JP2004297918A - 圧電アクチュエータ装置およびこれを備えた機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ装置およびこれを備えた機器 Download PDF

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Makoto Zakouji
誠 座光寺
Shoichi Nagao
昭一 長尾
Katsuyuki Honda
克行 本田
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Abstract

【課題】汎用性を向上させることができ、製造コストを低減できる圧電アクチュエータ装置およびこれを備えた機器を提供すること。
【解決手段】環状の回転体31内部に圧電素子42を備えた振動体40を配置し、圧電素子42に電圧を印加する。突起部43が回転体31を回転駆動し、回転体31は駆動軸23を回転させて圧電アクチュエータ装置30が接続されるレンズユニットを駆動する。圧電アクチュエータ装置30が予め振動体40と回転体31とを備えたユニットに構成されているので、振動体40を用途に応じて個々に設計する必要がなく、汎用性を向上させることができる。また、汎用性の向上により大量生産が可能となるので、製造コストを低減できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電素子を備えた振動体の振動によって被駆動体を駆動する圧電アクチュエータ装置およびこれを備えた機器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、圧電素子の振動によって被駆動体を駆動する、いわゆる圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電素子を被駆動体に当接し、圧電素子に交流電圧を印加して圧電素子を振動させて被駆動体を駆動する。このような圧電アクチュエータは、小さい寸法で比較的高トルクが得られるため、例えば時計のように特に小型化が要望される機器に利用されている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−268953号公報 (第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧電アクチュエータは、それぞれ利用される機器内に直接組み込まれており、機器の仕様に応じて圧電アクチュエータの形状や配置などを個々に設定しなければならず、汎用性に乏しい。また、モータで駆動されていた被駆動体において、モータに変えて圧電アクチュエータを用いる場合も、被駆動体内に圧電アクチュエータを配置しなければならず、被駆動体の設計変更が必要となる。このため、モータ変更に伴うコストがかさみ、製造工程も煩雑になる。さらに、それぞれの機器に対応した圧電アクチュエータを製造しなければならないため、圧電アクチュエータの大量生産化および製造コストの低減が難しいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、汎用性を向上させることができ、製造コストを低減できる圧電アクチュエータ装置およびこれを備えた機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電アクチュエータ装置は、基板と、この基板に回転自在に支持される環状の回転体と、基板に保持されるとともに、圧電素子の振動によって回転体を回転駆動する振動体とを備え、振動体は、板状の圧電素子、この圧電素子に接合される板状の補強板、およびこの補強板の平面方向に突出する突起部を有し、この突起部は、回転体の内周面に当接されていることを特徴とする。
圧電素子を備えた振動体の突起部が回転体の内周面に当接されているので、圧電素子に電圧を印加して振動体を振動させると、突起部の振動によって回転体が回転する。したがって、例えばこの回転体をプーリとしてベルトを掛けたり、回転体に歯車を設け、他の歯車と係合させれば、回転体の回転力によって接続された機器(外部装置)を駆動することが可能となる。
この発明によれば、圧電アクチュエータ装置が、基板に振動体および回転体を予め配置した、いわゆるユニットとなっているので、適用される機器に応じて圧電素子や振動体の形状、配置などを個々に設計する必要がなく、圧電アクチュエータ装置の汎用性が向上する。また、様々な機器に共通の構造の圧電アクチュエータ装置を利用可能となるので、大量生産が可能となり、製造コストが低減する。
【0007】
本発明では、振動体は、平面略矩形状に形成され、その長手方向中心線が回転体の回転中心線を通る位置に配置されていることが望ましい。
この発明によれば、略矩形状の振動体の長手方向中心線が、回転体の回転中心線を通る位置に配置されているので、所定の寸法の回転体に振動体を配置する場合に、振動体の長手方向の寸法を最大にできる。つまり振動体の長手方向の寸法を回転体内周の直径近傍の寸法まで設定することが可能となる。したがって、振動体の振幅および振動体から得られる駆動力をより大きくすることができ、振動体の寸法による駆動力の設定幅が広がる。これにより、圧電アクチュエータ装置の汎用性がさらに向上する。
また逆に、所定の寸法の振動体を回転体に配置する場合では、振動体の長手方向中心線を回転体の回転中心線を通る位置に配置するので、回転体の寸法を最小にできる。したがって、必要駆動力に対する圧電アクチュエータ装置のサイズを小さくできるので、小型の装置の駆動用としても利用できる。
【0008】
本発明では、突起部は、振動体の長手方向一端に、短手方向略中央から長手方向へ突出して形成され、回転体内周面に対し、その内周面の接線に垂直な方向から当接されていることが望ましい。
この発明によれば、振動体の長手方向中心線が回転体の回転中心線を通る位置に配置され、突起部が短手方向略中央に配置されているので、振動体の形状が長手方向の中心線に対して線対称の形状となり、かつ回転体の回転中心線に対して線対称に配置される。したがって、振動体の振動方向を切り替えるなどの設定を適宜行えば、回転体が両方向に回転可能となり、圧電アクチュエータ装置の汎用性がより一層向上する。
【0009】
本発明では、基板は、当該圧電アクチュエータ装置が取り付けられる外部装置への固定部材を備え、この固定部材は、外部装置との信号入出力端子を有して構成されていることが望ましい。
この発明によれば、固定部材が信号入出力端子を有しているので、外部装置と圧電素子とを電気的に接続する際には、この信号入出力端子に外部装置の入出力端子を接続すればよく、外部装置との接続が容易となる。また、予め信号入出力端子が設けられているので、圧電素子への配線が煩雑にならず、断線やショートが防止される。なお、固定部材としては、樹脂等の回路基板をそのまま利用してもよい。
【0010】
本発明では、固定部材には、外部装置に対する位置決めを行う位置決め部材が取り付けられていることことが望ましい。
例えば、固定部材として回路基板を用いた場合には、樹脂等の比較的軟質の材料が利用されるため、その外形では位置決め精度を高くできない。
一方、この発明によれば、固定部材には位置決め部材が取り付けられているので、固定部材に回路基板を用いても、圧電アクチュエータ装置の外部装置に対する位置決めが容易になる。特に、例えば歯車の伝達機構のように、外部装置と回転体との係合の位置決め精度を要求される場合においても、位置決め部材によって固定部材が確実に位置決めされるので、本発明は有用である。
なお、位置決め部材は、金属やセラミックス等の高い位置決め精度を確保できる比較的高剛性の材料で形成すればよい。
【0011】
本発明では、基板は、当該圧電アクチュエータ装置が取り付けられる外部装置への固定部材を備え、この固定部材は、金属で構成されるとともに、外部装置に対する位置決めを行う位置決め部材を一体的に備えていることが望ましい。
この発明によれば、金属製の固定部材が位置決め部材を一体的に備えているので、位置決め部材も金属で構成され、高剛性が確保される。したがって、圧電アクチュエータ装置の外部装置への位置決め精度がより一層向上する。また、固定部材および位置決め部材が一体的に形成されているので、圧電アクチュエータ装置の部品点数が低減し、製造コストが削減される。
【0012】
本発明では、固定部材には、当該固定部材と絶縁されるとともに、外部装置との信号入出力端子を有する外部接続用基板が取り付けられていることが望ましい。
固定部材が導通材料である金属で構成されている場合には、端子を直接固定部材に形成することはできないため、配線を直接外部機器に接続する必要があり、取扱が煩雑になる。この発明によれば、信号入出力端子を有する外部接続用基板が設けられ、この外部接続用基板が固定部材とは絶縁されているので、例えば外部機器に基板が挿入されるソケットを設けることで容易に接続でき、配線不具合が確実に防止される。
【0013】
本発明では、固定部材は、略板状に形成されるとともに、その一方の面には回転体が配置され、固定部材には、回転体が配置された一方の面に形成された段差、または他方の面側に貫通する貫通孔が設けられ、圧電素子に接続される信号線は、段差または貫通孔を通して配置されていることが望ましい。
この発明によれば、固定部材に、圧電素子に接続される信号線を配置するための段差または貫通孔が設けられているので、圧電素子への配線が容易になる。また、信号線が段差または貫通孔を通して配置されるので、回転体の回転時にも、信号線が回転体と接触して断線するなどの不具合が除去される。特に、信号線を貫通孔に配線した場合では、信号線が回転体が設けられた側とは反対側に貫通して配置されるので、より確実に断線などの不具合が防止される。
【0014】
本発明では、回転体の外周の一部は、固定部材に対して半径方向に突出し、当該突出部分で外部部材と接続可能に構成されていることが望ましい。
この発明によれば、回転体の外周の一部が固定部材から露出して外部部材と接続可能に構成されているので、外部部材が、形状に関わらず、固定部材に干渉することなく回転体に接続される。したがって、回転体の回転運動が良好に外部部材に伝達される。
【0015】
本発明では、基板は、振動体を保持する保持部材を備え、この保持部材には、回転体をその回転中心で軸支する支持軸が一体的に形成されていることが望ましい。
この発明によれば、回転体は支持軸に回転中心で支持されているので、例えば回転体を外周側で回転自在に支持する場合に較べて、圧電アクチュエータ装置全体が小型化される。また、支持軸が保持部材に一体的に形成されているので、構造が簡単になり、部品点数が減少するので、圧電アクチュエータ装置の製造コストが低減する。
【0016】
本発明では、基板は、振動体を保持する保持部材を備え、この保持部材には、圧電素子に接続される信号線が配置される貫通孔が形成されていることが望ましい。
この発明によれば、保持部材には信号線用の貫通孔が設けられているので、圧電素子からの信号線が貫通孔を通って振動体が設けられた側とは反対側に配置される。このため、信号線が回転体により接触しにくく、断線などの不具合が防止される。
【0017】
本発明では、基板は、当該圧電アクチュエータ装置が取り付けられる外部装置への固定部材と、振動体を保持する保持部材とを備え、回転体は、固定部材と保持部材とによって回転軸方向に挟持されていることが望ましい。
この発明によれば、回転体が保持部材および固定部材によって回転軸方向に挟持されているので、回転時における回転体の軸方向のずれが規制される。したがって、例えば回転体が外周で外部部材と係合している場合でも、外部部材との係合が外れることなく駆動力が良好に伝達される。
【0018】
本発明では、回転体の外周には、外部部材と接続するための歯車が設けられていることが望ましい。
この発明によれば、回転体外周の歯車が外部部材と接続するので、回転体の回転運動が確実に外部部材に伝達され、動力伝達効率が良好となる。また、外部部材にも同様の歯車を設ければ、歯車の歯数を変更することによって回転速度の変換が簡単に可能となる。
【0019】
本発明では、回転体の開口部を覆う蓋部材を備えていることが望ましい。
この発明によれば、回転体の開口部に蓋部材が設けられているので、振動体の回転体との接触部分への塵埃の侵入が確実に防止され、振動体から回転体への動力伝達効率の低下が防止される。また、塵埃の侵入防止により、圧電アクチュエータ装置の耐久性が向上する。
【0020】
本発明の機器は、前述の圧電アクチュエータ装置を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、機器が前述の圧電アクチュエータ装置を備えているので、前述のような効果を奏し、汎用性が向上し、製造コストが低減する。
なお、圧電アクチュエータ装置を備えた機器としては、例えばチューブを順次しごいて内部の液体を吐出する液体吐出装置や、回転体外周の歯車に歯車を噛合させて輪列を構成し、この輪列の回転運動伝達によって駆動される時計、レンズのズーム装置、玩具の車など、様々な機器に適用可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第二実施形態以降で、以下に説明する第一実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
【0022】
〔第一実施形態〕
第一実施形態は、本発明の圧電アクチュエータ装置をレンズユニット用の駆動装置として適用したものである。なお、レンズユニットは、図示しないカメラに搭載され、または、カメラと一体に製造され、利用されるものである。
図1には、第一実施形態にかかるレンズユニット(外部装置、機器)10の側断面図が示されている。図1において、レンズユニット10は、全体略円筒状の筐体11と、第1レンズ12、第2レンズ13および第3レンズ14の3枚のレンズ12,13,14で構成されるレンズ群15と、第3レンズ14を第1レンズ12および第2レンズ13の間で移動可能に支持する駆動軸(外部部材)23と、この駆動軸23を駆動する圧電アクチュエータ装置30とを備えたズームレンズ用ユニットである。
【0023】
第1レンズ12は、筐体11の一端側(図1中、右側)に設けられた第1レンズ保持部16に嵌め込まれ、第2レンズ13は、筐体11の他端側(図1中、左側)に設けられた第2レンズ保持部17に嵌め込まれて、それぞれ筐体11に固定されている。
第3レンズ14は、ズームレンズであり、筐体11の一端側から他端側に向かう光軸Aに沿って筐体11の内部を進退自在に支持されたレンズ保持枠21に保持されている。すなわち、レンズ保持枠21および第3レンズ14によって、被駆動部材22が構成され、この被駆動部材22は、図1中、白抜き矢印で示す両方向に往復移動可能に設けられている。
ここで、第3レンズ14は、ズームレンズに限らず、フォーカスレンズであってもよい。その場合、レンズ群15の構成や、各レンズの光学特性を適宜設定することで、レンズユニット10をフォーカスレンズ用ユニットとして利用可能である。
【0024】
レンズ保持枠21には、第3レンズ14を嵌め込み保持する第3レンズ保持部21Aと、この第3レンズ保持部21Aの一方側(図1中、上側)にねじ孔21Bと、他方側(図1中、下側)に挿通孔21Cとが形成されている。
ねじ孔21Bおよび挿通孔21Cは、互いに光軸Aと平行になっており、ねじ孔21Bには駆動軸23のねじ部23Aが螺合され、挿通孔21Cには案内軸24が挿通されている。
【0025】
駆動軸23は、その回転軸Bが光軸Aと平行に配置された全体略円柱状の部材であり、筐体11のフランジ部分に設けられた2箇所の軸受け孔18に回転自在に軸支されている。また、駆動軸23の両端部は、それぞれ筐体11の外側に突出し、これらの突出部分は、ねじ部23Aが設けられた中央部分よりも軸径が大きく形成されている。従って、駆動軸23は、筐体11の軸受け孔18周縁によって軸方向への移動が規制されている。
また、駆動軸23の端部のうち、第2レンズ13の側の端部には、圧電アクチュエータ装置30が接続される当接軸部23Bが設けられている。この当接軸部23Bは、円柱状に形成され、その周面には、歯車231が形成されている。
【0026】
案内軸24は、光軸Aに平行な棒状の部材であり、筐体11のフランジ部分に架設されている。また、案内軸24は、レンズ保持枠21の光軸Aに対する角度を一定に維持するとともに、駆動軸23回りの回転を規制する機能を備えている。従って、駆動軸23の回転によって、駆動軸23に螺合されたレンズ保持枠21は、光軸Aに対して第3レンズ14が直交した状態を維持しながら、進退駆動されることになる。
【0027】
圧電アクチュエータ装置30は、図示しないブラケット等でカメラ本体または筐体11に固定された取付部19に取り付けられ、駆動軸23の当接軸部23Bに隣接する位置に配置されている。
図2には、圧電アクチュエータ装置30の平面図が、図3には図2のIII−III断面図が、そして図4には図2のIV−IV断面図が示されている。これらの図2、図3および図4において、圧電アクチュエータ装置30は、駆動軸23の当接軸部23Bに係合する回転体31と、この回転体31を回転駆動する振動体40と、振動体40を保持する保持部材50と、保持部材50を支持するとともに、取付部19に固定される固定部材60とを備えている。なお、本実施形態では保持部材50および固定部材60を備えて本発明の基板が構成されている。
【0028】
回転体31は、有底円筒状に形成され、その内側に振動体40が配置されている。また、回転体31の回転軸は、駆動軸23の回転軸Bと略平行に配置されている。回転体31の外周には、歯車311が形成され、この歯車311が駆動軸23の歯車231に噛合されている。
回転体31の回転中心には、軸孔32が形成されており、この軸孔32は、保持部材50に一体的に形成された支持軸部(支持軸)51に摺動可能に軸支されている。支持軸部51には、略中央にねじ孔52が形成され、このねじ孔52に固定部材60を貫通してねじ53が螺合されることで、回転体31が保持部材50および固定部材60に挟持され、回転軸方向の移動が規制されている。
【0029】
なお、支持軸部51には、表面にフッ素系樹脂などの低摩擦材料がコーティングされ、軸孔32との摩擦が低減されている。また、支持軸部51は、軸孔32との接触面積を最小限に抑制できるように、径が小さく設定されていることが望ましい。
回転体31の開口端には、開口部を覆う蓋部材70が設けられている。この蓋部材70により、回転体31内側の振動体40への埃塵の侵入が防止されている。なお、図2では、説明のため、蓋部材70の図示を省略してある。
【0030】
振動体40は、略矩形平板状に形成された補強板41と、この補強板41の表裏両面に設けられた平板状の圧電素子42とを備えている。
補強板41は、ステンレス鋼、その他の材料で構成されている。補強板41の長手方向一端の幅方向略中央には、長手方向に突出する略半円形の突起部43が一体的に形成され、この突起部43の先端は、回転体31の内周面に当接されている。補強板41の長手方向略中央には、幅方向両側に略直角に突出する腕部44が一体的に形成されている。腕部44の端部は、それぞれ台座45にビス45Aによって固定されている。
したがって、振動体40は、台座45に固定された二箇所の腕部44の固定位置を支点として振動するようになっている。
【0031】
圧電素子42は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の材料の中から、適宜選択した材料から形成されている。
また、圧電素子42の両面には、ニッケルおよび金などによる電極が、めっき、スパッタ、蒸着などの方法によって形成されている。これらの電極のうち、補強板41に対向する面の電極は、圧電素子42全面にわたって形成されている。また、補強板41とは反対側の電極は、溝によって互いに電気的に絶縁されて、長手方向に沿った中心線を軸として線対称に複数形成されている。つまり、圧電素子42を幅方向にほぼ三等分するように二本の溝が形成され、これらの溝で分割された三つの電極のうち両側の電極ではさらに長手方向をほぼ二等分するように溝が形成されている。
これらの溝により、圧電素子42の表面には中央に電極42Aが、その両側に対角線上両端をそれぞれ一対とする二組の電極42B,42Cが形成される。そして、これらの電極42A,42B,42Cおよび補強板41には、それぞれリード線(信号線)が接続され、これらのリード線は、圧電素子42に電圧を印加する図示しない印加装置に接続されている。
なお、これらの電極42A,42B,42Cは、補強板41を挟んで設けられた表裏両方の圧電素子42に同様に設けられており、例えば電極42Aの裏面側には電極42Aが形成されている。
【0032】
ここで、圧電素子42に印加する電圧の周波数は、振動体40の振動時に、圧電素子42の長手方向に伸縮する縦振動と、圧電素子42の平面中心に対して点対称に、かつ縦振動に直交する方向に屈曲する屈曲振動とが同時に現れるように適宜設定される。また、圧電素子42の寸法や、厚さ、材質、縦横比、電極の分割形態などは、圧電素子42に電圧が印加された時に、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とが互いに近接するように適宜決定される。
なお、振動体40に印加される電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形状波、台形波などが採用できる。
【0033】
台座45は、振動体40の矩形平板状部分が接触しないように、振動体40と対向する部分に凹状の窪み部45Bが形成されている。また、台座45は、保持部材50に形成された複数(本実施形態では三つ)の位置決めピン45Cの側面が当接されることによって、回転体31の径方向に沿ってスライド自在に支持されている。
また、台座45において、振動体40の突起部43から遠い側の端部には、略U字形の弾性部45Dが形成されている。この弾性部45Dの端部は、保持部材50に設けられた係止ピン45Eに係止されており、これにより弾性部45Dは、台座45を振動体40の長手方向に付勢している。この付勢力により、振動体40の突起部43は、適切な付勢力で回転体31の内周面に当接されている。
ここで、振動体40は、長手方向中心線が回転体31の回転中心線を通る位置に配置されている。したがって、突起部43は、回転体31内周面の接線に垂直な方向から当接されている。
【0034】
図5には、圧電アクチュエータ装置30の底面図が示されている。この図5にも示されるように、固定部材60は、絶縁材料からなる基板で構成されており、回転体31の回転中心に対応する位置には、固定孔61が形成されている。この固定孔61には、保持部材50の支持軸部51よりも径の小さい固定軸511が挿通されている。固定孔61の一部には、キー溝61Aが形成され、このキー溝61Aに固定軸511のキー部511Aが挿通されることで、保持部材50の固定部材60に対する回転が防止されている。
固定部材60において、回転体31の外側で、振動体40の幅方向両側に対応する位置には、略三角形状の固定部60Aが形成されており、この固定部60Aには、固定部材60を取付部19に取り付けるための取付孔62が形成されている。これらの取付孔62をねじなどで取付部19に螺合することによって、圧電アクチュエータ装置30が取付部19に固定される。
また、固定部材60において、回転体31が駆動軸23と係合する部分に対応する位置には、回転体31の径方向に直交する方向に沿って直線部63が形成されている。ここで、支持軸部51の中心から直線部63までの距離は、回転体31の半径よりも小さく設定されているので、回転体31の一部は、この直線部63において固定部材60から突出して配置され、当該突出部分で駆動軸23に係合されている。これにより、固定部材60が駆動軸23に干渉することなく回転体31が良好に駆動軸23に係合されている。
【0035】
固定部材60およびねじ53の間には、圧電アクチュエータ装置30の位置決め部材64が設けられている。位置決め部材64は、略中央に凹状部分を有する金属製の円盤状部材で、固定部材60とともにねじ53によって支持軸部51に固定されている。取付部19には、位置決め部材64に対応する位置に図示しない円形の凹状部分が形成され、この凹状部分に位置決め部材64が挿通されることで、駆動軸23に対して回転体31が位置決めされる。この時、位置決め部材64は回転体31の回転軸上に配置されているので、駆動軸23と回転体31との位置決めをそれぞれの回転中心を基準に行うことができ、したがって歯車231と歯車311とが良好かつ確実に噛合される。
【0036】
圧電素子42の各電極42A,42B,42Cに接続されるリード線は、台座45,保持部材50および固定部材60を貫通して、固定部材60において回転体31が設けられている側とは反対側に配置されている。つまり、台座45には、窪み部45Bに形成された長孔状の貫通孔45Fが、保持部材50には支持軸部51を含んだ部分を貫通する長孔状の貫通孔54が、固定部材60には固定孔61より外側の部分を貫通する長孔状の貫通孔65が形成されている。
また、位置決め部材64において、貫通孔65に対応する位置には、切欠64Aが形成されることにより、固定部材60および位置決め部材64の間に隙間が形成されている。これらの貫通孔45F,54,65を貫通して固定部材60の反対側に配置されたリード線は、固定部材60上に設けられた複数の中継用端子66に接続される。ここで、本実施形態の中継用端子66は、四つ設けられ、それぞれ電極42A、電極42B、電極42C、および補強板41に接続する端子となっている。
【0037】
固定部材60には、回転体31の外側で駆動軸23から遠い側に略矩形状の外部接続部60Bが形成されている。この外部接続部60Bには、複数(本実施形態では四つ)の貫通孔67が設けられ、中継用端子66から再び接続されたリード線が、これらの貫通孔67を通って、再び回転体31側に配置されている。そしてこれらのリード線は、外部接続部60Bにおいて回転体31が設けられている側の平面上に設けられた複数(四つ)の信号入出力端子68に接続されている。これらの信号入出力端子68は、固定部材60において、回転体31の回転中心を挟んで直線部63とは反対側に配置され、信号入出力端子68に対応する位置に接続端子を有する図示しない外部基板が対向して設けられている。この外部基板は、前述の印加装置を実装しており、取付部19に固定されている。
【0038】
以上のように振動体40を備えた圧電アクチュエータ装置30は、次のように動作する。
印加装置により、圧電素子42の電極42A,42B,42Cから適宜選択された電極と補強板41との間に交流電圧を印加して振動体40を振動させる。この時、例えば電極42Aおよび電極42Bのみを選択して電圧を印加すると、振動体40は、主に電極42Aによって、縦振動を励振する。また、振動体40は、主に電極42Bによって屈曲振動も励振する。これらの縦振動および屈曲振動が同時に現れることにより、突起部43は縦振動と屈曲振動とを組み合わせた略楕円軌道を描いて振動する。
振動体40は弾性部45Dの付勢力により回転体31の内周に押圧されているため、突起部43は、振動体40が描こうとする楕円軌道上における回転体31の内周に近い側において、突起部43と回転体31の内周との間の摩擦力が大きくなり、遠い側においては摩擦力が小さくなる。
したがって、突起部43が回転体31の内周に近い側の軌道を描こうとする時の駆動力が大きくなるので、その時の振動方向に向かって回転体31が回転駆動されることとなる。この動作を所定の周波数で繰り返し行うことにより、回転体31は一方向に回転する。
回転体31の回転運動は、歯車311、231を介して駆動軸23に伝達され、駆動軸23は所定の回転速度で回転する。
【0039】
なお、圧電素子42に印加する電圧の電極を、振動体40の長手方向中心線に対して線対称に切り替えれば、回転体31を反対方向に回転させることができる。つまり、例えば電極42Aおよび電極42Bへの電圧印加から、電極42Aおよび電極42Cへの電圧印加に切り替えれば、屈曲振動が先ほどとは反対方向に励振されるため、突起部43が反対方向の略楕円軌道を描いて振動し、回転体31を反対方向に回転駆動して駆動軸23を反対方向に回転駆動する。
【0040】
以上のように駆動軸23が回転運動することで、この駆動軸23のねじ部23Aに螺合されたレンズ保持枠21および第3レンズ14、すなわち、被駆動部材22が光軸Aに沿って(図1中、白抜き矢印で示す方向に)進退駆動されることになる。
この際、図示しない位置読み取りセンサによって被駆動部材22の位置を検出し、制御回路にフィードバックして駆動制御することにより、被駆動部材22は、光軸Aに沿った任意の位置で静止可能となっている。
なお、位置読み取りセンサとしては、被駆動部材22の位置を直接検出するものに限らず、例えば駆動軸23の回転量を検出するロータリーエンコーダが採用できる。
したがって、本実施形態のレンズユニット10では、振動体40の振動により駆動軸23を回転させ、この回転によって被駆動部材22を光軸Aに沿って進退駆動することができ、所定のズーム位置でズームレンズとしての第3レンズ14を静止させることができる。
【0041】
このような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 圧電アクチュエータ装置30が、保持部材50および固定部材60にそれぞれ配置、固定された振動体40および回転体31を予め備えたユニットで構成されているので、回転体31の歯車311を駆動軸23に係合させるだけで、簡単に駆動軸23を駆動する駆動装置を構成できる。したがって、従来とは異なり用途に応じて振動体40の形状や被駆動体への当接条件などを個々に設計する必要がなく、圧電アクチュエータ装置30の汎用性を向上させることができる。これによりレンズユニット10の設計工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
例えば駆動軸23に取り付けられたモータを、圧電アクチュエータ装置30に交換する場合にも、駆動軸23の歯車231に圧電アクチュエータ装置30の回転体31を係合させるだけで交換できるので、駆動軸23の設計変更が不要となり、設計工程を簡略化できる。したがって、モータで駆動されていた各種の外部装置(機器)に圧電アクチュエータ装置30を組み込んで容易に駆動させることができる。
【0042】
(2) 振動体40の長手方向中心線が、回転体31の回転中心線を通る位置に配置されているので、振動体40の長手方向の寸法を回転体31内部において最大に設定することができ、より大きな駆動力を得られる。また逆に、振動体40の寸法が予め設定されている場合には、振動体40の長手方向中心線が、回転体31の回転中心線を通る位置に配置されているので、回転体31を小さく構成でき、圧電アクチュエータ装置30の小型化を促進できる。
また、振動体40が突起部43を含んで長手方向中心線に対して線対称に形成され、突起部43が回転体31の接線に垂直な方向から当接されているので、振動体40の振動が長手方向中心線に対して線対称となり、圧電素子42の電極を適宜選択して振動体40を正逆いずれの方向に回転させた場合でも、回転体31を良好に回転させることができる。
【0043】
(3) 回転体31の回転中心に対応する位置に位置決め部材64が設けられているので、取付部19に位置決め部材64を位置決めすることで、回転体31と駆動軸23との相対位置を確実に位置決めできる。この時、位置決め部材64によって回転体31の回転中心を規定するので、回転体31が駆動軸23に対して偏心することなく回転し、歯車231,311が互いに良好かつ確実に係合できる。
また、位置決め部材64が金属製なので、変形しにくく、長期間にわたって良好な位置決め精度を確保できる。
【0044】
(4) 固定部材60が信号入出力端子68を有する基板で構成されているので、印加装置が実装された基板をこの固定部材60に重ねるだけで、圧電素子42の電極42A,42B,42Cおよび補強板41と印加装置とを簡単に接続できる。また、この時、信号入出力端子68が、予め、電極42A,42B,42Cおよび補強板41に接続された端子となっているため、これらの信号入出力端子68に接続される基板の回路パターンの形成が簡単になり、これによってもレンズユニット10の製造コストを低減できる。
【0045】
(5) 保持部材50には支持軸部51が一体的に設けられ、回転体31がこの支持軸部51に軸支されているので、回転体31を外周側から支持した場合に較べて圧電アクチュエータ装置30全体の小型化を促進できる。
また、保持部材50には支持軸部51を貫通する貫通孔54が設けられ、この貫通孔54内に圧電素子42のリード線が配置されているので、回転体31の回転でリード線が断線されるなどの不具合を確実に防止できる。
【0046】
(6) 回転体31が保持部材50および固定部材60に挟持されることで軸方向の移動が規制されているので、回転体31の回転中に駆動軸23との係合が外れることがなく、良好に回転運動を伝達できる。
また、保持部材50および固定部材60によって回転体31を回転可能に支持しているので、ベアリングなどの軸受が不要となり、圧電アクチュエータ装置30の構造を簡単にでき、製造コストを低減できる。
【0047】
(7) 固定部材60に貫通孔65が設けられ、振動体40からのリード線が、固定部材60において回転体31が設けられた側とは反対側に配置されているので、リード線が回転体31の回転時に接触して断線するなどの不具合を確実に除去できる。
また、固定部材60の回転体31外側において、貫通孔67を形成し、これらの貫通孔67にリード線を再び配置することによりリード線を回転体31側に配置しているので、リード線への外部の基板を接続しやすく構成でき、圧電アクチュエータ装置30の取扱性を向上させることができる。
【0048】
(8) 固定部材60に直線部63が設けられているので、回転体31の外周のうち、駆動軸23に係合する部分を固定部材60から突出して配置できる。したがって、固定部材60が駆動軸23に干渉するのを良好に防止できる。また逆に、固定部材60の直線部63以外の部分は、回転体31の外形よりも大きく形成されているので、回転体31の外力や衝撃などによる損傷を防止でき、圧電アクチュエータ装置30の耐久性を向上させることができる。
【0049】
(9) 回転体31の外周に歯形状の歯車311が形成されているので、歯車311が駆動軸23の歯車231に確実に係合でき、回転体31の回転運動を良好に伝達できる。
【0050】
(10) 回転体31の開口部に蓋部材70が設けられているので、振動体40が配置された回転体31内部に塵埃やごみが侵入するのを防止できる。したがって、振動体40と回転体31内周との間の摩擦を長期間にわたって良好に維持でき、振動体40や回転体31内周の摩耗を低減でき、圧電アクチュエータ装置30の耐久性を向上させることができる。さらに、蓋部材70を取り外せば、回転体31内側の振動体40の取付や交換を容易に行え、容易にメンテナンスができる。
【0051】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態の固定部材60の構造が異なるものである。
図6には、第二実施形態にかかる圧電アクチュエータ装置30の平面図が、図7には、その側断面図が示されている。なお、図6においては、第一実施形態と同様に蓋部材70の図示は省略されており、また振動体40は二点鎖線で示されている。
これらの図6および図7において、固定部材60は、金属で構成され、固定部材60の取付部19に対向する面には第一実施形態の位置決め部材64が取り付けられていない。第二実施形態では、固定部材60が金属製のため、取付孔62の精度および強度を十分に確保できるので、この取付孔62が、圧電アクチュエータ装置30の位置決め機能を兼ねている。
【0052】
また、固定部材60には、第一実施形態の貫通孔65が形成されておらず、代わりに回転体31に対向する面に段差部(段差)69が形成されている。
段差部69は、保持部材50の貫通孔54に対応する位置に形成された楕円形部69Aと、この楕円形部69Aから連続して形成され、駆動軸23から遠い側の外部接続部60B端部に向かって拡開する扇状部69Bとを備えている。この段差部69には、貫通孔45F,54を通って配置された振動体40からのリード線が配置されている。これら四本のリード線は、扇状部69Bに沿ってそれぞれ固定部材60の端部に向かって互いの距離が大きくなるように配置されている。
【0053】
固定部材60の外部接続部60B端部には、固定部材60と絶縁される外部接続用基板601が取り付けられている。外部接続用基板601は、絶縁材料で構成され、固定部材60の回転体31が設けられた側に接着などによって固定されている。外部接続用基板601には、第一実施形態と同様の複数(四つ)の貫通孔67が設けられ、段差部69に配置されたリード線は、これらの貫通孔67を通って、外部接続用基板601において固定部材60に接着された側とは反対側に配置されている。外部接続用基板601には、第一実施形態と同様の信号入出力端子68が設けられ、これらの信号入出力端子68にそれぞれのリード線が接続されることによって、印加装置への接続端子が形成されている。
【0054】
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)、(6)、(8)、(9)および(10)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(11) 固定部材60が金属で構成されているので、取付孔62を高剛性、高精度に形成することができ、取付孔62が取付部19への固定手段と同時に位置決め手段を兼ねることができる。したがって、第一実施形態のような位置決め部材が不要となり、圧電アクチュエータ装置30の構成が簡単にでき、部品点数を低減でき、製造コストを削減できる。
また、この時、固定部材60と絶縁された外部接続用基板601が取り付けられ、この外部接続用基板601に信号入出力端子68が形成されているので、固定部材60を金属で構成した場合でも、固定部材60に外部の印加装置に接続される信号入出力端子68を形成することができる。したがって、第一実施形態の(4)の効果と同様に、印加装置との接続を簡単に行え、取扱性を向上させることができる。そして、信号入出力端子68が、予め電極42A,42B,42Cおよび補強板41に接続された端子となっているため、これらの信号入出力端子68に接続される基板の回路パターンの形成が簡単になり、これによってもレンズユニット10の製造コストを低減できる。
【0055】
(12) 固定部材60に段差部69が形成されているので、リード線が回転体31に接触するのを確実に防止でき、リード線の損傷を防止できる。また、これにより、リード線を固定部材60の回転体31が設けられた側に配置でき、配置構造を簡略化できるとともに、第一実施形態で貫通孔65を設けた場合に較べて、リード線を短くすることができる。
【0056】
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、回転体に接続される外部部材は、駆動軸のように回転運動するものに限らず、例えばラックとピニオンのように、直線運動するものであってもよい。この場合には、歯形状の凹凸が形成された棒状部材を回転体の外周に係合させればよい。このように構成すれば、回転体の回転によって、棒状部材がその軸方向に直線移動するので、回転体の回転運動を直線運動に変換できる。
また、回転体は、外周に歯車が形成されているものに限らず、例えば回転体の外周にベルトを当接して、回転体とベルトとの摩擦力によってベルトを移動させて回転運動を伝達してもよい。
さらに、回転体は外周側で外部部材に接続されているものに限らず、例えば回転体の内周面に歯車を形成し、遊星歯車を係合させて回転体内周面において回転運動を伝達するものであってもよい。
【0057】
回転体は、保持部材および固定部材に挟持されることによって摺動可能かつ回転可能に支持されていたが、これに限らず、例えば回転体を保持部材の支持軸にベアリングなどを介して接続させれば、回転体と保持部材との摩耗をより一層低減できる。
また、回転体は支持軸によって回転中心で支持されていたが、これに限らず例えば回転体の外周に摺動可能なガイド部や回転可能なローラなどを設けることによって、回転体を外周から回転可能に支持してもよい。
要するに、回転体はその回転運動を被駆動体(外部部材)に伝達できるものであれば、構成は任意である。
【0058】
固定部材が金属製で構成されている場合には、外部装置に対する位置決め部材を固定部材と一体的に形成してもよい。このような構成によれば、位置決め部材が金属製なので、高剛性かつ高精度に構成でき、良好な位置決め精度を確保できる。また、固定部材と位置決め部材を一つの部品として扱うことができるので、圧電アクチュエータ装置の部品点数が減少し、製造コストを削減できる。
【0059】
保持部材は、支持軸を一体的に備えていたが、これに限らず支持軸が別体で構成されていてもよい。支持軸は回転体を軸支するため、高剛性の材料や低摩擦係数の材料で構成されることが望ましく、これらの材料は一般的にコスト高になる。ところが、支持軸を別体で構成する場合には、支持軸のみを高剛性や低摩擦係数の材料などで構成すればよく、回転体と摺動する必要最小限部分のみを所望の材料で構成できる。したがって、保持部材全体の材料費を削減でき、製造コストを低減できる。また、支持軸にコーティングなどの処理を施す場合にも、支持軸が保持部材と別体となっているので、必要最小限部分のみに処理を施すことができ、処理工程を簡略化でき、処理コストを低減できる。
【0060】
固定部材の段差の形状は、扇状に拡開しているものに限らず、例えば信号線(リード線)と同数(複数)の溝状の段差を形成し、これらの溝にそれぞれのリード線を配置してもよい。また、固定部材の貫通孔も、リード線(信号線)と同数設けられていてもよい。
同様に、保持部材や台座にもリード線と同数(複数)の貫通孔が設けられていてもよい。
位置決め部材は、金属製に限らず、例えばセラミックスやその他任意の高剛性の材料を採用できる。位置決め部材の形状は、凹部を有する円盤状に限らず、略矩形状のものや、円柱状のものなど、任意に設定してよく、また外部装置に対して凸状に形成されているものに限らず、外部装置に対して凹状に形成されたものであってもよい。この場合には、外部装置に凹状の位置決め部材と係合する凸状部を形成し、この凸状部を位置決め部材に挿通することで圧電アクチュエータ装置を外部装置に対して位置決めすればよい。そして、位置決め部材の配置は、回転体の回転中心に限らず、例えば固定部材において回転体の回転中心から所定距離離れた位置に対応した円周上であってもよい。この場合には、円周上に等間隔に複数のピンなどを設け、これらのピンを外部装置に対して係合させることで位置決めすればよい。
【0061】
蓋部材は、必ずしも設けられていなくてもよく、この場合でも本発明の目的を達成できる。
基板は、固定部材および保持部材を備えていなくてもよく、例えばブロック状の基板に一体的に支持軸を形成し、この支持軸に回転体を軸支する、または基板を樹脂などで形成された回路基板で構成するなど、任意の構成を採用できる。
また、回転体の一部が固定部材から突出するように配置されていたが、これに限らず回転体の全部が突出していてもよく、つまり例えば固定部材を円盤状に形成し、この外周にベアリングなどを介して回転体を回転自在に設けてもよい。この場合には回転体の外周全周が露出するので、外部部材の配置の自由度を向上させることができる。または、回転体の外周全部が固定部材から突出しないように配置されていてもよい。つまり、例えば固定部材を回転体の直径よりも大きい径の円盤状に形成して、回転体の外周全周を平面視で覆うように配置してもよい。この場合には、回転体の片面を固定部材で保護できるので、回転体への外乱をより一層防止できる。
【0062】
振動体の構成は任意である。例えば、振動体は、縦振動および屈曲振動を組み合わせた楕円軌道を描くものに限らず、縦振動のみ、屈曲振動のみで回転体を回転駆動するものであってもよい。また、振動体の配置は、長手方向の中心線が回転体内周の中心線を通るものに限らず、回転体内周の中心線に対して所定の角度を有して配置されるものであってもよい。また、振動体は、補強板の両面に圧電素子が設けられたものに限らず、圧電素子が補強板の片面のみに設けられていてもよい。
振動体の突起部は、振動体の長手方向一端に短手方向略中央に設けられているものに限らず、短手方向端部に長手方向に突出して形成されているものや、長辺と短辺の交点である角部に対角線方向に突出して形成されているものであってもよい。また、突起部は短辺に限らず、長辺に形成されていてもよい。さらに、突起部は、補強板と一体的に形成されているものに限らず、補強板と別部材で構成されていてもよい。
振動体の腕部は、振動体の長手方向略中央を両側から支持するものであったが、これに限らず、片側から支持してもよい。
【0063】
圧電アクチュエータ装置は、レンズユニットに限らず、例えばチューブを順次しごくことによってチューブ内部の液体を吐出させる液体吐出装置や、輪列の回転運動によって指針を運針する時計、玩具の車など、様々な機器に適用できる。これらのような機器に適用する場合でも、圧電アクチュエータ装置がユニットとして構成されているので、回転体をそれぞれの機器の被駆動体に接続すれば、簡単に駆動機構を構成することができる。
【0064】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0065】
【発明の効果】
このような本発明によれば、圧電アクチュエータ装置が、圧電素子を備えた振動体と、振動体によって回転駆動される回転体とを備えているので、圧電アクチュエータ装置をユニットとして構成でき、適用する機器に応じて設計する必要がなく、汎用性を向上させることができ、大量生産することができるので、製造コストを低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかるレンズユニットを示す側断面図。
【図2】第一実施形態にかかるレンズユニットの圧電アクチュエータ装置を示す平面図。
【図3】図2のIII−III断面図。
【図4】図2のIV−IV断面図。
【図5】第一実施形態にかかる圧電アクチュエータ装置を示す底面図。
【図6】第二実施形態にかかる圧電アクチュエータ装置を示す平面図。
【図7】第二実施形態にかかる圧電アクチュエータ装置を示す側断面図。
【符号の説明】
10…レンズユニット(機器、外部装置)、23…駆動軸(外部部材)、30…圧電アクチュエータ装置、31…回転体、40…振動体、41…補強板、42…圧電素子、43…突起部、45F,54,65…貫通孔、50…保持部材、51…支持軸部(支持軸)、60…固定部材、62…取付孔、63…直線部、64…位置決め部材、68…信号入出力端子、69…段差部(段差)、70…蓋部材、311…歯車、601…外部接続用基板。

Claims (15)

  1. 基板と、この基板に回転自在に支持される環状の回転体と、前記基板に保持されるとともに、圧電素子の振動によって前記回転体を回転駆動する振動体とを備え、前記振動体は、板状の圧電素子、この圧電素子に接合される板状の補強板、およびこの補強板の平面方向に突出する突起部を有し、この突起部は、前記回転体の内周面に当接されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータ装置において、前記振動体は、平面略矩形状に形成され、その長手方向中心線が前記回転体の回転中心線を通る位置に配置されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  3. 請求項2に記載の圧電アクチュエータ装置において、前記突起部は、前記振動体の長手方向一端に、短手方向略中央から長手方向へ突出して形成され、前記回転体内周面に対し、その内周面の接線に垂直な方向から当接されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記基板は、当該圧電アクチュエータ装置が取り付けられる外部装置への固定部材を備え、この固定部材は、前記外部装置との信号入出力端子を有して構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  5. 請求項4に記載の圧電アクチュエータ装置において、前記固定部材には、前記外部装置に対する位置決めを行う位置決め部材が取り付けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記基板は、当該圧電アクチュエータ装置が取り付けられる外部装置への固定部材を備え、この固定部材は、金属で構成されるとともに、前記外部装置に対する位置決めを行う位置決め部材を一体的に備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  7. 請求項6に記載の圧電アクチュエータ装置において、前記固定部材には、当該固定部材と絶縁されるとともに、前記外部装置との信号入出力端子を有する外部接続用基板が取り付けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  8. 請求項4から請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記固定部材は、略板状に形成されるとともに、その一方の面に前記回転体が配置され、前記固定部材には、前記回転体が配置された一方の面に形成された段差、または他方の面側に貫通する貫通孔が設けられ、前記圧電素子に接続される信号線は、前記段差または前記貫通孔を通して配置されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  9. 請求項4から請求項8のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記回転体の外周の一部は、前記固定部材に対して半径方向に突出し、当該突出部分で外部部材と接続可能に構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記基板は、前記振動体を保持する保持部材を備え、この保持部材には、前記回転体をその回転中心で軸支する支持軸が一体的に形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記基板は、前記振動体を保持する保持部材を備え、この保持部材には、前記圧電素子に接続される信号線が配置される貫通孔が形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  12. 請求項4から請求項11のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記基板は、当該圧電アクチュエータ装置が取り付けられる外部装置への固定部材と、前記振動体を保持する保持部材とを備え、前記回転体は、前記固定部材と前記保持部材とによって回転軸方向に挟持されていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記回転体の外周には、外部部材と接続するための歯車が設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置において、前記回転体の開口部を覆う蓋部材を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ装置。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の圧電アクチュエータ装置を備えたことを特徴とする機器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007185049A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Canon Inc 振動子及び振動波駆動装置

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