JP2004326968A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Ryo Saito
涼 齊藤
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Abstract

【課題】球面収差量を0.02λ・rms以内に収める。
【解決手段】レーザー光Lを出射するレーザー光源11と、レーザ−光Lの入射面1aから信号面1cまでの厚さが薄い超高密度光ディスク1の信号面1cにレーザー光を集光し、レーザー光源側及び/又は超高密度光ディスク側の面がアプラナートの非球面で且つ開口数が0.75以上である対物レンズ16と、レーザー光源と超高密度光ディスクの信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段14とを備え、レーザー光源11から出射したレーザー光Lの基準波長λに対するバラツキと、対物レンズ16の基準厚さTに対するバラツキとを考慮しながらレーザー光源11と対物レンズ16とを組み合わせて、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量を0.02λ・rms以内に収める。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光源と超高密度光記録媒体の信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段を備えた光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販されているが、最近になって光ディスクに対してより一層高密度化を図るために、CD,DVDよりも情報信号を超高密度に記録及び/又は再生できる超高密度光ディスクの開発が盛んに行われている。
【0004】
これに伴って、超高密度光ディスクを記録及び/又は再生するための光ピックアップ装置の開発も行われており、この光ピックアップ装置では波長が450nm以下のレーザー光を開口数(NA)が0.75以上の対物レンズで絞ってレーザービームを得て、このレーザービームをディスク厚さが略0.1mm程度に薄く形成した超高密度光ディスクの信号面に照射して記録及び/又は再生するものである。
【0005】
ところで、超高密度光ディスクを記録及び/又は再生するための光ピックアップ装置は各種の構造形態があるものの、一例として、基準波長λが400nm程度のレーザー光源と、レーザー光源と超高密度光ディスクの信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段と、開口数が0.85より大とされ且つ軽量な非球面単玉対物レンズとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−5032号公報(第9頁、第2図)
【0007】
図13は従来の光ピックアップ装置の一例を示した構成図である。
図13に示した従来の光ピックアップ装置100は、上記した特許文献1(特開2003−5032号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0008】
図13に示した如く、従来の光ピックアップ装置100において、レーザー光源101から出射された基準波長λが400nm程度のレーザー光Lは、カップリングレンズ102,ビーム整形プリズムペア103,偏向ビームスプリッタ104,ビームエキスパンダ105,1/4波長板106,及び絞り107を順に通過し、開口数が0.85より大とされ且つ軽量な非球面単玉対物レンズ108によって絞られたレーザービームLaが情報記録媒体の保護層109を介して信号面109aに照射される。この後、信号面109aで反射された戻り光Lbは、上記とは逆に非球面単玉対物レンズ108,絞り107,1/4波長板106,ビームエキスパンダ105を順に通過し、偏向ビームスプリッタ104によって反射されてシリンドリカルレンズ111,フォーカシングレンズ112を通過して光検出器113上に達して信号面情報が検出される。
【0009】
ここで、球面収差補正手段としてのビームエキスパンダ105は、負レンズ105Aと、1軸アクチュエータ105Bと、正レンズ105Cとを備え、且つ、負レンズ105Aが1軸アクチュエータ105Bにより正レンズ105Cに対して光軸方向に沿って変位可能になっている。また、非球面単玉対物レンズ108は2軸アクチュエータ110によりフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動される。
【0010】
上記のように構成した従来の光ピックアップ装置100では、レーザー光源101から出射したレーザー光Lの基準波長λに対するバラツキ,環境変化,情報記録媒体の保護層109の厚さ誤差,非球面単玉対物レンズ108の製造誤差などに起因して、ビームエキスパンダ105を作動させることで、レーザー光源101と情報記録媒体の信号面109aとの間の光軸上に配置された集光光学系中で発生する球面収差を補正することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の光ピックアップ装置100によれば、ビームエキスパンダ105によって上記した集光光学系中で発生する球面収差を補正することができ、同号公報中の段落番号0093に実施例7の両面非球面単玉レンズを用いた場合では、レーザー光源101で+1nmのモードホッピングが起こった場合の波面収差のデフォーカス成分を0.006λ・rms(計算値)と小さく抑えることができる旨が記載されているものの、波面収差を0.006λ・rms程度に抑えたとしても前述したような超高密度光ディスクでは信号面に集光したビームスポットが回折限界の大きさよりも大きくなり、記録特性,再生特性の劣化を引き起こすことになる。とくに、非球面単玉対物レンズ108では、レーザー光源101から出射したレーザー光Lの基準波長λが基準値から僅かにずれただけでも色収差による球面収差が発生し、更に、非球面単玉対物レンズ108中で互いに対向する非球面間の光軸方向のレンズ厚さ(軸上厚さ)のバラツキでも球面収差が発生して、ビームエキスパンダ105による球面収差の補正範囲を越えてしまうなどの問題が発生する。
【0012】
そこで、円盤状又はカード状の超高密度光記録媒体に対して球面収差補正手段を作動させた時に球面収差量を0.02λ・rms以内に収めることができる光ピックアップ装置が望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザー光を出射するレーザー光源と、
前記レーザー光の入射面から信号面までの厚さが薄い超高密度光記録媒体の前記信号面に前記レーザー光を集光し、前記レーザー光源側及び/又は前記超高密度光記録媒体側の面がアプラナートな非球面で且つ開口数が0.75以上である対物レンズと、
前記レーザー光源と前記超高密度光記録媒体の前記信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段とを備え、
前記レーザー光源から出射した前記レーザー光の基準波長λに対するバラツキと、前記対物レンズの基準厚さに対するバラツキとを考慮しながら前記レーザー光源と前記対物レンズとを組み合わせて、前記球面収差補正手段を作動させた時の前記球面収差量を0.02λ・rms以内に収めたことを特徴とする光ピックアップ装置を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例を図1乃至図12を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成を示した構成図、
図2は図1に示した球面収差補正手段を拡大して示した図、
図3は図1に示した対物レンズと、単層の信号面を形成した超高密度光ディスクとを拡大して示した図である。
【0016】
図1に示した本発明に係る光ピックアップ装置10は、単層の信号面1cを形成した超高密度光記録媒体(以下、超高密度光ディスクと記す)1、又は、後述の図7に示した2層の信号面2c,2eを形成した超高密度光記録媒体(以下、超高密度光ディスクと記す)2を記録及び/又は再生するために開発したものである。尚、実施例では、本発明に係る光ピックアップ装置10を、超高密度光記録媒体として円盤状の超高密度光ディスク1又は超高密度光ディスク2に適用した場合について以下に説明するが、これに限ることなく、矩形状の光カードなどにも適用することも可能である。
【0017】
まず、図1に示した如く、超高密度光ディスク1は、レーザービーム入射面1aから光透過層1bを介して信号面1cまでのディスク厚さが0.1mm程度に薄く形成されたものであるが、この実施例では、単層の信号面1cを形成した超高密度光ディスク1のディスク基準厚さをD(mm)として以下説明する。
【0018】
上記した光ピックアップ装置10では、波長が450nm以下のレーザー光Lを出射するレーザー光源(以下、半導体レーザーと記す)11と、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lと超高密度光ディスク1からの戻り光Lbとを分離するビームスプリッタ12と、コリメータレンズ13と、半導体レーザー11と超高密度光ディスク1の信号面1cとの間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段14と、立ち上げミラー15と、半導体レーザー11側の第1面16aと超高密度光ディスク1側の第2面16bとの間の光軸上に所定のレンズ厚さを有し、且つ、第1,第2面16a,16bのうち少なくとも1面をアプラナートな非球面に形成して、開口数(NA)が0.75以上である単玉の対物レンズ16と、ビームスプリッタ12を通過した超高密度光ディスク1からの戻り光Lbを集光するシリンドリカルレンズ17と、光検出器18とで構成されている。尚、以下の説明では、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの基準波長をλ(nm)とし、且つ、対物レンズ16のレンズ基準厚さをT(mm)として説明する。
【0019】
上記構成による光ピックアップ装置10の動作を説明すると、半導体レーザ11から射出されたレーザー光Lは、ビームスプリッタ12の半透過反射面12aで反射されてほぼ90°方向を転じられ、コリメータレンズ13で収束され、球面収差補正手段14で平行度を調整され、立ち上げミラー15によって略90°方向を転じられた後、対物レンズ16によって絞られたレーザービームLaが超高密度光ディスク1の信号面1cにスポット状に集光される。
【0020】
この後、超高密度光ディスク1の信号面1cで反射された戻り光Lbは、上記とは逆に、対物レンズ16,立ち上げミラー15,球面収差補正手段14,コリメータレンズ13を通った後に、ビームスプリッタ12の半透過反射面12aを透過し、シリンドリカルレンズ17を通って光検出器18に達して信号面情報が検出される。
【0021】
ここで、本発明の要部の一部となる球面収差補正手段14は、図2にも拡大して示した如く、半導体レーザー11側に設けた凹レンズ(負レンズ)14Aと、凹レンズ14Aを光軸方向に沿って変位させるアクチュエータ14Bと、対物レンズ16側に設けた凸レンズ(正レンズ)14Cとから構成されている。そして、凹レンズ14Aをアクチュエータ14Bによって凸レンズ14Cに対して光軸方向に変位させ、凹レンズ14Aと凸レンズ14Cとの間隔を制御して、対物レンズ16に入射するレーザー光Lの平行度を調整して、対物レンズ16の倍率誤差による球面収差を発生させて他の球面収差と相殺することで球面収差を補正している。
【0022】
具体的には、凹レンズ14Aと凸レンズ14Cとの間隔を近づけると、近づける前に比べて発散光が出射され、超高密度光ディスク1の光透過層1bの厚さが予め設定したディスク基準厚さDより厚い場合に対して球面収差を小さくする。逆に、凹レンズ14Aと凸レンズ14Cとの間隔を遠ざけると、遠ざかる前に比べて収束光が出射され、超高密度光ディスク1の光透過層1bの厚さが予め設定したディスク基準厚さDより薄い場合に対して球面収差を小さくする。このような極性は、凹レンズ14Aと凸レンズ14Cの順序を入れ替えても変わらないので、正負のレンズ14A,14Bの順序はどちらが先でも良い。
【0023】
更に、この実施例では、球面収差補正手段14を例えばコリメータレンズ13と立ち上げミラー15間の光路、又は、立上ミラー15と対物レンズ16間の光路に設置している。
【0024】
そして、後述するように、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの基準波長λに対するバラツキと、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキ(=レンズ厚さ誤差)とを考慮しながら半導体レーザー11と対物レンズ16とを組み合わせて、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量を0.02λ・rms以内に収めたことを特徴とするものである。
【0025】
次に、本発明の要部の一部となる対物レンズ16は、図3にも拡大して示した如く、アプラナートな非球面の第1面16aと第2面16bとを有し、半導体レーザ11から出射したレーザー光Lを第1,第2面16a,16bにより絞ってレーザービームLaを得て、このレーザービームLaを超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aから入射して光透過層1bを介して像面となる信号面1cに集光している。
【0026】
この際、対物レンズ16の第1面16aの頂点における曲率半径はR1であり、第2面16bの頂点における曲率半径はR2である。また、対物レンズ16のレンズ基準厚さはTであり、超高密度光ディスク1の光透過層1bによるディスク基準厚さはDである。更に、対物レンズ16の作動距離はDWである。
【0027】
ここで、対物レンズ16が満たす各条件式の説明に先立ち、レンズの設計に関して基本的な軸上収差特性、軸外収差特性、偏芯公差のバランスについて説明する。尚、偏芯公差とは、偏芯がある場合の波面収差の増加で定義される。
【0028】
実施例では、軸上収差、軸外収差及び偏芯公差を確保するために、次の3つの条件のバランスを取ることが要請される。
【0029】
(1)軸上収差を確保するため、対物レンズ16の球面収差が補正されていること。
【0030】
(2)軸外収差を確保するため、対物レンズ16が正弦条件を満たしていること。
【0031】
(3)偏芯公差を確保するため、対物レンズ16の第2面16bが単独で正弦条件を満たしていること。
【0032】
この際、両面非球面レンズ16a,16bは、軸上収差及び軸外収差を確保するための条件(1)と(2)の2つを同時に満たすことが出来る。条件(1)と(2)を同時に満たすレンズをアプラナートと呼ぶ。
【0033】
ところで、条件(2)が満足されていて、条件(3)がほぼ満たされると、レンズ全体が正弦条件を満たし、且つ、対物レンズ16の第2面16bも正弦条件をほぼ満足することから、対物レンズ16の第1面16aにおいても光線高さと屈折角の関係において正弦条件がほぼ満足される。
【0034】
更に、実施例においては、軸上収差及び軸外収差を確保するための条件(1)と条件(2)、偏芯公差を確保するための条件(3)のバランスを取り、ほぼ満足されている条件(3)の満足度を案分することで、軸上収差及び軸外収差を確保しつつ、対物レンズ16の製造が可能な偏芯公差を確保することが可能である。
【0035】
ここで、対物レンズ16及び超高密度光ディスク1の仕様の一例を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004326968
この表1から、実施例では、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの基準波長λを例えば405nmに設定し、且つ、対物レンズ16は開口数(NA)が0.85のものを使用する。
【0037】
次に、対物レンズ16及び超高密度光ディスク1の設計値の一例を下記の表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 2004326968
この表2から、実施例では、対物レンズ16の第1面16aの頂点における曲率半径R1が例えば1.81217mmであり、第2面16bの頂点における曲率半径R2が例えば−6.50758mmであり、対物レンズ16のレンズ基準厚さTが例えば3.104mmであり、対物レンズ16の作動距離DWは0.5mmである。また、超高密度光ディスク1の光透過層1bのディスク基準厚さDは例えば0.100mmである。
【0039】
次に、対物レンズ16の第1面16a及び第2面16bを非球面に形成する際、以下の多項式を用いて非球面を表すものとする。
Figure 2004326968
但し、Zは各面16a,16bの頂点からの距離、Cは各面16a,16bの曲率(曲率半径分の1)、Yは光軸からの高さ、Kはコーニック定数、a〜fは4次から14次の非球面係数である。例えば、aはYの4乗の係数に相当する。
【0040】
上記の多項式を用いた時に、対物レンズ16の第1面16aを非球面に形成するための非球面係数の一例を下記の表3に示す。
【0041】
【表3】
Figure 2004326968
また、上記の多項式を用いた時に、対物レンズ16の第2面16bを非球面に形成するための非球面係数の一例を下記の表4に示す。
【0042】
【表4】
Figure 2004326968
次に、半導体レーザ11から出射したレーザー光Lの基準波長λが405nmの時に、対物レンズ16及び超高密度光ディスク1の光学材料の屈折率の一例を下記の表5に示す。
【0043】
【表5】
Figure 2004326968
更に、半導体レーザ11から出射したレーザー光Lの基準波長λが405nmの時に、対物レンズ16の軸上収差、軸外収差と、対物レンズ16の第1面16aと第2面16bのずれが5μmの時の収差を下記の表6に示す。
【0044】
【表6】
Figure 2004326968
上記から対物レンズ16は、球面収差補正手段14による補正がなく入射光が平行光(倍率が0倍)の時、超高密度光ディスク1のディスク基準厚さD=0.100mmにおいて収差が完全に補正される。軸外特性もよく補正されていて対物レンズ16はアプラナート(偏芯公差を良くした対物レンズ)である。
【0045】
ところで、一般的に光ディスクにおいては、レーザー光を対物レンズで集光して照射する信号面の位置はディスク基準厚さとは限らず、ディスク基準厚さに対してディスク厚さ誤差が存在するものである。この実施例では、超高密度光ディスク1の光透過層1bによるディスク基準厚さDを例えば0.100mmに設定した時に、ディスク基準厚さD=0.100mm=100μmに対して±5μmのディスク厚さ誤差が許容されるものとする。このような場合、球面収差補正手段14により対物レンズ16に入射するレーザー光Lの平行度を調整して球面収差の補正を行う際に、球面収差補正手段14は、超高密度光ディスク1のディスク厚さ誤差により発生する球面収差を、対物レンズ16への入射光の平行度の変化により対物レンズ16で生じる倍率誤差により相殺する。
【0046】
この実施例では、半導体レーザー11の基準波長をλとした場合に、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量を0.02λ・rms以内に収めることで、超高密度光ディスク1に対して十分な記録又は再生の特性を確保することができる。
【0047】
ここで、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量を0.02λ・rms以内に収める理由を述べると、特開平12−322758号公報に開示された光記録再生装置に記載されているように、光記録再生装置において波面収差の大きさ(許容値)はマレシャルクライテリオン(0.07λ・rms)より小さくする必要があり、これに伴ってこの実施例において球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量は、マレシャルクライテリオンの許容値0.07λ・rmsの2乗から対物レンズ16のチルトや超高密度光ディスク1のチルトによるコマ収差0.05λ・rmsの2乗と、球面収差補正手段14の取り付け誤差などによる収差0.03λ・rmsの2乗と、対物レンズ16の高次フイットエラー収差0.02λ・rmsの2乗と、対物レンズ16を除いたその他平行光収差0.025λ・rmsの2乗とによる加算値を引き算して得た値に対して平方根を取ることで、下記の式のように求めたものである。
【0048】
即ち、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量
Figure 2004326968
但し、sqrtはルートを示す。
【0049】
そして、球面収差補正手段14を作動させた時に、半導体レーザー11から基準波長λ=405nmのレーザー光Lを、レンズ基準厚さT=3.104mmを有する対物レンズ16に入射した入射光線と、超高密度光ディスク1のディスク厚さと平行度の関係を下記の表7に示す。
【0050】
【表7】
Figure 2004326968
この表7から、超高密度光ディスク1のディスク厚さが0.095mmの場合にはレーザー光Lが2000mmの収束光となり、また、超高密度光ディスク1のディスク基準厚さD=0.100mmの場合にレーザー光Lが21500mmの発散光となり、更に、超高密度光ディスク1のディスク厚さが0.105mmの場合にはレーザー光Lが1900mmの発散光となる。このように、球面収差補正手段14は、対物レンズ16に入射させるレーザー光Lを、収束光から平行光を経て拡散光に連続的に変化させるものである。
【0051】
尚、2000mmの収束光は、光源が仮に2000mm離れた位置からの収束光を示し、21500mm又は1900mmの発散光は、光源が仮に21500mm又は1900mm離れた位置からの発散光を示す。
【0052】
ここで、球面収差補正手段14を作動させて半導体レーザー11から出射したレーザー光Lを対物レンズ16により絞って得たレーザービームLaで超高密度光ディスク1の信号面1cを再生した時に、レーザー光Lの基準波長λのバラツキに対して、対物レンズ16のレンズ基準厚さT=3.104mmを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時の球面収差(λ・rms)の依存性について、図4〜図6を用いて説明する。
【0053】
図4は球面収差補正手段を作動させて、基準波長405nmのレーザー光で単層の信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクのディスク厚さ0.095mm,0.100mm,0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図、
図5は球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも5nm短い波長400nmのレーザー光で単層の信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクのディスク厚さ0.095mm,0.100mm,0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図、
図6は球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも7nm長い波長412nmのレーザー光で単層の信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクのディスク厚さ0.095mm,0.100mm,0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【0054】
図4〜図6において、球面収差補正手段14によりレーザー光Lの平行度を変化させて、球面収差が最小となるようにしている。図中の符号●は、超高密度光ディスク1のディスク厚さが基準値よりも0.005mm薄く形成されて0.095mmである場合を示し、また、図中の符号◆は超高密度光ディスク1のディスク基準厚さDが0.100mmである場合を示し、更に、図中の符号▲は、超高密度光ディスク1のディスク厚さが基準値よりも0.005mm厚く形成されて0.105mmである場合を示している。
【0055】
より具体的に説明すると、図4に示したように、球面収差補正手段14を作動させて、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lが基準波長λ=405nmの場合に、超高密度光ディスク1のディスク厚さがディスク基準厚さD=0.100mmに対し±5μmの許容範囲(0.095mm〜0.105)内で変化しても球面収差量を0.02λ・rms以内に収めるために、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキは−10μmから+12μmの範囲が許される。
【0056】
また、図5に示したように、球面収差補正手段14を作動させてレーザー光Lが基準波長λ=405nmよりも5nm短い波長400nmの場合に、超高密度光ディスク1のディスク厚さが許容範囲(0.095mm〜0.105)内で変化しても球面収差量を0.02λ・rms以内に収めるために、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキは−8μmから+14μmの範囲が許される。
【0057】
更に、図6に示したように、球面収差補正手段14を作動させてレーザー光Lが基準波長λ=405nmよりも7nm長い波長412nmの場合に、超高密度光ディスク1のディスク厚さが許容範囲(0.095mm〜0.105)内で変化しても球面収差量を0.02λ・rms以内に収めるために、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキは−14μmから+12μmの範囲が許される。
【0058】
上記したように、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの基準波長λのバラツキ範囲に対して、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量が0.02λ・rms以内に収まる対物レンズ16のレンズ厚さ誤差範囲を求め、両者の関係を不図示のメモリに記憶させ、この後、半導体レーザー11と対物レンズ16とを組み合わせれば良い。
【0059】
次に、本発明に係る光ピックアップ装置10を2層の信号面を形成した超高密度光ディスクに適用した場合について図7を用いて簡略に説明する。
【0060】
図7は本発明に係る光ピックアップ装置を2層の信号面を形成した超高密度光ディスクに適用した場合を説明するための図であり、(a)はレーザー光を対物レンズで絞って得たレーザービームを超高密度光ディスクの第1,第2信号面に集光させた状態を示し、(b)は超高密度光ディスクを拡大した状態を示した図である。
【0061】
図7(a),(b)に示した如く、超高密度光ディスク2は、レーザービーム入射面2aから第1光透過層2bを介して第1信号面2cが形成され、第1光透過層2bによる第1ディスク厚さは0.080mmに設定されている。また、超高密度光ディスク2は、レーザービーム入射面2aから第1光透過層2b,第1信号面2c,第2光透過層2dを介して第2信号面2eが形成され、第1光透過層2bと第2光透過層2dとを合わせた第2ディスク厚さは0.105mmに設定されている。
【0062】
そして、球面収差補正手段14(図1,図2)を作動させた時に、半導体レーザー11から基準波長λ=405nmのレーザー光Lを、レンズ基準厚さT=3.104mmを有する対物レンズ16に入射した入射光線と、超高密度光ディスク2の第1,第2ディスク厚さと平行度の関係を下記の表8に示す。
【0063】
【表8】
Figure 2004326968
この表8から、超高密度光ディスク2の第1信号面2cの第1ディスク厚さが0.080mmの場合にレーザー光Lは460mmの収束光となり、また、超高密度光ディスク2の第2信号面2eの第2ディスク厚さが0.105mmの場合にレーザー光Lは1900mmの発散光となる。
【0064】
ここで、球面収差補正手段14(図1,図2)を作動させて半導体レーザー11から出射したレーザー光Lを対物レンズ16により絞って得たレーザービームLaで超高密度光ディスク2の第1,第2信号面2c,2eを再生した時に、レーザー光Lの基準波長λのバラツキに対して、対物レンズ16のレンズ基準厚さT=3.104mmを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時の球面収差(λ・rms)の依存性について、図8〜図10を用いて説明する。
【0065】
図8は球面収差補正手段を作動させて、基準波長405nmのレーザー光で2層の第1,第2信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクの第1ディスク厚さ0.08mm,第2ディスク厚さ0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図、
図9は球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも5nm短い波長400nmのレーザー光で2層の第1,第2信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクの第1ディスク厚さ0.08mm,第2ディスク厚さ0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図、
図10は球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも7nm長い波長412nmのレーザー光で2層の第1,第2信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクの第1ディスク厚さ0.08mm,第2ディスク厚さ0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【0066】
図8〜図10において、球面収差補正手段14(図1,図2)によりレーザー光Lの平行度を変化させて、球面収差が最小となるようにしている。図中の符号●は、超高密度光ディスク2の第1信号面2cの第1ディスク厚さが0.080mmである場合を示し、また、図中の符号◆は超高密度光ディスク2の第2信号面2eの第2ディスク厚さが0.105mmである場合を示している。
【0067】
より具体的に説明すると、図8に示したように、球面収差補正手段14を作動させて、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lが基準波長λ=405nmの場合に、超高密度光ディスク2の第1ディスク厚さ0.080mm,第2ディスク厚さ0.105mに対して球面収差量を0.02λ・rms以内に収めるために、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキは−4μmから+14μmの範囲が許される。
【0068】
また、図9に示したように、球面収差補正手段14を作動させてレーザー光Lが基準波長λ=405nmよりも5nm短い波長400nmの場合に、超高密度光ディスク2の第1ディスク厚さ0.080mm,第2ディスク厚さ0.105mに対して球面収差量を0.02λ・rms以内に収めるために、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキは0μmから+14μmの範囲が許される。
【0069】
更に、図10に示したように、球面収差補正手段14を作動させてレーザー光Lが基準波長λ=405nmよりも7nm長い波長412nmの場合に、超高密度光ディスク2の第1ディスク厚さ0.080mm,第2ディスク厚さ0.105mに対して球面収差量を0.02λ・rms以内に収めるために、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキは−6μmから+12μmの範囲が許される。
【0070】
ここでも、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの波長のバラツキ範囲に対して、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量が0.02λ・rms以内に収まる対物レンズ16のレンズ厚さ誤差範囲を求め、両者の関係を不図示のメモリに記憶させ、この後、半導体レーザー11と対物レンズ16とを組み合わせれば良い。
【0071】
次に、本発明に係る光ピックアップ装置10の第1組立方法について、図11を用いて説明する。
【0072】
図11は本発明に係る光ピックアップ装置の第1組立方法を説明するためのフロー図である。
図11に示した本発明に係る光ピックアップ装置10の第1組立方法において、ステップS1では、球面収差補正手段14を作動させた時に、半導体レーザー11と超高密度光ディスク1(又は2)の信号面との間の光軸上に配置された集光光学系中によって発生する球面収差量が所定値=0.02λ・rms以内となるように球面収差補正範囲を決定する。
【0073】
次に、ステップS2では、半導体レーザー11から出射するレーザー光Lの波長のバラツキ範囲を決定する。この際、半導体レーザー11から出射するレーザー光Lの基準波長λのバラツキ範囲は、半導体レーザー11の基準波長λに対して製造誤差、歩留まり等に応じた誤差範囲値とする。
【0074】
次に、ステップS3では、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの波長を測定する。
【0075】
次に、ステップS4では、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの波長がバラツキ範囲内であるか否かを問い、半導体レーザー11のレーザー光Lの波長がバラツキ範囲外の場合(NOの場合)にはステップS3に戻って他の半導体レーザー11のレーザー光Lの波長を測定する。一方、半導体レーザー11レーザー光Lの波長がバラツキ範囲内である場合(YESの場合)にはステップS5に移行する。
【0076】
次に、ステップS5では、対物レンズ16のレンズ厚さを測定する。
【0077】
次に、ステップS6では、球面収差補正手段14を作動させた時に、対物レンズ16のレンズ厚さが球面収差量0.02λ・rms以内となる値であるか否かを問い、球面収差量0.02λ・rms以上の値の場合(NOの場合)にステップS5に戻って他の対物レンズ16のレンズ厚さを測定する。一方、対物レンズ16のレンズ厚さが球面収差量0.02λ・rms以内となる値である場合(YESの場合)はステップS7に移行する。
【0078】
次に、ステップS7では、レーザー光Lの波長がバラツキ範囲内の半導体レーザー11と、レンズ厚さが球面収差量0.02λ・rms以内となる値を有する対物レンズ16とを組み合わせることで、光ピックアップ装置10を組み立ててこのステップを終了する。
【0079】
次に、本発明に係る光ピックアップ装置10の第2組立方法について、図12を用いて説明する。
【0080】
図12は本発明に係る光ピックアップ装置の第2組立方法を説明するためのフロー図である。
図12に示した本発明に係る光ピックアップ装置10の第2組立方法において、ステップS11では、球面収差補正手段14を作動させた時に、半導体レーザー11と超高密度光ディスク1(又は2)の信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差量が所定値=0.02λ・rms以内となるような球面収差補正範囲を決定する。
【0081】
次に、ステップS12では、対物レンズ16のレンズ厚さ誤差範囲を決定する。この際、対物レンズ16のレンズ厚さ誤差範囲は、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対して製造誤差、歩留まり等に応じた誤差範囲値とする。
【0082】
次に、ステップS13では、対物レンズ16のレンズ厚さを測定する。
【0083】
次に、ステップS14では、対物レンズ16のレンズ厚さがレンズ厚さ誤差範囲内であるか否かを問い、対物レンズ16のレンズ厚さがレンズ厚さ誤差範囲外の場合(NOの場合)にはステップS13に戻って他の対物レンズ16のレンズ厚さを測定する。一方、対物レンズ16のレンズ厚さがレンズ厚さ誤差範囲内である場合(YESの場合)にはステップS15に移行する。
【0084】
次に、ステップS15では、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの波長を測定する。
【0085】
次に、ステップS16では、球面収差補正手段14を作動させた時に、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの波長が球面収差量0.02λ・rms以内となる値であるか否かを問い、球面収差量0.02λ・rms以上の値の場合(NOの場合)にステップS15に戻って他の半導体レーザー11のレーザー光Lの波長を測定する。一方、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lの波長が球面収差量0.02λ・rms以内となる値である場合(YESの場合)はステップS17に移行する。
【0086】
次に、ステップS17では、レンズ厚さがレンズ厚さ誤差範囲内の対物レンズ16と、レーザー光Lの波長が球面収差量0.02λ・rms以内となる値を有する半導体レーザー11とを組み合わせることで、光ピックアップ装置10を組み立ててこのステップを終了する。
【0087】
以上詳述した本発明に光ピックアップ装置10によると、とくに、半導体レーザー(レーザー光源)11から出射するレーザー光Lの基準波長λに対するバラツキと、対物レンズ16のレンズ基準厚さTに対するバラツキ(=レンズ厚さ誤差)とを考慮しながら半導体レーザー(レーザー光源)11と対物レンズ16とを組み合わせて、球面収差補正手段14を作動させた時の球面収差量を0.02λ・rms以内に収めているので、1層又は2層以上の信号面を形成した超高密度光ディスク1(又は2)に対して記録特性,再生特性を良好に維持することができる。
【0088】
尚、上記した実施例では、対物レンズ16の第1,第2面16a,16bをアプラナートな非球面に形成しているが、完全にアプラナートとまではいかない、アプラナートに近づけた略アプラナートの対物レンズでも十分可能である。アプラナートの程度、信号記録面の層の数により、半導体レーザ11の波長のバラツキ範囲、対物レンズ16のレンズ厚さ誤差が支配される。
【0089】
更に、前述の実施例においては、単層の信号面1cを形成した超高密度光ディスク1又は2層の第1,第2信号面2c,2eを形成した超高密度光ディスク2の場合について説明したが、これに限ることなく、例えば3層,4層以上の信号面を形成した超高密度光ディスクに対して適用することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る光ピックアップ装置によると、レーザー光を出射するレーザー光源と、前記レーザー光の入射面から信号面までの厚さが薄い超高密度光記録媒体の前記信号面に前記レーザー光を集光し、前記レーザー光源側及び/又は前記超高密度光記録媒体側の面がアプラナートな非球面で且つ開口数が0.75以上である対物レンズと、前記レーザー光源と前記超高密度光記録媒体の前記信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段とを備え、前記レーザー光源から出射した前記レーザー光の基準波長λに対するバラツキと、前記対物レンズの基準厚さに対するバラツキとを考慮しながら前記レーザー光源と前記対物レンズとを組み合わせて、前記球面収差補正手段を作動させた時の前記球面収差量を0.02λ・rms以内に収めているので、1層又は2層以上の信号面を形成した超高密度光記録媒体に対して記録特性,再生特性を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成を示した構成図である。
【図2】図1に示した球面収差補正手段を拡大して示した図である。
【図3】図1に示した対物レンズと、単層の信号面を形成した超高密度光ディスクとを拡大して示した図である。
【図4】球面収差補正手段を作動させて、基準波長405nmのレーザー光で単層の信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクのディスク厚さ0.095mm,0.100mm,0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【図5】球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも5nm短い波長400nmのレーザー光で単層の信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクのディスク厚さ0.095mm,0.100mm,0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【図6】球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも7nm長い波長412nmのレーザー光で単層の信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクのディスク厚さ0.095mm,0.100mm,0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【図7】本発明に係る光ピックアップ装置を2層の信号面を形成した超高密度光ディスクに適用した場合を説明するための図であり、(a)はレーザー光を対物レンズで絞って得たレーザービームを超高密度光ディスクの第1,第2信号面に集光させた状態を示し、(b)は超高密度光ディスクを拡大した状態を示した図である。
【図8】球面収差補正手段を作動させて、基準波長405nmのレーザー光で2層の第1,第2信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクの第1ディスク厚さ0.08mm,第2ディスク厚さ0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【図9】球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも5nm短い波長400nmのレーザー光で2層の第1,第2信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクの第1ディスク厚さ0.08mm,第2ディスク厚さ0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【図10】球面収差補正手段を作動させて、基準波長よりも7nm長い波長412nmのレーザー光で2層の第1,第2信号面を形成した超高密度光ディスクを再生した場合に、超高密度光ディスクの第1ディスク厚さ0.08mm,第2ディスク厚さ0.105mmに対して、対物レンズのレンズ基準厚さを中心にしてレンズ厚さ誤差±16μmの範囲で振った時に球面収差(λ・rms)の依存性を示した図である。
【図11】本発明に係る光ピックアップ装置の第1組立方法を説明するためのフロー図である。
【図12】本発明に係る光ピックアップ装置の第2組立方法を説明するためのフロー図である。
【図13】従来の光ピックアップ装置の一例を示した構成図である。
【符号の説明】
1…単層の信号面を形成した超高密度光記録媒体(超高密度光ディスク)、
1a…レーザービーム入射面、1b…光透過層、1c…信号面、
2…2層の信号面を形成した超高密度光記録媒体(超高密度光ディスク)、
2a…レーザービーム入射面、2b…第1光透過層、2c…第1信号面、
2d…第2光透過層、2e…第2信号面、
10…光ピックアップ装置、
11…レーザー光源(半導体レーザー)、12…ビームスプリッタ、
13…コリメータレンズ、
14…球面収差補正手段、
14A…凹レンズ、14B…アクチュエータ、14C…凸レンズ、
15…立ち上げミラー、
16…対物レンズ、16a…第1面、16b…第2面、
17…シリンドリカルレンズ、18…光検出器、
D…超高密度光ディスクのディスク基準厚さ、
T…対物レンズのレンズ基準厚さ、
λ…半導体レーザーから出射したレーザー光の基準波長。

Claims (1)

  1. レーザー光を出射するレーザー光源と、
    前記レーザー光の入射面から信号面までの厚さが薄い超高密度光記録媒体の前記信号面に前記レーザー光を集光し、前記レーザー光源側及び/又は前記超高密度光記録媒体側の面がアプラナートな非球面で且つ開口数が0.75以上である対物レンズと、
    前記レーザー光源と前記超高密度光記録媒体の前記信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段とを備え、
    前記レーザー光源から出射した前記レーザー光の基準波長λに対するバラツキと、前記対物レンズの基準厚さに対するバラツキとを考慮しながら前記レーザー光源と前記対物レンズとを組み合わせて、前記球面収差補正手段を作動させた時の前記球面収差量を0.02λ・rms以内に収めたことを特徴とする光ピックアップ装置。
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