JP2004332168A - 保湿性に優れたセルロース系繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子量が2000以下のポリオール類をセルロース繊維重量に対して2〜30重量%固着させた変性セルロース系繊維
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、保湿性、接触冷感に優れた変性セルロース系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
夏場などの暑い季節には、衣服等着用時の接触冷感が大きい衣類が好まれる。接触冷感は、衣類と皮膚との温度差、接触の程度、衣類の表面状態等種々の要因が関連しているが、一般的な傾向として、接触冷感は、繊維の保湿性と密接に関連しており、繊維の保湿性が高いと、そのような繊維で構成される衣類等は接触冷感も高くなる。水分は熱伝導率が高く、水分率が高くなると熱伝導性が上がるためである。本発明は、係る保水性の観点からセルロース繊維を変性し、同時に接触冷感特性に優れた変性セルロース繊維開発で生まれたものである。
【0003】
接触冷感性繊維としては、例えば特許文献1、特許文献2あるいは特許文献3が知られている。
【0004】
特許文献1は、吸水性ポリマーを内包した多孔質無機粉末粒子を繊維に把持させてなる繊維又は繊維製品が開示されている。
【0005】
特許文献2は、中空糸ポリエステルマルチフィラメントを鞘部に、セルロース繊維を芯部にして形成された複合糸からなる織編物が開示されている。
【0006】
特許文献3は、芯部に高吸湿ステープルを含む繊維、鞘部に疎水性ステープルまたは疎水性フイラメントから構成された芯鞘型複合紡績糸を使用する織編物が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−235278号公報
【特許文献2】
特開平11−286843号公報
【特許文献3】
特開平9−31796号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術とは全く異なる手段により、接触冷感に優れた変性セルロース系繊維を提供することを目的とする。
本発明は、セルロース系繊維表面を化学的に変性することにより、繊維の保湿性を高め、接触冷感特性を有する変性セルロース系繊維を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分子量が2000以下のポリオール類をセルロース繊維重量に対して2〜30重量%固着させた変性セルロース系繊維に関する。
【0010】
本発明の変性セルロース系繊維は、保湿性に優れ、衣類等に使用したときは接触冷感に優れている。
【0011】
本発明が適用されるセルロース系繊維としては、特に限定なく、木綿、麻等の天然セルロース類、ビスコースレーヨン、銅アンモニア法レーヨン、ポリノジック等の再生セルロース、テンセル等の精製セルロースがいずれも対象となる。またこれらのセルロース系繊維と合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリアミド等)、セルロース系繊維どうし、またはセルロース系繊維と動物性繊維(例えば、羊毛、シルク等)の混紡、混撚、交織、交編体としてのセルロース系繊維も加工の対象となる。
【0012】
本発明においては、上記のセルロース系繊維に、分子量が2000以下のポリオール類をセルロース繊維重量に対して2〜30%固着させる。
【0013】
本発明に使用できるポリオール類は、分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールが例示できる。これらの化合物の中でもポリエチレングリコールが保湿性及び接触冷感特性が特に優れており好ましい。
【0014】
本発明で使用するポリオール類は、分子量約2000以下で使用する。本発明において分子量とは重量平均分子量を意味している。分子量が2000以上では、加工(変性)効果が少なく、また、得られる繊維の洗濯耐久性が不充分なものとなる。
【0015】
ポリオール類のセルロース系繊維への固着は、セルロース系繊維とポリオール類を架橋剤で架橋することにより行う。架橋剤としてはグリオキザール系化合物、例えばジメチロールジヒドロキシエチレンウレア、ジメチロールプロピレンウレア、ジメチロールエチレンウレア、ジメチルジヒドロキシエチレンウレア及びこれらの変性物等またはエポキシ系化合物、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が使用できる。好ましくはジメチロールジヒドロキシエチレンウレア、ジメチルジヒドロキシエチレンウレアである。
【0016】
ポリオール類のセルロース系繊維への固着量は、セルロース繊維重量に対して2〜30重量%、好ましくは3〜20重量%とする。固着量が2重量%より少ないと加工(変性)効果が不充分であり、30重量%より多いと、加工(変性)変退色が著しくなり、染色堅牢度が不良なものとなってしまう。本発明において固着量は、次の式により求められる。
(加工後の絶乾重量−加工前の絶乾重量)/加工前の絶乾重量×100(重量%)。
【0017】
ポリオール類をセルロース系繊維へ固着させるには、セルロース系繊維に固着させたい量よりも多めのポリール類、架橋剤を水、アルコール等の溶媒とともに混合した溶液を、セルロース系繊維に含浸させ、乾燥、硬化(キュアリング)させればよい。このとき架橋剤は、ポリオール類重量に対して、0.1〜100重量%を基準に添加すればよい。硬化は50〜180℃、10秒〜20分程度行えばよい。
【0018】
セルロース系繊維は、繊維の形態以外にも、織物、編物などの布帛、ワタ、糸、不織布または繊維製品等の形態で、上記処理を行ってもよい。
【0019】
本発明の変性セルロース繊維は、保湿性、接触冷感特性に優れている。従って、例えば本発明の変性セルロース繊維を使用した衣類等は、接触冷感のある衣類となり、またタオルに使用したときは、水分保水性の良好な、しっとりとした接触感がよいタオルとすることができる。その他、冬期など乾燥した環境下では、肌に対して保湿効果のある肌着などに応用することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1〜3
表1に記載の生地(大きさ40cm×30cm)を、表2に記載の配合液200ccに浸漬し、配合液を生地に含浸させた。生地をマングル(絞り率60%)にて絞った後、乾燥(130℃×2分)、キュアリング(160℃×2分)を行った。
比較例4、5
実施例1〜4及び比較例1〜3で使用したものと同様の未加工生地。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
得られた変性生地のポリオール固着量、熱伝導率(qmax(W/cm2))、接触冷感官能試験、加工変色、保湿性について測定、評価を行った。結果を表3に示す。
【表3】
【0024】
ポリオール固着量は次の式により求めた。
(加工後の絶乾重量−加工前の絶乾重量)/加工前の絶乾重量×100(重量%)
【0025】
熱伝導率(qmax(W/cm2))は、湿度65%、温度20℃の環境下で、KES測定機(KES−FB7;カトーテック社製)を用いて測定した。
熱伝導率は、未洗濯の生地と10回洗濯後の生地について測定した。
【0026】
接触冷感官能試験は、10人の被験者が、生地に触れたときの接触冷感を以下のようにランク付けした。
○:かなり冷たく感じた、
△:若干冷たく感じた、
×:冷たく感じなかった。
【0027】
加工変色は、生地の処理前と処理後の変色具合を目視で観察し、以下のようにランク付けした。
○:加工前後で、生地に変色が無かった、
×:加工後で、生地が黄変した。
【0028】
保湿性は未洗濯サンプルについて、温度20℃、湿度65%の雰囲気下における水分率をJIS L1096に準拠して測定した。
【0029】
【発明の効果】
本発明の変性セルロース系繊維および該繊維を使用した衣類等の繊維製品は、保湿性、接触冷感特性に優れている。
Claims (1)
- 分子量が2000以下のポリオール類をセルロース繊維重量に対して2〜30重量%固着させた変性セルロース系繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131425A JP2004332168A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 保湿性に優れたセルロース系繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003131425A JP2004332168A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 保湿性に優れたセルロース系繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004332168A true JP2004332168A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003131425A Pending JP2004332168A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 保湿性に優れたセルロース系繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004332168A (ja) |
Citations (6)
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-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131425A patent/JP2004332168A/ja active Pending
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