JP2004301165A - オイルフローコントロールバルブ - Google Patents

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Jiro Kondo
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Abstract

【課題】従来は、コイルの内側に多数の部品が配置される構造であったため、電磁アクチュエータの体格が大きく、また消費電力が大きい問題があった。
【解決手段】ムービングコア14をコイル17の軸方向端よりもスプール側に配置し、ヨーク18がコイル17とともに大径のムービングコア14の外周も覆う構造を採用することにより、コイル17の内側の部品をステータ16のみにでき、コイル17の平均ターン長さを短くできる。また、ムービングコア14の大径化によりムービングコア14の軸方向寸法を短縮できる。さらに、ムービングコア14とステータ16の対向面を有効利用することが可能になり、メインギャップMGの数を2つにしてメインギャップMGの磁気抵抗を小さくできる。以上によって電磁アクチュエータ13の小型化を図ることができるとともに、消費電力を少なくできる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルの流れを電磁アクチュエータの作動によって切り替えるオイルフローコントロールバルブ(OCV)に関するものであり、油圧によってカムシャフトの進角位相を可変するバルブタイミング可変装置(VVT)等に用いられて好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来のオイルフローコントロールバルブを図4を参照して説明する。
図4のオイルフローコントロールバルブJ1 は、バルブタイミング可変装置に用いられるもので、入出力ポート(この図では、油圧供給ポートJ2 、進角室連通ポートJ3 、遅角室連通ポートJ4 、ドレーンポートJ5 )が形成されたスリーブJ6 と、このスリーブJ6 の内部で軸方向へ変位して入出力ポートJ2 〜J5 の切り替えを行うスプールJ7 と、このスプールJ7 を軸方向へ駆動する電磁アクチュエータJ8 とによって構成されている。
【0003】
スプールJ7 と電磁アクチュエータJ8 のシャフトJ15とは当接しており、シャフトJ15とムービングコアJ11とは結合されている。電磁アクチュエータJ8 のコイルJ12に与えられる電流量(通電割合)が調整されることによって、ムービングコアJ11とともにスプールJ7 の軸方向の変位量が調整される。この作動によって、進角室と遅角室に与えられる油圧の割合がリニアに可変されて、カムシャフトの進角量がリニアに可変される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−108135号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に開示されるオイルフローコントロールバルブJ1 は、次の問題を有していた。
(1’)コイルJ12の内部に、サイドギャップ用コアJ13(またはメインギャップ用コアJ14)が配置され、さらにその内部にムービングコアJ11、シャフトJ15、軸受J16など、多数の部品が配置される構造であった。このため、コイルJ12の内径寸法(具体的には、ボビンJ17の径寸法)が大きくなり、コイルJ12の平均ターン長さ(1周の長さ)が長くなる。
この結果、コイルJ12の外径寸法が大きくなる、あるいはコイルJ12の外径寸法を抑えるとコイルJ12の巻数を確保するためにコイルJ12の軸方向寸法が長くなり、電磁アクチュエータJ8 の体格が大きくなる問題があった。
【0006】
(2’)ムービングコアJ11は、コイルJ12の内周に配置されるサイドギャップ用コアJ13のさらに内周に配置される構造であったため、ムービングコアJ11の外径寸法は小さい。ムービングコアJ11の外径寸法が小さくなるほど、外周の表面積(サイドギャップSGの磁気受渡し面積)が小さくなる。このため、サイドギャップSGで十分な磁束の受渡し面積を確保して、サイドギャップSGの磁気抵抗を下げる必要性から、ムービングコアJ11の軸方向寸法が長くなってしまい、電磁アクチュエータJ8 の大型化の要因になっていた。
【0007】
(3’)ムービングコアJ11とメインギャップ用コアJ14がコイルJ12の内側の狭いスペース内に形成される構造であったため、メインギャップMGが形成されるムービングコアJ11とメインギャップ用コアJ14の対向面を有効利用できない。即ち、メインギャップMGの径は小さく、またメインギャップMGは1つしか構成できない。このため、メインギャップMGの磁気抵抗が大きくなってしまう。
このように磁気抵抗の大きなメインギャップMGで必要な吸引力を発生させるには、コイルJ12の起磁力を上げる必要があり、コイルJ12のアンペアターンを大きくする必要がある。すると、電磁アクチュエータJ8 が大型化するとともに、消費電力が大きくなってしまう。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で且つ消費電力の少ないオイルフローコントロールバルブを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1を採用するオイルフローコントロールバルブは、ムービングコアがコイルの軸方向端よりもスプール側に配置される。
そして、ヨークは、コイルとともにムービングコアの外周も覆って設けられ、ムービングコアの外周と、それを覆うヨークとの間に、ヨークとムービングコアとの磁束の受渡しを行うサイドギャップが形成される。さらに、ムービングコアと、コイルの内部に配置されたステータとの間に、磁気吸引時に磁束の通り道となるメインギャップが形成されるものである。
【0010】
請求項1のオイルフローコントロールバルブは、上記のように設けられることにより、次の効果を奏する。
(1)請求項1のオイルフローコントロールバルブは、ムービングコアがコイルの軸方向端よりもスプール側に配置されるため、コイルの内側の部品をステータのみにできる。このため、コイルの内径寸法を小さくでき、コイルの平均ターン長さを短くできる。これによって、コイルの外径寸法を抑えることができ、電磁アクチュエータの体格を小型化できる。
【0011】
(2)請求項1のオイルフローコントロールバルブは、ムービングコアがコイルの軸方向端よりもスプール側に配置されるため、ムービングコアの外径寸法がコイルの内径寸法に制約されなくなり、従来よりもムービングコアの外径寸法を大きくできる。ムービングコアの外径寸法が大きくなるほど、外周の表面積(サイドギャップの磁気受渡し面積)が大きくなる。このため、サイドギャップの軸方向寸法を短くでき、ムービングコアの軸方向寸法を短縮できる。
【0012】
(3)請求項1のオイルフローコントロールバルブは、ムービングコアがコイルの軸方向端よりもスプール側に配置されるため、ムービングコアの外径寸法がコイルの内径寸法に制約されなくなり、従来よりもムービングコアの外径寸法を大きくできる。一方、コイルの内側の部品をステータのみにできる。
これによって、メインギャップが形成されるムービングコアとステータの対向面を有効利用することができる。即ち、メインギャップの対向面積を大きくしてメインギャップの磁気抵抗を小さくしたり、後述する請求項2で示すように、メインギャップの数を複数にするなどしてメインギャップの磁気抵抗を小さくできる。
このようにメインギャップの磁気抵抗を小さくできるため、メインギャップで必要な吸引力を発生させるためのコイルの起磁力を下げることができる。即ち、コイルのアンペアターンを少なくでき、電磁アクチュエータの小型化を図ることができるとともに、消費電力を少なくできる。
【0013】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用するオイルフローコントロールバルブは、コイルの起磁力によってムービングコアがステータに接近した際に、ムービングコアとステータの一部が軸方向に交差するものであり、ムービングコアとステータとの間には、複数のメインギャップが設けられるものである。
このように、メインギャップが複数設けられることにより、メインギャップの磁気抵抗を小さくできる。
また、ムービングコアがステータに接近した際に、ムービングコアとステータの一部が軸方向に交差する構造を採用することにより、ムービングコアの吸引力の急激な変動が抑えられる。このため、コイルの電流変化に対応したスプールの軸方向変位の急激な変動が抑えられ、コイルの電流制御によってスプールの軸方向位置をリニアに制御し易くなる。
【0014】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用するオイルフローコントロールバルブは、ムービングコアの外径寸法が、コイルの外径寸法とほぼ同じに設けられるものである。
このように設けることにより、電磁アクチュエータの外径寸法を大型化することなく、サイドギャップの軸方向寸法を最小にできる。
【0015】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用するオイルフローコントロールバルブは、バルブタイミング可変機構の油圧アクチュエータに組み合わされるものであり、内燃機関の作動中に、油圧源で発生した油圧を、進角室および遅角室に相対的に給排させるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例と変形例を用いて説明する。
〔実施例〕
実施例を図1〜図3を参照して説明する。なお、図1、図2はオイルフローコントロールバルブの構造を示す断面図であり、図3はオイルフローコントロールバルブが用いられるバルブタイミング可変装置の概略図である。
【0017】
先ず、図3を参照してバルブタイミング可変装置を説明する。
本実施例で示すバルブタイミング可変装置は、内燃機関(以下、エンジン)のカムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)に取り付けられるものであり、バルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なものである。
バルブタイミング可変装置(VVT)は、バルブタイミング可変機構1(VCT)と、オイルフローコントロールバルブ2を有する油圧回路3と、オイルフローコントロールバルブ2を制御するECU4(エンジン・コントロール・ユニットの略)とから構成されている。
【0018】
(バルブタイミング可変機構1の説明)
バルブタイミング可変機構1は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動されるシューハウジング5(回転駆動体に相当する)と、このシューハウジング5に対して相対回転可能に設けられ、カムシャフトと一体に回転するベーンロータ6(回転従動体に相当する)とを備えるものであり、シューハウジング5内に構成される油圧アクチュエータによってシューハウジング5に対してベーンロータ6を相対的に回転駆動して、カムシャフトを進角側あるいは遅角側へ変化させるものである。
【0019】
シューハウジング5は、エンジンのクランクシャフトにタイミングベルトやタイミングチェーン等を介して回転駆動されるスプロケットにボルト等によって結合されて、スプロケットと一体回転するものである。このシューハウジング5の内部には、図3に示すように、略扇状の凹部7が複数(この実施例では3つ)形成されている。なお、シューハウジング5は、図3において時計方向に回転するものであり、この回転方向が進角方向である。
一方、ベーンロータ6は、カムシャフトの端部に位置決めピン等で位置決めされて、ボルト等によってカムシャフトの端部に固定されるものであり、カムシャフトと一体に回転する。
【0020】
ベーンロータ6は、シューハウジング5の凹部7内を進角室7aと遅角室7bに区画するベーン6aを備えるものであり、ベーンロータ6はシューハウジング5に対して所定角度内で回動可能に設けられている。
進角室7aは、油圧によってベーン6aを進角側へ駆動するための油圧室であってベーン6aの反回転方向側の凹部7内に形成されるものであり、逆に、遅角室7bは油圧によってベーン6aを遅角側へ駆動するための油圧室である。なお、各室7a、7b内の液密性は、シール部材8等によって保たれる。
【0021】
(油圧回路3の説明)
油圧回路3は、進角室7aおよび遅角室7bにオイルを給排して、進角室7aと遅角室7bに油圧差を発生させてベーンロータ6をシューハウジング5に対して相対回転させるための手段であり、クランクシャフト等によって駆動されるオイルポンプ9と、このオイルポンプ9によって圧送されるオイルを進角室7aまたは遅角室7bに切り替えて供給するオイルフローコントロールバルブ2とを備える。
【0022】
オイルフローコントロールバルブ2を図1を参照して説明する。
オイルフローコントロールバルブ2は、スリーブ11、スプール12および電磁アクチュエータ13で構成されている。
スリーブ11は、略円筒形状を呈するものであり、複数の入出力ポートが形成されている。具体的に本実施例のスリーブ11には、スプール12を軸方向へ摺動自在に支持する軸方向に段差のない貫通穴11a、オイルポンプ9のオイル吐出口に連通する油圧供給ポート11b、進角室7aに連通する進角室連通ポート11c、遅角室7bに連通する遅角室連通ポート11d、オイルパン10内にオイルを戻すドレーンポート11eが形成されている。
【0023】
油圧供給ポート11b、進角室連通ポート11cおよび遅角室連通ポート11dは、スリーブ11の直径方向に貫通した穴であり、図1の左側(反コイル側)から右側(コイル側)に向けて、遅角室連通ポート11d、油圧供給ポート11b、進角室連通ポート11cが形成されている。
また、ドレーンポート11eは、スリーブ11の図1の左側(反コイル側)の端部に形成されている。
【0024】
スプール12は、スリーブ11の内径寸法(貫通穴11aの径)にほぼ一致した外径寸法のパイプ部材(例えば円筒パイプを加工したもの)であり、スリーブ11の貫通穴11aの内部において軸方向に摺動自在に支持される。
このスプール12の略中央の外周には油圧切替溝12aが全周に亘って形成されている。この油圧切替溝12aは、常に油圧供給ポート11bに連通するとともに、図1のように遅角室連通ポート11dと連通して遅角室7bに油圧を供給する状態の時に進角室連通ポート11cと遮断され、逆に進角室連通ポート11cと連通して進角室7aに油圧を供給する状態の時に遅角室連通ポート11dと遮断されるように設けられている。
【0025】
また、油圧切替溝12aの軸方向の両側には、それぞれ内外周が連通したドレーン穴12bが形成されている。このドレーン穴12bは、図1のように油圧供給ポート11bと進角室連通ポート11cの連通が遮断されている状態の時に進角室連通ポート11cに連通して、進角室7aの油圧を排圧するものであり、逆に油圧供給ポート11bと遅角室連通ポート11dの連通が遮断されている状態の時に遅角室連通ポート11dに連通して、遅角室7bの油圧を排圧するものである。
【0026】
電磁アクチュエータ13は、ムービングコア14、スプリング15(付勢手段に相当する)、ステータ16、コイル17、ヨーク18、コネクタ19から構成される。
ムービングコア14は、ステータ16に磁気吸引される磁性体金属(例えば、鉄)によって設けられたものであり、スプール12のコイル側(図1右側)に圧入固定されたものである。このため、ムービングコア14は、スプール12と一体に軸方向へ移動可能なものである。
スプリング15は、ムービングコア14とコイル17との間に配置された圧縮コイルバネで、ムービングコア14とともにスプール12を反コイル側(図1左側)へ付勢する部材である。
【0027】
ステータ16は、コイル17の内側に配置された棒状部16aと、棒状部16aの図1右側において磁束をヨーク18に導く円盤部16bとからなる断面T字形を呈した磁性体金属(例えば、鉄)であり、ムービングコア14と棒状部16aとの間にメインギャップMG(磁気吸引ギャップ:磁気吸引時に磁束の通り道となるギャップ)が形成されるものである。なお、このメインギャップMGの詳細は後述する。
コイル17は、通電されると磁力を発生して、ステータ16にムービングコア14を磁気吸引する磁力発生手段であり、樹脂性のボビン17aの周囲にエナメル線を多数巻回したものである。
【0028】
ヨーク18は、コイル17とムービングコア14を覆う略筒状の磁性体金属(例えば、鉄)であり、図1左側においてスリーブ11と結合されるものである。また、ヨーク18は、図1右側においてステータ16の円盤部16bと結合されているとともに、図1左側においてムービングコア14の周囲を軸方向に摺動自在に覆って、ムービングコア14と磁気の受渡しをするように設けられている。即ち、ムービングコア14の外周と、その周囲を覆うヨーク18との間にサイドギャップSG(磁束受渡しギャップ)が形成されている。
コネクタ19は、ECU4と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段であり、その内部にコイル17の両端に接続される端子19aが配置されている。
【0029】
オイルフローコントロールバルブ2は、コイル17のOFF 時、スプール12とムービングコア14が、スプリング15の付勢力によって反コイル側(図1左側)へ変位して停止する。
この停止状態で、メインギャップMGの最大ギャップが決定されるとともに、スリーブ11に対するスプール12の位置決めが成される。
そこで、本実施例のオイルフローコントロールバルブ2では、スリーブ11のコイル側(図1右側)の端面と、ムービングコア14の反コイル側(図1左側)の端面とが当接することによって、スプール12およびムービングコア14が反コイル側に変位した際(コイル17のOFF 時)のストッパSが構成される。
なお、図1、図2中に示す符号20は、シール用のOリングであり、オイルフローコントロールバルブ2内のオイルが外部に洩れるのを防いでいる。
【0030】
(ECU4の説明)
ECU4は、各種センサによって検出されるクランク角、エンジン回転速度、アクセル開度等のエンジンの運転状態に応じて電磁アクチュエータ13のコイル17に供給される電流量(通電割合)を制御することで、スプール12の軸方向の位置を制御して、エンジンの運転状態に応じた作動油圧を進角室7aと遅角室7bに発生させるものであり、ECU4は、PWM制御等によってコイル17に供給する電流量を連続的に制御するものである。
【0031】
(バルブタイミング可変装置の作動説明)
車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを進角させる際、ECU4はコイル17の通電量を増加させる。すると、コイル17の発生する磁力が増加し、ムービングコア14とスプール12がコイル側(図1右側:進角側)へ移動する。すると、油圧供給ポート11bと進角室連通ポート11cの連通割合が増加するとともに、遅角室連通ポート11dとドレーン穴12bの連通割合が増加する。この結果、進角室7aの油圧が増加し、逆に遅角室7bの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に進角側へ変位し、カムシャフトが進角する。
【0032】
逆に、車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを遅角させる際、ECU4はコイル17の通電量を減少させる。すると、コイル17の発生する磁力が減少し、ムービングコア14とスプール12が反コイル側(図1左側:遅角側)へ移動する。すると、油圧供給ポート11bと遅角室連通ポート11dの連通割合が増加するとともに、進角室連通ポート11cとドレーン穴12bの連通割合が増加する。この結果、遅角室7bの油圧が増加し、逆に進角室7aの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に遅角側へ変位し、カムシャフトが遅角する。
【0033】
〔本発明にかかる実施例の特徴〕
一方、従来技術の項でも説明したように(符号は図4参照)、従来のオイルフローコントロールバルブJ1 は、次の問題を有していた。
(1’)コイルJ12の内部に、サイドギャップ用コアJ13(またはメインギャップ用コアJ14)が配置され、さらにその内部にムービングコアJ11、シャフトJ15等の多数の部品が配置される構造であったため、コイルJ12の平均ターン長さ(1周の長さ)が長くなり、電磁アクチュエータJ8 の体格が大きくなる問題があった。
(2’)ムービングコアJ11は、コイルJ12の内周に配置されるサイドギャップ用コアJ13のさらに内周に配置される構造であったため、ムービングコアJ11の外径寸法が小さく、外周の表面積(サイドギャップSGの磁気受渡し面積)が小さい。このため、サイドギャップSGの磁気抵抗を下げる必要性から、ムービングコアJ11の軸方向寸法が長くなってしまう。
(3’)ムービングコアJ11とメインギャップ用コアJ14がコイルJ12の内側の狭いスペース内に形成される構造であったため、メインギャップMGが形成されるムービングコアJ11とメインギャップ用コアJ14の対向面を有効利用できず、メインギャップMGの磁気抵抗が大きい。このため、コイルJ12で大きな起磁力を発生させる必要があり、電磁アクチュエータJ8 が大型化するとともに、消費電力が大きくなってしまう。
【0034】
そこで、図2に示すように、本実施例のオイルフローコントロールバルブ2は、ムービングコア14がコイル17の軸方向端よりもスプール側(図1、図2左側)に配置され、ヨーク18が、コイル17とともにムービングコア14の外周も覆って設けられるものであり、ムービングコア14の外周と、それを覆うヨーク18との間に、ヨーク18とムービングコア14との磁束の受渡しを行うサイドギャップSGが形成されるものである。そして、上述したように、ムービングコア14とステータ16との間に、磁気吸引時に磁束の通り道となるメインギャップMGが形成されるものである。
【0035】
このようにオイルフローコントロールバルブ2が設けられることにより、上述した従来技術の問題を解決できる。
(1)本実施例のオイルフローコントロールバルブ2は、ムービングコア14がコイル17の軸方向端よりもスプール側(図1、図2左側)に配置されるため、コイル17の内側の部品をステータ16のみにできる。このため、コイル17の内径寸法を従来に比較して小さくでき、コイル17の平均ターン長さ(一周の長さ)を短くできる。これによって、コイル17の外径寸法を抑えることができ、電磁アクチュエータ13の体格を小型化できる。
【0036】
(2)本実施例のオイルフローコントロールバルブ2は、ムービングコア14がコイル17の軸方向端よりもスプール側(図1、図2左側)に配置されるため、ムービングコア14の外径寸法がコイル17の内径寸法に制約されなくなり、従来よりもムービングコア14の外径寸法を大きくできる。ムービングコア14の外径寸法が大きくなるほど、外周の表面積(サイドギャップSGの磁気受渡し面積)が大きくなる。このため、サイドギャップSGの軸方向寸法を短くでき、ムービングコア14の軸方向寸法を短縮できる。
【0037】
(3)本実施例のオイルフローコントロールバルブ2は、ムービングコア14がコイル17の軸方向端よりもスプール側に配置されるため、ムービングコア14の外径寸法がコイル17の内径寸法に制約されなくなり、従来よりもムービングコア14の外径寸法を大きくできる。一方、コイル17の内側の部品をステータ16のみにできる。
これによって、メインギャップMGが形成されるムービングコア14とステータ16の対向面を有効利用することができる。即ち、後述するように、メインギャップMGの数を2つ(第1、第2メインギャップMG1 、MG2 :符号図2参照)にすることでメインギャップMGの磁気抵抗を小さくできる。このように、メインギャップMGの磁気抵抗を小さくできるため、メインギャップMGで必要な吸引力を発生させるためのコイル17の起磁力を下げることができる。これによって、コイル17のアンペアターンを少なくでき、電磁アクチュエータ13の小型化を図ることができるとともに、消費電力を少なくできる。
【0038】
(4)オイルフローコントロールバルブ2は、ムービングコア14がステータ16の端部に吸引された際に、ムービングコア14とステータ16の一部が軸方向に交差するように設けられている。
具体的にこの実施例では、図2に示されるように、ステータ16の端面に筒状突起16cが設けられるとともに、それに対向するムービングコア14の端面に、筒状突起16cが接触しないで差し込まれることが可能なリング溝14aが設けられている。そして、ムービングコア14がステータ16の端部に吸引されると、リング溝14aの内部に筒状突起16cが侵入することで、ムービングコア14とステータ16の一部が軸方向に交差する。なお、ムービングコア14の中央には、軸方向に貫通した連通穴14bが形成されており、ムービングコア14とコイル17との間の室圧の変動を抑えている。
【0039】
このように設けられることにより、ムービングコア14とステータ16が対向するメインギャップMGには、第1、第2メインギャップMG1 、MG2 が形成される。
第1、第2メインギャップMG1 、MG2 は、コイル17のOFF 時にムービングコア14とステータ16が最も接近して磁気の受渡しを行う磁気吸引部であり、内周の第1メインギャップMG1 は、筒状突起16cの先端内周のステータ16と、リング溝14aの内側のムービングコア14との間に形成される。また、外周の第2メインギャップMG2 は、筒状突起16cの先端外周のステータ16と、リング溝14aの外側のムービングコア14との間に形成される。
【0040】
このように、ムービングコア14がステータ16に接近した際にムービングコア14とステータ16の一部が軸方向に交差する構造を採用することにより、ムービングコア14の吸引力の急激な変動が抑えられる。このため、コイル17の電流変化に対応したスプール12の軸方向変位の急激な変動が抑えられるようになり、コイル17の電流制御によってスプール12の軸方向位置をリニアに制御し易くなる。
【0041】
なお、この実施例では、リング溝14aの内側のムービングコア14の先端と、リング溝14aの外側のムービングコア14の先端は、ともにステータ16に向かって薄くなるテーパ形状に設けられており、ムービングコア14とステータ16の交差量が少ない時の磁束受渡量が小さく、交差量が大きくなるに従って磁束受渡量が多くなるように設けられている。このように設けられることにより、コイル17の電流変化に対応したスプール12の軸方向変位の急激な変動を小さく抑えることが可能になる。
【0042】
(5)この実施例のオイルフローコントロールバルブ2は、ムービングコア14の外径寸法がコイル17の外径寸法とほぼ同じに設けられている。
このようにムービングコア14の外径がコイル17の外径寸法ほどに大きく設けられることにより、サイドギャップSGの磁束の受渡し面積が大きくなり、サイドギャップSGの軸方向寸法を短くできる。そして、電磁アクチュエータ13の外径寸法を大型化することなく、サイドギャップSGの軸方向寸法を最小にできる。
【0043】
〔変形例〕
上記の実施例では、筒形状のスプール12を用いる例を示したが、スプール12の構造は限定されるものではなく、例えば従来技術と同じように、軸部と複数ランド(大径部)とからなるスプールを用いても良い。
上記の実施例では、スリーブ11に径方向の貫通穴を形成して複数の入出力ポート(実施例中、油圧供給ポート11b、進角室連通ポート11c、遅角室連通ポート11d等)を設けた例を示したが、スリーブ11の構造は限定されるものではなく、例えば従来技術と同じように、スリーブに貫通しない穴を形成することで複数の入出力ポートを形成しても良い。
【0044】
上記の実施例では、ムービングコア14の外径寸法をコイル17の外径寸法とほぼ同じに設けた例を示したが、ムービングコア14の外径寸法をコイル17の外径寸法より小さく設けても良い。
上記の実施例では、スプリング15(付勢手段)をムービングコア14とコイル17の間に配置する例を示したが、スプリング15をムービングコア14とステータ16との間に配置するなど、他の位置に配置しても良い。
【0045】
上記の実施例で示したバルブタイミング可変機構1は、実施例を説明する一例であって、バルブタイミング可変機構1の内部の油圧アクチュエータによって進角調整できる構造であれば他の構造であっても良い。
例えば、上記の実施例では、シューハウジング5内に3つの凹部7を形成し、ベーンロータ6の外周部に3つのベーン6aを設けた例を示したが、凹部7の数やベーン6aの数は構成上1つあるいはそれ以上であればいくつでも構わないものであり、凹部7およびベーン6aの数を他の数にしても良い。
また、シューハウジング5がクランクシャフトと同期回転し、ベーンロータ6がカムシャフトと一体回転する例を示したが、ベーンロータ6をクランクシャフトに同期回転させ、シューハウジング5がカムシャフトと一体回転するように構成しても良い。
【0046】
上記の実施例では、本発明が適用されたオイルフローコントロールバルブ2をバルブタイミング可変機構1と組み合わせた例を示したが、オイルの断続やオイルの流れ方向を切り替える全てのオイルフローコントロールバルブ2に本発明を適用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルフローコントロールバルブの軸方向に沿う断面図である(実施例)。
【図2】オイルフローコントロールバルブの要部断面図である(実施例)。
【図3】バルブタイミング可変装置の概略図である(実施例)。
【図4】オイルフローコントロールバルブの軸方向に沿う断面図である(従来例)。
【符号の説明】
1 バルブタイミング可変機構
2 オイルフローコントロールバルブ
5 シューハウジング(回転駆動体)
6 ベーンロータ(回転従動体)
7a 進角室
7b 遅角室
11 スリーブ
11b 油圧供給ポート(入出力ポート)
11c 進角室連通ポート(入出力ポート)
11d 遅角室連通ポート(入出力ポート)
11e ドレーンポート(入出力ポート)
12 スプール
13 電磁アクチュエータ
14 ムービングコア
15 スプリング(付勢手段)
16 ステータ
17 コイル
18 ヨーク
MG メインギャップ
MG1 第1メインギャップ
MG2 第2メインギャップ
SG サイドギャップ

Claims (4)

  1. オイルの入出力ポートが形成されたスリーブと、
    このスリーブの内部で軸方向へ変位することで前記入出力ポートの切り替えを行うスプールと、
    このスプールに結合されたムービングコア、通電により起磁力を発生するコイル、このコイルの内部に配置されたステータ、前記ムービングコアとともに前記スプールを反コイル側へ付勢する付勢手段、前記コイルの外周を覆うヨークを備え、前記コイルが通電されると前記付勢手段の付勢力に打ち勝って前記ムービングコアとともに前記スプールをコイル側へ駆動する電磁アクチュエータと、
    を具備するオイルフローコントロールバルブにおいて、
    前記ムービングコアは、前記コイルの軸方向端よりも前記スプール側に配置され、
    前記ヨークは、前記コイルとともに前記ムービングコアの外周も覆って設けられ、
    前記ムービングコアの外周と、それを覆う前記ヨークとの間には、前記ヨークと前記ムービングコアとの磁束の受渡しを行うサイドギャップが形成され、
    前記ムービングコアと前記ステータとの間には、磁気吸引時に磁束の通り道となるメインギャップが形成されることを特徴とするオイルフローコントロールバルブ。
  2. 請求項1に記載のオイルフローコントロールバルブにおいて、
    前記コイルの起磁力によって前記ムービングコアが前記ステータに接近した際に、前記ムービングコアと前記ステータの一部が軸方向に交差するように設けられるとともに、
    前記ムービングコアと前記ステータとの間には、複数のメインギャップが設けられることを特徴とするオイルフローコントロールバルブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のオイルフローコントロールバルブにおいて、
    前記ムービングコアの外径寸法は、前記コイルの外径寸法とほぼ同じに設けられていることを特徴とするオイルフローコントロールバルブ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のオイルフローコントロールバルブにおいて、
    このオイルフローコントロールバルブは、
    内燃機関のクランクシャフトに同期して回転駆動される回転駆動体と、
    この回転駆動体に対して相対回転可能に設けられ、前記内燃機関のカムシャフトと一体に回転する回転従動体とを備え、
    前記回転駆動体と前記回転従動体の間に形成された進角室へ油圧を供給することによって、前記回転駆動体に対して前記回転従動体とともに前記カムシャフトを進角側へ変位させるとともに、前記回転駆動体と前記回転従動体の間に形成された遅角室へ油圧を供給することによって、前記回転駆動体に対して前記回転従動体とともに前記カムシャフトを遅角側へ変位させるバルブタイミング可変機構の油圧アクチュエータに組み合わされるものであり、
    前記内燃機関の作動中に、油圧源で発生した油圧を、前記進角室および前記遅角室に相対的に給排させることを特徴とするオイルフローコントロールバルブ。
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