JP2004335770A - 電磁波吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波発生部位の凹凸部分に装着しても、応力がかかって割れたり剥離したりすることがなく、また、電磁波発生部位との間の隙間を減らすことにより、電磁波吸収特性を低下させることのない、封止性に優れた電磁波吸収体を提供する。
【解決手段】電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体。
【選択図】 なし
【解決手段】電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体に関する。また、本発明はこの電磁波吸収体により封止された、電磁波発生電子機器用デバイスにも関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジオ、テレビ、無線通信による電波に加え、最近の情報技術の進展により急増した携帯電話、パソコンなどの電子機器からも間断なく電磁波は放射され、生体や他の電子機器に対し機能障害や誤動作を引き起こす。また、情報を発生、処理する電子回路も高密度化が進み、特に高周波化により回路や信号の伝送路からの電磁波の輻射も起こりやすくなり、外部への輻射や回路内での放射ノイズ、信号間の干渉などが問題となってきている。これらの問題を解決するため、電磁波発生部位の近傍に設置され、効率よく電磁波を吸収できる、電磁波吸収体が開発されてきている。
【0003】
このような電磁波対策用の電磁波吸収体の構造として、電磁波吸収層のみを有する構造の他、さらに導電層などを設けた構造のものもある。
導電層を有する電磁波吸収体として、特許文献1には、導電性支持体として軟磁性金属板、網目状軟磁性金属板または軟磁性金属繊維の織物を用いた電磁波吸収体が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−212079号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された、導電性支持体としての軟磁性金属板または網目状軟磁性金属板では、その支持性のため吸収体全体を硬くしてしまうことから、上記のように、対象機器に接着した場合、どうしても隙間が生じ、電磁波吸収特性が低下してしまうおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、電磁波発生部位の凹凸部分に装着しても、応力がかかって割れたり剥離したりすることがなく、また、電磁波発生部位との間の隙間を減らすことにより、電磁波吸収特性を低下させることのない、封止性に優れた電磁波吸収体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電磁波吸収体に柔軟性を持たせることにより、電磁波発生部位の凹凸部分に装着する際に、応力によって割れや剥離を生じることがなく、また、電磁波発生部位と電磁波吸収体との間の隙間を少なくし、望ましくは隙間をなくすように装着できること、すなわち封止できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体に関する。また、本発明は、この電磁波吸収体により封止された、電磁波発生電子機器用デバイスにも関する。
【0009】
本発明において封止とは、電磁波発生部位に電磁波吸収体を装着する際に、電磁波発生部位と電磁波吸収体との間の隙間を少なくし、望ましくは隙間をなくすように密着状に装着することを意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体は、積層体として柔軟性を有することにより、電磁波発生部位を封止できるものであれば、特に制限されることない。
本発明において、電磁波吸収体などの柔軟性は、電子機器用デバイスなどの電磁波発生部位の表面のいかなる微細構造にも対応して封止可能なように、適度な伸び、可塑性および引張強さなどの性質をも包含していることが望ましい。
【0011】
電磁波吸収体が積層体として柔軟性を有するためには、導電層と電磁波吸収層は、共に柔軟性を有していることが望ましい。
【0012】
本発明に使用できる導電層は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような導電層でもよく、例えば、柔軟性を有する被膜状導電層、網目状導電層および導電性不織布などが挙げられる。
このような導電層の厚さは特に制限されない。しかし、柔軟性を保つ点から、導電層の形状・材質により異なるが、例えば、500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
【0013】
本発明に使用される柔軟性を有する被膜状導電層は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような被膜状導電層でもよい。このような被膜状導電層の厚さは特に制限されないが、柔軟性を保つ点から、例えば、300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
【0014】
上記の被膜状導電層は、例えば、導電性表面処理により形成することができる。このような導電性表面処理には、例えば蒸着、めっき、ならびに導電性塗料および/または金属塗料の塗布などが挙げられる。
【0015】
蒸着により形成される導電層の厚さは、柔軟性を保つ点から、例えば、1μm以下、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.1μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
【0016】
めっきにより形成される導電層の厚さは、柔軟性を保つ点から、例えば、20μm以下、好ましくは10μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上である。
【0017】
導電性塗料および/または金属塗料を塗布することにより形成される導電層の厚さは、柔軟性を保つ点から、例えば、300μm以下、好ましくは200μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上である。
【0018】
本発明に使用される柔軟性を有する網目状導電層は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような網目状導電層でもよい。このような網目状導電層の厚さは特に制限されないが、柔軟性を保つ点から、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば5μm以上、好ましくは10μm以上である。
【0019】
上記の網目導電層の網目を構成する素線の線径は、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
上記の網目導電層のメッシュは、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば200メッシュ以下、好ましくは150メッシュ以下、より好ましくは120メッシュ以下であり、一方、導電性能の点から、例えば5メッシュ以上、好ましくは10メッシュ以上、より好ましくは50メッシュ以上である。
【0020】
上記の網目状導電層として、例えば、非導電性の繊維を織成、編成もしくは交叉してなるものを、導電性表面処理して得た導電層;または導電性繊維を織成、編成もしくは交叉してなる導電層などが挙げられる。
【0021】
さらに、上記の網目状導電層は、非導電性の箔もしくは板をパンチングしてなるものを、導電性表面処理して得た導電層;または導電性の箔もしくは板をパンチングしてなる導電層なども含む。
【0022】
上記の非導電性の繊維として、例えば、非導電材料を線状または繊維状にしたものなどが挙げられる。例えば、天然、再生、半合成および合成の有機繊維が挙げられる。より具体的には、例えば、綿、麻およびレーヨンなどのセルロース繊維;アセテートおよびトリアセテートなどの半合成繊維;ナイロンおよびポリエステルなどの合成繊維が挙げられる。本発明では、非導電性の繊維を1種類のみ単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0023】
上記の導電性繊維として、例えば、上記の非導電性の繊維を導電性表面処理したもの;または導電材料を線状もしくは繊維状にしたものなどが挙げられる。本発明では、導電性繊維を1種類のみ単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0024】
上記の非導電性の箔または板として、例えば、非導電材料を箔または板状に成形したものなどが挙げられる。
また、上記の導電性の箔または板として、例えば、上記の非導電性の箔もしくは板を導電性表面処理したもの;または導電材料を箔もしくは板状に成形したものなどが挙げられる。
【0025】
本発明において、前記の網目状導電層を単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0026】
本発明に使用される柔軟性を有する導電性不織布は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような導電性不織布でもよい。このような導電性不織布の厚さは特に制限されないが、柔軟性を保つ点から、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば5μm以上、好ましくは10μm以上である。
【0027】
上記の導電性不織布に含まれる導電性繊維の線径は、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
上記の導電性不織布に含まれる導電性繊維の繊維長は、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは500μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上である。
【0028】
上記の導電性不織布は、乾式法、湿式法、スパンボンド法などの慣用の方法に従い、導電性繊維を結合剤で固めて得ることができる。あるいは、この導電性不織布は、非導電性の繊維をバインダーで固めてなるものを、導電性表面処理して得ることもできる。
【0029】
上記の導電性繊維および非導電性の繊維として、例えば前記の網目状導電層に使用されるものを使用することができる。
【0030】
上記のバインダーとして、例えば天然繊維および合成繊維などの繊維が挙げられる。また、これ以外にも、バインダーとして、導電性繊維同士の接合を助長するものであれば、樹脂材料が溶剤に溶けた状態となった液状物であってもよいし、将来熱融着されるチップなどの固体物であってもよい。例えば、天然繊維として、木材パルプ、靱皮繊維パルプおよび葉脈繊維パルプなどが挙げられる。合成繊維として、例えば、再生セルロース繊維および熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリエチレン合成パルプ、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体およびポリフェニレンサルファイドなどの繊維、ならびに熱硬化性樹脂繊維(フェノール繊維等)などが挙げられる。これらバインダーを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0031】
本発明に使用できる非導電材料は、特に制限されず、例えば、天然および合成の樹脂、天然および合成の有機ゴム、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ガラス、ならびにガラス繊維などを使用することができる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0032】
上記の天然および合成の樹脂として、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリスチレン;酢酸ビニル系樹脂;軟質ポリ塩化ビニル樹脂;ポリ塩化ビニリデン;(メタ)アクリル系樹脂;塩素化ポリエチレン;ポリフェニレンサルファイド;炭化水素樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;セルロース系樹脂;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;アルキド樹脂およびシリコーン系樹脂などの合成樹脂;ならびにロジン、セラックおよびエステルゴムなどの天然樹脂が挙げられる。また、上記の天然および合成の有機ゴムとして、例えば、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩化ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムおよびウレタンゴムなどが挙げられる。上記の熱可塑性エラストマーとして、スチレン・ブタジエン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリ塩化ビニル系およびアイオノマー系などが挙げられる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0033】
上記の非導電材料において、柔軟性に優れている点から、塩素化ポリエチレンなどの軟質のプラスチック;クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびウレタンゴムなどの天然および合成の有機ゴム;スチレン・ブタジエン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリ塩化ビニル系およびアイオノマー系エラストラマーなどの熱可塑性エラストマー;ならびにシリコーンゴムなどが好ましい。
【0034】
本発明に使用できる導電材料は、特に制限されず、例えば、金属、導電性カーボン、導電性無機物、導電性高分子(導電性ポリマー)および導電性複合材料などを使用することができる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0035】
上記の金属として、アルミニウム、スズ、ニッケル、金、銀および銅などの金属、ならびにこれらの合金、黄銅、モネルメタル、ステンレス鋼およびニクロムなどの合金などが挙げられる。
【0036】
上記の導電性無機物として、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)およびスズドープ酸化インジウム(ITO)などが挙げられる。
【0037】
上記の導電性高分子(導電性ポリマー)として、ポリアセチレンおよびポリフェニルアセチレンなどのポリアセチレン系;ポリフェニレンおよびポリフェニレンビニレンなどのポリフェニレン系;ポリピロールおよびポリチオフェンなどの複素環高分子;ならびにポリアニリンおよびポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)などのイオン性高分子などに、アルカリ金属、金属塩、有機分子、高分子などをドーピングしたものが挙げられる。また、導電性高分子(導電性ポリマー)としては、ポリアセン、ポリアセナセンおよびCu−フタロシアニンなどの、ラダー状およびネットワーク状高分子なども挙げられる。
【0038】
上記の導電性複合材料として、前記の非導電材料に、導電性フィラーを含有させ、および/または導電性表面処理を施したものが挙げられる。また、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0039】
上記の導電性フィラーとして、例えば、金属、導電性無機物および導電性カーボンなどの、粒子、フレークおよび繊維などが挙げられる。上記の金属として、例えばアルミニウム、スズ、ニッケル、金、銀および銅、ならびにこれらの合金、黄銅、モネルメタル、ステンレス鋼およびニクロムなどの合金などがあり、また上記の導電性無機物として、例えば炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)およびスズドープ酸化インジウム(ITO)などがある。また、シリカなどの絶縁性フィラーの表面を、上記の金属、導電性無機物および導電性カーボンなどの導電性物質で被覆したものを導電性フィラーとして用いることができる。これら導電性フィラーを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0040】
本発明で使用される導電性表面処理として、例えば、金属、導電性無機物質または/および導電性カーボンなどの蒸着およびめっき、さらには導電塗料または/および金属塗料の塗布などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら導電性表面処理を単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0041】
上記の蒸着として、例えばスパッタリング、イオンプレーティングおよび金属溶射などの真空蒸着ならびに化学蒸着などが挙げられ、上記のめっきとして、例えば無電解めっきおよび電気めっきなどが挙げられる。
【0042】
上記の蒸着またはめっきに使用される、上記金属として、例えば、アルミニウム、スズ、ニッケル、金、銀および銅、ならびにこれらの合金、黄銅、モネルメタル、ステンレス鋼およびニクロムなどの合金などが挙げられ、上記導電性無機物として、例えば炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)およびスズドープ酸化インジウム(ITO)などが挙げられるが、これらを単独で使用して、または2種類以上を併用して、導電性表面処理を行うができる。
【0043】
上記の導電性塗料または金属塗料として、例えば、前記の導電性フィラーまたはアルミニウムなどの金属と結合材とを、場合により、トルエン、キシレン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどの溶媒;ならびに/あるいはアニオン系およびノニオン系界面活性剤などの分散剤;ならびに/あるいは硬化剤を更に添加して混ぜ合わせた塗料などがある。
【0044】
また、上記の結合材は、特に制限されないが、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ブタジエン・スチレンゴム、ブタジエン・ニトリルゴムおよび天然ゴムなどがある。これら結合材を単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0045】
本発明の柔軟性を有する電磁波吸収層は、電磁波対策に従来から使用されているもので、柔軟性を有する材質や形状のものであれば特に制限されない。好ましくは、近傍界用に使用されてきたもの、例えば電子機器などの筐体内の内部に配置されている各種デバイスなどの電磁波発生部位に直接装着させ、該電磁波発生部位から電磁波が発生することを抑制するために使用されてきたものが挙げられる。
【0046】
このような電磁波吸収層は、例えば、柔軟性を有する絶縁基材に、磁性粉末〔センダスト(Fe−Si−Al合金)、パーマロイなどの軟磁性金属粉、フェライトなど〕および/または導電性カーボン(黒鉛、カーボンブラックなど)などを添加して作製することができる。このような絶縁基材は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、特に制限されない。例えば、塩素化ポリエチレンなどの軟質のプラスチック;クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびウレタンゴムなどの天然および合成の有機ゴム;熱可塑性エラストマー;ならびにシリコーンゴムなどの柔軟性を有する材料が挙げられる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
さらに、柔軟性の点から、結合剤として、例えば、(メタ)アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂などの樹脂、ならびにブタジエン・スチレンゴム、ブタジエン・ニトリルゴムおよび天然ゴムなどのゴムを添加するのが好ましい。
【0047】
また、本発明の電磁波吸収体において、電磁波吸収層の厚さは、特に制限されないが、柔軟性の点および機器の小型化に応じて電磁波吸収体全体の厚さを抑える必要から、1.5mm以下、特に1mm以下、とりわけ0.5mm以下が好ましく、また電磁波吸収性能の点から、0.05mm以上、特に0.1mm以上、とりわけ0.2mm以上が好ましい。
【0048】
本発明の電磁波吸収体は、慣用の方法により、前記の電磁波吸収層に、前記の導電層を積層することにより作製することができる。本発明の電磁波吸収体は、本発明の効果を発揮することができる柔軟性を有する限り、導電層および電磁波吸収層をそれぞれ1層以上積層することができる。また、本発明の電磁波吸収体は、本発明の効果を発揮することができる柔軟性を有する限り、導電層や電磁波吸収層以外にも接着層や保護層などの層を1層以上積層することもできる。これら接着層や保護層などは柔軟性を有していることが好ましい。
さらに、これらの層の積層順序は特に限定されない。すなわち、導電層と電磁波吸収層の間に、接着層などの層を1層以上介在させることもできるし、また接着層などが場合により介在する導電層と電磁波吸収層の積層体の、片面または両面に、さらに保護層または接着層などの層を1層以上積層することもできる。
導電層の一方の面に、場合により接着層などを介在させて、電磁波吸収層を積層し、さらに、該一方の面の反対側の面に、場合により接着層などを介在させて、電磁波吸収層を積層し、さらに、場合により、この得られた積層体の片面または両面に保護層などを積層して、本発明の電磁波吸収体とすることもできる。
【0049】
本発明に係わる電磁波吸収体は、特に近傍界用電磁波吸収体に使用することができる。本発明において、近傍界用電磁波吸収体とは、筐体内の電波環境を良好にして、その内部に配置された各種デバイスの性能向上や性能維持を目的とするもので、電磁波発生部位に直接装着させ、該電磁波発生部位から電磁波が発生することを抑制するために使用されるものをいう。
すなわち、本発明の実施形態には、本発明の電磁波吸収体により封止された電磁波発生電子機器用デバイスも含まれる。本発明の電磁波発生電子機器用デバイスは、本発明の電磁波吸収体を、慣用の方法で、電磁波発生部位に装着することで得ることができる。このとき、通常、電磁波吸収体を、該電磁波吸収体の導電層側が外側に、該電磁波吸収体の電磁波吸収層側が内側になるように、電磁波発生電子機器用デバイスに装着させる。また、場合により、柔軟性のある接着層などの層を介在させて、本発明の電磁波吸収体を、電磁波発生電子機器用デバイスに装着させてもよい。本発明において使用できる電磁波発生電子機器用デバイスとして、例えば電子機器の筐体、回路基板、プリント配線板、電子素子、LSI、ICチップ、および信号線路、例えばケーブルなどが挙げられる。
【0050】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0051】
電磁波吸収層の作製
塩素化ポリエチレン(CPE)樹脂(MR104、ダイソー製)100重量部、磁性粉(センダストパウダー、フレーク状)250重量部、および水酸化アルミニウム(ATH H42M、昭和電工製)100重量部を配合して、ニーダーで混練りした後、カレンダー加工により、厚さ0.3mmのシート状に成形したものを電磁波吸収層とした。
【0052】
実施例1
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、イオンスパッタリング装置(JFC−1500、JEOL製)により、金を600秒照射して、電磁波吸収層に、厚さ0.05μmの導電層を積層させ、電磁波吸収体を得た。
【0053】
実施例2
上記で作製された電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、市販のアルミニウムの金属塗料(metaflux、リキッドアルミニウム、(株)テスコ製)を、厚さ100μmになるように塗布した。次に、得られた積層体を乾燥させて、電磁波吸収体を得た。
【0054】
実施例3
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、4×5cmの市販の80メッシュ(80本/inch)、厚さ91μmの導電メッシュ(MT3−100、日清紡テンペスト(株)製)を160℃の熱圧縮により貼り合わせ、電磁波吸収体を得た。
【0055】
実施例4
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、4×5cmの市販の厚さ65μmの導電性不織布(銀メッキしたポリエステル繊維製、商品名シルファイバー、三菱マテリアル製)を160℃の熱圧縮により貼り合わせ、電磁波吸収体を得た。
【0056】
比較例1
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、4×5cmの市販の厚さ80μmの両面テープ付銅箔を貼り合わせ、電磁波吸収体を得た。
【0057】
マイクロストリップライン法による電磁波吸収特性の評価
上記で作製された電磁波吸収体の電磁波吸収特性を、森下健およびその他による「マイクロストリップラインの伝送特性に及ぼす磁気損失材料の装着」、電気学会計測研究会資料、社団法人、電気学会、2001年、IM−01−24、p.39−42に記載された方法に従い評価した。
すなわち、図1および図2に示すように誘電体基板4(FR4:εγ=4.7−j0.1)上に、幅2.8mm、長さ75.0mmストリップ導体を有するマイクロストリップライン2(MSL)に、SMAコネクタ7を介して、同軸ケーブル6により高周波電力を供給し、ネットワークアナライザ1(8720D、HEWLETT PACKARD社製)を用いて、S21を測定した。MSLの基板上の2箇所に、PETフィルム3(5×5×1mm)を配置し、そのPETフィルム上に、上記で得られた電磁波吸収体5(40×50×0.4mm)を配置して測定した。
電磁波吸収特性を図3に示す。
【0058】
本発明に係わる実施例1〜4の電磁波吸収体は、良好な電磁波吸収特性を示した。特に、図3に示したように、実施例1の電磁波吸収体は比較例1の電磁波吸収体より優れた電磁波吸収特性を示した。
【0059】
【発明の効果】
本発明の効果を以下に示す。
本発明の電磁波吸収体は柔軟性を有するため、電子機器の部品などの電磁波発生部位の表面に装着する際に、その表面が凹凸形状であっても、その凹凸に沿って、該電磁波吸収体と該電磁波発生部位との間の隙間を少なく、望ましくは隙間をなくすように装着できるので、電磁波吸収特性が増加する。すなわち、本発明の電磁波吸収体は、電磁波発生部位を封止して、良好な電磁波吸収特性を発揮することができる。
【0060】
本発明において、電磁波吸収層にめっきやスパッタリングなどの蒸着により導電層を積層する場合、該導電層の厚さを薄くして柔軟にすることが容易であり、特にスパッタリングなどの蒸着は、薄い導電層を容易に積層させることができる。そのため、電磁波発生部位を、本発明の電磁波吸収体により封止する際に、該導電層は電磁波発生部位の凹凸部分に追随することができ、さらに従来品のように電磁波吸収層から剥がれるおそれもない。さらに、両面テープなどを使用する必要もないので、作業性も高い。
【0061】
また、導電塗料や金属塗料などを導電層に用いた場合、電磁波吸収層の表面に容易に塗布でき、また乾燥すれば該電磁波吸収層に接着するため、作業性が高い。さらに、導電塗料は接着成分として樹脂などを含むため、電磁波発生部位に貼りあわせる際に、従来品のように、導電層が割れることや、硬くなることもない。
【0062】
さらに、電磁波吸収層に網目状導電層または導電性不織布を積層する場合、該電磁波吸収層の表面を熱で溶かして、その表面に該網目状導電層または該導電性不織布を圧着することにより、該電磁波吸収層が、該網目状導電層または該導電性不織布の網目や隙間などに入り込むため、両者を一体に積層することができ、作業性が高い。また、電磁波発生部位を、本発明の電磁波吸収体により封止する際に、網目状導電層または該導電性不織布自身が、柔軟性を有するため、電磁波発生部位の凹凸部分に追随することができ、さらに従来品のように導電層が電磁波吸収層から剥がれるおそれもない。
【0063】
本発明に係わる電磁波吸収体は、特に近傍界用電磁波吸収体に使用することができる。本発明の電磁波吸収体は、電子機器の筐体内、回路基板、プリント配線板、電子素子、LSI、ICチップ、および信号線路、例えばケーブルなどの、電磁波発生電磁機器用デバイスを封止して、これらの電磁波発生部位からの、不要なノイズを吸収、抑制する目的に有用である。特に、本発明に係わる電磁波吸収体は、柔軟性に富んでいるので、表面が粗く、凹凸を有する電磁波発生部位、例えば電子素子を埋め込んだ回路基板などの封止に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロストリップライン法による測定系の概要を示した図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】電磁波吸収特性を示した図である。
【符号の説明】
1 ネットワークアナライザ
2 マイクロストリップライン
3 PETフィルム
4 誘電体基板
5 電磁波吸収体
6 同軸ケーブル
7 SMAコネクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体に関する。また、本発明はこの電磁波吸収体により封止された、電磁波発生電子機器用デバイスにも関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジオ、テレビ、無線通信による電波に加え、最近の情報技術の進展により急増した携帯電話、パソコンなどの電子機器からも間断なく電磁波は放射され、生体や他の電子機器に対し機能障害や誤動作を引き起こす。また、情報を発生、処理する電子回路も高密度化が進み、特に高周波化により回路や信号の伝送路からの電磁波の輻射も起こりやすくなり、外部への輻射や回路内での放射ノイズ、信号間の干渉などが問題となってきている。これらの問題を解決するため、電磁波発生部位の近傍に設置され、効率よく電磁波を吸収できる、電磁波吸収体が開発されてきている。
【0003】
このような電磁波対策用の電磁波吸収体の構造として、電磁波吸収層のみを有する構造の他、さらに導電層などを設けた構造のものもある。
導電層を有する電磁波吸収体として、特許文献1には、導電性支持体として軟磁性金属板、網目状軟磁性金属板または軟磁性金属繊維の織物を用いた電磁波吸収体が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−212079号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された、導電性支持体としての軟磁性金属板または網目状軟磁性金属板では、その支持性のため吸収体全体を硬くしてしまうことから、上記のように、対象機器に接着した場合、どうしても隙間が生じ、電磁波吸収特性が低下してしまうおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、電磁波発生部位の凹凸部分に装着しても、応力がかかって割れたり剥離したりすることがなく、また、電磁波発生部位との間の隙間を減らすことにより、電磁波吸収特性を低下させることのない、封止性に優れた電磁波吸収体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電磁波吸収体に柔軟性を持たせることにより、電磁波発生部位の凹凸部分に装着する際に、応力によって割れや剥離を生じることがなく、また、電磁波発生部位と電磁波吸収体との間の隙間を少なくし、望ましくは隙間をなくすように装着できること、すなわち封止できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体に関する。また、本発明は、この電磁波吸収体により封止された、電磁波発生電子機器用デバイスにも関する。
【0009】
本発明において封止とは、電磁波発生部位に電磁波吸収体を装着する際に、電磁波発生部位と電磁波吸収体との間の隙間を少なくし、望ましくは隙間をなくすように密着状に装着することを意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体は、積層体として柔軟性を有することにより、電磁波発生部位を封止できるものであれば、特に制限されることない。
本発明において、電磁波吸収体などの柔軟性は、電子機器用デバイスなどの電磁波発生部位の表面のいかなる微細構造にも対応して封止可能なように、適度な伸び、可塑性および引張強さなどの性質をも包含していることが望ましい。
【0011】
電磁波吸収体が積層体として柔軟性を有するためには、導電層と電磁波吸収層は、共に柔軟性を有していることが望ましい。
【0012】
本発明に使用できる導電層は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような導電層でもよく、例えば、柔軟性を有する被膜状導電層、網目状導電層および導電性不織布などが挙げられる。
このような導電層の厚さは特に制限されない。しかし、柔軟性を保つ点から、導電層の形状・材質により異なるが、例えば、500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
【0013】
本発明に使用される柔軟性を有する被膜状導電層は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような被膜状導電層でもよい。このような被膜状導電層の厚さは特に制限されないが、柔軟性を保つ点から、例えば、300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
【0014】
上記の被膜状導電層は、例えば、導電性表面処理により形成することができる。このような導電性表面処理には、例えば蒸着、めっき、ならびに導電性塗料および/または金属塗料の塗布などが挙げられる。
【0015】
蒸着により形成される導電層の厚さは、柔軟性を保つ点から、例えば、1μm以下、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.1μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
【0016】
めっきにより形成される導電層の厚さは、柔軟性を保つ点から、例えば、20μm以下、好ましくは10μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上である。
【0017】
導電性塗料および/または金属塗料を塗布することにより形成される導電層の厚さは、柔軟性を保つ点から、例えば、300μm以下、好ましくは200μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上である。
【0018】
本発明に使用される柔軟性を有する網目状導電層は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような網目状導電層でもよい。このような網目状導電層の厚さは特に制限されないが、柔軟性を保つ点から、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば5μm以上、好ましくは10μm以上である。
【0019】
上記の網目導電層の網目を構成する素線の線径は、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
上記の網目導電層のメッシュは、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば200メッシュ以下、好ましくは150メッシュ以下、より好ましくは120メッシュ以下であり、一方、導電性能の点から、例えば5メッシュ以上、好ましくは10メッシュ以上、より好ましくは50メッシュ以上である。
【0020】
上記の網目状導電層として、例えば、非導電性の繊維を織成、編成もしくは交叉してなるものを、導電性表面処理して得た導電層;または導電性繊維を織成、編成もしくは交叉してなる導電層などが挙げられる。
【0021】
さらに、上記の網目状導電層は、非導電性の箔もしくは板をパンチングしてなるものを、導電性表面処理して得た導電層;または導電性の箔もしくは板をパンチングしてなる導電層なども含む。
【0022】
上記の非導電性の繊維として、例えば、非導電材料を線状または繊維状にしたものなどが挙げられる。例えば、天然、再生、半合成および合成の有機繊維が挙げられる。より具体的には、例えば、綿、麻およびレーヨンなどのセルロース繊維;アセテートおよびトリアセテートなどの半合成繊維;ナイロンおよびポリエステルなどの合成繊維が挙げられる。本発明では、非導電性の繊維を1種類のみ単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0023】
上記の導電性繊維として、例えば、上記の非導電性の繊維を導電性表面処理したもの;または導電材料を線状もしくは繊維状にしたものなどが挙げられる。本発明では、導電性繊維を1種類のみ単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0024】
上記の非導電性の箔または板として、例えば、非導電材料を箔または板状に成形したものなどが挙げられる。
また、上記の導電性の箔または板として、例えば、上記の非導電性の箔もしくは板を導電性表面処理したもの;または導電材料を箔もしくは板状に成形したものなどが挙げられる。
【0025】
本発明において、前記の網目状導電層を単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0026】
本発明に使用される柔軟性を有する導電性不織布は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、どのような導電性不織布でもよい。このような導電性不織布の厚さは特に制限されないが、柔軟性を保つ点から、例えば500μm以下、好ましくは300μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば5μm以上、好ましくは10μm以上である。
【0027】
上記の導電性不織布に含まれる導電性繊維の線径は、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
上記の導電性不織布に含まれる導電性繊維の繊維長は、特に制限されないが、柔軟性を保つことから、例えば1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは500μm以下であり、一方、導電性能の点から、例えば1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上である。
【0028】
上記の導電性不織布は、乾式法、湿式法、スパンボンド法などの慣用の方法に従い、導電性繊維を結合剤で固めて得ることができる。あるいは、この導電性不織布は、非導電性の繊維をバインダーで固めてなるものを、導電性表面処理して得ることもできる。
【0029】
上記の導電性繊維および非導電性の繊維として、例えば前記の網目状導電層に使用されるものを使用することができる。
【0030】
上記のバインダーとして、例えば天然繊維および合成繊維などの繊維が挙げられる。また、これ以外にも、バインダーとして、導電性繊維同士の接合を助長するものであれば、樹脂材料が溶剤に溶けた状態となった液状物であってもよいし、将来熱融着されるチップなどの固体物であってもよい。例えば、天然繊維として、木材パルプ、靱皮繊維パルプおよび葉脈繊維パルプなどが挙げられる。合成繊維として、例えば、再生セルロース繊維および熱可塑性樹脂繊維、例えば、ポリエチレン合成パルプ、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体およびポリフェニレンサルファイドなどの繊維、ならびに熱硬化性樹脂繊維(フェノール繊維等)などが挙げられる。これらバインダーを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0031】
本発明に使用できる非導電材料は、特に制限されず、例えば、天然および合成の樹脂、天然および合成の有機ゴム、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ガラス、ならびにガラス繊維などを使用することができる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0032】
上記の天然および合成の樹脂として、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリスチレン;酢酸ビニル系樹脂;軟質ポリ塩化ビニル樹脂;ポリ塩化ビニリデン;(メタ)アクリル系樹脂;塩素化ポリエチレン;ポリフェニレンサルファイド;炭化水素樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;セルロース系樹脂;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;アルキド樹脂およびシリコーン系樹脂などの合成樹脂;ならびにロジン、セラックおよびエステルゴムなどの天然樹脂が挙げられる。また、上記の天然および合成の有機ゴムとして、例えば、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩化ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムおよびウレタンゴムなどが挙げられる。上記の熱可塑性エラストマーとして、スチレン・ブタジエン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリ塩化ビニル系およびアイオノマー系などが挙げられる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0033】
上記の非導電材料において、柔軟性に優れている点から、塩素化ポリエチレンなどの軟質のプラスチック;クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびウレタンゴムなどの天然および合成の有機ゴム;スチレン・ブタジエン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリ塩化ビニル系およびアイオノマー系エラストラマーなどの熱可塑性エラストマー;ならびにシリコーンゴムなどが好ましい。
【0034】
本発明に使用できる導電材料は、特に制限されず、例えば、金属、導電性カーボン、導電性無機物、導電性高分子(導電性ポリマー)および導電性複合材料などを使用することができる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0035】
上記の金属として、アルミニウム、スズ、ニッケル、金、銀および銅などの金属、ならびにこれらの合金、黄銅、モネルメタル、ステンレス鋼およびニクロムなどの合金などが挙げられる。
【0036】
上記の導電性無機物として、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)およびスズドープ酸化インジウム(ITO)などが挙げられる。
【0037】
上記の導電性高分子(導電性ポリマー)として、ポリアセチレンおよびポリフェニルアセチレンなどのポリアセチレン系;ポリフェニレンおよびポリフェニレンビニレンなどのポリフェニレン系;ポリピロールおよびポリチオフェンなどの複素環高分子;ならびにポリアニリンおよびポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)などのイオン性高分子などに、アルカリ金属、金属塩、有機分子、高分子などをドーピングしたものが挙げられる。また、導電性高分子(導電性ポリマー)としては、ポリアセン、ポリアセナセンおよびCu−フタロシアニンなどの、ラダー状およびネットワーク状高分子なども挙げられる。
【0038】
上記の導電性複合材料として、前記の非導電材料に、導電性フィラーを含有させ、および/または導電性表面処理を施したものが挙げられる。また、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0039】
上記の導電性フィラーとして、例えば、金属、導電性無機物および導電性カーボンなどの、粒子、フレークおよび繊維などが挙げられる。上記の金属として、例えばアルミニウム、スズ、ニッケル、金、銀および銅、ならびにこれらの合金、黄銅、モネルメタル、ステンレス鋼およびニクロムなどの合金などがあり、また上記の導電性無機物として、例えば炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)およびスズドープ酸化インジウム(ITO)などがある。また、シリカなどの絶縁性フィラーの表面を、上記の金属、導電性無機物および導電性カーボンなどの導電性物質で被覆したものを導電性フィラーとして用いることができる。これら導電性フィラーを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0040】
本発明で使用される導電性表面処理として、例えば、金属、導電性無機物質または/および導電性カーボンなどの蒸着およびめっき、さらには導電塗料または/および金属塗料の塗布などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら導電性表面処理を単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0041】
上記の蒸着として、例えばスパッタリング、イオンプレーティングおよび金属溶射などの真空蒸着ならびに化学蒸着などが挙げられ、上記のめっきとして、例えば無電解めっきおよび電気めっきなどが挙げられる。
【0042】
上記の蒸着またはめっきに使用される、上記金属として、例えば、アルミニウム、スズ、ニッケル、金、銀および銅、ならびにこれらの合金、黄銅、モネルメタル、ステンレス鋼およびニクロムなどの合金などが挙げられ、上記導電性無機物として、例えば炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)およびスズドープ酸化インジウム(ITO)などが挙げられるが、これらを単独で使用して、または2種類以上を併用して、導電性表面処理を行うができる。
【0043】
上記の導電性塗料または金属塗料として、例えば、前記の導電性フィラーまたはアルミニウムなどの金属と結合材とを、場合により、トルエン、キシレン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどの溶媒;ならびに/あるいはアニオン系およびノニオン系界面活性剤などの分散剤;ならびに/あるいは硬化剤を更に添加して混ぜ合わせた塗料などがある。
【0044】
また、上記の結合材は、特に制限されないが、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ブタジエン・スチレンゴム、ブタジエン・ニトリルゴムおよび天然ゴムなどがある。これら結合材を単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0045】
本発明の柔軟性を有する電磁波吸収層は、電磁波対策に従来から使用されているもので、柔軟性を有する材質や形状のものであれば特に制限されない。好ましくは、近傍界用に使用されてきたもの、例えば電子機器などの筐体内の内部に配置されている各種デバイスなどの電磁波発生部位に直接装着させ、該電磁波発生部位から電磁波が発生することを抑制するために使用されてきたものが挙げられる。
【0046】
このような電磁波吸収層は、例えば、柔軟性を有する絶縁基材に、磁性粉末〔センダスト(Fe−Si−Al合金)、パーマロイなどの軟磁性金属粉、フェライトなど〕および/または導電性カーボン(黒鉛、カーボンブラックなど)などを添加して作製することができる。このような絶縁基材は、柔軟性を有する材質や形状のものであれば、特に制限されない。例えば、塩素化ポリエチレンなどの軟質のプラスチック;クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびウレタンゴムなどの天然および合成の有機ゴム;熱可塑性エラストマー;ならびにシリコーンゴムなどの柔軟性を有する材料が挙げられる。本発明では、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上を併用することもできる。
さらに、柔軟性の点から、結合剤として、例えば、(メタ)アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂などの樹脂、ならびにブタジエン・スチレンゴム、ブタジエン・ニトリルゴムおよび天然ゴムなどのゴムを添加するのが好ましい。
【0047】
また、本発明の電磁波吸収体において、電磁波吸収層の厚さは、特に制限されないが、柔軟性の点および機器の小型化に応じて電磁波吸収体全体の厚さを抑える必要から、1.5mm以下、特に1mm以下、とりわけ0.5mm以下が好ましく、また電磁波吸収性能の点から、0.05mm以上、特に0.1mm以上、とりわけ0.2mm以上が好ましい。
【0048】
本発明の電磁波吸収体は、慣用の方法により、前記の電磁波吸収層に、前記の導電層を積層することにより作製することができる。本発明の電磁波吸収体は、本発明の効果を発揮することができる柔軟性を有する限り、導電層および電磁波吸収層をそれぞれ1層以上積層することができる。また、本発明の電磁波吸収体は、本発明の効果を発揮することができる柔軟性を有する限り、導電層や電磁波吸収層以外にも接着層や保護層などの層を1層以上積層することもできる。これら接着層や保護層などは柔軟性を有していることが好ましい。
さらに、これらの層の積層順序は特に限定されない。すなわち、導電層と電磁波吸収層の間に、接着層などの層を1層以上介在させることもできるし、また接着層などが場合により介在する導電層と電磁波吸収層の積層体の、片面または両面に、さらに保護層または接着層などの層を1層以上積層することもできる。
導電層の一方の面に、場合により接着層などを介在させて、電磁波吸収層を積層し、さらに、該一方の面の反対側の面に、場合により接着層などを介在させて、電磁波吸収層を積層し、さらに、場合により、この得られた積層体の片面または両面に保護層などを積層して、本発明の電磁波吸収体とすることもできる。
【0049】
本発明に係わる電磁波吸収体は、特に近傍界用電磁波吸収体に使用することができる。本発明において、近傍界用電磁波吸収体とは、筐体内の電波環境を良好にして、その内部に配置された各種デバイスの性能向上や性能維持を目的とするもので、電磁波発生部位に直接装着させ、該電磁波発生部位から電磁波が発生することを抑制するために使用されるものをいう。
すなわち、本発明の実施形態には、本発明の電磁波吸収体により封止された電磁波発生電子機器用デバイスも含まれる。本発明の電磁波発生電子機器用デバイスは、本発明の電磁波吸収体を、慣用の方法で、電磁波発生部位に装着することで得ることができる。このとき、通常、電磁波吸収体を、該電磁波吸収体の導電層側が外側に、該電磁波吸収体の電磁波吸収層側が内側になるように、電磁波発生電子機器用デバイスに装着させる。また、場合により、柔軟性のある接着層などの層を介在させて、本発明の電磁波吸収体を、電磁波発生電子機器用デバイスに装着させてもよい。本発明において使用できる電磁波発生電子機器用デバイスとして、例えば電子機器の筐体、回路基板、プリント配線板、電子素子、LSI、ICチップ、および信号線路、例えばケーブルなどが挙げられる。
【0050】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0051】
電磁波吸収層の作製
塩素化ポリエチレン(CPE)樹脂(MR104、ダイソー製)100重量部、磁性粉(センダストパウダー、フレーク状)250重量部、および水酸化アルミニウム(ATH H42M、昭和電工製)100重量部を配合して、ニーダーで混練りした後、カレンダー加工により、厚さ0.3mmのシート状に成形したものを電磁波吸収層とした。
【0052】
実施例1
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、イオンスパッタリング装置(JFC−1500、JEOL製)により、金を600秒照射して、電磁波吸収層に、厚さ0.05μmの導電層を積層させ、電磁波吸収体を得た。
【0053】
実施例2
上記で作製された電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、市販のアルミニウムの金属塗料(metaflux、リキッドアルミニウム、(株)テスコ製)を、厚さ100μmになるように塗布した。次に、得られた積層体を乾燥させて、電磁波吸収体を得た。
【0054】
実施例3
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、4×5cmの市販の80メッシュ(80本/inch)、厚さ91μmの導電メッシュ(MT3−100、日清紡テンペスト(株)製)を160℃の熱圧縮により貼り合わせ、電磁波吸収体を得た。
【0055】
実施例4
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、4×5cmの市販の厚さ65μmの導電性不織布(銀メッキしたポリエステル繊維製、商品名シルファイバー、三菱マテリアル製)を160℃の熱圧縮により貼り合わせ、電磁波吸収体を得た。
【0056】
比較例1
上記で作製した電磁波吸収層を4×5cmに切断したものの表面に、4×5cmの市販の厚さ80μmの両面テープ付銅箔を貼り合わせ、電磁波吸収体を得た。
【0057】
マイクロストリップライン法による電磁波吸収特性の評価
上記で作製された電磁波吸収体の電磁波吸収特性を、森下健およびその他による「マイクロストリップラインの伝送特性に及ぼす磁気損失材料の装着」、電気学会計測研究会資料、社団法人、電気学会、2001年、IM−01−24、p.39−42に記載された方法に従い評価した。
すなわち、図1および図2に示すように誘電体基板4(FR4:εγ=4.7−j0.1)上に、幅2.8mm、長さ75.0mmストリップ導体を有するマイクロストリップライン2(MSL)に、SMAコネクタ7を介して、同軸ケーブル6により高周波電力を供給し、ネットワークアナライザ1(8720D、HEWLETT PACKARD社製)を用いて、S21を測定した。MSLの基板上の2箇所に、PETフィルム3(5×5×1mm)を配置し、そのPETフィルム上に、上記で得られた電磁波吸収体5(40×50×0.4mm)を配置して測定した。
電磁波吸収特性を図3に示す。
【0058】
本発明に係わる実施例1〜4の電磁波吸収体は、良好な電磁波吸収特性を示した。特に、図3に示したように、実施例1の電磁波吸収体は比較例1の電磁波吸収体より優れた電磁波吸収特性を示した。
【0059】
【発明の効果】
本発明の効果を以下に示す。
本発明の電磁波吸収体は柔軟性を有するため、電子機器の部品などの電磁波発生部位の表面に装着する際に、その表面が凹凸形状であっても、その凹凸に沿って、該電磁波吸収体と該電磁波発生部位との間の隙間を少なく、望ましくは隙間をなくすように装着できるので、電磁波吸収特性が増加する。すなわち、本発明の電磁波吸収体は、電磁波発生部位を封止して、良好な電磁波吸収特性を発揮することができる。
【0060】
本発明において、電磁波吸収層にめっきやスパッタリングなどの蒸着により導電層を積層する場合、該導電層の厚さを薄くして柔軟にすることが容易であり、特にスパッタリングなどの蒸着は、薄い導電層を容易に積層させることができる。そのため、電磁波発生部位を、本発明の電磁波吸収体により封止する際に、該導電層は電磁波発生部位の凹凸部分に追随することができ、さらに従来品のように電磁波吸収層から剥がれるおそれもない。さらに、両面テープなどを使用する必要もないので、作業性も高い。
【0061】
また、導電塗料や金属塗料などを導電層に用いた場合、電磁波吸収層の表面に容易に塗布でき、また乾燥すれば該電磁波吸収層に接着するため、作業性が高い。さらに、導電塗料は接着成分として樹脂などを含むため、電磁波発生部位に貼りあわせる際に、従来品のように、導電層が割れることや、硬くなることもない。
【0062】
さらに、電磁波吸収層に網目状導電層または導電性不織布を積層する場合、該電磁波吸収層の表面を熱で溶かして、その表面に該網目状導電層または該導電性不織布を圧着することにより、該電磁波吸収層が、該網目状導電層または該導電性不織布の網目や隙間などに入り込むため、両者を一体に積層することができ、作業性が高い。また、電磁波発生部位を、本発明の電磁波吸収体により封止する際に、網目状導電層または該導電性不織布自身が、柔軟性を有するため、電磁波発生部位の凹凸部分に追随することができ、さらに従来品のように導電層が電磁波吸収層から剥がれるおそれもない。
【0063】
本発明に係わる電磁波吸収体は、特に近傍界用電磁波吸収体に使用することができる。本発明の電磁波吸収体は、電子機器の筐体内、回路基板、プリント配線板、電子素子、LSI、ICチップ、および信号線路、例えばケーブルなどの、電磁波発生電磁機器用デバイスを封止して、これらの電磁波発生部位からの、不要なノイズを吸収、抑制する目的に有用である。特に、本発明に係わる電磁波吸収体は、柔軟性に富んでいるので、表面が粗く、凹凸を有する電磁波発生部位、例えば電子素子を埋め込んだ回路基板などの封止に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロストリップライン法による測定系の概要を示した図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】電磁波吸収特性を示した図である。
【符号の説明】
1 ネットワークアナライザ
2 マイクロストリップライン
3 PETフィルム
4 誘電体基板
5 電磁波吸収体
6 同軸ケーブル
7 SMAコネクタ
Claims (5)
- 電磁波吸収層に導電層を積層してなる、柔軟性を有する封止性電磁波吸収体。
- 導電層が被膜状である、請求項1記載の電磁波吸収体。
- 導電層が網目状である、請求項1記載の電磁波吸収体。
- 導電層が不織布である、請求項1記載の電磁波吸収体。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の電磁波吸収体により封止された、電磁波発生電子機器用デバイス。
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