駆動される。
【0054】
図5はそれぞれのモータ巻線のW相は共通にして、U相とV相の巻線を2極リレーで切り換えた実施例であるが、3極のリレー、あるいは、複数のリレーですべての相を切り換えても効果は同じである。
【0055】
制御手段7’は、モータ4a、4b、4cのそれぞれに対応した起動制御プログラムを有し、選択されたモータに応じて、負荷切換手段5a、5bを駆動し、起動制御プログラム、PWMデューティ上限値、定常回転数等の設定を行う。
【0056】
以上述べたように、本発明は、負荷切換手段を複数設け、交互に切り換えることにより3個以上の複数のモータを1つのインバータ回路により駆動可できるもので、部品点数が少なく、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0057】
(実施例3)
図6に示すように、第1のインバータ回路3’は、3相フルブリッジインバータ回路により構成し、第1のモータ4a’と第2のモータ4b’を交互に駆動するために、出力端子側に2c接点構成のリレー5’を設けてモータを切り換えるよう構成し、下アームトランジスタの負電位側端子に接続したシャント抵抗3A’に流れる電流を検出することによりモータ電流を検出して異常保護するよう構成している。
【0058】
第2のモータ4b’は、洗濯兼脱水槽8内に給水する風呂水ポンプ(図示せず)、あるいは、洗濯兼脱水槽8内の洗濯水を排水する排水ポンプ(図示せず)を駆動するものである。リレー5’の常閉接点側に衣類を乾燥させる洗濯兼脱水槽8内に温風を送風する送風ファン9を駆動する第1のモータ4a’を接続し、常開接点側に、使用頻度の少ない風呂水ポンプ(あるいは排水ポンプ)を駆動する第2のモータ4b’を接続する。
【0059】
送風ファン9を駆動する第1のモータ4a’は8極で回転数は、4000〜5000r/minで回転させ、風呂水ポンプを駆動する第2のモータ4b’は4極で6000〜8000r/minで回転する。よって、インバータ駆動周波数は266〜333Hzと、200〜266Hzとほぼ同様の周波数となり、転流タイミング生成回路6を1つにして共用化でき、位置検知信号の位相ずれもほとんど問題なくなる。
【0060】
また、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転(センサレス駆動)に移行する回転数、すなわち、最大強制駆動回転数は、通常、定常回転数の約1/10に設定し、第1のモータ4a’の場合は約500r/min、第2のモータ4b’は約1000r/minに設定する。そのときの強制転流駆動最大駆動周波数はそれぞれ33Hzで転流周期は5msecとなり、センサレス駆動へ移行するときの位相ずれもほとんど同じとなり、転流タイミング生成回路6を共用化しても脱調する恐れはない。
【0061】
第2のインバータ回路3”は、3相フルブリッジインバータ回路により構成し、出力端子に接続したモータ4dを駆動し、モータ4dは洗濯兼脱水槽8を回転駆動し、下アームトランジスタの負電位側端子に接続したシャント抵抗3A”に流れる電流を検出することによりモータ電流を検出して異常保護するよう構成している。
【0062】
モータ4dの位置検出手段4d’は永久磁石よりなるロータの位置を検出するものでホール素子、あるいはホールIC等の磁気検出手段より構成し、位置信号S1、S2、S3を制御手段7”に加える。
【0063】
整流回路2と第1のインバータ回路3’、第2のインバータ回路3”、転流タイミング生成回路6の基本構成は、上記実施例1と同じなので詳細な説明は省略する。
【0064】
制御手段7”は、2つのインバータ回路を同時に駆動可能なインバータ制御PWMタイマーと割り込み入力端子を備えたマイクロコンピュータ7A、第1の過電流検知回路7B、第2の過電流検知回路7C、リレー5’の駆動回路7Dより構成している。
【0065】
第1の過電流検知回路7Bは、コンパレータ70a、コンパレータ70aの設定入力端子に接続される第1の比較設定回路71a、シャント抵抗3A’の電圧のノイズ成分を抑える第1のノイズフィルター72a、第1の比較設定回路71aの電圧設定値を変更する設定変更回路73により構成している。
【0066】
第1の比較設定回路71aは、抵抗710、抵抗711、抵抗712を直列接続して分電圧によりコンパレータ70aの設定電圧vr1を変えれるようにしたもので、マイクロコンピュータ7Aの過電流設定端子Vsrに接続した抵抗713とトランジスタ714よりなる設定変更回路73により抵抗712を短絡して設定電圧vr1を制御できるようにしている。
【0067】
すなわち、過電流設定端子Vsrの電圧がハイになるとトランジスタ714がオンし、コンパレータ70aの設定電圧vr1は低くなり、過電流設定値は低く設定される。シャント抵抗3A’の電圧信号Vi1のピーク値は第1のモータ4a’、あるいは第2のモータ4b’の電流ピーク値に比例し、この電圧信号Vi1は、ノイズフィルター72aを介してコンパレータ70aの比較入力端子に加えられ、抵抗710と抵抗711、712の分電圧となる設定入力端子vr1よりも比較入力端子の信号が大きくなると、コンパレータ70aの出力信号はマイクロコンピュータ7Aの異常入力割り込み端子INT1に加えられる。
【0068】
マイクロコンピュータ7Aは、INT1に加えられる割り込み信号により第1のインバータ回路3’の制御信号G1を遮断し、第1のモータ4a’あるいは第2のモータ4b’への駆動電流を遮断する。
【0069】
マイクロコンピュータ7Aの過電流設定端子Vsrは、リレー5’の駆動回路7Dに接続しており、過電流設定端子Vsrの電圧がハイになるとリレー5’を駆動し、リレー5’の出力接点は常開接点側に接続し、第1のインバータ回路3’の出力を第2のモータ4b’に接続する。
【0070】
よって、第2のモータ4b’を駆動する場合には、過電流設定端子Vsrの電圧をハイにしてリレー5’を駆動すると同時にコンパレータ70aの設定電圧vr1は低くなり、過電流設定値は低くなる。第1のモータ4a’、すなわち、送風ファン9を駆動する場合、過電流設定値は1〜2Aに設定され、第2のモータ4b’、すなわち、風呂水ポンプ(あるいは排水ポンプ)を駆動する場合には、過電流設定値は0.5〜0.7Aに設定されるので、それぞれのモータに最適な過電流設定値とすることができる。
【0071】
第2の過電流検知回路7Cは、コンパレータ70b、コンパレータ70bの設定入力端子に接続される第2の比較設定回路71b、シャント抵抗3A”の電圧のノイズ成分を抑える第2のノイズフィルター72bにより構成している。
【0072】
シャント抵抗3A”の電圧信号Vi2のピーク値はモータ4dの電流ピーク値に比例し、この電圧信号Vi2は、ノイズフィルター72bを介してコンパレータ70bの比較入力端子に加えられ、抵抗710’と抵抗711’の分電圧となる設定入力端子vr2よりも比較入力端子の信号が大きくなると、コンパレータ70bの出力信号はマイクロコンピュータ7Aの異常入力割り込み端子INT2に加えられる。
【0073】
マイクロコンピュータ7Aは、INT2に加えられる割り込み信号により第2のインバータ回路3”の制御信号G2を遮断し、モータ4dへの駆動電流への駆動電流を遮断する。
【0074】
このように本実施例によれば、第1のインバータ回路3’の出力側に、リレー5’を接続してモータ4a’、4b’を交互に切り換えて駆動し、第1のインバータ回路3’の下アームトランジスタの負電位側端子に接続したシャント抵抗3A’に流れる電流を検出することによりモータ電流を検出して異常保護するようにしたので、第1のモータ4a’と第2のモータ4b’を1つのインバータ回路で交互に駆動する場合でも、1つのシャント抵抗3A’の電圧降下より電流を高速検出できるので、過電流検出回路7Bを簡単な構成により実現でき、部品点数が少なく、低価格で信頼性の高い保護装置を実現できる。
【0075】
第1のモータ4a’、あるいは第2のモータ4b’を駆動するときのモータ起動プログラムは、上記実施例1に述べたように、それぞれに合った転流周期とPWMデューティで制御するものであり、詳細は省略する。
【0076】
また、図6にてモータ過電流保護回路の実施例を示したが、モータに応じてPWMデュティ最大値を設定することによりモータロック時、あるいは脱調時の電流を制限できる。そのときには、過電流検出回路からの異常割り込み信号がなくなる場合があり、モータ回転数がほとんど零となることより異常判定する。
【0077】
このように本実施例によれば、衣類を洗濯脱水、あるいは乾燥させる洗濯兼脱水槽8内に送風する送風ファン9を回転駆動する第1のモータ4a’と、洗濯兼脱水槽8内に給水する風呂水ポンプあるいは洗濯兼脱水槽8内の水を排水する排水ポンプを駆動する第2のモータ4b’を1つのインバータ回路3’に接続した負荷切換手段5’により交互に切り換えて駆動し、インバータ回路3’の出力端子電圧よりモータ誘起電圧を検出し転流タイミング信号を生成する転流タイミング生成回路6を共用化し、モータに応じて制御手段7”のモータ起動プログラムを制御するようにしたので、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転移行時の脱調がなく、回転数も負荷も異なるモータの誘起電圧を1つの転流タイミング生成回路により検出してインバータ回路を制御することができ、極数の異なる複数のモータあるいは負荷の異なる複数のモータを1つのインバータ回路により交互に駆動することができ、送風ファンと風呂水ポンプ、あるいは排水ポンプを複数のモータと1つのインバータ回路で交互に駆動できる安価な洗濯乾燥機を実現することができる。
【0078】
なお、本発明による転流タイミング生成回路6は、上記実施例に示したモータ誘起電圧の零電圧を検出する方法に限らず、モータ電流よりロータ位置を検出するいわゆるセンサレス正弦波駆動でも同様の効果であることは明らかである。
【0079】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、交流電源に接続された整流回路の直流電力をインバータ回路に加えて交流電力に変換し、インバータ回路の出力をモータに応じて負荷切換手段により切換接続して複数のモータを1つのインバータ回路により駆動し、インバータ回路の出力端子に接続された転流タイミング生成回路によりモータ出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成し、制御手段により負荷切換手段と転流タイミング生成回路の出力信号よりインバータ回路を制御するように構成し、インバータ回路の出力端子に接続したモータに応じて制御手段のモータ起動プログラムを変更するようにしたから、モータに応じて起動電流を最適制御し、さらに、極数に応じて強制転流駆動運転から同期転流駆動運転に移行させる回転数を制御することにより、強制転流駆動運転時の電流を減らすことができるとともに、同期転流駆動運転移行時の位相ずれによる脱調を防止することができ、安価で信頼性の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0080】
また、請求項7に記載の発明によれば、衣類を洗濯脱水、あるいは乾燥させる洗濯兼脱水槽内に送風する送風ファンを第1のモータにより回転駆動し、洗濯兼脱水槽内に給水する風呂水ポンプ、あるいは排水する排水ポンプを第2のモータにより駆動し、交流電力を直流電力に変換する整流回路の直流電力を第1のモータあるいは第2のモータを交互に駆動するインバータ回路により交流電力に変換し、第1のモータ、第2のモータのいずれかを負荷切換手段により交互に切り換え、転流タイミング生成回路によりインバータ回路の出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成し、制御手段により転流タイミング生成回路の出力信号よりインバータ回路を制御するよう構成し、インバータ回路に接続したモータに応じて、制御手段のモータ起動プログラムを制御するようにしたから、強制転流駆動運転から同期転流駆動運転移行時の脱調がなく、回転数も負荷も異なるモータの誘起電圧を1つの転流タイミング生成回路により検出してインバータ回路を制御することができ、極数の異なる複数のモータあるいは負荷の異なる複数のモータを1つのインバータ回路により交互に駆動することができ、送風ファンと風呂水ポンプ、あるいは排水ポンプを複数のモータと1つのインバータ回路で交互に駆動できる安価な洗濯乾燥機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のモータ駆動装置のブロック図
【図2】同モータ駆動装置のセンサレス駆動のタイミンクチャート
【図3】同モータ駆動装置の起動制御特性図
【図4】同モータ駆動装置のモータ制御プログラムのフローチャート
【図5】本発明の第2の実施例のモータ駆動装置のブロック図
【図6】本発明の第3の実施例の洗濯乾燥機のモータ駆動装置のブロック図
【符号の説明】
1 交流電源
2 整流回路
3 インバータ回路
4a モータ
4b モータ
5 負荷切換手段
6 転流タイミング生成回路
7 制御手段
Claims (7)
- 交流電源と、前記交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動される複数のモータと、駆動するモータに応じて前記インバータ回路の出力端子を切換接続する負荷切換手段と、前記インバータ回路の出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成する転流タイミング生成回路と、前記負荷切換手段と前記転流タイミング生成回路の出力信号より前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路の出力端子に接続したモータに応じて、前記制御手段のモータ起動プログラムを変更するようにしたモータ駆動装置。
- 制御手段は、モータ巻線に順次電流を流して回転磁界を作る強制転流駆動運転を行い、所定の最大強制駆動回転数に達した後、モータ誘起電圧を検出して転流タイミング生成回路の信号によりモータを制御する同期転流駆動運転に移行させて回転数制御し、前記強制転流駆動運転から、前記同期転流駆動運転に移行する前記最大強制駆動回転数をモータに応じて制御するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
- 制御手段は、PWM制御によりモータ巻線電流を制御し、前記モータ巻線に順次電流を流して回転磁界を作る強制転流駆動運転において、モータ駆動時間と、強制転流周期と、モータ電流を制御するモータ起動制御テーブルをモータに応じて制御するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
- 制御手段は、PWM制御によりモータ巻線電流を制御し、モータに応じてPWMデューティ最大値を設定するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
- インバータ回路により駆動される複数のモータは、回転数に応じて極数を変えるようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
- インバータ回路により駆動される複数のモータは、駆動回転数が異なり、駆動回転数が低い方のモータの極数を、駆動回転数が高い方のモータの極数よりも多くした請求項1記載のモータ駆動装置。
- 衣類を洗濯脱水、あるいは乾燥させる洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に送風する送風ファンと、前記送風ファンを回転駆動する第1のモータと、前記洗濯兼脱水槽内に給水する風呂水ポンプ、あるいは排水する排水ポンプと、前記風呂水ポンプあるいは排水ポンプを駆動する第2のモータと、交流電力を直流電力に変換する整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換し前記第1のモータあるいは第2のモータを交互に駆動するインバータ回路と、前記第1のモータ、第2のモータのいずれかを交互に切り換える負荷切換手段と、前記インバータ回路の出力電圧あるいは出力電流より転流タイミング信号を生成する転流タイミング生成回路と、前記転流タイミング生成回路の出力信号より前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路に接続したモータに応じて、前記制御手段のモータ起動プログラムを制御するようにした洗濯乾燥機のモータ駆動装置。
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