JP2004301016A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路構成を複雑にすることなく、点火プラグで生じる放電の異常の有無を判定する機能を持たせることができる内燃機関用点火装置を提供する。
【解決手段】点火コイル1の二次電流を検出する二次電流検出部5を設け、検出された二次電流の検出信号をマイクロコンピュータ4に入力する。二次電流検出部5により検出された二次電流がしきい値以上になっている時間が正常時にとり得る範囲から外れているときに放電が異常であると判定する放電状態判定手段をマイクロコンピュータ4により構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】点火コイル1の二次電流を検出する二次電流検出部5を設け、検出された二次電流の検出信号をマイクロコンピュータ4に入力する。二次電流検出部5により検出された二次電流がしきい値以上になっている時間が正常時にとり得る範囲から外れているときに放電が異常であると判定する放電状態判定手段をマイクロコンピュータ4により構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火プラグで生じる放電の状態を判定する機能を備えた内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用点火装置として、例えば特許文献1に示されているように、点火電源部から点火コイルに流しておいた一次電流を点火時期に遮断することにより、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるようにした電流遮断形の点火装置が広く用いられている。
【0003】
この種の点火装置において、点火コイルの二次側の静電容量をC2 、点火プラグの放電ギャップの火花電圧をVs 、点火プラグの放電ギャップ間を通して流れるグロー放電電流をIg 、グロー放電電圧をVg 、放電継続時間をTd とすると、放電エネルギWは、近似的に下記の式により与えられる。
【0004】
W=(C2 ・Vs 2+Vg ・Ig ・Td )/2 … (1)
(1)式よりIg を求めると、
Ig =(2W−C2 ・Vs 2)/(Vg ・Td ) … (2)
内燃機関用点火装置において、点火プラグで生じる放電のエネルギが不足すると、点火不良が生じ、燃料への着火がうまく行われなくなるため、内燃機関の不調を招くおそれがある。
【0005】
内燃機関用点火装置における放電エネルギの不足は、点火プラグの電極の消耗や、カーボンの付着による電極の汚損等により、点火プラグで異常な放電が発生するようになったときに生じる外、点火装置内の配線の接触不良等の故障や、電源電圧の低下などによって、点火装置に与えられるエネルギが不足して、点火プラグで正常な放電が行われなくなったときにも生じる。
【0006】
ガスヒートポンプ(GHP)システムや、自家用発電設備に用いる内燃機関のように、長時間連続運転される内燃機関の場合には、機関の安定な動作を確保するために、点火装置の寿命を長くして、放電エネルギの不足による点火不良が生じないようにする必要がある。万一点火プラグで点火エネルギが不足するような放電異常が生じた場合には、直ちにそれを是正するための措置を講じることができるようにしておくのが好ましい。
【0007】
従って、長時間安定な動作を行うことが必要とされる内燃機関に用いる点火装置においては、点火プラグで点火エネルギの不足を招くような放電異常が生じているか否かを常に監視し得るようにしておくのが好ましい。
【0008】
点火プラグで生じる放電の異常の有無を判定する方法としては、特許文献2に示されているように、点火プラグを通して流れるイオン電流を検出する方法が知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−50383号
【0010】
【特許文献2】
特開2002−364508号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、点火プラグで生じる放電の異常の有無を判定する方法として、点火プラグを通して流れるイオン電流を検出する方法が知られているが、イオン電流を検出する回路は複雑であるため、その検出回路を点火装置に組み込むのは適当でない。
【0012】
本発明の目的は、複雑な回路を用いることなく、点火プラグで発生している放電の状態が異常であるか否かを判定する機能を持たせることができる内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、点火コイルと、該点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、該点火電源部から点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備えて、一次電流を遮断した際に点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置を対象とする。
【0014】
本発明者は、内燃機関用点火装置において、点火コイルの二次電流を検出すると、そのピーク値や放電持続時間等から点火プラグで発生する放電の状態を判定することができることを見出した。
【0015】
そのため本発明においては、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより点火プラグでの放電状態を判定する放電状態判定手段とを設けた。
【0016】
電流遮断形の内燃機関用点火装置においては、点火プラグで発生する放電の状態が点火コイルの二次電流の波形に反映される。そのため、上記のように、二次電流検出部を設けると、この検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより、点火プラグでの放電の状態を判定することができる。
【0017】
上記放電状態判定手段は、二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも低いときに点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも小さいと判定するように構成することができる。
【0018】
本発明に係わる内燃機関用点火装置はまた、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも低いときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定する放電状態判定手段とを備えた構成とすることもできる。
【0019】
更にまた、本発明に係わる内燃機関用点火装置は、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、この二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して、検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、内燃機関の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えた構成とすることもできる。
【0020】
本発明においてはまた、点火コイルの二次電流が流れるように該二次電流の通路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに検出信号を発生する検出信号発生器と、検出信号発生器が発生した検出信号を検知したときにオン状態になる検出信号出力用スイッチとを備えた構成とすることもできる。
【0021】
このように構成すると、検出信号出力用スイッチのオンオフの状態により、点火プラグでの放電が正常に行われているか否かを判定することができる。
【0022】
例えば、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間が正常時にとり得る範囲の値より長いとき及び短いときに点火プラグで生じた放電が異常であると判定する放電状態判定手段を更に備えることにより、放電状態が正常であるか否かを判定することができる。
【0023】
上記検出信号発生器は、フォトダイオードにより構成することができ、検出信号出力用スイッチは、フォトダイオードが発生する光を検出したときにオン状態になるように設けられたフォトトランジスタにより構成することができる。
【0024】
このように構成すると、フォトダイオードとフォトトランジスタとからなるフォトカプラを用いて、二次電流検出部を簡単に構成することができる。
【0025】
本発明は、2気筒以上の多気筒内燃機関を点火する点火装置にも適用することができる。多気筒内燃機関用点火装置は、多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備えていて、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加して、点火動作を行わせる。
【0026】
このような多気筒内燃機関の点火装置の放電状態を判定する場合には、複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより各気筒に取りつけられた点火プラグで生じる放電の状態を判定する放電状態判定手段とを設ける。
【0027】
このように構成すると、二次電流検出部及び放電状態検出部を1つだけ設ければよいため、構成を特に複雑にすることなく、多気筒内燃機関用点火装置に放電状態の判定機能を持たせることができる。
【0028】
上記二次電流検出部は、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出するように構成することができる。
【0029】
また放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電が異常であると判定するように構成することができる。
【0030】
更に、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出するように二次電流検出部を構成して、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように放電状態判定手段を構成することができる。
【0031】
また、上記放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに前記内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常時にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することもできる。
【0032】
多気筒内燃機関を点火する場合にも、複数の点火コイルの二次コイルに対して直列に接続されてしきい値以上の電流が流れたときに検出信号を発生する複数の点火コイルに対して共通な1つの検出信号発生器と、この検出信号発生器が発生した検出信号を検知したときにオン状態になる検出信号出力用スイッチとを備えた構成とすることができる。
【0033】
この場合も、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間が正常時にとり得る範囲の値より長いとき及び短いときに点火プラグで生じた放電が異常であると判定する放電状態判定手段を更に備えることが好ましい。
【0034】
上記検出信号発生器は、複数の点火コイルの二次電流が順方向に流れる向きにして複数の点火コイルの二次コイルに対して直列に接続されて、しきい値以上の電流が流れたときに光を検出信号として発生する1つのフォトダイオードにより構成することができ、検出信号出力用スイッチは、該フォトダイオードとともにフォトカプラを構成するように設けられてフォトダイオードの発光を検知したときにオン状態になる1つのフォトトランジスタにより構成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わる内燃機関用点火装置の一構成例を示したもので、同図において1は点火コイル、2は点火コイルに一次電流を供給する点火電源部、3は点火電源部から点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチ、4は内燃機関の点火時期よりも前に点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段と後記する放電状態判定手段とを構成するマイクロコンピュータ、5は点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部、6は一次電流制御用スイッチ3、マイクロコンピュータ4及び二次電流検出部5に与える電源電圧を発生する電源回路、7は内燃機関のクランク角情報を得るために機関に取り付けられた信号発生装置である。
【0036】
点火コイル1は、一次コイルW1及び二次コイルW2を有していて、一次コイルの一端と二次コイルの一端との間がアノードを二次コイル側に向けたダイオードD1を通して接続され、二次コイルW2の他端が図示しない内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグPLの一端に高圧コードを介して接続されている。
【0037】
図示の点火電源部2は、商用電源201と、商用電源の出力電圧を降圧するトランス202と、トランス202の出力を整流するダイオードブリッジ全波整流回路203と、整流回路203の出力端子間に接続された平滑用の電源コンデンサ204とからなっている。点火電源部2の負極性側の出力端子は接地され、正極性側の出力端子が点火コイルの一次コイルW1の一端に接続されている。
【0038】
また点火電源部2の出力電圧が電源回路6に入力され、該電源回路6から安定化された直流電圧Vccがマイクロコンピュータ等の電源端子に与えられるようになっている。
【0039】
点火プラグPLの他端は接地されるが、本発明においては、点火コイルの二次電流の検出を容易にするため、点火プラグPLの他端が点火装置内のアース回路(図示の例では点火電源部2の負極端子の接地点)に接続されている。
【0040】
一次電流制御用スイッチ3はエミッタが接地され、コレクタが点火コイルの一次コイルの他端に接続されたNPNトランジスタTR1と、該トランジスタのコレクタエミッタ間に接続されたダイオードD2と、トランジスタTR1のベースコレクタ間に接続されたツェナーダイオードZD1と、トランジスタTR1のベースエミッタ間に接続された抵抗R1と、トランジスタTR1のベースに一端が接続された抵抗R2と、抵抗R2の他端と電源回路6の出力端子との間に接続された抵抗R3とからなっている。
【0041】
二次電流検出部5は、点火プラグPLの他端と接地回路との間を接続する導線を一次導体とするように設けられて一方の出力端子が接地された変流器CTと、この変流器の出力電圧を増幅する増幅器5aとを備えている。
【0042】
変流器CTの出力端子間には、二次負担としての抵抗R4と、アノードを接地側に向けたダイオードD3とが並列に接続され、ダイオードD3のカソードと電源回路6の正極側出力端子との間にアノードをダイオードD3側に向けたダイオードD4が接続されている。
【0043】
増幅器5aは、逆相入力端子と接地間に抵抗R5が、また出力端子と逆相入力端子との間に帰還抵抗R6がそれぞれ接続された演算増幅器OP1からなり、演算増幅器OP1の正相入力端子に変流器CTの出力電圧が入力されている。演算増幅器OP1は、変流器CTの出力を増幅して、点火コイルの二次電流に比例した二次電流検出信号V2を出力する。
【0044】
ここで、変流器CTと一次側導体との結合係数をK、抵抗R4の抵抗値をr、変流器CTの巻数をn、乗算記号を*とすると、変流器CTの入力(一次電流Ig)と出力電圧Voとの間には、以下の関係がある。
【0045】
Vo=K*Ig*r/n …(3)
また演算増幅器5aの電圧増幅率をαとすると、増幅器5aの出力電圧(二次電流検出信号)V2 は、
V2 =α*Vo …(4)
演算増幅器OP1が出力する二次電流検出信号は、マイクロコンピュータ4のアナログ入力ポートAに入力される。アナログ入力ポートAと接地間には抵抗R7が接続され、アナログ入力ポートAに入力された二次電流検出信号は、マイクロコンピュータ4内に設けられたA/D変換器によりデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータのCPUに読み込まれる。
【0046】
マイクロコンピュータ4は点火制御信号を出力するポートBを有し、該ポートBが一次電流制御用スイッチ3を構成するトランジスタTR1のベースに接続されている。
【0047】
(3)式及び(4)式から、点火プラグで放電が生じた場合に、マイクロコンピュータ4のアナログ入力ポートaに入力される二次電流検出信号V2 は、
V2 =α*K*Ig*r/n …(5)
信号発生装置7は、内燃機関のクランク軸に取りつけられて該クランク軸とともに回転するパルサロータ701と、パルサロータ701の外周に対向させられたパルサ702とにより構成されている。パルサロータ701の外周にはリラクタ(誘導子)703が設けられ、パルサ702は、リラクタ703の回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して、極性が異なる対のパルス信号Vs1及びVs2を出力する。パルサ702は、機関の上死点よりも十分に進角したクランク角位置に設定された基準位置で一方のパルス信号Vs1を発生し、機関の上死点付近のクランク角位置で他方のパルス信号Vs2を発生する。これらのパルス信号はマイクロコンピュータ4のポートC1及びC2に入力されている。
【0048】
マイクロコンピュータ4は、ROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、回転速度演算手段と、点火時期演算手段と、点火制御信号発生手段とを構成する。
【0049】
回転速度演算手段は、パルス信号Vs1及びVs2の発生間隔から機関の回転速度を演算し、点火時期演算手段は、回転速度演算手段により演算された回転速度に対して、点火コイルの一次電流の通電を開始する通電開始時期と点火時期とを演算する。通電開始時期は、パルス信号Vs1が発生する基準位置から通電開始時期に対応するクランク角位置まで機関が回転する間にマイクロコンピュータ内のタイマに計測させる計測値(通電開始時期検出用計測値)の形で演算される。また点火時期は、パルス信号Vs1が発生する基準位置から点火時期に対応するクランク角位置まで機関が回転する間にタイマに計測させる計測値(点時期検出用計測値)の形で演算される。
【0050】
点火制御信号発生手段は、パルス信号Vs1が発生したときにタイマに通電開始時期検出用計測値及び点火時期検出用計測値の計測を開始させ、通電開始時期検出用計測値が計測されたとき、及び点火時期検出用計測値が計測されたときにそれぞれポートBの電位をHレベル(ハイレベル)及びLレベル(ローレベル)とする。
【0051】
上記回転速度演算手段と、点火時期演算手段と、点火制御信号発生手段とにより点火制御手段が構成される。
【0052】
マイクロコンピュータ4はまた、ROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、二次電流検出部5により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより点火プラグPLでの放電状態を判定する放電状態判定手段を構成する。
【0053】
図1に示した点火装置において、マイクロコンピュータ4が通電開始時期を検出してポートBからHレベルの点火制御信号Viを発生すると、トランジスタTR1がオン状態になるため、点火電源部2から点火コイルの一次コイルW1とトランジスタTR1(一次電流制御用スイッチ3)とを通して一次電流I1が流れる。機関の点火時期に点火制御信号ViがLレベルになると、トランジスタTR1がオフ状態になって、点火コイルの一次電流I1が遮断されるため、点火コイルの一次コイルに一次電流を流し続けようとする極性の高い電圧が誘起する。この高電圧は点火コイル1により更に昇圧されるため、点火コイルの二次コイルW2に点火用の高電圧が誘起する。点火コイルの二次コイルに点火用高電圧が誘起すると、点火プラグPLで火花放電が生じ、点火コイルの二次側回路に二次電流Igが流れる。この二次電流は変流器CTにより検出されるため、二次電流検出部5の増幅器5aが二次電流検出信号V2を出力する。
【0054】
マイクロコンピュータ4により実現される放電状態判定手段は、二次電流検出信号V2をデジタル信号に変換して読み込み、読み込んだ二次電流検出信号から検出される二次電流の持続時間(放電時間)、ピーク値等を被判定値として、点火時期に読み込まれた被判定値を点火プラグで生じる放電が正常であるときにとり得る範囲の値と比較する。その結果、被判定値が正常時にとり得る範囲内にあるときに点火プラグでの放電が正常に行われたと判定し、被判定値が正常時にとり得る範囲から外れているときに点火プラグで生じた放電が異常である(放電が生じなかった場合を含む)と判定する。
【0055】
点火プラグでの放電状態が正常であるとき及び異常であるときに検出される点火コイルの二次電流の波形の一例を図2ないし図4に示した。図2(A)及び(B)は点火プラグPLの電極が汚損されておらず、その放電間隙が適正であるとき(放電が正常なとき)に検出される二次電流の波形を示したもので、同図(A)は横軸の時間軸の1目盛りを1[msec]とした場合を示し、同図(B)は横軸の1目盛りを100[μsec]とした場合(時間目盛りを拡大した場合)を示している。また図2(A)及び(B)において縦軸の1目盛は20mAを示している。
【0056】
図3(A)及び(B)は点火プラグが消耗してそのギャップ長が拡大した場合を示したもので、同図(A)は横軸の時間軸の1目盛りを1[msec]とした場合を示し、同図(B)は横軸の1目盛りを100[μsec]とした場合(時間目盛りを拡大した場合)を示している。また図3(A)及び(B)においても縦軸の1目盛は20mAを示している。
【0057】
また図4(A)及び(B)は、点火プラグの電極がカーボンの付着により汚損されていて、放電エネルギが不足する状態が生じているときに検出される二次電流波形を示したもので、(A)及び(B)はそれぞれ横軸の時間軸の1目盛りを1[msec]とした場合及び100[μsec]とした場合を示している。図4(A)及び(B)においても縦軸の1目盛は20mAを示している。
【0058】
図2及び図4から明らかなように、点火プラグの電極が汚損して放電エネルギが不足する異常状態が生じたときには、二次電流のピーク値Igpeak が正常時の値よりも小さくなる。従って、放電状態判定手段は、二次電流検出部5により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに、点火プラグPLの電極が汚損して放電エネルギが正常時よりも小さくなっている(放電エネルギが不足している)と判定するように構成することができる。
【0059】
二次電流のピーク値の低下として現れる放電エネルギの不足は、電源電圧の低下や、点火電源部と点火コイルとの間を接続する配線の接触不良など、点火電源部側から与えられるエネルギの不足によっても生じる。これらの場合にも、図4に示すように、二次電流のピーク値Igpeak が正常時の値よりも小さい値を示す。
【0060】
なお一次電流制御用スイッチの破損など、点火系の故障により点火動作が行われなかったときには、点火時期において検出される二次電流が零になる。このような異常も上記の放電状態判定手段により検出することができる。
【0061】
また図2ないし図4から明らかなように、点火プラグでの放電が異常になったときには、しきい値以上の二次電流Igが流れる時間(放電持続時間)Tdが正常時にとり得る範囲から外れる。例えば、点火プラグの電極が消耗してその放電間隙が過大になったことにより放電異常が生じたときには図3(A)に示すように放電持続時間Tdが正常時にとり得る範囲よりも短くなり、点火プラグの電極が汚損されて放電異常が生じたときには、図4(A)に示したように、放電持続時間が著しく長くなる。
【0062】
従って、放電状態判定手段は、内燃機関の点火時期に二次電流検出部5により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部5により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することができる。
【0063】
上記の説明では、点火電源部2から与えられるエネルギの不足に起因する放電異常を検出する場合と、点火プラグの電極の消耗や電極の汚損により生じる放電異常を検出する場合とについて述べたが、実際には、これらの異常を共に検出し得るように構成するのが好ましい。
【0064】
そのため、本発明に係わる点火装置は、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、この二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えた構成とするのが好ましい。
【0065】
上記のように、本発明によれば、点火コイルの二次電流から点火プラグで生じた放電の異常の有無を判定することができるため、イオン電流の検出回路のような複雑な回路を用いることなく、点火装置に放電状態の判定機能を持たせることができる。
【0066】
上記のようにして点火プラグで生じた放電の異常を検出することができれば、内燃機関が停止する前に、該機関を予備の機関に切り替えて、点火プラグの交換や、点火装置の修理などを行うことができるため、GHPの運転が長時間停止するといった事態が生じるのを防ぐことができる。
【0067】
上記の例では、単気筒内燃機関を点火する点火装置を例にとったが、本発明は多気筒内燃機関を点火する内燃機関用点火装置にも適用することができる。
【0068】
多気筒内燃機関用点火装置は、多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、これら複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備えていて、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される。
【0069】
このような点火装置に本発明を適用する場合には、複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより各気筒に取りつけられた点火プラグで生じる放電の状態を判定する放電状態判定手段とを設ける。
【0070】
多気筒内燃機関用点火装置の一例として、2気筒内燃機関を点火する点火装置を図5に示した。図5に示した点火装置においては、内燃機関の第1気筒及び第2気筒にそれぞれ対応する第1及び第2の点火コイル1a及び1bが設けられ、これらの点火コイルの一次コイルに対して直列に一次電流制御用スイッチ3a及び3bが接続されている。第1及び第2の点火コイル1a及び1bの一次コイルW1の一端が共通に接続され、その共通接続点が点火電源部2の正極側出力端子に接続されている。また第1及び第2の点火コイル1a及び1bのそれぞれの二次コイルに接続された第1気筒及び第2気筒の点火プラグPLa及びPLbの接地側の端子に配線8a及び8bの一端が接続され、これらの配線の他端は配線9の一端に共通に接続されている。配線9の他端は接地され、点火プラグPLa及びPLbでそれぞれ放電が生じたときに配線9を通して点火コイル1a及び1bの二次電流Iga及びIgbが流れるようになっている。
【0071】
この例では、二次電流検出部5が機関の第1気筒及び第2気筒に対して共通に設けられ、この二次電流検出部5の変流器CTが第1気筒及び第2気筒の点火時期に第1気筒及び第2気筒用の点火コイル1a及び1bのそれぞれの二次側に流れる二次電流Iga及びIgbを検出するように、配線9に取り付けられている。
【0072】
図5に示した点火装置において、点火電源部2の構成は図1に示した点火装置で用いたものと同様であり、一次電流制御用スイッチ3a及び3bの構成も、図1に示した点火装置で用いた一次電流制御用スイッチ3の構成と同様である。また二次電流検出部5の構成及び信号発生装置7の構成も図1に示したものと同様である。
【0073】
図5に示した二次電流検出部5は、第1気筒の点火時期に、二次電流検出信号V2aを発生し、第2気筒の点火時期に二次電流検出信号V2bを発生する。
【0074】
図5に示した例では、マイクロコンピュータ4が点火制御信号を出力するために、第1及び第2の点火制御信号出力ポートBa及びBbを備え、これらのポートから出力される点火制御信号Via及びVibがそれぞれ第1気筒用及び第2気筒用の一次電流制御用スイッチ3a及び3bのトランジスタTR1のベースに与えられている。その他の構成は図1に示したものと同様である。
【0075】
図5に示した点火装置では、マイクロコンピュータ4が第1気筒用の点火時期よりも前のタイミングで点火制御信号Viaを発生したときに一次電流制御用スイッチ3aのトランジスタTR1がオン状態になって、点火コイル1aに一次電流I1aが流れ、第1気筒の点火時期に点火制御信号Viaが零になると一次電流制御用スイッチ3aのトランジスタがオフ状態になって点火コイル1aの一次電流が遮断される。これにより点火コイル1aの二次コイルに点火用の高電圧が誘起し、点火プラグPLaで放電が生じるため、点火コイル1aに二次電流Igaが流れる。
【0076】
マイクロコンピュータ4は、この第1気筒の点火時期に二次電流検出部5から得られる信号を第1気筒の二次電流検出信号V2aとして読み込む。
【0077】
また、マイクロコンピュータ4が第2気筒用の点火時期よりも前のタイミングで点火制御信号Vibを発生したときに一次電流制御用スイッチ3bのトランジスタTR1がオン状態になって、点火コイル1bに一次電流I1bが流れ、第2気筒の点火時期に点火制御信号Vibが零になると一次電流制御用スイッチ3bのトランジスタがオフ状態になって点火コイル1bの一次電流が遮断される。これにより点火コイル1bの二次コイルに点火用の高電圧が誘起し、点火プラグPLbで放電が生じるため、点火コイル1bに二次電流Igbが流れる。マイクロコンピュータ4は、この第2気筒の点火時期に二次電流検出部5から得られる信号を第2気筒の二次電流検出信号V2bとして読み込む。
【0078】
このように、多気筒内燃機関を点火する場合、放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電が異常であると判定するように構成することができる。
【0079】
また多気筒内燃機関用点火装置に用いる放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間(放電持続時間)の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することができる。
【0080】
多気筒内容機関用点火装置に用いる放電状態判定手段はまた、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することもできる。
【0081】
このように、本発明においては、多気筒内燃機関を点火する点火装置を構成する場合に、二次電流検出部を1つだけ設ければよく、放電状態判定手段も複数の気筒に共用できるため、点火装置の構成を特に複雑にすることなく、放電状態の判定機能を持たせることができる。
【0082】
上記の例では、変流器と増幅器とにより二次電流検出部を構成したが、本発明は、二次電流検出部を上記のように構成する場合に限定されない。
【0083】
例えば、点火コイルの二次電流が流れる回路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに電圧、光など何らかの検出信号を発生する検出信号発生器と、この検出信号発生器が発生した検出信号を検知してオン状態になる検出信号出力用スイッチとにより二次電流検出部を構成してもよい。
【0084】
この場合検出信号発生器は、点火コイルの二次電流が順方向に流れる向きにして該二次電流が流れる回路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに光を前記検出信号として発生するフォトダイオードにより構成することができる。
【0085】
また検出信号出力用スイッチは、フォトダイオードとともにフォトカプラを構成するように設けられてフォトダイオードの発光を検知したときにオン状態になるフォトトランジスタにより構成することができる。
【0086】
図6は、フォトダイオードからなる検出信号発生器と、フォトトランジスタからなる検出信号出力用スイッチとにより二次電流検出部5を構成した例を示したもので、この例では、点火プラグPLの接地側端子と接地との間を接続する回路に、フォトダイオードPDが、二次電流Igが順方向に流れる向きにして挿入され、このフォトダイオードに対して並列に、該フォトダイオードと逆方向のダイオードD5が接続されている。またフォトダイオードPDとともにフォトカプラ10を構成するフォトトランジスタPTRが設けられ、このフォトトランジスタのコレクタは抵抗R8を通して電源回路6の正極側出力端子に接続されている。またフォトトランジスタPTRのエミッタは、マイクロコンピュータ4のポートAに入力されている。その他の点は図1に示した点火装置と同様に構成されている。
【0087】
上記フォトダイオードとしては、フォトトランジスタPTRをオン状態にするために必要な順方向電流のしきい値IFが、以下に示す条件を満たすものを用いる。
【0088】
IF≦Ig …(6)
図6に示した点火装置においては、点火時期に点火コイル1の二次コイルW2に図7(A)に示すような高電圧Vhが誘起し、この電圧により点火プラグPLを通して図7(B)に示すような二次電流Igが流れる。この二次電流がしきい値IF以上になっている間フォトトランジスタPTRがオン状態になるため、マイクロコンピュータ4のポートAには、図7(C)に示すような矩形波状の検出信号V2 が入力される。この検出信号V2 の信号幅Tonは、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間に相当している。点火プラグの電極の消耗により放電が異常になったときには、上記時間Tonが正常時よりも短くなり、また点火プラグの電極の汚損により放電が異常になったときには上記時間Tonが正常時よりも長くなるため、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間Tonが正常時にとり得る範囲の値より短いときまたは長いときに点火プラグで生じた放電が異常であると判定するように放電状態判定手段を構成することができる。
【0089】
また図7(B)に示す放電持続時間Tdの間フォトトランジスタPTRがオン状態になるように、しきい値IFを設定することにより、放電持続時間を検出して、この放電持続時間が正常時にとりうる範囲の長さよりも短いとき及び長いときにそれぞれ放電が異常であると判定するように放電状態判定手段を構成することもできる。
【0090】
また点火が行われたか否かのみを検出すればよい場合には、図7(C)に示した信号V2 の発生の有無により点火火花の発生の有無を判定するようにしてもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、点火コイルの二次電流を検出して、検出した二次電流のピーク値や持続時間から点火プラグで生じた放電が正常であるか否かを判定するようにしたので、イオン電流検出回路のような複雑な回路を用いることなく、点火プラグでの放電状態の判定を行うことができる利点がある。
【0092】
また本発明によれば、多気筒内燃機関に適用する場合でも、二次電流検出部及び放電状態判定手段は1つ設ければよいため、回路構成が複雑にすることなく、放電状態の判定機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示した回路図である。
【図2】(A)は、図1の点火装置において点火プラグで生じる放電が正常なときに検出される二次電流の波形を示した波形図、(B)は(A)の横軸のスケールを拡大して示した波形図である。
【図3】(A)は、図1の点火装置において点火プラグの電極の消耗により放電異常が生じているときに検出される二次電流の波形を示した波形図、(B)は(A)の横軸のスケールを拡大して示した波形図である。
【図4】(A)は、図1の点火装置において点火プラグの電極の汚損により放電異常が生じて、放電エネルギが不足しているときに検出される二次電流の波形を示した波形図、(B)は(A)の横軸のスケールを拡大して示した波形図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の構成を示した回路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の構成を示した回路図である。
【図7】(A)ないし(C)は、図4の各部の電圧、電流波形を示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火コイル、2…点火電源部、3…一次電流制御用スイッチ、4…マイクロコンピュータ、5…二次電流検出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火プラグで生じる放電の状態を判定する機能を備えた内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用点火装置として、例えば特許文献1に示されているように、点火電源部から点火コイルに流しておいた一次電流を点火時期に遮断することにより、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるようにした電流遮断形の点火装置が広く用いられている。
【0003】
この種の点火装置において、点火コイルの二次側の静電容量をC2 、点火プラグの放電ギャップの火花電圧をVs 、点火プラグの放電ギャップ間を通して流れるグロー放電電流をIg 、グロー放電電圧をVg 、放電継続時間をTd とすると、放電エネルギWは、近似的に下記の式により与えられる。
【0004】
W=(C2 ・Vs 2+Vg ・Ig ・Td )/2 … (1)
(1)式よりIg を求めると、
Ig =(2W−C2 ・Vs 2)/(Vg ・Td ) … (2)
内燃機関用点火装置において、点火プラグで生じる放電のエネルギが不足すると、点火不良が生じ、燃料への着火がうまく行われなくなるため、内燃機関の不調を招くおそれがある。
【0005】
内燃機関用点火装置における放電エネルギの不足は、点火プラグの電極の消耗や、カーボンの付着による電極の汚損等により、点火プラグで異常な放電が発生するようになったときに生じる外、点火装置内の配線の接触不良等の故障や、電源電圧の低下などによって、点火装置に与えられるエネルギが不足して、点火プラグで正常な放電が行われなくなったときにも生じる。
【0006】
ガスヒートポンプ(GHP)システムや、自家用発電設備に用いる内燃機関のように、長時間連続運転される内燃機関の場合には、機関の安定な動作を確保するために、点火装置の寿命を長くして、放電エネルギの不足による点火不良が生じないようにする必要がある。万一点火プラグで点火エネルギが不足するような放電異常が生じた場合には、直ちにそれを是正するための措置を講じることができるようにしておくのが好ましい。
【0007】
従って、長時間安定な動作を行うことが必要とされる内燃機関に用いる点火装置においては、点火プラグで点火エネルギの不足を招くような放電異常が生じているか否かを常に監視し得るようにしておくのが好ましい。
【0008】
点火プラグで生じる放電の異常の有無を判定する方法としては、特許文献2に示されているように、点火プラグを通して流れるイオン電流を検出する方法が知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−50383号
【0010】
【特許文献2】
特開2002−364508号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、点火プラグで生じる放電の異常の有無を判定する方法として、点火プラグを通して流れるイオン電流を検出する方法が知られているが、イオン電流を検出する回路は複雑であるため、その検出回路を点火装置に組み込むのは適当でない。
【0012】
本発明の目的は、複雑な回路を用いることなく、点火プラグで発生している放電の状態が異常であるか否かを判定する機能を持たせることができる内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、点火コイルと、該点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、該点火電源部から点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備えて、一次電流を遮断した際に点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置を対象とする。
【0014】
本発明者は、内燃機関用点火装置において、点火コイルの二次電流を検出すると、そのピーク値や放電持続時間等から点火プラグで発生する放電の状態を判定することができることを見出した。
【0015】
そのため本発明においては、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより点火プラグでの放電状態を判定する放電状態判定手段とを設けた。
【0016】
電流遮断形の内燃機関用点火装置においては、点火プラグで発生する放電の状態が点火コイルの二次電流の波形に反映される。そのため、上記のように、二次電流検出部を設けると、この検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより、点火プラグでの放電の状態を判定することができる。
【0017】
上記放電状態判定手段は、二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも低いときに点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも小さいと判定するように構成することができる。
【0018】
本発明に係わる内燃機関用点火装置はまた、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも低いときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定する放電状態判定手段とを備えた構成とすることもできる。
【0019】
更にまた、本発明に係わる内燃機関用点火装置は、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、この二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して、検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、内燃機関の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えた構成とすることもできる。
【0020】
本発明においてはまた、点火コイルの二次電流が流れるように該二次電流の通路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに検出信号を発生する検出信号発生器と、検出信号発生器が発生した検出信号を検知したときにオン状態になる検出信号出力用スイッチとを備えた構成とすることもできる。
【0021】
このように構成すると、検出信号出力用スイッチのオンオフの状態により、点火プラグでの放電が正常に行われているか否かを判定することができる。
【0022】
例えば、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間が正常時にとり得る範囲の値より長いとき及び短いときに点火プラグで生じた放電が異常であると判定する放電状態判定手段を更に備えることにより、放電状態が正常であるか否かを判定することができる。
【0023】
上記検出信号発生器は、フォトダイオードにより構成することができ、検出信号出力用スイッチは、フォトダイオードが発生する光を検出したときにオン状態になるように設けられたフォトトランジスタにより構成することができる。
【0024】
このように構成すると、フォトダイオードとフォトトランジスタとからなるフォトカプラを用いて、二次電流検出部を簡単に構成することができる。
【0025】
本発明は、2気筒以上の多気筒内燃機関を点火する点火装置にも適用することができる。多気筒内燃機関用点火装置は、多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備えていて、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加して、点火動作を行わせる。
【0026】
このような多気筒内燃機関の点火装置の放電状態を判定する場合には、複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより各気筒に取りつけられた点火プラグで生じる放電の状態を判定する放電状態判定手段とを設ける。
【0027】
このように構成すると、二次電流検出部及び放電状態検出部を1つだけ設ければよいため、構成を特に複雑にすることなく、多気筒内燃機関用点火装置に放電状態の判定機能を持たせることができる。
【0028】
上記二次電流検出部は、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出するように構成することができる。
【0029】
また放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電が異常であると判定するように構成することができる。
【0030】
更に、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出するように二次電流検出部を構成して、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように放電状態判定手段を構成することができる。
【0031】
また、上記放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに前記内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常時にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することもできる。
【0032】
多気筒内燃機関を点火する場合にも、複数の点火コイルの二次コイルに対して直列に接続されてしきい値以上の電流が流れたときに検出信号を発生する複数の点火コイルに対して共通な1つの検出信号発生器と、この検出信号発生器が発生した検出信号を検知したときにオン状態になる検出信号出力用スイッチとを備えた構成とすることができる。
【0033】
この場合も、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間が正常時にとり得る範囲の値より長いとき及び短いときに点火プラグで生じた放電が異常であると判定する放電状態判定手段を更に備えることが好ましい。
【0034】
上記検出信号発生器は、複数の点火コイルの二次電流が順方向に流れる向きにして複数の点火コイルの二次コイルに対して直列に接続されて、しきい値以上の電流が流れたときに光を検出信号として発生する1つのフォトダイオードにより構成することができ、検出信号出力用スイッチは、該フォトダイオードとともにフォトカプラを構成するように設けられてフォトダイオードの発光を検知したときにオン状態になる1つのフォトトランジスタにより構成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わる内燃機関用点火装置の一構成例を示したもので、同図において1は点火コイル、2は点火コイルに一次電流を供給する点火電源部、3は点火電源部から点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチ、4は内燃機関の点火時期よりも前に点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段と後記する放電状態判定手段とを構成するマイクロコンピュータ、5は点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部、6は一次電流制御用スイッチ3、マイクロコンピュータ4及び二次電流検出部5に与える電源電圧を発生する電源回路、7は内燃機関のクランク角情報を得るために機関に取り付けられた信号発生装置である。
【0036】
点火コイル1は、一次コイルW1及び二次コイルW2を有していて、一次コイルの一端と二次コイルの一端との間がアノードを二次コイル側に向けたダイオードD1を通して接続され、二次コイルW2の他端が図示しない内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグPLの一端に高圧コードを介して接続されている。
【0037】
図示の点火電源部2は、商用電源201と、商用電源の出力電圧を降圧するトランス202と、トランス202の出力を整流するダイオードブリッジ全波整流回路203と、整流回路203の出力端子間に接続された平滑用の電源コンデンサ204とからなっている。点火電源部2の負極性側の出力端子は接地され、正極性側の出力端子が点火コイルの一次コイルW1の一端に接続されている。
【0038】
また点火電源部2の出力電圧が電源回路6に入力され、該電源回路6から安定化された直流電圧Vccがマイクロコンピュータ等の電源端子に与えられるようになっている。
【0039】
点火プラグPLの他端は接地されるが、本発明においては、点火コイルの二次電流の検出を容易にするため、点火プラグPLの他端が点火装置内のアース回路(図示の例では点火電源部2の負極端子の接地点)に接続されている。
【0040】
一次電流制御用スイッチ3はエミッタが接地され、コレクタが点火コイルの一次コイルの他端に接続されたNPNトランジスタTR1と、該トランジスタのコレクタエミッタ間に接続されたダイオードD2と、トランジスタTR1のベースコレクタ間に接続されたツェナーダイオードZD1と、トランジスタTR1のベースエミッタ間に接続された抵抗R1と、トランジスタTR1のベースに一端が接続された抵抗R2と、抵抗R2の他端と電源回路6の出力端子との間に接続された抵抗R3とからなっている。
【0041】
二次電流検出部5は、点火プラグPLの他端と接地回路との間を接続する導線を一次導体とするように設けられて一方の出力端子が接地された変流器CTと、この変流器の出力電圧を増幅する増幅器5aとを備えている。
【0042】
変流器CTの出力端子間には、二次負担としての抵抗R4と、アノードを接地側に向けたダイオードD3とが並列に接続され、ダイオードD3のカソードと電源回路6の正極側出力端子との間にアノードをダイオードD3側に向けたダイオードD4が接続されている。
【0043】
増幅器5aは、逆相入力端子と接地間に抵抗R5が、また出力端子と逆相入力端子との間に帰還抵抗R6がそれぞれ接続された演算増幅器OP1からなり、演算増幅器OP1の正相入力端子に変流器CTの出力電圧が入力されている。演算増幅器OP1は、変流器CTの出力を増幅して、点火コイルの二次電流に比例した二次電流検出信号V2を出力する。
【0044】
ここで、変流器CTと一次側導体との結合係数をK、抵抗R4の抵抗値をr、変流器CTの巻数をn、乗算記号を*とすると、変流器CTの入力(一次電流Ig)と出力電圧Voとの間には、以下の関係がある。
【0045】
Vo=K*Ig*r/n …(3)
また演算増幅器5aの電圧増幅率をαとすると、増幅器5aの出力電圧(二次電流検出信号)V2 は、
V2 =α*Vo …(4)
演算増幅器OP1が出力する二次電流検出信号は、マイクロコンピュータ4のアナログ入力ポートAに入力される。アナログ入力ポートAと接地間には抵抗R7が接続され、アナログ入力ポートAに入力された二次電流検出信号は、マイクロコンピュータ4内に設けられたA/D変換器によりデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータのCPUに読み込まれる。
【0046】
マイクロコンピュータ4は点火制御信号を出力するポートBを有し、該ポートBが一次電流制御用スイッチ3を構成するトランジスタTR1のベースに接続されている。
【0047】
(3)式及び(4)式から、点火プラグで放電が生じた場合に、マイクロコンピュータ4のアナログ入力ポートaに入力される二次電流検出信号V2 は、
V2 =α*K*Ig*r/n …(5)
信号発生装置7は、内燃機関のクランク軸に取りつけられて該クランク軸とともに回転するパルサロータ701と、パルサロータ701の外周に対向させられたパルサ702とにより構成されている。パルサロータ701の外周にはリラクタ(誘導子)703が設けられ、パルサ702は、リラクタ703の回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して、極性が異なる対のパルス信号Vs1及びVs2を出力する。パルサ702は、機関の上死点よりも十分に進角したクランク角位置に設定された基準位置で一方のパルス信号Vs1を発生し、機関の上死点付近のクランク角位置で他方のパルス信号Vs2を発生する。これらのパルス信号はマイクロコンピュータ4のポートC1及びC2に入力されている。
【0048】
マイクロコンピュータ4は、ROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、回転速度演算手段と、点火時期演算手段と、点火制御信号発生手段とを構成する。
【0049】
回転速度演算手段は、パルス信号Vs1及びVs2の発生間隔から機関の回転速度を演算し、点火時期演算手段は、回転速度演算手段により演算された回転速度に対して、点火コイルの一次電流の通電を開始する通電開始時期と点火時期とを演算する。通電開始時期は、パルス信号Vs1が発生する基準位置から通電開始時期に対応するクランク角位置まで機関が回転する間にマイクロコンピュータ内のタイマに計測させる計測値(通電開始時期検出用計測値)の形で演算される。また点火時期は、パルス信号Vs1が発生する基準位置から点火時期に対応するクランク角位置まで機関が回転する間にタイマに計測させる計測値(点時期検出用計測値)の形で演算される。
【0050】
点火制御信号発生手段は、パルス信号Vs1が発生したときにタイマに通電開始時期検出用計測値及び点火時期検出用計測値の計測を開始させ、通電開始時期検出用計測値が計測されたとき、及び点火時期検出用計測値が計測されたときにそれぞれポートBの電位をHレベル(ハイレベル)及びLレベル(ローレベル)とする。
【0051】
上記回転速度演算手段と、点火時期演算手段と、点火制御信号発生手段とにより点火制御手段が構成される。
【0052】
マイクロコンピュータ4はまた、ROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、二次電流検出部5により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより点火プラグPLでの放電状態を判定する放電状態判定手段を構成する。
【0053】
図1に示した点火装置において、マイクロコンピュータ4が通電開始時期を検出してポートBからHレベルの点火制御信号Viを発生すると、トランジスタTR1がオン状態になるため、点火電源部2から点火コイルの一次コイルW1とトランジスタTR1(一次電流制御用スイッチ3)とを通して一次電流I1が流れる。機関の点火時期に点火制御信号ViがLレベルになると、トランジスタTR1がオフ状態になって、点火コイルの一次電流I1が遮断されるため、点火コイルの一次コイルに一次電流を流し続けようとする極性の高い電圧が誘起する。この高電圧は点火コイル1により更に昇圧されるため、点火コイルの二次コイルW2に点火用の高電圧が誘起する。点火コイルの二次コイルに点火用高電圧が誘起すると、点火プラグPLで火花放電が生じ、点火コイルの二次側回路に二次電流Igが流れる。この二次電流は変流器CTにより検出されるため、二次電流検出部5の増幅器5aが二次電流検出信号V2を出力する。
【0054】
マイクロコンピュータ4により実現される放電状態判定手段は、二次電流検出信号V2をデジタル信号に変換して読み込み、読み込んだ二次電流検出信号から検出される二次電流の持続時間(放電時間)、ピーク値等を被判定値として、点火時期に読み込まれた被判定値を点火プラグで生じる放電が正常であるときにとり得る範囲の値と比較する。その結果、被判定値が正常時にとり得る範囲内にあるときに点火プラグでの放電が正常に行われたと判定し、被判定値が正常時にとり得る範囲から外れているときに点火プラグで生じた放電が異常である(放電が生じなかった場合を含む)と判定する。
【0055】
点火プラグでの放電状態が正常であるとき及び異常であるときに検出される点火コイルの二次電流の波形の一例を図2ないし図4に示した。図2(A)及び(B)は点火プラグPLの電極が汚損されておらず、その放電間隙が適正であるとき(放電が正常なとき)に検出される二次電流の波形を示したもので、同図(A)は横軸の時間軸の1目盛りを1[msec]とした場合を示し、同図(B)は横軸の1目盛りを100[μsec]とした場合(時間目盛りを拡大した場合)を示している。また図2(A)及び(B)において縦軸の1目盛は20mAを示している。
【0056】
図3(A)及び(B)は点火プラグが消耗してそのギャップ長が拡大した場合を示したもので、同図(A)は横軸の時間軸の1目盛りを1[msec]とした場合を示し、同図(B)は横軸の1目盛りを100[μsec]とした場合(時間目盛りを拡大した場合)を示している。また図3(A)及び(B)においても縦軸の1目盛は20mAを示している。
【0057】
また図4(A)及び(B)は、点火プラグの電極がカーボンの付着により汚損されていて、放電エネルギが不足する状態が生じているときに検出される二次電流波形を示したもので、(A)及び(B)はそれぞれ横軸の時間軸の1目盛りを1[msec]とした場合及び100[μsec]とした場合を示している。図4(A)及び(B)においても縦軸の1目盛は20mAを示している。
【0058】
図2及び図4から明らかなように、点火プラグの電極が汚損して放電エネルギが不足する異常状態が生じたときには、二次電流のピーク値Igpeak が正常時の値よりも小さくなる。従って、放電状態判定手段は、二次電流検出部5により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに、点火プラグPLの電極が汚損して放電エネルギが正常時よりも小さくなっている(放電エネルギが不足している)と判定するように構成することができる。
【0059】
二次電流のピーク値の低下として現れる放電エネルギの不足は、電源電圧の低下や、点火電源部と点火コイルとの間を接続する配線の接触不良など、点火電源部側から与えられるエネルギの不足によっても生じる。これらの場合にも、図4に示すように、二次電流のピーク値Igpeak が正常時の値よりも小さい値を示す。
【0060】
なお一次電流制御用スイッチの破損など、点火系の故障により点火動作が行われなかったときには、点火時期において検出される二次電流が零になる。このような異常も上記の放電状態判定手段により検出することができる。
【0061】
また図2ないし図4から明らかなように、点火プラグでの放電が異常になったときには、しきい値以上の二次電流Igが流れる時間(放電持続時間)Tdが正常時にとり得る範囲から外れる。例えば、点火プラグの電極が消耗してその放電間隙が過大になったことにより放電異常が生じたときには図3(A)に示すように放電持続時間Tdが正常時にとり得る範囲よりも短くなり、点火プラグの電極が汚損されて放電異常が生じたときには、図4(A)に示したように、放電持続時間が著しく長くなる。
【0062】
従って、放電状態判定手段は、内燃機関の点火時期に二次電流検出部5により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部5により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することができる。
【0063】
上記の説明では、点火電源部2から与えられるエネルギの不足に起因する放電異常を検出する場合と、点火プラグの電極の消耗や電極の汚損により生じる放電異常を検出する場合とについて述べたが、実際には、これらの異常を共に検出し得るように構成するのが好ましい。
【0064】
そのため、本発明に係わる点火装置は、点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、この二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、内燃機関の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えた構成とするのが好ましい。
【0065】
上記のように、本発明によれば、点火コイルの二次電流から点火プラグで生じた放電の異常の有無を判定することができるため、イオン電流の検出回路のような複雑な回路を用いることなく、点火装置に放電状態の判定機能を持たせることができる。
【0066】
上記のようにして点火プラグで生じた放電の異常を検出することができれば、内燃機関が停止する前に、該機関を予備の機関に切り替えて、点火プラグの交換や、点火装置の修理などを行うことができるため、GHPの運転が長時間停止するといった事態が生じるのを防ぐことができる。
【0067】
上記の例では、単気筒内燃機関を点火する点火装置を例にとったが、本発明は多気筒内燃機関を点火する内燃機関用点火装置にも適用することができる。
【0068】
多気筒内燃機関用点火装置は、多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、これら複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備えていて、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される。
【0069】
このような点火装置に本発明を適用する場合には、複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより各気筒に取りつけられた点火プラグで生じる放電の状態を判定する放電状態判定手段とを設ける。
【0070】
多気筒内燃機関用点火装置の一例として、2気筒内燃機関を点火する点火装置を図5に示した。図5に示した点火装置においては、内燃機関の第1気筒及び第2気筒にそれぞれ対応する第1及び第2の点火コイル1a及び1bが設けられ、これらの点火コイルの一次コイルに対して直列に一次電流制御用スイッチ3a及び3bが接続されている。第1及び第2の点火コイル1a及び1bの一次コイルW1の一端が共通に接続され、その共通接続点が点火電源部2の正極側出力端子に接続されている。また第1及び第2の点火コイル1a及び1bのそれぞれの二次コイルに接続された第1気筒及び第2気筒の点火プラグPLa及びPLbの接地側の端子に配線8a及び8bの一端が接続され、これらの配線の他端は配線9の一端に共通に接続されている。配線9の他端は接地され、点火プラグPLa及びPLbでそれぞれ放電が生じたときに配線9を通して点火コイル1a及び1bの二次電流Iga及びIgbが流れるようになっている。
【0071】
この例では、二次電流検出部5が機関の第1気筒及び第2気筒に対して共通に設けられ、この二次電流検出部5の変流器CTが第1気筒及び第2気筒の点火時期に第1気筒及び第2気筒用の点火コイル1a及び1bのそれぞれの二次側に流れる二次電流Iga及びIgbを検出するように、配線9に取り付けられている。
【0072】
図5に示した点火装置において、点火電源部2の構成は図1に示した点火装置で用いたものと同様であり、一次電流制御用スイッチ3a及び3bの構成も、図1に示した点火装置で用いた一次電流制御用スイッチ3の構成と同様である。また二次電流検出部5の構成及び信号発生装置7の構成も図1に示したものと同様である。
【0073】
図5に示した二次電流検出部5は、第1気筒の点火時期に、二次電流検出信号V2aを発生し、第2気筒の点火時期に二次電流検出信号V2bを発生する。
【0074】
図5に示した例では、マイクロコンピュータ4が点火制御信号を出力するために、第1及び第2の点火制御信号出力ポートBa及びBbを備え、これらのポートから出力される点火制御信号Via及びVibがそれぞれ第1気筒用及び第2気筒用の一次電流制御用スイッチ3a及び3bのトランジスタTR1のベースに与えられている。その他の構成は図1に示したものと同様である。
【0075】
図5に示した点火装置では、マイクロコンピュータ4が第1気筒用の点火時期よりも前のタイミングで点火制御信号Viaを発生したときに一次電流制御用スイッチ3aのトランジスタTR1がオン状態になって、点火コイル1aに一次電流I1aが流れ、第1気筒の点火時期に点火制御信号Viaが零になると一次電流制御用スイッチ3aのトランジスタがオフ状態になって点火コイル1aの一次電流が遮断される。これにより点火コイル1aの二次コイルに点火用の高電圧が誘起し、点火プラグPLaで放電が生じるため、点火コイル1aに二次電流Igaが流れる。
【0076】
マイクロコンピュータ4は、この第1気筒の点火時期に二次電流検出部5から得られる信号を第1気筒の二次電流検出信号V2aとして読み込む。
【0077】
また、マイクロコンピュータ4が第2気筒用の点火時期よりも前のタイミングで点火制御信号Vibを発生したときに一次電流制御用スイッチ3bのトランジスタTR1がオン状態になって、点火コイル1bに一次電流I1bが流れ、第2気筒の点火時期に点火制御信号Vibが零になると一次電流制御用スイッチ3bのトランジスタがオフ状態になって点火コイル1bの一次電流が遮断される。これにより点火コイル1bの二次コイルに点火用の高電圧が誘起し、点火プラグPLbで放電が生じるため、点火コイル1bに二次電流Igbが流れる。マイクロコンピュータ4は、この第2気筒の点火時期に二次電流検出部5から得られる信号を第2気筒の二次電流検出信号V2bとして読み込む。
【0078】
このように、多気筒内燃機関を点火する場合、放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電が異常であると判定するように構成することができる。
【0079】
また多気筒内燃機関用点火装置に用いる放電状態判定手段は、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間(放電持続時間)の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することができる。
【0080】
多気筒内容機関用点火装置に用いる放電状態判定手段はまた、内燃機関の各気筒の点火時期に二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成することもできる。
【0081】
このように、本発明においては、多気筒内燃機関を点火する点火装置を構成する場合に、二次電流検出部を1つだけ設ければよく、放電状態判定手段も複数の気筒に共用できるため、点火装置の構成を特に複雑にすることなく、放電状態の判定機能を持たせることができる。
【0082】
上記の例では、変流器と増幅器とにより二次電流検出部を構成したが、本発明は、二次電流検出部を上記のように構成する場合に限定されない。
【0083】
例えば、点火コイルの二次電流が流れる回路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに電圧、光など何らかの検出信号を発生する検出信号発生器と、この検出信号発生器が発生した検出信号を検知してオン状態になる検出信号出力用スイッチとにより二次電流検出部を構成してもよい。
【0084】
この場合検出信号発生器は、点火コイルの二次電流が順方向に流れる向きにして該二次電流が流れる回路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに光を前記検出信号として発生するフォトダイオードにより構成することができる。
【0085】
また検出信号出力用スイッチは、フォトダイオードとともにフォトカプラを構成するように設けられてフォトダイオードの発光を検知したときにオン状態になるフォトトランジスタにより構成することができる。
【0086】
図6は、フォトダイオードからなる検出信号発生器と、フォトトランジスタからなる検出信号出力用スイッチとにより二次電流検出部5を構成した例を示したもので、この例では、点火プラグPLの接地側端子と接地との間を接続する回路に、フォトダイオードPDが、二次電流Igが順方向に流れる向きにして挿入され、このフォトダイオードに対して並列に、該フォトダイオードと逆方向のダイオードD5が接続されている。またフォトダイオードPDとともにフォトカプラ10を構成するフォトトランジスタPTRが設けられ、このフォトトランジスタのコレクタは抵抗R8を通して電源回路6の正極側出力端子に接続されている。またフォトトランジスタPTRのエミッタは、マイクロコンピュータ4のポートAに入力されている。その他の点は図1に示した点火装置と同様に構成されている。
【0087】
上記フォトダイオードとしては、フォトトランジスタPTRをオン状態にするために必要な順方向電流のしきい値IFが、以下に示す条件を満たすものを用いる。
【0088】
IF≦Ig …(6)
図6に示した点火装置においては、点火時期に点火コイル1の二次コイルW2に図7(A)に示すような高電圧Vhが誘起し、この電圧により点火プラグPLを通して図7(B)に示すような二次電流Igが流れる。この二次電流がしきい値IF以上になっている間フォトトランジスタPTRがオン状態になるため、マイクロコンピュータ4のポートAには、図7(C)に示すような矩形波状の検出信号V2 が入力される。この検出信号V2 の信号幅Tonは、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間に相当している。点火プラグの電極の消耗により放電が異常になったときには、上記時間Tonが正常時よりも短くなり、また点火プラグの電極の汚損により放電が異常になったときには上記時間Tonが正常時よりも長くなるため、検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間Tonが正常時にとり得る範囲の値より短いときまたは長いときに点火プラグで生じた放電が異常であると判定するように放電状態判定手段を構成することができる。
【0089】
また図7(B)に示す放電持続時間Tdの間フォトトランジスタPTRがオン状態になるように、しきい値IFを設定することにより、放電持続時間を検出して、この放電持続時間が正常時にとりうる範囲の長さよりも短いとき及び長いときにそれぞれ放電が異常であると判定するように放電状態判定手段を構成することもできる。
【0090】
また点火が行われたか否かのみを検出すればよい場合には、図7(C)に示した信号V2 の発生の有無により点火火花の発生の有無を判定するようにしてもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、点火コイルの二次電流を検出して、検出した二次電流のピーク値や持続時間から点火プラグで生じた放電が正常であるか否かを判定するようにしたので、イオン電流検出回路のような複雑な回路を用いることなく、点火プラグでの放電状態の判定を行うことができる利点がある。
【0092】
また本発明によれば、多気筒内燃機関に適用する場合でも、二次電流検出部及び放電状態判定手段は1つ設ければよいため、回路構成が複雑にすることなく、放電状態の判定機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示した回路図である。
【図2】(A)は、図1の点火装置において点火プラグで生じる放電が正常なときに検出される二次電流の波形を示した波形図、(B)は(A)の横軸のスケールを拡大して示した波形図である。
【図3】(A)は、図1の点火装置において点火プラグの電極の消耗により放電異常が生じているときに検出される二次電流の波形を示した波形図、(B)は(A)の横軸のスケールを拡大して示した波形図である。
【図4】(A)は、図1の点火装置において点火プラグの電極の汚損により放電異常が生じて、放電エネルギが不足しているときに検出される二次電流の波形を示した波形図、(B)は(A)の横軸のスケールを拡大して示した波形図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の構成を示した回路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の構成を示した回路図である。
【図7】(A)ないし(C)は、図4の各部の電圧、電流波形を示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火コイル、2…点火電源部、3…一次電流制御用スイッチ、4…マイクロコンピュータ、5…二次電流検出部。
Claims (14)
- 点火コイルと、前記点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、前記点火電源部から前記点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に前記点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように前記一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、前記一次電流を遮断した際に前記点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を前記内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置において、
前記点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、
前記二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより前記点火プラグでの放電状態を判定する放電状態判定手段と、
を具備したことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 点火コイルと、前記点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、前記点火電源部から前記点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に前記点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように前記一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、前記一次電流を遮断した際に前記点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を前記内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置において、
前記点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、
前記二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに前記点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定するように構成された放電状態判定手段とを具備してなる内燃機関用点火装置。 - 点火コイルと、前記点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、前記点火電源部から前記点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に前記点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように前記一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、前記一次電流を遮断した際に前記点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を前記内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置において、
前記点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、
前記内燃機関の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、前記内燃機関の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えてなる内燃機関用点火装置。 - 点火コイルと、前記点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、前記点火電源部から前記点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に前記点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように前記一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、前記一次電流を遮断した際に前記点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を前記内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置において、
前記点火コイルの二次電流を検出する二次電流検出部と、
前記二次電流検出部により検出された二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに前記点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、前記内燃機関の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに点火プラグの電極の消耗により点火プラグで放電異常が生じていると判定し、前記内燃機関の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常時にとり得る範囲の値を超えているときに点火プラグの電極の汚損により点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えてなる内燃機関用点火装置。 - 点火コイルと、前記点火コイルに一次電流を供給する点火電源部と、前記点火電源部から前記点火コイルに供給される一次電流をオンオフするように設けられた一次電流制御用スイッチと、内燃機関の点火時期よりも前に前記点火コイルに一次電流を流し、点火時期に該一次電流を遮断するように前記一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、前記一次電流を遮断した際に前記点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧を前記内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加して該点火プラグで火花放電を生じさせる内燃機関用点火装置において、
前記点火コイルの二次電流が流れる回路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに検出信号を発生する検出信号発生器と、
前記検出信号発生器が発生した検出信号を検知したときにオン状態になる検出信号出力用スイッチとを備えてなる内燃機関用点火装置。 - 前記検出信号発生器は、前記点火コイルの二次電流が順方向に流れる向きにして該二次電流が流れる回路に挿入されてしきい値以上の二次電流が流れたときに光を前記検出信号として発生するフォトダイオードからなり、
前記検出信号出力用スイッチは、前記フォトダイオードとともにフォトカプラを構成するように設けられて前記フォトダイオードの発光を検知したときにオン状態になるフォトトランジスタからなっている請求項5に記載の内燃機関用点火装置。 - 前記検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間が正常時にとり得る範囲の値より長いとき及び短いときに前記点火プラグで生じた放電が異常であると判定する放電状態判定手段を更に備えている請求項5または6に記載の内燃機関用点火装置。
- 多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、前記複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、前記複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた前記点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される内燃機関用点火装置において、
前記複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、前記内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、
前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出された二次電流を正常時に流れる二次電流と比較することにより各気筒に取りつけられた点火プラグで生じる放電の状態を判定する放電状態判定手段と、
を具備したことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、前記複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、前記複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた前記点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される内燃機関用点火装置において、
前記複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、前記内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、
前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに前記内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定するように構成された放電状態判定手段とを具備してなる内燃機関用点火装置。 - 多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、前記複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、前記複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた前記点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される内燃機関用点火装置において、
前記複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、前記内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、
前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えてなる内燃機関用点火装置。 - 多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、前記複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、前記複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた前記点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される内燃機関用点火装置において、
前記複数の点火コイルの二次電流を一括して検出するように設けられて、前記内燃機関の各気筒の点火時期に各気筒に対応する点火コイルの二次電流を検出する1つの二次電流検出部と、
前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流のピーク値を検出して検出したピーク値が正常時にとり得る範囲の値よりも小さいときに前記内燃機関の各気筒の点火プラグで生じた放電のエネルギが正常時よりも低下していると判定し、前記内燃機関の各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが正常時にとり得る範囲の値よりも短いときに各気筒の点火プラグの電極の消耗により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定し、各気筒の点火時期に前記二次電流検出部により検出される二次電流がしきい値以上になっている時間の長さが前記正常時にとり得る範囲の値を超えているときに各気筒の点火プラグの電極の汚損により各気筒の点火プラグで放電異常が生じていると判定するように構成された放電状態判定手段とを備えてなる内燃機関用点火装置。 - 多気筒内燃機関の異なる気筒に対応する複数の点火コイルと、前記複数の点火コイルにそれぞれ一次電流を供給する点火電源部と、前記複数の点火コイルのそれぞれの一次電流をオンオフするように設けられた前記点火コイルと同数の一次電流制御用スイッチと、各点火コイルに対応する気筒の点火時期よりも前に各点火コイルに一次電流を流し、各点火コイルに対応する気筒の点火時期に各点火コイルの一次電流を遮断するように各点火コイルの一次電流をオンオフする一次電流制御用スイッチを制御する点火制御手段とを備え、各点火コイルの一次電流を遮断したときに各点火コイルの二次コイルに誘起する高電圧が各点火コイルに対応する気筒に取りつけられた点火プラグに印加される内燃機関用点火装置において、
前記複数の点火コイルの二次コイルに対して直列に接続されてしきい値以上の電流が流れたときに検出信号を発生する、前記複数の点火コイルに対して共通な1つの検出信号発生器と、
前記検出信号発生器が発生した検出信号を検知したときにオン状態になる検出信号出力用スイッチとを備えてなる内燃機関用点火装置。 - 前記検出信号発生器は、前記複数の点火コイルの二次電流が順方向に流れる向きにして前記複数の点火コイルの二次コイルに対して直列に接続されて、しきい値以上の電流が流れたときに光を前記検出信号として発生する1つのフォトダイオードからなり、
前記検出信号出力用スイッチは、前記フォトダイオードとともにフォトカプラを構成するように設けられて前記フォトダイオードの発光を検知したときにオン状態になる1つのフォトトランジスタからなっている請求項12に記載の内燃機関用点火装置。 - 前記検出信号出力用スイッチがオン状態になる時間が正常時にとり得る範囲の値より長いとき及び短いときに前記点火プラグで生じた放電が異常であると判定する放電状態判定手段を更に備えている請求項12または13に記載の内燃機関用点火装置。
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