JP2004340178A - 板状体接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合された両板状体において、たとえ一方が損傷しても、その損傷した板状体のみを比較的簡単に取り替えることのできる板状体接合構造。
【解決手段】隣接する板状体1間に跨る接合プレート2が、その両板状体1の厚み方向の両面から当て付けられ、接合プレート2と各板状体1がそれぞれ締め付け手段8により締め付けられて、両板状体1が互いに接合されている板状体接合構造で、接合プレート2と各板状体1との間にそれぞれ接着プレート4が挟持されて、各接着プレート4が、接着剤11によって各板状体1に接着され、締め付け手段8の締め付け力に起因する摩擦力によって接合プレート2に接合されている。
【選択図】 図1
【解決手段】隣接する板状体1間に跨る接合プレート2が、その両板状体1の厚み方向の両面から当て付けられ、接合プレート2と各板状体1がそれぞれ締め付け手段8により締め付けられて、両板状体1が互いに接合されている板状体接合構造で、接合プレート2と各板状体1との間にそれぞれ接着プレート4が挟持されて、各接着プレート4が、接着剤11によって各板状体1に接着され、締め付け手段8の締め付け力に起因する摩擦力によって接合プレート2に接合されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接する板状体間に跨る接合プレートが、その両板状体の厚み方向の両面から当て付けられ、前記接合プレートと各板状体がそれぞれ締め付け手段により締め付けられて、前記両板状体が互いに接合されている板状体接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような板状体接合構造は、例えば、板状体の一例である板ガラスどうしを接合する際に実施されるもので、従来、金属製の接合プレートと各板ガラスとの間に未硬化の接着剤を含侵させたシートを介在させ、その接合プレート、シート、ならびに、板ガラスにわたって形成された貫通孔にボルトを挿通してナットで締め付け、各板ガラスと接合プレートを接着することによって、板ガラスの貫通孔に作用する外力を抑制して両板ガラスを互いに接合するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−266818号公報(図1および図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示の従来技術によれば、各板ガラスと金属製の接合プレートが、シートに含侵させた接着剤によって互いに強固に接着されているので、たとえ両板ガラスのうちの一方が破損しても、破損した板ガラスのみを取り外して新たな板ガラスに取り替えることは非常に困難で不可能に近かった。
したがって、例えば、その板ガラスが、板ガラス製の建物外壁や屋根などを補強するための板ガラスであって、その補強用板ガラスを多数枚接合しているような場合、1枚が破損しても、補強用板ガラスの全てを取り外して取り替える必要があり、補修工事に多くの労力と時間を要し、補修工事に要する費用も高価になるという欠点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、接合された両板状体において、たとえ一方が損傷しても、その損傷した板状体のみを比較的簡単に取り替えることのできる板状体接合構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、隣接する板状体間に跨る接合プレートが、その両板状体の厚み方向の両面から当て付けられ、前記接合プレートと各板状体がそれぞれ締め付け手段により締め付けられて、前記両板状体が互いに接合されている板状体接合構造であって、前記接合プレートと各板状体との間にそれぞれ接着プレートが挟持されて、その各接着プレートが、接着剤によって各板状体に接着され、前記締め付け手段の締め付け力に起因する摩擦力によって前記接合プレートに接合されているところにある。
【0007】
請求項1の発明の特徴構成によれば、隣接する板状体間に跨る接合プレートと各板状体との間にそれぞれ接着プレートが挟持されて、その各接着プレートが、接着剤によって各板状体に接着され、締め付け手段の締め付け力に起因する摩擦力によって接合プレートに接合されているので、接合状態においては、接合プレートの介在による接着力と摩擦力によって、両板状体は強固に接合される。
そして、一方の板状体が破損したような場合には、例えば、締め付け手段による締め付け力を低減し、それによって、接合プレートと接着プレート間での摩擦力を解除することにより、破損した板状体のみを比較的簡単に取り外して、新たな板状体に取り替えることができる。
【0008】
請求項2の発明の特徴構成は、前記接着プレートの接合プレート側の面が、ブラスト加工による摩擦接合面に構成されているところにある。
【0009】
請求項2の発明の特徴構成によれば、接着プレートの接合プレート側の面が、ブラスト加工による摩擦接合面に構成されているので、各接着プレートと接合プレート間の摩擦力がより強力となって、両板状体を一層強固に接合することができ、それにもかかわらず、上述したように一方の板状体のみを比較的簡単に取り外して、新たな板状体に取り替えることができる。
【0010】
請求項3の発明の特徴構成は、前記摩擦接合面が、0.35以上の摩擦係数を有するところにある。
【0011】
請求項3の発明の特徴構成によれば、接着プレートの摩擦接合面が、0.35以上の摩擦係数を有するので、各接着プレートと接合プレート間の摩擦力を所定値以上に確実に維持して、両板状体を一層強固に接合することができる。
【0012】
請求項4の発明の特徴構成は、前記両板状体が板ガラスであり、前記接合プレートと接着プレートが金属プレートであって、その金属製の各接着プレートと各板ガラスが、それぞれシートに含侵された前記接着剤によって接着されているところにある。
【0013】
請求項4の発明の特徴構成によれば、両板状体が板ガラスであり、接合プレートと接着プレートが金属プレートであるから、比較的脆い板ガラスどうしを金属製接合プレートの介在により確実に接合することができるとともに、その金属製接合プレートと同じく金属製の接着プレートとの間の摩擦力も所望どおりに期待でき、かつ、金属製接着プレートと板ガラスとの間の接着力も、シートに含侵させた接着剤による接着で所望どおりに期待でき、その結果、両板状体が板ガラスであるにもかかわらず、両板ガラスを強固に接合することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明による板状体接合構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この接合構造の対象である板状体としては、例えば、板ガラスがあり、図1に示すように、板ガラス製のガラス壁Aにより建物の外壁の一部を構成する場合、そのガラス壁Aの室外側において、ガラス壁Aの補強用に使用される帯板状の板ガラス1どうしを上下方向で互いに接合する際などに実施される。
板状体としての板ガラス1は、例えば、透明な強化ガラスにより構成され、目地シールSによってガラス壁Aに固定されていて、上下方向で隣接して突き合わせ状に配置された一対の板ガラス1には、比較的径の大きい接合用の貫通孔1aが、先端部の近傍とガラス壁Aの近傍とにそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0015】
その両板ガラス1の厚み方向両側には、図2にも示すように、細長い長方形に形成されたステンレスなどの金属プレートからなる接合プレート2が、上下の板ガラス1を跨ぐ状態で位置され、その上下の板ガラス1と両側の接合プレート2とが、両者の厚み方向から互いに当て付けられている。
各板ガラス1と接合プレート2との当て付け面には、接合プレート2のほぼ半分の長さを有する長方形のシート3と接着プレート4が、シート3を各板ガラス1側に位置させ、接着プレート4を各接合プレート2側に位置させた状態で配置されて、各板ガラス1と接合プレート2の間にそれぞれ挟み込まれて介在され、かつ、各板ガラス1の貫通孔1aに対応して、両接合プレート2には合計4個の貫通孔2aが、各シート3と接着プレート4には接合用の貫通孔3a,4aがそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0016】
これらの貫通孔1a,2a,3a,4aを利用して上下の板ガラス1を接合するための接合具は、図3に詳しく示すように、その全長にわたって雄ねじ5aが形成されたステンレス製の高張力のボルト5と、そのボルト5に外嵌される合成樹脂製のブッシュ7と、ボルト5に螺合する雌ねじ6aと頭部6bとを有する一対のナット部材6などで構成されている。
そのボルト5とナット部材6とは、上下の板ガラス1と接合プレート2とを各シート3および接着プレート4を挟んだ状態で締め付ける締め付け手段8として機能するもので、ボルト5の両端部には、ドライバーD用の係合溝9が設けられ、ナット部材6の頭部6bには、六角レンチW用の六角穴10が雌ねじ部6aと連通して設けられている。
【0017】
各シート3は、ガラス繊維不織布、フェルト布、不織布、バルカナイズドファイバなどの繊維材で、その繊維材からなるシート3には、弾性エポキシ系やエマルジョンラテックス系の接着剤、変性シリコン系接着剤、あるいは、変性シリコン系と弾性エポキシ系との混合接着剤などの各種の接着剤11が含浸され、その含浸された接着剤11が未硬化の状態で、各シート3と接着プレート4が、接合プレート2と各板ガラス1との間に挟み込まれている。
接着プレート4は、例えば、厚さが1.5mm程度の比較的薄い鉄やステンレスなどの金属プレートからなり、接合プレート2側の面は、ブラスト加工によって0.35以上の摩擦係数を有する摩擦接合面12に構成され、その接着プレート4の貫通孔4aは、板ガラス1の貫通孔1aやシート3の貫通孔3aよりも小径の孔とされ、さらに、接合プレート2の接着プレート4側の面もブラスト加工されている。
【0018】
つぎに、両板ガラス1を接合したり、両板ガラス1の一方を取り外す手順などについて説明する。
両板ガラス1を接合するには、各板ガラス1の貫通孔1aにブッシュ7を内嵌した後、シート3に含浸させた接着剤11が未硬化の状態で、各板ガラス1の両面に対して各シート3を配設し、さらに、各シート3の外側に接着プレート4を配設する。その際、当然のことならが、各板ガラス1の貫通孔1aに対して、各シート3の貫通孔3aと各接着用プレート4の貫通孔4aが一致するように配設する。
そして、各板ガラス1の両面に配設された接着用プレート4の外側から接合プレート2を当て付け、各貫通孔2a,3a,4aとブッシュ7とにわたってボルト5を挿入し、その両端部にナット部材6を螺合して締め付ける。
【0019】
このボルト5に対するナット部材6の締め付けは、図2において仮想線で示すように、ボルト5の一方の係合溝9にドライバーDを差し込み、ボルト5の他方にナット部材6を螺合し、六角穴10を利用して六角レンチWにより簡単に締め付けることができる。
この状態で各シート3に含浸させた接着剤11が硬化すると、両接合プレート2と各板ガラス1との間にそれぞれ接着プレート4が挟持されて、各接着プレート4がシート3に含侵された接着剤11により接着され、かつ、ボルト5とナット部材6による締め付け力に起因する摩擦力によって各接着プレート4が接合プレート2に接合されて、両板ガラス1は強固に接合される。
【0020】
接合された両板ガラス1において、いずれか一方の板ガラス1を取り外すには、ドライバーDと六角レンチWを使用して、取り外す板ガラス1側のナット部材6を緩めてボルト5を抜き取る。すると、各接着プレート4は、接合プレート2に対して締め付け力に起因する摩擦力により接合されているので、目地シールSの部分から板ガラス1を簡単に取り外すことができる。
そして、取り外した板ガラス1を新たな板ガラス1に取り替えるには、先に説明したように、新たな板ガラス1の両面に接着剤11を含侵させたシート3を配設し、さらに、その外側に接着プレート4を配設して、接着用プレート4の外側から接合プレート2を当て付けてボルト5とナット部材6により締め付け、その後、ガラス壁Aとの間に目地シールSを充填するのである。
【0021】
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、ガラス壁Aの補強用に使用される帯板状の板ガラス1どうしを接合する場合を例に説明したが、屋根や壁などを板ガラスで形成する場合、あるいは、建屋の梁や欄間などを板ガラスで形成する場合において、その板ガラスの接合に適用することもでき、その適用範囲については特に制限はない。したがって、適用範囲や箇所によっては、板状体として必ずしも板ガラス1を使用するとは限らず、例えば、アクリル板やセラミック製の板などの各種の板を板状体として使用することができ、また、接合プレート2や接着プレート4についても、例えば、高強度の合成樹脂製のプレートを使用するなど、金属以外の材料からなる各種のプレートを使用することができる。
【0022】
(2)先の実施形態では、締め付け手段8の一例として、ボルト5とそのボルト5の両端に螺合するナット部材6を示したが、例えば、通常の頭付きボルトとナットによって締め付け手段8を構成することもでき、更に、先の実施形態とは逆に、雌ねじが形成されたナット部材の方を板状体1や接合プレート2などに挿通し、そのナット部材の両端部に頭付きボルトを螺合するように構成することもできる。
また、接着プレート4における接合プレート2側の面については、ブラスト加工以外の手段によって摩擦接合面とすることもでき、いずれにせよ、締め付け手段8による締め付け力によって所定の摩擦力を得ることができれば、いかなる構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】板状体接合構造を示す分解斜視図
【図2】板状体接合構造を示す縦断面図
【図3】板状体の接合に使用する接合具の分解図
【符号の説明】
1 板状体としての板ガラス
2 接合プレート
3 シート
4 接着プレート
8 締め付け手段
11 接着剤
12 摩擦接合面
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接する板状体間に跨る接合プレートが、その両板状体の厚み方向の両面から当て付けられ、前記接合プレートと各板状体がそれぞれ締め付け手段により締め付けられて、前記両板状体が互いに接合されている板状体接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような板状体接合構造は、例えば、板状体の一例である板ガラスどうしを接合する際に実施されるもので、従来、金属製の接合プレートと各板ガラスとの間に未硬化の接着剤を含侵させたシートを介在させ、その接合プレート、シート、ならびに、板ガラスにわたって形成された貫通孔にボルトを挿通してナットで締め付け、各板ガラスと接合プレートを接着することによって、板ガラスの貫通孔に作用する外力を抑制して両板ガラスを互いに接合するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−266818号公報(図1および図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示の従来技術によれば、各板ガラスと金属製の接合プレートが、シートに含侵させた接着剤によって互いに強固に接着されているので、たとえ両板ガラスのうちの一方が破損しても、破損した板ガラスのみを取り外して新たな板ガラスに取り替えることは非常に困難で不可能に近かった。
したがって、例えば、その板ガラスが、板ガラス製の建物外壁や屋根などを補強するための板ガラスであって、その補強用板ガラスを多数枚接合しているような場合、1枚が破損しても、補強用板ガラスの全てを取り外して取り替える必要があり、補修工事に多くの労力と時間を要し、補修工事に要する費用も高価になるという欠点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、接合された両板状体において、たとえ一方が損傷しても、その損傷した板状体のみを比較的簡単に取り替えることのできる板状体接合構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、隣接する板状体間に跨る接合プレートが、その両板状体の厚み方向の両面から当て付けられ、前記接合プレートと各板状体がそれぞれ締め付け手段により締め付けられて、前記両板状体が互いに接合されている板状体接合構造であって、前記接合プレートと各板状体との間にそれぞれ接着プレートが挟持されて、その各接着プレートが、接着剤によって各板状体に接着され、前記締め付け手段の締め付け力に起因する摩擦力によって前記接合プレートに接合されているところにある。
【0007】
請求項1の発明の特徴構成によれば、隣接する板状体間に跨る接合プレートと各板状体との間にそれぞれ接着プレートが挟持されて、その各接着プレートが、接着剤によって各板状体に接着され、締め付け手段の締め付け力に起因する摩擦力によって接合プレートに接合されているので、接合状態においては、接合プレートの介在による接着力と摩擦力によって、両板状体は強固に接合される。
そして、一方の板状体が破損したような場合には、例えば、締め付け手段による締め付け力を低減し、それによって、接合プレートと接着プレート間での摩擦力を解除することにより、破損した板状体のみを比較的簡単に取り外して、新たな板状体に取り替えることができる。
【0008】
請求項2の発明の特徴構成は、前記接着プレートの接合プレート側の面が、ブラスト加工による摩擦接合面に構成されているところにある。
【0009】
請求項2の発明の特徴構成によれば、接着プレートの接合プレート側の面が、ブラスト加工による摩擦接合面に構成されているので、各接着プレートと接合プレート間の摩擦力がより強力となって、両板状体を一層強固に接合することができ、それにもかかわらず、上述したように一方の板状体のみを比較的簡単に取り外して、新たな板状体に取り替えることができる。
【0010】
請求項3の発明の特徴構成は、前記摩擦接合面が、0.35以上の摩擦係数を有するところにある。
【0011】
請求項3の発明の特徴構成によれば、接着プレートの摩擦接合面が、0.35以上の摩擦係数を有するので、各接着プレートと接合プレート間の摩擦力を所定値以上に確実に維持して、両板状体を一層強固に接合することができる。
【0012】
請求項4の発明の特徴構成は、前記両板状体が板ガラスであり、前記接合プレートと接着プレートが金属プレートであって、その金属製の各接着プレートと各板ガラスが、それぞれシートに含侵された前記接着剤によって接着されているところにある。
【0013】
請求項4の発明の特徴構成によれば、両板状体が板ガラスであり、接合プレートと接着プレートが金属プレートであるから、比較的脆い板ガラスどうしを金属製接合プレートの介在により確実に接合することができるとともに、その金属製接合プレートと同じく金属製の接着プレートとの間の摩擦力も所望どおりに期待でき、かつ、金属製接着プレートと板ガラスとの間の接着力も、シートに含侵させた接着剤による接着で所望どおりに期待でき、その結果、両板状体が板ガラスであるにもかかわらず、両板ガラスを強固に接合することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明による板状体接合構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この接合構造の対象である板状体としては、例えば、板ガラスがあり、図1に示すように、板ガラス製のガラス壁Aにより建物の外壁の一部を構成する場合、そのガラス壁Aの室外側において、ガラス壁Aの補強用に使用される帯板状の板ガラス1どうしを上下方向で互いに接合する際などに実施される。
板状体としての板ガラス1は、例えば、透明な強化ガラスにより構成され、目地シールSによってガラス壁Aに固定されていて、上下方向で隣接して突き合わせ状に配置された一対の板ガラス1には、比較的径の大きい接合用の貫通孔1aが、先端部の近傍とガラス壁Aの近傍とにそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0015】
その両板ガラス1の厚み方向両側には、図2にも示すように、細長い長方形に形成されたステンレスなどの金属プレートからなる接合プレート2が、上下の板ガラス1を跨ぐ状態で位置され、その上下の板ガラス1と両側の接合プレート2とが、両者の厚み方向から互いに当て付けられている。
各板ガラス1と接合プレート2との当て付け面には、接合プレート2のほぼ半分の長さを有する長方形のシート3と接着プレート4が、シート3を各板ガラス1側に位置させ、接着プレート4を各接合プレート2側に位置させた状態で配置されて、各板ガラス1と接合プレート2の間にそれぞれ挟み込まれて介在され、かつ、各板ガラス1の貫通孔1aに対応して、両接合プレート2には合計4個の貫通孔2aが、各シート3と接着プレート4には接合用の貫通孔3a,4aがそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0016】
これらの貫通孔1a,2a,3a,4aを利用して上下の板ガラス1を接合するための接合具は、図3に詳しく示すように、その全長にわたって雄ねじ5aが形成されたステンレス製の高張力のボルト5と、そのボルト5に外嵌される合成樹脂製のブッシュ7と、ボルト5に螺合する雌ねじ6aと頭部6bとを有する一対のナット部材6などで構成されている。
そのボルト5とナット部材6とは、上下の板ガラス1と接合プレート2とを各シート3および接着プレート4を挟んだ状態で締め付ける締め付け手段8として機能するもので、ボルト5の両端部には、ドライバーD用の係合溝9が設けられ、ナット部材6の頭部6bには、六角レンチW用の六角穴10が雌ねじ部6aと連通して設けられている。
【0017】
各シート3は、ガラス繊維不織布、フェルト布、不織布、バルカナイズドファイバなどの繊維材で、その繊維材からなるシート3には、弾性エポキシ系やエマルジョンラテックス系の接着剤、変性シリコン系接着剤、あるいは、変性シリコン系と弾性エポキシ系との混合接着剤などの各種の接着剤11が含浸され、その含浸された接着剤11が未硬化の状態で、各シート3と接着プレート4が、接合プレート2と各板ガラス1との間に挟み込まれている。
接着プレート4は、例えば、厚さが1.5mm程度の比較的薄い鉄やステンレスなどの金属プレートからなり、接合プレート2側の面は、ブラスト加工によって0.35以上の摩擦係数を有する摩擦接合面12に構成され、その接着プレート4の貫通孔4aは、板ガラス1の貫通孔1aやシート3の貫通孔3aよりも小径の孔とされ、さらに、接合プレート2の接着プレート4側の面もブラスト加工されている。
【0018】
つぎに、両板ガラス1を接合したり、両板ガラス1の一方を取り外す手順などについて説明する。
両板ガラス1を接合するには、各板ガラス1の貫通孔1aにブッシュ7を内嵌した後、シート3に含浸させた接着剤11が未硬化の状態で、各板ガラス1の両面に対して各シート3を配設し、さらに、各シート3の外側に接着プレート4を配設する。その際、当然のことならが、各板ガラス1の貫通孔1aに対して、各シート3の貫通孔3aと各接着用プレート4の貫通孔4aが一致するように配設する。
そして、各板ガラス1の両面に配設された接着用プレート4の外側から接合プレート2を当て付け、各貫通孔2a,3a,4aとブッシュ7とにわたってボルト5を挿入し、その両端部にナット部材6を螺合して締め付ける。
【0019】
このボルト5に対するナット部材6の締め付けは、図2において仮想線で示すように、ボルト5の一方の係合溝9にドライバーDを差し込み、ボルト5の他方にナット部材6を螺合し、六角穴10を利用して六角レンチWにより簡単に締め付けることができる。
この状態で各シート3に含浸させた接着剤11が硬化すると、両接合プレート2と各板ガラス1との間にそれぞれ接着プレート4が挟持されて、各接着プレート4がシート3に含侵された接着剤11により接着され、かつ、ボルト5とナット部材6による締め付け力に起因する摩擦力によって各接着プレート4が接合プレート2に接合されて、両板ガラス1は強固に接合される。
【0020】
接合された両板ガラス1において、いずれか一方の板ガラス1を取り外すには、ドライバーDと六角レンチWを使用して、取り外す板ガラス1側のナット部材6を緩めてボルト5を抜き取る。すると、各接着プレート4は、接合プレート2に対して締め付け力に起因する摩擦力により接合されているので、目地シールSの部分から板ガラス1を簡単に取り外すことができる。
そして、取り外した板ガラス1を新たな板ガラス1に取り替えるには、先に説明したように、新たな板ガラス1の両面に接着剤11を含侵させたシート3を配設し、さらに、その外側に接着プレート4を配設して、接着用プレート4の外側から接合プレート2を当て付けてボルト5とナット部材6により締め付け、その後、ガラス壁Aとの間に目地シールSを充填するのである。
【0021】
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、ガラス壁Aの補強用に使用される帯板状の板ガラス1どうしを接合する場合を例に説明したが、屋根や壁などを板ガラスで形成する場合、あるいは、建屋の梁や欄間などを板ガラスで形成する場合において、その板ガラスの接合に適用することもでき、その適用範囲については特に制限はない。したがって、適用範囲や箇所によっては、板状体として必ずしも板ガラス1を使用するとは限らず、例えば、アクリル板やセラミック製の板などの各種の板を板状体として使用することができ、また、接合プレート2や接着プレート4についても、例えば、高強度の合成樹脂製のプレートを使用するなど、金属以外の材料からなる各種のプレートを使用することができる。
【0022】
(2)先の実施形態では、締め付け手段8の一例として、ボルト5とそのボルト5の両端に螺合するナット部材6を示したが、例えば、通常の頭付きボルトとナットによって締め付け手段8を構成することもでき、更に、先の実施形態とは逆に、雌ねじが形成されたナット部材の方を板状体1や接合プレート2などに挿通し、そのナット部材の両端部に頭付きボルトを螺合するように構成することもできる。
また、接着プレート4における接合プレート2側の面については、ブラスト加工以外の手段によって摩擦接合面とすることもでき、いずれにせよ、締め付け手段8による締め付け力によって所定の摩擦力を得ることができれば、いかなる構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】板状体接合構造を示す分解斜視図
【図2】板状体接合構造を示す縦断面図
【図3】板状体の接合に使用する接合具の分解図
【符号の説明】
1 板状体としての板ガラス
2 接合プレート
3 シート
4 接着プレート
8 締め付け手段
11 接着剤
12 摩擦接合面
Claims (4)
- 隣接する板状体間に跨る接合プレートが、その両板状体の厚み方向の両面から当て付けられ、前記接合プレートと各板状体がそれぞれ締め付け手段により締め付けられて、前記両板状体が互いに接合されている板状体接合構造であって、
前記接合プレートと各板状体との間にそれぞれ接着プレートが挟持されて、その各接着プレートが、接着剤によって各板状体に接着され、前記締め付け手段の締め付け力に起因する摩擦力によって前記接合プレートに接合されている板状体接合構造。 - 前記接着プレートの接合プレート側の面が、ブラスト加工による摩擦接合面に構成されている請求項1に記載の板状体接合構造。
- 前記摩擦接合面が、0.35以上の摩擦係数を有する請求項2に記載の板状体接合構造。
- 前記両板状体が板ガラスであり、前記接合プレートと接着プレートが金属プレートであって、その金属製の各接着プレートと各板ガラスが、それぞれシートに含侵された前記接着剤によって接着されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状体接合構造。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003134573A Withdrawn JP2004340178A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 板状体接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004340178A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006250345A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-09-21 | Central Glass Co Ltd | 強化ガラス板の接合方法 |
JP2008063737A (ja) * | 2006-09-05 | 2008-03-21 | Central Glass Co Ltd | 板ガラス接合用応力発生部材の使用方法 |
CN105113687A (zh) * | 2015-09-16 | 2015-12-02 | 广东坚朗五金制品股份有限公司 | 玻璃肋拼接结构及其施工方法、与玻璃幕墙 |
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2003
- 2003-05-13 JP JP2003134573A patent/JP2004340178A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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