JP2004317657A - ラベル及びラベル付き容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器本体1の胴部に装着されるラベル基材5の内側の一端部に、前記容器本体の胴部に接着する接着剤10aが塗布され、且つ、他端部の内側に、前記ラベル基材の外側に接着する接着剤10bが塗布されたラベルにおいて、前記一端部の接着剤と他端部の接着剤が同一材質からなり、容器本体と一端部の接着剤の界面の接着強度が、接着剤とラベル基材側との界面接着強度よりも小さく設定され、しかも、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されていることにある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回収後に容器本体からラベルを剥離して容器本体をリサイクル等できるラベル及びラベル付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリエチレンテレフタレート製容器(PETボトル)等の容器本体の胴部には、筒状のラベルが巻付けにより装着されている。即ち、かかるラベルを容器本体に巻き付けるには、ラベル基材の一端部の内面に塗布された接着剤を、容器本体の胴部の表面に接着させ、その容器本体を回転させた後に、ラベル基材の他端部を接着剤を介して一端部に重ねている。近年、このようなラベルが装着されたPETボトルは飲料用の容器として多く使用されており、このラベル付きPETボトルを回収して、ポリエチレンテレフタレート樹脂のリサイクルを行っている。
【0003】
容器のリサイクルに際して、純度の高いポリエチレンテレフタレート樹脂のみを回収するためにはラベルをPETボトルから完全に剥離して、PETボトルのみをリサイクルするのが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
純度の高いポリエチレンテレフタレート樹脂のみを回収するためにはラベルをPETボトルから完全に剥離して、PETボトルのみをリサイクルする必要がある。一方、ラベル基材の両端部同士は、ラベルが不用意に剥がれないようにするために、所定の接着強度が要求される。
【0005】
しかしながら、従来の接着剤は、ラベル基材の端部同士を強固に接着するものであり、ラベルを容器本体から剥離する場合のことを考慮するものではなかったため、ラベルをPETボトルから剥離した際に、接着剤がPETボトルの表面に残存することが多かった。かかる接着剤を完全に除去するには、非常に煩雑な作業で、その作業のための経費がかさむという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、ラベル基材の端部同士の接着強度を十分に得られると共に、回収後の容器本体に接着剤が残存することなく確実にラベルを剥離して容器本体をリサイクル等できるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくラベル及びラベル付き容器としてなされたものであり、ラベルとしての特徴は、容器本体の胴部に装着されるラベル基材の内側の一端部に、前記容器本体の胴部に接着する接着剤が塗布され、且つ、他端部の内側に、前記ラベル基材の外側に接着する接着剤が塗布されたラベルにおいて、前記一端部の接着剤と他端部の接着剤が同一材質からなり、容器本体と一端部の接着剤の界面の接着強度が、接着剤とラベル基材側との界面接着強度よりも小さく設定され、しかも、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されていることにある。
【0008】
そして、容器本体と接着剤の界面の接着強度が、該接着剤とラベル基材側との界面接着強度よりも小さく設定されていることから、ラベルを剥離した際に、接着剤は、容器本体の表面に残存することなくラベル基材と共に除去される。
【0009】
また、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度(ラベル基材の端部同士の接着強度)は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されているので、ラベル基材の端部同士が不用意に剥がれることはない。
【0010】
ラベル付き容器としての特徴は、容器本体と、該容器本体の胴部に巻き付けて装着されるラベルとを備え、前記ラベルはラベル基材を有し、ラベル基材の一端部の内面には、ラベル基材の巻き付け時に容器本体に接着する接着剤が塗布され、ラベル基材の他端部は、一端部に接着剤を介して重ね合わせるように接着されているラベル付き容器において、前記一端部の接着剤と他端部の接着剤が同一材質からなり、容器本体と一端部の接着剤の界面の接着強度が、該接着剤とラベル基材との界面接着強度よりも小さく設定され、しかも、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されていることにある。
【0011】
そして、容器本体と接着剤の界面の接着強度が、該接着剤とラベル基材との界面接着強度よりも小さく設定されていることから、ラベル基材を剥離した際に、接着剤は、容器本体の表面に残存することなくラベル基材と共に除去される。
【0012】
また、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されているので、ラベル付き容器の輸送時等に、ラベル基材の端部同士が不用意に剥がれることはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参酌しつつ説明する。図2は、容器本体1の胴部1aに筒状のラベル2を装着した斜視図を示す。容器本体1は、例えばプラスチックボトルからなり、その素材は、特に限定されないが、PET、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)製ボトルが挙げられる。
【0014】
前記筒状のラベル2は、図1(ハ)に示す如く一端部(前部)2aの内側が容器本体1の胴部1aの表面に接着され、且つ、他端部(後部)2bの内側が前部2aの外側に重ね合わされて接着されている。ラベル2は、合成樹脂製フィルムからなり印刷等によって任意の表示等が施されているもので、ラベル基材5を備えている。ラベル基材5の材質としては、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンや2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン等製の公知の材質からなる厚さ10〜80μm程度の単体のフィルムや種々の材質の積層フィルム等用途に合わせた任意のシート材が使用できる。尚、容器本体1がPETボトルの場合には、比重差により分別しリサイクルが容易となり、且つ伸びが少なく腰が有るOPPフィルムが好ましい。
【0015】
該ラベル基材5の両面(内面及び外面)の全面はコロナ処理が施され、ラベル基材5の内側の処理面には、文字や絵柄等のカラーインキにより表示6が印刷されている。また、ラベル基材5の内側には、前記表示6を被覆するように、白インキ層7が積層されている。前記ラベル基材5の外側の処理面には、着色顔料が実質的に含有されていないインキ層(表メジウム層)9が積層されている(図1(イ)及び(ロ)参照)。これらインキ層の印刷インキとしては、アクリル系やウレタン系樹脂を主成分としたものが使用でき、フィルム及び後述する接着剤との密着が良好なウレタン系樹脂を主成分としたものが好ましい。
尚、カラーインキによる表示6及び白インキ層7により、裏インキ層が形成されている。また、表メジウム層9のインキとしては、表面の耐摩性を向上させるために硬化剤を添加した2液硬化タイプが好ましい。
【0016】
前記ラベル2は、その内側で且つ前部2aと後部2bに接着剤10a,10bをそれぞれ備えている。具体的には、白インキ層7の前部と後部には、同一材質からなる接着剤10a,10bがそれぞれ塗布されている。かかる接着剤としては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂やエチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル系樹脂等を主成分とした感熱接着剤の水性エマルジョンや有機溶剤溶液が挙げられる。エチレン酢酸ビニル共重合樹脂としては、酢酸ビニル含有量が10〜40%のものが好ましい。
そして、ラベル2の前部2aは、接着剤10aを介して容器本体1の胴部1aの表面に接着されている。後部2bの内側は、接着剤10bを介して前部2aの外側に重ね合わされて接着されている。
【0017】
ここで、容器本体1の胴部1aの表面と接着剤10aの界面の接着強度が、該接着剤10aとラベル基材側(白インキ層7)との界面接着強度よりも小さくなるように設定されている。
また、前記後部2bの接着剤10bとラベル基材5の外側(表メジウム層9)との界面接着強度は、表メジウム層9を有するため前部2aの接着剤10aと容器本体1の胴部1aの表面との界面の接着強度よりも強固になっている。即ち、ラベル2の端部同士の接着強度は、容器本体1と接着剤10aの界面の接着強度よりも大きくなるように設定されている。
【0018】
次に、ラベルを製造し、その後にラベルを容器本体に装着する場合について説明する。先ず、両面コロナ処理を施されたOPPフィルム等からなる広幅のラベルシート基材13を準備し、該ラベル基材13の内面にカラーインキによる表示6と白インキ層7をグラビア印刷やフレキソ印刷によって印刷し、そして、外面に表メジウム層9を同様の印刷法により1〜5μmの厚さで印刷塗布する(図3(イ)に示すA部分)。表メジウム層9を印刷した後に、表示6と白インキ層7を印刷しても良い。
【0019】
次に、ラベルシート基材13の内側面に、接着剤層10を所定の間隔を有して設ける。接着剤層10は、前記グラビア印刷等により、乾燥厚さ3〜10μmの厚さに塗布する。以上の印刷インキと接着剤の塗布は、1度の印刷工程で連続して行うことができる。
次に、上記印刷された幅広ラベルシート基材13を、所定の幅(ラベル一列分の幅)にスリットしてラベル2が多数連続した長尺のラベルシート基材13(図3(イ)に示すB部分及び図3(ロ)参照)の巻取ロールを得る。
このようにして得られた長尺のラベルシート基材13の巻取ロールを、ラベリング装置にセットし、繰り出し、各接着剤層10の略中央の切断位置Xで、該ラベルシート基材13を幅方向に切断してラベル2を形成する(図3(イ)に示すC部分)。接着剤層10の切断により、接着剤層10は、互いに隣接する接着部10aと接着部10bに分断され、同一材質からなる接着剤層が、それぞれラベルの後端部とその後続のラベルの前端部に形成されることとなる。このように接着剤層10の切断により、ラベルの後端部とその後続のラベルの前端部に接着剤層をそれぞれ設けることができるため、ラベルを容易に製造することができる。
【0020】
そして、このようにして形成された各ラベル2は、PETボトル等の容器本体1に装着するために、前部2aの接着剤10aを加熱して活性化させた後に、容器本体1の胴部1aの表面に接着させる(図4(イ)参照)。
【0021】
次に、図4(ロ)に示すように、容器本体1の胴部1aにラベル2を巻き付け、ラベル2の後部2bを前部2aの上面に重ね合せて、加熱により活性化された前記後部2bの接着部10bを接着しオーバラップ部分を形成した(図4(ハ)参照)。
【0022】
このようにして形成されたラベル付き容器を回収してリサイクルする場合には、ラベル2を剥離するのであるが、ラベル2を剥離する際に、前部2aに塗布された接着剤10aと白インキ層7との界面接着強度は、該接着剤10aと容器本体1の胴部1aの表面との界面の接着強度よりも強固になっているので、接着剤10aをラベル基材と共に完全に剥離でき、容易且つ確実にラベル2の巻装が解除されて容器本体1と分離することができるのである。尚、白インキ層7は、コロナ処理が施されたラベル基材5に塗布され、強固に密着されることから、ラベルの剥離時に、白インキ層7がラベルシート基材13から剥離することはない。
【0023】
また、前記ラベル基材5の後部2bの接着剤10bは、ラベル基材5と直接接着するのではなく、外側の表メジウム層9と接着しているため強く、その界面接着強度は、前部2aに塗布された接着剤10aと容器本体1の胴部1aの表面との界面の接着強度よりも強固になっていることから、ラベル同士の接着強度が十分に得られ、輸送時等に不用意に落下することはない。
【0024】
尚、上記各実施の形態では、ラベルが装着される容器としてPETボトルを使用したが、容器の種類はこれに限定されるものではなく、要は回収されラベルと分離して再利用できる容器であればよい。
【0025】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、前記ラベル基材5の外側は、表メジウム層9に代えてヒ―トシール層を設けても良い。かかる場合には、ラベル基材5の外側面へのコロナ処理は不要となる。このようなラベル基材5としては、少なくとも片面にエチレンプロピレン共重合体や、プロピレンブテン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体等(ヒートシール層)を、厚さ2〜10μmで共押出等によって積層した厚さ20〜80μm程度のOPPフィルムが使用できる。このようなヒートシール層は、接着剤10と強固に接着されるため好ましい。また、接着剤10a、10bは、白インキ層7等の印刷層を設けない場合には、ラベル基材5に直接塗布しても良い。
【0026】
次に、前記ラベルの実施例について説明する。
【実施例1】
ラベルは、予め両面コロナ処理をしたOPPフィルム(ラベル基材)にグラビア印刷により、デザイン印刷、表面コート、接着剤のコート(塗布)を連続して行った。そして、かかるラベルを、ラベル装着機を用いて、PETボトルに巻きつけた。デザイン印刷とは、前記実施の形態で示したカラーインキの表示6及び白インキ層7(デザインインキによる印刷)をいう。表面コートとは、前記表メジウム層9に相当する。
【0027】
ラベル基材は、両面がコロナ処理され且つぬれ張力23℃ 38.0mN/m(JIS−K6768)の東レ(株)製のOPPフィルム「商品名:2595#50」を使用した。
【0028】
デザインインキは、大日本インキ化学工業(株)製の商品名がファインラップWPVを使用した。
【0029】
接着剤は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする水性エマルジョンの大日精化工業(株)製「商品名:セイカダイン1900W」を、塗布後の乾燥厚みが5μmになるようにイソプロピルアルコールで希釈し用いた。
【0030】
表面コートは、東洋インキ製造(株)製の透明インキ「商品名:JW224アクワエコール」を用い、硬化剤としてAQLPハードナーをインキに添加した。表面コートは乾燥厚みが約3μmとなるようにラベル基材に塗布した。
【0031】
前記ラベルの端部同士の接着強度(ラベルのオーバラップ部分のシール強度)の測定を行ったところ、0.7N/15mmであった。
【0032】
PETボトルとラベルのシール強度(接着剤とボトルの界面剥離強度)は、0.1N/15mmであった。インキ及び接着剤はボトルに付着しておらず、接着剤とボトルの界面剥離は良好であった。尚、これらの測定方法は、シール部分を幅が15mmになるようにラベルの横方向と平行に切り取って試験片を作成し、JIS−Z1707に準じて、試験片の引張速度を200mm/minで行った。
【0033】
【実施例2】
ラベル基材、デザインインキ及び表面コートが、前記実施例1と同様のラベルを使用し、PETボトルに巻きつけた。
接着剤は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする水性エマルジョンの中央理化化学工業(株)製のもの「商品名:アクアテックス EC1200」を、塗布後の乾燥厚みが5μmになるようにイソプロピルアルコールで希釈し用いた。
【0034】
ラベルのオーバラップ部分のシール強度は、0.9N/15mmであった。尚、シール強度の測定方法は、前記実施例1と同様である。
これに対して、PETボトルとラベルのシール強度は、0.3N/15mmであった。ラベルを剥がしても、インキ及び接着剤はボトルに付着しておらず、接着剤とボトルの界面剥離は良好であった。
【0035】
【実施例3】
ラベルは片面(表面)にヒートシール性樹脂層を設けてあるOPPフィルムを用いて、裏面のコロナ処理面側にグラビア印刷により、デザイン印刷、接着剤のコートを連続して行った。そして、このラベルをPETボトルに巻きつけた。
ラベル基材は、コロナ処理面のぬれ張力が23℃ 38.0mN/mの東セロ(株)製「商品名:HC−OP S #30」を使用した。
デザイン印刷のデザインインキとしては、東洋インキ製造(株)製の商品名:JW224アクワエコールを用いた。
【0036】
接着剤は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする水性エマルジョンの大日精化工業(株)製「商品名:セイカダイン1900W」を、塗布後の乾燥厚みが5μmになるようにイソプロピルアルコールで希釈し用いた。
表面コートは、前記実施例1と同様の透明インキを用い、その乾燥厚みが2μmとなるように塗布し用いた。
【0037】
ラベルのオーバラップ部分のシール強度の測定を行ったところ、0.7N/15mmであった。尚、シール強度の測定方法は、前記実施例1と同様である。
これに対して、PETボトルとラベルのシール強度は、0.1N/15mmであった。ラベルを剥がしても、インキ及び接着剤はボトルに付着しておらず、接着剤とボトルの界面剥離は良好であった。
【0038】
【実施例4】
ラベルは両面にヒートシール性脂層を設けてあるOPPフィルムを用いて、印刷面側にグラビア印刷により、デザイン印刷、接着剤のコートを連続して行った。
このラベルを用いて、PETボトルに巻きつけた。
ラベル基材は、三層になっており両面にはアクリル系樹脂からなるヒートシール層が設けてあるダイセル化学(株)製「商品名:MB668 #30」を使用した。
デザインインキ及び接着剤は、実施例1と同様のものを使用した。
【0039】
ラベルのオーバラップ部分のシール強度の測定を行ったところ、0.6N/15mmであった。尚、シール強度の測定方法は、前記実施例1と同様である。
これに対して、PETボトルとラベルのシール強度は、0.1N/15mmであった。ラベルを剥がしても、インキ及び接着剤はボトルに付着しておらず、接着剤とボトルの界面剥離は良好であった。
【0040】
【比較例】
ラベルは片面にコロナ処理してあるOPPフィルムを用いて、この片面側にグラビア印刷により、デザイン印刷、接着剤のコートを連続して行った。
このラベルを用いて、PETボトルに巻きつけた。
ラベル基材は、片面がコロナ処理され且つぬれ張力23℃ 38.0mN/mのOPPフィルム(東レ(株)製の商品名が2595#50)を使用した。
デザインインキ及び接着剤は、実施例1と同様ものを使用した。
【0041】
ラベルのオーバラップ部分のシール強度は、非常に弱く(0.0〜0.01N/15mm)、ラベルが巻き付けられなかった。尚、シール強度の測定方法は、前記実施例1と同様である。
これに対して、PETボトルとラベルのシール強度は、0.1N/15mmであった。ラベルを剥がしても、インキ及び接着剤はボトルに付着してらず、接着剤とボトルの界面剥離は良好であった。
【0042】
上記何れの実施例においても、ラベルのオーバラップ部分のシール強度は、PETボトルとラベルのシール強度よりも強くなり、しかも、ラベルを剥がしても、インキ及び接着剤はボトルに付着しておらず、接着剤とボトルの界面剥離は良好であることが確認された。
比較例においては、ラベル基材のコロナ処理されていない面に接着剤を接着させたため、ラベルのオーバラップ部分のシール強度は、ラベルを巻き付ける程度のシール強度を得ることができなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、容器のリサイクルに際して、容器本体に接着剤が残存することなく、ラベルと容器本体とを確実に分離することができ、リサイクル等の再利用を経済的且つ容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(イ)はラベルの断面図、(ロ)は同要部を示す断面図、(ハ)はラベルを容器本体に装着した断面図である。
【図2】本発明のラベル付き容器を示す斜視図である。
【図3】ラベルの製造工程を示し、(イ)は斜視図、(ロ)は断面図である。
【図4】ラベルの巻き付け工程を示し、(イ)はラベルの前部を容器本体に接着した状態の断面図、(ロ)はラベルを容器本体に装着する状態の断面図、(ハ)はラベルを容器本体に装着した状態の断面図である。
【符号の説明】
1…容器本体、1a…胴部、2…ラベル、5…ラベル基材、10a、10b…接着剤
Claims (2)
- 容器本体の胴部に装着されるラベル基材の内側の一端部に、前記容器本体の胴部に接着する接着剤が塗布され、且つ、他端部の内側に、前記ラベル基材の外側に接着する接着剤が塗布されたラベルにおいて、
前記一端部の接着剤と他端部の接着剤が同一材質からなり、容器本体と一端部の接着剤の界面の接着強度が、該接着剤とラベル基材側との界面接着強度よりも小さく設定され、しかも、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されていることを特徴とするラベル。 - 容器本体と、該容器本体の胴部に巻き付けて装着されるラベルとを備え、前記ラベルはラベル基材を有し、ラベル基材の一端部の内面には、ラベル基材の巻き付け時に容器本体に接着する接着剤が塗布され、ラベル基材の他端部は、一端部に接着剤を介して重ね合わせるように接着されているラベル付き容器において、前記一端部の接着剤と他端部の接着剤が同一材質からなり、容器本体と一端部の接着剤の界面の接着強度が、接着剤とラベル基材側との界面接着強度よりも小さく設定され、しかも、前記他端部の接着剤によるラベル基材の外側と他端部の内側の接着強度は、容器本体と接着剤の界面の接着強度よりも大きく設定されていることを特徴とするラベル付き容器。
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