JP2008183896A - 直液式筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直液式筆記具1は、ペン先2と、ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、インキ8を直に貯溜するインキタンク7と、インキタンク7とインキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる。隔壁52前面より前方に複数の連通管6を突出させ、連通管6の各々の前端をインキ吸蔵体3内部に位置させる。インキ吸蔵体3が、高密度部31と該高密度部31より後方に連接される低密度部32とを備える。高密度部31に、連通管6の各々の前端及びペン先2の後端を位置させる。少なくとも1本の連通管6bの後端を隔壁52後面より後方に突出させインキタンク7内部に位置させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に隔壁52を設け、前記隔壁52前面より前方に前記連通管6の各々を突出させ、前記連通管6の各々の前端をインキ吸蔵体3内部に位置させ、前記インキ吸蔵体3が、高密度部31と該高密度部31より後方に連接される低密度部32とを備え、前記高密度部31に、前記連通管6の各々の前端及び前記ペン先2の後端を位置させ、少なくとも1本の連通管6bを前記隔壁52後面より後方に突出させ、その連通管6bの後端をインキタンク7内部に位置させたこと(構成1)を要件とする。
前記構成1の直液式筆記具1において、前記低密度部32の内部を前記連通管6の各々が貫通し、前記高密度部31に、前記連通管6の各々の前端及び前記ペン先2の後端が位置してなること(構成2)が好ましい。
前記構成1または2の直液式筆記具1において、インキ吸蔵体3の後端から連通管6の各々の前端を挿入した際に、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3の内部を前方に押圧圧縮することによって、連通管6の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の内部に前記高密度部31が形成されること(構成3)が好ましい。
前記構成1乃至3のいずれかの直液式筆記具1において、前記高密度部31が、インキ吸蔵体3の外側面を径方向内方に押圧圧縮することにより形成されること(構成4)が好ましい。それにより、予めインキ吸蔵体3に密度差を設ける必要がなく、製造が極めて容易となる。
前記構成1乃至4のいずれかの直液式筆記具1において、前記高密度部31が、インキ吸蔵体3の前端面を後方に押圧圧縮することにより形成されること(構成5)が好ましい。それにより、予めインキ吸蔵体3に密度差を設ける必要がなく、製造が極めて容易となる。
前記構成1または2の直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3が、高密度に設定された第1のインキ吸蔵体と、低密度に設定された第2のインキ吸蔵体とからなり、第1のインキ吸蔵体が前記高密度部31を構成し、第2のインキ吸蔵体が前記低密度部32を構成すること(構成6)が好ましい。それにより、インキ吸蔵体3に高密度部31と低密度部32(即ちインキ吸蔵体3に密度差)をばらつきなく確実に設定できる。
本発明は、前記構成1乃至6のいずれかの直液式筆記具1において、開栓前のインキタンク7の前端開口部を栓体71によって閉鎖し、前記隔壁52後面より後方に接続管54を突出させ、前記接続管54を前記インキタンク7の前端開口部内に挿着し、前記接続管54が前記栓体71を押圧することによって前記インキタンク7を開栓してなり、前記インキタンク7の開栓後、前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bが前記接続管54の内側に位置し、前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bの後端が前記接続管54の後端より前方に位置するかまたは前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bの後端と前記接続管54の後端との軸方向の位置が略一致してなること(構成7)を要件とする。
本発明は、前記構成7の直液式筆記具1において、インキタンク7の開栓時に前記栓体71の片側を押圧する突片54aを前記接続管54後端の片側に設け、前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bの外面と前記突片54aの内面とを近接させてなること(構成8)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至8のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の容積V2を、前記インキタンク7と前記各々の連通管6とからなる空間の容積V1の40%以上(好ましくは50%以上)に設定したこと(構成9)を要件とする。
前記構成1乃至9のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の内部に、毛細間隙を備えたインキ吸収体63を配置し、前記インキ吸収体63の毛細管力を前記高密度部31の毛細管力よりも小さく設定したこと(構成10)が好ましい。前記直液式筆記具1(構成10)により、連通管6の折れ曲がりを抑えるために各々の連通管6の外径および内径を比較的大きく設定した場合でも、連通管6の前端開口部の適正な液シールが得られる。
前記構成1乃至10のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されること(構成11)が好ましい。
前記構成1乃至11のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端がペン先2後端近傍に位置されること(構成12)が好ましい。
前記構成1乃至12のいずれかの直液式筆記具1において、前記ペン先2の後端と前記連通管6の各々の前端との間は、前記高密度部31を介してインキ流通可能に接続されること(構成13)が好ましい。
前記構成1乃至13のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端面及び前記インキ吸蔵体3の後端面が外気と連通されること(構成14)が好ましい。
前記構成1乃至14のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の側壁を互いに連結したこと(構成15)が好ましい。それにより、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、各々の連通管6の折れ曲がりを抑えることができる。
尚、本発明で、前記連通管6は、一定の剛性を備える点で、合成樹脂製または金属製であることが好ましい。また、前記連通管6の外周面及び内周面の横断面形状は、例えば、円形、楕円、または3角形、4角形等の多角形等、いずれであってもよい。また、前記連通管6の本数は、複数本(即ち2本以上)であればよく、例えば、2本、3本、4本、5本または6本等が挙げられる。
尚、本発明で、前記インキ吸蔵体3は、インキを含浸可能な連続気孔を有する部材(即ち多孔質材料)からなるものであればよく、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等が挙げられる。また、前記インキ吸蔵体3は、その外周面に合成樹脂フィルム等よりなる外皮を備える構成でもよい。また、前記インキ吸蔵体3の内部前方とは、インキ吸蔵体3の前半部の内部のことである。前記インキ吸蔵体3は、単一の部材であってもよいし、毛細管力の異なる複数の部材であってもよい。
本発明で、前記インキ吸蔵体3の密度とは、繊維密度等の多孔質組織の密度である。インキ吸蔵体3の高密度部31では、毛細間隙の間隙幅が小さくなり、インキ吸蔵体3の低密度部32では、毛細間隙の間隙幅が大きくなる。それにより、前記高密度部31の毛細管力は、前記低密度部32の毛細管力よりも大きくなる。
尚、本発明で、前記ペン先2は、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、パイプ状ペン体、先端にスリットを有する万年筆型板状ペン体、毛筆ペン体、合成樹脂の多孔質気泡体、ボールペンチップ、軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。また、前記ペン先2の後端を構成する材料は、少なくとも、インキ吸蔵体3との適正な接続を可能にするために毛細間隙を備えるものであればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。尚、本発明で、前記ペン先2はインキ誘導部材を含む。
尚、前記インキ吸収体63は、毛細間隙を備えるものであればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。前記インキ吸収体63の毛細管力は、インキ吸蔵体3内部の連通管6の各々の前端より前方部分(高密度部31)の毛細管力よりも、小さく設定されることが好ましい。
前記隔壁52は、インキ吸蔵体3とインキタンク7とを区画するものであり、実際には、インキタンクと、インキ吸蔵体3を収容する吸蔵体収容部とを区画するものである。前記隔壁52の後面は、インキタンク7内に面する。
前記インキタンク7は、例えば、筆記具本体に直接形成する構成(即ち、図1のようにインキタンク7が筆記具本体の一部を構成するもの)、または、筆記具本体内に収容する構成(図11、図14参照)が挙げられる。尚、本発明で、インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、具体的には、筆記具用インキ(例えば、水性インキ、油性インキ)または塗布液(例えば、化粧液、修正液、接着剤、塗料、液体医薬品等)が挙げられる。
本発明の第1の実施の形態の直液式筆記具1を図1乃至図2に示す。
本実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記ペン先2を前端部で保持し且つ前記インキ吸蔵体3を内部に収容する吸蔵体収容部と、前記吸蔵体収容部の後方に取り付けられ且つ内部にインキ8を直に貯溜するインキタンク7と、前記吸蔵体収容部と前記インキタンク7とを区画する隔壁52と、前記隔壁52の前面より前方に突出され、インキ吸蔵体3の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管6とからなる。前記吸蔵体収容部は、前記ペン先2を保持する先部材4と、前記先部材4と前記インキタンク7とを接続する中間部材5とからなる。
前記ペン先2は、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。前記ペン先2の先端は、砲弾状に研削される。前記ペン先2の後端部外周面は、テーパ状に面取りされる。前記ペン先2の中間部は、環状溝21が形成される。
前記インキ吸蔵体3は、円柱状の合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維)の加工体よりなる。前記インキ吸蔵体3の外周面には、円筒状の外皮が被覆されている。前記外皮は、合成樹脂製フィルム(例えばポリエチレンテレフタレート製フィルム)よりなる。前記インキ吸蔵体3の前端面の軸心にペン先2の後端が突き刺し挿入され、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置される。
前記先部材4は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる筒状体である。前記先部材4は、ペン先2外周面を保持する小径部41と、該小径部41より後方に連設され、インキ吸蔵体3の前部外周面を保持する大径部42とからなる。
前記中間部材5は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形より得られる筒状体である。前記中間部材5は、前方に開口する前方筒部51と、該前方筒部51の底部に形成される隔壁52と、該隔壁52から後方に延設され且つ後方に開口する後方筒部53と、前記隔壁52前面から軸方向前方に突出される複数(具体的には2本)の連通管6とが一体に連設されてなる。本実施の形態では、隔壁52と連通管6とが一体に連設されているが、これ以外にも、別部材よりなる隔壁52と連通管6とを固着させる構成でもよい。
前記連通管6の各々の内部には、軸方向に流通路62が設けられ、前記流通路62が、前記連通管6の各々の両端にて開口される。前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の内部前方に開口され、前記連通管6の各々の後端は、インキ吸蔵体3後方のインキタンク7内に開口される。前記連通管6の各々の前端は軸線に対して垂直面である。前記複数本の連通管6において、1本の連通管6bが隔壁後面より後方に突出され且つその連通管6bの後端がインキタンク7内に位置され、一方、他の連通管6aが隔壁52後面より後方に突出されていない(即ち他の連通管6aの後端が隔壁52後面と一致している)。前記複数本の連通管6は、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体3と、その後方のインキタンク7との間に、独立した複数本の流通路62が並列に設けられる。
尚、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLは、30mmに設定される。また、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、両者とも4mmに設定される。よって、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLの13.3%(即ち3%〜50%の範囲内)である。また、本実施の形態において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2は、両者とも1mm(即ち10mm以内)に設定される。
前記インキタンク7は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒状体であり、合成樹脂の射出成形またはブロー成形により得られる。前記インキタンク7内には、直にインキ8が貯溜される。前記インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。
図3に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、インキ吸蔵体3の前部外周面を径方向内方に押圧圧縮することにより、インキ吸蔵体3の前部に高密度部31を形成した点と、連通管6の各々の前端を先鋭化した点(具体的には連通管6の各々の前端面が傾斜カット面61からなる点)である。
図4に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、インキ吸蔵体3の前端面を後方に押圧圧縮することにより、インキ吸蔵体3の前部に高密度部31を形成した点と、第2の実施の形態と同様に連通管6の各々の前端を先鋭化した点(具体的には連通管6の各々の前端面が傾斜カット面61からなる点)である。
図5に本発明の第4の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、インキ吸蔵体3が高密度部31を構成する第1のインキ吸蔵体と低密度部32を構成する第2のインキ吸蔵体とからなる点と、第2の実施の形態と同様に連通管6の各々の前端を先鋭化した点(具体的には連通管6の各々の前端面が傾斜カット面61からなる点)である。
図6に本発明の第5の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、繊維加工体よりなるインキ吸収体63を各々の連通管6の流通路62内に収容した点である。前記インキ吸収体63の繊維密度(毛細管力)は、インキ吸蔵体3の高密度部31の繊維密度(毛細管力)よりも小さく設定される。前記インキ吸収体63を連通管6に収容したことによって、連通管6の外径及び内径を比較的大きく設定しても、連通管6の前端開口部を適正に液シールすることができる。その結果、連通管6の外径及び内径を太く設定でき、連通管6の折れ曲がり防止に有利となる。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
図7及び図8に本発明の第6の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、各々の連通管6の側壁を軸方向に延びる板状リブ64により互いに一体に連結した点と、第2の実施の形態と同様に連通管6の各々の前端を先鋭化した点(具体的には連通管6の各々の前端面が傾斜カット面61からなる点)である。前記各々の連通管6の側壁を軸方向に延びる板状リブ64により互いに一体に連結したことより、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、インキ吸蔵体3への安定した突き刺し挿入が得られる。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
これは、連通管6の各々の側壁を互いに連結した別の例である。即ち、この例では、1本の筒状体の内部を長手方向に延びる仕切壁により区画した構成、あるいは、別の言い方をすれば、横断面半月状の2本の連通管6a,6bを横断面円形状になるように一体に連結した構成である。それにより、筒状体の内部に横断面半月状の2本の流通路62が独立して設けられる。
これは、大径の連通管6aの内部に小径の連通管6bを配置した構成の例である。この例では、大径の連通管6aの内周面と小径の連通管6bの外周面との間に横断面環状の流通路62が形成され、小径の連通管6bの内部に横断面円形状の流通路62が形成される。前記大径の連通管6aの後端は隔壁52後面より後方に突出されず、前記小径の連通管6bの後端が隔壁52後面より後方に突出されインキタンク7内に位置される。
本発明の第7の実施の形態の直液式筆記具1を図11乃至図13に示す。
本実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置される中間部材5と、前記中間部材5の後方に配置されるインキタンク7と、前端部で前記ペン先2を保持し且つ内部に前記インキ吸蔵体3、前記中間部材5、及び前記インキタンク7を収容する軸筒11と、前記軸筒11の後端開口部に着脱自在に螺着される尾栓12と、ペン先2側に着脱自在に設けられるキャップ13とからなる。
前記ペン先2は、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。前記ペン先2の前端は、砲弾状に研削される。前記ペン先2の後端部外周面は、テーパ状に面取りされる。
前記インキ吸蔵体3は、円柱状の合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維)の加工体よりなる。前記インキ吸蔵体3の外周面には、円筒状の外皮が被覆されている。前記外皮は、合成樹脂製フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート製フィルム)よりなる。前記インキ吸蔵体3の前端面の軸心にペン先2の後端が突き刺し挿入され、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置される。
前記軸筒11は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる筒状体である。前記軸筒11は、ペン先2外周面を保持する先細部111と、該先細部111より後方に連設され、インキ吸蔵体3及び隔壁52及びインキタンク7が収容される本体部112とからなる。
前記中間部材5は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる。前記中間部材5は、前記インキ吸蔵体3とインキタンク7とを区画する隔壁52と、前記隔壁52の前面より前方に突出され且つインキ吸蔵体3の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管6と、前記隔壁52の後面より後方に突出され且つインキタンク7の前端開口部に挿着される接続管54と、前記隔壁52の前面または後面より軸方向に突出し且つ軸筒11内面(本体部112内面)に固着される取付筒部55とを備える。軸筒11及び隔壁52によって形成される空間(即ち吸蔵体収容部)に、インキ吸蔵体3が収容される。前記取付筒部55は、隔壁52前方の各々の連通管6の基部外周または接続管43の外周を包囲している。前記接続管54後端には切り欠きが形成される。前記切り欠きにより、前記接続管54後端には栓体71の片側を押圧するための突片54aが一体に形成される。前記隔壁52は円板状であり、前記各々の連通管6、前記接続管54、前記取付筒部55は、円筒状である。前記突片54aは、横断面形状が円弧状である。
図13(1)に示すように、隔壁52の前面には、板状のリブよりなる当接壁部52bが一体に形成される。前記当接壁部52bがインキ吸蔵体3の後端面と当接される。前記当接壁部52bにより、前記隔壁52と前記インキ吸蔵体3の後端面との間には、外気と連通する隙間9が形成される。前記隙間9は、前記空気通路10を介して、外気と連通される。前記当接壁部52bの一部は各々の連通管6の基部の間に形成され、各々の連通管6の基部側壁が連結される。それにより、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、各々の連通管6の隔壁52に対する折れ曲がりを抑えることができる。前記当接壁部52bは、横断面が、枝分かれ状、放射状、または十字状に形成される。
前記連通管6の各々の内部には、軸方向に流通路62が設けられ、前記流通路62が、前記連通管6の各々の両端にて開口される。前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の内部に位置し且つインキ吸蔵体3の内部前方に開口される。前記連通管6の各々の後端は、インキ吸蔵体3後方のインキタンク7内に開口される。前記複数本の連通管6において、1本の連通管6bが隔壁52後面より後方に突出され、且つ、その連通管6bの後端がインキタンク7内(接続管54内)に位置され、一方、他の連通管6aが隔壁52後面より後方に突出されていない(即ち他の連通管6aの後端が隔壁52後面と一致している)。前記各々の連通管6は、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体3と、その後方のインキタンク7との間に、独立した複数本の流通路62が並列に設けられる。前記連通管6の各々の流通路62は、接続管54内に位置する隔壁52の、軸心より離れた箇所に貫通される。
尚、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さは、28mmに設定される。また、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、両者とも14mmに設定される。また、本実施の形態において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2は、両者とも3mm(即ち10mm以内)に設定される。
前記インキタンク7は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒状体であり、合成樹脂の射出成形またはブロー成形により得られる。前記インキタンク7内には、直にインキ8が貯溜される。前記インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。
前記キャップ13は、ペン先2側に着脱自在に設けられる。前記キャップ13をペン先2側に装着することにより、ペン先2及び空気通路10の前端開口部が密封され、インキタンク内と外気との連通が遮断される。
本発明の第8の実施の形態の直液式筆記具1を図14乃至図16に示す。
本実施の形態は、第7の実施の形態の変形例であり、第7の実施の形態と異なる点は、連通管6の各々の内面(具体的には軸方向前方に開口する連通管6の各々の前端開口部の内面)に、流量規制部66(具体的には環状突出部)を設けた点にある。前記流量規制部66により、ペン先下向き状態で急激な圧力変化が生じた場合、インキタンク7内のインキ8が外部に吹き出すことを一層抑えることができる。尚、前記以外の構成は、第7の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
2 ペン先
21 環状溝
3 インキ吸蔵体
31 高密度部(第1のインキ吸蔵体)
32 低密度部(第2のインキ吸蔵体)
4 先部材
41 小径部
42 大径部
43 リブ
43a 規制壁部
43b 係止凸部
43c 突入部
5 中間部材
51 前方筒部
52 隔壁
53 後方筒部
54 接続管
54a 突片
55 取付筒部
6 連通管
61 傾斜カット面
62 流通路
63 インキ吸収体
64 リブ
66 流量規制部
6a 連通管
6b 連通管
7 インキタンク
8 インキ
9 隙間
10 空気通路
11 軸筒
111 先細部
112 本体部
113 リブ
113a 規制壁部
113b 筒状壁部
12 尾栓
13 キャップ
L インキ吸蔵体全体の軸方向の長さ
S1,S2 インキ吸蔵体の前端から連通管の前端までの軸方向の距離
T1,T2 連通管の前端とペン先の後端との軸方向の距離
Claims (9)
- ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、インキ吸蔵体とインキタンクとの間に隔壁を設け、前記隔壁前面より前方に前記連通管の各々を突出させ、前記連通管の各々の前端をインキ吸蔵体内部に位置させ、前記インキ吸蔵体が、高密度部と該高密度部より後方に連接される低密度部とを備え、前記高密度部に、前記連通管の各々の前端及び前記ペン先の後端を位置させ、少なくとも1本の連通管を前記隔壁後面より後方に突出させ、その連通管の後端をインキタンク内部に位置させたことを特徴とする直液式筆記具。
- 前記低密度部の内部を前記連通管の各々が貫通し、前記高密度部に、前記連通管の各々の前端及び前記ペン先の後端が位置してなる請求項1記載の直液式筆記具。
- インキ吸蔵体の後端から連通管の各々の前端を挿入した際に、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体の内部を前方に押圧圧縮することによって、連通管の各々の前端近傍のインキ吸蔵体の内部に前記高密度部が形成される請求項1または2記載の直液式筆記具。
- 前記高密度部が、インキ吸蔵体の外側面を径方向内方に押圧圧縮することにより形成される請求項1、2または3記載の直液式筆記具。
- 前記高密度部が、インキ吸蔵体の前端面を後方に押圧圧縮することにより形成される請求項1、2、3または4記載の直液式筆記具。
- 前記インキ吸蔵体が、高密度に設定された第1のインキ吸蔵体と、低密度に設定された第2のインキ吸蔵体とからなり、第1のインキ吸蔵体が前記高密度部を構成し、第2のインキ吸蔵体が前記低密度部を構成する請求項1または2記載の直液式筆記具。
- 開栓前のインキタンクの前端開口部を栓体によって閉鎖し、前記隔壁後面より後方に接続管を突出させ、前記接続管を前記インキタンクの前端開口部内に挿着し、前記接続管が前記栓体を押圧することによって前記インキタンクを開栓してなり、前記隔壁後面より後方に突出された連通管が前記接続管の内側に位置し、前記隔壁後面より後方に突出された連通管の後端が前記接続管の後端より前方に位置するかまたは前記隔壁後面より後方に突出された連通管の後端と前記接続管の後端との軸方向の位置が略一致してなる請求項1乃至6のいずれかに記載の直液式筆記具。
- インキタンクの開栓時に前記栓体の片側を押圧する突片を前記接続管後端の片側に設け、前記隔壁後面より後方に突出された連通管の外面と前記突片の内面とを近接させてなる請求項7記載の直液式筆記具。
- 前記インキ吸蔵体の容積を、前記インキタンクと前記各々の連通管とからなる空間の容積の40%以上に設定した請求項1乃至8のいずれかに記載の直液式筆記具。
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