JP2004319625A - 現像処理方法及び現像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハWと液膜形成用平板20とを互いに平行に所定の隙間30(液膜形成領域)をあけて対向させ、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔41を有する管状の現像ノズル40を、隙間30の一側端から他側端に向かって移動しつつ小孔41から隙間内に現像液を供給することにより、隙間30内に現像液Dを充満させてウエハWの表面に現像液Dの液膜を形成して現像処理する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば半導体ウエハやFPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板やフォトマスク基板(レチクル)等の基板に現像液を供給して基板表面を現像処理する現像処理方法及び現像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウエハやFPD用ガラス基板等(以下にウエハ等という)の表面に例えばレジスト液を塗布し、ステッパー等の露光装置を用いて回路パターンを縮小してレジスト膜を露光し、露光後のウエハ表面に現像液を塗布(供給)して現像処理を行うフォトリソグラフィー技術が用いられている。
【0003】
上記現像処理工程においては、一般にウエハ等の表面のレジストに現像液を噴霧するスプレー方式やウエハ等の表面に現像液を盛るパドル方式等が知られている。また、別の方式として、現像すべき一対のウエハ等を所定の隙間をあけて互いに対向させ、毛管現象を利用して隙間内を現像液で満たして、ウエハ等の表面に現像液の液膜を形成する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−244097号公報(特許請求の範囲、段落番号0011、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スプレー方式では、現像液の消費量が多い上、現像液をウエハ等の表面に均一に噴霧(供給)することが難しいため、線幅等のパターン寸法が不均一になるという問題があった。
【0006】
パドル方式では、スプレー現像のような問題は生じないが、現像液の液膜表面が開放された自由表面となっているため、液面に波立ちが生じ、それに伴って現像液のレジスト接触面(反応面)も移動してしまい、線幅等のパターン寸法が不均一になるという問題があった。また、パドル方式においても、現像液をウエハ等の表面に満遍なく均一に液盛りするのが難しいという問題もある。
【0007】
これに対して、特開平6−244097号公報に記載の現像方式においては、スプレー方式やパドル方式に比べて、現像液の消費量を少なくすることができるが、この現像方式においても、ウエハ等の表面に供給される現像液が流動するため、線幅等のパターン寸法が不均一になるという問題があった。
【0008】
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、線幅等のパターン寸法の均一を図ると共に、現像液の消費量の低減を図れるようにした現像処理方法及び現像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の現像処理方法は、被処理基板と液膜形成用平板とを互いに平行に所定の隙間をあけて対向させ、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状の現像液供給ノズルを、上記隙間の一側端から他側端に向かって移動しつつ小孔から隙間内に現像液を供給することにより、上記隙間内に現像液を充満させて上記被処理基板の表面に現像液の液膜を形成することを特徴とする(請求項1)。
【0010】
この発明の現像処理方法において、上記現像液供給ノズルは、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状のものであれば、その形態は任意でよく、例えば、管状部材の軸方向に沿う一列又は複数列に複数の小孔を適宜間隔をおいて穿設したものでもよい。この場合、現像液供給ノズルへの現像液の供給を管状部材の一端側であっても差し支えないが、両端側から供給する方が好ましい。このように管状部材の両端側から現像液を供給する場合は、小孔が等間隔に穿設されるときは端部側から中心側に向かって小孔の開口面積を漸次増大させるようにする方が好ましい。また、小孔の開口面積を同一にした場合は端部側から中心側に向かって間隔を漸次小さくする方がよい。また、現像液供給ノズルを全周に多数の小孔を有する多孔質の管状部材にて形成することも可能である。
【0011】
また、この発明の現像処理方法において、上記現像液供給ノズルの複数個を間隔をおいて隙間内に移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給するようにしてもよい(請求項2)。
【0012】
また、上記現像液供給ノズルにおける移動方向の後方側に突設された翼片により、供給された現像液の乱流を抑制するようにしてもよい(請求項3)。翼片の形状は任意でよいが、先端に向かって狭小テーパ状の形状にする方が好ましい。なお、翼片を突設した現像液供給ノズルを2個用いることも可能である。この場合、上記翼片を突設する現像液供給ノズルを移動方向と交差する方向に間隔をおいて2個並設して、隙間内を移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給する方がよい(請求項4)。
【0013】
また、上記現像液供給ノズルを移動しつつノズルの周方向に回転させるようにしてもよい(請求項5)。この場合、ノズルの回転方向は任意であっても差し支えないが、好ましくは被処理基板側に向かって回転させる方がよい。
【0014】
また、上記液膜形成用平板に被処理基板を用いてもよい(請求項6)。
【0015】
また、この発明の現像処理装置は、請求項1記載の現像処理方法を具現化するもので、被処理基板を載置する載置台と、 上記載置台の上方に対向して配設され、載置台に載置された被処理基板との間に所定の隙間を形成する液膜形成用平板と、 少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状の現像液供給ノズルと、 上記現像液供給ノズルを、上記隙間の一側端から他側端に向かって移動するノズル移動手段と、を具備することを特徴とする(請求項7)。
【0016】
この発明の現像処理装置において、上記現像液供給ノズルは、上述したように、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状のものであれば、その形態は任意でよく、例えば、管状部材の軸方向に沿う一列又は複数列に複数の小孔を適宜間隔をおいて穿設したものでもよい。この場合、現像液供給ノズルへの現像液の供給を管状部材の一端側であっても差し支えないが、両端側から供給する方が好ましい。このように管状部材の両端側から現像液を供給する場合は、小孔が等間隔に穿設されるときは端部側から中心側に向かって小孔の開口面積を漸次増大させるようにする方が好ましい。また、小孔の開口面積を同一にした場合は端部側から中心側に向かって間隔を漸次小さくする方がよい。また、現像液供給ノズルを全周に多数の小孔を有する多孔質の管状部材にて形成することも可能である。
【0017】
また、この発明の現像処理装置において、上記現像液供給ノズルを、互いに間隔をおいて隙間内を移動する複数個のノズルにて形成してもよい(請求項8)。
【0018】
また、現像液供給ノズルに、該ノズルの移動方向の後方側に突出する翼片を設けてもよい(請求項9)。この場合、翼片の形状は任意でよいが、好ましくは先端に向かって狭小テーパ状の形状とする方がよい。なお、翼片を突設した現像液供給ノズルを2個用いることも可能である。この場合、上記翼片を突設する現像液供給ノズルを移動方向と交差する方向に間隔をおいて2個並設して、隙間内を移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給する方がよい(請求項10)。
【0019】
また、上記現像液供給ノズルを、移動及び同方向に回転可能に形成してもよい(請求項11)。この場合、ノズルの回転方向は任意であっても差し支えないが、好ましくは被処理基板側に向かって回転させる方がよい。
【0020】
また、上記液膜形成用平板に代えて被処理基板を用いてもよい(請求項12)。
【0021】
請求項1,7記載の発明によれば、被処理基板と液膜形成用平板とを互いに平行に所定の隙間をあけて対向させることにより、被処理基板の表面に供給される現像液の液膜の形成領域を確保することができる。そして、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状の現像液供給ノズルを、隙間(液膜形成領域)の一側端から他側端に向かって移動しつつ小孔から隙間内に現像液を供給することにより、現像中の現像液の動きを現像開始から終了まで、極めて静的に保って隙間内に現像液を充満させた状態で被処理基板の表面に現像液の液膜を形成して現像処理することができる。したがって、面内を均一にして線幅等のパターン寸法を均一にすることができる。また、レジストの疎水度に影響を受けずに均一に現像液の液膜を形成することができるので、これからも線幅等のパターン寸法の均一性の向上が図れる。更に、現像液は所定の間隔に設定された薄い隙間(液膜形成領域)の分の液量で済むため、現像液の少量化を図ることができる。
【0022】
請求項2,8記載の発明によれば、現像液供給ノズルの複数個を間隔をおいて隙間内に移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給することにより、各ノズルの小孔からできる限りゆっくり現像液を供給(吐出)しながら複数のノズルを移動することができるので、現像中の現像液の動きを更に静的に保って線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。また、複数のノズルを同時に移動させるので、現像処理速度の迅速化を図ることができる。
【0023】
請求項3,9記載の発明によれば、現像液供給ノズルにおける移動方向の後方側に突設された翼片により、供給された現像液の乱流を抑制することにより、現像中の現像液の動きを更に静的に保つことができるので、更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0024】
請求項4,10記載の発明によれば、翼片を突設する現像液供給ノズルを移動方向と交差する方向に間隔をおいて2個並設して、隙間内を移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給することにより、両ノズル間に設けられた間隔から空気を逃がして、被処理基板側及び液膜形成用平板側の両側における現像液の動きを均等にバランスすることができるので、更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0025】
請求項5,11記載の発明によれば、現像液供給ノズルを移動しつつノズルの周方向に回転させることにより、現像液供給ノズルが通過する影響、すなわちノズルが通過した直後の現像液の空洞部による影響を抑制することができるので、請求項1,2記載の発明に加えて更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0026】
請求項6,12記載の発明によれば、液膜形成用平板に被処理基板を用いることにより、一工程で2枚の被処理基板の現像処理を同時に行うことができるので、請求項1〜5記載の発明に加えて更に処理効率の向上を図ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態では、この発明に係る現像処理装置を半導体ウエハ(以下にウエハという)の現像処理に適用した場合について説明する。
【0028】
◎第一実施形態
図1は、この発明に係る現像処理装置の一例を示す概略平面図、図2は、現像処理装置の概略側面図、図3は、この発明における載置台の別の形態を示す概略平面図(a)及び概略側面図(b)、図4は、この発明の現像処理方法の第一実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図、図5は、第一実施形態における現像液供給ノズルの一例を示す要部断面図である。
【0029】
上記現像処理装置は、被処理基板であるウエハWを載置し、図3に示すバキューム装置VによってウエハWを吸着保持する載置台10と、この載置台10の上方に配設される液膜形成用平板20とを具備している。載置台10は、水平がとれれば任意の大きさでよい。例えば、ウエハWと略同じ大きさであってもよく、接触面積を小さくするためにウエハWよりも小さくしてもよい。あるいは、図3に示すように、放射状の三方向に載置部10bが延在する形状であってもよい。なお、図3において、符号10aは吸引穴である。この場合、載置台10に載置されたウエハWと、液膜形成用平板20とは互いに平行に所定の隙間30をあけて対向して配設されており、この隙間30によって現像液の液膜形成領域が形成される。なお、隙間30(液膜形成領域)の寸法は現像液の種類や形成される液膜の膜厚等によって異なるが、約2〜5mm程度に設定される。この間隔は、後述する現像ノズル40が通過できる寸法であればよい。
【0030】
また、載置台10には、図示しないウエハ搬送アームとの間でウエハWの受け渡しを行う3本の支持ピン11が昇降可能に設けられている。これら支持ピン11は、図1及び図2に示すように、載置台10に設けられた貫通孔(図示せず)を摺動可能に貫挿するか、又は、図3に示すように、載置台10の横に設けられている。また、支持ピン11は、載置台10の下方に突出する下端部同士が支持部材12に立設され、支持部材12に連結する昇降手段例えば昇降シリンダ13によって各支持ピン11が載置台10の載置面に出没し得るように形成されている。また、液膜形成用平板20は、例えばボールねじにて構成される昇降機構21に連結されており、この昇降機構21の駆動によって載置台10に対して進退移動可能に形成されて、隙間30の間隔が調整される。この場合、昇降機構21と液膜形成用平板20とを回転可能に連結してもよい。
【0031】
また、現像処理装置は、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔41を有する管状の現像液供給ノズル40(以下に現像ノズル40という)を具備している。この現像ノズル40は、載置台10を挟んで両側に配設された一対のガイドレール50に移動自在に架設されると共に、ノズル移動手段である移動・昇降機構60(移動・昇降手段)に連結されて、鉛直方向に昇降移動可能に形成されると共に、上記隙間30(液膜形成領域)の一側端から他側端に向かって移動すべく水平方向に移動可能に形成されている。
【0032】
この場合、現像ノズル40は、図4に示すように、例えば外径約1〜4mm、内径約0.5〜3.5mmの例えばステンレスやエポキシ樹脂製の管状部材42の軸方向に沿って等間隔に穿設される複数の小孔41を具備しており、管状部材42の中空部42aの両端部に供給管路43を介して現像液供給源である現像液貯留タンク44が接続されている。この供給管路43の一部は、現像ノズル40の移動範囲を許容できる長さのチューブにて形成されている。また、供給管路43には現像液の流量調整可能な開閉手段例えばエアオペレーションバルブ45と圧送手段例えばポンプ46が介設されている。なお、小孔41は、管状部材42の端部側から中心側に向かって小孔41の開口面積が漸次増大されている。このように小孔41の開口面積を、管状部材42の端部側から中心側に向かって漸次増大させることにより、両端側から管状部材42の中空部42a内に供給される現像液を各小孔41から均等に吐出(供給)することができる。なお、小孔41の開口径や間隔は、ウエハWのサイズや現像液の種類等によって適宜設定される。
【0033】
ここでは、複数の小孔41を等間隔に設けて、小孔41の開口面積を、管状部材42の端部側から中心側に向かって漸次増大させる場合について説明したが、各小孔41の開口面積を同一にして、管状部材42の端部側から中心側に向かって間隔を漸次小さくするようにしてもよい。また、小孔41を管状部材42の複数列、例えば図7に示すように、管状部材42の下端側と上端側の2列に同様に設けてもよく、あるいは、任意の複数列に同様に設けてもよい。また、図8に示すように、全周に多数の小孔41を有する多孔質の管状部材42Aにて現像ノズル40Aを形成してもよい。このように、現像ノズル40Aを全周に多数の小孔41を有する多孔質の管状部材42Aにて形成することにより、現像ノズル40の全周から現像液を均一に吐出(供給)することができる。なお、これらの場合、ポンプ46によって現像液の圧力を調整するようにしてもよい。
【0034】
なお、上記ガイドレール50には、現像ノズル40の他に、それぞれ現像ノズル40と同様に管状に形成される、第1のリンスノズル71と、現像液吸引ノズル73と、第2のリンスノズル72及び乾燥ノズル74が、昇降及び摺動可能に装着されている。この場合、第1及び第2のリンスノズル71,72は、現像ノズル40と同様に、管状部材の軸方向に沿う複数のノズル孔(図示せず)が設けられている。また、現像液吸引ノズル73及び乾燥ノズル74は、それぞれ管状部材の軸方向に沿うスリット状の吸引孔や乾燥気体例えば空気の噴射孔(図示せず)が設けられている。これら第1のリンスノズル71、現像液吸引ノズル73、第2のリンスノズル72及び乾燥ノズル74も、上記移動・昇降機構60に連結されて、鉛直方向に昇降移動可能に形成されると共に、上記隙間30の一側端から他側端に向かって移動すべく水平方向に移動可能に形成されている。なお、上記ノズル40,71〜74の待機位置(ホームポジション)には、ノズル洗浄バス75が配設されている。なお、上記リンスノズル71,72、現像液吸引ノズル73、乾燥ノズル74は、それぞれ径は異なってもよく、また、それぞれの使用時の隙間30も異なっていてもよい。
【0035】
次に、この発明の現像処理方法について、図4及び図6を参照して説明する。まず、図示しないウエハ搬送アームがウエハWを保持して現像装置内に進入すると、支持ピン11が上昇してウエハWを受け取る。ウエハWを受け渡したウエハ搬送アームは現像装置内から後退する。ウエハWを受け取った支持ピン11が下降してウエハWが載置台10に載置されると、バキューム装置Vの駆動によってウエハWが吸着保持される。その後、昇降機構21によって液膜形成用平板20を鉛直方向に移動(昇降)して、載置台10に載置されるウエハWの表面に形成(液盛り)される現像液の膜厚に対応した間隔ととなるように調節して隙間30(液膜形成領域)を設定する。この状態で、図4及び図6(a),(b)に示すように、現像ノズル40を、隙間30(液膜形成領域)の一側端から他側端に向かって移動しつつ小孔41から隙間30(液膜形成領域)内に現像液Dを吐出(供給)すると、現像液Dが隙間30(液膜形成領域)内に充満されてウエハWの表面に現像液Dの液膜が形成される。この際、現像ノズル40の移動速度を、例えば50〜150mm/secとし、現像液の吐出量(供給量)を、例えば5〜50ml/secとする。
【0036】
これにより、現像中の現像液Dの動きを現像開始から終了まで、極めて静的に保って隙間30(液膜形成領域)内に現像液Dを充満させた状態でウエハWの表面に現像液Dの液膜を形成することができる。これにより、レジストRの疎水度に影響を受けずに現像液Dの液膜を均一に形成することができる。また、薄い隙間30(液膜形成領域)の分の現像液で済むため、現像液の消費量を低減することができる。
【0037】
なお、上記説明では、現像ノズル40の移動による現像処理の部分について説明したが、上記現像ノズル40を隙間30(液膜形成領域)の一端側から他端側に向かって移動した後、所定の時間をおいて第1のリンスノズル71を同様に移動しつつ図示しないリンス液供給源からリンス液例えば純水を吐出(供給)して現像液とレジストの溶解反応を停止させ、次いで、現像液吸引ノズル73を同様に移動させつつ図示しない吸引手段の吸引作用によって現像液と反応して生成された溶解生成物を吸引する。その後、第2のリンスノズル72を同様に移動しつつ図示しないリンス液供給源からリンス液例えば純水を吐出(供給)してリンス処理を行う。そして、最後に、乾燥ノズル74を同様に移動しつつ図示しない乾燥気体例えば清浄化された空気の供給源から乾燥気体を吹き付けてウエハWに付着するリンス液を吹き飛ばして乾燥する。なお、第2のリンスノズル72及び乾燥ノズル74をそれぞれ往復移動して、リンス処理及び乾燥処理を行うようにしてもよい。
【0038】
以上のようにして現像処理、リンス処理及び乾燥処理を行った後、現像ノズル40、第1のリンスノズル71、現像液吸引ノズル73、第2のリンスノズル72及び乾燥ノズル74はホームポジションに戻る。その後、載置台10の吸着状態を解除し、支持ピン11を上昇させて、現像装置内に進入するウエハ搬送アーム(図示せず)にウエハWを受け渡してウエハWを搬出する。以下、上記と同様の操作を繰り返してウエハWの現像処理を行う。
【0039】
◎第二実施形態
図9は、この発明の現像処理方法の第二実施形態の現像処理状態を示す要部拡大断面図である。
【0040】
第二実施形態は、上記現像ノズル40を複数例えば2個を、現像ノズル40の移動方向に間隔Lをおいて隙間30(液膜形成領域)内に移動させつつ各現像ノズル40の小孔41から現像液Dを供給させるようにした場合である。
【0041】
このように、複数例えば2個の現像ノズル40を移動方向に間隔Lをおいて隙間30(液膜形成領域)内に移動させつつ各現像ノズル40の小孔41から現像液Dを供給させることにより、第一実施形態のように1個現像ノズル40の小孔41から現像液を吐出(供給)する場合に比べて各現像ノズル40の小孔41からできる限りゆっくり現像液を吐出(供給)しながら2個の現像ノズル40を移動することができる。したがって、現像中の現像液Dの動きを更に静的に保って線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。また、複数の現像ノズル40を同時に移動させるので、現像処理速度の迅速化を図ることができる。
【0042】
なお、第二実施形態において、現像ノズル40を多孔質の現像ノズル40Aに代えてもよい。また、第二実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0043】
◎第三実施形態
図10は、この発明の現像処理方法の第三実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図(a)及び第三実施形態における現像ノズル40Bを示す斜視図(b)である。
【0044】
第三実施形態は、現像ノズル40Bにおける移動方向の後方側に翼片80を突設して、現像ノズル40Bの小孔41から吐出(供給)された現像液Dの乱流を抑制することにより、現像中の現像液の動きを更に静的に保つようにした場合である。この場合、翼片80は、現像ノズル40Bの管状部材42Bと一体に形成されており、先端(移動方向の後方側)に向かって狭小のテーパ面81が形成されている。
【0045】
上記のように形成される現像ノズル40Bを、第一実施形態と同様に、隙間30(液膜形成領域)の一端側から他端側に向かって移動して現像処理を行うと、先端(移動方向の後方側)に向かって狭小のテーパ面81を有する翼片80によって、現像液Dの乱流を整流化して抑制することができ、現像中の現像液Dの動きを更に静的に保つことができるので、更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0046】
なお、第三実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0047】
◎第四実施形態
図11は、この発明の現像処理方法の第四実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【0048】
第四実施形態は、それぞれ翼片80Aを突設する現像ノズル40Cを移動方向と交差する方向に間隔L1をおいて2個並設して、隙間30(液膜形成領域)の一端側から他端側に向かって移動させつつ各現像ノズル40Cの小孔41から現像液を吐出(供給)して隙間30(液膜形成領域)内に現像液を充満させてウエハW表面に液膜を形成する場合である。第四実施形態おいて、各現像ノズル40Cの翼片80Aは、管状部材42Cと一体に形成され、管状部材42Cの下端又は上端から移動方向後方側に延在する水平面82と、管状部材42Cの上端又は下端と水平面82の先端とを連結する傾斜面83とを有する断面略三角形状に形成されている。
【0049】
このように、翼片80Aを突設する現像ノズル40Cを移動方向と交差する方向に間隔L1をおいて2個並設して、隙間30(液膜形成領域)の一端側から他端側に向かって移動させつつ各現像ノズル40Cの小孔41から現像液を吐出(供給)することにより、両現像ノズル40C間に設けられた間隔L1から空気Aを逃がして、ウエハW側及び液膜形成用平板20側の両側における現像液Dの動きを均等にバランスすることができる。したがって、更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0050】
なお、第四実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0051】
◎第五実施形態
図12は、この発明の現像処理方法の第五実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【0052】
第五実施形態は、現像ノズル40Dを移動しつつ現像ノズル40Dの周方向に回転させるようにした場合である。この場合、現像ノズル40Dは、軸方向に沿う複数列例えば3列以上に複数の小孔41を設ける方が好ましい。また、現像ノズル40Dの回転方向をウエハW側に向かって行う方が好ましい。その理由は、現像ノズル40Dの回転に伴って小孔41から吐出(供給)される現像液をウエハWに積極的に供給することができるからである。このように、現像ノズル40を移動しつつ現像ノズル40Dの周方向に回転(ウエハW側に回転)させることにより、現像ノズル40Dの小孔41から吐出(供給)される現像液がウエハW表面に置かれるようにして液膜が形成される。また、現像ノズル40Dが通過する影響、すなわち現像ノズル40Dが通過した直後の現像液Dの空洞部による影響を抑制することができるので、更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0053】
なお、第五実施形態において、現像ノズル40Dに代えて多孔質の現像ノズルAを用いてもよい。また、第五実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
◎第六実施形態
図13は、この発明の現像処理方法の第六実施形態を示す要部拡大断面図である。
【0055】
第六実施形態は、一工程で2枚のウエハWを同時に現像処理できるようにした場合である。すなわち、上記液膜形成用平板20に代えてウエハWを用いて、2枚のウエハWを互いに平行に対向させて隙間30(液膜形成領域)を形成し、この隙間30(液膜形成領域)の一端側から他端側に向かって現像ノズル例えば第四実施形態の現像ノズル40Cを移動しつつ現像液を小孔41から吐出(供給)して、隙間30(液膜形成領域)内に現像液Dを充満させて、両ウエハWの表面に液膜を形成するようにした場合である。
【0056】
したがって、第六実施形態によれば、一工程で2枚のウエハWの現像処理を同時に行うことができるので、更に処理効率の向上を図ることができる。この場合、翼片80Aを突設する現像ノズル40Cを移動方向と交差する方向に間隔L1をおいて2個並設して、隙間30(液膜形成領域)の一端側から他端側に向かって移動させつつ各現像ノズル40Cの小孔41から現像液を吐出(供給)することにより、両現像ノズル40C間に設けられた間隔L1から空気Aを逃がして、ウエハW側及び液膜形成用平板20側の両側における現像液Dの動きを均等にバランスすることができるので、更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0057】
なお、上記説明では、翼片80Aを突設する現像ノズル40Cを移動方向と交差する方向に間隔L1をおいて2個並設される場合について説明したが、その他の現像ノズル40,40A,40Bを用いてもよい。また、第六実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0058】
◎その他の実施形態
(1)上記実施形態では、載置台10が固定式で回転しない場合について説明したが、図3に二点鎖線で示すように、載置台10をモータMの回転軸に連結して、載置台10を水平方向に回転可能に形成し、現像ノズル40,40A,40B,40C,40Dの移動と同時に載置台10及びウエハWを水平方向に回転させるようにしてもよい。このように回転を利用する場合には、好ましくは、現像ノズル40,40A〜40Dを隙間30の一側端から他側端に向かって移動して現像液を吐出(供給)するときは、載置台10及びウエハWを回転させずに、それ以降の処理である洗浄処理、乾燥処理時には載置台10及びウエハWを回転させる方が好ましい。例えば図14に示すように、載置台10及びウエハWを回転させずに現像塗布工程を行った後に、液膜形成用平板20を移動させて、洗浄ノズル(リンスノズル)72Aが入る高さまで上昇させる(図14(a))。次に、液膜形成用平板20を下降してリンスノズル72Aが移動する隙間30を確保した後、リンスノズル72Aを隙間30の一側端から中心まで移動しつつリンス液例えは純水を吐出(供給)すると同時に、載置台10及びウエハWを回転する(図14(b),(c)参照)。その後、リンスノズル72Aからの純水の吐出(供給)を停止し、リンスノズル72Aがホームポジションに戻った後、又は、戻ると同時に、載置台10及びウエハWを高速回転して、ウエハWに付着する純水を振り切り、乾燥する(図14(d))。
【0059】
(2)上記実施形態では、被処理基板がウエハWである場合について説明したが、ウエハ以外の例えばFPD用ガラス基板やマスク基板(レチクル)等においても同様に現像処理できることは勿論である。なお、FPD用ガラス基板やマスク基板等のような角形の被処理板例えばマスク基板(レチクル)REの現像処理を行う場合は、図15に示すように、円形の液膜形成用平板20に代えて矩形状(方形状)の液膜形成用平板20Aを用い、また、矩形状(方形状)の載置台10Aを用いて処理を行う必要がある。また、液膜形成用平板20A,載置台10Aを用いることにより、被処理基板の形状に関係なく現像処理を行うことができる。
【0060】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0061】
1)請求項1,7記載の発明によれば、互いに平行に対向配置される被処理基板と液膜形成用平板とで形成された隙間(液膜形成領域)の一側端から他側端に向かって、軸方向に沿う複数の小孔を有する現像液供給ノズルを移動しつつ小孔から隙間内に現像液を供給することにより、現像中の現像液の動きを現像開始から終了まで、極めて静的に保って隙間内に現像液を充満させた状態で被処理基板の表面に現像液の液膜を形成して現像処理することができる。したがって、レジストの疎水度に影響を受けずに、面内を均一にして線幅等のパターン寸法の均一性の向上が図れる。また、現像液の使用量は、所定の間隔に設定された薄い隙間(液膜形成領域)の分の液量で済むため、現像液の少量化を図ることができる。
【0062】
2)請求項2,8記載の発明によれば、現像液供給ノズルの複数個を間隔をおいて隙間内に移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給することにより、各ノズルの小孔からできる限りゆっくり現像液を供給(吐出)しながら複数のノズルを移動することができるので、上記1)に加えて更に現像中の現像液の動きを更に静的に保って線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。また、複数のノズルを同時に移動させるので、現像処理速度の迅速化を図ることができる。
【0063】
3)請求項3,9記載の発明によれば、現像液供給ノズルにおける移動方向の後方側に突設された翼片により、供給された現像液の乱流を抑制することにより、現像中の現像液の動きを更に静的に保つことができるので、上記1)に加えて更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0064】
4)請求項4,10記載の発明によれば、翼片を突設する現像液供給ノズルを移動方向と交差する方向に間隔をおいて2個並設して、隙間内を移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給することにより、両ノズル間に設けられた間隔から空気を逃がして、被処理基板側及び液膜形成用平板側の両側における現像液の動きを均等にバランスすることができるので、上記1)、3)に加えて更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0065】
5)請求項5,11記載の発明によれば、現像液供給ノズルを移動しつつノズルの周方向に回転させることにより、現像液供給ノズルが通過する影響、すなわちノズルが通過した直後の現像液の空洞部による影響を抑制することができるので、上記1)に加えて更に線幅等のパターンの均一性の向上を図ることができる。
【0066】
6)請求項6,12記載の発明によれば、液膜形成用平板に被処理基板を用いることにより、一工程で2枚の被処理基板の現像処理を同時に行うことができるので、更に処理効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る現像処理装置の一例を示す概略平面図である。
【図2】上記現像処理装置の概略側面図である。
【図3】この発明における載置台の別の形態を示す概略平面図(a)及び概略側面図(b)である。
【図4】この発明の現像処理方法の第一実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【図5】第一実施形態の現像ノズルを示す概略断面図である。
【図6】第一実施形態の現像処理を示す概略斜視図である。
【図7】第一実施形態の現像ノズルの別の形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【図8】第一実施形態の現像ノズルの別の形態の現像処理を示す要部拡大断面図(a)及びその現像ノズルの斜視図(b)である。
【図9】この発明の現像処理方法の第二実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【図10】この発明の現像処理方法の第三実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図(a)及びその現像ノズルの斜視図(b)である。
【図11】この発明の現像処理方法の第四実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【図12】この発明の現像処理方法の第五実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【図13】この発明の現像処理方法の第六実施形態の現像処理を示す要部拡大断面図である。
【図14】この発明の現像処理方法の第七実施形態の一例と、洗浄及び乾燥処理を示す説明図である。
【図15】この発明における載置台及び液膜形成用平板の別の形態を示す概略平面図(a)及び概略側面図(b)である。
【符号の説明】
10,10A 載置台
20,20A 液膜形成用平板
30 隙間(液膜形成領域)
40,40A〜40D 現像ノズル(現像液供給ノズル)
41 小孔
60 移動・昇降機構(移動・昇降手段、ノズル移動手段)
80,80A 翼片
W 半導体ウエハ(被処理基板)
D 現像液
L 現像ノズル40の間隔
L1 現像ノズル40Cの間隔
RE レチクル(被処理基板)
Claims (12)
- 被処理基板と液膜形成用平板とを互いに平行に所定の隙間をあけて対向させ、少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状の現像液供給ノズルを、上記隙間の一側端から他側端に向かって移動しつつ小孔から隙間内に現像液を供給することにより、上記隙間内に現像液を充満させて上記被処理基板の表面に現像液の液膜を形成する、ことを特徴とする現像処理方法。
- 請求項1記載の現像処理方法において、
上記現像液供給ノズルの複数個を間隔をおいて隙間内に移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給する、ことを特徴とする現像処理方法。 - 請求項1記載の現像処理方法において、
上記現像液供給ノズルにおける移動方向の後方側に突設された翼片により、供給された現像液の乱流を抑制する、ことを特徴とする現像処理方法。 - 請求項3記載の現像処理方法において、
上記翼片を突設する現像液供給ノズルを移動方向と交差する方向に間隔をおいて2個並設して、隙間内を移動させつつ各現像液供給ノズルの小孔から現像液を供給する、ことを特徴とする現像処理方法。 - 請求項1又は2記載の現像処理方法において、
上記現像液供給ノズルを移動しつつノズルの周方向に回転させる、ことを特徴とする現像処理方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の現像処理方法において、
上記液膜形成用平板が被処理基板である、ことを特徴とする現像処理方法。 - 被処理基板を載置する載置台と、
上記載置台の上方に対向して配設され、載置台に載置された被処理基板との間に所定の隙間を形成する液膜形成用平板と、
少なくとも軸方向に沿う複数の小孔を有する管状の現像液供給ノズルと、
上記現像液供給ノズルを、上記隙間の一側端から他側端に向かって移動するノズル移動手段と、を具備することを特徴とする現像処理装置。 - 請求項7記載の現像処理装置において、
上記現像液供給ノズルは、互いに間隔をおいて隙間内を移動する複数個のノズルである、ことを特徴とする現像処理装置。 - 請求項7記載の現像処理装置において、
上記現像液供給ノズルは、該ノズルの移動方向の後方側に翼片を突設してなる、ことを特徴とする現像処理装置。 - 請求項9記載の現像処理装置において、
上記翼片を突設する現像液供給ノズルを、該ノズルの移動方向と交差する方向に間隔をおいて2個並設してなる、ことを特徴とする現像処理装置。 - 請求項7又は8記載の現像処理装置において、
上記現像液供給ノズルを、移動及び同方向に回転可能に形成してなる、ことを特徴とする現像処理装置。 - 請求項7ないし11のいずれかに記載の現像処理装置において、
上記液膜形成用平板が被処理基板である、ことを特徴とする現像処理装置。
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