JP2004301046A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の燃料からなる燃焼ガスでのMBT点火時期を精度良く算出する内燃機関の点火時期制御装置を提供する。
【解決手段】シリンダ内で燃焼する燃焼ガスを構成する燃料の種類と組成割合を算出し、シリンダ内の燃焼ガスが層流状態で燃焼する速度である層流燃焼速度を前記燃料の種類と組成割合に基づいて算出し、この層流燃焼速度に基づき算出される燃焼期間からMBTの得られる点火時期を算出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の点火時期制御装置、特に混合燃料を用いる内燃機関の点火時期制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の点火時期制御装置として、実際の排ガスの空燃比を空燃比センサを用いて検出し、実際の空燃比からガス燃料のガス組成に応じて定まる理論空燃比を検出し、この理論空燃比に応じて点火時期を制御する技術がある(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−54305号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、点火時期をガス燃料の組成(比率)に応じて一定量の補正を加えるため、シリンダ内の燃焼ガスが層流燃焼速度が異なる2種類以上の燃料の混合気からなる場合、残留ガス率、当量比が変化し、ガソリンでのMBT点火時期とガス燃料のMBT点火時期の差が一定でない場合にMBTの点火時期を正確に算出することができないという問題がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決し、2種類以上の燃料からなる混合燃料のMBTの点火時期をより正確に得ることのできる内燃機関の点火時期制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、層流燃焼速度に基づき算出される燃焼期間からMBTの得られる点火時期を算出する内燃機関の点火時期制御装置において、前記燃焼ガスは、複数の燃料を混合してなり、複数の燃料を混合した燃焼ガスの層流燃焼速度を各燃料の種類と組成割合に基づき算出することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明においては、燃焼ガスを構成する各燃料の層流燃焼速度と組成割合から燃焼ガスの層流燃焼速度を精度良く算出することができ、これにより燃焼ガスの燃料が複数の燃料からなる場合であってもMBTの点火時期を精度良く算出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のシステムを説明するための概略図であり、内燃機関1には吸気コレクタ2と、インジェクタ3を配置された吸気マニホールド4を介して吸気が導入され、内燃機関1からの排気は三元触媒21を備えた排気マニホールド5からマフラー6を介して大気中に排出される。
【0009】
吸気コレクタ2にはエアクリーナ7によって浄化された空気が吸気ダクト9を通して供給される。吸気コレクタ2上流にはスロットル開度センサとスロットルモータを備えた電子制御スロットル8が備えられる。
【0010】
フューエルタンク10内で蒸発した燃料ガスは、キャニスタ11に導入された後にキャニスタ11に導入された空気とともに吸気コレクタ2に送られる。さらに三元触媒21下流と吸気コレクタ2とを連通するEGR通路12が設置され、排気の一部が吸気中に還流される。
【0011】
内燃機関1にはクランク角の位置を検出するポジションセンサ13と冷却水温を検出する水温センサ14とが設置され、吸気ダクト9には吸気温センサを内蔵した吸入空気量を検出するエアフロメータ16が設けられる。エアフロメータ16に代わって、吸気マニホールド4の温度と圧力を検出するセンサを設け、これらに基づいて吸入空気量を演算するようにしてもよい。
【0012】
排気マニホールド5には排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ17が設けられ、EGR通路12の途中にはEGRコントロールバルブ18が、またキャニスタ11から排出されたパージエアを制御するキャニスタパージエアコントロールバルブ19が設置される。
【0013】
内燃機関1には、更に、吸気バルブの作動角とリフト量とを連続的に変更可能な可変動弁機構22と、吸気バルブの実作動角を検出する作動角センサ15とが備えられ、作動角センサ15の出力信号に基づいて吸気バルブの開時期(IVO)、及び閉時期(IVC)を算出することができる。
【0014】
前記ポジションセンサ13、水温センサ14、作動角センサ15、エアフローメータ16及びそれに内蔵された吸気温センサの出力信号は、コントロールユニット20に入力され、さらに酸素濃度センサ17の出力信号、図示しないバッテリからの電圧信号も入力される。
【0015】
コントロールユニット20はこれら入力データに基づき、点火時期制御信号をイグニッションコイルに出力し、空燃比制御信号を燃料噴射用のインジェクタ3に、吸気バルブ作動角制御信号を可変動弁機構22に、キャニスタ制御信号をキャニスタパージコントロールバルブ19に、さらにEGR制御信号をEGRコントロールバルブ18に出力し、内燃機関1を適正な運転状態に維持する。
【0016】
図2はエンジンコントローラ31内で行われる点火時期制御のブロック図で、大きくは点火時期演算部51と点火時期制御部61とからなる。点火時期演算部51はさらに初期燃焼期間算出部52、主燃焼期間算出部53、燃焼期間算出部54、基本点火時期算出部55、前回燃焼開始時期算出部56、点火時期指令値算出部57からなる。
【0017】
初期燃焼期間算出部52では、混合気が着火してから火炎核が形成されるまでの期間を初期燃焼期間BURN1として算出する。主燃焼期間算出部53では、火炎核が形成されてから燃焼圧力が最大値Pmaxに達するまでの期間を主燃焼期間BURN2として算出する。燃焼期間算出部54では、これら初期燃焼期間BURN1と主燃焼期間BURN2との合計を、点火より最大燃焼圧力Pmaxに至るまでの燃焼期間BURNとして算出する。基本点火時期算出部55では、この燃焼期間BURNに基づいてMBTの得られる点火時期(この点火時期を「基本点火時期」という。)MBTCALを算出する。
【0018】
点火時期制御部61ではこのようにして算出された基本点火時期MBTCALで点火プラグ14が燃焼室5内の混合気に対して着火するように、イグニッションコイル13への通電角と非通電角を制御する。
【0019】
上記のように燃焼期間BURNを初期燃焼期間BURN1と主燃焼期間BURN2に分けて算出し、燃焼期間BURNに応じて基本点火時期MBTCALを求めるようにしたのは、燃焼解析より得られた結果に基づくものである。以下、燃焼解析に基づくこの点火時期制御をさらに説明する。
【0020】
図3に示すようにMBT(最大トルクの得られる最小進角値)で混合気に点火した場合に混合気の燃焼圧力が最大値Pmaxとなるクランク角を基準クランク角θPMAX[degATDC]とする。基準クランク角θPMAXは燃焼方式によらずほぼ一定であり、一般に圧縮上死点後12〜15度、最大で圧縮上死点後10〜20度の範囲にある。
【0021】
図4に火花点火エンジンにおける燃焼室内の燃焼解析により得られた燃焼質量割合Rの変化を示す。燃焼室に供給された燃料に対する燃焼質量の比率を表す燃焼質量割合Rは、点火時に0%であり、完全燃焼によって100%に達する。基準クランク角θPMAXにおける燃焼質量割合Rmaxは一定で約60%である。
【0022】
燃焼質量割合Rが0%から基準クランク角θPMAX相当の約60%に達するまでの燃焼期間は、点火直後で燃焼質量割合にも燃焼圧力にもほとんど変化のない期間である初期燃焼期間と、燃焼質量割合と燃焼圧力が急激に増加する主燃焼期間とに分けられる。初期燃焼期間は、燃焼の開始から火炎核が形成されるまでの段階であり、火炎核が形成されるのは燃焼質量割合で2%〜10%のタイミングである。この期間中は、燃焼圧力や燃焼温度の上昇速度が小さく、燃焼質量割合の変化に対して初期燃焼期間は長い。初期燃焼期間の長さは燃焼室内の温度や圧力の変化の影響を受けやすい。
【0023】
一方、主燃焼期間においては、火炎核から外側へと火炎が伝播し、燃焼速度が急上昇する。そのため、主燃焼期間の燃焼質量割合の変化は初期燃焼期間の燃焼質量割合の変化に比べて大きい。
【0024】
エンジンコントローラ31では、燃焼質量割合が2%に達するまでを初期燃焼期間BURN1[deg]とし、初期燃焼期間BURN1の終了後、基準クランク角θPMAXに至るまでの区間(燃焼室量割合でいえば2%より約60%に達するまでの間)を主燃焼期間BURN2[deg]として区別する。そして、初期燃焼期間BURN1に主燃焼期間BURN2を加えた合計である燃焼期間BURN[deg]を算出し、この燃焼期間BURNから基準クランク角θPMAX[degATDC]を差し引き、さらに後述する点火無駄時間相当クランク角IGNDEAD[deg]を加えたクランク角位置を、MBTの得られる点火時期である基本点火時期MBTCAL[degBTDC]として設定する。
【0025】
火炎核の形成される初期燃焼期間での燃焼室5内の圧力、温度は、点火時の圧力、温度とほぼ等価になるが、これから点火時期を算出しようとしているのに、最初から正確な点火時期を設定することはできない。そこで、図2に示したように前回燃焼開始時期算出部56で基本点火時期の前回値を前回燃焼開始時期MBTCYCL[degBTDC]として算出し、この値を初期燃焼期間算出部52に対して与えるようにし、初期燃焼期間算出部52において初期燃焼期間の算出をサイクリックに繰り返すことで、精度の高い結果を時間遅れなしに出すようにしている。
【0026】
次に、エンジンコントローラ31で実行される点火時期指令値QADVの算出を以下のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0027】
図5は点火時期の算出に必要な各種の物理量を算出するためのもので、一定時間毎(例えば10msec毎)に実行する。
【0028】
まずステップ11では、吸気弁閉時期IVC[degBTDC]、温度センサ43により検出されるコレクタ内温度TCOL[K]、温度センサ45により検出される排気温度TEXH[K]、内部不活性ガス率MRESFR[%]、温度センサ37により検出される冷却水温TWK[K]、目標当量比TFBYA、クランク角センサにより検出されるエンジン回転速度NRPM[rpm]、点火無駄時間DEADTIME[μsec]を読み込む。
【0029】
ここで、クランク角センサはクランクシャフト7のポジションを検出するポジションセンサ33と、吸気用カムシャフト25ポジションを検出する作動角センサ34とからなり、これら2つのセンサ33、34からの信号に基づいてエンジン回転速度NRPM[rpm]が算出されている。
【0030】
吸気弁閉時期IVCは吸気VTC機構27に与える指令値から既知である。あるいは作動角センサ34により実際の吸気弁閉時期を検出してもかまわない。
【0031】
内部不活性ガス率MRESFRは燃焼室内に残留する不活性ガス量を燃焼室内の総ガス量で除した値で、その算出については後述する。点火無駄時間DEADTIMEは一定値である。
【0032】
目標当量比TFBYAは図示しない燃料噴射量の算出フローにおいて算出されている。目標当量比TFBYAは無名数であり、理論空燃比を14.7とすると、次式により表される値である。
【0033】
TFBYA=14.7/目標空燃比…(1)
例えば(1)式より目標空燃比が理論空燃比のときTFBYA=1.0となり、目標空燃比が例えば22.0といったリーン側の値であるとき、TFBYAは1.0未満の正の値である。
【0034】
ステップ12では、燃焼室5の吸気弁閉時期IVCにおける容積(つまり圧縮開始時期での容積)VIVC[m3]を算出する。燃焼室5の吸気弁閉時期における容積VIVCは、ピストン6のストローク位置によって決まる。ピストン6のストローク位置はエンジンのクランク角位置によって決まる。
【0035】
図6を参照して、エンジンのクランクシャフト71の回転中心72がシリンダの中心軸73からオフセットしている場合を考える。コネクティングロッド74、コネクティングロッド74とクランクシャフト71との結節点75、コネクティングロッド74とピストンをつなぐピストンピン76が図に示す関係にあるとする。このときの、燃焼室5の吸気弁閉時期における容積VIVCは次式(2)〜(6)で表すことができる。
【0036】
Figure 2004301046
ただし、Vc:隙間容積[m3]、
ε :圧縮比、
D :シリンダボア径[m]、
ST :ピストンの全ストローク[m]、
H :ピストンピン76のTDCからの距離[m]、
CND :コネクティングロッド74の長さ[m]、
CRoff :結節点75のシリンダ中心軸73からのオフセット距離[m]、
PISoff:クランクシャフト回転中心72のシリンダ中心 軸73からのオフセット距離[m]、
θivc :吸気弁閉時期のクランク角[degATDC]、
θoff :ピストンピン76とクランクシャフト回転中心7 2とを結ぶ線がTDCにおいて垂直線となす角度 [deg]、
X :結節点75とピストンピン76との水平距離[m ] 、
吸気弁閉時期のクランク角θivcは前述のように、エンジンコントローラ31から吸気VTC機構27への指令信号によって決まるので、既知である。式(2)〜(6)にこのときのクランク角θivc(=IVC)を代入すれば、燃焼室5の吸気弁閉時期における容積VIVCを算出することができる。したがって、実用上は燃焼室5の吸気弁閉時期における容積VIVCは吸気弁閉時期IVCをパラメータとするテーブルで設定したものを用いる。吸気VTC機構27を備えないときには定数で与えることができる。
【0037】
ステップ13では、燃焼室5の吸気弁閉時期IVCにおける温度(つまり圧縮開始時期温度)TINI[K]を算出する。燃焼室5の吸気弁閉時期IVCにおける温度TINIは、燃焼室5に流入する新気と燃焼室5に残留する不活性ガスとが混じったガスの温度であり、燃焼室5に流入する新気の温度は吸気コレクタ2内の新気温度TCOLに等しく、また燃焼室5内に残留する不活性ガスの温度は排気ポート部近傍の排気温度TEXHで近似できるので、吸気コレクタ2内の新気温度TCOL、排気温度TEXH、燃焼室5内に残留する不活性ガスの割合である内部不活性ガス率MRESFRから次式により求めることができる。
【0038】
TINI=TEXH×MRESFR+TCOL×(1−MRESFR)…(7)
ステップ14では、燃焼室5内の混合気の燃えやすさを表す反応確率RPROBA[%]を算出する。反応確率RPROBAは無次元の値であり、残留不活性ガス率MRESFR、冷却水温TWK[K]、目標当量比TFBYAの3つのパラメータに依存するので、次式により表すことができる。
【0039】
RPROBA=f3(MRESFR、TWK、TFBYA)…(8)
具体的に説明すると、MRESFR、TWK、TFBYAの3つのパラメータの組み合わせによって得られる反応確率の最大値を100%とし、これらのパラメータと反応確率RPROBAの関係を実験的に求め、求めた反応確率RPROBAをパラメータに応じたテーブルとしてエンジンコントローラ31のメモリに予め格納しておく。ステップ14ではパラメータに応じてこのテーブルを検索することにより反応確率RPROBAを求める。
【0040】
具体的には、冷却水温TWKに応じて図7に示すような特性を有する水温補正係数のテーブルと、同様に設定された内部不活性ガス率補正係数のテーブル(図示しない)と、目標当量比Tfbyaに応じて図8に示すような特性を有する当量比補正係数のテーブルを予めメモリに格納しておく。各補正係数の最大値はそれぞれ1.0であり、3種類の補正係数の積に反応確率の最大値100%を掛け合わせることで、反応確率RPROBAを算出する。
【0041】
各テーブルを説明すると、図7に示す水温補正係数は冷却水温TWKが高いほど大きく、冷却水温TWKが80℃以上では1.0になる。図8に示す当量比補正係数は目標当量比TFBYAが1.0のとき、つまり理論空燃比のときに最大値の1.0となり、目標当量比が1.0より大きくても小さくても当量比補正係数は減少する。内部不活性ガス率補正係数は図示しないが、内部不活性ガス率MRESFRがゼロの場合に1.0となる。
【0042】
ステップ15では、基準クランク角θPMAX[degATDC]を算出する。前述のように基準クランク角θPMAXはあまり変動しないが、それでもエンジン回転速度NRPMの上昇に応じて進角する傾向があるため、基準クランク角θPMAXはエンジン回転速度NRPMの関数として次式で表すことができる。
【0043】
θPMAX=f4(NRPM)…(9)
具体的にはエンジン回転速度NRPMから、エンジンコントローラ31のメモリに予め格納された図9に示す特性のテーブルを検索することにより基準クランク角θPMAXを求める。算出を容易にするために、基準クランク角θPMAXを一定とみなすことも可能である。
【0044】
最後にステップ16では、点火無駄時間相当クランク角IGNDEAD[deg]を算出する。点火無駄時間相当クランク角IGNDEADは、エンジンコントローラ31から点火指令信号、すなわち点火コイル13の一次電流を遮断する信号を出力したタイミングから点火プラグ14が実際に点火するまでのクランク角区間で、次式により表すことができる。
【0045】
IGNDEAD=f5(DEADTIME、NRPM)…(10)
ここでは、点火無駄時間DEADTIMEを200μsecとする。(10)式は、エンジン回転速度NRPMから点火無駄時間DEADTIMEに相当するクランク角である点火無駄時間相当クランク角IGNDEADを算出するためのものである。
【0046】
図10は初期燃焼期間BURN1[deg]を算出するためのもの、また図12は主燃焼期間BURN2[deg]を算出するためのもので、一定時間毎(例えば10msec毎)に実行する。図10、図12は図5に続けて実行する。
図10、図12はどちらを先に実行してもかまわない。
【0047】
まず図10から説明すると、ステップ21では、前回燃焼開始時期MBTCYCL[degBTDC]、図5のステップ12で算出されている燃焼室5の吸気弁閉時期における容積VIVC[m3]、図5のステップ13で算出されている燃焼室5の吸気弁閉時期における温度TINI[K]、エンジン回転速度NRPM[rpm]、図5のステップ14で算出されている反応確率RPROBA[%]を読み込む。
【0048】
ここで、前回燃焼開始時期MBTCYCLは、基本点火時期MBTCALの[degBTDC]の1サイクル前の値であり、その算出については後述する。
【0049】
ステップ22では燃焼室5の燃焼開始時期における容積V0[m3]を算出する。前述したように、ここでの点火時期(燃焼開始時期)は今回のサイクルで演算する基本点火時期MBTCALではなく基本点火時期の1サイクル前の値である。すなわち、基本点火時期の1サイクル前の値であるMBTCYCLから次式により燃焼室5の燃焼開始時期における容積V0を算出する。
【0050】
V0=f6(MBTCYCL)…(11)
具体的には前回燃焼開始時期MBTCYCLにおけるピストン6のストローク位置と、燃焼室5のボア径から、燃焼室5のMBTCYCLにおける容積V0を算出する。図5のステップ12では、燃焼室5の吸気弁閉時期IVCにおける容積VIVCを、吸気弁閉時期をパラメータとする吸気弁閉時期容積のテーブルを検索することにより求めたが、ここではMBTCYCLをパラメータとする前回燃焼開始時期容積のテーブルを検索することにより、燃焼室5の前回燃焼開始時期MBTCYCLにおける容積V0を求めればよい。
【0051】
ステップ23では燃焼開始時期における有効圧縮比Ecを算出する。有効圧縮比Ecは無次元の値であり、次式に示すように燃焼室5の燃焼開始時期における容積V0を燃焼室5の吸気弁閉時期における容積VIVCで除した値である。
【0052】
Ec=f7(V0、VIVC)=V0/VIVC…(12)
ステップ24では吸気弁閉時期IVCから燃焼開始時期に至る間の燃焼室5内の温度上昇率TCOMPを次式に示すように有効圧縮比Ecに基づいて算出する。
【0053】
TCOMP=f8(Ec)=Ec^(κ−1)…(13)
ただし、κ:比熱比、
(13)式は断熱圧縮されるガスの温度上昇率の式である。なお、(13)式右辺の「^」は累乗計算を表している。
【0054】
κは断熱圧縮されるガスの定圧比熱を定容比熱で除した値で、断熱圧縮されるガスが空気であればκ=1.4であり、簡単にはこの値を用いればよい。ただし、混合気に対してκの値を実験的に求めることで、一層の算出精度の向上が可能である。
【0055】
図11は(13)式を図示したものである。従って、このような特性のテーブルを予めエンジンコントローラ31のメモリに格納しておき、有効圧縮比Ecに基づき当該テーブルを検索することにより温度上昇率TCOMPを求めることも可能である。
【0056】
ステップ25では、燃焼室5の燃焼開始時期における温度T0[K]を、燃焼室5の吸気弁閉時期における温度TINIに温度上昇率TCOMPを乗じることで、つまり
T0=TINI×TCOMP…(14)
の式により算出する。
【0057】
ステップ26では、次式(公知)により層流燃焼速度SL1[m/sec]を算出する。
【0058】
SL1=SLstd×(T0×Tstd)2.18×(P0/Pstd)−0.16…(15)
ただし、Tstd :基準温度[K]、
Pstd :基準圧力[Pa]、
SLstd:基準温度Tstdと基準圧力Pstdにおける基準層流燃焼 速度[m/sec]、
T0 :燃焼室5の燃焼開始時期における温度[K]、
P0 :燃焼室5の燃焼開始時期における圧力[Pa]、
基準温度Tstdと基準圧力Pstdと基準層流燃焼速度SLstdは実験により予め定められる値である。
【0059】
燃焼室5の通常の圧力である2bar以上の圧力下では、(15)式の圧力項(P0/Pstd)−0.16は小さな値となる。従って、圧力項(P0/Pstd)−0.16を一定値として、基準層流燃焼速度SLstdを基準温度Tstdのみで規定することも可能である。
【0060】
従って、基準温度Tstdが550[K]で、基準層流燃焼速度SLstdが1.0[m/sec]で、圧力項が0.7である場合の燃焼開始時期における温度T0と層流燃焼速度SL1との関係は近似的に次式で定義することができる。
【0061】
Figure 2004301046
ステップ27では、初期燃焼におけるガス流動の乱れ強さU1を算出する。このガス流動の乱れ強さU1は無次元の値であり、燃焼室5に流入する新気の流速と燃料インジェクタ21の噴射燃料のペネトレーションとに依存する。
【0062】
燃焼室5に流入する新気の流速は、吸気通路の形状と、吸気弁15の作動状態と、吸気弁15を設ける吸気ポート4の形状に依存する。噴射燃料のペネトレーションは燃料インジェクタ21の噴射圧力と、燃料噴射期間と、燃焼噴射タイミングに依存する。
【0063】
最終的に、初期燃焼におけるガス流動の乱れ強さU1は、エンジン回転速度NRPMの関数として次式で表すことができる。
【0064】
U1=f10(NRPM)=C1×NRPM…(17)
ただし、C1:定数、
乱れ強さU1を回転速度NRPMをパラメータとするテーブルから求めることも可能である。
【0065】
ステップ28では層流燃焼速度SL1と乱れ強さU1から、初期燃焼におけるガスの燃焼速度FLAME1[m/sec]を次式により算出する。
【0066】
FLAME1=SL1×U1…(18)
燃焼室5内にガス乱れがあるとガスの燃焼速度が変化する。(18)式はこのガス乱れに伴う燃焼速度への寄与(影響)を考慮したものである。
【0067】
ステップ29では、次式により初期燃焼期間BURN1[deg]を算出する。
【0068】
Figure 2004301046
ただし、AF1:火炎核の反応面積(固定値)[m2]、
ここで、(19)式右辺のBR1は燃焼開始時期より初期燃焼期間BURN1の終了時期までの燃焼質量割合の変化量であり、ここではBR1=2%に設定している。(19)式右辺の(NRPM×6)は単位をrpmからクランク角(deg)に変換するための措置である。火炎核の反応面積AF1は実験的に設定される。
【0069】
次に図12のフローに移ると、ステップ31では回転速度NRPM、図5のステップ14で算出されている反応確率RPROBAを読み込む。
【0070】
ステップ32では主燃焼におけるガス流動の乱れ強さU2を算出する。このガス流動の乱れ強さU2も初期燃焼におけるガス流動の乱れ強さU1と同様に、エンジン回転速度NRPMの関数として次式で表すことができる。
【0071】
U2=f11(NRPM)=C2×NRPM…(20)
ただし、C2:定数、
乱れ強さU2を回転速度をパラメータとするテーブルから求めることも可能である。
【0072】
ステップ33では、層流燃焼速度SL2[m/sec]と主燃焼におけるガス流動の乱れ強さU2とから、主燃焼における燃焼速度FLAME2[m/sec]を次式により算出する。
【0073】
FLAME2=SL2×U2…(21)
ただし、SL2:層流燃焼速度[m/sec]、
(21)式は(18)式と同様、ガス乱れに伴う燃焼速度への寄与を考慮したものである。
【0074】
前述のように主燃焼期間BURN2の長さは燃焼室5内の温度や圧力の変化の影響を受けにくい。従って、層流燃焼速度SL2には予め実験的に求めた固定値を適用する。
【0075】
ステップ34では、主燃焼期間BURN2[deg]を(19)式に類似した次式で算出する。
【0076】
Figure 2004301046
ただし、V2:燃焼室5の主燃焼期間開始時容積[m3]、
AF2:火炎核の反応面積[m2]
ここで、(22)式右辺のBR2は主燃焼期間の開始時期より終了時期までの燃焼質量割合の変化量である。初期燃焼期間の終了時期に燃焼質量割合が2%になり、その後、主燃焼期間が開始し、燃焼質量割合が60%に達して主燃焼期間が終了すると考えているので、BR2=60%−2%=58%を設定している。AF2は火炎核の成長行程における平均の反応面積であり、(19)式のAF1と同様に、予め実験的に定めた固定値とする。燃焼室5の主燃焼期間開始時における容積V2も固定値である。
【0077】
図13は基本点火時期MBTCAL[degBTDC]を算出するためのもので、一定時間毎(例えば10msec毎)に実行する。図10、図12のうち遅く実行されるフローに続けて実行する。
【0078】
ステップ41では、図10のステップ29で算出されている初期燃焼期間BURN1、図12のステップ34で算出されている主燃焼期間BURN2、図5のステップ16で算出されている点火時期無駄時間相当クランク角IGNDEAD、図5のステップ15で算出されている基準クランク角θPMAXを読み込む。
【0079】
ステップ42では、初期燃焼期間BURN1と主燃焼期間BURN2の合計を燃焼期間BURN[deg]として算出する。
【0080】
ステップ43では次式により基本点火時期MBTCAL[degBTDC]を算出する。
【0081】
MBTCAL=BURN−θPMAX+IGNDEAD…(23)
ステップ44では、この基本点火時期MBTCALから点火無駄時間相当クランク角IGNDEADを差し引いた値を前回燃焼開始時期MBTCYCL[degBTDC]として算出する。
【0082】
このようにして算出した基本点火時期MBTCALは点火レジスタに移され、実際のクランク角がこの基本点火時期MBTCALと一致したタイミングでエンジンコントローラ31より一次電流を遮断する点火信号が点火コイル13に出力される。
【0083】
また、今サイクルの点火時期指令値としてステップ43で算出された基本点火時期MBTCALが用いられたとすると、次サイクルの点火時期になるまでの間、ステップ44で算出された前回燃焼開始時期MBTCYCLが図10のステップ22において用いられる。
【0084】
以上のように、本実施形態においては、燃焼室5内の未燃ガス量などの質量計算を行わずにMBTの得られる点火時期である基本点火時期MBTCALを算出するので、計算負荷を小さく抑えることができる。
【0085】
また、上記(19)式に示したように初期燃焼期間BURN1を、燃焼開始時期における燃焼室容積V0と、混合気の燃焼のしやすさを表す反応確率RPROBAと、燃焼速度FLAME1の関数で表している。ここで、燃焼開始時期における燃焼室容積V0が大きいほど、反応確率RPROBAが小さいほど、燃焼速度FLAME1が遅いほど、それぞれ初期燃焼期間BURN1が長くなり、結果として基本点火時期MBTCALが進角する。
【0086】
同様に、上記(22)式に示したように主燃焼期間BURN2を、主燃焼期間の開始時期における燃焼室容積V2と、混合気のしやすさを表す反応確率RPROBAと、燃焼速度FLAME2の関数で表している。ここで、主燃焼期間開始時期における燃焼室容積V2が大きいほど、反応確率RPROBAが小さいほど、燃焼速度FLAME2が遅いほど、それぞれ主燃焼期間BURN2が長くなり、結果として点火時期MBTCALが進角する。
【0087】
このように、燃焼期間BURN1とBURN2を、燃焼期間に影響を与える様々なパラメータの関数として算出することで、燃焼期間BURN1とBURN2を正確に算出することができる。結果として、燃焼期間BURN1とBURN2に基づき算出される基本点火時期MBTCALも高精度に算出することができる。また、燃焼期間BURNを温度や圧力が大きく影響を受けやすい火炎核成長期間に相当する初期燃焼期間BURN1と、温度や圧力の影響の少ない主燃焼期間とに分けて算出しているので、燃焼期間BURNの算出精度が向上する。燃焼期間BURNを3以上にさらに分割することで、算出精度のさらなる向上も可能である。
【0088】
実施形態では、初期燃焼期間BURN1の算出に用いる燃焼速度FLAME1を層流燃焼速度SL1と乱れ強さU1の積として、また主燃焼期間BURN2の算出に用いる燃焼速度FLAME2を層流燃焼速度SL2と乱れ強さU2の積としてそれぞれ算出しているが、特開平10−30535号公報に記載されているように足し算による算出方法で求めても良い。
【0089】
実施形態では、初期燃焼期間を燃焼質量割合でゼロから2%まで(つまりBR1=2%)、主燃焼期間を燃焼質量割合で2〜60%まで(つまりBR2=58%)と規定したが、本発明は必ずしもこの数値に限定されるものでない。
【0090】
次に、初期燃焼期間での層流燃焼速度SL1、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2および点火無駄時間DEADTIMEの算出方法について説明する。
【0091】
ここで、シリンダ内で燃焼する燃焼ガスを構成する混合燃料は、2種類以上の燃料、例えばアルコールとガソリンとの混合燃料であり、便宜上、沸点の低い方の燃料をa、沸点の高い方の燃料をbと示す。燃料aと燃料bからなる混合燃料のそれぞれの組成割合をra、rb(ただし、ra+rb=1)とする。
▲1▼算出方法1:組成割合ra、rbは、図示しない燃料濃度検出センサによって検出可能、または酸素濃度検出センサによって空燃比を算出し、空燃比の変化から組成割合ra、rbを推定可能な場合(なお、空燃比の変化から組成割合ra、rbを推定する手法については後述する。)
まず、初期燃焼期間での層流燃料速度SL1の算出方法について説明する。図示しない温度センサを用いて、燃焼開始時のシリンダ内の燃焼ガスの温度Tsを検出し、このときの燃料a、bのそれぞれの層流燃焼速度をSL1a、SL1bとすると、混合燃料の層流燃焼速度SL1は下式で算出される。
【0092】
【数24】
Figure 2004301046
【0093】
次に、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2の算出について説明する。前記温度センサを用いて圧縮上死点付近の燃焼ガス温度をTtを検出し、このときの燃料a、bのそれぞれの層流燃焼速度をSL2a、SL2bとすると、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2は、
【0094】
【数25】
Figure 2004301046
【0095】
で算出できる。
【0096】
さらに、点火無駄時間DEADTIMEは、燃料a、bのそれぞれの点火無駄時間をDEADTIMEa、DEADTIMEbとすると、下式で算出できる。
【0097】
【数26】
Figure 2004301046
【0098】
なお、各燃料の点火無駄時間は、予め燃焼実験等により算出、記憶しておく。
▲2▼算出方法2:燃料濃度検出センサが故障、もしくは酸素濃度検出センサが故障の場合等、予め混合された燃料a、bのそれぞれの組成割合ra、rbが検出、推定不可能な場合
初期燃焼期間の層流燃焼速度SL1の算出方法は、まず前記温度センサを用いて、燃焼開始時のシリンダ内の燃焼ガスの温度Tsを検出し、このときの燃料a、bのそれぞれの層流燃焼速度をSL1a、SL1bとすると、混合燃料の層流燃焼速度SL1は下式で算出される。
【0099】
【数27】
Figure 2004301046
【0100】
次に、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2の算出について説明する。前記温度センサを用いて圧縮上死点付近の燃焼ガス温度をTtを検出し、このときの燃料a、bのそれぞれの層流燃焼速度をSL2a、SL2bとすると、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2は、
【0101】
【数28】
Figure 2004301046
【0102】
で算出できる。
【0103】
さらに、点火無駄時間DEADTIMEは、燃料a、bのそれぞれの点火無駄時間をDEADTIMEa、DEADTIMEbとすると、下式で算出できる。
【0104】
【数29】
Figure 2004301046
【0105】
なお、各燃料の点火無駄時間は、予め燃焼実験等により算出、記憶しておく。
▲3▼算出方法3:混合燃料に混合されている燃料の種類がわかっている場合
・燃料aの沸点が燃料bの沸点より低い場合(例えば、燃料aがアルコールで、燃料bがガソリンの場合)
初期燃焼期間の層流燃焼速度SL1の算出方法は、前記温度センサを用いて、燃焼開始時のシリンダ内の燃焼ガスの温度Tsを検出し、このときの燃料aの層流燃焼速度をSL1aとすると、混合燃料の層流燃焼速度SL1は下式で算出される。
【0106】
【数30】
Figure 2004301046
【0107】
また主燃焼期間の層流燃焼速度SL2は、前記温度センサを用いて圧縮上死点付近の燃焼ガス温度をTtを検出し、このときの燃料bの層流燃焼速度をSL2bとすると、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2は、
【0108】
【数31】
Figure 2004301046
【0109】
で算出できる。
【0110】
さらに、点火無駄時間DEADTIMEは、燃料aの点火無駄時間をDEADTIMEaとすると、下式で算出できる。
【0111】
【数32】
Figure 2004301046
【0112】
なお、燃料aの点火無駄時間は、予め燃焼実験等により算出、記憶しておく。
・燃料aの沸点が燃料bの沸点より高い場合(例えば、燃料aがガソリンで、燃料bがアルコールの場合)
初期燃焼期間の層流燃焼速度SL1の算出方法は、前記温度センサを用いて、燃焼開始時のシリンダ内の燃焼ガスの温度Tsを検出し、このときの燃料bの層流燃焼速度をSL1bとすると、混合燃料の層流燃焼速度SL1は下式で算出される。
【0113】
【数33】
Figure 2004301046
【0114】
また主燃焼期間の層流燃焼速度SL2は、前記温度センサを用いて圧縮上死点付近の燃焼ガス温度Ttを検出し、このときの燃料aの層流燃焼速度をSL2aとすると、主燃焼期間での層流燃焼速度SL2は、
【0115】
【数34】
Figure 2004301046
【0116】
で算出できる。
【0117】
さらに、点火無駄時間DEADTIMEは、燃料bの点火無駄時間をDEADTIMEbとすると、下式で算出できる。
【0118】
【数35】
Figure 2004301046
【0119】
なお、燃料bの点火無駄時間は、予め燃焼実験等により算出、記憶しておく。
【0120】
ここで、燃料a、bの層流燃焼速度SL1a、SL1bは一般に以下の式によって表わされることが分かっている。
【0121】
SL1=SLstd×(T0×Tstd)2.18×(P0/Pstd)−0.16…(15)
基準温度T、基準圧力Pでの層流燃焼速度SLを各燃料a、b毎に実験等により予め検出しておく。
【0122】
ここで常用域である2bar以上では上記式の圧力の項の値は小さくなるので、圧力感度を一定値として基準温度に対する層流燃焼速度SL(m/sec)を算出しても良く、基準温度等は実験で予め算出しておく。例えば基準温度550(K)の時、層流燃焼速度が1.0(m/sec)であった場合、前記ステップS24で算出した雰囲気温度Ts(K)を用いて近似的に下記式で求めることができる。
Figure 2004301046
前述したように層流域に火炎が伝播し、燃焼速度が急速に速くなった初期燃焼期間の後は、圧力、温度に対する感度は鈍くなるため層流燃焼速度SL2a、SL2bは予め実験によって求めた固定値として定めてもよい。
【0123】
なお、ガス圧力Tsは、温度センサを用いて直接測定してもよいが、燃焼開始時のシリンダ内圧力をPs、シリンダ内容積をVs、吸入空気量モル数をnsとして、下式より算出できる。
【0124】
【数36】
Figure 2004301046
【0125】
また、圧縮上死点付近の燃焼ガス温度Ttについても同様に算出できる。
【0126】
このように、種類の異なる2種類の燃料を混合した燃料の組成割合を求め、この組成割合と各燃料の層流燃焼速度とから混合燃料の層流燃焼速度を混合燃料の初期燃焼期間と主燃焼期間とに分けて求めることにより、燃焼ガスの層流燃焼速度を精度良く算出することができ、結果としてMBTの得られる点火時期を精度良く算出することができる。
【0127】
また、種類の異なる2種類の燃料を混合した燃料の組成割合を求め、この組成割合と各燃料の点火無駄時間とから混合燃料の点火無駄時間を求めることにより、燃焼ガスの点火無駄時間を精度良く算出することができ、結果としてMBTの得られる点火時期を精度良く算出することができる。
【0128】
また、混合燃料を構成する各燃料の組成割合が検出できない場合には、各燃料の層流燃焼速度に基づいて混合燃料の層流燃焼速度を算出することができるため、混合燃料を構成する燃料の種類が分かれば混合燃料の層流燃焼速度が算出することができ、組成割合を検出するための濃度センサや組成割合の推定手段を設ける必要がなく、演算負荷を低減しつつ、従来のMBT算出法より精度良くMBTの点火時期を算出できる。
【0129】
別の混合燃料を構成する燃料が分かっている場合の混合燃料の層流燃焼速度算出法としては、燃焼ガスの初期燃焼期間は、構成する燃料のうち最も沸点の低い燃料の層流燃焼速度を混合燃料の層流燃焼速度として用い、圧縮上死点付近での主燃焼期間は沸点の高い燃料の層流燃焼速度を混合燃料の層流燃焼速度として用いて、点火時期を算出することができる。この方法により、濃度センサを用いることなく、またさらに演算負荷を低減しつつ、従来のMBT算出法より精度良くMBTの点火時期を算出できる。
【0130】
さらに本実施の形態における点火時期制御装置においては、CVTCバルブ22の吸気バルブが閉じられた時点のシリンダ内容積VIVCとシリンダ内温度TINIが算出される(ステップS12、S13)。そして燃焼ガスの燃焼のしやすさを所定条件における燃焼状態を1とした場合における比で示した反応確率RPROBAが算出される(ステップS14)。
【0131】
燃焼速度は、シリンダ内における雰囲気温度、燃焼速度の他に残留ガス率EGRREM、水温TWK、当量比に依存し、燃焼速度がこれらの値により変化する状態を実験で予め求めマップ化して保有しておくことができる。勿論、これらの因子に依存した相関関係を関数式でもつことも可能である。
【0132】
次に、MBTで点火した場合、燃焼ガスの圧力のピーク値である基準クランク角θPmaxは略一定であり、エンジン高回転側で進角側にシフトする傾向があるためステップS15の如く算出する。
【0133】
シリンダ内容積V、有効圧縮比Ecから吸気バルブが閉じられた時点のシリンダ内温度TINIからの温度上昇率を算出し(ステップS21〜S24)、燃焼ガスが点火される時点の雰囲気温度T0が算出される(ステップS25)。算出した雰囲気温度T0に基づいて、層流燃焼速度SL1を算出する(ステップS26)。
【0134】
燃焼速度は層流燃焼速度が早いほど早くなる傾向にあるため、シリンダ内の乱流速度も燃焼速度に大きく依存する。乱流速度は吸気ポート形状等に左右され、一般にエンジン回転数が高くなるほど速くなる。このためこれを乱れ強さU1として算出し(ステップS27)、層流燃焼速度と掛け合わせて燃焼速度FLAME1を算出する(ステップS28)。
【0135】
そして点火してから火炎核が形成されるまでの燃焼期間BURN1をステップS29で算出する。火炎核の形成には、燃焼ガス質量の内2%の燃焼によってなされることがわかっているため、燃焼ガス質量の2%を算出して用いる。火炎核形成段階では、点火時点のシリンダ内容積が大きいほど形成に時間が長くなるためこれを分子とし、反応確率RPROBAが大きいぼど時間が短く、燃焼速度が早いほど時間が短くなるため、これらを分母とした演算式を用いて演算することにより、正確且つ容易に火炎核形成段階の燃焼時間を求めることができる。
【0136】
火炎核が形成された後は、燃焼ガスが急速に燃焼される急速燃焼段階となり火炎核は急速に成長する。圧力がピークとなる60%の燃焼ガスが燃焼される期間が演算される(ステップS31〜ステップS34)。ここでも火炎核の成長時点のシリンダ内容積が大きいほど形成に時間が長くなるためこれを分子とし、反応確率RPROBAが大きいほど時間が短く、燃焼速度が早いほど時間が短くなるため、これらを分母とした演算式を用いて演算することにより、正確且つ容易に火炎核成長段階の燃焼時間を求めることができる。
【0137】
以上の如く算出した火炎核形成段階の初期燃焼期間と火炎核成長段階の主燃焼期間とを足すことにより燃焼ガス質量60%の燃焼に必要な期間を算出する事ができる(ステップS42)。そして点火無駄時間とシリンダ内最大圧力となる基準クランク角θPmaxを考慮してMBT点火時期を算出し、イグニッションコイルに出力指令を出すことができる(ステップS43)。
【0138】
本実施の形態によれば、燃焼期間を算出する際に、圧力・温度に対する燃焼期間の感度が大きい火炎核形成段階と、圧力・温度に対する燃焼期間の感度が鈍くなる主燃焼期間とに分けて演算することで、燃焼期間をより正確に演算することができる。この際、分子に燃焼ガス質量、シリンダ容積、分母に反応面積、燃焼速度といった演算式を用いており、同一次元の単位が分子、分母に用いられることが無いので無駄な演算をすることなく正確に算出できる。
【0139】
燃焼状態を無次元の反応確率で置き換えて演算に用いており、当該反応確率は実験等で容易に求めることができるため正確な燃焼期間を算出することができる。また、本実施の形態では、吸気バルブの作動角とリフト量を連続的に可変にできる可変動弁機構を備えた内燃機関へ適用した例を示したが、吸気バルブが閉じた時点のシリンダ内容積が変化しても容易にMBTを算出することができるため、例えば、バルブ開閉に電磁石を用い、バルブタイミングを任意に変化させることができるいわゆる電磁駆動吸排気弁等の可変動弁システムへの適用も行える。なお、吸気バルブの作動角とリフト量を連続的に可変にできる可変動弁機構の一例として特開平11−107725号公報、特開2003−41976号公報に記載のものがある。
【0140】
本実施形態では燃焼質量割合から燃焼期間を求めるにあたり、燃焼期間BTを初期燃焼期間BURN1(燃焼質量割合2%まで)と主燃焼期間BURN2(燃焼質量割合2%から60%まで)とに分けて演算し、点火時期MBTCALを求めたが、さらに細分化してもよく、または細分化を行った上で、燃焼期間(燃焼質量割合)をたとえば、初期燃焼期間BURN1と主燃焼期間BURN2とで分けて加算するようにしてもよい。細分化して燃焼期間を求めることによって、燃焼期間の算出精度を向上できる。
【0141】
また、燃焼ガスの層流燃焼速度を算出する方法▲1▼で用いた酸素濃度検出センサによって空燃比を算出し、空燃比の変化から組成割合ra、rbを推定する手法について以下に説明する。
【0142】
ここでは、アルコールを含む燃料中のアルコール濃度を検出する方法を一例として説明する。アルコールを含む燃料は、C(炭素)の原子数がガソリンと異なることからガソリンに比べ、同一の当量比を得るには大きな噴射量が要求されることになる。そこで、酸素濃度センサ17の検出値を利用して、燃料内のアルコール濃度を以下の手順で推定する。図14は、燃料内のアルコール濃度推定値ALCを更新演算する制御の流れを示している。
【0143】
まず、ステップ(以下、単にSと表記する)51では、酸素濃度センサ17の出力信号を基に算出された空燃比補正量としての空燃比フィードバック補正係数αを読み込む。
【0144】
S52では、空燃比学習条件が成立しているか否かを判定し、空燃比学習条件が成立している場合には、S53に進み、各運転領域領域毎のαm算出マップのマップ値の書き換えを行う。空燃比学習条件が成立していない場合には、各αm算出マップのマップ値の書き換えを行わずにS54に進む。ここで、αmは上記αに基づいて算出される空燃比学習補正係数である。尚、空燃比フィードバッ.ク補正係数α及び空燃比学習補正係数αmは、空燃比のフィードバック制御に用いられるパラメータであり、インジェクタ3からの燃料噴射量がα及びαmに応じて補正される。また空燃比フィードバック補正係数α及び空燃比学習補正係数αmの算出方法は、公知のいかなる算出方法でも使用可能であるため、これらの算出方法についての詳細な説明は省略する。
【0145】
S54では、現在の各運転領域毎のαmマップを参照し、各運転領域毎に空燃比補正量としての空燃比学習補正係数αmを求める。続いてS55に進み、アルコール濃度推定を行うための許可条件が成立しているか否かを判定する。すなわち、このS55においては、水温、エンジン始動後時間、空燃比学習制御の進行状況、給油履歴などの条件が整ったか否かを判定し、条件が整っている場合にはS56に進み、条件が整っていない場合にはアルコール濃度推定を行うことなく終了する。
【0146】
S56では、次式(37)のように表される空燃比感度補正総量αtを算出する。
【0147】
【数37】
Figure 2004301046
【0148】
ここで、ETAHOSは前回のアルコール濃度推定値ALCから算出される燃料性状分補正量であって、後述する図15を用い、前回のアルコール濃度推定値ALCから逆引きで算出されるαtの前回値である。
【0149】
また、このS56におけるαm’は、S54にて求めた各運転領域別のαmのうち代表的な回転負荷領域のαmの平均値、換言すればエンジンとしての使用頻度が高い領域程度のαmの平均値である。
【0150】
S57では、図15に示すマップを用い、S56にて算出された空燃比感度補正総量αtからアルコール濃度推定値ALCを算出する。
【0151】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関のシステム図である。
【図2】エンジンコントローラで実行される点火時期制御のブロック図である。
【図3】燃焼室の圧力変化図である。
【図4】燃焼質量割合の変化を説明する特性図である。
【図5】物理量の算出を説明するためのフローチャートである。
【図6】エンジンのクランクシャフトとコネクティングロッドの位置関係を説明するダイアグラムである。
【図7】水温補正係数の特性図である。
【図8】当量比補正係数の特性図である。
【図9】基準クランク角の特性図である。
【図10】初期燃焼期間の算出を説明するためのフローチャートである。
【図11】温度上昇率の特性図である。
【図12】主燃焼期間の算出を説明するためのフローチャートである。
【図13】基本点火時期の算出を説明するためのフローチャートである。
【図14】燃料内のアルコール濃度推定値を算出する制御の流れを示すフローチャートである。
【図15】空燃比感度補正総量αtとアルコール濃度推定値ALCとの相関関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気コレクタ
3 インジェクタ
4 吸気マニホールド
5 排気マニホールド
6 マフラ
7 エアクリーナ
8 電子制御スロットル
9 吸気ダクト
20 コントロールユニット

Claims (21)

  1. シリンダ内で燃焼する燃焼ガスを構成する燃料の種類と組成割合を算出する手段と、
    シリンダ内の燃焼ガスが層流状態で燃焼する速度である層流燃焼速度を前記燃料の種類と組成割合に基づいて算出する手段と、
    この層流燃焼速度に基づき算出される燃焼期間からMBTの得られる点火時期を算出する手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. シリンダ内で燃焼する燃焼ガスを構成する燃料の種類と組成割合を算出する手段と、
    シリンダ内の燃焼ガスが層流状態で燃焼する速度である層流燃焼速度を前記燃料の種類と組成割合に基づいて算出する手段と、
    運転状態に基づいて燃焼の乱れを示す指標である乱れ強さを算出する手段と、
    燃焼ガス燃焼開始時のシリンダ内容積を算出する手段と、
    所定のクランク角までにシリンダ内で燃焼する燃焼ガス量を算出する手段と、
    所定運転条件での燃焼ガスの燃焼しやすさに対する前記シリンダ内での燃焼ガスの燃焼のしやすさのを示す反応確率を算出する手段と、
    前記層流燃焼速度、前記乱れ強さ、前記シリンダ内容積、前記燃焼ガス量、及び前記反応確率に基づいて燃焼期間を算出し、この燃焼期間に基づきMBTの得られる基本点火時期を算出する手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 前記シリンダ内の燃焼ガスの燃焼圧力が最大になるクランク角を算出する基準クランク角算出手段と、
    前記シリンダ内の燃焼ガスに着火する点火プラグの点火指令信号を出力したタイミングから点火プラグが点火するまでのクランク角区間を算出する点火無駄時間相当クランク角算出手段とを備え、
    前記MBTの得られる基本点火時期は、前記燃焼期間と前記算出した基準クランク角と点火無駄時間相当クランク角とから算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 前記燃焼期間は、火炎核が形成される初期燃焼期間と火炎が伝播する主燃焼期間とに分けられ、それぞれの初期燃焼期間と主燃焼期間とにおいて燃焼ガスに混合される燃料の種類と組成割合に基づき燃焼ガスの層流燃焼速度を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の点火時期制御装置。
  5. 前記燃焼ガス中の燃料の濃度を検出する濃度検出手段を備え、
    前記燃焼ガスの層流燃焼速度は、各燃料の層流燃焼速度を検出した各燃料の濃度に応じて加重平均して算出したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 前記燃焼ガスの層流燃焼速度は、各燃料の層流燃焼速度を平均して算出したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  7. 前記燃焼ガスの層流燃焼速度は、初期燃焼期間では燃料のうち最も低い沸点を有する燃料の層流燃焼速度とし、主燃焼期間では燃料のうち最も高い沸点を有する燃料の層流燃焼速度とすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  8. 前記燃焼ガスの層流燃焼速度は、初期燃焼期間では燃料のうち最も低い沸点を有する燃料の層流燃焼速度とし、主燃焼期間では燃料のうち最も高い沸点を有する燃料の層流燃焼速度とすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  9. シリンダ内で燃焼する燃焼ガスを構成する燃料の種類と組成割合を算出する手段と、
    燃焼ガスの目標点火時間に対する実点火時間の遅れを示す点火無駄時間を前記燃料の種類と組成割合に基づいて算出する手段と、
    この点火無駄時間に基づき算出される燃焼期間からMBTの得られる点火時期を算出する手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  10. シリンダ内で燃焼する燃焼ガスを構成する燃料の種類と組成割合を算出する手段と、
    目標点火時間に対する実点火時間の遅れを示す点火無駄時間を前記燃料の種類と組成割合に基づいて算出する手段と、
    運転状態に基づいて燃焼の乱れを示す指標である乱れ強さを算出する手段と、
    燃焼ガス燃焼開始時のシリンダ内容積を算出する手段と、
    所定のクランク角までにシリンダ内で燃焼する燃焼ガス量を算出する手段と、
    所定運転条件での燃焼ガスの燃焼しやすさに対する前記シリンダ内での燃焼ガスの燃焼のしやすさのを示す反応確率を算出する手段と、
    前記点火無駄時間、前記乱れ強さ、前記シリンダ内容積、前記燃焼ガス量、及び前記反応確率に基づいて燃焼期間を算出し、この燃焼期間に基づきMBTの得られる基本点火時期を算出する手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  11. 前記燃焼ガス中の燃料の濃度を検出する濃度検出手段を備え、
    前記点火無駄時間は、各燃料の点火無駄時間を検出した各燃料の濃度に応じて加重平均して算出したことを特徴とする請求項9または10に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  12. 前記点火無駄時間は、各燃料の点火無駄時間を平均して算出したことを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  13. 前記燃焼期間は、シリンダ内容積と燃焼ガス質量とを掛けた値を反応確率と燃焼ガス質量とを掛けた値で除した演算値に基づいて算出することを特徴とする請求項2または10に記載の点火時期制御装置。
  14. 前記反応確率は、所定の残留ガス率における燃焼のしやすさを1とし、所定の残留ガス率より小さいほど1より大きな値で設定し、所定の残留ガス率より大きいほど1より小さな値で設定することを特徴とする請求項2、10または13のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  15. 前記反応確率は、所定の水温における燃焼のしやすさを1とし、所定の水温より高いほど1より大きな値で設定し、所定の水温より低いほど1より小さな値で設定することを特徴とする請求項2、10または13のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  16. 前記反応確率は、所定の当量比における燃焼のしやすさを1とし、所定の当量比よりリッチ側、リーン側いずれにおいても1より小さな値で設定することを特徴とする請求項2、10または13のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  17. 前記所定クランク角までに燃焼する燃焼ガス量は、燃焼ガスの着火後燃焼圧力が最大となるまでに燃焼される燃焼ガス量としたことを特徴とする請求項2、10または16のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  18. 前記所定クランク角までに燃焼する燃焼ガス量を複数に分割し、それぞれの燃焼ガス量に対応する燃焼期間を算出し、すべての燃焼期間を合計して燃焼期間を求めることを特徴とする請求項17に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  19. 前記所定クランク角までに燃焼する燃焼ガス量を、燃焼ガスの着火後火炎核形成に費やされる燃焼ガス量と、火炎核形成後から燃焼ガスの着火後燃焼圧力が最大となるまでに燃焼される燃焼ガス量とに分割したことを特徴とする請求項18に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  20. 前記シリンダ内の燃焼ガスの燃焼開始時の雰囲気温度と、前記シリンダ内の燃焼ガスの燃焼開始時の雰囲気圧力とを算出し、前記シリンダ内の燃焼ガスの燃焼速度は、燃焼ガスの所定温度、所定圧力における基本層流燃焼速度から、前記雰囲気温度、雰囲気圧力とに基づいて算出することを特徴とする請求項2、10または19のいずれか一つに記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  21. 吸入弁が閉じられた時の燃焼ガスの温度を算出し、この算出した温度に有効圧縮比に基づいて算出した温度上昇率を掛けることによって前記雰囲気温度を算出することを特徴とする請求項20に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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