JP2004306229A - カバー部材及び交換用工具並びこれらの脱着装置 - Google Patents

カバー部材及び交換用工具並びこれらの脱着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スピンドルに容易に脱着し、交換のための工程数を少なくするカバー部材及び交換用工具並びにこれらを脱着する脱着装置を提供する。
【解決手段】着脱装置1は、弾性体24を備えたシャンク部21とフランジ部22とを弾性体24によりシャンク部21とフランジ部22とが分離可能となるカバー部材2を用いて、スピンドル11のテーパ穴13に嵌合させてクランプ部材12によりカバー部材2のプルスタッド部23を引っ張り、テーパ穴13に取り付けて閉蓋する。そして研削作業後は、クランプ部材12によりプルスタット部23を押し出し、シャンク部21とフランジ部22とを弾性体24により分離させ、自動工具交換装置のアーム部Hによるフランジ部22の把持位置までフランジ部22を移動させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエーハ研削装置のスピンドルに取り付けられるカバー部材及び交換用工具、並びにスピンドルにカバー部材及び交換用工具の取り付け又は取り外しを行う脱着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から行われているウエーハの表面の仕上げ研削は、図7(a)に示すように、ウエーハ研削装置に取り付けられるカバー部材又は交換用工具の取付装置100のスピンドル111にボルト等により取り付けられた仕上げ用砥石STを用いて行われている。ここで、スピンドル111の端部に設けられたテーパ穴113にカバー部材200が取り付けられていた。このカバー部材200はシャンク部210とフランジ部220とプルスタッド部230とから構成され、シャンク部210とフランジ部220とが分離可能に一体となっていた。そして、ウエーハの表面の仕上げ研削を行う場合に、フランジ部220を除いたカバー部材200がスピンドル111に取り付けられていた。
【0003】
また、図7(b)に示すように、このカバー部材200をスピンドル111のテーパ穴113に嵌合させてスピンドル111に取り付ける場合は、フランジ部220の外周面に形成された交換用の把持溝部を自動工具交換装置のアーム部Hにより把持し、スピンドル111のテーパ穴113の方向へアーム部Hを移動するとともに、スピンドル111もアーム部Hに把持されているカバー部材200の方向へ移動し、所定の位置において、カバー部材200をテーパ穴113に嵌合させていた。そして、スピンドル111のクランプ部材でカバー部材200のプルスタッド部230を引っ張ってスピンドル111にシャンク部210を固定する。その後、図7(c)に示すように、フランジ部220を把持するアーム部Hは、スピンドル111から遠ざかる方向に移動して、カバー部材200のシャンク部210とフランジ部220とを分離させていた。この状態で、従来のウエーハ研削装置は、ウエーハの表面の仕上げ研削を行っていた。
【0004】
また、交換用工具を用いた場合は、シャンク部とフランジ部とが一体となっており、フランジ部の下面に工具が取り付けられている交換用工具のシャンク部をテーパ穴に嵌合させてスピンドルに交換用工具を取り付けている。このとき、フランジ部の外周面に形成された工具交換用の把持溝部を自動工具交換装置のアーム部が把持しており、スピンドルのテーパ穴の方向へ移動するとともに、スピンドルもアーム部に把持されている交換用工具の方向へ移動し、所定の位置で、交換用工具がテーパ穴に嵌合されるようになっており、スピンドルのクランプ部材で交換用工具のプルスタッド部を引っ張ってスピンドルに交換用工具を固定していた。
【0005】
そして、スピンドル111に取り付けたカバー部材200を取り外す場合は、スピンドル111とフランジ部220を把持しているアーム部Hとを近づけて、シャンク部210から分離させたフランジ部220を自動工具交換装置のアーム部Hによりシャンク部210に取り付け、クランプ部材112によりカバー部材200のプルスタッド部230を押出すことにより行われていた。
また、スピンドルに取り付けた交換用工具を取り外す場合は、スピンドルとアーム部Hとを互いに近づけるように移動させて、交換用工具のフランジ部をアーム部によって把持して、クランプ部材により交換用工具のプルスタッド部を押出しつつ、スピンドルとアーム部Hとを互いに遠ざけるように移動させて行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−144183号公報([0068]−[0072]、第7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカバー部材200を用いた場合は、アーム部Hが、カバー部材200のフランジ部220を、シャンク部210から分離した後からウエーハの表面の仕上げ研削が終了して再びシャンク部210と接合するまで把持しており、そのために、フランジ部220をシャンク部210に接合する工程が付加されることにより次の研削の工程に移行するまでの工程数が多くなっていたため、この工程数を少なくするようなカバー部材200及び交換用工具が要望されていた。
また、従来のカバー部材又は交換用工具を用いた場合は、フランジ部に設けられた把持溝部の位置が仕上砥石の位置よりもシャンク部210に近くなるので、アーム部Hによる工具交換ができなくなるため、容易に工具交換ができる交換用工具が要望されていた。
【0008】
また、スピンドル111からカバー部材200又は交換用工具を取り外す場合は、カバー部材200又は交換用工具のスピンドル111のクランプ部材でクランプしているプルスタッド部を、前記クランプ部材で押し出すと、ただちにクランプ部材がプルスタッド部の把持を解除してしまい、アーム部によってフランジ部を把持するまでは、クランプ部材を動作させることができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、スピンドルに容易に脱着し、交換のための工程数を少なくするカバー部材及び交換用工具並びにこれらを脱着する脱着装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、ウエーハ研削装置のスピンドルの端部に設けられたテーパ穴に嵌合する円錐テーパ部及び前記円錐テーパ部の端部外周に前記スピンドルの端面と当接する当接端面を有するシャンク部と、前記シャンク部と分離接合可能に形成され、外周面に工具交換用の把持溝部が形成されたフランジ部と、前記シャンク部と前記フランジ部のいずれか一方又は両方に形成された所定の深さの収納穴と、前記収納穴に収納され、前記シャンク部と前記フランジ部との間に介設され、前記シャンク部と前記フランジ部とを分離する方向に付勢する弾性体と、前記シャンク部に形成された貫通孔に摺動自在に挿通され、前記弾性体と並設して前記フランジ部に取り付けられるプルスタッド部と、を備え、前記弾性体の付勢力により前記フランジ部と前記シャンク部とが分離状態に保持され、また、前記スピンドルのテーパ穴に前記シャンク部が装着された状態で前記スピンドルのクランプ部材により前記プルスタッド部を引っ張ることで、前記弾性体の付勢力に抗して前記フランジ部が前記シャンク部に接合されることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、カバー部材のシャンク部とフランジ部とが分離可能に形成されており、プルスタッド部をシャンク部に摺動自在に挿通しつつ前記弾性体と並設してフランジ部に取り付ける。ここで、シャンク部とフランジ部とが接合するいずれか一方又は両方の端部には所定の深さを有する収納穴が設けられており、この収納穴に弾性体が挿入され、シャンク部とフランジ部とが分離した状態となっている。ここで、プルスタッド部を引っ張ることにより、弾性体のシャンク部から遠ざかる方向の付勢力に抗してフランジ部がシャンク部と接合される。
【0012】
これにより、フランジ部は、ウエーハ研削装置のスピンドルにシャンク部と共に取り付けられるため、自動工具交換装置によるフランジ部の取り外し及び取り付けにかかる工程がなくなるので、仕上げ研削の工程数を少なくすることができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記ウエーハ研削装置の前記スピンドルには前記テーパ穴の外側に位置して予め砥石が固定して取り付けられ、前記スピンドルの前記テーパ穴に前記シャンク部が装着された状態において、前記フランジ部が、前記ウエーハ研削装置の前記スピンドルに取り付けられた砥石の位置より離れて前記シャンク部と分離され、前記フランジ部が前記シャンク部に接合された状態では、前記砥石の位置よりも前記スピンドル側に前記フランジ部が位置されることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、フランジ部がスピンドルに取り付けられた砥石の位置よりも離れた位置までシャンク部と分離するので、砥石に接触することなく容易に交換を行うことができる。
また、フランジ部とシャンク部との接合状態では、スピンドルに取り付けられた砥石の位置よりもフランジ部がスピンドル側に位置されるので、カバー部材を装着した状態で、砥石による研削加工を行うことができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明であって、工具が取り付けられていない形態でなる、前記テーパ穴を閉蓋するように構成することもできる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、シャンク部が嵌合してテーパ穴を閉蓋するので、研削時に生成される切粉のテーパ穴内への進入を防止することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカバー部材に工具を取り付けたことを特徴とする交換用工具である。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、フランジ部のシャンク部と接合する端面とは反対側に位置する端面に工具を取り付けることによって、カバー部材を交換用工具として用いることができる。
これにより、工具の交換においても、弾性体におけるシャンク部から遠ざかる方向の付勢力により、シャンク部とフランジ部とが分離するので、容易に工具交換を行うことができる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、ウエーハ研削装置のスピンドル内の軸線上に設けられたクランプ部材によって前記スピンドルの端部に設けられたテーパ穴に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカバー部材を脱着する脱着装置であって、前記テーパ穴に前記カバー部材が保持された状態で前記クランプ部材が前記プルスタッド部を保持した第1クランプ位置では、前記カバー部材のフランジ部とシャンク部とが前記弾性体の付勢力により分離状態に保持され、また、前記クランプ部材が第2クランプ位置に移動して前記プルスタッド部を引っ張ることで前記弾性体の付勢力に抗して前記シャンク部に前記フランジ部を接合させて前記テーパ穴に前記カバー部材を取り付けるように構成としたことを特徴とする
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカバー部材をスピンドルのテーパ穴に取り付ける場合は、シャンク部と分離したフランジ部を把持している自動工具交換装置のアーム部が、スピンドルの回転軸線上まで移動した後、スピンドルがアーム部に把持されているカバー部材又は交換用工具の方向へ移動する。そして、シャンク部をテーパ穴に嵌合させクランプ部材によりプルスタッド部を第1クランプ位置まで引っ張ってカバー部材をスピンドルに取り付ける。この状態でアーム部はフランジ部から離れるとともに、プルスタッド部をクランプ部材により第2クランプ位置まで引っ張って、弾性体がフランジ部をシャンク部から遠ざかる方向に付勢しつつ、シャンク部とフランジ部とを接合させることができるようになっている。
これにより、カバー部材を交換する工程を短縮することができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、ウエーハ研削装置のスピンドル内の軸線上に設けられたクランプ部材によって前記スピンドルの端部に設けられたテーパ穴に請求項4に記載の交換用工具を脱着する脱着装置であって、前記テーパ穴に前記交換用工具が保持された状態で前記クランプ部材が前記プルスタッド部を保持した第1クランプ位置では、前記交換用工具のフランジ部とシャンク部とが前記弾性体の付勢力により分離状態に保持され、また、前記クランプ部材が第2クランプ位置に移動して前記プルスタッド部を引っ張ることで前記弾性体の付勢力に抗して前記シャンク部に前記フランジ部を接合させて前記テーパ穴に前記交換用工具を取り付けるように構成としたことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載の交換用工具をスピンドルのテーパ穴に取り付ける場合は、シャンク部と分離したフランジ部を把持している自動工具交換装置のアーム部が、スピンドルの回転軸線上まで移動した後、スピンドルがアーム部に把持されている交換用工具の方向へ移動する。そして、シャンク部をテーパ穴に嵌合させクランプ部材によりプルスタッド部を第1クランプ位置まで引っ張って交換用工具をスピンドルに取り付ける。この状態でアーム部はフランジ部から離れるとともに、プルスタッド部をクランプ部材により第2クランプ位置まで引っ張って、弾性体がフランジ部をシャンク部から遠ざかる方向に付勢しつつ、シャンク部とフランジ部とを接合させることができるようになっている。
これにより、交換用工具を交換する工程を短縮することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明を省略するものとする。
【0024】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る脱着装置1は、ウエーハ研削装置に備えられており、図1に示すように、スピンドル11と、クランプ部材12とから構成され、カバー部材2のシャンク部21をスピンドル11の端部に設けられたテーパ穴13に取り付ける装置である。
なお、本発明の脱着装置1は、主にスピンドル11の外縁部に取り付けられた仕上砥石台Dに設けられている仕上砥石Tを用いて図示しないウエーハを仕上げ研削する前における、スピンドル11の端面11Aに設けられたテーパ穴13に切粉や微粉等が入らないよう閉蓋する後述するカバー部材2を取り付ける場合及び、仕上げ研削を完了した後のカバー部材2を取り外す場合を例にして説明する。以下、各部について詳細に説明する。
【0025】
[スピンドル]
スピンドル11は、図1(a)〜図1(c)に示すように、その端部の外縁に仕上砥石Tを有する仕上砥石台Dが取り付けられており、スピンドル11を回転させることにより仕上砥石台Dに設けられた仕上砥石Tでウエーハを仕上げ研削することができるようになっている。また、スピンドル11の回転軸上の端部にはテーパ穴13が設けられており、後述するカバー部材2のシャンク部21を嵌合させることができるようになっている。
【0026】
ここで、仕上砥石台Dは、中空となる円形形状の板材部の外周に所定の高さを有する外周壁が設けられて形成されている。この外周壁は、仕上砥石台Dをスピンドル11に取り付け、スピンドル11のテーパ穴13にカバー部材2のシャンク部21を嵌合させ、かつ、シャンク部21とフランジ部22とを接合させたときに、外周壁がカバー部材2のフランジ部22よりウエーハ側に張り出すように形成されている。そして、この外周壁の端部に仕上砥石Tが形成されている。
【0027】
なお、この仕上砥石Tによる研削は、テーパ穴13にカバー部材2を取り付けた後に行われる。したがって、この仕上砥石Tは、図1(c)に示すように、カバー部材2のフランジ部22におけるシャンク部21と接合しない側の端面22Fよりもウエーハ側に突出している。
【0028】
また、スピンドル11の回転軸上には、テーパ穴13と連通する連通孔14が設けられている。この連通孔14は、テーパ穴13側から所定の深さに達すると、軸線に対する断面形状が小さくなるように形成されており、この連通孔14に後述するクランプ部材12が備えられ、テーパ穴13に挿入されたカバー部材2のプルスタッド部23を把持することができる。
【0029】
[カバー部材]
ここで、本発明の脱着装置1に用いられるカバー部材2について説明する。
前記カバー部材2は、図3(a)及び図3(b)に示すように、シャンク部21とフランジ部22とプルスタッド部23と弾性体24とから構成されており、仕上砥石Tによるウエーハの研削の際にスピンドル11の端面11Aに設けられたテーパ穴13に切粉や微粉等が入らないように閉蓋する役割を果たす。
【0030】
シャンク部21は、図3(a)に示すように、フランジ部22と分離して形成され、図1に示すスピンドル11のテーパ穴13に嵌合する円錐テーパ部21Aと、この円錐テーパ部21Aの端部外周にスピンドル11の端面11Aと当接する当接端面21Cを有する張出部21Bとが一体で形成されている。
【0031】
円錐テーパ部21Aは、円錐形状にその円錐形状の底面と平行となる平面を設けて、頂点部を除いた部分とする円錐台状の形状となっている。そして、この円錐テーパ部21Aは、テーパ穴13と嵌合できるように、テーパ穴13のテーパの傾斜角度に合わせた形状となっている。
【0032】
張出部21Bは、所定の厚さを有しており、円錐テーパ部21Aから張り出すことにより当接端面21Cを形成している。この当接端面21Cは、スピンドル11の端面11Aに当接することができ、後述するプルスタッド部23をクランプ部材12で引っ張ったときに円錐テーパ部21Aと張出部21Bの当接端面21Cとがスピンドル11のテーパ穴13とスピンドル11の端面へ押圧され、スピンドル11による高速回転が行われても、円錐テーパ部21Aがテーパ穴13の奥に入り込んでカバー部材2の取付位置にずれを生じさせないようになっている。
【0033】
その張出部21Bの後述するフランジ部22と向かい合う端面(シャンク部21の端面)21Dには、後述する弾性体24を収納することができる程度の所定の深さを有する収納穴21Eが設けられている。この収納穴21Eは、シャンク部21とフランジ部22とが接合した場合に、弾性体24の全体を収納することができる深さを有している。そして、この収納穴21Eの内部の端面21Gからスピンドル11の方向を向いているシャンク部21の端面21Fまで所定の直径を有する貫通孔21Hが設けられており、後述するプルスタッド部23を挿通することができるようになっている。
【0034】
フランジ部22は、図3(b)に示すように、シャンク部21と分離して形成され、所定の厚さを有する円柱体22Aの略中央外周面に、自動工具交換装置のアーム部Hによって当該フランジ部22を把持することができる把持溝部22Bが形成されている。このフランジ部22のシャンク部21と向かい合う端面22Cには、後述するプルスタッド部23を取り付けるために取付孔22Dが形成され、その取付孔22Dの周面にはネジ22Eが形成されている。
【0035】
そして、この取付孔22Dの周囲であってフランジ部22の端面22Cに、所定の深さを有する凹部22Gが形成されている。この凹部22Gは、弾性体24の位置ずれを防止する役割を果たす。また、フランジ部22のシャンク部21とは向かい合わない端面22Fは、スピンドル11に取り付けられた仕上砥石台Dに設けられた仕上砥石Tより、スピンドル11側に位置しているので、仕上砥石Tが減少した状態で仕上加工を行っても、端面22Fがウエーハに接触することがない。
【0036】
弾性体24は、コイルバネとなっており、前記したように、シャンク部21の収納穴21Eに収納されるものである。この弾性体24は、シャンク部21の収納穴21Eに挿入されると、フランジ部22のシャンク部21と向かい合う方の端面22Cと収納穴21Eの端面21Gとで挟まれ、フランジ部22の端面22Cとシャンク部21のフランジ部と向かい合う方の端面21Dとが接合することにより、フランジ部22をシャンク部21から遠ざかる方向に付勢することになる。
【0037】
プルスタッド部23は、棒状の軸部23Bの一方の端部に、後述するクランプ部材12により把持されるための所定の直径を有する把持部23Aが軸部23Bの直径よりも大きく形成されており、他方の端部には、フランジ部22に取り付けるためのネジ23Cが形成されている。
このプルスタッド部23のネジ23Cは、フランジ部22に取り付けられる。
【0038】
このプルスタッド部23は、ネジ23Cが形成されたフランジ部22側の端部を、収納穴21Eに弾性体24を挿入した状態で、シャンク部21の端面21Fと収納穴21Eとを貫通する貫通孔21Hに摺動自在に挿通して、シャンク部21と弾性体24を介してフランジ部22の取付孔22Dに設けられたネジ22Eに螺合させる。このようにすることにより、カバー部材2が形成される。
【0039】
[クランプ部材]
クランプ部材12は、図1(a)〜図1(c)に示すように、スピンドル11の回転軸上に設けられた連通孔14の内部に備えられており、ドローバー12Aと複数のボール12Bと、ストロークを3段階の位置で調節可能な図示しないシリンダとから構成されており、カバー部材2のプルスタッド部23を把持してスピンドル11に取り付け、又は把持を解除して取り外しを行う役割を果たす。
【0040】
ドローバー12Aは、筒体となっており、そのテーパ穴13側の端部には、複数のボール12Bの個数に対応し、ボール12Bを保持する開口部が設けられており、この各開口部に各ボール12Bが備えられている。そして、ドローバー12Aのスピンドル11の内部側の端部にはシリンダが設けられており、このシリンダのストロークによりドローバー12Aが引っ張られ又は押し出される。
【0041】
このシリンダは、そのストロークによりドローバー12Aを3段階の位置に移動させる役割を果たす。
【0042】
ここで、シリンダの各ストロークの位置は次の通り3段階の位置で設定されている。
第1段階のストロークの位置である準備位置は、クランプ部材12のプルスタッド部23を把持するために、ドローバー12Aをテーパ穴13の傍近に配置させる位置である。また、この準備位置でクランプ部材12は、カバー部材2のプルスタッド部23の把持を解除した状態となっている。
【0043】
第2段階のストロークの位置である第1クランプ位置は、シリンダの油圧によりドローバー12Aの各ボール12Bによりプルスタッド部23把持しつつ引っ張って、カバー部材2のシャンク部21とフランジ部22とが分離している状態で、シャンク部21をスピンドル11のテーパ穴13に嵌合させ、スピンドル11に一時的に取り付けることができる位置である。
【0044】
第3段階のストロークの位置である第2クランプ位置は、前記クランプ部材12のドローバー12Aによりプルスタッド部23をさらに引っ張って、弾性体24によってフランジ部22を付勢しつつ、分離していたシャンク部21とフランジ部22とを接合させて、スピンドル11に強固に取り付けることができる位置である。
【0045】
つまり、スピンドル11のテーパ穴13に挿入されたカバー部材2のプルスタッド部23に対して、ドローバー12Aがシリンダにより第1段階の位置である準備位置からスピンドル11の内部方向へ移動しつつ、プルスタッド部23をドローバー12Aに設けられた各ボール12Bにより把持し、シャンク部21とフランジ部22とが分離した状態で、スピンドル2の内部方向に第2段階の位置である第1クランプ位置まで引っ張ってスピンドル11のテーパ穴13にシャンク部21を嵌合させる。さらに、第3段階の位置である第2クランプ位置まで引っ張ることによりカバー部材2を把持しつつ、シャンク部21とフランジ部22とを接合させてスピンドル11に強固に取り付けてテーパ穴13を閉蓋する。
【0046】
次にカバー部材2をスピンドル11から取り外す場合のピストンの位置は次の通り設定されている。
第2クランプ位置にあるシリンダのストロークは、クランプ部材12のドローバー12Aを第1クランプ位置まで油圧により押し出す。これにより、クランプ部材12に把持されているプルスタッド部23も押し出され、接合していたシャンク部21とフランジ部22とが弾性体24の付勢力により、フランジ部22をシャンク部21から離れる方向に分離させる。
【0047】
そして、第1クランプ位置にあるシリンダのストロークは、さらにドローバー12Aを準備位置まで油圧により押し出す。これにより、プルスタッド部23も押し出され、ドローバー12Aが準備位置まで達したところでドローバー12Aに設けられた各ボール12Bがプルスタッド部23の把持を解除して、スピンドル11からカバー部材2を取り外せる状態にする。
【0048】
[カバー部材の脱着方法]
次に、スピンドル11へのカバー部材2の脱着方法を図1、図2及び図4を用いて説明する。なお、図4は、本発明に係る脱着装置の脱着方法を示すフローチャートである。
【0049】
本発明の脱着装置1によるカバー部材2の脱着方法は、(1)カバー部材嵌合工程、(2)カバー部材接合取付工程、(3)シャンク部フランジ部分離工程、(4)カバー部材取外工程の各工程から構成される。
【0050】
まず、準備工程として、ウエーハの仕上げ研削がスピンドル11の外縁に取り付けられた仕上砥石Tで行われる場合に、スピンドル11のテーパ穴13に他の研削砥石が備えられた交換用工具(例えば、図5に示すような交換用工具2A)が取り付けられている場合は(S1)、その交換用工具を取り外し(S2)、図示しないツールマガジンから自動工具交換装置のアーム部Hによりシャンク部21とフランジ部22とが分離可能なカバー部材2を選択して把持し(S3)、図1(a)に示すように、カバー部材2の中心軸とウエーハ研削装置のスピンドル11の回転軸とが一致する位置まで、前記アーム部Hにより移動する(S4)。テーパ穴13に他の交換用工具が取り付けられていない場合は(S1)、図示しないツールマガジンから自動工具交換装置のアーム部Hによりシャンク部21とフランジ部22とが分離可能なカバー部材2を選択して把持する(S3)。
【0051】
(1)カバー部材嵌合工程
カバー部材嵌合工程は、図1(b)に示すように、フランジ部22を把持しているアーム部Hがスピンドル11の回転軸とカバー部材2の中心軸とが一致する位置まで移動する(S4)。そして、スピンドル11の回転軸と同一の軸線上に位置するカバー部材2をスピンドル11に挿入する(S5)。すなわち、スピンドル11の端部に設けられたテーパ穴13にカバー部材2のシャンク部21を挿入する。次に、シリンダのストロークによって準備位置にあるクランプ部材12のドローバー12Aを第1クランプ位置までシリンダにより引っ張ることで、弾性体24の付勢力で分離しているシャンク部21をテーパ穴13に嵌合させ、クランプする(S6)工程である。
【0052】
ここで、クランプ部材12によりカバー部材2のプルスタッド部23を把持しつつ引っ張る場合は、図1(a)に示すように、まず、準備位置にある図示しないシリンダのストロークがクランプ部材12のドローバー12Aをテーパ穴13の傍近に位置させている状態で、このシリンダによりドローバー12Aを連通孔14の内部方向にある第1クランプ位置まで移動させる。これにより、ドローバー12Aに備えられた各ボール12Bがプルスタッド部23を把持することとなる。この各ボール12Bがプルスタッド部23を把持した状態を保持しつつシリンダのストロークを第1クランプ位置まで移動させる。すると、図1(b)に示すように、カバー部材2のシャンク部21とフランジ部22とが弾性体24により分離した状態で、シャンク部21がスピンドル11のテーパ穴13に嵌合される。
【0053】
(2)カバー部材接合取付工程
カバー部材接合取付工程は、アーム部Hがフランジ部22の把持を解除してフランジ部22から離れ(S7)、図1(c)に示すように、カバー部材嵌合工程によりシリンダのストロークによって第1クランプ位置にあるクランプ部材12のドローバー12Aを第2クランプ位置までシリンダにより引っ張ることで、プルスタッド部23も引っ張られ(S8)、ドローバー12Aが第2クランプ位置まで達したところで弾性体24がフランジ部22をシャンク部から遠ざかる方向に付勢しつつ、分離しているシャンク部21とフランジ部22とを接合させて、スピンドル11にカバー部材2を強固に取り付け、カバー部材2のスピンドル11への装着を完了する(S9)工程である。
【0054】
図1(b)に示すように、第1クランプ位置にあるドローバー12Aを図1(c)に示すように、テーパ穴13から遠ざかる方向にある第2クランプ位置まで引っ張ることで、ドローバー12Aの端部に備えたれた各ボール12Bにより把持されているプルスタッド部23も引っ張られ、弾性体24がフランジ部22を付勢しつつシャンク部21の収納穴21Eに収納され、かつ、フランジ部22がシャンク部21に接合する。これにより、カバー部材2がスピンドル11に強固に取り付けられ、テーパ穴13が閉蓋される。これで、スピンドル11へのカバー部材2の装着を完了する。
【0055】
なお、この状態において、カバー部材2のフランジ部22は、スピンドル11の外縁に取り付けられた仕上砥石Tよりもスピンドル11側に位置しているので、仕上砥石Tによるウエーハの研削(S10)の障害になることがない。
【0056】
(3)シャンク部フランジ部分離工程
シャンク部フランジ部分離工程は、カバー部材接合取付工程によりシリンダのストロークによって連通孔14の内部にある第2クランプ位置まで引っ張られたクランプ部材12のドローバー12Aを第1クランプ位置まで油圧により押し出すことにより、クランプ部材12に把持されているプルスタッド部23も押し出されて、接合していたシャンク部21とフランジ部22とが弾性体24の付勢力も加わって、フランジ部22をシャンク部21から離れる方向にシャンク部21から分離させる(S11)工程である。
【0057】
クランプ部材12によりカバー部材2をスピンドル11から取り外す場合は、図2(a)に示すように、図示しないシリンダに油圧を付与して第2クランプ位置から第1クランプ位置までシリンダのストロークを押し出させる。これにより、シリンダのストロークと共にドローバー12Aも押し出されるので、ドローバー12Aの端部に備えられた各ボール12Bに把持されているプルスタッド部23も共に押し出される。すると、シャンク部21の収納穴21Eに収納された弾性体24の付勢力とともにプルスタッド部23を取り付けているフランジ部22も押し出される。
【0058】
押し出されたフランジ部22は、図2(b)に示すように、スピンドル11の外縁に取り付けられた仕上砥石Tの取付位置よりもスピンドル11から離れた位置まで移動することとなる。この場合におけるフランジ部22の位置は、自動工具交換装置のアーム部Hのカバー部材2を把持するための軌道の一部と一致するため、アーム部Hは、フランジ部22の位置に合わせるための特別な制御をせずに前記フランジ部22を把持する(S12)。
【0059】
(5)カバー部材取外工程
カバー部材取外工程は、図2(b)に示すように、シャンク部フランジ部分離工程においてシリンダのストロークによって第1クランプ位置にあるドローバー12Aをさらにシリンダの油圧により押し出すことにより、プルスタッド部23も押し出され、ドローバー12Aが準備位置まで達したところでドローバー12Aに設けられた各ボール12Bがプルスタッド部23の把持を解除して、スピンドル11からカバー部材2を取り外せる状態にし、カバー部材2のフランジ部22を把持するアーム部Hにより、スピンドル11からカバー部材2を取り外す(S13)工程である。
【0060】
図2(b)に示すように、スピンドル11の外縁に取り付けられた仕上砥石Tよりも離れた位置まで移動したフランジ部22を自動工具交換装置のアーム部Hが把持したら、図2(c)に示すように、図示しないシリンダに油圧を付与してストロークをさらに第2クランプ位置から第1クランプ位置まで移動させつつドローバー12Aを押し出す。これにより、ドローバー12Aの端部に備えた各ボール12Bは、カバー部材2のプルスタッド部23の把持を解除する。
【0061】
この状態で、図2(c)に示すように、スピンドル11を回転軸線上であってカバー部材2から遠ざかる方向に移動させるか、或いは、アーム部Hを進退させることにより、スピンドル11からカバー部材2を取り外すことができる。なお、自動工具交換装置は、従来からのものを用いることができる。さらに手動による工具交換であっても良い。
【0062】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る脱着装置10は、図5に示すように、本発明の第1実施形態に係る脱着装置1に対して、交換用工具3を脱着する点で異なっている。そこで、この交換用工具3について説明する。
【0063】
[交換用工具]
この交換用工具3は、カバー部材2のフランジ部22のシャンク部21と向かい合う端面22Cとは反対側の端面22Fに研削用砥石KTを設けた研削用砥石台KDが取り付けられて形成されている。
この交換用工具3は、スピンドル11に仕上砥石KTを設けた仕上砥石台KDが取り付けられた状態で、交換用工具3のシャンク部21をテーパ穴13に嵌合させる。その後、この交換用工具3をスピンドル11に取り付ける場合は、本発明の第1実施形態に係る脱着装置1と同様の手順で行われる。
交換用工具3がスピンドル11に強固に取り付けられると、仕上砥石KTの位置よりシャンク部21から離れた位置に研削用砥石KTが配置されるので、ウエーハの研削用砥石KTによる粗研削後、容易に仕上げ研削を行うことができる。
【0064】
本発明をこのように構成したことにより、カバー部材2(交換用工具)のシャンク部21とフランジ部22とが分離可能に一体で形成されていることから、フランジ部22が仕上砥石T(KT)よりもシャンク部21から離れる方向に突出するので、フランジ部22を把持する自動工具交換装置のアーム部Hが仕上砥石T(KT)に接触することがなく、カバー部材2(交換用工具)をスピンドル11に取り付けることができる。また、カバー部材2がスピンドル11に強固に取り付けられた場合に、カバー部材2のフランジ部22の端面22Fが仕上砥石Tよりもシャンク部21に近い位置に配置されるので、仕上砥石Tによるウエーハの仕上げ研削の妨げとなることがない。
【0065】
また、このカバー部材2又は交換用工具をスピンドル11から取り外す場合は、クランプ部材12により段階的にプルスタッド部23を押し出すことができるため、確実にカバー部材2のシャンク部21とフランジ部22とを分離させることができる。
【0066】
以上、本発明について、好適な実施形態の一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
【0067】
例えば、図6(a)に示すような交換用工具2Aをスピンドル11に取り付けることもできる。この交換用工具2Aは、シャンク部21と所定の長さを有するフランジ部22とが一体で形成されており、フランジ部22のウエーハと対向する方向の端面22Fには、研削用砥石KTが設けられた研削用砥石台KDが取り付けられている。このように、本発明は、図6(b)に示すように、従来から用いられている交換用工具2Aをスピンドル11に取り付けることができるので、汎用性が高く、作業性を向上させることができる。
【0068】
また、シャンク部21に設けた収納穴21Eをフランジ部22に形成することもできる。この場合は、プルスタッド部23の端部のネジ23Cを螺合させるためにフランジ部22に形成されるネジ22Eの外周を、所定の深さを有する環形状に形成して収納穴を設ける。この収納穴に弾性体を挿入しても、本発明のカバー部材2と同様の効果を奏することができる。
【0069】
また、本発明のカバー部材2に用いられる弾性体24には、ゴム等の伸縮性を有する部材を用いることができる。
さらに、クランプ部材12のシリンダによるドローバーの押し出しは2回に限られず、カバー部材2のシャンク部21とフランジ部22とが確実に分離することができれば、押し出す回数に制限はない。
また、これにより、クランプ部材12のシリンダは、2基以上を直列に配置してもよい。
【0070】
例えば、2基のシリンダは、連通孔14内において直列に配置され、テーパ穴13側のシリンダがドローバー12Aを直接引っ張り又は押し出すことができるようになっている。この各シリンダは油圧式となっており、油圧を制御することにより、シリンダのストローク位置を3段階に調節することができるようになっている。このシリンダがドローバー12Aを引っ張り又は押し出すことにより、プルスタッド部23も引っ張られ又は押し出され、スピンドル11に取り付けられたカバー部材又は交換用工具の脱着を行うことができる。
また、ドローバー12Aに凹部を形成し、連通孔14内に前記凹部に嵌めることができる嵌合部材を設け、この嵌合部材をドローバー12Aの方向に移動可能に制御してドローバー12Aの凹部に嵌合又は取り外しをすることにより、ドローバー12Aの2段階以上の押し出し距離を調節することができる。
【0071】
【発明の効果】
よって請求項1に記載の発明は、フランジ部が、ウエーハ研削装置のスピンドルにシャンク部と共に取り付けられるため、自動工具交換装置によるフランジ部の取り外し及び取り付けにかかる工程がなくなるので、仕上げ研削の工程数を少なくすることができる。
【0072】
また、請求項2に記載の発明は、フランジ部がスピンドルに取り付けられた砥石の位置よりも離れた位置までシャンク部と分離するので、フランジ部が砥石に接触することがなく、容易に交換を行うことができる。
また、フランジ部とシャンク部との接合状態では、スピンドルに取り付けられた砥石の位置よりもフランジ部がスピンドル側に位置されるので、カバー部材を装着した状態で、砥石による研削加工を行うことができる。
【0073】
また、請求項3に記載の発明は、シャンク部が嵌合してテーパ穴を閉蓋するので、研削時に生成される切粉のテーパ穴内への進入を防止することができる。
【0074】
また、請求項4に記載の発明は、フランジ部のシャンク部と接合する端面とは反対側に位置する端面に工具を取り付けることによって、カバー部材を交換用工具として用いることができる。また、これにより、工具の交換においても、弾性体におけるシャンク部から遠ざかる方向の付勢力により、シャンク部とフランジ部とが分離するので、容易に工具交換を行うことができる。
【0075】
請求項5に記載の発明は、カバー部材のシャンク部とフランジ部とが分離接合可能に形成されていても、クランプ部材によりスピンドルへ強固に取り付けることができる。また、クランプ部材によってプルスタッド部を引っ張る位置を、第1クランプ位置と第2クランプ位置とで設けたので、自動工具交換装置でフランジ部を支持していなくとも、フランジ部とシャンク部との接合を行うことができる。これにより、自動工具交換装置は、スピンドルのクランプ部材が第1クランプ位置までカバー部材のプルスタッド部を引っ張った後にフランジ部の把持を解除することができるので、カバー部材を交換する工程を短縮することができる。
【0076】
請求項6に記載の発明は、工具交換装置のシャンク部とフランジ部とが分離接合可能に形成されていても、クランプ部材によりスピンドルへ強固に取り付けることができる。また、クランプ部材によってプルスタッド部を引っ張る位置を、第1クランプ位置と第2クランプ位置とで設けたので、自動工具交換装置でフランジ部を支持していなくとも、フランジ部とシャンク部との接合を行うことができる。これにより、自動工具交換装置は、スピンドルのクランプ部材が第1クランプ位置まで工具交換装置のプルスタッド部を引っ張った後にフランジ部の把持を解除することができるので、交換用工具を交換する工程を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明に係る脱着装置にカバー部材を取り付ける前の状態を示す断面図であり、(b)は、本発明に係る脱着装置にカバー部材を嵌合させた状態を示す断面図であり、(C)は、本発明に係る脱着装置にカバー部材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図2】(a)は、カバー部材を分離させた状態を示す断面図であり、(b)は、カバー部材を把持する状態を示す断面図であり、(C)は、本発明に係る脱着装置からカバー部材を取り外した状態を示す断面図である。
【図3】(a)は、本発明に係るカバー部材の一例を示す断面図であり、(b)は、シャンク部とフランジ部とを接合させた状態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る脱着装置の脱着方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る交換用工具の一例を示す断面図である。
【図6】(a)は、本発明の本発明に係る脱着装置に砥石を有するカバー部材を取り付ける前の状態を示す断面図であり、(b)は、本発明の本発明に係る脱着装置に砥石を有するカバー部材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】(a)は、ウエーハ研削装置に従来のカバー部材を取り付ける前の状態を示す断面図であり、(b)は、ウエーハ研削装置に従来のカバー部材を嵌合させた状態を示す断面図であり、(C)は、従来のカバー部材からフランジ部を取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、10 脱着装置
11 スピンドル
11A 端面
12 クランプ部材
12A ドローバー
12B ボール
13 テーパ穴
14 連通孔
2 カバー部材
21 シャンク部
21A 円錐テーパ部
21B 張出部
21C 当接端面
21D 端面
21E 収納穴
21F 端面
21G 端面
21H 貫通孔
22 フランジ部
22A 円柱体
22B 把持溝部
22C 端面
22D 取付孔
22E ネジ
23 プルスタッド部
23A 把持部
23B 軸部
23C ネジ
24 弾性体
3 交換用工具
KD 研削用砥石台
KT 研削用砥石
D 仕上砥石台
T 仕上砥石
H アーム部

Claims (6)

  1. ウエーハ研削装置のスピンドルの端部に設けられたテーパ穴に嵌合する円錐テーパ部及び前記円錐テーパ部の端部外周に前記スピンドルの端面と当接する当接端面を有するシャンク部と、
    前記シャンク部と分離接合可能に形成され、外周面に工具交換用の把持溝部が形成されたフランジ部と、
    前記シャンク部と前記フランジ部のいずれか一方又は両方に形成された所定の深さの収納穴と、
    前記収納穴に収納され、前記シャンク部と前記フランジ部との間に介設され、前記シャンク部と前記フランジ部とを分離する方向に付勢する弾性体と、
    前記シャンク部に形成された貫通孔に摺動自在に挿通され、前記弾性体と並設して前記フランジ部に取り付けられるプルスタッド部と、を備え、
    前記弾性体の付勢力により前記フランジ部と前記シャンク部とが分離状態に保持され、また、前記スピンドルのテーパ穴に前記シャンク部が装着された状態で前記スピンドルのクランプ部材により前記プルスタッド部を引っ張ることで、前記弾性体の付勢力に抗して前記フランジ部が前記シャンク部に接合されることを特徴とするカバー部材。
  2. 前記ウエーハ研削装置の前記スピンドルには前記テーパ穴の外側に位置して予め砥石が固定して取り付けられ、前記スピンドルの前記テーパ穴に前記シャンク部が装着された状態において、
    前記フランジ部が、前記ウエーハ研削装置の前記スピンドルに取り付けられた砥石の位置より離れて前記シャンク部と分離され、前記フランジ部が前記シャンク部に接合された状態では、前記砥石の位置よりも前記スピンドル側に前記フランジ部が位置されることを特徴とする請求項1に記載のカバー部材。
  3. 工具が取り付けられていない形態でなる、前記テーパ穴を閉蓋するように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカバー部材。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカバー部材に工具を取り付けたことを特徴とする交換用工具。
  5. ウエーハ研削装置のスピンドル内の軸線上に設けられたクランプ部材によって前記スピンドルの端部に設けられたテーパ穴に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカバー部材を脱着する脱着装置であって、
    前記テーパ穴に前記カバー部材が保持された状態で前記クランプ部材が前記プルスタッド部を保持した第1クランプ位置では、前記カバー部材のフランジ部とシャンク部とが前記弾性体の付勢力により分離状態に保持され、また、前記クランプ部材が第2クランプ位置に移動して前記プルスタッド部を引っ張ることで前記弾性体の付勢力に抗して前記シャンク部に前記フランジ部を接合させて前記テーパ穴に前記カバー部材を取り付けるように構成としたことを特徴とする脱着装置。
  6. ウエーハ研削装置のスピンドル内の軸線上に設けられたクランプ部材によって前記スピンドルの端部に設けられたテーパ穴に請求項4に記載の交換用工具を脱着する脱着装置であって、
    前記テーパ穴に前記交換用工具が保持された状態で前記クランプ部材が前記プルスタッド部を保持した第1クランプ位置では、前記交換用工具のフランジ部とシャンク部とが前記弾性体の付勢力により分離状態に保持され、また、前記クランプ部材が第2クランプ位置に移動して前記プルスタッド部を引っ張ることで前記弾性体の付勢力に抗して前記シャンク部に前記フランジ部を接合させて前記テーパ穴に前記交換用工具を取り付けるように構成としたことを特徴とする脱着装置。
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