JPH08127737A - 熱硬化型エマルション塗料 - Google Patents

熱硬化型エマルション塗料

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JPH08127737A
JPH08127737A JP26415894A JP26415894A JPH08127737A JP H08127737 A JPH08127737 A JP H08127737A JP 26415894 A JP26415894 A JP 26415894A JP 26415894 A JP26415894 A JP 26415894A JP H08127737 A JPH08127737 A JP H08127737A
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water
fine particles
resin
polymer fine
coating film
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JP26415894A
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English (en)
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Katsunobu Mizuguchi
勝信 水口
Toshio Yamamoto
登司男 山本
Shigeyuki Furukawa
重之 古川
Kenichi Fujii
健一 藤井
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装可能粘度における固形分含有率が高く、
ワキやタレを発生させずに厚膜塗装が可能であり、しか
も平滑性、光沢、硬度、耐候性、耐久性などに優れた塗
膜が得られる水性塗料を得る。 【構成】 水酸基価が5〜200mgKOH/g、酸価
が5〜100mgKOH/gであり、架橋構造を有しな
い外殻と、ガラス転移温度が−40〜+80℃であり、
架橋構造を有しない内殻との二層構造からなり、平均粒
径が0.01〜0.2μmの重合体微粒子(A)、水溶
性樹脂(B)、および水酸基と反応する架橋剤(C)を
含有し、前記(A):(B)の含有割合が樹脂固形分の
重量比で99:1〜40:60である熱硬化型エマルシ
ョン塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性塗料である熱硬化型
エマルション塗料に関し、さらに詳しくは二層構造を有
する重合体微粒子を主体とする熱硬化型エマルション塗
料に関する。
【0002】
【従来の技術】水性塗料は、主として水を溶媒または分
散媒とし、有機溶剤をほとんどまたは全く含有していな
いため、大気汚染防止、省資源、悪臭防止、災害防止な
どの点から好ましく、近年、需要がますます高まってい
る。従来の水性塗料として、水溶性のアクリル樹脂やア
ルキド樹脂にアミノ樹脂などの架橋剤を配合してなる熱
硬化型水性塗料が知られているが、この塗料は水を多量
に含有しているため、塗膜表面にワキやタレが発生しや
すく、かつ厚膜で平滑性に優れた塗膜を形成させること
は極めて困難である。
【0003】このような問題点を改善するため、特公平
4−74386号、特開平5−98190号には、水溶
性樹脂および架橋微粒子を配合した水性塗料が開示され
ている。しかし、これらの水性塗料は、架橋微粒子の配
合量を少なくすると塗膜の耐候性などの耐久性が低下
し、逆に架橋微粒子の配合量を多くすると塗膜光沢が低
下するため、耐久性および光沢の両方を兼備えた塗膜は
得られないという問題点がある。
【0004】また特公平5−30867号、特公平6−
4782号には、水性樹脂および二層構造を有する水不
溶性樹脂微粒子を配合した水性塗料が開示されている。
しかし、これらの水性塗料は、作業性、貯蔵安定性、耐
久性、光沢などに優れているとされているが、水性樹脂
を主成分とし、これに比較的少量の水不溶性樹脂微粒子
を配合するため、タレ、ワキが生じやすく、厚塗が困難
である。これを解決するために水性樹脂を少なくし、水
溶性樹脂微粒子を多くすると、樹脂微粒子として平均粒
子径が0.3〜6μmの比較的大きな粒子を用いている
ため、塗膜光沢が悪化するという問題点がある。また上
記公報の樹脂微粒子は内殻および外殻のガラス転移温度
が特定されているだけであり、他の物性に関する検討が
なされておらず、このため塗膜物性に優れた塗膜が得ら
れないという問題点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、塗装可能粘度における固形分含
有率が高く、ワキやタレを発生させずに厚膜塗装が可能
であり、しかも平滑性、光沢、硬度、柔軟性、耐候性お
よび耐久性に優れた塗膜が得られる熱硬化型エマルショ
ン塗料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の熱硬化型エ
マルション塗料である。 (1)(A)水酸基価が5〜200mgKOH/g、酸
価が5〜100mgKOH/gであり、架橋構造を有し
ない外殻と、ガラス転移温度が−40〜+80℃であ
り、架橋構造を有しない内殻との二層構造からなり、平
均粒径が0.01〜0.2μmの重合体微粒子、(B)
水溶性樹脂、および(C)水酸基と反応する架橋剤を含
有し、前記重合体微粒子(A):水溶性樹脂(B)の含
有割合が樹脂固形分の重量比で99:1〜40:60で
あることを特徴とする熱硬化型エマルション塗料。 (2)重合体微粒子(A)の内殻の水酸基価が5〜15
0mgKOH/gであることを特徴とする上記(1)記
載の熱硬化型エマルション塗料。 (3)架橋剤(C)が、メチロール化またはアルキルエ
ーテル化した水溶性のメラミン樹脂または尿素樹脂であ
ることを特徴とする上記(1)または(2)記載の熱硬
化型エマルション塗料。 (4)顔料(D)を含有することを特徴とする上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載の熱硬化型エマル
ション塗料。
【0007】本発明で使用する重合体微粒子(A)は、
塗膜形成のための主成分となるものであり、外殻と内殻
との二層構造を有し、平均粒径が0.01〜0.2μ
m、好ましくは0.02〜0.1μmの水不溶性の微粒
子である。この微粒子の平均粒径は塗膜に光沢を付与す
るために重要である。平均粒径が0.01μm未満の場
合は、重合体微粒子(A)を製造する際に乳化剤を多量
に使用する必要があるため、塗膜の耐水性および密着性
が低下する。一方0.2μmを超える場合は塗膜光沢が
低下する。
【0008】重合体微粒子(A)の外殻は水酸基価が5
〜200mgKOH/g、好ましくは20〜100mg
KOH/g、酸価が5〜100mgKOH/g、好まし
くは20〜80mgKOH/gであり、架橋構造は有し
ていない。外殻の水酸基は架橋点となるものであり、水
酸基価を上記範囲とすることにより、硬度、柔軟性、耐
候性、耐久性等の優れた塗膜物性を得ることができる。
水酸基価が5mgKOH/g未満の場合は、塗膜硬化の
際に充分な架橋が起こらず、このため塗膜物性が低下
し、一方200mgKOH/gを超える場合は架橋密度
が高すぎて塗膜がもろくなり、かつ耐水性が低下する。
【0009】外殻の酸基は重合体微粒子(A)に親水性
を付与して粘性挙動を制御するとともに、水酸基の架橋
反応の触媒としての機能を有するものである。酸価が5
mgKOH/g未満の場合は、塗料の粘性挙動が制御で
きないため、塗装作業性が低下し、一方100mgKO
H/gを超える場合は塗料の粘度上昇が大きくなるた
め、塗装可能粘度における固形分含有率が低くなる。ま
た外殻のガラス転移温度、数平均分子量等は制限されな
いが、一般的にはガラス転移温度は−60〜+100
℃、好ましくは−50〜+80℃、数平均分子量は20
00〜100000、好ましくは3000〜60000
であるのが適当である。
【0010】重合体微粒子(A)の内殻はガラス転移温
度が−40〜+80℃、好ましくは−20〜+60℃で
あり、架橋構造は有しない。内殻のガラス転移温度が限
定される理由は内殻に柔軟性を付与することにより、塗
膜全体に柔軟性を付与し、耐屈曲性、耐衝撃性等を改善
するためである。内殻のガラス転移温度が−40℃未満
の場合は柔軟すぎて得られる塗膜硬度が低下し、一方8
0℃を超える場合は塗膜がもろくなる。
【0011】内殻は水酸基価が5〜150mgKOH/
g、好ましくは10〜100mgKOH/gの範囲にあ
ることが望しい。内殻の水酸基価が5mgKOH/g未
満の場合は架橋の際の架橋点が少なくなるので、塗膜物
性がやや低下する傾向にある。一方150mgKOH/
gを超える場合は塗膜がややもろくなるとともに、耐水
性もやや低下する傾向にある。内殻に水酸基を存在させ
ることにより、内殻にも架橋点が存在することになり、
塗膜の耐久性等の物性はさらに改善される。内殻の酸
価、数平均分子量等は制限されないが、一般的には酸価
は0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜30mg
KOH/g、数平均分子量は2000〜100000、
好ましくは3000〜60000であるのが適当であ
る。
【0012】本発明で使用する重合体微粒子(A)は、
1分子内に1個のラジカル重合可能な不飽和基を有する
重合性モノマーを、乳化剤の存在下で乳化重合させるこ
とによって製造することができる。1分子内にラジカル
重合可能な不飽和基を2個以上有する重合性モノマーを
用いると、架橋構造が形成されるため好ましくない。
【0013】1分子内に1個のラジカル重合可能な不飽
和基を有する重合性モノマーの具体例としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類;メトキシエ
チル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)ア
クリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エ
トキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアル
キルエステル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、、N,N−ジエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド等の(メタ)アクリ
ルアミド類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒド
ロキシ(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;アクリ
ル酸、メタクリル酸等のα,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、t−ブチルシクロ
ヘキシルビニルエーテル、2−クロルエチルビニルエー
テル、、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチル
ビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペン
チルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n
−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニル
エーテル、シクロペンチルビニルエーテル、メチルシク
ロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等
のアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシエチルビニル
エーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロ
キシイソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒ
ドロキシオクチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエー
テル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル等のヒド
ロキシアルキルビニルエーテル類;その他に、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、アクリロニトリル、アリルエーテル類
などがあげられる。これらのモノマーは、所望の特性に
応じて適宜選択され、それぞれ単独で用いてもよく、あ
るいは2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0014】上記モノマーの乳化重合に用いる乳化剤と
しては、従来から乳化重合に用いられている乳化剤が使
用できるが、好ましいものとして、例えば以下のものが
あげられる。 1)アニオン性乳化剤 代表的なものとして、一般式(1)
【化1】 (式中、Rは炭化水素基または置換基を有する炭化水素
を表し、nは0または正の整数であり、Mはアルカリ金
属原子、アンモニウムを表す。)で示される化合物など
があげられる。このものはそれ自体公知のものであり、
例えばエレミノールESシリーズ(商品名、三洋化成工
業株式会社製)などとして市販されている。
【0015】2)アニオン性反応性乳化剤 代表的なものとして、一般式(2)
【化2】 (式中、R1は炭化水素基または置換基を有する炭化水
素を表し、R2は水素またはメチル基を表し、Mはアル
カリ金属原子、アンモニウムを表す。)で示される化合
物などがあげられる。このものはそれ自体公知のもので
あり、例えばエレミノールJS−2(商品名、三洋化成
工業株式会社製)などとして市販されている。
【0016】3)非イオン性乳化剤 代表的なものとして、一般式(3)
【化3】 (式中、Rは炭化水素基または置換基を有する炭化水素
を表し、nは4〜40の整数である。)で示される化合
物などがあげられる。このものはそれ自体公知のもので
あり、例えばノニオンNSシリーズ(商品名、日本油脂
株式会社製)などとして市販されている。
【0017】4)非イオン性反応性乳化剤 代表的なものとして、一般式(4)
【化4】 (式中、Rは炭化水素基または置換基を有する炭化水素
を表し、nは20〜50の整数である。)で示される化
合物などがあげられる。このものはそれ自体公知のもの
であり、例えばアクアロンRNシリーズ(商品名、第一
工業製薬株式会社製)などとして市販されている。
【0018】上記乳化重合においては、重合安定性の良
いものであれば例示したアニオン性、非イオン性乳化剤
に限定されず使用できる。またアリル基を含有する反応
性乳化剤であれば、アニオン性、非イオン性のいずれの
反応性乳化剤も代表例として例示したものに限定される
ことなく広く使用することができる。非イオン性(反応
性)乳化剤はアニオン性(反応性)乳化剤と任意の割合
で混合して使用でき、その混合比率は所望の特性に応じ
て適宜選択できる。乳化剤の使用量は、それぞれ単独で
使用する場合も、また混合して使用する場合も全量で、
重合体微粒子(A)を形成するモノマーの合計100重
量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜
10重量部の範囲とするのが適当である。
【0019】乳化重合は重合開始剤を用いて行うのが好
ましい。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−
ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の有
機過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニト
リル、アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリ
ド等の有機アゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等の無機水溶性
ラジカル開始剤;レドックス系開始剤などが適当であ
る。重合開始剤の使用量は、重合体微粒子(A)を形成
するモノマーの合計100重量部に対して、通常0.1
〜2重量部とするのが好ましい。
【0020】前記重合性モノマーの乳化重合は、従来か
らアクリル共重合体などの製造に採用されている公知の
乳化重合法によって行うことができ、これにより重合体
微粒子(A)を製造することができる。例えば、水中で
重合性モノマーを乳化剤および重合開始剤の存在下に、
通常40〜100℃、好ましくは60〜90℃の反応温
度で約1〜20時間反応を続けることにより重合して内
殻を形成させ、さらにその溶液中で重合性モノマーを乳
化剤および重合開始剤の存在下に通常40〜100℃、
好ましくは60〜90℃の反応温度で約1〜20時間反
応を続けることにより重合して外殻を形成させ、重合体
微粒子(A)を得る。
【0021】この場合、重合性モノマーの種類および使
用量などを選択することにより、内殻および外殻の水酸
基価、酸価、ガラス転移温度を前記範囲にすることがで
きる。また乳化剤の種類および使用量など調整すること
により、重合体微粒子(A)の平均粒径を前記範囲にす
ることができる。
【0022】このようにして乳化重合を行うことによ
り、重合体微粒子(A)の水分散液が得られる。この水
分散液中の樹脂固形分含有量は、水分散液の総重量に基
づいて通常10〜60重量%である。得られた重合体微
粒子(A)は水分散液をモノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエチルエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミン、モルホリン、メチルモルホリン、ピペラジ
ン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウムなどの塩基により中和した後、水分散液
の状態で使用するのが好ましい。
【0023】本発明で使用する水溶性樹脂(B)は、重
合体微粒子(A)とともに塗膜形成成分となるものであ
り、重合体微粒子(A)を分散させて塗装作業性に優れ
た塗料を形成するのに重要である。水溶性樹脂(B)と
しては、重合体微粒子(A)を分散することができる水
溶性の樹脂であれば、従来から水性塗料の分野で使用さ
れているものが使用できるが、水に迅速に溶解し、その
溶液は濁りがほとんどなく、透明またはそれに近いもの
が好ましい。具体的なものとしては、アルカリまたは塩
基性化合物で中和することにより水に溶解する樹脂、例
えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂ま
たはフッ素樹脂などが好ましく使用できる。
【0024】アクリル樹脂は、1分子内に1個以上のラ
ジカル重合可能な不飽和基を有する下記重合性モノマー
を、任意の公知重合方法にて重合させて得られる。重合
性モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アリルアルコール等のヒドロキシル基含
有単量体類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単
量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等
の含窒素アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)ア
クリル酸アミド等の重合性アミド類;(メタ)アクリル
ニトリル等の重合性ニトリル類;スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の重
合性芳香族類;エチレン、プロピレン等のオレフィン
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル化合物
類;ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物類などが
あげられる。
【0025】ポリエステル樹脂は、例えば多価カルボン
酸と多価アルコールの重縮合により合成することができ
る。多価カルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸等の二塩基酸類およびそれらの無
水物類;トリメリット酸、ピロメリット酸等の三価以上
の多価カルボン酸類およびそれらの無水物類などがあげ
られる。また多価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール等のジオール類;グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコール類
などがあげられる。またポリエステル樹脂は、多価カル
ボン酸の低級アルキルエステルと多価アルコールとのエ
ステル交換による重縮合によっても得ることができる。
さらにβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε
−カプロラクトンなどのラクトン類の開環重合によって
も得ることができる。
【0026】アルキド樹脂は、前記ポリエステル樹脂を
乾性油や脂肪酸等でエステル化変性したものである。油
脂としては、例えばアマニ油、キリ油、オイチシカ油、
脱水ヒマシ油、ヤシ油、水添ヤシ油、大豆油、米糠脂肪
酸、トール油脂肪酸、オクチル酸などがあげられる。ま
た、アルキド樹脂はロジン変性、フェノール樹脂変性、
エポキシ変性したものでもなんら差し支えない。
【0027】フッ素樹脂は、主鎖の炭素原子に直接フッ
素原子が結合しているもの、あるいは側鎖にフルオロア
ルキル基が結合しているものである。これらの具体的な
例としては、前者についてはテトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン等の主鎖にフッ素原子を有
するモノマーと、ビニルエーテル類、アリルアルコール
類等に代表されるその他のモノマーとから得られる共重
合体;後者については、フルオロアルキル(メタ)アク
リレート等の側鎖にフッ素原子を有するモノマーから得
られる単独重合体、ならびにその他の重合性二重結合を
有するモノマーとの共重合体などがあげられる。
【0028】これらの水溶性樹脂(B)は、水酸基価5
〜200mgKOH/g、好ましくは20〜150mg
KOH/g、酸価5〜100mgKOH/g、好ましく
は20〜80mgKOH/g、数平均分子量1000〜
100000、好ましくは3000〜30000のもの
が望ましい。上記のように水溶性樹脂(B)に水酸基を
存在させることにより水溶性樹脂(B)の架橋反応を可
能とし、塗膜性能をさらに改善することができる。酸価
は水溶性に必要範囲で選択される。
【0029】本発明で使用する架橋剤(C)は、重合体
微粒子(A)および水溶性樹脂(B)中の水酸基と反応
して架橋構造を形成し、塗膜を硬化させるものである。
具体的なものとしては、メラミン樹脂、尿素樹脂、これ
らの樹脂をメチロール化またはアルキルエーテル化した
ものなどがあげられる。これらの中では、メチロール化
またはアルキルエーテル化した水溶性のメラミン樹脂あ
るいはメチロール化またはアルキルエーテル化した水溶
性の尿素樹脂が好ましく、特にメチロール化またはアル
キルエーテル化した水溶性のメラミン樹脂が好ましい。
【0030】上記のようなメラミン樹脂は、メラミンに
弱アルカリ性でホルムアルデヒドを付加し、さらに酸性
でアルコールと反応させてエーテル化することにより得
られる。あるいは、メラミン、ホルムアルデヒドおよび
アルコールの3成分を混合し、最初に弱アルカリ性でメ
チロール化し、次いで酸性にしてアルコールと反応させ
てもよい。アルキルエーテル化メラミン樹脂は、アルキ
ル基の炭素数が1〜4であるものが好ましく、メラミン
1分子中のアミノ基の6個の水素中平均して2〜6個の
水素が置換されているものが好ましく、さらに6個中平
均して4〜6個の水素が置換されているものがより好ま
しい。また、アミノ基の一部がジメチレンエーテル結合
により架橋されているメラミン樹脂も好ましく使用する
ことができる。このようなメラミン樹脂は市販されてお
り、例えばサイメル303、サイメル325、サイメル
370、サイメル254(以上商品名、三井サイアナミ
ッド株式会社製)、スミマールM40W(商品名、住友
化学工業株式会社製)などをあげることができる。
【0031】本発明の熱硬化型エマルション塗料におけ
る重合体微粒子(A):水溶性樹脂(B)の含有割合
は、樹脂固形分の重量比で99:1〜40:60、好ま
しくは90:10〜50:50である。また架橋剤
(C)の含有割合は、重合体微粒子(A)および水溶性
樹脂(B)の樹脂固形分の合計100重量部に対して固
形分として10〜100重量部、好ましくは10〜50
重量部であるのが望ましい。重合体微粒子(A)の比率
が上記上限値を超える場合は塗膜が均一に造膜されず、
一方比率が上記下限値未満の場合は塗装作業性が低下す
る。
【0032】本発明の熱硬化型エマルション塗料は重合
体微粒子(A)、水溶性樹脂(B)および架橋剤(C)
を必須成分とし、これらの必須成分が水または水と有機
溶剤との混合液中に溶解または分散したものである。上
記有機溶剤の種類は特に制限されず、例えばメタノー
ル、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、t−ブタノール、メチルグリコー
ル、エチルグリコール、ブチルセロソルブなどが使用で
きる。なお、本発明の塗料は厚膜塗装が可能であるの
で、高沸点の有機溶剤でも使用することができる。有機
溶剤の使用量も特に制限されないが、有機溶剤の使用量
を少なくするための水性塗料という観点からすれば、水
100重量部に対して有機溶剤30重量部以下とするの
が好ましい。
【0033】本発明の熱硬化型エマルション塗料には前
記必須成分のほかに、必要に応じて着色顔料、体質顔
料、メタリック顔料等の顔料、表面調整剤、硬化促進用
触媒、ハジキ防止剤、タレ防止剤、消泡剤などの他の成
分を1種類または2種類以上配合することができる。塗
料中の塗装可能粘度における固形分含有率は、必要に応
じて配合する他の成分も含めて30〜70重量%とする
ことができ、特に40〜60重量%とするのが好まし
い。本発明の熱硬化型エマルション塗料は、前記重合体
微粒子(A)を主体としているため、70重量%の高固
形分含有率とすることができる。
【0034】本発明の熱硬化型エマルション塗料は、前
記必須成分および必要により配合する他の成分を混合す
ることにより製造することができる。
【0035】本発明の熱硬化型エマルション塗料を塗装
する被塗物素材は加熱硬化時の温度に耐えられるもので
あれば特に制限されず、鋼板、表面処理鋼板等の金属に
塗装でき、これらに直接またはこれらの素材に他の塗料
を塗装した塗膜面に塗装することができる。具体的に
は、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼
板、合金メッキ鋼板、アルミニウム鋼板、ステレンス鋼
板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等の金属板、ま
たはこれらの金属板にリン酸塩系やクロム酸塩系等の表
面処理を施した金属板などの上塗り塗料などとして好ま
しく使用することができるが、プラスチック類などの上
塗り塗料などとしても使用することができる。
【0036】本発明の熱硬化型エマルション塗料では、
重合体微粒子(A)の含有率が高く、また塗料が被塗物
に付着した時点から加熱硬化させる過程での粘度変化
を、重合体微粒子(A)および水溶性樹脂(B)のカル
ボン酸濃度または二層構造の組成により任意に調整する
ことが可能であるため、厚膜塗装が可能で、かつ各種塗
装条件に対する適応性が高く、また塗装作業性に優れ、
塗膜表面にワキやタレが発生しない。膜厚は硬化塗膜の
膜厚で10〜40μmとするのが好ましく、70μm程
度に厚膜に塗装しても、ワキ、タレが発生しない。塗膜
を硬化させるための焼付条件は、温度130〜200
℃、好ましくは140〜170℃、時間10〜40分
間、好ましくは20〜30分間とするのが適当である。
但し、高温短時間焼き付けのプレコート鋼板用塗料とし
て用いてもなんら差し支えない。
【0037】このようにして得られる硬化塗膜は、重合
体微粒子(A)が、通常の水性塗料に用いられる水溶性
樹脂と比較して極めて高分子量であり、しかも重合体微
粒子(A)中の水酸基が架橋剤(C)と反応して架橋構
造を形成し、重合体微粒子(A)が造膜性に優れている
ため、硬度、耐候性および耐久性などの塗膜性能に優れ
た塗膜が得られる。この場合、重合体微粒子(A)の内
殻は特定のガラス転移温度とされているため、塗膜に柔
軟性が付与され、耐屈曲性、耐衝撃性等の塗膜性能が付
与される。そして重合体微粒子(A)として非架橋で平
均粒径の小さいものを用いることにより、平滑な塗膜面
が形成され、高光沢の塗膜が得られる。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明の熱硬化型エマルシ
ョン塗料は、特定の物性を有する二層構造の重合体微粒
子(A)および水溶性樹脂(B)を特定量含有し、水酸
基と反応する架橋剤で架橋するようにしたので、塗装可
能粘度における固形分含有率が高く、ワキやタレを発生
させずに厚膜塗装が可能であり、しかも平滑性、光沢、
硬度、柔軟性、耐候性および耐久性等の塗膜物性に優れ
た塗膜が得られる。
【0039】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。各例
中、%および部はいずれも重量基準である。 製造例1(重合体微粒子の製造) 〔内殻の調製〕攪拌器、温度計、冷却管および温度制御
装置を備えたフラスコに、脱イオン水222部、硫酸化
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのアンモニ
ウム塩(エレミノールES−12、商品名、三洋化成工
業株式会社製、乳化剤)5部、および四ほう酸ナトリウ
ム0.2部を加え、攪拌しながら85℃まで昇温した。
これにメチルメタクリレート158部、ブチルアクリレ
ート103部、メタクリル酸4.5部、ヒドロキシエチ
ルアクリレート18部、前記と同様の乳化剤7部および
脱イオン水210部からなる乳濁液の5%と、過硫酸ア
ンモニウム0.9部を脱イオン水6部に溶解した水溶液
の5%とを加えた。さらに15分間攪拌した後、残りの
乳濁液および重合開始剤水溶液を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、脱イオン水10部を加え、さらに1時
間85℃に保ち、重合体微粒子の内殻の水性分散体を調
製した。
【0040】〔重合体微粒子の調製〕上記で得た内殻の
水性分散体にブチルアクリレート63部、メタクリル酸
6部、ヒドロキシエチルアクリレート17部、前記と同
様の乳化剤3部および脱イオン水94部からなる乳濁液
と、過硫酸アンモニウム0.4部を脱イオン水27部に
溶解した水溶液とをそれぞれ30分間かけて滴下した。
さらに1時間85℃に保ち、二層構造を有する重合体微
粒子の水性分散体を調製した。
【0041】〔重合体微粒子の中和〕上記で得た水性分
散体を95℃に昇温し、ジメチルエタノールアミン4部
および脱イオン水6部からなる混合物を20分間かけて
滴下し、次に脱イオン水23部を加え、さらに最終生成
物中でのバクテリアの生長を防止すべくホルムアルデヒ
ド水溶液(37%)9部および脱イオン水3部から調製
した抗菌剤溶液を加えた。その後、95℃に1時間保っ
た後、室温に冷却し、濾過を行い取り出した。得られた
生成物は固形分35%、平均粒径0.06μmを有する
重合体微粒子の安定な水性分散体(A−1)であった。
【0042】製造例2〜10(重合体微粒子の製造) 製造例1と同様にして、表1、表2の配合組成の重合体
微粒子A−2ないしA−6を調製した。また比較例とな
る重合体微粒子として、製造例1と同様にして、表3、
表4の配合組成の重合体微粒子a−1ないしa−4を調
製した。重合体微粒子a−1およびa−2は外殻の酸価
または水酸基価が本発明の範囲外のものであり、重合体
微粒子a−3は内殻に架橋構造を有するものでり、重合
体微粒子a−4は平均粒径が本発明の範囲外のものであ
る。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表1〜表4の脚注 *1 乳化剤の略号 ES−12:エレミノールES−12(三洋化業株式会
社製、商品名、97%品) NS−220:ノニオンNS−220(日本油脂株式会
社製、商品名、100%品) JS−2:エレミノールJS−2(三洋化成株式会社
製、商品名、38%品) *2 モノマーの略号 MMA:メチルメタクリレート BA :ブチルアクリレート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート MAA:メタクリル酸 AMA:アリルメタクリレート
【0048】製造例11(水溶性樹脂の製造) 攪拌器、温度計、冷却管および温度制御装置を備えたフ
ラスコに、ブチルセロソルブ39部を加え、85℃まで
昇温した。滴下ロートにブチルメタクリレート28部、
ブチルアクリレート19部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート7部およびアクリル酸6部を混合し、アゾビ
スイソブチロニトリル1部を溶解させ、滴下ロート内容
物を2時間で滴下した。その後、温度を85℃に保ち、
2時間攪拌を継続し、ジメチルエタノールアミン5部と
脱イオン水15部とからなる混合物を30分間要して加
え、さらに80℃にて1時間保持し、固形分50%、数
平均分子量が10000、水酸基価が50mgKOH/
g、酸価が78mgKOH/gの水溶性アクリル樹脂溶
液B−1を得た。
【0049】製造例12(水溶性樹脂の製造) 攪拌器、温度計、冷却管および温度制御装置を備えたフ
ラスコに、ブチルセロソルブ39部を加え、85℃まで
昇温した。滴下ロートにブチルメタクリレート38部、
ブチルアクリレート6部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート14部およびアクリル酸2部を混合し、アゾビ
スイソブチロニトリル1部を溶解させ、滴下ロート内容
物を2時間で滴下した。その後、温度を85℃に保ち、
2時間攪拌を継続し、ジメチルエタノールアミン2部と
脱イオン水18部とからなる混合物を30分間要して加
え、さらに80℃にて1時間保持し、固形分50%、数
平均分子量が10000、水酸基価が100mgKOH
/g、酸価が30mgKOH/gの水溶性アクリル樹脂
溶液B−2を得た。
【0050】実施例1〜6および比較例1〜6 〔熱硬化型エマルション塗料の製造〕製造例で得た重合
体微粒子および水溶性樹脂を用いて水性塗料(比較用も
含む)を得た。これら各成分および配合量は表5、表6
に示した。分散はモーターミル(商品名、アイガー社
製)で行い、塗料粘度が70KU/20℃になるように
脱イオン水を加えた。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】表5および表6の脚注 *1 サイメル303:三井サイアナミッド株式会社
製、商品名、メラミン樹脂 *2 JR−603:テイカ株式会社製、商品名、酸化
チタン *3 BYK−301:BYK−Chemie Gmb
H製、商品名、表面調整剤 *4 各成分の配合量はいずれも固形分としての配合量
(重量部)である *5 アプリケーションソリッド:塗装可能粘度におけ
る固形分含有率
【0054】〔性能試験〕リン酸亜鉛処理したダル鋼板
に上記で得た塗料(上水で、粘度20〜35秒/岩田カ
ップ/25℃に調製)をエアースプレーガン(商品名、
ワイダーW71、岩田塗装機工業株式会社製)を用い
て、乾燥塗膜厚が25μmになるように塗装し(塗料温
度25℃、塗装環境温度25℃)、室温で10分間静置
した後、150℃で20分間焼き付けて硬化させた。こ
のようにして塗装した塗板を用いて各種性能試験を行っ
た。その結果を表7、表8に示す。
【0055】試験方法は次の通りである。 1)塗膜光沢:60度鏡面光沢度、JIS K 540
0 6.7に準ずる。 2)鉛筆引っかき試験:JIS K 5400 6.1
4に準ずる。 3)耐屈曲性:JIS K 5400 6.16に準ず
る。 4)耐描画性:描画試験器による試験。 5)耐衝撃性:JIS K 5400 6.13.3に
準ずる。 6)耐沸騰水性:JIS K 5400 7.3に準ず
る(1時間浸漬)。 7)耐湿性:100%R.H.(40℃)240時間。 8)耐酸性:JIS K 5400 7.5に準ずる
(5%硫酸、20℃、24時間)。 9)耐アルカリ性:JIS K 5400 7.4に準
ずる(5%炭酸ソーダ、20℃、24時間)。 10)タレ発生限界膜厚:被塗物(上記ダル鋼板)をほぼ
垂直に立て、膜厚が徐々に増加するよう傾斜塗りを行
い、10分間室温で静置後、電気式熱風乾燥器にて15
0℃で20分間焼き付けた塗板を観察して行った。タレ
始める膜厚をタレ発生限界膜厚とした。 11)ワキ発生限界膜厚:被塗物(同上)を水平にして、
膜厚が徐々に増加するよう傾斜塗りを行い、10分間室
温で静置後、電気式熱風乾燥器にて150℃で20分間
焼き付けた塗板を観察して行った。ワキ始める場所の膜
厚をワキ発生限界膜厚とした。 12)促進耐候性:JIS K 5400 6.17に準
じる(1000時間)。
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】表7および表8の脚注 促進耐候性試験については、塗膜光沢保持性が60%以
上では○印、60%未満では×印を表す。その他の試験
については、○印は塗膜に異常なし、×印は塗膜に異常
ありを表す。
【0059】表7および表8の結果から、実施例1〜6
では、厚膜でもタレやワキを発生させることなく、光沢
と耐候性に優れる塗膜が得られることがわかる。これに
対して、比較例1では重合体微粒子の酸価が低いため、
膜厚40μmでワキが発生した。比較例2では重合体微
粒子の水酸基価が低いため、塗膜物性が低下した。比較
例3では重合体微粒子の内殻を架橋したゲル粒子を配合
してあるため、塗膜光沢が低下した。比較例4では重合
体微粒子の平均粒径が大きいため、塗膜光沢が低下し
た。比較例5では水溶性樹脂の配合比率が高いために、
塗装作業性ならびに促進耐候性が低下した。比較例6で
は架橋剤が配合されていないため、塗膜の硬化が起きず
に塗膜物性が低下した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基価が5〜200mgKOH
    /g、酸価が5〜100mgKOH/gであり、架橋構
    造を有しない外殻と、ガラス転移温度が−40〜+80
    ℃であり、架橋構造を有しない内殻との二層構造からな
    り、平均粒径が0.01〜0.2μmの重合体微粒子、 (B)水溶性樹脂、および (C)水酸基と反応する架橋剤を含有し、前記重合体微
    粒子(A):水溶性樹脂(B)の含有割合が樹脂固形分
    の重量比で99:1〜40:60であることを特徴とす
    る熱硬化型エマルション塗料。
  2. 【請求項2】 重合体微粒子(A)の内殻の水酸基価が
    5〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求
    項1記載の熱硬化型エマルション塗料。
  3. 【請求項3】 架橋剤(C)が、メチロール化またはア
    ルキルエーテル化した水溶性のメラミン樹脂または尿素
    樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の熱
    硬化型エマルション塗料。
  4. 【請求項4】 顔料(D)を含有することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の熱硬化型エマルシ
    ョン塗料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10120709A (ja) * 1996-10-15 1998-05-12 Daicel Chem Ind Ltd エマルジョン粒子のカルボキシル基濃度の制御方法
JP2002035681A (ja) * 2000-07-27 2002-02-05 Nippon Paint Co Ltd 塗膜形成方法及び被塗物
JP2009091514A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物

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