JP2006244656A - 対物レンズ、光ピックアップ装置、及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明基板厚みや像側開口数の異なる複数世代に対して良好に収差補正され、かつ作動距離が確保された対物レンズを提供する。
【解決手段】 屈折レンズ8aの光源側の表面に樹脂層8bが接合され、さらにその表面にはブレーズ形状の回折面が形成されている。ブレーズ形状あるいはキノフォームと呼ばれる回折格子形状は、回折格子の形状としては最も回折効率が高く有利であり、ある波長に対して最適化されると、その波長での回折効率はスカラー回折理論によれば100%になり、またこれを階段近似した形状であっても90%以上の回折効率を期待できる。符号dはブレーズ形状の格子溝深さであって回折面における回折効率に作用する。
【選択図】 図3
【解決手段】 屈折レンズ8aの光源側の表面に樹脂層8bが接合され、さらにその表面にはブレーズ形状の回折面が形成されている。ブレーズ形状あるいはキノフォームと呼ばれる回折格子形状は、回折格子の形状としては最も回折効率が高く有利であり、ある波長に対して最適化されると、その波長での回折効率はスカラー回折理論によれば100%になり、またこれを階段近似した形状であっても90%以上の回折効率を期待できる。符号dはブレーズ形状の格子溝深さであって回折面における回折効率に作用する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、対物レンズ、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、詳しくは、光源からの入射光束を情報記録媒体の記録面に集光する対物レンズ、情報記録媒体の記録面に光を照射して記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置、及びこの光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関するものである。
近年、情報記録媒体(以下、光ディスクという)としてCDやDVD等の光ディスクが広く普及しており、これらの光ディスクに記録再生処理(アクセス)するための光ディスク装置の開発が行われている。また、最近ではBlu−ray DiscやHD−DVD等のさらに大容量の光ディスク、及びその光ディスクにアクセスするための光ディスク装置の開発も進められている。これらの光ディスク装置では、光ディスクの記録面にレーザ光の微小スポットの光束を形成することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置には、記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として光ピックアップ装置が設けられている。
一般的に光ピックアップ装置は対物レンズを含み、光源から出射される光束を記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された光検出器などを備えている。この光検出器からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体と対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。そして、光ディスク装置は、光検出器からの出力信号に基づいて、記録面の所定位置に所定形状の光スポットが形成されるように各種サーボ制御を行っている。
一般的に光ピックアップ装置は対物レンズを含み、光源から出射される光束を記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された光検出器などを備えている。この光検出器からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体と対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。そして、光ディスク装置は、光検出器からの出力信号に基づいて、記録面の所定位置に所定形状の光スポットが形成されるように各種サーボ制御を行っている。
前述したように情報記録媒体には、CDやDVD、さらに大容量のBlu−ray DiscやHD−DVD等、光源波長や透明基板厚さ、対物レンズのNA(開口数)等の規格が異なる数種類の光ディスクが存在している。これらの光ディスクを同一の光ディスク装置で取扱える事が望ましいが、それぞれの光ディスクに対応した光ピックアップ装置を複数搭載する事は、小型化、低コスト化の観点から好ましくない。
そこで、図12に示すように青色(Blu−ray DiscやHD−DVD等)用光源100、DVD用光源200、CD用光源300の各光源と、各光源からの出射光束を所定の光ディスク9に集光させるための1つの対物レンズ8を備えた構成が望ましい。すなわち、1つの対物レンズで、青色、DVD、あるいはCDの異なる規格の光ディスクに対してほぼ回折限界に収差補正する必要がある。
ところが、HD−DVDのように、DVDと光ディスクの透明基板厚さや対物レンズのNAが同じである規格と比較して、Blu−ray Discのように、DVDと光ディスクの透明基板厚さも対物レンズのNAも異なるような規格は、異なる規格間で発生する、より大きな球面収差を補正する必要がある。
なお、特許文献1には、透明基板厚みの異なる複数の光ディスクの信号記録面に、対応するレーザ光源からの光ビームをそれぞれ集光して記録再生を行う光ピックアップ装置に用いられる、輪帯状の回折構造を有した単玉対物レンズが記載されている。
特開2002−236253公報
そこで、図12に示すように青色(Blu−ray DiscやHD−DVD等)用光源100、DVD用光源200、CD用光源300の各光源と、各光源からの出射光束を所定の光ディスク9に集光させるための1つの対物レンズ8を備えた構成が望ましい。すなわち、1つの対物レンズで、青色、DVD、あるいはCDの異なる規格の光ディスクに対してほぼ回折限界に収差補正する必要がある。
ところが、HD−DVDのように、DVDと光ディスクの透明基板厚さや対物レンズのNAが同じである規格と比較して、Blu−ray Discのように、DVDと光ディスクの透明基板厚さも対物レンズのNAも異なるような規格は、異なる規格間で発生する、より大きな球面収差を補正する必要がある。
なお、特許文献1には、透明基板厚みの異なる複数の光ディスクの信号記録面に、対応するレーザ光源からの光ビームをそれぞれ集光して記録再生を行う光ピックアップ装置に用いられる、輪帯状の回折構造を有した単玉対物レンズが記載されている。
ところで、光ディスク、特にDVDやCDと対物レンズの衝突を防ぎ得る対物レンズの作動距離(WD)を確保するには、対物レンズの厚みを薄くする必要がある一方、Blu−ray Discのように対物レンズに高いNAが要求されるため、対物レンズの材料としては高い屈折率が必要となる。しかしながら、前記特許文献1においては、対物レンズの材料は光学プラスチックであって、高い屈折率を実現するのは現状困難である。
従って、対物レンズの厚みは厚くせざるをえず、DVDに対する作動距離は0.2mm程度しかない。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、透明基板厚みや像側開口数の異なる複数世代に対して良好に収差補正され、かつ作動距離が確保された対物レンズと、これを用いた規格の異なる複数の情報記録媒体の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置、及び規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行う事ができる光ディスク装置を提供する事を目的とする。
従って、対物レンズの厚みは厚くせざるをえず、DVDに対する作動距離は0.2mm程度しかない。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、透明基板厚みや像側開口数の異なる複数世代に対して良好に収差補正され、かつ作動距離が確保された対物レンズと、これを用いた規格の異なる複数の情報記録媒体の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置、及び規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行う事ができる光ディスク装置を提供する事を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、複数光源からの入射光束を情報記録媒体の記録面にそれぞれ集光する対物レンズであって、少なくとも片面に樹脂層を接合したガラス材からなる屈折レンズと、前記樹脂層あるいは前記屈折レンズの少なくとも1つの表面に形成した回折面とを備えたことを特徴とする。
また請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の対物レンズにおいて、前記複数光源からの入射光束はλ1<λ2<λ3の関係を有する波長により構成されていることを特徴とする。
請求項1、2のように構成すれば、屈折レンズに高い屈折率のガラス硝材を用いることができるので、作動距離の確保と高NAの実現を両立できる一方、回折面や屈折レンズと樹脂層の接合面を備えているので、対物レンズ設計の自由度が高く、複数世代に対して良好に収差補正された対物レンズを得ることができる。また、対物レンズがほぼガラスで構成されるため、温度変化等の環境変化に対して屈折率の変化や膨張等による収差劣化を抑えられる。
また請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載の対物レンズにおいて、前記屈折レンズを、少なくとも片面が球面レンズの面形状としたことを特徴とする。このように構成すれば、製作が容易となり、低コスト化が実現できる。
また請求項4に記載した発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、前記回折面における回折格子形状をブレーズ形状としたことを特徴とする。このように構成すれば、回折面における回折効率を高くでき、複数光源に対して高い回折効率を確保することができる。
また請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の対物レンズにおいて、前記複数光源からの入射光束はλ1<λ2<λ3の関係を有する波長により構成されていることを特徴とする。
請求項1、2のように構成すれば、屈折レンズに高い屈折率のガラス硝材を用いることができるので、作動距離の確保と高NAの実現を両立できる一方、回折面や屈折レンズと樹脂層の接合面を備えているので、対物レンズ設計の自由度が高く、複数世代に対して良好に収差補正された対物レンズを得ることができる。また、対物レンズがほぼガラスで構成されるため、温度変化等の環境変化に対して屈折率の変化や膨張等による収差劣化を抑えられる。
また請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載の対物レンズにおいて、前記屈折レンズを、少なくとも片面が球面レンズの面形状としたことを特徴とする。このように構成すれば、製作が容易となり、低コスト化が実現できる。
また請求項4に記載した発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、前記回折面における回折格子形状をブレーズ形状としたことを特徴とする。このように構成すれば、回折面における回折効率を高くでき、複数光源に対して高い回折効率を確保することができる。
また請求項5に記載した発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の対物レンズにおいて、前記回折面において、前記波長λ1、λ2、λ3の複数光源からの各入射光束に対して発生する回折光のうち回折効率が最大となる回折次数をm1、m2、m3としたとき、次の条件
を満たすことを特徴とする。このように構成すれば、青色/DVD/CDの3世代に対して良好に収差補正された光利用効率の高い対物レンズを得ることができる。
また請求項6に記載した発明において、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の対物レンズと、情報記録媒体の記録面からの反射光を受光する光検出器と、を備え、波長が異なる複数の光源からの光束を、前記対物レンズにより前記情報記録媒体の記録面に集光して、前記記録面からの反射光を前記光検出器により受光する光ピックアップ装置であることを特徴とする。このように構成すれば、規格の異なる複数の情報記録媒体の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置を得ることができる。
また請求項7に記載した発明において、情報記録媒体に対して情報の記録、再生、及び消去のうち少なくともいずれか1以上の処理を行う光ディスク装置において、請求項6記載の光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置の信号を処理する処理手段と、を備えたことを特徴とする。このように構成すれば規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行う光ディスク装置を得ることができる。
を満たすことを特徴とする。このように構成すれば、青色/DVD/CDの3世代に対して良好に収差補正された光利用効率の高い対物レンズを得ることができる。
また請求項6に記載した発明において、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の対物レンズと、情報記録媒体の記録面からの反射光を受光する光検出器と、を備え、波長が異なる複数の光源からの光束を、前記対物レンズにより前記情報記録媒体の記録面に集光して、前記記録面からの反射光を前記光検出器により受光する光ピックアップ装置であることを特徴とする。このように構成すれば、規格の異なる複数の情報記録媒体の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置を得ることができる。
また請求項7に記載した発明において、情報記録媒体に対して情報の記録、再生、及び消去のうち少なくともいずれか1以上の処理を行う光ディスク装置において、請求項6記載の光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置の信号を処理する処理手段と、を備えたことを特徴とする。このように構成すれば規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行う光ディスク装置を得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る対物レンズによれば、透明基板厚みや像側開口数の異なる複数世代に対して十分に収差補正できると同時に作動距離が確保でき、またこれを用いる光ピックアップ装置及び光ディスク装置によれば、規格の異なる複数の情報記録媒体の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置を構成でき、さらに規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行う光ディスク装置を得る事ができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態における光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、青色光学系として、青色波長帯域の半導体レーザ1、カップリングレンズ2、偏光ビームスプリッタ3、ダイクロイックプリズム23、33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8、検出レンズ10、光束分割手段11、光検出器12より構成される。
またDVD光学系として、ホログラムユニット21、カップリングレンズ22、ダイクロイックプリズム23、33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8から構成される。
また、CD光学系として、ホログラムユニット31、カップリングレンズ32、ダイクロイックプリズム33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8から構成される。
以上のように、本実施形態の光ピックアップ装置は、青色光学系、DVD光学系、CD光学系から構成されている。各光学系のうち、ダイクロイックプリズム23、33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8は複数の光学系の共通部品である。
また、光ディスク9a、9b、9cはそれぞれ光源波長が異なる光ディスクで、光ディスク9aは透明基板厚さが0.1mmの青色系光ディスク、光ディスク9bは透明基板厚さが0.6mmのDVD系光ディスク、光ディスク9cは透明基板厚さが1.2mmのCD系光ディスクである。
なお、開口部6は、対物レンズ8をフォーカス方向、トラック方向に可動させるアクチュエータ上の対物レンズ8を保持するボビン上で規制することが可能であり、具体的な光学部品を用いる必要はない。
図1は本発明の実施形態における光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、青色光学系として、青色波長帯域の半導体レーザ1、カップリングレンズ2、偏光ビームスプリッタ3、ダイクロイックプリズム23、33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8、検出レンズ10、光束分割手段11、光検出器12より構成される。
またDVD光学系として、ホログラムユニット21、カップリングレンズ22、ダイクロイックプリズム23、33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8から構成される。
また、CD光学系として、ホログラムユニット31、カップリングレンズ32、ダイクロイックプリズム33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8から構成される。
以上のように、本実施形態の光ピックアップ装置は、青色光学系、DVD光学系、CD光学系から構成されている。各光学系のうち、ダイクロイックプリズム23、33、偏向プリズム4、1/4波長板5、開口部6、開口制限手段7、対物レンズ8は複数の光学系の共通部品である。
また、光ディスク9a、9b、9cはそれぞれ光源波長が異なる光ディスクで、光ディスク9aは透明基板厚さが0.1mmの青色系光ディスク、光ディスク9bは透明基板厚さが0.6mmのDVD系光ディスク、光ディスク9cは透明基板厚さが1.2mmのCD系光ディスクである。
なお、開口部6は、対物レンズ8をフォーカス方向、トラック方向に可動させるアクチュエータ上の対物レンズ8を保持するボビン上で規制することが可能であり、具体的な光学部品を用いる必要はない。
以下、図1を参照して青色/DVD/CDの各光学系の動作について説明する。
まず、青色光学系の動作について説明する。波長405nmの半導体レーザ1から出射した直線偏光の発散光は、カップリングレンズ2で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ3、ダイクロイックプリズム23、33を透過し、偏向プリズム4で光路を90度偏向され、1/4波長板5を通過し円偏光とされ、開口部6においてNA0.85に制限され、開口制限手段7を通過し、対物レンズ8に入射し、光ディスク9aの記録面に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生あるいは消去が行われる。さらに、光ディスク9aから反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、対物レンズ8で再び略平行光とされ、1/4波長板5を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ3で反射されて、検出レンズ10で収束光とされ、光束分割手段11により複数の光路に偏向分割され光検出器12に至る。光検出器12からは、情報信号、サーボ信号が検出される。
まず、青色光学系の動作について説明する。波長405nmの半導体レーザ1から出射した直線偏光の発散光は、カップリングレンズ2で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ3、ダイクロイックプリズム23、33を透過し、偏向プリズム4で光路を90度偏向され、1/4波長板5を通過し円偏光とされ、開口部6においてNA0.85に制限され、開口制限手段7を通過し、対物レンズ8に入射し、光ディスク9aの記録面に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生あるいは消去が行われる。さらに、光ディスク9aから反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、対物レンズ8で再び略平行光とされ、1/4波長板5を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ3で反射されて、検出レンズ10で収束光とされ、光束分割手段11により複数の光路に偏向分割され光検出器12に至る。光検出器12からは、情報信号、サーボ信号が検出される。
次に、DVD光学系の動作について説明する。
図1において、ホログラムユニット21は、半導体レーザ21a、ホログラム21b及び光検出器21cを一体化して構成されたユニットである。このホログラムユニット21内に実装された波長660nmの半導体レーザ21aのチップから出射した直線偏光の発散光は、ホログラム21bを透過し、カップリングレンズ22で略平行光あるいは所定の発散光とされ、ダイクロイックプリズム23によって偏向プリズム4の方向に反射され、偏向プリズム4で光路を90度偏向され、1/4波長板5を通過し円偏光とされ、開口部6を通過し、開口制限手段7においてNA0.65に制限され、対物レンズ8に入射し、光ディスク9bの記録面に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生あるいは消去が行われる。光ディスク9bから反射した光は、偏光プリズム4で偏向され、ダイクロイックプリズム23で反射され、カップリングレンズ22で収束光とされ、ホログラム21bにより複数の光路に分割・回折されてホログラムユニット21内の光検出器21cに至る。光検出器21cからは、情報信号、サーボ信号が検出される。
次に、CD光学系の動作について説明する。
図1において、ホログラムユニット31は、半導体レーザ31a、ホログラム31b及び光検出器31cを一体化して構成されたユニットである。このホログラムユニット31内に実装された波長785nmの半導体レーザ31aのチップから出射した直線偏光の発散光は、ホログラム31bを透過し、カップリングレンズ32で所定の発散光とされ、ダイクロイックプリズム33によって偏向プリズム4の方向に反射され、偏向プリズム4で光路を90度偏向され、1/4波長板5を通過し楕円偏光あるいは円偏光とされ、開口部6を通過し、開口制限手段7においてNA0.50に制限され、対物レンズ8に入射し、光ディスク9cの記録面に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生あるいは消去が行われる。さらに、光ディスク9cから反射した光は、偏光プリズム4で偏向され、ダイクロイックプリズム33で反射され、カップリングレンズ32で収束光とされ、ホログラム31bにより複数の光路に分割・回折されてホログラムユニット31内の光検出器31cに至る。光検出器31cからは、情報信号、サーボ信号が検出される。
図1において、ホログラムユニット21は、半導体レーザ21a、ホログラム21b及び光検出器21cを一体化して構成されたユニットである。このホログラムユニット21内に実装された波長660nmの半導体レーザ21aのチップから出射した直線偏光の発散光は、ホログラム21bを透過し、カップリングレンズ22で略平行光あるいは所定の発散光とされ、ダイクロイックプリズム23によって偏向プリズム4の方向に反射され、偏向プリズム4で光路を90度偏向され、1/4波長板5を通過し円偏光とされ、開口部6を通過し、開口制限手段7においてNA0.65に制限され、対物レンズ8に入射し、光ディスク9bの記録面に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生あるいは消去が行われる。光ディスク9bから反射した光は、偏光プリズム4で偏向され、ダイクロイックプリズム23で反射され、カップリングレンズ22で収束光とされ、ホログラム21bにより複数の光路に分割・回折されてホログラムユニット21内の光検出器21cに至る。光検出器21cからは、情報信号、サーボ信号が検出される。
次に、CD光学系の動作について説明する。
図1において、ホログラムユニット31は、半導体レーザ31a、ホログラム31b及び光検出器31cを一体化して構成されたユニットである。このホログラムユニット31内に実装された波長785nmの半導体レーザ31aのチップから出射した直線偏光の発散光は、ホログラム31bを透過し、カップリングレンズ32で所定の発散光とされ、ダイクロイックプリズム33によって偏向プリズム4の方向に反射され、偏向プリズム4で光路を90度偏向され、1/4波長板5を通過し楕円偏光あるいは円偏光とされ、開口部6を通過し、開口制限手段7においてNA0.50に制限され、対物レンズ8に入射し、光ディスク9cの記録面に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の記録、再生あるいは消去が行われる。さらに、光ディスク9cから反射した光は、偏光プリズム4で偏向され、ダイクロイックプリズム33で反射され、カップリングレンズ32で収束光とされ、ホログラム31bにより複数の光路に分割・回折されてホログラムユニット31内の光検出器31cに至る。光検出器31cからは、情報信号、サーボ信号が検出される。
ここで、図1に示す開口制限手段7について、図2を用いて詳細に説明する。
青色光学系、DVD光学系、CD光学系で、光学系の倍率や制限されるNAが異なるため、必ずしも対物レンズ8に入射する入射瞳径φ1、φ2、φ3は等しくならない。
そこで、図2(a)〜図2(c)に示すような開口制限手段7が必要である。
開口制限手段7は一例として第1及び第2波長選択性膜13a、13bを有しているような構成がある。即ち、第1波長選択成膜13aは青色、DVDの光源波長帯域の光束は透過し、CDの光源波長帯域の光束は反射するような膜となっていて、CDのNAを制限する。
また第2波長選択性膜13bは青色の光源波長帯域の光束は透過し、DVD、CDの光源波長帯域の光束は反射するような膜となっていてDVDのNAを制限する。
また開口制限手段7は対物レンズ8に入射する入射瞳径を制限するため、対物レンズ8と一体となって可動する事が望ましく、図1に示すように対物レンズ8を可動させるアクチュエータに搭載させることが望ましい。
また、アクチュエータにおける可動部の軽量化、組付け工数の低減を考慮すると、上述した第1及び第2波長選択性膜13a、13bを対物レンズ8のレンズ面に構成することがより好ましい。なお、開口制限手段7の他の構成としては、波長選択性の回折格子として、波長選択的に反射するのではなく、回折するような構成でも良い。
青色光学系、DVD光学系、CD光学系で、光学系の倍率や制限されるNAが異なるため、必ずしも対物レンズ8に入射する入射瞳径φ1、φ2、φ3は等しくならない。
そこで、図2(a)〜図2(c)に示すような開口制限手段7が必要である。
開口制限手段7は一例として第1及び第2波長選択性膜13a、13bを有しているような構成がある。即ち、第1波長選択成膜13aは青色、DVDの光源波長帯域の光束は透過し、CDの光源波長帯域の光束は反射するような膜となっていて、CDのNAを制限する。
また第2波長選択性膜13bは青色の光源波長帯域の光束は透過し、DVD、CDの光源波長帯域の光束は反射するような膜となっていてDVDのNAを制限する。
また開口制限手段7は対物レンズ8に入射する入射瞳径を制限するため、対物レンズ8と一体となって可動する事が望ましく、図1に示すように対物レンズ8を可動させるアクチュエータに搭載させることが望ましい。
また、アクチュエータにおける可動部の軽量化、組付け工数の低減を考慮すると、上述した第1及び第2波長選択性膜13a、13bを対物レンズ8のレンズ面に構成することがより好ましい。なお、開口制限手段7の他の構成としては、波長選択性の回折格子として、波長選択的に反射するのではなく、回折するような構成でも良い。
次に、以上述べたような光ピックアップ装置の光学系において複数の光学系に対して共通部品となっている本発明に係る対物レンズについて詳細に説明する。
図3は対物レンズの概略を示す図である。
この図3に示すように、屈折レンズ8aの光源側の表面に樹脂層8bが接合され、さらにその表面にはブレーズ形状の回折面が形成されている。
ブレーズ形状あるいはキノフォームと呼ばれる回折格子形状は、回折格子の形状としては最も回折効率が高く有利である。ある波長に対して最適化されると、その波長での回折効率はスカラー回折理論によれば100%になり、またこれを階段近似した形状であっても90%以上の回折効率を期待できる。図3に示す符号dはブレーズ形状の格子溝深さであって、回折面における回折効率に作用する。対物レンズ8は高い透過率が求められるため、回折面における回折効率が高い方が望ましい。
図4はスカラー回折理論による解析効率計算結果を示した図である。
なお、この図4は対物レンズ8の樹脂層8bの材料にd線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いた場合の格子溝深さdに対する青色(波長405nm)、DVD(波長660nm)、CD(波長785nm)に対する回折効率をスカラー回折理論を用いて求めた結果を示した図である。
格子溝深さdを様々な深さにする事によって、各波長に対して、1次光や2次光が発生し、各回折光に対する回折効率が変動しており、その周期は各波長で互いに異なっている。従って図4に示す結果によれば、波長405nmに対しては2次光、波長660nmに対しては1次光、波長785nmに対しては1次光が発生するような格子溝深さにする事により、3波長に対して高い回折効率を確保できることがわかる。具体的には図4に示すように、格子溝深さdは1.3〜1.4μm程度が望ましい。
また、屈折レンズ8aの材料がガラスであるので、材料が樹脂であった場合と比較して、屈折率の高い硝材を選択でき、温度変化等の環境変化に対して屈折率の変化や膨張等による収差劣化を抑える事ができる。
さらに、その面形状としては球面レンズとすると製作が容易である。樹脂層8bに用いられる材料としては、光硬化性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良く、金型に樹脂層表面に形成したい回折格子形状を作り込んで成形することにより回折面を得る事ができる。
図3は対物レンズの概略を示す図である。
この図3に示すように、屈折レンズ8aの光源側の表面に樹脂層8bが接合され、さらにその表面にはブレーズ形状の回折面が形成されている。
ブレーズ形状あるいはキノフォームと呼ばれる回折格子形状は、回折格子の形状としては最も回折効率が高く有利である。ある波長に対して最適化されると、その波長での回折効率はスカラー回折理論によれば100%になり、またこれを階段近似した形状であっても90%以上の回折効率を期待できる。図3に示す符号dはブレーズ形状の格子溝深さであって、回折面における回折効率に作用する。対物レンズ8は高い透過率が求められるため、回折面における回折効率が高い方が望ましい。
図4はスカラー回折理論による解析効率計算結果を示した図である。
なお、この図4は対物レンズ8の樹脂層8bの材料にd線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いた場合の格子溝深さdに対する青色(波長405nm)、DVD(波長660nm)、CD(波長785nm)に対する回折効率をスカラー回折理論を用いて求めた結果を示した図である。
格子溝深さdを様々な深さにする事によって、各波長に対して、1次光や2次光が発生し、各回折光に対する回折効率が変動しており、その周期は各波長で互いに異なっている。従って図4に示す結果によれば、波長405nmに対しては2次光、波長660nmに対しては1次光、波長785nmに対しては1次光が発生するような格子溝深さにする事により、3波長に対して高い回折効率を確保できることがわかる。具体的には図4に示すように、格子溝深さdは1.3〜1.4μm程度が望ましい。
また、屈折レンズ8aの材料がガラスであるので、材料が樹脂であった場合と比較して、屈折率の高い硝材を選択でき、温度変化等の環境変化に対して屈折率の変化や膨張等による収差劣化を抑える事ができる。
さらに、その面形状としては球面レンズとすると製作が容易である。樹脂層8bに用いられる材料としては、光硬化性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良く、金型に樹脂層表面に形成したい回折格子形状を作り込んで成形することにより回折面を得る事ができる。
以下に本実施形態の光ピックアップ装置に用いる対物レンズの具体的な例を挙げ説明する。
本実施形態の対物レンズズは、光源波長405nm、透明基板厚さ0.1mm、NA0.85の青色系光ディスクと、光源波長660nm、透明基板厚さ0.6mm、NA0.65のDVD系光ディスクと、光源波長785nm、透明基板厚さ1.2mm、NA0.50のCD系光ディスクの3種類の規格の光ディスクについて記録、再生を行う光ピックアップ装置に用いられる対物レンズである。以下に対物レンズの実施例1〜4について詳細に説明する。
図6は実施例1の対物レンズのレンズデータと3世代軸上波面収差特性図である。
実施例1の対物レンズのレンズデータは図6(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。
図5は対物レンズの概略図である。
この図5に示す対物レンズにおける屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8b、8b’の材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。また、レンズ面の非球面形状は、光軸方向の軸X、光軸と垂直方向の軸(光軸からの高さ)Y、近軸曲率半径R、円錐係数K、非球面係数A,B,C,D,・・・を用いて、次の(数1)で表される。
・・・(数1)
また、回折面による光路差の付加量は、光軸と垂直方向の軸(光軸からの高さ)Y、回折面係数C1,C2,C3,C4,C5・・・を用いて次式の光路差関数Φは(数2)で表される。
・・・(数2)
なお、これに用いる回折次数がm次であった場合は、m倍する必要がある。
本実施形態の対物レンズズは、光源波長405nm、透明基板厚さ0.1mm、NA0.85の青色系光ディスクと、光源波長660nm、透明基板厚さ0.6mm、NA0.65のDVD系光ディスクと、光源波長785nm、透明基板厚さ1.2mm、NA0.50のCD系光ディスクの3種類の規格の光ディスクについて記録、再生を行う光ピックアップ装置に用いられる対物レンズである。以下に対物レンズの実施例1〜4について詳細に説明する。
図6は実施例1の対物レンズのレンズデータと3世代軸上波面収差特性図である。
実施例1の対物レンズのレンズデータは図6(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。
図5は対物レンズの概略図である。
この図5に示す対物レンズにおける屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8b、8b’の材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。また、レンズ面の非球面形状は、光軸方向の軸X、光軸と垂直方向の軸(光軸からの高さ)Y、近軸曲率半径R、円錐係数K、非球面係数A,B,C,D,・・・を用いて、次の(数1)で表される。
・・・(数1)
また、回折面による光路差の付加量は、光軸と垂直方向の軸(光軸からの高さ)Y、回折面係数C1,C2,C3,C4,C5・・・を用いて次式の光路差関数Φは(数2)で表される。
・・・(数2)
なお、これに用いる回折次数がm次であった場合は、m倍する必要がある。
さらに図6(a)中の記号について説明する。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
またSTOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S5は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図5に示すように、S2〜S5の4面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8aと樹脂層8b’の接合面(S4)、樹脂層8b’表面(S5)である。
対物レンズの総厚みは1.82mmであり、S5の厚さTHI:1.13965mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。S6は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、すなわち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.14mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
またSTOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S5は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図5に示すように、S2〜S5の4面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8aと樹脂層8b’の接合面(S4)、樹脂層8b’表面(S5)である。
対物レンズの総厚みは1.82mmであり、S5の厚さTHI:1.13965mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。S6は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、すなわち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.14mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
次に、前述の対物レンズを光源波長660nmのDVD系光ディスクに対して使用した場合について図6(a)を用いて説明する。
DVD光学系に対しても無限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離をINFINITYとしている。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.97336mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について図6(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約23mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.871623mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図6(b)は実施例1の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保できている。
DVD光学系に対しても無限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離をINFINITYとしている。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.97336mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について図6(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約23mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.871623mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図6(b)は実施例1の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保できている。
図7は実施例2の対物レンズのレンズデータと3世代軸上波面収差特性図である。
実施例2の対物レンズのレンズデータは図7(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。対物レンズの概略図は実施例1同様、図5のようになっている。
図5に示す対物レンズにおける屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8b、8b’の材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。
またレンズ面の非球面形状および回折面による光路差の付加量はそれぞれ実施例1と同様に(数1)、(数2)で表される。
さらに、図7(a)中の記号について説明する。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
また、STOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S5は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図5に示すように、S2〜S5の4面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8aと樹脂層8b’の接合面(S4)、樹脂層8b’表面(S5)である。対物レンズの総厚みは1.82mmであり、S5の厚さTHI:1.07712mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。S6は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、即ち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.08mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
実施例2の対物レンズのレンズデータは図7(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。対物レンズの概略図は実施例1同様、図5のようになっている。
図5に示す対物レンズにおける屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8b、8b’の材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。
またレンズ面の非球面形状および回折面による光路差の付加量はそれぞれ実施例1と同様に(数1)、(数2)で表される。
さらに、図7(a)中の記号について説明する。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
また、STOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S5は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図5に示すように、S2〜S5の4面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8aと樹脂層8b’の接合面(S4)、樹脂層8b’表面(S5)である。対物レンズの総厚みは1.82mmであり、S5の厚さTHI:1.07712mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。S6は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、即ち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.08mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
次に、前述の対物レンズを光源波長660nmのDVD系光ディスクに対して使用した場合について、図7(a)を用いて説明する。
DVD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約39mmである。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は1.08903mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について、図7(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約25mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.780597mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図7(b)は実施例2の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保されている。
また、実施例2の対物レンズは、青色用光源における記録時と再生時の出力変化に伴う波長変動(いわゆるモードホップ)が+1nmであった場合の、中心波長(405nm)に対するベストフォーカス位置における波面収差は劣化量として0.001λrms程度、ベストフォーカス位置の変動としても0.0025・m/nmと非常に小さく抑えられており、十分な色収差補正機能を有している。これにより、この対物レンズを記録/再生可能な光ディスク装置に用いても、記録/再生が切り替った時に光ディスクの記録面での光スポットがデフォーカス状態になって情報の記録が不十分になったり、再生ができなくなったりする問題は無い。
さらに、実施例2の対物レンズは、光源部分における温度変化や光源の発振波長の固体ばらつきによる青色用光源の波長変化に対しては、例えば中心波長+5nmの波長に対してベストフォーカス位置での波面収差が0.017λrms程度と抑えられており、十分な収差特性を有している。これにより、波長変動に伴って発生する収差により、光ディスクの記録面における集光スポットが劣化し、情報の再生性能等が悪化する問題は無い。
以上、実施例1、実施例2では樹脂層を屈折レンズの両面に接合した構成としたが、片面であっても良い。樹脂層を屈折レンズの片面のみに接合した構成とすることで、樹脂層を両面に接合するよりも対物レンズの作製が容易になる。
DVD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約39mmである。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は1.08903mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について、図7(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約25mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.780597mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図7(b)は実施例2の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保されている。
また、実施例2の対物レンズは、青色用光源における記録時と再生時の出力変化に伴う波長変動(いわゆるモードホップ)が+1nmであった場合の、中心波長(405nm)に対するベストフォーカス位置における波面収差は劣化量として0.001λrms程度、ベストフォーカス位置の変動としても0.0025・m/nmと非常に小さく抑えられており、十分な色収差補正機能を有している。これにより、この対物レンズを記録/再生可能な光ディスク装置に用いても、記録/再生が切り替った時に光ディスクの記録面での光スポットがデフォーカス状態になって情報の記録が不十分になったり、再生ができなくなったりする問題は無い。
さらに、実施例2の対物レンズは、光源部分における温度変化や光源の発振波長の固体ばらつきによる青色用光源の波長変化に対しては、例えば中心波長+5nmの波長に対してベストフォーカス位置での波面収差が0.017λrms程度と抑えられており、十分な収差特性を有している。これにより、波長変動に伴って発生する収差により、光ディスクの記録面における集光スポットが劣化し、情報の再生性能等が悪化する問題は無い。
以上、実施例1、実施例2では樹脂層を屈折レンズの両面に接合した構成としたが、片面であっても良い。樹脂層を屈折レンズの片面のみに接合した構成とすることで、樹脂層を両面に接合するよりも対物レンズの作製が容易になる。
以下、実施例3、実施例4は樹脂層を屈折レンズの片面のみに接合した構成である。
図9は実施例3の対物レンズのレンズデータと3世代軸上波面収差特性図である。
実施例3の対物レンズのレンズデータは図9(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。対物レンズの概略図は図8のようになっている。
図8に示す対物レンズ8における屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8bの材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。
また、レンズ面の非球面形状および回折面による光路差の付加量はそれぞれ、実施例1同様に(数1)、(数2)で表される。
図9は実施例3の対物レンズのレンズデータと3世代軸上波面収差特性図である。
実施例3の対物レンズのレンズデータは図9(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。対物レンズの概略図は図8のようになっている。
図8に示す対物レンズ8における屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8bの材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。
また、レンズ面の非球面形状および回折面による光路差の付加量はそれぞれ、実施例1同様に(数1)、(数2)で表される。
さらに、図9(a)中の記号について説明する。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
また、STOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S4は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図8に示すように、S2〜S4の3面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8a表面(S4)である。
図9(a)に示すように、実施例3の対物レンズ8は、実施例1、実施例2の対物レンズ8における樹脂層8b’を無くし、屈折レンズ8a表面(S4)を非球面とした構成となっている。
対物レンズの総厚みは1.81mmであり、S4の厚さTHI:1.22428mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。S5は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、即ち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.08mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
また、STOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S4は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図8に示すように、S2〜S4の3面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8a表面(S4)である。
図9(a)に示すように、実施例3の対物レンズ8は、実施例1、実施例2の対物レンズ8における樹脂層8b’を無くし、屈折レンズ8a表面(S4)を非球面とした構成となっている。
対物レンズの総厚みは1.81mmであり、S4の厚さTHI:1.22428mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。S5は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、即ち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.08mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
次に、前述の対物レンズを光源波長660nmのDVD系光ディスクに対して使用した場合について、図9(a)を用いて説明する。
DVD光学系に対しても無限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離をINFINITYとしている。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は1.03304mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について、図9(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約23mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.948916mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図9(b)は実施例3の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保されている。
DVD光学系に対しても無限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離をINFINITYとしている。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は1.03304mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について、図9(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約23mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.948916mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図9(b)は実施例3の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保されている。
図10は実施例4の対物レンズのレンズデータと3世代軸上波面収差特性図である。
実施例4の対物レンズのレンズデータは図10(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。対物レンズの概略図は実施例3同様、図8のようになっている。
図8に示す対物レンズ8における屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8bの材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。また、レンズ面の非球面形状および回折面による光路差の付加量はそれぞれ、実施例1同様に(数1)、(数2)で表される。
さらに、図10(a)中の記号について説明する。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
また、STOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S4は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図10に示すように、S2〜S4の3面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8a表面(S4)である。
図10(a)に示すように、実施例4の対物レンズ8は、実施例1、実施例2の対物レンズ8における樹脂層8b’を無くし、屈折レンズ8a表面(S4)を非球面とした構成となっている。対物レンズの総厚みは1.81mmであり、S4の厚さTHI:1.14736mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。
S5は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、即ち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.12mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
実施例4の対物レンズのレンズデータは図10(a)に示す通りである。
まず、光源波長405nmの青色系光ディスクに対して使用した場合について説明する。対物レンズの概略図は実施例3同様、図8のようになっている。
図8に示す対物レンズ8における屈折レンズ8aの材料にはHOYA製のM−NbFD13、屈折レンズ8aに接合する樹脂層8bの材料には、d線の屈折率nd1.511、アッベ数νd39.6の硝材(511.396)を用いている。また、レンズ面の非球面形状および回折面による光路差の付加量はそれぞれ、実施例1同様に(数1)、(数2)で表される。
さらに、図10(a)中の記号について説明する。
OBJは物点(光源位置)を意味するが、青色光学系に対しては無限系であり、曲率半径RDY及び厚さTHIをINFINITY(無限大)としている。
また、STOは入射瞳面であり、その曲率半径はINFINITY、厚さTHIを設計上0としている。S2は対物レンズの光源側の面、S4は対物レンズの光ディスク側の面である。詳細には、対物レンズは図10に示すように、S2〜S4の3面から構成され、光源側の面からそれぞれ、樹脂層8b表面に形成される回折面(S2)、樹脂層8bと屈折レンズ8aの接合面(S3)、屈折レンズ8a表面(S4)である。
図10(a)に示すように、実施例4の対物レンズ8は、実施例1、実施例2の対物レンズ8における樹脂層8b’を無くし、屈折レンズ8a表面(S4)を非球面とした構成となっている。対物レンズの総厚みは1.81mmであり、S4の厚さTHI:1.14736mmは対物レンズから青色系光ディスク表面までの光軸上の距離を表す。
S5は光ディスクの光束入射面、IMGは光ディスクの記録面であり、これらの面間隔、即ち透明基板厚さは0.1mmである。EPDは入射瞳径を表し、4.12mmである。なお、回折面における回折光としては2次光を用いている。
次に、前述の対物レンズを光源波長660nmのDVD系光ディスクに対して使用した場合について、図10(a)を用いて説明する。
DVD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約38mmである。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は1.16408mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について、図10(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約25mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.854384mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図10(b)は実施例4の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保されている。
また、実施例4の対物レンズは、青色用光源における記録時と再生時の出力変化に伴う波長変動(いわゆるモードホップ)が+1nmであった場合の、中心波長(405nm)に対するベストフォーカス位置における波面収差は劣化量として0.001λrms程度、ベストフォーカス位置の変動としても−0.0005・m/nmと非常に小さく抑えられており、十分な色収差補正機能を有している。
これにより、この対物レンズを記録/再生可能な光ディスク装置に用いても、記録/再生が切り替った時に光ディスクの記録面での光スポットがデフォーカス状態になって情報の記録が不十分になったり、再生ができなくなる問題は無い。
DVD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約38mmである。対物レンズからDVD系光ディスク表面までの光軸上の距離は1.16408mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
また、前述の対物レンズを光源波長785nmのCD系光ディスクに対して使用した場合について、図10(a)を用いて説明する。
CD光学系に対しては有限系であり、物点OBJから入射瞳面STOまでの距離は約25mmである。対物レンズからCD系光ディスク表面までの光軸上の距離は0.854384mmである。なお、回折面における回折光としては1次光を用いている。
図10(b)は実施例4の対物レンズを用いたときの青色系光ディスク、DVD系光ディスク、CD系光ディスクに対する軸上波面収差特性を示す図である。
各光ディスクに対して波面収差は0.01λrms以下となっており、良好な収差特性を有している。また、対物レンズから青色/DVD/CDの各光ディスク表面までの光軸上の距離も十分に確保されている。
また、実施例4の対物レンズは、青色用光源における記録時と再生時の出力変化に伴う波長変動(いわゆるモードホップ)が+1nmであった場合の、中心波長(405nm)に対するベストフォーカス位置における波面収差は劣化量として0.001λrms程度、ベストフォーカス位置の変動としても−0.0005・m/nmと非常に小さく抑えられており、十分な色収差補正機能を有している。
これにより、この対物レンズを記録/再生可能な光ディスク装置に用いても、記録/再生が切り替った時に光ディスクの記録面での光スポットがデフォーカス状態になって情報の記録が不十分になったり、再生ができなくなる問題は無い。
さらに、実施例4の対物レンズは、光源部分における温度変化や光源の発振波長の固体ばらつきによる青色用光源の波長変化に対しては、例えば中心波長+5nmの波長に対してベストフォーカス位置での波面収差が0.026λrms程度と抑えられており、十分な収差特性を有している。これにより、波長変動に伴って発生する収差により、光ディスクの記録面における集光スポットが劣化し、情報の再生性能等が悪化する問題は無い。
以上に述べたように、屈折レンズの少なくとも片面に樹脂層を接合し、その表面に回折面を設けることで、複数世代に対して良好に収差補正された対物レンズを実現でき、さらに、規格の異なる複数の光ディスク(情報記録媒体)の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置を実現できる。
また、これまでは透明基板厚みと像側開口数が異なる青色/DVD/CDに対して実施例を説明したが、CD光学系を除いても本発明の効果は損なわれることはなく、むしろ対物レンズに要求される機能が減るので、青色/DVD光学系に対してはより高い性能が発揮できるようになる。
以上に述べたように、屈折レンズの少なくとも片面に樹脂層を接合し、その表面に回折面を設けることで、複数世代に対して良好に収差補正された対物レンズを実現でき、さらに、規格の異なる複数の光ディスク(情報記録媒体)の記録面に対して良好な集光スポットを形成できる小型の光ピックアップ装置を実現できる。
また、これまでは透明基板厚みと像側開口数が異なる青色/DVD/CDに対して実施例を説明したが、CD光学系を除いても本発明の効果は損なわれることはなく、むしろ対物レンズに要求される機能が減るので、青色/DVD光学系に対してはより高い性能が発揮できるようになる。
図11は本発明の実施形態における光情報処理装置である光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
この図に示す光ディスク装置は、上記した光ピックアップ装置50を用いて、情報の記録、再生、消去の少なくともいずれか1以上を行う装置である。
図11に示すように、光ピックアップ装置50からの信号検出用の光検出器の出力を処理する処理手段である信号処理回路51で受けて、情報信号、サーボ信号を生成し、サーボ信号は、フォーカスコントローラ52、トラックコントローラ53、アクチュエータドライバ54にフィードバックされて対物レンズのフォーカシング制御及びトラッキング制御が行われる。同様に、対物レンズをチルト制御する場合には、チルト信号が対物レンズチルトコントローラ55、対物レンズチルトドライバ56にフィードバックされて対物レンズのチルト制御が行われる。また、光源の出力についてもレーザーコントローラ57、レーザードライバ58にフィードバックされた信号により出力制御が行われる。
光ディスク9はスピンドルコントローラ59、スピンドルドライバ60にフィードバックされた信号によりスピンドルモータ61を用いて回転制御される。
図11に示す光ディスク装置に前述の光ピックアップ装置、対物レンズを適宜用いることができ、その光ピックアップ装置からの信号により情報の記録、再生及び消去の少なくともいずれか1つを行う光ディスク装置によれば、規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行うことができる。
この図に示す光ディスク装置は、上記した光ピックアップ装置50を用いて、情報の記録、再生、消去の少なくともいずれか1以上を行う装置である。
図11に示すように、光ピックアップ装置50からの信号検出用の光検出器の出力を処理する処理手段である信号処理回路51で受けて、情報信号、サーボ信号を生成し、サーボ信号は、フォーカスコントローラ52、トラックコントローラ53、アクチュエータドライバ54にフィードバックされて対物レンズのフォーカシング制御及びトラッキング制御が行われる。同様に、対物レンズをチルト制御する場合には、チルト信号が対物レンズチルトコントローラ55、対物レンズチルトドライバ56にフィードバックされて対物レンズのチルト制御が行われる。また、光源の出力についてもレーザーコントローラ57、レーザードライバ58にフィードバックされた信号により出力制御が行われる。
光ディスク9はスピンドルコントローラ59、スピンドルドライバ60にフィードバックされた信号によりスピンドルモータ61を用いて回転制御される。
図11に示す光ディスク装置に前述の光ピックアップ装置、対物レンズを適宜用いることができ、その光ピックアップ装置からの信号により情報の記録、再生及び消去の少なくともいずれか1つを行う光ディスク装置によれば、規格の異なる複数の情報記録媒体へのアクセスを安定して行うことができる。
1、21a、31a 半導体レーザ、2 カップリングレンズ、3 偏光ビームスプリッタ、4 偏向プリズム、5 1/4波長板、6 開口部、7 開口制限手段、8 対物レンズ、9a、9b、9c 光ディスク、10 検出レンズ、11 光束分割手段、12、13a、13b 波長選択性膜、21c、31c 光検出器、21 ホログラムユニット、21b、31b ホログラム、22 カップリングレンズ、23、33 ダイクロイックプリズム、50 光ピックアップ装置、51 信号処理回路、52 フォーカスコントローラ、53 トラックコントローラ、54 アクチュエータドライバ、55 対物レンズチルトコントローラ、56 対物レンズチルトドライバ、57 レーザーコントローラ、58 レーザードライバ、59 スピンドルコントローラ、60 スピンドルドライバ、61 スピンドルモータ
Claims (7)
- 複数光源からの入射光束を情報記録媒体の記録面にそれぞれ集光する対物レンズであって、少なくとも片面に樹脂層を接合したガラス材からなる屈折レンズと、前記樹脂層あるいは前記屈折レンズの少なくとも1つの表面に形成した回折面とを備えたことを特徴とする対物レンズ。
- 前記複数光源からの入射光束はλ1<λ2<λ3の関係を有する波長により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
- 前記屈折レンズを、少なくとも片面が球面レンズの面形状としたことを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
- 前記回折面における回折格子形状を、ブレーズ形状としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の対物レンズ。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の対物レンズと、情報記録媒体の記録面からの反射光を受光する光検出器と、を備え、波長が異なる複数の光源からの光束を、前記対物レンズにより前記情報記録媒体の記録面に集光して、前記記録面からの反射光を前記光検出器により受光することを特徴とする光ピックアップ装置。
- 情報記録媒体に対して情報の記録、再生、及び消去のうち少なくともいずれか1以上の処理を行う光ディスク装置において、請求項6記載の光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置の信号を処理する処理手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
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JP2005061655A JP2006244656A (ja) | 2005-03-04 | 2005-03-04 | 対物レンズ、光ピックアップ装置、及び光ディスク装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2008077728A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Canon Inc | 対物レンズ及びそれを用いた光ピックアップ装置 |
KR100833242B1 (ko) | 2006-09-27 | 2008-05-28 | 삼성전자주식회사 | 고개구수를 가지는 대물렌즈 및 이를 채용한 광픽업장치 |
JP2009223946A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Sanyo Electric Co Ltd | 光ピックアップ装置 |
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2005
- 2005-03-04 JP JP2005061655A patent/JP2006244656A/ja active Pending
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