JP2004296034A - 光ピックアップ装置及び補正光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的低コストで、コンパクトな構成ながら、集光スポットの収差特性を良好に補正できる光ピックアップ装置及び補正光学素子を提供する。
【解決手段】第1の光ディスク110に対して情報の記録又は再生を行っている際に、光検出器113から検出信号を受けた制御部CTは、それに基づき情報記録面のスポットの波面収差が劣化していると判断した場合には、加熱部兼冷却部HC1〜HC4を駆動して、コリメータ104に温度変化を与え、屈折率変化を生じさせる。それにより対物レンズ109により情報記録面に集光される集光スポットの波面収差が変化し、それを受光した光検出器113より新たな検出信号が出力されるので、制御部CTは、最適な波面収差となるように、加熱部兼冷却部HC1〜HC4をフィードバック制御できる。
【選択図】 図2
【解決手段】第1の光ディスク110に対して情報の記録又は再生を行っている際に、光検出器113から検出信号を受けた制御部CTは、それに基づき情報記録面のスポットの波面収差が劣化していると判断した場合には、加熱部兼冷却部HC1〜HC4を駆動して、コリメータ104に温度変化を与え、屈折率変化を生じさせる。それにより対物レンズ109により情報記録面に集光される集光スポットの波面収差が変化し、それを受光した光検出器113より新たな検出信号が出力されるので、制御部CTは、最適な波面収差となるように、加熱部兼冷却部HC1〜HC4をフィードバック制御できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置及びそれに用いられる補正光学素子に関し、特に、集光スポットの波面収差を良好に補正できる光ピックアップ装置及びそれに用いられる対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
光情報記録媒体の情報記録面に情報を記録及び/又は再生する光ピックアップ装置において、情報記録面に集光スポットを形成する一般的な対物レンズには、プラスチックを素材としたものと、ガラスを素材としたものとがある。ガラス製の対物レンズは、一般的には環境変化に対する特性変化が少ないという特徴がある一方、加工が困難であり大量生産に向いていないという問題を有している。これに対し、プラスチック製の対物レンズは、一般的には射出成形により安価で大量に製造できるという特徴がある一方、温度変化に対する屈折率変化が大きく、集光スポットの波面収差が劣化しやすいという問題がある。
【0003】
特に近年においては、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録/再生を行える高密度光情報記録/再生システムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光情報記録媒体では、1面あたり20〜30GBの情報の記録が可能である。
【0004】
このような光情報記録媒体においては、従来のDVD等の仕様と比較しNAを大幅に増大することで、高密度な情報の記録及び/又は再生を実現しようとしているが、それにより対物レンズに要求される光学特性がますます厳しくなっているという実情がある。これに対し、対物レンズ以外の光学素子を光軸方向に移動させることで、樹脂製の対物レンズを用いた場合における屈折率変化に起因する集光スポットの収差を良好にできる技術が開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−197712号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に技術によれば、光学素子を軸線方向に移動させるためのスペースが必要となり、光ピックアップ装置の構成が大型化する。又、光学素子を移動させるための駆動装置も必要となり、コスト高を招く。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、比較的低コストで、コンパクトな構成ながら、集光スポットの収差特性を良好に補正できる光ピックアップ装置及び補正光学素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、光源と、対物光学素子を含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置であって、前記対物光学素子と前記光源との間に配置され、樹脂材料から形成された補正光学素子と、前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光される集光スポットの波面収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御する温度制御装置と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、樹脂材料からなる補正光学素子における収差特性が、温度変化により大きく変化することを積極的に利用し、例えば前記対物光学素子において温度変化に応じた屈折率変化が生じた場合、これをうち消すように前記補正光学素子に温度変化を与えることで、最終的に集光スポットの波面収差を良好とするものである。具体例としては、前記対物レンズの温度が何度になったら、どのくらいの屈折率変化が生じるか予め調べておき、温度センサで前記対物レンズの温度を測定しつつ、測定温度を集光スポットの波面収差の代用値としてそれに応じて、前記補正光学素子の温度制御を行うことができるが、それ得に限られない。
【0009】
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、光源と、対物光学素子を含む集光光学系と、光検出器とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置であって、前記対物光学素子と前記光源との間に配置され、樹脂材料から形成された補正光学素子と、前記光検出器からの信号に基づいて、前記補正光学素子の温度を制御する温度制御装置と、を有することを特徴とするので、前記光検出器からの信号を解析しながら、最適な集光スポットを形成できるように前記補正光学素子の温度制御をフィードバック制御により行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記集光スポットの球面収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、請求項3に記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記補正光学素子に、光軸に対して回転対称な温度分布を与えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記集光スポットの非点収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、請求項5に記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記補正光学素子に、光軸に対して回転非対称な温度分布を与えることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、前記補正光学素子はコリメータであることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、前記対物光学素子は樹脂材料から形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の補正光学素子は、請求項1乃至8のいずれかに記載の光ピックアップ装置に用いられることを特徴とする。
【0017】
本明細書中において、対物光学素子とは、狭義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置される集光作用を有する光学素子(例えばレンズ)を指し、広義にはその光学素子と共に、アクチュエータによって少なくともその光軸方向に作動可能な光学素子を指すものとする。従って、本明細書中において、光学素子の光情報記録媒体側(像側)の開口数NAとは、光学素子の最も光情報記録媒体側に位置する面の開口数NAを指すものである。また、本明細書中では必要開口数NAは、それぞれの光情報記録媒体の規格で規定されている開口数、あるいはそれぞれの光情報記録媒体に対して、使用する光源の波長に応じ、情報の記録または再生をするために必要なスポット径を得ることができる回折限界性能の対物光学素子の開口数を示すものとする。
【0018】
本明細書中において、光情報記録媒体とは、青紫色レーザを用いる高密度DVD系の光ディスク、再生専用に用いるDVD−ROM,DVD−Videoの他、再生/記録を兼ねるDVD−RAM,DVD−R,DVD−RW等の各種DVD系の光ディスク、CD−R,CD−RW等のCD系の光ディスクをいう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。図1は、高密度DVD(第1の光ディスクともいう)、従来のDVD(第2の光ディスクともいう)及びCD(第3の光ディスクともいう)の全てに対して情報の記録/再生を行える、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【0020】
図1において、第1光源としての第1半導体レーザ101(波長λ1=380nm〜450nm)から出射された光束は、ビームシェイパー102でビーム形状を補正され、第1ビームスプリッタ103を通過し、コリメータ104で平行光束とされた後、第2ビームスプリッタ105を通過して、光学素子106,107とを有するビームエキスパンダに入射する。少なくとも一方(好ましくは光学素子106)が光軸方向に可動のビームエキスパンダ(106,107)は、平行光束の光束径を変更(ここでは拡大)する機能を有する。更に、ビームエキスパンダの他方の光学素子107の光学面には回折構造(回折輪帯)が形成されており、これにより第1半導体レーザ101から出射された光束について色収差補正を行うようになっている。色収差補正用の回折構造は、光学素子107のみならず、他の光学素子(コリメータ104)等に設けても良い。
【0021】
例えば高密度DVDが情報記録面を2層に有しているタイプの場合、光学素子106を光軸方向に移動させることで、情報記録面の選択を行うことができる。ビームエキスパンダ(106,107)は、後述する第2半導体レーザ201,第3半導体レーザ301からの光束が通過する共通の光路内に配置されている。
【0022】
図1において、ビームエキスパンダ(106,107)を透過した光束は、絞り108を通過し、屈折面のみからなる対物光学素子である対物レンズ109により、第1の光ディスク110の保護層(厚さt1=0.1〜0.7mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。尚、対物レンズ109は、安価なプラスチック素材を用いることができる。
【0023】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ109、絞り108、ビームエキスパンダ(107,106)を透過して、第2ビームスプリッタ105で反射され、シリンドリカルレンズ111で非点収差が与えられ、センサレンズ112を透過し、光検出器113の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第1の光ディスク110に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0024】
また、光検出器113上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ120が第1半導体レーザ101からの光束を第1の光ディスク110の情報記録面上に結像するように対物レンズ109を一体で移動させるようになっている。
【0025】
更に、図1において、第2半導体レーザ201と第3半導体レーザ301は、同一基板に取り付けられ、いわゆる2レーザ1パッケージと呼ばれる単一ユニットとされている。第2光源としての第2半導体レーザ201(波長λ2=600nm〜700nm)から出射された光束は、1/4波長板202を通過し、第3ビームスプリッタ203を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、コリメータ104で光束径を絞られつつ平行光束となり、第2ビームスプリッタ105を通過して、ビームエキスパンダ(106,107)に入射し、ここで弱い発散角を有する有限発散光束に変換される。尚、開口制限素子としてのコリメータ104には、ダイクロイックコートが付与されており、波長に応じて光束の通過領域を制限することで、例えば第1半導体レーザ101からの光束については、対物レンズ109の開口数NA=0.65を実現し、第2半導体レーザ201からの光束については、対物レンズ109の開口数NA=0.65を実現し、第3半導体レーザ301からの光束については、対物レンズ109の開口数NA=0.45を実現するようになっている。ただし、開口数の組み合わせはこれに限られない。
【0026】
図1において、ビームエキスパンダ(106,107)を透過した光束は、弱い発散角を有する有限発散状態で絞り108を通過し、屈折面のみからなる対物レンズ109により、第2の光ディスク110’の保護層(厚さt2=0.5〜0.7mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。
【0027】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ109、絞り 08、ビームエキスパンダ(107,106)、第2ビームスプリッタ105、コリメータ104を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、続いて第3ビームスプリッタ203で反射され、その後シリンドリカルレンズ204で非点収差が与えられ、センサレンズ205を透過し、光検出器206の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第2の光ディスク110’に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0028】
また、光検出器113上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ120が第2半導体レーザ201からの光束を第2の光ディスク110’の情報記録面上に結像するように対物レンズ109を一体で移動させるようになっている。
【0029】
更に、図1において、第3光源としての第3半導体レーザ301(波長λ3=770nm〜830nm)から出射された光束は、1/4波長板202を通過し、第3ビームスプリッタ203を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、コリメータ104で光束径を絞られつつ平行光束となり、第2ビームスプリッタ105を通過して、ビームエキスパンダ(106,107)に入射し、ここで第2半導体レーザ201の光束の場合より強い(大きい)発散角を有する有限発散光束に変換される。
【0030】
図1において、ビームエキスパンダ(106,107)を透過した光束は、強い発散角を有する有限発散状態で絞り108を通過し、屈折面のみからなる対物レンズ109により、第3の光ディスク110”の保護層(厚さt3=1.1〜1.3mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。
【0031】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ109、絞り108、ビームエキスパンダ(107,106)、第2ビームスプリッタ105、コリメータ104を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、続いて第3ビームスプリッタ203で反射され、その後シリンドリカルレンズ204で非点収差が与えられ、センサレンズ205を透過し、光検出器206の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第3の光ディスク110”に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0032】
また、光検出器113上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ120が第2半導体レーザ201からの光束を第3の光ディスク110”の情報記録面上に結像するように対物レンズ109を一体で移動させるようになっている。
【0033】
図2は、本実施の形態における温度制御装置の概略構成図である。図2において、本発明の補正光学素子である樹脂材料からなるコリメータ104の周囲を、4分割された加熱部兼冷却部HC1〜HC4が取り巻いている。加熱部兼冷却部HC1〜HC4は、制御部CTから個々に駆動され加熱もしくは冷却を実行するようになっており、例えば直流電源を与えることで加熱又は冷却を行えるペルチェ素子などを用いることができる。制御部CTは、光検出器113,206より検出信号を受信し、それに応じて加熱部兼冷却部HC1〜HC4を駆動することができる。加熱部兼冷却部HC1〜HC4と制御部CTとで温度制御装置を構成する。
【0034】
温度制御の態様を以下に説明する。例えば第1の光ディスク110に対して情報の記録又は再生を行っている際に、光検出器113から検出信号を受けた制御部CTは、それに基づき情報記録面のスポットの波面収差を求め、閾値と比較して劣化していると判断した場合には、加熱部兼冷却部HC1〜HC4を駆動して、コリメータ104に温度変化を与え、屈折率変化を生じさせる。それにより対物レンズ109により情報記録面に集光される集光スポットの波面収差が変化し、それを受光した光検出器113より新たな検出信号が出力されるので、制御部CTは、最適な波面収差となるように、加熱部兼冷却部HC1〜HC4をフィードバック制御できる。このとき、加熱部兼冷却部HC1〜HC4全体を加熱もしくは冷却すれば、コリメータ104は光軸に対して回転対称的に加熱又は冷却されるので、集光スポットの球面収差を良好に補正できる。一方、加熱部兼冷却部HC1、HC3を加熱(又は冷却)し、加熱部兼冷却部HC2、HC4を冷却(又は加熱)した場合、コリメータ104は光軸に対して回転非対称的に加熱又は冷却されるので、集光スポットの非点収差を良好に補正できる。尚、第1の光ディスクのみでなく、第2、第3の光ディスクにおいても、同様にコリメータに温度変化を与えることで集光スポットの波面収差を良好なものにできる。
【0035】
図3は、高密度DVD(第1の光ディスクともいう)、従来のDVD(第2の光ディスクともいう)に対して情報の記録/再生を行える、第2の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【0036】
図3において、第1光源としての第1半導体レーザ401(波長λ1=380nm〜450nm)から出射された光束は、1/4波長板402を通過し、第1ビームスプリッタ403及び第2ビームスプリッタ404を通過し、コリメータ405で平行光束とされた後、絞り406を通過し、屈折面のみからなる対物光学素子である対物レンズ407により、第1の光ディスク408の保護層(厚さt1=0.1〜0.7mm、好ましくは0.1mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。尚、対物レンズ407は、安価なプラスチック素材を用いることができる。
【0037】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ407、絞り406を透過して、第2ビームスプリッタ404で反射され、シリンドリカルレンズ409で非点収差が与えられ、センサレンズ410を透過し、光検出器411の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第1の光ディスク408に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0038】
また、光検出器411上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ(不図示)が第1半導体レーザ401からの光束を第1の光ディスク408の情報記録面上に結像するように対物レンズ407を一体で移動させるようになっている。
【0039】
更に、図3において、第2光源としての第2半導体レーザ501(波長λ2=600nm〜700nm)から出射された光束は、1/4波長板502を通過し、第1ビームスプリッタ403及び第2ビームスプリッタ404を通過し、コリメータ405で平行光束とされた後、絞り406を通過し、屈折面のみからなる対物光学素子である対物レンズ407により、第2の光ディスク408’の保護層(厚さt2=0.5〜0.7mm、好ましくは0.6mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。
【0040】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ407、絞り406を透過して、第2ビームスプリッタ404で反射され、シリンドリカルレンズ409で非点収差が与えられ、センサレンズ410を透過し、光検出器411の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第2の光ディスク408’に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0041】
また、光検出器411上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ(不図示)が第2半導体レーザ501からの光束を第2の光ディスク408’の情報記録面上に結像するように対物レンズ407を一体で移動させるようになっている。
【0042】
本実施の形態においても、コリメータ405の周囲には、図2に示すような加熱部兼冷却部HCが設けられているので、光ディスク408,408’に対して情報の記録又は再生を行っている際に、光検出器411から検出信号を受けた制御部CTは、それに基づき情報記録面のスポットの波面収差を求め、閾値と比較して劣化していると判断した場合には、加熱部兼冷却部HCを駆動して、コリメータ104に温度変化を与え、屈折率変化を生じさせる。それにより対物レンズ407により情報記録面に集光される集光スポットの波面収差が変化し、それを受光した光検出器411より新たな検出信号が出力されるので、制御部CTは、最適な波面収差となるように、加熱部兼冷却部HCをフィードバック制御できる。
【0043】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的低コストで、コンパクトな構成ながら、集光スポットの収差特性を良好に補正できる光ピックアップ装置及び補正光学素子を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【図2】本実施の形態における温度制御装置の概略構成図である。
【図3】第2の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【符号の説明】
101、401 第1半導体レーザ
106,107 ビームエキスパンダ
109、407 対物レンズ
201、501 第2半導体レーザ
301 第3半導体レーザ
HC1〜HC4 加熱部兼冷却部
CT 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置及びそれに用いられる補正光学素子に関し、特に、集光スポットの波面収差を良好に補正できる光ピックアップ装置及びそれに用いられる対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
光情報記録媒体の情報記録面に情報を記録及び/又は再生する光ピックアップ装置において、情報記録面に集光スポットを形成する一般的な対物レンズには、プラスチックを素材としたものと、ガラスを素材としたものとがある。ガラス製の対物レンズは、一般的には環境変化に対する特性変化が少ないという特徴がある一方、加工が困難であり大量生産に向いていないという問題を有している。これに対し、プラスチック製の対物レンズは、一般的には射出成形により安価で大量に製造できるという特徴がある一方、温度変化に対する屈折率変化が大きく、集光スポットの波面収差が劣化しやすいという問題がある。
【0003】
特に近年においては、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録/再生を行える高密度光情報記録/再生システムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光情報記録媒体では、1面あたり20〜30GBの情報の記録が可能である。
【0004】
このような光情報記録媒体においては、従来のDVD等の仕様と比較しNAを大幅に増大することで、高密度な情報の記録及び/又は再生を実現しようとしているが、それにより対物レンズに要求される光学特性がますます厳しくなっているという実情がある。これに対し、対物レンズ以外の光学素子を光軸方向に移動させることで、樹脂製の対物レンズを用いた場合における屈折率変化に起因する集光スポットの収差を良好にできる技術が開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−197712号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に技術によれば、光学素子を軸線方向に移動させるためのスペースが必要となり、光ピックアップ装置の構成が大型化する。又、光学素子を移動させるための駆動装置も必要となり、コスト高を招く。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、比較的低コストで、コンパクトな構成ながら、集光スポットの収差特性を良好に補正できる光ピックアップ装置及び補正光学素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、光源と、対物光学素子を含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置であって、前記対物光学素子と前記光源との間に配置され、樹脂材料から形成された補正光学素子と、前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光される集光スポットの波面収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御する温度制御装置と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、樹脂材料からなる補正光学素子における収差特性が、温度変化により大きく変化することを積極的に利用し、例えば前記対物光学素子において温度変化に応じた屈折率変化が生じた場合、これをうち消すように前記補正光学素子に温度変化を与えることで、最終的に集光スポットの波面収差を良好とするものである。具体例としては、前記対物レンズの温度が何度になったら、どのくらいの屈折率変化が生じるか予め調べておき、温度センサで前記対物レンズの温度を測定しつつ、測定温度を集光スポットの波面収差の代用値としてそれに応じて、前記補正光学素子の温度制御を行うことができるが、それ得に限られない。
【0009】
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、光源と、対物光学素子を含む集光光学系と、光検出器とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置であって、前記対物光学素子と前記光源との間に配置され、樹脂材料から形成された補正光学素子と、前記光検出器からの信号に基づいて、前記補正光学素子の温度を制御する温度制御装置と、を有することを特徴とするので、前記光検出器からの信号を解析しながら、最適な集光スポットを形成できるように前記補正光学素子の温度制御をフィードバック制御により行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記集光スポットの球面収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、請求項3に記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記補正光学素子に、光軸に対して回転対称な温度分布を与えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記集光スポットの非点収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、請求項5に記載の光ピックアップ装置において、前記温度制御装置は、前記補正光学素子に、光軸に対して回転非対称な温度分布を与えることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、前記補正光学素子はコリメータであることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、前記対物光学素子は樹脂材料から形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の補正光学素子は、請求項1乃至8のいずれかに記載の光ピックアップ装置に用いられることを特徴とする。
【0017】
本明細書中において、対物光学素子とは、狭義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置される集光作用を有する光学素子(例えばレンズ)を指し、広義にはその光学素子と共に、アクチュエータによって少なくともその光軸方向に作動可能な光学素子を指すものとする。従って、本明細書中において、光学素子の光情報記録媒体側(像側)の開口数NAとは、光学素子の最も光情報記録媒体側に位置する面の開口数NAを指すものである。また、本明細書中では必要開口数NAは、それぞれの光情報記録媒体の規格で規定されている開口数、あるいはそれぞれの光情報記録媒体に対して、使用する光源の波長に応じ、情報の記録または再生をするために必要なスポット径を得ることができる回折限界性能の対物光学素子の開口数を示すものとする。
【0018】
本明細書中において、光情報記録媒体とは、青紫色レーザを用いる高密度DVD系の光ディスク、再生専用に用いるDVD−ROM,DVD−Videoの他、再生/記録を兼ねるDVD−RAM,DVD−R,DVD−RW等の各種DVD系の光ディスク、CD−R,CD−RW等のCD系の光ディスクをいう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。図1は、高密度DVD(第1の光ディスクともいう)、従来のDVD(第2の光ディスクともいう)及びCD(第3の光ディスクともいう)の全てに対して情報の記録/再生を行える、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【0020】
図1において、第1光源としての第1半導体レーザ101(波長λ1=380nm〜450nm)から出射された光束は、ビームシェイパー102でビーム形状を補正され、第1ビームスプリッタ103を通過し、コリメータ104で平行光束とされた後、第2ビームスプリッタ105を通過して、光学素子106,107とを有するビームエキスパンダに入射する。少なくとも一方(好ましくは光学素子106)が光軸方向に可動のビームエキスパンダ(106,107)は、平行光束の光束径を変更(ここでは拡大)する機能を有する。更に、ビームエキスパンダの他方の光学素子107の光学面には回折構造(回折輪帯)が形成されており、これにより第1半導体レーザ101から出射された光束について色収差補正を行うようになっている。色収差補正用の回折構造は、光学素子107のみならず、他の光学素子(コリメータ104)等に設けても良い。
【0021】
例えば高密度DVDが情報記録面を2層に有しているタイプの場合、光学素子106を光軸方向に移動させることで、情報記録面の選択を行うことができる。ビームエキスパンダ(106,107)は、後述する第2半導体レーザ201,第3半導体レーザ301からの光束が通過する共通の光路内に配置されている。
【0022】
図1において、ビームエキスパンダ(106,107)を透過した光束は、絞り108を通過し、屈折面のみからなる対物光学素子である対物レンズ109により、第1の光ディスク110の保護層(厚さt1=0.1〜0.7mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。尚、対物レンズ109は、安価なプラスチック素材を用いることができる。
【0023】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ109、絞り108、ビームエキスパンダ(107,106)を透過して、第2ビームスプリッタ105で反射され、シリンドリカルレンズ111で非点収差が与えられ、センサレンズ112を透過し、光検出器113の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第1の光ディスク110に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0024】
また、光検出器113上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ120が第1半導体レーザ101からの光束を第1の光ディスク110の情報記録面上に結像するように対物レンズ109を一体で移動させるようになっている。
【0025】
更に、図1において、第2半導体レーザ201と第3半導体レーザ301は、同一基板に取り付けられ、いわゆる2レーザ1パッケージと呼ばれる単一ユニットとされている。第2光源としての第2半導体レーザ201(波長λ2=600nm〜700nm)から出射された光束は、1/4波長板202を通過し、第3ビームスプリッタ203を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、コリメータ104で光束径を絞られつつ平行光束となり、第2ビームスプリッタ105を通過して、ビームエキスパンダ(106,107)に入射し、ここで弱い発散角を有する有限発散光束に変換される。尚、開口制限素子としてのコリメータ104には、ダイクロイックコートが付与されており、波長に応じて光束の通過領域を制限することで、例えば第1半導体レーザ101からの光束については、対物レンズ109の開口数NA=0.65を実現し、第2半導体レーザ201からの光束については、対物レンズ109の開口数NA=0.65を実現し、第3半導体レーザ301からの光束については、対物レンズ109の開口数NA=0.45を実現するようになっている。ただし、開口数の組み合わせはこれに限られない。
【0026】
図1において、ビームエキスパンダ(106,107)を透過した光束は、弱い発散角を有する有限発散状態で絞り108を通過し、屈折面のみからなる対物レンズ109により、第2の光ディスク110’の保護層(厚さt2=0.5〜0.7mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。
【0027】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ109、絞り 08、ビームエキスパンダ(107,106)、第2ビームスプリッタ105、コリメータ104を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、続いて第3ビームスプリッタ203で反射され、その後シリンドリカルレンズ204で非点収差が与えられ、センサレンズ205を透過し、光検出器206の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第2の光ディスク110’に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0028】
また、光検出器113上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ120が第2半導体レーザ201からの光束を第2の光ディスク110’の情報記録面上に結像するように対物レンズ109を一体で移動させるようになっている。
【0029】
更に、図1において、第3光源としての第3半導体レーザ301(波長λ3=770nm〜830nm)から出射された光束は、1/4波長板202を通過し、第3ビームスプリッタ203を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、コリメータ104で光束径を絞られつつ平行光束となり、第2ビームスプリッタ105を通過して、ビームエキスパンダ(106,107)に入射し、ここで第2半導体レーザ201の光束の場合より強い(大きい)発散角を有する有限発散光束に変換される。
【0030】
図1において、ビームエキスパンダ(106,107)を透過した光束は、強い発散角を有する有限発散状態で絞り108を通過し、屈折面のみからなる対物レンズ109により、第3の光ディスク110”の保護層(厚さt3=1.1〜1.3mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。
【0031】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ109、絞り108、ビームエキスパンダ(107,106)、第2ビームスプリッタ105、コリメータ104を通過し、第1ビームスプリッタ103で反射され、続いて第3ビームスプリッタ203で反射され、その後シリンドリカルレンズ204で非点収差が与えられ、センサレンズ205を透過し、光検出器206の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第3の光ディスク110”に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0032】
また、光検出器113上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ120が第2半導体レーザ201からの光束を第3の光ディスク110”の情報記録面上に結像するように対物レンズ109を一体で移動させるようになっている。
【0033】
図2は、本実施の形態における温度制御装置の概略構成図である。図2において、本発明の補正光学素子である樹脂材料からなるコリメータ104の周囲を、4分割された加熱部兼冷却部HC1〜HC4が取り巻いている。加熱部兼冷却部HC1〜HC4は、制御部CTから個々に駆動され加熱もしくは冷却を実行するようになっており、例えば直流電源を与えることで加熱又は冷却を行えるペルチェ素子などを用いることができる。制御部CTは、光検出器113,206より検出信号を受信し、それに応じて加熱部兼冷却部HC1〜HC4を駆動することができる。加熱部兼冷却部HC1〜HC4と制御部CTとで温度制御装置を構成する。
【0034】
温度制御の態様を以下に説明する。例えば第1の光ディスク110に対して情報の記録又は再生を行っている際に、光検出器113から検出信号を受けた制御部CTは、それに基づき情報記録面のスポットの波面収差を求め、閾値と比較して劣化していると判断した場合には、加熱部兼冷却部HC1〜HC4を駆動して、コリメータ104に温度変化を与え、屈折率変化を生じさせる。それにより対物レンズ109により情報記録面に集光される集光スポットの波面収差が変化し、それを受光した光検出器113より新たな検出信号が出力されるので、制御部CTは、最適な波面収差となるように、加熱部兼冷却部HC1〜HC4をフィードバック制御できる。このとき、加熱部兼冷却部HC1〜HC4全体を加熱もしくは冷却すれば、コリメータ104は光軸に対して回転対称的に加熱又は冷却されるので、集光スポットの球面収差を良好に補正できる。一方、加熱部兼冷却部HC1、HC3を加熱(又は冷却)し、加熱部兼冷却部HC2、HC4を冷却(又は加熱)した場合、コリメータ104は光軸に対して回転非対称的に加熱又は冷却されるので、集光スポットの非点収差を良好に補正できる。尚、第1の光ディスクのみでなく、第2、第3の光ディスクにおいても、同様にコリメータに温度変化を与えることで集光スポットの波面収差を良好なものにできる。
【0035】
図3は、高密度DVD(第1の光ディスクともいう)、従来のDVD(第2の光ディスクともいう)に対して情報の記録/再生を行える、第2の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【0036】
図3において、第1光源としての第1半導体レーザ401(波長λ1=380nm〜450nm)から出射された光束は、1/4波長板402を通過し、第1ビームスプリッタ403及び第2ビームスプリッタ404を通過し、コリメータ405で平行光束とされた後、絞り406を通過し、屈折面のみからなる対物光学素子である対物レンズ407により、第1の光ディスク408の保護層(厚さt1=0.1〜0.7mm、好ましくは0.1mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。尚、対物レンズ407は、安価なプラスチック素材を用いることができる。
【0037】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ407、絞り406を透過して、第2ビームスプリッタ404で反射され、シリンドリカルレンズ409で非点収差が与えられ、センサレンズ410を透過し、光検出器411の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第1の光ディスク408に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0038】
また、光検出器411上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ(不図示)が第1半導体レーザ401からの光束を第1の光ディスク408の情報記録面上に結像するように対物レンズ407を一体で移動させるようになっている。
【0039】
更に、図3において、第2光源としての第2半導体レーザ501(波長λ2=600nm〜700nm)から出射された光束は、1/4波長板502を通過し、第1ビームスプリッタ403及び第2ビームスプリッタ404を通過し、コリメータ405で平行光束とされた後、絞り406を通過し、屈折面のみからなる対物光学素子である対物レンズ407により、第2の光ディスク408’の保護層(厚さt2=0.5〜0.7mm、好ましくは0.6mm)を介してその情報記録面に集光されここに集光スポットを形成する。
【0040】
そして情報記録面で情報ピットにより変調されて反射した光束は、再び対物レンズ407、絞り406を透過して、第2ビームスプリッタ404で反射され、シリンドリカルレンズ409で非点収差が与えられ、センサレンズ410を透過し、光検出器411の受光面に入射するので、その出力信号を用いて、第2の光ディスク408’に情報記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0041】
また、光検出器411上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて2次元アクチュエータ(不図示)が第2半導体レーザ501からの光束を第2の光ディスク408’の情報記録面上に結像するように対物レンズ407を一体で移動させるようになっている。
【0042】
本実施の形態においても、コリメータ405の周囲には、図2に示すような加熱部兼冷却部HCが設けられているので、光ディスク408,408’に対して情報の記録又は再生を行っている際に、光検出器411から検出信号を受けた制御部CTは、それに基づき情報記録面のスポットの波面収差を求め、閾値と比較して劣化していると判断した場合には、加熱部兼冷却部HCを駆動して、コリメータ104に温度変化を与え、屈折率変化を生じさせる。それにより対物レンズ407により情報記録面に集光される集光スポットの波面収差が変化し、それを受光した光検出器411より新たな検出信号が出力されるので、制御部CTは、最適な波面収差となるように、加熱部兼冷却部HCをフィードバック制御できる。
【0043】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的低コストで、コンパクトな構成ながら、集光スポットの収差特性を良好に補正できる光ピックアップ装置及び補正光学素子を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【図2】本実施の形態における温度制御装置の概略構成図である。
【図3】第2の実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略断面図である。
【符号の説明】
101、401 第1半導体レーザ
106,107 ビームエキスパンダ
109、407 対物レンズ
201、501 第2半導体レーザ
301 第3半導体レーザ
HC1〜HC4 加熱部兼冷却部
CT 制御部
Claims (9)
- 光源と、対物光学素子を含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置であって、
前記対物光学素子と前記光源との間に配置され、樹脂材料から形成された補正光学素子と、
前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光される集光スポットの波面収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御する温度制御装置と、を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源と、対物光学素子を含む集光光学系と、光検出器とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置であって、
前記対物光学素子と前記光源との間に配置され、樹脂材料から形成された補正光学素子と、
前記光検出器からの信号に基づいて、前記補正光学素子の温度を制御する温度制御装置と、を有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記温度制御装置は、前記集光スポットの球面収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記温度制御装置は、前記補正光学素子に、光軸に対して回転対称な温度分布を与えることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
- 前記温度制御装置は、前記集光スポットの非点収差に応じて、前記補正光学素子の温度を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記温度制御装置は、前記補正光学素子に、光軸に対して回転非対称な温度分布を与えることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
- 前記補正光学素子はコリメータであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記対物光学素子は樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の光ピックアップ装置に用いられることを特徴とする補正光学素子。
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JP2003089744A JP2004296034A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 光ピックアップ装置及び補正光学素子 |
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Cited By (3)
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JP2008084424A (ja) * | 2006-09-27 | 2008-04-10 | Pentax Corp | 光ピックアップ |
JP2008282494A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Hoya Corp | 光ピックアップ |
JP2011048126A (ja) * | 2009-08-27 | 2011-03-10 | Nikon Corp | 光学装置、投影光学装置、及び露光装置 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003089744A patent/JP2004296034A/ja active Pending
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