JP2004339310A - 熱硬化性缶用水性コーティング剤および該コーティング剤が塗装された金属缶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、一般式(I)で示されるカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体及び架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体を含む重合性単量体混合物を共重合させ、ついで塩基性化合物を用いて中和させて得られる水溶性アクリル樹脂(A)及び前記の架橋性官能基と反応可能な架橋性官能基を有するアミノ樹脂(B)を含んでなる熱硬化性缶用水性コーティング剤で、前記した水溶性アクリル樹脂(A)が酸価60〜200を有するものである熱硬化性缶用水性コーティング剤に関するものである。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属缶に好適に使用できる熱硬化性缶用水性コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
清涼飲料水などの飲食物が充填される金属缶の外面には、その材質の保護と美観の付与を目的として、例えば塗装前の金属缶の外面を構成する金属板に直接、又はホワイトコーティングやサイズコーティングなどのアンダーコートを施した塗膜上に、文字や図柄等の印刷を行い、さらに、透明度の高いオーバーコートが施されている。金属缶のアンダーコート及びオーバーコートに用いられる熱硬化性缶用コーティング剤には、高速塗装性、ウェットインキ適性、金属板に塗装した後に該金属板を缶に成型する時の加工に耐える可撓性、飲食物などを金属缶に充填した後に金属缶の内容物を殺菌するために行われるレトルト処理にも耐えうる耐レトルト性等の諸性能が必要とされている。
【0003】
従来、熱硬化性缶用コーティング剤としては、各種合成樹脂溶液や各種助剤などで構成される溶剤型のものが用いられていたが、近年、環境を保護する立場から、水性の熱硬化性缶用コーティング剤が検討され、その一部が実用化されている。
【0004】
しかしながら、実用化されている水性の熱硬化性缶用コーティング剤は、良好な塗膜の平滑性ならびに光沢性を得るために、水以外にコーティング剤中にある程度の有機溶剤を含有させる必要があり、具体的には、熱硬化性缶用コーティング剤中の固形分全体に対して、有機溶剤含有量を40重量%よりも多く含有させざるをえないのが現状である。
【0005】
今後は、更に作業環境を改善する観点からも、有機溶剤を極力低減させた熱硬化性缶用水性コーティング剤への移行が望まれている。とりわけ、乳化重合により得られる乳化重合体は、有機溶剤を大幅に低減させることが可能であるため、熱硬化性缶用コーティング剤を構成するアクリル樹脂の一つとして挙げられている。
【0006】
そこで、水性媒体中に分散可能な、特定のカルボキシル基含有不飽和化合物を用いて得られる乳化重合体組成物が報告されている(例えば、特許文献1参照)。この特定のカルボキシル基含有不飽和化合物は、不飽和基とカルボキシル基とが比較的離れた構造をしていることから、前記した乳化重合体組成物は凝集しにくく、(メタ)アクリル酸を単独で用いて得られる乳化重合体組成物と比較すると、より多くのカルボキシル基を乳化重合体組成物中に導入することができ、有機溶剤を低減した場合でも耐加水分解性に優れた乳化重合体組成物を水中に安定して分散させることができる。
【0007】
しかし、前記した乳化重合体組成物を水に分散させて得られるエマルジョンは、乳白色をしており、粒子径約80〜150nmの粒子が、実質的に水に分散しているものである。この乳白色をしたエマルジョンを熱硬化性缶用水性コーティング剤として用いる場合には、チクソトロピーというエマルジョンが持つ特有の流動性により、塗膜表面の平滑性が低下することで塗膜外観が損なわれる可能性がある。また、得られる塗膜の外観や光沢が損なわれ、金属缶としての商品価値を下げるという問題が生じる可能性がある。
【0008】
したがって、優れた平滑性、光沢及び塗膜外観を有する塗膜表面が得られ、レトルト処理においても塗膜が金属缶等から剥離せず、且つ地球環境の保全及び労働環境の改善に資するような、有機溶剤の含有量が低減された熱硬化性缶用水性コーティング剤は、未だ開発されておらず実用化には至っていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−345825号公報(請求項1,実施例1〜6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、優れた平滑性、光沢性及び塗膜外観を有する塗膜表面を得ることができ、且つ有機溶剤含有量の低減された熱硬化性缶用水性コーティング剤及びそれが塗装された金属缶を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した各種物性の優れた塗膜を得るためには、光沢透過率、即ち透明性を高めることが重要であると考え、熱硬化性缶用水性コーティング剤中に含まれる樹脂が、水に溶解しやすいものとなるように検討を行った。そして、特定のアクリル樹脂(A)の水溶液及び特定のアミノ樹脂(B)を含有してなる熱硬化性缶用水性コーティング剤が、その固形分全体に対して有機溶剤を40重量%以上含まないものであっても、ニュートン流動性を有し、得られる塗膜の表面が、優れた平滑性、塗膜外観、光沢及び鮮映性を有することを見出した。
【0012】
すなわち本発明は、一般式(I)で示されるカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体(以下、長鎖カルボキシル基含有単量体と称する)及び架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体を含む重合性単量体混合物を共重合させ、ついで塩基性化合物を用いて中和させて得られるアクリル樹脂(A)の水溶液及び前記の架橋性官能基と反応可能な架橋性官能基を有するアミノ樹脂(B)を含んでなる熱硬化性缶用水性コーティング剤で、前記アクリル樹脂(A)が、酸価60〜200を有する熱硬化性缶用水性コーティング剤に関するものであり、好ましくは前記したアクリル樹脂(A)の数平均分子量が、1,000〜20,000であり、好ましくは前記したアクリル樹脂(A)の水溶液中におけるアクリル樹脂(A)の濃度が25〜70重量%であるときの光線透過率が、85%以上であり、好ましくは前記したアクリル樹脂(A)を構成する構成単位の5〜60重量%が、一般式(I)で示されるカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体に由来する構成単位であり、好ましくは、一般式(I)のR2がC5H10であり、且つnが1以上5以下であり、好ましくは前記した熱硬化性缶用水性コーティング剤中の固形分のうち20〜80重量%が、前記アクリル樹脂(A)であり、前記熱硬化性缶用水性コーティング剤中の固形分全体に対する有機溶剤の含有量が40重量%以下である熱硬化性缶用水性コーティング剤に関するものである。
【0013】
また、本発明は、前記した熱硬化性缶用水性コーティング剤が塗装された金属缶に関するものである。
【0014】
【化2】
(I)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数2〜18の置換又は無置換アルキレン基を表わし、nは1〜10の整数を表す。)
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、詳述する。
本発明で使用するアクリル樹脂(A)とは、長鎖カルボキシル基含有単量体及び架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体を含む重合性単量体の混合物を共重合させ、次いで塩基性化合物で中和させて得られる水溶性アクリル樹脂であり、その酸価が60〜200の範囲であるものである。
【0016】
長鎖カルボキシル基含有単量体は、例えば、(a)ω−ヒドロキシカルボン酸とカルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和化合物とを反応させる方法、(b)α,ω−ポリエステルジカルボン酸とヒドロキシル基を有するラジカル重合性不飽和化合物とを反応させる方法、(c)酸無水物とカルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和化合物とエポキシ化合物とを反応させる方法および(d)特公平3−21536号公報に示されているようなカルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和化合物とラクトンとを酸性触媒の存在下で反応させる方法等の、当業者に周知の方法で製造されるものである。しかしながら、前記(a)〜(c)の方法では、ラジカル重合性官能基が全くないもの、あるいは2個入ったものなどが副生成物として多量に生じることから、ラジカル重合性官能基を必ず1個含むカプロラクトンポリエステル不飽和単量体が得られる(d)の方法で長鎖カルボキシル基含有単量体を製造することが好ましい。
【0017】
特に(d)の方法では、1分子中のε−カプロラクトン単位数が1〜5なる長鎖カルボキシル基含有単量体であるα−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))が主に得られる。1分子中のε−カプロラクトン単位数については、塗膜の平滑性あるいは鮮映性を考慮すれば、1〜10の範囲内が好ましく、更には1以上5以下がより好ましい。具体的には、1分子中のε−カプロラクトン単位の平均数が2なる商品名アロニクスM−5300(東亜合成化学工業(株))を、アクリル樹脂(A)として好適に用いることができる。
【0018】
本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤は、ニュートン流動性を有することが重要であり、かかるニュートン流動性を有する為には、水中に於けるアクリル樹脂(A)の粒子径が小さいことが望ましい。粒子径に関する指標としては、光線透過率が挙げられる。本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤がニュートン流動性を有するためには、アクリル樹脂(A)の水溶液中に於けるアクリル樹脂(A)の濃度が25〜70重量%であるときの光線透過率が、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。かかる範囲の光線透過率に調整することで、ニュートン流動性を有する熱硬化性缶用水性コーティング剤を得ることができる。それによって、塗膜をより均一に形成させることができ、光沢や鮮映性に優れた塗膜を形成しうる熱硬化性缶用水性コーティング剤を得ることができる。
【0019】
光線透過率の測定方法に関しては、アクリル樹脂(A)の水溶液中に於けるアクリル樹脂(A)の濃度が25重量%以上であるとき、村上色彩技術研究所製の変角全光線透過率計「HG−200」で、JIS K7105に関する液状サンプルの測定方法に基づき、全光線透過率および拡散透過率を算出した。その全光線透過率と拡散透過率の差である平行光線透過率を光線透過率とした。
【0020】
光線透過率に影響を与えうる、アクリル樹脂(A)の粒子径を制御する主な因子としては、長鎖カルボキシル基含有単量体の使用量、長鎖カルボキシル基含有単量体及びその他のカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体の合計の使用量、即ちアクリル樹脂(A)の酸価、ならびに中和率等が挙げられる。
【0021】
長鎖カルボキシル基含有単量体の使用量としては、アクリル樹脂(A)の製造に使用する各種α,β−エチレン性不飽和単量体全成分の100重量部に対し、1〜50重量部なる範囲内(固形分酸価に換算して1.8〜93.5)が好ましく、より好ましくは5〜30重量部(固形分酸価に換算して9.3〜56.1)である。かかる範囲内であれば、塗膜の平滑性あるいは鮮映性に優れ、且つ塗料化粘度の観点から塗装作業性の効果が十分に発現される。
【0022】
また、アクリル樹脂(A)の酸価は、アクリル樹脂(A)の水溶化能、粒子径、親水性、加えて耐水性等の観点から、酸価60〜200となる範囲内が好ましく、なかでも60〜100となる範囲内がより好ましい。
【0023】
ここで、その他のカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等のモノ(ジ)カルボン酸などが挙げられ、これら1種以上を前記した長鎖カルボキシル基含有単量体と併用しても良い。
【0024】
次に、アクリル樹脂(A)に使用する架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体について説明する。ここでいう架橋性官能基とは、後述するアミノ樹脂(B)の有するアルコキシ基、メチロール基又はイミノ基等と架橋反応しうるものであり、例えば、ヒドロキシル基、N−アルコキシアルキル基、加水分解性シリル基、イソシアナート基などを挙げることができる。
【0025】
前記した架橋性官能基を有する、α,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えばヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0026】
「プラクセルFA−1〜FA−5」、「プラクセルFM−1〜FM−5」〔ダイセル化学工業(株)製品〕等のように末端が水酸基を有するカプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル類;
【0027】
(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のような(メタ)アクリルアミド類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のようなN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のようなN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド類等を挙げることができ、これらを単独、あるいは混合して用いることができる。
【0028】
また、架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体の使用量としては、アクリル樹脂(A)の製造に使用する各種α,β−エチレン性不飽和単量体全成分100重量部に対し、5〜60重量部なる範囲内が好ましく、5〜30重量部の範囲がより好ましい。かかる範囲内であれば、十分に架橋反応をさせることができ、熱硬化性缶用水性コーティング剤として必要な硬度及び可撓性の優れた塗膜を得ることができる。
【0029】
また、本発明に使用するアクリル樹脂(A)には、前記した長鎖カルボキシル基含有単量体及び架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体の他に、本発明の目的を達成する範囲内において、その他のエチレン性不飽和単量体を併用することができる。
【0030】
その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、(n−,イソ,)ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
【0031】
メトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、(n−、イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
【0032】
ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−2−エチルヘキシルイタコネート等のジカルボン酸のジアルキルエステル;
【0033】
ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、ビニルバーサテート等のカルボン酸のビニルエステル;スチレン、ターシャリーブチルスチレン(tert−ブチルスチレン)、α−メチルスチレンなどのような各種の芳香族ビニル単量体;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドンなどのような各種のビニル単量体;塩化ビニリデンまたはフッ化ビニリデンなどのような各種のハロゲン化ビニリデン単量体;エチレンまたはプロピレンなどのような各種のα−オレフィン類などが挙げられ、それらを単独又は2種以上併用することができる。
【0034】
さらに、その他のエチレン性不飽和単量体としては、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤の表面張力を更に低下させるという目的で、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例えば、ブレンマーPE−90、PE−200 、PE−350 などの日本油脂(株)製ブレンマーPEシリーズ、MA−30、MA−50、MA−100 、MA−150などの日本乳化剤(株)製MAシリーズ)、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例えば、ブレンマーPME−100 、PME−200 、PME−400 などの日本油脂(株)製ブレンマーPMEシリーズ、日本乳化剤(株)製MPG130−MA)、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート(例えば、ブレンマーAE−350 などの日本油脂(株)製ブレンマーAEシリーズ)などのポリオキシエチレン鎖を有するエチレン性不飽和単量体を併用することができる。
【0035】
前記した各種エチレン性不飽和単量体を用いて得られる共重合体の重合方法としては、得られる共重合体の重合反応操作および分子量調節が容易であることから、例えば乳化重合法、有機溶剤を用いた溶液重合法及び塊状重合法等のラジカル重合開始剤を用いた方法が挙げられるが、有機溶剤量を削減できる観点、操作性の観点から、乳化重合法が好ましく用いられる。
【0036】
共重合体の製造方法である乳化重合法は、水又は必要に応じてアルコールなどのような有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を添加し、加熱撹拌下、各種エチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤等を一括仕込み、連続滴下又は分割添加し、重合反応させる方法である。このとき、乳化剤と水とを用いて予め乳化したエチレン性不飽和単量体を同様に滴下してもよい。
【0037】
共重合体の製造方法である乳化重合法で使用することのできる乳化剤としては、一般的な乳化重合法で使用されているようなものであれば特に制限はないが、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム、アルキル硫酸ソーダ、アルキル硫酸アンモニウム、ジアルキルスルホサクシネートソーダ塩、アルキルフェニルポリオキシエチレンサルフェートソーダ塩、アルキルフェニルポリオキシエチレンサルフェートアンモニウム塩、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステル塩、α−メチルスチレン−4−アルキル−2−オキシ(ポリオキシエチレン)スルホン酸アンモニウムなどのような各種のアニオン性乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などのような各種のノニオン性乳化剤;分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する形の各種の乳化剤、いわゆる反応性乳化剤などが挙げられる。しかし、塗膜の耐水性を考慮すれば、前記した各種乳化剤を使用するよりも、長鎖カルボキシル基含有単量体の酸基を中和させたものを反応性乳化剤として使用する方が、乳化剤の使用量を減らすことができるためより好ましい。
【0038】
乳化剤の使用量は、一般的に乳化重合法において使用されているような量、すなわち、アクリル樹脂(A)に使用する各種エチレン性不飽和単量体全成分の100重量部に対し、0.2〜10重量部なる範囲内が好ましく、塗膜の耐水性を考慮すれば、0.2〜5重量部なる範囲内がより好ましい。
【0039】
また、共重合体の製造方法である乳化重合法の重合条件のうち、反応温度は、使用するラジカル重合開始剤のラジカル発生方法によって決定されるものであり、例えば熱分解反応でラジカルを発生させる場合では60〜90℃であり、過硫酸系・過酸化物系開始剤と還元剤との組み合わせたレドックス反応の場合では30〜70℃であること好ましい。また、乳化重合法による反応時間は、1〜10時間であることが好ましい。
【0040】
ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどのような各種の過硫酸塩類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、カチオン系の2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)などのような各種のアゾ系開始剤;過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのような各種の過酸化物系開始剤などがある。
【0041】
ラジカル重合開始剤の使用量としては、各種エチレン性不飽和単量体全成分の100重量部に対して、0.1〜5重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。また、乳化重合法による共重合体の製造工程では、厳密なpHの制御は不要であるが、好ましくはpH5〜11、より好ましくは6〜9の範囲で行われる。
【0042】
ラジカル重合開始剤と併用可能な還元剤としては、例えばナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸などが挙げられる。
【0043】
また、共重合体の製造方法である乳化重合法としては、前記した乳化重合法に加えて、例えば無乳化剤乳化重合法、シード乳化重合法、マイクロエマルション重合法、パワーフィード法、ショットグロース法などのような種々の方法を採用し適用することも可能である。
【0044】
次に、得られた共重合体の酸基の一部又は全部を中和させるのに使用する塩基性化合物について説明する。
【0045】
塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのような各種の無機塩基;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、イソブチルアミン、またはジプロピルアミンのような各種のアルキルアミンなどをはじめ、さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような各種のアミノアルコール類、またはモルホリンなどのような各種の有機アミン類;あるいはアンモニアなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物で使用することができる。
【0046】
塩基性化合物の添加量は、アクリル樹脂(A)の酸価に対して0.5〜1.5当量となる範囲内で用いることが好ましく、0.8〜1.2当量の範囲で用いることがより好ましい。
【0047】
前記した共重合体の酸基の一部又は全部を塩基性化合物で中和させる方法は、例えば、乳化重合法により共重合体を製造した場合は、共重合体はすでに水に分散されているので、これに塩基性化合物を添加・撹拌し、酸基の一部又は全部を中和させることで、これらを水に溶解させることができる。
【0048】
有機溶剤を用いた溶液重合法で共重合体を得た場合には、脱溶剤をして得られる固体の共重合体に塩基性化合物を混合し、酸基の一部又は全部を中和させることで、アクリル樹脂(A)の水溶液を得ることができる。
【0049】
かくして得られるアクリル樹脂(A)の数平均分子量は、塗膜の平滑性ならびに、塗料化する際の粘度の観点から、塗装作業性の効果が十分に発現されることを考慮すれば、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算で、1,000〜20,000が好ましく、3,000〜10,000がより好ましい。
【0050】
ここで、前記したサイズ排除クロマトグラフフィー測定とは、JIS K0124 高速クロマトグラフ分析に記載のサイズ排除クロマトグラフフィー測定法に準拠し、溶解液はテトラヒドロフランを、充填剤はポリスチレンゲルを、それぞれ使用する測定方法である。
【0051】
また、アクリル樹脂(A)には、その分子量を調整する為に、連鎖移動剤を使用することができ、かかる連鎖移動剤としては、例えばn−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ヘキサデシルメルカプタンなどのような各種のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンなどのような各種のアルキルベンジルメルカプタン類;チオグリコール酸、チオリンゴ酸などのような各種のチオカルボン酸類あるいはその塩類;n−ブチルチオグリコネート、ドデシル−3−メルカプトプロピオネートなどのような各種のチオカルボン酸アルキルエステル類;モノエタノールアミンチオグリコレートのような、各種の含窒素チオール類;トリメトキシシリルプロピルメルカプタンなどに代表されるような各種の反応性官能基含有メルカプタン類;α−メチルスチレンダイマーなどのような各種のダイマー型連鎖移動剤などが挙げられ、これらは単独又は2種以上を併用することができる。当該連鎖移動剤の使用量は、アクリル樹脂(A)の数平均分子量が、前記した範囲内になるように、適宜決定される。
【0052】
本発明で使用するアクリル樹脂(A)の水溶液の固形分は、実用的な観点からも、10〜70重量%の範囲が好ましく、25〜70重量%の範囲がより好ましく、30〜50重量%の範囲がさらに好ましい。
【0053】
次に本発明で使用するアミノ樹脂(B)とは、架橋性官能基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体中の架橋性官能基と反応可能な架橋性官能基を有するアミノ樹脂である。例えば、アルコキシ基、メチロール基又はイミノ基を有する、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂および尿素樹脂とこれらの変性樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化尿素樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。特に、アルコキシ基、メチロール基又はイミノ基を有する、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂、イソプロピルエーテル化メラミン樹脂、メチル/ブチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂およびエチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、イソプロピルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル/ブチルエーテル化ベンゾグアミン樹脂が好ましく用いられる。
【0054】
アクリル樹脂(A)が有する架橋性官能基を有するα、β−エチレン性不飽和単量体由来の架橋性官能基と、前記した架橋性官能基と反応可能な架橋性官能基を有するアミノ樹脂(B)との架橋反応において、より好ましい架橋性官能基の組み合わせとしては、例えばヒドロキシル基を有するアクリル樹脂(A)とアルコキシ基を有するアミノ樹脂(B)、あるいはN−アルコキシアルキル基を有するアクリル樹脂(A)とイミノ基を有するアミノ樹脂(B)などを挙げることができ、それらを組み合わせて使用することができる。
【0055】
次に、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤について詳細に説明する。
【0056】
本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤は、アクリル樹脂(A)の水溶液にアミノ樹脂(B)を添加・撹拌し、溶解させることで得ることができる。
【0057】
ここで、アクリル樹脂(A)とアミノ樹脂(B)の固形分の比率は、アクリル樹脂(A)/アミノ樹脂(B)=30/70〜80/20(重量部)の範囲が好ましく、40/60〜70/30(重量部)の範囲がより好ましい。この範囲内であれば、熱硬化性缶用水性コーティング剤に必要な硬度および可撓性の性能を両立し得ることができる。
【0058】
本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤には、塗膜の表面平滑性、可撓性及び硬度のバランスならびに耐レトルト性などの諸性能を保持できる範囲内であれば、前記したアクリル樹脂(A)及びにアミノ樹脂(B)以外に、水性ポリエステル樹脂、水性アルキッド樹脂、水性ウレタン樹脂またはそれらの混合体などの水性樹脂を併用することができる。
【0059】
水性ポリエステル樹脂としては、ポリオールと多価カルボン酸とを縮合反応させることによって得られる縮合体を、塩基性化合物などでカルボキシル基の一部又は全部を中和させたものを使用することができる。
【0060】
ここで、ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、グリセリン、1,9−ノナンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどが挙げられ、また、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などの分子内に2以上のヒドロキシル基を有するカルボン酸をポリオールとして使用することもできる。
【0061】
多価カルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロプタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、「無水ハイミック酸」[日立化成工業(株)製品;此の「無水ハイミック酸」は同上社の登録商標である。]、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、ピロメリット酸およびこれらの酸無水物などが挙げられる。
【0062】
また、前記した水性ポリエステル樹脂に使用するカルボン酸としては、前記した多価カルボン酸の他にモノカルボン酸(但し、脂肪酸を含まない)を併用することができ、例えば安息香酸またはp−tert−ブチル安息香酸などがある。
【0063】
水性アルキド樹脂としては、前記したポリオール及び/又はヒドロキシル基を2個有するヒドロキシ酸を含むジオールを、酸成分として前記した多価カルボン酸及び/又は動物油又は植物油から合成される脂肪酸等を縮合反応させて得られる縮合体の酸基の一部又は全部を、塩基性化合物などで中和させて得られるものである。
【0064】
ここで、脂肪酸としては、好ましくは亜麻仁油、大豆油、サフラワー油、支那桐油、トール油、あさみ油、えの油、米糠油、綿実油、ひまし油、なたね油から得られる脂肪酸や、脱水ひまし油脂肪酸、ハイ・ジエン脂肪酸などのような各種の脂肪酸などが挙げられるが、前記した脂肪酸を組み合わせて使用しても勿論、可能である。
【0065】
また、前記した酸成分には、水性ポリエステル樹脂を製造する際に使用することのできるモノカルボン酸と同様のものを、本発明の目的を達成する範囲内で併用することができる。
【0066】
水性ウレタン樹脂としては、活性水素を有しない有機溶剤中にて、ジオール化合物、ジカルボン酸化合物、分子内に2以上のヒドロキシル基を有するカルボン酸又はポリオール化合物と、有機イソシアネートとを反応させ、次いで塩基性化合物で中和させて得られるものを使用することができる。
【0067】
ジオール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレンエーテルグリコールなどを使用することができる。
【0068】
分子内に2以上のヒドロキシル基を有するカルボン酸としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などを使用することができる。
【0069】
ジカルボン酸化合物としては、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペートなどを使用することができる。
【0070】
有機イソシアネートとしては、芳香族、脂肪族または脂環式に属する、公知慣用の種々のジイソシアネート類を使用することができ、例えばトルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4−ジベンジルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0071】
この水性ウレタン樹脂には、塗料粘度ならびに塗膜の平滑性が実用領域から逸脱しない範囲内で、ポリアミン等の鎖伸長剤を使って高分子量化してもよい。かかるポリアミンとは、1級または2級のアミノ基を、2個以上有するという形の化合物を称するものであって、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ピペラジンまたはマレイン酸ジヒドラジドなどである。
【0072】
前記した各種水性樹脂は、貯蔵安定性を良好なものとする為に、酸基の一部又は全部を塩基性化合物によって中和させた方が望ましい。
【0073】
ここで、塩基性化合物としては、貯蔵安定性を低下させないものであれば特に制限するものではないが、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのような各種の無機塩基;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、イソブチルアミン、またはジプロピルアミンのような各種のアルキルアミンなどをはじめ、さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような各種のアミノアルコール類またはモルホリンなどのような各種の有機アミン類;あるいはアンモニアなどを使用することができ、N,N−ジメチルエタノールアミンが良好な貯蔵安定性を付与することから好ましく用いられる。また、水性樹脂の水溶解能を調節することを目的として、前記した種々の塩基性化合物を、適宜組み合わせて用いることもできる。
【0074】
ここで、水性樹脂を水溶解させる為に用いられる塩基性化合物の添加量は、水性樹脂の酸価に対して0.5〜1.5当量なる量を用いることが好ましく、0.8〜1.2当量なる量を用いることがより好ましい。
【0075】
本発明で使用するアクリル樹脂(A)とアミノ樹脂(B)が、熱硬化性缶用水性コーティング剤中の固形分全体に占める割合は、熱硬化性缶用水性コーティング剤の固形分100重量部当たり60〜100重量部なる範囲内が好ましく、80〜95重量部なる範囲内がより好ましい。
【0076】
本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤に使用する有機溶剤の含有量については、熱硬化性缶用水性コーティング剤中の固形分全体に対して40重量%以下が好ましく、10重量%〜35重量%がより好ましい。かかる範囲に調整することで、地球環境保全ならびに労働作業環境を改善することができ、さらにアクリル樹脂(A)を使用することで平滑性に優れた塗膜を提供することができる。
【0077】
本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤には、アクリル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)の他に、本発明の目的を達成する範囲内において公知の各種塗料用添加剤を配合してもよく、必要に応じて、塗装性を改良する目的で、親水性溶剤、親油性溶剤、界面活性剤、消泡剤、顔料、各種助剤等を加えることができる。
【0078】
ここで、顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸鉛などの白色顔料、カーボンブラック、酸化マグネシウム酸化鉄などの金属酸化物、アルミフレーク、雲母、ケイ酸塩類、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機顔料、フタロシアニンブル−、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ベンズイシダゾロン、スレン、ペリレン等の有機顔料が挙げられ、これらを単独で、あるいは任意の組み合わせで使用することができる。
【0079】
次に、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤を塗装して得られる金属缶について詳細に説明する。
【0080】
本発明の金属缶は、前記した熱硬化性缶用水性コーティング剤を製缶塗料として塗装して得られるものであり、以下に示す塗膜形成方法を適用することができる。
【0081】
塗膜形成方法としては、例えば塗装前の金属缶の外側面又は側面を構成する金属板に直接、金属用平版インキ等を用いて印刷を施し、次いでクリアコーティングをオーバーコート塗装後、焼き付け乾燥する方法が挙げられる。
【0082】
また、その他の塗膜形成方法としては、塗装前の金属缶の外側面又は側面を構成する金属板にホワイトコーティングやサイズコーティングなどのアンダーコートを施して一旦焼き付け乾燥し、次いでアンダーコートの塗膜上に、金属用平版インキ等を用いて印刷を施し、次いでクリアコーティングをオーバーコート塗装後、再び焼き付け乾燥する方法が挙げられる。
【0083】
また、その他の塗膜形成方法としては、ノンバーニッシュという方法がある。これは、塗装前の金属缶の外側面又は側面を構成する金属板に直接、又はホワイトコーティングやサイズコーティングなどのアンダーコートを施した後に、金属用平版インキ等を用いて印刷を施して焼き付け乾燥する方法である。
【0084】
次に、前記したホワイトコーティング、サイズコーティング及びクリアコーティングについてそれぞれ説明する。
【0085】
ホワイトコーティングとは、金属下地との密着性、隠蔽性、塗膜の表面平滑性、可撓性及び硬度のバランスならびに耐レトルト性等の付与を目的として塗布するものである。かかるホワイトコーティングとしては、上記したアクリル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)及び白色顔料を用いて得られる本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤が挙げられる。前記ホワイトコーティングの固形分は40〜90重量%が好ましく、その塗布量は、前記した性能を十分に付与する上で100〜400mg/100cm2が好ましい。
【0086】
白色顔料としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛などが挙げられ、飲料缶用ホワイトコーティングとしては二酸化チタンが好ましく用いられる。白色顔料の含有量は、ホワイトコーティングの固形分全体に対して30〜80重量%が好ましい。
【0087】
ホワイトコーティングの製造法としては、例えばアクリル樹脂(A)の一部に白色顔料を加え、ロールミル、サンドミル、ボールミルまたはペイントミキサーなどで混錬後、ホワイトコーティングを構成する他の構成成分を公知の手法・装置を用いて混合する方法が挙げられ、コールドブレンド法により製造することが好ましい。また、ホワイトコーティングは、例えば、2ピース缶の場合、1本または2本のアプリケーションロールからなるホワイトコーターと呼ばれる塗装機を使って塗装される。
【0088】
サイズコーティングとは、金属下地との密着性、塗膜の表面平滑性、可撓性及び硬度のバランスならびに耐レトルト性等の付与を目的として塗布するものであり、かかるサイズコーティングとしては、本発明の熱硬化性缶用コーティング剤が挙げられる。
【0089】
かかるサイズコーティング中の固形分は、30〜80重量%が好ましく、その塗布量は、前記した性能を十分付与するために10〜80mg/100cm2が好ましい。また、サイズコーティングは、例えば、2ピース缶の場合、1本または2本のアプリケーションロールからなる塗装機を使って塗装される。
【0090】
クリアコーティングとは、インキとのウェット性、隠蔽性、塗膜の表面平滑性、可撓性及び硬度のバランスならびに耐レトルト性等の性能を付与することを目的として用いられるものであり、かかるクリアコーティングとしては、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤が挙げられる。クリアコーティング中の固形分は、30〜80重量%が好ましく、その塗布量は、前記した性能を十分付与する上で30〜100mg/100cm2が好ましい。また、クリアコーティングは、例えば、2ピース缶の場合、1本アプリケーションロールからなるナチュラルロールコート方式で塗装される。
【0091】
前記した各種塗膜形成方法における、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤の塗装方法は、ロールコーター塗装が好ましいが、エアースプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどスプレー塗装、浸漬塗装、または、電着塗装なども可能である。
【0092】
次に、本発明の金属缶に施される印刷は、金属缶の意匠性を高めるとともに美観の付与等を目的として、例えば、金属用平版インキ等で印刷するものである。2ピース缶用印刷機としては、例えば、デコレーターが挙げられる。デコーターとは、4〜8個のインクステーションを有し、各インクステーションから1色ずつ金属用平版インキをブランケットに転写して缶胴に印刷する印刷機である。
【0093】
前記した金属用平版インキを構成する成分としては、各種顔料、ワニス、ドライヤー、溶剤などが挙げられる。かかる顔料としては、カーボンブラック、キナクリドン、フタロシアニンなどが挙げられ、ワニスとしては、上記したアルキド樹脂などが挙げられ、ドライヤーとしては、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅など金属ドライヤーなどが挙げられ、溶剤としては、石油系混合溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤やブチルセロソルブなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
【0094】
また、オーバーコーティングを塗布しないノンバーニッシュに対応した金属用平版インキには、滑性等を付与させる目的から、前記した金属用平版インキの構成成分に加えて、シリコーン化合物などが添加されている。
【0095】
前記した塗膜形成方法において行われる焼き付け乾燥の条件としては、120〜280℃の範囲で、10秒〜30分間行うことが好ましい。
【0096】
本発明の金属缶に塗布される製缶塗料の要求性能は、塗膜外観、高速塗装性、ウェットインキ適性、該金属板あるいは該金属缶の成形加工に耐えうる可撓性、飲食物などを金属缶に充填した後に金属缶の内容物を殺菌するために行われるレトルト処理にも耐えることのできる耐レトルト性等であり、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤は、前記した製缶塗料に求められる各種性能を十分に満たすものである。
【0097】
また、本発明の熱硬化性缶用水性コーティング剤は、高温短時間の焼き付け条件においても発泡することがなく、厚膜塗装が可能であると共に、塗膜の加工性並びに耐食性などが良好である処から、溶接缶の溶接部補正塗料としても有用である。
【0098】
本発明に使用する塗装前の金属缶は、例えば厚さ0.01〜2.0mmの延伸鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等を成形加工してできるものが挙げられる。これらの合金板の表面は、場合によってはクロム、錫、亜鉛、ニッケルなどの無機金属、アクリル樹脂等の有機物の1種もしくは2種以上の合金または複合物をメッキ、蒸着、塗装さらにジルコニウム、アルマイト、燐酸処理等が施されていてもよい。また、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレート等の樹脂フィルムをラミネートした金属缶を用いることもできる。
【0099】
【実施例】
次に、本発明を、製造例、比較製造例、実施例および比較例により、さらに一層、具体的に説明するということにするが、本発明は、決して、それらの例示のみに限定されるというようなものではない。以下において、部および%は、特に断りの無い限りは、すべて重量基準であるとする。
【0100】
製造例1(アクリル樹脂の水溶液(A−1)の合成例)
冷却管、撹拌機、温度計および滴下ロートを取り付けた500mlのガラス製フラスコにイオン交換水90部、アロニクスM−5300(東亞合成(株)製)5部、ジメチルエタノールアミン1.5部を仕込み、83℃まで昇温した。滴下ロートからアロニクスM−5300(東亞合成(株)製)10部、メタクリル酸5部、メタクリル酸メチル25部、アクリル酸ブチル45部、ラウリルメルカプタン3部およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部を混合したモノマープレミックスを3時間にわたり滴下した。また、過硫酸ナトリウム1部、ジメチルエタノールアミン1部で中和し、10部のイオン交換水に溶解した開始剤溶液をモノマープレミックスと同時に滴下した。さらに83℃で2時間撹拌を継続した後、ジメチルエタノールアミン8.1部、イオン交換水74.6部を添加して冷却し、固形分35.5%、固形分酸価60.7mgKOH/g、有機溶剤量3.6%、GPCによる数平均分子量6,000、光線透過率88.0%なる無色透明の、アクリル樹脂の水溶液(A−1)を得た。
【0101】
製造例2(アクリル樹脂の水溶液(A−2)の合成例)
冷却管、撹拌機、温度計および滴下ロートを取り付けた500mlのガラス製フラスコにイオン交換水80部、アロニクスM−5300(東亞合成(株)製)5部、ジメチルエタノールアミン1.5部を仕込み、83℃まで昇温した。次に、イオン交換水10部、反応性乳化剤アデカソープSE−1025A(旭電化工業(株)製)4部、アロニクスM−5300(東亞合成(株)製)10部、メタクリル酸7部、メタクリル酸メチル23部、アクリル酸ブチル45部、ラウリルメルカプタン2部およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部を混合したモノマープレミックスを乳化し、該モノマープレミックスを滴下ロートから3時間にわたり滴下した。また、過硫酸ナトリウム1部、ジメチルエタノールアミン1部で中和し、10部のイオン交換水に溶解した開始剤溶液をモノマープレミックスと同時に滴下した。さらに83℃で2時間撹拌を継続した後、ジメチルエタノールアミン8.1部、イオン交換水74.6部を添加して冷却し、固形分35.0%、固形分酸価73.7mgKOH/g、有機溶剤量3.6%、GPCによる数平均分子量7,800、光線透過率88.0%なる無色透明の、アクリル樹脂の水溶液(A−2)を得た。
【0102】
製造例3(水性ポリエステル樹脂溶液の合成例)
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、ネオペンチルグリコール45部、アジピン酸40部、無水フタル酸24部、無水トリメリット酸9部を仕込み、温度140℃〜220℃で3時間かけてエステル化反応を行った。酸価が50mgKOH/g樹脂となったところで、温度を100℃に冷却し、ブチルセロソルブ17部を添加し、溶解した後、ジメチルエタノールアミン8部を加えて、固形分80.1%、有機溶剤量19.9%の、水性ポリエステル樹脂溶液を得た。
【0103】
比較製造例1(アクリル樹脂の分散液(X−1)の合成例)
冷却管、撹拌機、温度計および滴下ロートを取り付けた500mlのガラス製フラスコにイオン交換水185部を仕込み、83℃まで昇温した。滴下ロートからアロニクスM−5300(東亜合成化学製)20部、ジメチルエタノールアミン5.9部およびスチレン80部を混合したモノマー溶液を2時間にわたり滴下した。また、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸1部をジメチルエタノールアミン0.55部で中和し、40部のイオン交換水に溶解した開始剤溶液をモノマー溶液と同時に滴下した。さらに83℃で1時間撹拌を継続した後冷却し、固形分30.0%、固形分酸価37.4mgKOH/g、有機含有量1.9%、光線透過率30.0%なる乳白色の、アクリル樹脂の分散液(X−1)を得た。なお、このアクリル樹脂は、THFに溶解しないために、GPCを測定することができなかった。
【0104】
比較製造例2(アクリル樹脂の水溶液(X−2)合成例)
冷却管、撹拌機、温度計および滴下ロートを取り付けた500mlのガラス製フラスコにイオン交換水90部を仕込み、83℃まで昇温した。次に、イオン交換水10部、反応性乳化剤アデカソープSE−1025A(旭電化工業(株)製)4部、メタクリル酸9.4部、メタクリル酸メチル22部、アクリル酸ブチル58.6部、ラウリルメルカプタン2部およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部を混合したモノマープレミックスを乳化し、該モノマープレミックスを滴下ロートから3時間にわたり滴下した。また、過硫酸ナトリウム1部、ジメチルエタノールアミン1部で中和し、10部のイオン交換水に溶解した開始剤溶液をモノマープレミックスと同時に滴下した。さらに83℃で2時間撹拌を継続した後、ジメチルエタノールアミン9.7部、イオン交換水73.0部を添加して冷却し、固形分33.9%、固形分酸価61.3mgKOH/g、有機溶剤量3.2%、GPCによる数平均分子量6,200、光線透過率88.0%なる無色透明の、アクリル樹脂の水溶液(X−2)を得た。
【0105】
実施例1〜4(熱硬化性缶用水性コーティング剤の製造例)
製造例1で得られたアクリル樹脂の水溶液(A−1)、製造例2で得られたアクリル樹脂の水溶液(A−2)および製造例3で得られた水性ポリエステル樹脂溶液と、ヘキサメトキシメチロール型メラミン樹脂「サイメル303」ならびにジメチルイミノ型ベンゾグアナミン樹脂「マイコート106」(ともに三井サイテック株式会社製)を硬化剤として使用し、第1表の割合で配合して固形分が40%なる熱硬化性缶用水性コーティング剤を製造した。
【0106】
【表1】
【0107】
比較例1〜2(熱硬化性缶用水性コーティング剤の製造例)
比較製造例1で得られたアクリル樹脂の分散液(X−1)および比較製造例2で得られたアクリル樹脂の水溶液(X−2)と、ヘキサメトキシメチロール型メラミン樹脂「サイメル303」(三井サイテック株式会社製)を硬化剤として使用し、第2表の割合で配合して熱硬化性缶用水性コーティング剤を製造した。
【0108】
【表2】
【0109】
得られた熱硬化性缶用水性コーティング剤をクリアコーティングとして、アルミ板上に塗布量70mg/100cm2となるように塗布し、温度200℃で3分間加熱し硬化させた。
【0110】
得られた硬化塗膜をプレッシャークッカー装置による加圧スチームでレトルト処理(温度130℃のスチーム中に30分間放置)した後の塗膜について、各種物性を評価した結果は第3表、第4表の通りである。なお、第3表、第4表における各種評価の方法は下記の通りである。
【0111】
・平滑性
塗板を目視で評価した。
◎ 問題なし。
○ 実用レベルであるが、やや問題あり。
△ リブが立っており、実用レベルではない。
× 著しく問題あり。
【0112】
・光沢
耐レトルト性試験後の塗板の光沢を、村上式鏡面反射計で60度鏡面反射率(60゜光沢;%)を測定することによって、評価判定した。
【0113】
・加工性(耐衝撃性)
塗板を大きさ40mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして、試験部位が40mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.23mmのティンフリースチールを2枚はさみ、1kgの荷重を高さ40cmから折り曲げ部に落下させた後に、折り曲げ先端部に6.5V×6秒通電し、加工性5cm巾の電流値(mA)を測定した。
【0114】
◎ 0〜3未満
○ 3〜20未満
△ 20〜50未満
× 50以上
【0115】
・密着性
JIS K−5400碁盤目テープ法に準拠し、テストピースに1mm×1mmのマス目を100個作成した後、粘着セロハンテープを貼着し、急激に剥した後の剥がれた碁盤目塗膜の数を数え、下記基準で評価した。
【0116】
◎ 0個
○ 1〜5個
△ 6〜39個
× 40個以上
【0117】
・傷付き性
塗面同士を接触させ、5kgの荷重をかけて塗面同士を擦り合わせた時の塗膜の傷付きの程度を下記基準で評価した。
【0118】
◎ 傷つかない。
○ 僅かに傷がつく。
△ 傷がつく。
× 塗膜が剥がれる。
【0119】
・処理水の汚染性
塗板を10cm×25cm(両面500cm2)の大きさに切断する。耐熱瓶に、この切断した塗板とイオン交換水を500gを入れて蓋を閉め、100℃×30分の殺菌処理後、試験を行った。過マンガン酸カリウム消費量をppmで示した。
【0120】
◎ 0〜2未満
○ 2〜5未満
△ 5〜10未満
× 10以上
【0121】
・流動性
上記熱硬化性缶用水性コーティング剤のチクソトロピーインデックス(以下「T.I.」と略記する)(B型粘度計による6rpmと60rpmの粘度の比)により流動性を評価した。また、B型粘度計で測定した塗料化粘度も記載した。
【0122】
◎ 0〜2未満
○ 2〜5未満
△ 5〜10未満
× 10以上
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】
【発明の効果】
本発明によれば、塗膜の平滑性、光沢及び耐レトルト性等に優れ、有機溶剤含有量の低減された熱硬化性缶用水性コーティング剤を提供することができる。
Claims (8)
- 前記アクリル樹脂(A)の数平均分子量が、1,000〜20,000である、請求項1に記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤。
- 前記アクリル樹脂(A)の水溶液中における、アクリル樹脂(A)の濃度が25〜70重量%であり、且つ、前記アクリル樹脂(A)の水溶液のJIS K7105に基づいて測定された光線透過率が、85%以上である請求項1又は2に記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤。
- 前記アクリル樹脂(A)を構成する構成単位の5〜60重量%が、一般式(I)で示されるカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体に由来する構成単位である、請求項1〜3いずれかに記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤。
- 一般式(I)のR2がC5H10であり、nが2である請求項1〜4いずれか記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤。
- 熱硬化性缶用水性コーティング剤中の固形分のうち20〜80重量%が、前記アクリル樹脂(A)である、請求項1〜5いずれかに記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤。
- 有機溶剤を、前記した熱硬化性缶用水性コーティング剤中の固形分全体に対して40重量%以下含有している請求項1〜6いずれかに記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤。
- 請求項1〜7いずれかに記載の熱硬化性缶用水性コーティング剤で塗装された金属缶。
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