JP2004314763A - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Naoki Hotta
直紀 堀田
Atsushi Nagata
篤 永田
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Abstract

【課題】エアバッグの展開膨張時に、ラッピング材によりケース開口周縁のコーナ部を覆い可能で、かつ、折り完了体のケース内への収納作業が容易な膝保護用エアバッグ装置の提供。
【解決手段】エアバッグ45が、内部にインフレーター38を収納させて折り畳まれた折り完了体47とされて、ケース16内に収納される膝保護用エアバッグ装置。折り完了体47の周囲に配置されるラッピング材49が、本体部50と、係止片部56A・56Bと、を備える。各係止片部56A・56Bは、ラッピング材49の折り完了体47からのずれを規制するずれ規制手段57・48を備える。ラッピング材49は、展開膨張時のエアバッグ45と、ケース開口17a周縁における左右両側の縁部及びコーナ部付近と、の干渉を防止可能に、折り完了体47の収納時におけるケース開口17a周縁の四隅近傍となる部位付近を、切り欠かれている。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着座した乗員の膝の前方に配設されて、折り畳まれたエアバッグとエアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターとを収納させるとともに、車両後方側を略長方形状に開口させて構成される略直方体状の板金製のケース、を備えた膝保護用エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーターは、略円柱状のインフレーター本体と、インフレーター本体側から突出して配設されてケースに固定させるための2本のボルトと、を備えて構成され、ボルトを突出させた状態でエアバッグ内に収納される構成であった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、上記のような構成の膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグの折り崩れを防止するために、インフレーターを収納させた状態でエアバッグを折り畳んで構成される折り完了体の周囲に、エアバッグの膨張時に所定箇所を破断可能とする可撓性を有したシート状素材からなるラッピング材を配設させて、ケース内に収納させていた。
【0004】
従来、ラッピング材は、略長方形状として、インフレーター本体部の軸直交方向に沿った両端を、折り完了体から突出しているインフレーターのボルトに係止させて、折り完了体を包んでいた(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そして、膝保護用エアバッグ装置では、ケースが剛性を備えた板金製とされていることから、エアバッグの展開膨張時に、ケースの開口周縁と、エアバッグと、が干渉しないように、ラッピング材が、ケースの開口周縁を覆う保護布としての役割も果たすこととなっていた。特に、膝保護用エアバッグは、膨脹完了時の状態より、左右方向の幅寸法を縮めるようにしてケース内に折り畳まれて収納され、展開膨張時に左右方向に大きく突出するように膨張することとなる。そのため、エアバッグの展開膨張時に、ケースの開口周縁における左右両側の縁部やコーナ部と、エアバッグと、が干渉しないように、ラッピング材により、ケースの開口周縁における左右両側の縁部とコーナ部とを覆うことが望まれていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−40071公報
【特許文献2】
特開2001−158320公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成のラッピング材は、インフレーターのボルトのみで、折り完了体に係止させている構成であった。すなわち、ラッピング材におけるインフレーター本体の軸方向の両端は、折り完了体に係止されない状態であった。そのため、エアバッグの展開膨張時において、ラッピング材により、ケース開口周縁における左右両側の縁部とコーナ部とを確実に覆うためには、折り完了体からのずれを考慮して、ラッピング材を、折り完了体よりも、インフレーター本体の軸方向に沿う幅寸法を大きく設定する必要が生じていた。そのため、折り完了体の周囲に配置させたラッピング材が、ケース開口周縁の四隅のコーナ部付近で特に嵩張って、折り完了体をケース内に収納する際の作業性が良好ではなかった。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、展開膨張時のエアバッグが、ケース開口周縁の左右両側の縁部やコーナ部と干渉することを防止して、折り完了体のケース内への収納作業が容易となる膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、着座した乗員の膝の前方に配設されて、
折り畳まれたエアバッグとエアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターとを収納させるとともに、車両後方側を略長方形状に開口させて構成される略直方体状の板金製のケースを備えて構成され、
ケースが、開口の長手方向を左右方向に略沿わせて配設され、
インフレーターが、
略円柱状とされて、軸方向を開口の長手方向に略沿わせて、ケース内に収納されるインフレーター本体と、
インフレーター本体の軸方向と略直交するように、インフレーター本体側から突出して配設されて、インフレーターを前記ケースに固定させるための複数本のボルトと、
を備え、
エアバッグが、ボルトを突出させた状態で、内部にインフレーターを収納させて折り畳まれた折り完了体とされて、インフレーターとともに、ケース内に収納される構成とされ、
折り完了体の周囲には、略全周にわたって、エアバッグの折り畳み状態を維持する可撓性を有したシート状素材からなる略長方形板状のラッピング材が、配設される構成の膝保護用エアバッグ装置において、
ラッピング材が、
折り完了体の上下方向の周囲を略全周にわたって覆うとともに、エアバッグの膨張時にケースの開口付近となる部位を破断可能とされる略長方形状の本体部と、
本体部において、インフレーター本体の軸直交方向側の両端付近に配設されるとともに、それぞれ、ボルトを挿通可能な挿通孔を備えてボルトに係止される2つの取付片部と、
本体部におけるインフレーター本体の軸方向側の両端付近に配設されるとともに、それぞれ、ラッピング材の折り完了体からのずれを規制するずれ規制手段を備えて、折り完了体側に係止される係止片部と、
を、備えて構成されるとともに、
展開膨脹時のエアバッグと、ケース開口周縁における左右両側の縁部及びコーナ部付近と、の干渉を防止可能に、折り完了体の収納時におけるケース開口周縁の四隅近傍となる部位付近を、切り欠かれて構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の膝保護用エアバッグ装置では、折り完了体の周囲を覆うラッピング材が、インフレーター本体の軸方向に沿った両端付近を、ずれ規制手段を備えた係止片部により、折り完了体側に係止させていることから、エアバッグの展開膨張時に、ラッピング材が、折り完了体から、大きくずれるのを抑えることができる。そのため、ラッピング材を、折り完了体の収納時にケース開口周縁の四隅近傍となる部位付近を切り欠くように構成しても、展開膨張時のエアバッグは、所定箇所を破断させたラッピング材により、ケース開口周縁左右両側の縁部や四隅のコーナ部との干渉が防止される。そして、勿論、ラッピング材が、折り完了体の収納時にケース開口周縁における四隅近傍となる部位付近を切り欠くように構成されていることから、折り完了体の周囲に配置させたラッピング材が、ケース開口の四隅のコーナ部付近で嵩張らず、ケースへの収納作業が容易となる。
【0011】
したがって、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、展開膨張時のエアバッグが、ケース開口周縁の左右両側の縁部やコーナ部と干渉することを防止して、折り完了体のケース内への収納作業が容易となる。
【0012】
そして、上記構成の膝保護用エアバッグ装置では、ずれ規制手段としては、ラッピング材の少なくとも一方の係止片部に、それぞれ、インフレーターのコネクタ部を嵌合可能な嵌合孔、折り完了体の長手方向の一端側において突出する突出部を係止可能な突出部用係止孔、又は、インフレーターのボルトに係止可能なボルト用係止孔を備えた2本のベルト、を例示することができる。
【0013】
また、上記構成の膝保護用エアバッグ装置において、ラッピング材の本体部に、ケースの開口付近に配設されるとともに、エアバッグの展開膨張時に左右両側に開き可能とされて、開き完了時に、ケース開口周縁における左右方向側の縁部とコーナ部とを覆い可能な左右2枚の扉部を、配設させ、
扉部の周囲に、エアバッグの展開膨脹時に破断可能な破断予定部を、スリットを設けて、配設させる構成とすることが好ましい。
【0014】
膝保護用エアバッグ装置を上記のような構成とした場合、エアバッグの展開膨張時において、破断予定部を破断させて開いた扉部により、エアバッグを突出させるための開口形状を的確に形成できる。そして、開いた扉部により、ケースの開口周縁における左右両側の縁部やコーナ部を的確に覆うことができる。
【0015】
さらに、上記構成の膝保護用エアバッグ装置において、左右2枚の扉部の間に、エアバッグの展開膨張時に上下両側に開き可能とされる上下2枚の小扉部を、配設させる構成とすることが好ましい。
【0016】
膝保護用エアバッグ装置を上記のような構成とした場合、エアバッグを突出させるための開口を、多数の小さな扉部で分割して形成できることから、各扉部が容易に開いて、エアバッグを突出させるための開口を迅速に形成できる。
【0017】
さらにまた、上記構成の膝保護用エアバッグ装置において、左右2枚の扉部を、それぞれ、上下方向の中央付近において、エアバッグの展開膨張時に上下に分割可能な左右方向に沿ったスリットを配設させた構成とすることが好ましい。
【0018】
膝保護用エアバッグ装置を上記のような構成とした場合、左右方向に開く扉部が、上下方向の中央付近に配設されたスリットにより、上下方向に分割されて開くこととなるため、各扉部が容易に開いて、エアバッグを突出させるための開口を迅速に形成できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sは、図1に示すように、乗員Mとしての運転者MDの膝Kを保護できるように、運転者MDの車両前方側であるステアリングコラム9の下方に配設されている。
【0021】
なお、本明細書における上下、左右、及び、前後は、膝保護用エアバッグ装置Sを車両に搭載させた際の車両の上下・左右・前後に対応するものである。
【0022】
膝保護用エアバッグ装置Sは、折り畳まれたエアバッグ45、エアバッグ45に膨張用ガスを供給するインフレーター38、折り畳まれたエアバッグ45とインフレーター38とを収納するとともに車両後方側を開口させたケース16、ケース16における開口17aの車両後方側を覆うエアバッグカバー27、及び、インフレーター38を収納させた状態でエアバッグ45を折り畳んで構成される折り完了体47の周囲に配設されるラッピング材49を、備えて構成されている。
【0023】
ケース16は、図1〜3に示すように、板金製として、ステアリングコラム9の下部側に配設されており、箱形状の本体部17と、本体部17の後端から外方に延びるパネル部23と、から構成されている。本体部17は、略直方体状とされるもので、略四角筒形状の周壁部18と、周壁部18の車両前方側を塞ぐ底壁部21と、を備えるとともに、車両後方側に略長方形状の開口17aを備えて、構成されている。また、本体部17は、開口17aの長手方向を左右方向に略沿わせて配設されている。周壁部18における上下方向で対向する壁部18a・18bの外表面側には、それぞれ、エアバッグカバー27の後述する上下の連結壁部30・31をケース16に組み付けるための複数の係止部19(19U・19D)が、配設されている。
【0024】
上方側の壁部18aの外表面側に配設される各係止部19Uは、断面略Z字形状として、エアバッグカバー27における上側壁部30の係止穴部30aに挿入されて係止穴部30aの周縁を係止可能な係止フックとして構成されている。これらの係止フック19Uは、車両の左右方向に沿って壁部18aに複数配設されている。
【0025】
下方側の壁部18bの外表面側に配設される係止部19Dは、断面略U字形状に形成されて、エアバッグカバー27における下側壁部31の係止穴部31aに挿入可能な係止突起として、構成されている。これらの係止突起19Dは、車両の左右方向に沿って壁部18bに複数配設されている。そして、各係止突起19Dには、各係止穴部31aへの挿入後における係止穴部31aからの抜け止めを図る閂材20が、挿入されている。この閂材20は、下側壁部31の外表面と各係止突起19Dの内周面との間に、それぞれ、挿入される複数の挿入部20aを備えて、車両前方側で一体化され、ケース16に固定されている。なお、閂材20のケース16への固定は、インフレーター38をケース16に固定するためのボルト40cのナット41止め時、共締めされて、ケース16の底壁部21に固定されている。
【0026】
さらに、周壁部18における側方側の壁部18cには、後述するインフレーター本体39のコネクタ部39bを挿通可能な挿通孔18dが、形成されている(図3参照)。また、底壁部21には、インフレーター38のボルト40cを挿通させるための2つの挿通孔21aが、形成されている。
【0027】
パネル部23は、ケース16の開口17aの周囲を囲むように、形成されている。また、パネル部23には、図1に示すように、ケース16をボディ1側に連結固定するための連結部24が、配設されている。各連結部24を連結させるボディ1側には、図1に示すように、ブラケット4・5・6が、配設される。上部側の連結部24Aを連結させるブラケット4・4は、ボディ1側のインパネリインフォースメント2に連結されている。そして、下部側の連結部24B・24Cを連結させるブラケット5・6は、ボディ1側の図示しないセンターブレースやフロントボディピラー等に連結されている。さらに、パネル部23には、図2に示すように、エアバッグカバー27の上側壁部30を挿通させる挿通孔23aが、形成されている。
【0028】
このパネル部23は、エアバッグ45が膨張しない状態において乗員MDの膝Kが干渉した場合にも、乗員MDの膝Kを受けることができるように、剛性を高めて構成されている。そのため、パネル部23に連結されるケース本体部17の周壁部18も高い剛性を備えて構成され、特に、周壁部18のコーナ部となる部位が、高い剛性を備えていることから、エアバッグ45との干渉防止が必要とされている。
【0029】
エアバッグカバー27は、ポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマーから形成されて、ケース16における開口17aの車両後方側を覆い可能なように、構成され、ケース16に組み付けられている。また、エアバッグカバー27は、アッパパネル13aとロアパネル13bとからなるインストルメントパネル(以下「インパネ」と称する)13におけるロアパネル13b側に、配設されており、ケース16の開口17a付近に配設される扉配設部29と、扉配設部29の周囲に配設される一般部28と、を備えて構成されている。
【0030】
扉配設部29の周囲には、扉配設部29に隣接して、ロアパネル13bが、配設されている。実施形態の場合、扉配設部29とロアパネル13bとは、車両後方側の面を略面一とするように、配設されている(図3参照)。そして、扉配設部29は、扉部36と、扉部36の周縁近傍となる部位に配設される上・下・左・右側壁部30・31・32・33と、を備えて構成されている。
【0031】
扉部36は、ケース16の開口17aより僅かに大きく形成されて、開口17aを覆う略長方形板状とされている。扉部36は、実施形態では、上下方向に開く2枚の扉部から構成されている。そして、扉部36は、上端及び下端に、開き時の回転中心となるヒンジ部35を配設させるとともに、扉部36の周囲における車両後方側から見て略H字形状となる部位に、薄肉の破断予定部34を、配設させて構成されている。
【0032】
上側壁部30、下側壁部31、左側壁部32、及び、右側壁部33は、それぞれ、ケース本体部17における周壁部18の外周側に隣接して、車両前方側に突出するように、配設されている。そして、実施形態の場合、周壁部18の上壁部18a近傍に配設される上側壁部30と、下壁部18b近傍に配設される下側壁部31と、が、エアバッグカバー27をケース16に連結させる連結壁部とされている。
【0033】
上側壁部30は、係止部19Uを係止させるための複数の係止穴部30aを、備えている。下側壁部31は、係止部19Dを係止させるための複数の係止穴部31aを、備えている。
【0034】
一般部28は、図2・3に示すごとく、扉配設部29の周囲に配設されるロアパネル13bに干渉しないように、扉配設部29から、ロアパネル13bの肉厚分車両前方側に凹ませるようにして、形成されている。なお、ロアパネル13bと一般部28とは、図示しない所定箇所において、クリップ等により固定されている。
【0035】
インフレーター38は、図2・3に示すように、軸方向を車両の左右方向に沿って配設されるシリンダタイプとして構成され、略円柱状のインフレーター本体39とディフューザー40とを備えて構成されている。インフレーター本体39の一端側には、複数のガス吐出口39aが、配設されている。そして、インフレーター本体39の他端側には、作動信号入力用のリード線43を結線させたコネクタ42を接続させることとなるコネクタ部39bが、配設されている。ディフューザー40は、インフレーター本体39を覆い可能な略円筒状の板金製の保持筒部40aと、保持筒部40aからインフレーター本体39の軸方向と略直交するように突出する複数(実施形態では2本)のボルト40cと、を備えて構成されている。保持筒部40aは、インフレーター本体39のガス吐出口39aから吐出される膨張用ガスを流出可能な複数のガス流出口40bを、車両搭載状態の保持筒部40aにおける車両後方側の面に、開口させて構成されている。
【0036】
なお、このインフレーター38には、車両に搭載されたエアバッグ作動回路が、車両の前面衝突を検知した際、図示しないステアリングホイールに搭載されたエアバッグ装置とともに、リード線43を介して、作動信号が入力されることとなる。
【0037】
エアバッグ45は、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されて、展開膨脹完了時の形状を、図1の二点鎖線に示すように、乗員Mとしての運転者MDの両膝KL・KRを保護可能な形状とされている。エアバッグ45は、図1の二点鎖線に示すように、膨張完了時における左右方向の幅寸法を、ケース開口17aにおける左右方向の幅寸法より、大きく設定している。そして、エアバッグ45は、膨張完了時の状態より、左右方向の幅寸法を縮めるようにして、ケース16内に折り畳まれて収納されており、展開膨脹時に、左右方向に大きく突出するように、膨張することとなる。また、展開膨脹完了時のエアバッグ45における下端側の部位には、インフレーター38の各ボルト40cを挿通させるための図示しない挿通孔と、インフレーター本体部39のコネクタ部39bを挿通させるための図示しない挿通孔と、が、形成されている。
【0038】
そして、エアバッグ45は、図2・3に示すように、ボルト40cとコネクタ部39bとを突出させた状態で内部にインフレーター38を収納させて、折り畳まれた略直方体状の折り完了体47とされて、ケース16の本体部17内に収納されることとなる。また、折り完了体47の周囲には、略全周にわたって、ラッピング材49が、配設されている。
【0039】
ラッピング材49は、エアバッグ45の折り畳み状態を維持するために配設されるもので、可撓性を有したシート状素材から形成されている。実施形態の場合、ラッピング材49は、エアバッグ45と同様に、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されている。そして、ラッピング材49は、図4に示すように、折り完了体47の上下方向の周囲を略全周にわたって覆う略長方形状の本体部50と、本体部50の短手方向(インフレーター本体39の軸直交方向)の両端側に配設される取付片部54・54と、本体部50の長手方向(インフレーター本体39の軸方向)の両端側に配設される係止片部56(56A・56B)と、を備えて構成されている。すなわち、ラッピング材49は、折り完了体47の収納時にケース開口17a周縁の四隅近傍となる部位付近を、切り欠かれるように、切欠凹部60を有して、本体部50を中央に配置させた略十文字形状とされている。
【0040】
本体部50は、左右方向(長手方向)の幅寸法w1を、折り完了体47における左右方向(長手方向)の幅寸法w2(図6参照)と、略同一に設定されている。本体部50におけるケース16の開口17a付近となる部位には、エアバッグ45の展開膨張時に開き可能な複数の略長方形状の扉部51が、配設されている。実施形態の場合、扉部51は、本体部50の左右両端側に、それぞれ、配設される2枚の大扉部51a・51aと、大扉部51a・51a間において、車両搭載時の前後方向に沿って配設される2枚の小扉部51b・51bと、の4枚形成されている。
【0041】
各扉部51a・51bの周囲には、エアバッグ45の展開膨脹時に破断可能とされる破断予定部53が、スリット52を設けて配設されている。このスリット52は、各扉部51a・51bにおける周囲の3辺に配設されている。すなわち、実施形態の場合、スリット52は、本体部50の領域内において左右対称に配設されるコ字状部位52a及び逆コ字状部位52bと、本体部50における短手方向の中央付近で、コ字状部位52aと逆コ字状部位52bを連結させるように左右方向(本体部50の長手方向)に沿って配設される横棒部位52cと、を備えている。
【0042】
すなわち、実施形態の場合には、大扉部51a・51aは、コ字状部位52aあるいは逆コ字状部位52bに周囲を囲まれて、それぞれ、左右方向の端部付近を開き時の回転中心となるヒンジ部51cとして、左右両側に開くこととなる。また、小扉部51b・51bは、コ字状部位52a、逆コ字状部位52b、及び、横棒部位52cに周囲を囲まれて、それぞれ、車両搭載時における前後方向の端部付近を開き時の回転中心となるヒンジ部51cとして、上下両側に開くこととなる。なお、このヒンジ部51cは、仮想ヒンジ部であって、実際のエアバッグ45の展開膨脹時には、扉部51a・51bは、ケース開口17a周縁で開くこととなる。また、実施形態の場合、扉部51は、短手方向の幅寸法w3を、ケース開口16aの上下方向の幅寸法L1より、大きく設定されている(図2・4参照)。すなわち、扉部51は、車両搭載時において、折り完了体47の後面側全面と、上面及び下面の後端付近となる部位と、を、覆うように、構成されている。さらに、実施形態の場合、扉部51は、長手方向の幅寸法w4を、ケース開口16aの左右方向の幅寸法L2より、小さく設定されている(図3・4参照)。
【0043】
なお、実施形態では、スリット52は、コ字状部位52a及び逆コ字状部位52bと、横棒部位52cとが交差する部位付近を除いて、全て連続的に、ラッピング材49を構成する基布を切断するように、形成されている。
【0044】
各取付片部54は、左右方向の幅寸法を、本体部50における左右方向の幅寸法w1と略同一とされて、左右方向の中央付近に、インフレーター38のボルト40cを挿通可能な挿通孔54a・54aを備えている。また、各取付片部54には、エアバッグ45点検用に適宜設けられる点検孔54bが、略長方形状に開口して、形成されている。
【0045】
各係止片部56は、本体部50側を幅広とした略台形状とされている。そして、コネクタ部39b側に配設される係止片部56Aには、ずれ規制手段として、コネクタ部39bに嵌合可能な円形に開口した嵌合孔57が、形成されている。他方の係止片部56Bには、ずれ規制手段として、折り完了体47の突出部47aに係止可能な略長方形状に開口した突出部用係止孔58が、配設されている。実施形態の場合、突出部47aは、折り完了体47の車両搭載状態における左前側の角部付近となる部位である。また、係止片部56Bにおいて、係止孔58よりも先端側となる位置には、インフレーター39のボルト40cを挿通可能な挿通孔59が、形成されている。実施形態の場合、係止片部56Bは、係止孔58から突出部47aを突出させた状態で、挿通孔59にボルト40cを挿通させて、折り完了体47側に係止されることとなる。すなわち、実施形態のラッピング材49では、係止片部56Bのずれ規制手段を、係止孔58と挿通孔59とから構成している。
【0046】
次に、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sの車両への搭載について述べる。まず、各挿通孔からボルト40cとコネクタ部39bとを突出させるようにして、インフレーター38をエアバッグ45内に収納させて、エアバッグ45を折り畳み、折り完了体47を形成する。
【0047】
次いで、折り完了体47の周囲に、ラッピング材49を配置させる。具体的には、まず、図5のAに示すように、平らに展開した状態のラッピング材49の上に折り完了体47を配置させ、一方の取付片部54に形成された各挿通孔54aに、インフレーター38の各ボルト40cを挿通させる。その後、図5のBに示すように、本体部50が折り完了体47の上下方向を全周にわたって覆うように、ラッピング材49で折り完了体47の周囲をくるみ、他方の取付片部54に形成された各挿通孔54aに、インフレーター38の各ボルト40cを挿通させる。その後、図6のAに示すように、係止片部56Aの嵌合孔57に、インフレーター38のコネクタ部39bを嵌合させて、係止片部56Aを折り完了体47側に係止させる。そして、図6のBに示すように、係止片部56Bの係止孔58から折り完了体47の突出部47aを突出させつつ、挿通孔59に、インフレーター38のボルト40cを挿通させて、係止片部56Bを折り完了体47側に係止させれば、ラッピング材49を、折り完了体47の周囲に配置させることができる。
【0048】
その後、各ボルト40cを挿通孔21aから突出させるとともに、インフレーター38のコネクタ部39bを挿通孔18dから突出させるようにして、折り完了体47を、ケース16の本体部17内に収納させる。
【0049】
その後、ケース16に、エアバッグカバー27を組み付ける。まず、上側壁部30をパネル部23の挿通孔23aに挿通させ、各係止穴部30aに、各係止フック19Uを挿入させて、上側壁部30の上面側における係止穴部30a周縁に係止させる。次いで、下側壁部31の各係止穴部31aに、各係止突起19Dを挿入させ、下側壁部31の外表面と各係止突起19Dの内周面との間に、閂材20の挿入部20aを挿入させて、閂材20に各ボルト40cを挿通させ、各ボルト40cにナット41を螺合させれば、ケース16にエアバッグカバー27を組み付けることができる。
【0050】
そして、ケース16の各連結部24を、ブラケット4・5・6を利用してボディ1側に取付固定し、同時に、リード線43を結線させたコネクタ42を、インフレーター本体39のコネクタ部39bに接続させる。その後、インパネ13やアンダーカバー14(図2参照)を取り付ければ、エアバッグ装置Sを車両に搭載することができる。
【0051】
エアバッグ装置Sの車両への搭載後、リード線43を経てインフレーター本体39に作動信号が入力されれば、インフレーター38のガス吐出口39aから膨張用ガスが吐出され、膨張用ガスが、ディフューザー40のガス流出口40bを経て、エアバッグ45内に流入することとなる。そして、エアバッグ45は、膨張して、ラッピング材49のスリット52を破断させて扉部51を開かせるとともに、エアバッグカバー27の扉部36を押圧し、破断予定部34を破断させることとなる。そして、扉部36が、ヒンジ部35を回転中心として上下に開くこととなり、エアバッグ45が、図1の二点鎖線で示すごとく、展開膨張することとなる。
【0052】
そして、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、折り完了体47の周囲を覆うラッピング材49が、インフレーター本体39の軸方向に沿った両端付近を、ずれ規制手段57・58を備えた係止片部56A・56Bにより、折り完了体47側に係止させていることから、エアバッグ45の展開膨張時に、ラッピング材49が、折り完了体47から、大きくずれるのを抑えることができる。そのため、ラッピング材49を、折り完了体47の収納時にケース開口17a周縁の四隅近傍となる部位付近を切り欠くような切欠凹部60を備えた構成としても、展開膨張時のエアバッグ45は、破断予定部53を破断させて開いたラッピング材49の扉部51により、ケース本体部17における開口17a周縁の左右両側の縁部17cや四隅のコーナ部17bとの干渉が防止される。そして、勿論、ラッピング材49が、折り完了体47の収納時にケース開口17a周縁の四隅近傍となる部位付近を切り欠くように、切欠凹部60を有して構成されていることから、折り完了体47の周囲に配置させたラッピング材49が、ケース開口17aの四隅のコーナ部17b付近で嵩張らず、ケース本体部17への収納作業が容易となる。
【0053】
したがって、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、展開膨張時のエアバッグ45が、ケース開口17a周縁の左右両側の縁部17cやコーナ部17bと干渉することを防止して、折り完了体47のケース本体部17内への収納作業が容易となる。
【0054】
また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、ラッピング材49の本体部50に、エアバッグ45の展開膨張時に開き可能な4枚の略長方形状の扉部51(51a・51b)を配設させている構成である。そして、扉部51の周囲には、エアバッグ45の展開膨張時に破断可能なスリット52が配設されている。そのため、エアバッグ45の展開膨張時において、破断予定部53を破断させて開いた扉部51(51a・51b)により、エアバッグ45を突出させるための開口形状を的確に形成できる。そして、開いた大扉部51aにより、ケース本体部17の開口17a周縁における左右両側の縁部17cや四隅のコーナ部17bを的確に覆うことができる(図7参照)。また、実施形態の場合、左右両側に開く大扉部51a・51aの間に、上下両側に開く2枚の小扉部51b・51bが、配設されている。すなわち、エアバッグ45を突出させるための開口を、多数の小さな扉部51a・51bで分割して形成できることから、各扉部51a・51bが容易に開いて、エアバッグ45を突出させるための開口を迅速に形成できる。
【0055】
また、ラッピング材62として、図8に示す構成のものを使用してもよい。ラッピング材62は、インフレーター38のガス吐出口39a側となる位置に配設される係止片部36以外は、前述のラッピング材49と同様の構成であり、同一の部材には同一の図符号を付して説明を省略する。ラッピング材62の係止片部63は、図8に示すように、ずれ規制手段としての2本のベルト部64・64を備える構成である。このベルト部64は、元部側を相互に連結させて、本体部50の短手方向に沿った直線状とされており、先端側に、それぞれ、インフレーター38のボルト40cを挿通させて係止可能な係止孔64aを備えている。すなわち、ラッピング材62は、ケース本体部17の四隅近傍となる部位付近を切り欠かれるように、切欠凹部60・65を有して、本体部50を中央に配置させた略十文字形状とされるとともに、左右方向の一端側から、ベルト部64・64を本体部50の短手方向に沿うように突出させたような形状とされている。
【0056】
そして、このラッピング材62は、次のようにして、折り完了体47の周囲に配置されることとなる。図9のA・図9のB・図10のAに示すごとく、前述のラッピング材49と同様に、本体部50が折り完了体47の上下方向を全周にわたって覆うように、各取付片部54の挿通孔54aをボルト40cに挿通させ、係止片部56Aの嵌合孔57をインフレーター38のコネクタ部39bに嵌合させて、係止片部56Aを折り完了体47に係止させる。その後、図10のBに示すように、係止片部63における一方のベルト部64に形成される係止孔64aに、ボルト40cを挿通させて係止させる。次いで、図10のCに示すように、他方のベルト部64に形成される係止孔64aに、ボルト40cを挿通させて係止させれば、二つのベルト部64で折り完了体47を挟むような態様となって、係止片部63を折り完了体47に係止させることができる。
【0057】
このようなラッピング材62を使用する場合にも、ラッピング材62におけるインフレーター本体39の軸方向に沿った両端付近を、ずれ規制手段57・64を備えた係止片部56A・63により、折り完了体47側に係止できることから、エアバッグ45の展開膨張時に、ラッピング材62が、折り完了体47から、大きくずれるのを抑えることができて、開いた扉部51により、ケース本体部17開口17a周縁を覆うことができる。そのため、ラッピング材62を、折り完了体47の収納時にケース開口17a周縁の四隅近傍となる部位付近を切り欠くような切欠凹部60・65を備えた構成としても、展開膨張時のエアバッグ45は、破断予定部53を破断させて開いたラッピング材62の大扉部51aにより、ケース本体部17における開口17a周縁の左右両側の縁部17cや四隅のコーナ部17bとの干渉が防止される(図11参照)。そして、勿論、ラッピング材62が、折り完了体47の収納時にケース開口17a周縁の四隅近傍となる部位付近を切り欠くように、切欠凹部60・65を有して構成されていることから、折り完了体47の周囲に配置させたラッピング材62が、ケース開口17aの四隅のコーナ部17b付近で嵩張らず、ケース本体部17への収納作業が容易となる。
【0058】
また、ラッピング材67として、図12に示す構成のものを使用してもよい。このラッピング材67において、本体部68以外は、前述のラッピング材49と同様の構成であり、同一の部材には同一の図符号を付して説明を省略する。本体部68におけるケース16の開口17a付近となる部位には、エアバッグ45の展開膨張時に開き可能な複数の略長方形状の扉部69が、配設されている。実施形態の場合、扉部69は、本体部68の左右両端側において、それぞれ、上下方向に沿って配設される4枚の大扉部69aと、大扉部69a間において、上下方向に沿って配設される2枚の小扉部69bと、の6枚形成されている。
【0059】
各扉部69a・69bの周囲には、エアバッグ45の展開膨脹時に破断可能とされる破断予定部71が、スリット70を設けて、配設されている。このスリット70は、各扉部69a・69bにおける周囲の3辺に配設されている。すなわち、実施形態の場合、スリット70は、本体部の領域内において左右対称に配設されるコ字状部位70a及び逆コ字状部位70bと、本体部68における短手方向の中央付近で、コ字状部位70a及び逆コ字状部位70bと交差して、大扉部69aを分割させるように配設される横棒部位70cと、を備えている。そして、横棒部位70cは、左右両端を、コ字状部位70a及び逆コ字状部位70bよりも、外方に突出させるように、形成されている。
【0060】
各大扉部69aは、コ字状部位70aあるいは逆コ字状部位70bと、横棒部位70cと、に周囲を囲まれて、それぞれ、左右方向の端部付近を開き時の回転中心となるヒンジ部69cとして、開くこととなる。また、各小扉部69bは、コ字状部位70a、逆コ字状部位70b、及び、横棒部位70cに周囲を囲まれて、それぞれ、車両搭載時における前後方向の端部付近を開き時の回転中心となるヒンジ部69dとして開くこととなる。なお、このヒンジ部69c・69dは、仮想ヒンジ部であって、実際のエアバッグ45の展開膨脹時には、扉部69a・69bは、ケース開口17a周縁で開くこととなる。また、実施形態の場合、扉部69は、短手方向の幅寸法w5を、ケース開口17aの上下方向の幅寸法L1より、大きく設定されており、車両搭載時において、折り完了体47の後面側全面と、上面及び下面の後端付近となる部位と、を、覆うこととなる。また、扉部69は、長手方向の幅寸法w6を、ケース開口17aの左右方向の幅寸法L2より、小さく設定されている。
【0061】
すなわち、実施形態では、大扉部69aを上下方向で分割する横棒部位70c(スリット)は、ケース開口17aの領域内に配設されるように、長さ寸法L3を、ケース開口16aの左右方向の幅寸法L2より、小さく設定されることとなる。このスリット70cの長さ寸法は、大扉部69aの開き時に、本体部68における大扉部69aの周囲の部位68a(スリット70cと開口17aとの間の部位68a)により、ケース開口17a周縁における左右両側の縁部17cを覆い可能なように、設定されている(図13参照)。
【0062】
そして、実施形態の場合、横棒部位70cが、左右両端をコ字状部位70a及び逆コ字状部位70bよりも、外方に突出させるように、形成されていることから、各大扉部69aの開き時におけるヒンジ部69cは、図12の二点鎖線に示すごとく、ケース開口17aにおけるコーナ部17から、それぞれ、遠ざかるように、傾斜して、配設されている。この各ヒンジ部69cは、図13のAの二点鎖線に示すごとく、ケース開口17aにおけるコーナ部17b近傍に位置することとなる。そして、各大扉部69aは、エアバッグ45の展開膨張時において、図13のBに示すごとく、このヒンジ部69cを回転中心として、コーナ部17b側に向かって開くこととなる。そのため、ケース開口17a周縁のコーナ部17bが、ラッピング材67における開く大扉部69aのヒンジ部69c付近に覆われることとなる。また、ケース開口17a周縁における左右両側の縁部17cは、ラッピング材67の本体部68における大扉部69aの周囲の部位68a(スリット70cと開口17aとの間の部位68a)により、覆われることとなる。
【0063】
また、図14に示すラッピング材67Aのごとく、スリット70における横棒部位70cの両端に、横棒部位と直交するような縦棒部位70d・70dを設けてもよい。この縦棒部位70d・70dも、ケース開口17aの領域内に配設されるように、長さ寸法L4を、ケース開口16aの上下方向の幅寸法L1より、小さく設定されることとなる。
【0064】
実施形態のラッピング材67・67Aでは、大扉部69aが、スリット70cにより上下に分割されている構成である。すなわち、扉部69(69a・69b)が、6枚配設されている。そのため、ラッピング材67・67Aでは、前述のラッピング材49・62のごとく扉部51a・51bを4枚配設させる場合に比して、エアバッグ45を突出させるための開口を、より多数の小さな扉部69a・69bで分割して形成できることとなる。その結果、各扉部69a・69bが、一層、容易に開いて、エアバッグ45を突出させるための開口を、一層、迅速に形成できる。
【0065】
そして、このような点を考慮しなければ、図15に示すごとく、ラッピング材72として、左右方向に開く2枚の扉部74・74を備える構成のものを使用してもよい。この場合、本体部73に、破断予定部76として、エ字形状のスリット75を配設させることとなる。
【0066】
なお、実施形態では、ラッピング材49・62・67・72として、織布から構成されたものを例に採り説明したが、ラッピング材を構成する材料はこれに限られるものではない。ラッピング材を構成する材料は、可撓性を有したシート状素材であればよく、例えば、不織布等を使用してもよい。
【0067】
また、実施形態では、乗員Mとしての運転者MDの膝Kを保護するために、運転者MDの車両前方側に配設されるエアバッグ装置Sを例に採り説明したが、助手席に着座した助手席搭載者の両膝を保護するように、助手席に着座した乗員の膝の前方側となる位置に配設される膝保護用エアバッグ装置に、本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である膝保護用エアバッグ装置の使用状態を示す車両後方側から見た概略正面図である。
【図2】実施形態である膝保護用エアバッグ装置の車両前後方向の概略縦断面図である。
【図3】図2のIII−III部位の概略断面図である。
【図4】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置で使用するラッピング材を平らに展開した状態の平面図である。
【図5】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、折り完了体へのラッピング材のラッピング作業工程を示す概略図である。
【図6】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、折り完了体へのラッピング材のラッピング作業工程を示す概略図であり、図5の後工程を示す図である。
【図7】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、ケース開口付近を車両後方側から見た概略図である。
【図8】他の形態のラッピング材を平らに展開した状態の平面図である。
【図9】図8のラッピング材を折り完了体の周囲にラッピングさせる作業工程を示す概略図である。
【図10】図8のラッピング材を折り完了体の周囲にラッピングさせる作業工程を示す概略図であり、図9の後工程を示す図である。
【図11】図8のラッピング材を使用した膝保護用エアバッグ装置において、ケース開口付近を車両後方側から見た概略図である。
【図12】さらに他の形態のラッピング材を平らに展開した状態の平面図である。
【図13】図12のラッピング材を使用した膝保護用エアバッグ装置において、ケース開口付近を車両後方側から見た概略図である。
【図14】さらに他の形態のラッピング材を平らに展開した状態の平面図である。
【図15】さらに他の形態のラッピング材を平らに展開した状態の平面図である。
【符号の説明】
16…ケース、
17a…開口、
17b…コーナ部、
17c…縁部、
27…エアバッグカバー、
38…インフレーター、
39…インフレーター本体、
39b…コネクタ部、
40c…ボルト、
45…エアバッグ、
47…折り完了体、
47a…突出部、
49・62・67・72…ラッピング材、
50・68・73…本体部、
51・69・74…扉部、
52・70・75…スリット、
53・71・76…破断予定部、
54…取付片部、
54a…取付孔、
56(56A・56B)・63…係止片部、
57…嵌合孔(ずれ規制手段)、
58…突出部用係止孔(ずれ規制手段)、
60・65…切欠凹部、
64…ベルト部(ずれ規制手段)、
64a…ボルト用係止孔、
K(KL・KR)…膝、
MD…運転者(乗員)、
S…膝保護用エアバッグ装置。

Claims (7)

  1. 着座した乗員の膝の前方に配設されて、
    折り畳まれたエアバッグと該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターとを収納させるとともに、車両後方側を略長方形状に開口させて構成される略直方体状の板金製のケースを備えて構成され、
    前記ケースが、前記開口の長手方向を左右方向に略沿わせて配設され、
    前記インフレーターが、
    略円柱状とされて、軸方向を前記開口の長手方向に略沿わせて、前記ケース内に収納されるインフレーター本体と、
    該インフレーター本体の軸方向と略直交するように、前記インフレーター本体側から突出して配設されて、前記インフレーターを前記ケースに固定させるための複数本のボルトと、
    を備え、
    前記エアバッグが、前記ボルトを突出させた状態で、内部に前記インフレーターを収納させて折り畳まれた折り完了体とされて、前記インフレーターとともに、前記ケース内に収納される構成とされ、
    前記折り完了体の周囲には、略全周にわたって、前記エアバッグの折り畳み状態を維持する可撓性を有したシート状素材からなる略長方形板状のラッピング材が、配設される構成の膝保護用エアバッグ装置において、
    前記ラッピング材が、
    前記折り完了体の上下方向の周囲を略全周にわたって覆うとともに、前記エアバッグの膨張時に前記ケースの開口付近となる部位を破断可能とされる略長方形状の本体部と、
    前記本体部において、前記インフレーター本体の軸直交方向側の両端付近に配設されるとともに、それぞれ、前記ボルトを挿通可能な挿通孔を備えて前記ボルトに係止される2つの取付片部と、
    前記本体部における前記インフレーター本体の軸方向側の両端付近に配設されるとともに、それぞれ、前記ラッピング材の前記折り完了体からのずれを規制するずれ規制手段を備えて、前記折り完了体側に係止される係止片部と、
    を、備えて構成されるとともに、
    展開膨脹時の前記エアバッグと、前記ケース開口周縁における左右両側の縁部及びコーナ部付近と、の干渉を防止可能に、前記折り完了体の収納時における前記ケース開口周縁の四隅近傍となる部位付近を、切り欠かれて構成されていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
  2. 前記インフレーターが、前記インフレーター本体の軸方向に沿った一端側に配設されるコネクタ部を、前記エアバッグから突出させて構成され、
    前記ずれ規制手段が、前記コネクタ部側の前記係止片部に形成されて、前記コネクタ部に嵌合可能な嵌合孔とされていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  3. 前記ずれ規制手段が、少なくとも一方の前記係止片部に形成されて、前記折り完了体における前記インフレーター本体の軸方向側の一端側において突出する突出部に係止可能な突出部用係止孔とされていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  4. 少なくとも一方の前記係止片部が、前記ボルトに係止可能なボルト用係止孔を備えた2本のベルト状とされて、前記ずれ規制手段を構成していることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  5. 前記ラッピング材の前記本体部が、前記ケースの開口付近に配設されるとともに、前記エアバッグの展開膨張時に左右両側に開き可能とされて、開き完了時に、前記ケース開口周縁における左右両側の縁部とコーナ部とを覆い可能な左右2枚の扉部を、備え、
    該扉部の周囲に、前記エアバッグの展開膨脹時に破断可能な破断予定部が、スリットを設けて配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の膝保護用エアバッグ装置。
  6. 左右2枚の前記扉部の間に、前記エアバッグの展開膨張時に上下両側に開き可能とされる上下2枚の小扉部が、配設されていることを特徴とする請求項5に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  7. 左右2枚の前記扉部が、それぞれ、上下方向の中央付近において、前記エアバッグの展開膨張時に上下に分割可能な左右方向に沿ったスリットを配設させて、構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の膝保護用エアバッグ装置。
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