JP2004312801A - 複軸多層モータのステータ構造 - Google Patents

複軸多層モータのステータ構造 Download PDF

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Akihiko Tan
愛彦 丹
Masaki Nakano
正樹 中野
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Abstract

【課題】ボルトとステータティースの位置決め部材を流れるループ電流の遮断によりモータ効率を向上させることができる複軸多層モータのステータ構造を提供すること。
【解決手段】ステータSを挟んで同心円状にインナーロータIRとアウターロータORとを配置し、前記ステータSは、積層鋼鈑により構成されたステータティース41にコイル42を巻き付けた複数のコイル42付きステータティース41と、該分割されたコイル42付きステータティース41の両端に配置された位置決め部材を挟み込み固定するボルト・ナット44,45と、を有する複軸多層モータMにおいて、ナット及びボルト頭と位置決め部材としての両エンドプレート47,49との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材57を用いた。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド駆動ユニット等に適用される複軸多層モータのステータ構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステータを挟んで同心円状にインナーロータとアウターロータとが配置される複軸多層モータのステータは、積層鋼鈑により構成されたステータティースにコイルを巻き付けた複数のコイル付きステータティースと、該分割されたコイル付きステータティースの両端に配置された位置決め部材(位置決めピン付きのエンドプレート)を挟み込み固定するボルト・ナットと、を有する(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−169483号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複軸多層モータにあっては、分割されたコイル付きステータティースの両端に配置された位置決め部材を挟み込み固定するボルト・ナットのワッシャを非絶縁体により構成しているため、ステータティースの両端を押さえるブラケット部材とボルトとを通じてループ電流が生じ、モータの効率が悪化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ボルトとステータティースの位置決め部材を流れるループ電流の遮断によりモータ効率を向上させることができる複軸多層モータのステータ構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、
ステータを挟んで同心円状にインナーロータとアウターロータとを配置し、前記ステータは、分割されたコイル付きステータティースの両端に配置された位置決め部材を挟み込み固定するボルト・ナットを有する複軸多層モータにおいて、前記ボルト・ナットと位置決め部材との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材を用いた。
【0007】
【発明の効果】
よって、本発明の複軸多層モータのステータ構造にあっては、ボルト・ナットと位置決め部材との間に絶縁ワッシャ部材を介在させたため、ボルトとステータティースの位置決め部材を流れるループ電流が遮断され、ループ電流の遮断によりモータ効率を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複軸多層モータのステータ構造を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例〜第4実施例に基づいて説明する。
【0009】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
【0010】
[ハイブリッド駆動ユニットの全体構成]
図1は第1実施例の複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットの全体図であり、図1において、Eはエンジン、Mは複軸多層モータ、Gはラビニョウ型複合遊星歯車列、Dは駆動出力機構、1はモータカバー、2はモータケース、3はギヤハウジング、4はフロントカバーである。
【0011】
前記エンジンEは、ハイブリッド駆動ユニットの主動力源であり、エンジン出力軸5とラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2リングギヤR2とは、回転変動吸収ダンパー6及び多板クラッチ7を介して連結されている。
【0012】
前記複軸多層モータMは、外観的には1つのモータであるが2つのモータジェネレータ機能を有する副動力源である。この複軸多層モータMは、前記モータケース2に固定され、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、前記ステータSの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータIRと、前記ステータSの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータORと、を同軸上に三層配置することで構成されている。前記インナーロータIRに固定の第1モータ中空軸8は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1サンギヤS1に連結され、前記アウターロータORに固定の第2モータ軸9は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2サンギヤS2に連結されている。
【0013】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、二つのモータ回転数を制御することにより無段階に変速比を変える無段変速機能を有するハイブリッド変速機である。このラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2との5つの回転要素を有して構成されている。前記第1リングギヤR1とギヤハウジング3との間には多板ブレーキ10が介装されている。前記共通キャリヤCには、出力ギヤ11が連結されている。
【0014】
前記駆動出力機構Dは、出力ギヤ11と、第1カウンターギヤ12と、第2カウンターギヤ13と、ドライブギヤ14と、ディファレンシャル15と、ドライブシャフト16L,16Rにより構成されている。そして、出力ギヤ11からの出力回転及び出力トルクは、第1カウンターギヤ12→第2カウンターギヤ13→ドライブギヤ14→ディファレンシャル15を経過し、ドライブシャフト16L,16Rから図外の駆動輪へ伝達される。
【0015】
すなわち、ハイブリッド駆動ユニットは、前記第2リングギヤR2とエンジン出力軸5を多板クラッチ7を介して連結し、前記第1サンギヤS1と第1モータ中空軸8とを連結し、前記第2サンギヤS2と第2モータ軸9とを連結し、前記共通キャリヤCに出力ギヤ11を連結することにより構成されている。
【0016】
[ハイブリッド変速機の構成]
図2はハイブリッド変速機を示す縦断面図である。図2において、2はモータケース、3はギヤハウジング、4はフロントカバーであり、これらに囲まれたギヤ室30内にラビニョウ型複合遊星歯車列G及び駆動出力機構Dが配置されている。
【0017】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2リングギヤR2には、回転変動吸収フライホイールダンパー6と変速機入力軸31とクラッチドラム32とを介し、多板クラッチ7の締結時にエンジンEからの回転駆動トルクが入力される。
【0018】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1サンギヤS1には、第1モータ中空軸8がスプライン結合され、決められたモータ動作点にしたがって、複軸多層モータMのインナーロータIRから第1トルクと第1回転数が入力される。
【0019】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2サンギヤS2には、第2モータ軸9がスプライン結合され、決められたモータ動作点にしたがって、複軸多層モータMのアウターロータORから第2トルクと第2回転数が入力される。
【0020】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1リングギヤR1と、ギヤハウジング3との間には多板ブレーキ10が設けられ、発進時等において多板ブレーキ10が締結された時には、第1リングギヤR1が停止する。
【0021】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの共通キャリヤCには、ステータシャフト48に対しベアリングを介して回転可能に支持された出力ギヤ11がスプライン結合されている。
【0022】
前記駆動出力機構Dは、前記出力ギヤ11と噛み合う第1カウンターギヤ12と、この第1カウンターギヤ12のシャフト部に設けられた第2カウンターギヤ13と、第2カウンターギヤ13と噛み合うドライブギヤ14とを有する。そして、第2カウンターギヤ13とドライブギヤ14の歯数比により、終減速比が決められる。
【0023】
前記多板クラッチ7のクラッチピストン33には、フロントカバー4に形成されたクラッチ圧油路34により締結圧が供給される。また、前記多板ブレーキ10のブレーキピストン35には、フロントカバー4に形成されたブレーキ圧油路36により締結圧が供給される。前記クラッチピストン33と前記ブレーキピストン35は、フロントカバー4の内側で、内周位置にクラッチピストン33が配置され、その外周位置にブレーキピストン35が配置される。
【0024】
また、前記変速機入力軸31には、軸心油路37が形成されていて、この軸心油路37には、フロントカバー4に形成された潤滑油路38を介して潤滑油が供給される。
【0025】
[複軸多層モータの構成]
図3は第1実施例のステータ構造が適用された複軸多層モータMを示す縦断側面図、図4は第1実施例のステータ構造が適用された複軸多層モータMを示す一部縦断正面図、図5は第1実施例のステータを背面側から視た図、図6は複軸多層モータMのステータコイルに印加される複合電流の一例を示す説明図である。図3において、1はモータカバー、2はモータケースであり、これらに囲まれたモータ室17内にインナーロータIRとステータSとアウターロータORとにより構成された複軸多層モータMが配置されている。
【0026】
前記インナーロータIRは、その内筒面が第1モータ中空軸8の段差軸端部に対して圧入(或いは焼きばめ)により固定されている。このインナーロータIRには、図4に示すように、ロータベース20に対し磁束形成を考慮した配置によるインナーロータマグネット21が軸方向に12本埋設されている。但し、2本が対となってV字配置されて同じ極性を示し、3極対としてある。
【0027】
前記ステータSは、鋼鈑によるステータプレート40を軸方向に積層したステータティース41と、該ステータティース41に巻き付けられたコイル42と、ステータSを軸方向に貫通する冷却用の冷媒路43と、インナー側ボルト・ナット44と、アウター側ボルト・ナット45と、樹脂モールド部46と、を有して構成されている。そして、ステータSの正面側端部が、正面側エンドプレート47とステータシャフト48とを介し、ボルト87によりモータケース2に対し固定されている。
【0028】
前記コイル42は、コイル数が18で、図5に示すように、6相コイルを3回繰り返しながら円周上に配置される。そして、前記6相コイル42に対しては、図外のインバータから給電接続端子50とバスバー径方向積層体51と給電コネクタ52とバスバー軸方向積層体53を介し、例えば、図6に示すような複合電流が印加される。この複合電流は、アウターロータORとインナーロータIRを駆動させるための3相交流と6相交流を複合させたものである。
【0029】
前記アウターロータORは、その外筒面がアウターロータケース62に対してロー付け、或いは、接着により固定されている。そして、アウターロータケース62の正面側には正面側連結ケース63が固定され、背面側には背面側連結ケース64が固定されている。そして、この背面側連結ケース64に第2モータ軸9がスプライン結合されている。このアウターロータORには、図3に示すように、ロータベース60に対し磁束形成を考慮した配置によるアウターロータマグネット61が、両端位置に空間を介して軸方向に12本埋設されている。このアウターロータマグネット61は、インナーロータマグネット21と異なり、1本づつ極性が違い、6極対をなしている。
【0030】
図3において、80,81はアウターロータ6をモータケース2及びモータカバー1に支持する一対のアウターロータ支持ベアリングである。82はインナーロータIRをモータケース2に支持するインナーロータ支持ベアリング、83はアウターロータORに対しステータSを支持するステータ支持ベアリング、84は第1モータ中空軸8と第2モータ軸9との間に介装される中間ベアリングである。また、図3において、85はインナーロータIRの回転位置を検出するインナーロータレゾルバ、86はアウターロータORの回転位置を検出するアウターロータレゾルバである。
【0031】
[ステータ構造]
図7は第1実施例の複軸多層モータMにおけるステータ構造を示す断面図であり、図7において、41はステータティース、43は冷媒路、44はインナー側ボルト・ナット(ボルト・ナット)、45はアウター側ボルト・ナット(ボルト・ナット)、46は樹脂モールド部、47は正面側エンドプレート(位置決め部材)、49は背面側エンドプレート(位置決め部材)、70は正面側ブラケット、71は背面側ブラケット、72はステータ冷却パイプである。
【0032】
前記ステータティース41は、多数の鋼鈑によるステータプレート40が軸方向に積層されて構成されている。このステータティース41の外周に、平型銅線によるコイル42が軸方向に往復するように巻かれる。このコイル42付きステータティース41は複数個用意される。
【0033】
前記正面側ブラケット70と背面側ブラケット71は、コイル42付きステータティース41の軸方向両端位置に設置され、分割されたコイル42付きステータティース41は、両ブラケット70,71により挟持される。
【0034】
前記正面側エンドプレート47と背面側エンドプレート49は、両ブラケット70,71の外側に配置され、位置決めピン55が固定された位置決め部材で、コイル42付きステータティース41を、モータ回転軸を中心とする円周上に等ピッチで配列するように位置決めする。なお、正面側エンドプレート47には、ステータシャフト48が溶接により固定されている。
【0035】
前記インナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45は、分割されたコイル42付きステータティース41の正面側に両プレート47,70を配置し、背面側に両プレート49,71を配置し、締め付けにより分割されたコイル42付きステータティース41の全体を固定し、ステータSの骨格構造体を構成する。
【0036】
前記ステータ冷却パイプ72は、周方向に隣接するコイル42付きステータティース41の間の位置に配置し、両端部が前記正面側ブラケット70と背面側ブラケット71に対し支持される。
【0037】
前記樹脂モールド部46は、ステータ全体形状に合致する凹型を有する型枠内に、ステータ冷却パイプ72を支持した骨格構造体を入れ、溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂を空間部分に充填することで成形される。
【0038】
前記ステータティース41のコイル発熱を冷却するステータ冷却用の冷媒路43の両端位置には、内面に仕切壁を有する冷媒分配蓋部材91及び内面に仕切壁を有する冷媒Uターン蓋部材95を、それぞれスナップリング56,56を用いて取り付けている。なお、90は冷媒導入路である。
【0039】
[ステータティースの位置決め構造]
図8は第1実施例の複軸多層モータMにおいて分割されたステータティースの位置決め構造を示す図であり、図8において、41はステータティース、45はアウター側ボルト・ナット、47は正面側エンドプレート、49は背面側エンドプレート、57は絶縁ワッシャ部材である。
【0040】
前記アウター側ボルト・ナット45は、ナット45aとボルト頭45bとボルト軸45cにより構成されている。そして、前記ナット45aと正面側エンドプレート47との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材57を用い、また、前記ボルト頭45bと背面側エンドプレート49との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材57を用いている。
【0041】
前記絶縁ワッシャ部材57は、ナット45a及びボルト頭45b側に介在させた非絶縁ワッシャ57aと、両エンドプレート47,49側に介在さ絶縁ワッシャ57bと、の組み合わせ配置により構成されている。なお、インナー側ボルト・ナット44についても同様の構成が採用されている。
【0042】
次に、作用を説明する。
【0043】
[複軸多層モータの基本機能]
2ロータ・1ステータで、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線との2つの磁力線が作られる複軸多層モータMを採用したことで、コイル42及び図外のコイルインバータを2つのインナーロータIRとアウターロータORに対し共用できる。そして、インナーロータIRに対する3相交流による電流とアウターロータORに対する6相交流による電流を重ね合わせた複合電流を、1つのコイル42に印加することにより、2つのロータIR,ORをそれぞれ独立に制御することができる。
【0044】
よって、外観的には、1つの複軸多層モータMであるが、モータ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組み合わせものとして使え、例えば、ロータとステータを持つモータと、ロータとステータを持つジェネレータの2つのものを設ける場合に比べて大幅にコンパクトになり、スペース・コスト・重量の面で有利であると共に、コイル共用化により電流による損失(銅損,スイッチングロス)を防止することができる。
【0045】
また、複合電流制御のみで(モータ+ジェネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能であるというように、高い選択自由度を持ち、例えば、第1実施例のように、ハイブリッド車の駆動源に採用した場合、これら多数の選択肢の中から車両状態に応じて最も効果的或いは効率的な組み合わせを選択することができる。
【0046】
[ステータティースの位置決め作用]
分割されたコイル付きステータティースの両端に配置された位置決め部材を挟み込み固定するボルト・ナットのワッシャを非絶縁体により構成した場合、ステータティースの両端を押さえるブラケット部材とボルトとを通じてループ電流が生じ、モータの効率が悪化する。
【0047】
これに対し、絶縁性を確保するため、ワッシャとステータティースの両端を抑えるブラケット部材との間に絶縁ワッシャ(例えば、特開平11−18221号公報参照)を介在させる案があるが、この場合、絶縁ワッシャが鉄等に比べて強度が低いため、ボルト座面の面圧に耐えられない。
【0048】
これに対し、第1実施例では、アウター側ボルト・ナット45のナット45aと正面側エンドプレート47との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材57を用い、また、アウター側ボルト・ナット45のボルト頭45bと背面側エンドプレート49との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材57を用いているし、インナー側ボルト・ナット44についても同様に、絶縁ワッシャ部材57を用いているため、ボルト・ナット44,45とステータティース41の位置決め部材である両エンドプレート47,49を流れるループ電流が遮断され、ループ電流の遮断によりモータ効率を向上させることができる。
【0049】
また、絶縁ワッシャ部材57は、ナット45a及びボルト頭45b側に介在させた非絶縁ワッシャ57aと、両エンドプレート47,49側に介在さ絶縁ワッシャ57bと、の組み合わせ配置により構成したため、絶縁ワッシャ57bに対してナット45a及びボルト頭45bからの面圧が一部に集中することなく、均等に分散して作用し、絶縁ワッシャ57bの耐久性を確保することができる。
【0050】
次に、効果を説明する。
第1実施例の複軸多層モータのステータ構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0051】
(1) ステータSを挟んで同心円状にインナーロータIRとアウターロータORとを配置し、前記ステータSは、積層鋼鈑により構成されたステータティース41にコイル42を巻き付けた複数のコイル42付きステータティース41と、該分割されたコイル42付きステータティース41の両端に配置された位置決め部材を挟み込み固定するボルト・ナット44,45と、を有する複軸多層モータMにおいて、ナット及びボルト頭と位置決め部材としての両エンドプレート47,49との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材57を用いたため、ボルト・ナット44,45と両エンドプレート47,49を流れるループ電流が遮断され、ループ電流の遮断によりモータ効率を向上させることができる。
【0052】
(2) 前記絶縁ワッシャ部材57は、ナット45a及びボルト頭45b側に介在させた非絶縁ワッシャ57aと、両エンドプレート47,49側に介在さ絶縁ワッシャ57bと、の組み合わせ配置により構成したため、非絶縁ワッシャ57aによる面圧分散により、絶縁ワッシャ57bの耐久性を確保することができる。
【0053】
(第2実施例)
この第2実施例は、基本的構造は第1実施例と同様であるが、階段状の絶縁ワッシャ部材を用いた点で異なる例である。
【0054】
すなわち、図9に示すように、第2実施例の絶縁ワッシャ部材57は、ナット45a側に近い方から径の小さい順に階段状に配置した3枚の非絶縁ワッシャ57aと、正面側エンドプレート47側に介在させた径の最も大きな絶縁ワッシャ57bと、の組み合わせ配置により構成されている。ここで、ボルト頭45b側も同様な絶縁ワッシャ部材57が採用されているし、また、インナー側ボルト・ナット44についても、同様な絶縁ワッシャ部材57が採用されている。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0055】
作用について説明すると、ナット45aからステータティース41の位置決め部品である正面側エンドプレート47との沿面距離が長くとれるので、第1実施例におけるループ電流の遮断に加え、沿面を伝っての誘非絶縁流も遮断できる。なお、他の作用については、第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0056】
次に、効果を説明する。
第2実施例の複軸多層モータのステータ構造にあっては、第1実施例の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0057】
(3) 前記絶縁ワッシャ部材57は、ナット及びボルト頭側に近い方から径の小さい順に階段状に配置した複数枚の非絶縁ワッシャ57aと、両エンドプレート47,49側に介在させた径の最も大きな絶縁ワッシャ57bと、の組み合わせ配置により構成されているため、絶縁ワッシャ57bに作用する面圧を軽減することができると共に、ナット及びボルト頭からステータティース41の位置決め部品である両エンドプレート47,49との沿面距離が長くとれ、沿面を伝っての誘非絶縁流を遮断することができる。
【0058】
(第3実施例)
この第3実施例は、基本的構造は第1実施例と同様であるが、複数枚の非絶縁ワッシャと絶縁ワッシャとを交互に配置した絶縁ワッシャ部材を用いた点で異なる例である。
【0059】
すなわち、図10に示すように、第2実施例の絶縁ワッシャ部材57は、非絶縁ワッシャ57aと絶縁ワッシャ57b’,57bとをそれぞれ3枚交互に配置することで構成されている。ここで、非絶縁ワッシャについては、同径の非絶縁ワッシャ57aを用い、絶縁ワッシャについては、非絶縁ワッシャ57aより小径の絶縁ワッシャ57b’を2枚と、非絶縁ワッシャ57aより大径の絶縁ワッシャ57bを1枚用いている。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0060】
作用については、第2実施例と同様に、絶縁ワッシャ部材57が階段状であることで、ナット45aからステータティース41の位置決め部品である正面側エンドプレート47との沿面距離が長くとれ、沿面を伝っての誘非絶縁流を遮断することができる。なお、他の作用については、第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0061】
次に、効果を説明する。
第3実施例の複軸多層モータのステータ構造にあっては、第1実施例の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0062】
(4) 前記絶縁ワッシャ部材57は、非絶縁ワッシャ57aと絶縁ワッシャ57b’,57bとをそれぞれ3枚交互に配置することで構成されているため、絶縁ワッシャ57b’,57bに作用する面圧を軽減することができると共に、ナット及びボルト頭からステータティース41の位置決め部品である両エンドプレート47,49との沿面距離が長くとれ、沿面を伝っての誘非絶縁流を遮断することができる。
【0063】
(第4実施例)
第4実施例は、基本的構造は第1実施例と同様であるが、複数枚の非絶縁ワッシャと絶縁ワッシャとを交互に配置した絶縁ワッシャ部材を用いた点で異なる例である。
【0064】
すなわち、図11に示すように、第2実施例の絶縁ワッシャ部材57は、曲面絶縁ワッシャ57cを一枚配置することで構成されている。この曲面絶縁ワッシャ57cは、ナット45aに接する平面部分と正面側エンドプレート47に接する平面部分とを円弧部分にて滑らかに繋いでいる。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。また、作用については、第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0065】
次に、効果を説明する。
第4実施例の複軸多層モータのステータ構造にあっては、第1実施例の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0066】
(5) 前記絶縁ワッシャ部材57は、曲面絶縁ワッシャ57cを一枚配置することで構成されているため、ボルト・ナット44,45の緩みを防止する弾性を付与することができると共に、高さ方向のスペースを省略することができる。
【0067】
以上、本発明の複軸多層モータのステータ構造を第1実施例〜第4実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0068】
例えば、第1実施例では、ハイブリッド駆動ユニットに適用される複軸多層モータの例を示したが、単独で設置される複軸多層モータや他のシステムに適用される複軸多層モータに対しても本発明のステータ構造を採用することができる。
【0069】
第1実施例〜第4実施例により絶縁ワッシャ部材の構造の例を示したが、絶縁ワッシャ部材の構造としては、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させたものであれば第1実施例〜第4実施例に示した構造以外の構造も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のステータ構造を有する複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットを示す概略全体図である。
【図2】第1実施例の複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットのハイブリッド変速機を示す縦断側面図である。
【図3】第1実施例のステータ構造が適用された複軸多層モータMを示す縦断側面図である。
【図4】第1実施例のステータ構造が適用された複軸多層モータMを示す一部縦断正面図である。
【図5】第1実施例のステータ構造が適用された複軸多層モータMをステータの背面側から視た図である。
【図6】複軸多層モータのステータコイルに印加される複合電流の一例を示す説明図である。
【図7】第1実施例の複軸多層モータMにおけるステータSを示す縦断側面図である。
【図8】第1実施例の複軸多層モータMにおいて分割されたステータティースの位置決め構造及び絶縁ワッシャ部材を示す図である。
【図9】第2実施例の複軸多層モータMにおいて分割されたステータティースの位置決め構造の絶縁ワッシャ部材を示す図である。
【図10】第3実施例の複軸多層モータMにおいて分割されたステータティースの位置決め構造の絶縁ワッシャ部材を示す図である。
【図11】第4実施例の複軸多層モータMにおいて分割されたステータティースの位置決め構造の絶縁ワッシャ部材を示す図である。
【符号の説明】
M 複軸多層モータ
S ステータ
IR インナーロータ
OR アウターロータ
41 ステータティース
41a,41b 軸方向穴
42 コイル
43 冷媒路
44 インナー側ボルト・ナット(ボルト・ナット)
45 アウター側ボルト・ナット(ボルト・ナット)
46 樹脂モールド部
47 正面側エンドプレート(位置決め部材)
48 ステータシャフト
49 背面側エンドプレート(位置決め部材)
70 正面側ブラケット
71 背面側ブラケット
72 ステータ冷却パイプ
57 絶縁ワッシャ部材
57a 非絶縁ワッシャ
57b、57b’ 絶縁ワッシャ
57c 曲面絶縁ワッシャ

Claims (5)

  1. ステータを挟んで同心円状にインナーロータとアウターロータとを配置し、
    前記ステータは、積層鋼鈑により構成されたステータティースにコイルを巻き付けた複数のコイル付きステータティースと、該分割されたコイル付きステータティースの両端に配置された位置決め部材を挟み込み固定するボルト・ナットと、を有する複軸多層モータにおいて、
    前記ボルト・ナットと位置決め部材との間に設けられるワッシャとして、少なくとも一部に絶縁性材料を介在させた絶縁ワッシャ部材を用いたことを特徴とする複軸多層モータのステータ構造。
  2. 請求項1に記載された複軸多層モータのステータ構造において、
    前記絶縁ワッシャ部材は、ナット及びボルト頭側に介在させた非絶縁ワッシャと、位置決め部材側に介在させた絶縁ワッシャと、の組み合わせ配置により構成されていることを特徴とする複軸多層モータのステータ構造。
  3. 請求項1に記載された複軸多層モータのステータ構造において、
    前記絶縁ワッシャ部材は、ナット及びボルト頭側に近い方から径の小さい順に階段状に配置した複数枚の非絶縁ワッシャと、位置決め部材側に介在させた径の最も大きな絶縁ワッシャと、の組み合わせ配置により構成されていることを特徴とする複軸多層モータのステータ構造。
  4. 請求項1に記載された複軸多層モータのステータ構造において、
    前記絶縁ワッシャ部材は、非絶縁ワッシャと絶縁ワッシャとを複数枚交互に配置することで構成されていることを特徴とする複軸多層モータのステータ構造。
  5. 請求項1に記載された複軸多層モータのステータ構造において、
    前記絶縁ワッシャ部材は、曲面絶縁ワッシャを一枚配置することで構成されていることを特徴とする複軸多層モータのステータ構造。
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