JP2004294362A - 回転検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ICチップ10として構成される回転検出装置は、被検出回転体の回転速度に対応する信号を出力するセンサ部と接続されて該信号を2値化する比較器15と、該2値化信号に基づきオン・オフ制御されてスイッチング動作するスイッチング素子16とを備えている。このスイッチング素子16のコレクタ端子は、プルアップ抵抗17を介して電源端子T1と接続されるとともに、コレクタ端子とプルアップ抵抗17との接続点は、出力端子T2に接続されている。このプルアップ抵抗17は、薄膜抵抗として機能する磁気抵抗素子MRE15と拡散抵抗DRとの直列回路からなっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両における車速検出や原動機の回転速度、あるいは回転角度検出、さらには一般機械における各種被検出回転体の回転検出に用いられる回転検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の回転検出装置としては、例えば特許文献1に記載された装置が知られている。図5に、この特許文献1に記載されている回転検出装置の概要を示す。
【0003】
同図5に示すように、この装置は、センサ部およびその処理回路の一部が、1つのICチップ1として集積回路化されて、被検出回転体である磁性体からなるロータRTに対向するように設けられる。そして、この回転検出装置を構成するICチップ1は、樹脂などからなるモールド材2によってモールドされた状態でその電源端子T1、出力端子T2、およびGND(接地)端子T3といった各端子が引き出される構造となっている。これら各端子のうち、上記出力端子T2は、例えば車両の原動機(エンジン)の運転を制御する電子制御装置に接続され、該制御装置に上記ロータRTの回転情報を提供する。
【0004】
一方、このICチップ1内に組み込まれている上記センサ部は同特許文献1にも記載のように、付与される磁気ベクトルの向きにより抵抗値が変化する磁気抵抗素子(MRE)を備えて構成されている。このため、回転検出装置を構成するICチップ1の周囲には上記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与するための円筒状のバイアス磁石MGが配設されている。
【0005】
このような構成により、上記ロータRTの回転に伴ってその突起部がICチップ1内に組み込まれた上記センサ部近傍を通過するたびに、上記バイアス磁石MGから付与されているバイアス磁界の磁気ベクトルが同突起部に引きづられるかたちで変化するようになる。そして、こうした磁気ベクトルの変化が上記磁気抵抗素子を備えるセンサ部を通じて抵抗値の変化として検出され、その対応する電気信号が適宜に増幅されるなどして、上記出力端子T2から出力される。
【0006】
図6は、このような回転検出装置を構成するICチップ1の特に上記センサ部の等価回路を示したものであり、以下、同図6を併せ参照して、上記センサ部の電気的な動作をさらに説明する。
【0007】
同図6に示されるように、上記センサ部は、電気的には磁気抵抗素子MRE1〜MRE4からなるブリッジ回路3として構成されている。このブリッジ回路3の一方端には図示しない定電圧回路から定電圧「+V」が印加され、他方端は接地されている。そして、上述した磁気ベクトル変化に伴う各磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の抵抗値変化は、このブリッジ回路3における各中点電位VaおよびVbの変化として取り出され、これら中点電位VaおよびVbの変化が、差動増幅器4によって差動増幅される。そして通常は、この差動増幅された信号が上記出力端子T2を介して取り出され、これが上記電子制御装置内で比較器を通じて2値化されるなど、適宜に波形成形されることとなる。こうして波形成形された2値化信号(パルス信号)は、その2値化周期(パルス周期)が上記ロータRTの回転速度に対応したものとなる。
【0008】
【特許文献1】
特開平2001−153683号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年は、上記電子制御装置など、回転検出信号を処理する装置の簡素化等の要求から、回転検出装置としても、上記比較器等を含めて、これらを1つのチップ内に集積回路化する傾向が高まりつつある。そしてこの場合には、比較器を通じて2値化された信号を所定の電位に引き上げるべく該2値化信号に基づいてスイッチング動作するスイッチング素子なども、同時に上記チップ内に組み込まれる傾向にある。
【0010】
また一方、こうした回転検出装置が、特に車両に搭載されてその車速や原動機(エンジン)等の回転速度検出に用いられる場合には、上記スイッチング素子を通じて引き上げる所定の電位としても、当該車両の車載バッテリ電圧相当の電位まで引き上げたいとの要求もある。上記2値化された信号をこのような電位まで引き上げることで、ノイズの混入等に対する耐性が高まり、回転検出信号としてのS/N比も自ずと高められるようになる。
【0011】
ただし、上記スイッチング素子まで含めて、その集積回路化を図ろうとすると、同スイッチング素子の出力を上記バッテリ電圧相当の電位まで引き上げるためのプルアップ抵抗の確保が新たな課題となる。すなわち、このようなプルアップ抵抗としては、
(イ)高耐圧であること。そして、
(ロ)当該抵抗としての十分な抵抗値が確保できること。
といった条件を同時に満たす必要があるが、コスト的な制約も含めて、すなわち限られた面積のチップ内に、こうした条件を同時に満たし得るプルアップ抵抗を作り込むことは困難とされていた。
【0012】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、センサ部やその処理回路としての比較器、スイッチング素子等を含めて、1つのチップ内にこれらを集積回路化する場合であれ、高耐圧で且つ十分な抵抗値を有するプルアップ抵抗を的確に確保することのできる回転検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の回転検出装置では、被検出回転体と協働して同回転体の回転態様を検出するセンサ部と、該センサ部から出力される検出信号を所定のしきい値に基づき2値化する比較器と、該2値化された信号を所定の電位に引き上げるべくこの2値化信号に基づいてスイッチング動作するスイッチング素子とが集積回路として1つのチップ内に形成されてなる回転検出装置として、前記集積回路の電源端子と前記スイッチング素子のコレクタ端子との間に、半導体基板の上部に形成された薄膜抵抗と同半導体基板の内部に形成された拡散抵抗との直列回路からなるプルアップ抵抗を設けることとした。
【0014】
ちなみに、上記薄膜抵抗は、それ自体のシート抵抗は低いものの、耐圧は高い。このため、上記プルアップ抵抗をこの薄膜抵抗のみで構成しようとすると、耐圧の面では問題ないものの、同プルアップ抵抗として必要とされる抵抗値を確保するためには、チップ面積の増大が避けられない。一方、上記拡散抵抗は、それ自体のシート抵抗は高いものの耐圧が低い。このため、上記プルアップ抵抗をこの拡散抵抗のみで構成しようとすると、抵抗値の確保という面では問題ないもののブレークダウン(絶縁破壊)が起こり易くなるなど、信頼性の低下が避けられない。
【0015】
この点、上記プルアップ抵抗として、これら薄膜抵抗と拡散抵抗との直列回路を採用する上記構成によれば、それら各抵抗にかかる電圧が分圧されることで、拡散抵抗にかかる電圧をより低く抑えることができるとともに、同拡散抵抗を通じて、当該プルアップ抵抗としての抵抗値を確保することも容易となる。すなわち、それら抵抗材料としての優れた性質についてはこれを最大限に利用しつつ、弱点についてはこれを補い合うといった態様で、上記(イ)および(ロ)の条件を共に満たすことが可能となり、たとえコスト的な要求等によってICチップとしてのチップ面積が限られる場合であれ、高耐圧で且つ十分な抵抗値を有するプルアップ抵抗を的確に確保することができるようになる。
【0016】
また、この場合には特に、請求項2に記載のように、上記プルアップ抵抗を構成する直列回路として、薄膜抵抗についてはこれを集積回路(ICチップ)の電源端子側に、且つ、拡散抵抗についてはこれをスイッチング素子のコレクタ端子側にそれぞれ接続することが、それら抵抗材料としての各々上述した特性を有効利用する上で望ましい。このような構成によれば、上記電源端子に正の高電圧が印加された場合には、それら各抵抗による分圧によって特に上記拡散抵抗での絶縁破壊の発生を抑制することができることはもとより、電源端子に負の大電圧がかかり、上記拡散抵抗から絶縁破壊による大きな電流が電源端子側に流れようとした場合にも、薄膜抵抗が電流制限となるため、プルアップ抵抗としての耐圧性能を好適に維持することができるようになる。
【0017】
また、これらの構成において、請求項3に記載のように、当該回転検出装置を構成する集積回路が、前記電源端子に接続されて当該集積回路をサージから保護する保護回路と、該保護回路に直列に接続されて前記電源端子に印加される電圧を所定の電圧に定電圧化する定電圧回路とを更に備え、この定電圧化された所定の電圧に基づいて前記センサ部を駆動するものであるとするときに、前記薄膜抵抗と拡散抵抗との直列回路からなるプルアップ抵抗を、前記保護回路と定電圧回路との直列回路に対して並列に設けるようにすることで、該回転検出装置としての信頼性についても、これを好適に維持することができるようになる。
【0018】
すなわち、上記プルアップ抵抗が例えば上記定電圧回路と直列に、あるいはその直前に設けられる場合には、上記スイッチング素子のスイッチング動作に伴う電源電圧の変動が直接定電圧回路の定電圧動作に影響を及ぼし、ひいてはセンサ部などに対する安定した給電が困難となる懸念がある。
【0019】
この点、プルアップ抵抗が保護回路と定電圧回路との直列回路に並列に設けられる上記構成によれば、上記スイッチング素子のスイッチング動作に対しても、定電圧回路側からみた電源電圧の変動を最小限に抑制することができるようになる。なお通常、上記保護回路は、耐圧性に優れた薄膜抵抗やツェナーダイオードなどを有して構成される。
【0020】
一方、請求項4に記載のように、上記センサ部が磁気抵抗素子を備える磁気センサからなる場合には、上記プルアップ抵抗に用いる薄膜抵抗としてもこれを上記磁気抵抗素子からなる薄膜抵抗によって形成することにより、材料の共通化が図られるとともに、これらを同一の工程で形成することも可能となる。すなわち、当該回転検出装置としての生産コストの低減が図られるようになる。またこの場合には、上記保護回路に用いられる薄膜抵抗についてもこれを上記磁気抵抗素子からなる薄膜抵抗によって、同一の工程を通じて形成することができる。
【0021】
なお、上記磁気センサとしては、例えば請求項5に記載のように、
・センサ部を、磁気抵抗素子のブリッジ回路と、該ブリッジ回路の各中点電位出力を差動増幅する差動増幅器とを備える構成とし、上記比較器は、この差動増幅器の出力を所定のしきい値に基づいて2値化する。
あるいは、請求項6に記載のように、
・センサ部を、磁気抵抗素子の直列回路(ハーフブリッジ回路)と、該直列回路の中点電位出力を増幅する増幅器とを備える構成とし、上記比較器は、この増幅器の出力を所定のしきい値に基づいて2値化するもの。
等々を採用することができる。検出性能の面では、上記請求項5に記載の構成が有利であり、コストの面では、上記請求項6に記載の構成が有利である。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる回転検出装置の第1の実施形態について、図1および図2を参照して詳細に説明する。
【0023】
この実施形態の回転検出装置も、基本的には先の図5に示されるような態様でモールドされるとともに、バイアス磁界が付与された状態で、被検出回転体であるロータRTに対向して配設される。そして、この実施形態の回転検出装置は、上記従来のICチップ1に代えて、図1に例示する等価回路を有して構成されるICチップ10として集積回路化されている。
【0024】
はじめに、この図1に基づいて、この実施形態の回転検出装置の回路構成について説明する。
同図1に示されるように、ICチップ10として構成されるこの回転検出装置は、電源端子T1とGND(接地)端子T3との間に印可される電源電圧(車載バッテリの電圧「12V」を想定)に対してそのサージ等の入力から保護する保護回路11を備えている。また同装置は、この保護回路11に直列に接続されて上記電源電圧に基づき例えば「5V」等の定電圧からなる定電圧「+V」を出力する定電圧回路12を備えている。ここで、上記保護回路11は、耐圧の高い薄膜抵抗(この例では磁気抵抗素子を流用)や、ツェナーダイオードなどを備えて構成される周知の回路であり、また、上記定電圧回路12も、例えばその出力電圧「+V」をモニタしつつ、これを一定の電圧に維持制御する周知の回路である。そして、この出力される定電圧「+V」に基づいて、以下に説明するセンサ部をはじめ、チップ10内の各素子や回路に対する給電が行われる。
【0025】
一方、この回転検出装置において、センサ部は、上記付与される磁気ベクトルの向きにより抵抗値が変化する磁気抵抗素子MRE11〜MRE14が先の特許文献1の態様でブリッジ接続されたブリッジ回路13を備えて構成される。このうち、磁気抵抗素子MRE11およびMRE13の共通接続部には上記定電圧「+V」が印加され、また磁気抵抗素子MRE12およびMRE14の共通接続部は接地されている。そして、ブリッジ接続されている磁気抵抗素子MRE11およびMRE12の中点電位Vaと磁気抵抗素子MRE13およびMRE14の中点電位Vbとがそれぞれ同じくセンサ部の一部を構成する差動増幅器14に入力され、差動増幅器14においてこれら各中点電位VaおよびVbの変化が差動増幅される。
【0026】
すなわちこのセンサ部では、上記ロータRTの回転に伴って上記磁気抵抗素子MRE11〜MRE14に付与されているバイアス磁界の磁気ベクトルが変化すると、該磁気抵抗素子MRE11〜MRE14の抵抗値もそれぞれ変化し、上記各中点電位VaおよびVbが変化する。そして、これら各中点電位VaおよびVbの変化が差動増幅器14によって差動増幅されることとなる。そして、この回転検出装置において、該差動増幅された信号は比較器15に入力される。
【0027】
この比較器15は、所定のしきい値電圧Vthに基づいてこの差動増幅された信号(ロータRTの回転速度に対応した周期をもつ擬似正弦波信号)を2値化する回路である。そして、この比較器15の出力端子には例えばバイポーラ型トランジスタからなるスイッチング素子16の制御端子(ベース端子)が接続されており、該スイッチング素子16は、この比較器15から出力される2値化信号によってオン・オフ制御される。
【0028】
また、このスイッチング素子16は、そのエミッタ端子が接地され、コレクタ端子がプルアップ抵抗17を介して電源端子T1に接続されるとともに、同コレクタ端子とプルアップ抵抗17との接続点が、該回転検出装置としての出力端子T2に接続されている。そのため、スイッチング素子16がオフの状態では、プルアップ抵抗17によりプルアップされたほぼ電源端子T1への印加電圧(12V)に近い電圧が出力端子T2から出力される。一方、スイッチング素子16がオンの状態では、同スイッチング素子16のオン抵抗のみに存在するほぼ「0V」の電圧が出力端子T2から出力される。出力端子T2から出力されるこれら電圧(信号)が上記ロータRTの回転速度に対応した周期をもって交番しつつ、図示しない電子制御装置に取り込まれるようになることは前述の通りである。
【0029】
ここで、この実施形態において、上記プルアップ抵抗17は、電源端子T1からみて、保護回路11と定電圧回路12との直列回路に対して並列に接続された薄膜抵抗としての磁気抵抗素子MRE15と拡散抵抗DRとの直列回路からなっている。しかも、この実施形態においては、上記薄膜抵抗としての磁気抵抗素子MRE15を電源端子T1側に、上記拡散抵抗DRをスイッチング素子16のコレクタ端子側にそれぞれ接続している。
【0030】
図2は、上記ICチップ10を構成する半導体基板上あるいは半導体基板内でのこれら磁気抵抗素子MRE15と拡散抵抗DRとの配線態様を模式的に示す断面図であり、次に、この図2を併せ参照して、上記プルアップ抵抗17の構造、並びにその作用について詳述する。
【0031】
同図2に示されるように、磁気抵抗素子MRE15は、P型の半導体基板BSの上部絶縁膜ISを介して薄膜抵抗として形成されている。このような薄膜抵抗として形成される磁気抵抗素子MRE15は一般に、シート抵抗は小さいが、耐圧は高い。一方、同半導体基板BSの内部にP型またはN型の拡散層として形成された拡散抵抗DRは、シート抵抗は高いものの、例えばN−層を挟んで絶縁破壊が生じ易いなど、耐圧は低い。
【0032】
この点、この実施形態のように、これら磁気抵抗素子MRE15と拡散抵抗DRとを配線層WSによって電気的に直列に接続したことにより、電源端子T1に印加される電圧もそれら抵抗によって分圧され、拡散抵抗DRにかかる電圧をより低く抑えることができるようになる。また、この拡散抵抗DRを通じて、プルアップ抵抗17としての抵抗値の確保も容易となる。
【0033】
すなわち、このプルアップ抵抗17を上記拡散抵抗DRのみで構成した場合には、電源端子T1に例えば正の大電圧が印加されることに起因して、同図2に一点鎖線の矢印F1にて示すような絶縁破壊も生じかねない。また、逆に、このプルアップ抵抗17を上記磁気抵抗素子MRE15のみで構成した場合には、そのシート抵抗の低さから限られた基板面積内(チップ面積内)で同プルアップ抵抗17として要求される抵抗値を確保することが困難となる。このように相反する問題が、この実施形態の上記構成の採用によって、その好適な両立が図られるようになる。
【0034】
しかも、この実施形態では、磁気抵抗素子MRE15が電源端子T1側に、また拡散抵抗DRがスイッチング素子16のコレクタ端子側にそれぞれ接続されている。これにより、上記電源端子T1に例えば負の大電圧が印加され、拡散抵抗DRにおいて同図2に一点鎖線の矢印F2にて示すような絶縁破壊に起因する大電流が流れようとした場合であっても、磁気抵抗素子MRE15が電流制限となり、このような不都合も抑制されることとなる。
【0035】
また、図1にも示されるように、この実施形態では、このようなプルアップ抵抗17が上記保護回路11と定電圧回路12との直列回路に対して並列に設けられている。このため、スイッチング素子16による上記スイッチング動作に対しても、定電圧回路12側からみた電源電圧の変動を最小限に抑えることができるようにもなる。すなわちこれにより、定電圧回路12としての安定した定電圧動作が保護され、ひいては上述したセンサ部等における安定した検出動作が保証されるようになる。
【0036】
また、図2においては便宜上図示を割愛したが、上記センサ部を構成する磁気抵抗素子MRE11〜MRE14と同一の磁気抵抗素子MRE15を上記プルアップ抵抗17を構成する薄膜抵抗として用いたことで、材料の共通化が図られるとともに、これら各部を同一の工程で形成することも可能となる。なお、このことは、上記保護回路11を構成する薄膜抵抗についても同様である。
【0037】
以上詳述したように、この実施の形態にかかる回転検出装置によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)上記プルアップ抵抗17を、磁気抵抗素子MRE15および拡散抵抗DRの直列回路として構成したことで、限られたチップ面積内で該プルアップ抵抗17としての耐圧性と抵抗値確保との好適な両立を図ることができるようになる。
【0038】
(2)また、上記プルアップ抵抗17を構成する直列回路についてはこれを、磁気抵抗素子MRE15が集積回路の電源端子側に、且つ、拡散抵抗DRがスイッチング素子16のコレクタ端子側になるようにそれぞれ接続することとした。これにより、特に電源端子T1に負の大電圧が印加されたような場合であれ、磁気抵抗素子MRE15が電流制限として機能するようになり、拡散抵抗DRでの絶縁破壊の発生を抑制することができるようになる。
【0039】
(3)他方、上記実施形態では、磁気抵抗素子MRE15と拡散抵抗DRとの直列回路からなるプルアップ抵抗17を、保護回路11と定電圧回路12との直列回路に対して並列に設けることとした。これにより、上記スイッチング素子16のスイッチング動作に対しても、定電圧回路12側からみた電源電圧の変動を最小限に抑制することができるため、回転検出装置としての信頼性についても、これを好適に維持することができるようになる。
【0040】
(4)また、上記実施形態のようにセンサ部が磁気抵抗素子を備える磁気センサからなる場合に、プルアップ抵抗17に用いる薄膜抵抗としてもこれを同様の磁気抵抗素子によって形成することとした。これにより、材料の共通化が図られるとともに、これら各部を同一の工程で形成することも可能となり、回転検出装置としての生産コストを低減することができるようになる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる回転検出装置の第2の実施形態について、図3および図4を参照しつつ説明する。
【0042】
この実施形態の回転検出装置も、図3に示されるように、センサ部およびその処理回路が1つのICチップとして集積回路化されて、モールド材2によりモールドされるとともに、バイアス磁石MGによりバイアス磁界が付与された状態で、被検出回転体であるロータRTに対向配設される。ただし、この実施形態の回転検出装置は、そのセンサ部に、同図3に示されるごとく逆「ハ」の字状に配設されて、電気的には直列に接続された磁気抵抗素子MRE21およびMRE22を備えて構成されている。
【0043】
図4は、このようなICチップ20として構成される回転検出装置の内部回路についてこれを等価的に示したものであり、以下、この図4に基づいて、この実施形態の回転検出装置の構成、並びに動作について説明する。
【0044】
同図4に示されるように、上記ICチップ20として構成されるこの回転検出装置も、電源端子T1とGND(接地)端子T3との間に印可される電源電圧(ここでも車載バッテリの電圧「12V」を想定)に対してそのサージ等の入力から保護する保護回路11を備えている。また同装置は、これも先の第1の実施形態と同様、この保護回路11に直列に接続されて上記電源電圧に基づき例えば「5V」等の定電圧からなる定電圧「+V」を出力する定電圧回路12を備えている。これら保護回路11および定電圧回路12の構成や機能については、先の第1の実施形態において述べた通りである。
【0045】
一方、この回転検出装置において、センサ部は、上記付与される磁気ベクトルの向きにより抵抗値が変化する磁気抵抗素子MRE21およびMRE22の直列回路からなるハーフブリッジ回路23を備えている。このうち、磁気抵抗素子MRE21には、その一方端に上記定電圧「+V」が印可され、また磁気抵抗素子MRE22は、その一方端が接地されている。そして、これら磁気抵抗素子MRE21およびMRE22の中点電位Vcが同じくセンサ部の一部を構成する増幅器24に入力され、該増幅器24においてこの中点電位Vcの変化が増幅される。
【0046】
すなわちこのセンサ部では、上記ロータRTの回転に伴って上記磁気抵抗素子MRE21およびMRE22に付与されているバイアス磁界の磁気ベクトルが変化すると、これら磁気抵抗素子MRE21およびMRE22の抵抗値もそれぞれ変化し、上記中点電位Vcが変化する。そして、この中点電位Vcの変化が増幅器24によって所要に増幅され、この増幅された信号が比較器25に入力される。
【0047】
この比較器25も、所定のしきい値電圧Vthに基づいてこの増幅された信号(ロータRTの回転速度に対応した周期をもつ擬似正弦波信号)を2値化する回路である。そして、この比較器25の出力端子には、先の第1の実施形態と同様、例えばバイポーラ型トランジスタからなるスイッチング素子16の制御端子(ベース端子)が接続されており、該スイッチング素子16は、この比較器25から出力される2値化信号によってオン・オフ制御される。
【0048】
その他、この実施形態の回転検出装置にあっても、
(a)上記スイッチング素子16は、そのエミッタ端子が接地され、コレクタ端子がプルアップ抵抗17を介して電源端子T1に接続されるとともに、同コレクタ端子とプルアップ抵抗17との接続点が、該回転検出装置としての出力端子T2に接続されていること。
(b)上記プルアップ抵抗17は、電源端子T1からみて、保護回路11と定電圧回路12との直列回路に対して並列に接続された薄膜抵抗としての磁気抵抗素子MRE15と拡散抵抗DRとの直列回路からなっていること。
(c)しかも、同プルアップ抵抗17は、上記薄膜抵抗としての磁気抵抗素子MRE15が電源端子T1側に、上記拡散抵抗DRがスイッチング素子16のコレクタ端子側にそれぞれ接続されるとともに、先の図2に例示した断面構造をもって形成されること。
(d)また、上記センサ部を構成する磁気抵抗素子MRE21およびMRE22と同一の磁気抵抗素子を上記保護回路11や上記プルアップ抵抗17を構成する薄膜抵抗として用いること。
等々は、先の第1の実施形態と同様である。
【0049】
従って、センサ部の構成が異なるとはいえ、この第2の実施形態によっても、先の第1の実施形態の前記(1)〜(4)の効果と同様の効果を得ることができるようになる。
【0050】
また、この第2の実施形態では、センサ部にハーフブリッジ回路23を備える構成としたことで、限られたチップ面積に対するセンサ部の占める割合をより小さくできるなど、コスト面では有利である。
【0051】
(他の実施形態)
なお、上記の各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施形態で用いる半導体基板としては、P型基板に限らずN型基板も適宜採用可能である。
【0052】
・上記各実施形態では、被検出回転体としてのロータRTと協働して同ロータRTの回転態様を検出するセンサ部が、磁気抵抗素子を備える磁気センサであるとしたが、同センサ部の構成はこれに限られることなく任意である。他に例えば、ホール素子を用いたものなど、処理回路共々、ICチップ化の可能なセンサであれば、これに本発明を適用することによって上記に準じた効果を得ることはできる。また、上記磁気抵抗素子を用いる場合であれ、その配線態様や電気的な接続態様も、上記各実施形態で例示したものに限られることなく任意である。
【0053】
・また、上記プルアップ抵抗17を構成する薄膜抵抗としては、磁気抵抗素子以外の薄膜抵抗材料を用いることもできる。これによっても、各実施形態の前記(1)〜(3)の効果を得ることはできる。また、保護回路11を構成する薄膜抵抗についても同様であり、この薄膜抵抗としても、磁気抵抗素子以外の薄膜抵抗材料を用いることができる。いずれにしろ、チップ内に薄膜抵抗と拡散抵抗との直列回路からなるプルアップ抵抗17を備えることによって、少なくとも前記(1)の効果を得ることはできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる回転検出装置の第1の実施形態について、そのチップ内部の等価回路を示す回路図。
【図2】上記回転検出装置に用いられるプルアップ抵抗についてその断面構造を模式的に示す断面図。
【図3】この発明にかかる回転検出装置の第2の実施形態について被検出回転体との関係も含めてその概要を示す正面図。
【図4】同第2の実施形態についてそのチップ内部の等価回路を示す回路図。
【図5】従来の回転検出装置について被検出回転体との関係も含めてその概要を示す模式図。
【図6】同従来の回転検出装置のチップ内部の等価回路を示す回路図。
【符号の説明】
1、10、20…ICチップ、11…保護回路、12…定電圧回路、13…ブリッジ回路、14…差動増幅器、15…比較器、16…スイッチング素子、17…プルアップ抵抗、23…ハーフブリッジ回路、24…増幅器、DR…拡散抵抗、RT…ロータ(被検出回転体)、MRE11〜MRE14、MRE21、MRE22…磁気抵抗素子、MRE15…薄膜抵抗としての磁気抵抗素子。
Claims (6)
- 被検出回転体と協働して同回転体の回転態様を検出するセンサ部と、該センサ部から出力される検出信号を所定のしきい値に基づき2値化する比較器と、該2値化された信号を所定の電位に引き上げるべくこの2値化信号に基づいてスイッチング動作するスイッチング素子とが集積回路として1つのチップ内に形成されてなる回転検出装置であって、
前記集積回路の電源端子と前記スイッチング素子のコレクタ端子との間には、半導体基板の上部に形成された薄膜抵抗と同半導体基板の内部に形成された拡散抵抗との直列回路からなるプルアップ抵抗が設けられてなる
ことを特徴とする回転検出装置。 - 前記プルアップ抵抗を構成する直列回路は、前記薄膜抵抗が前記集積回路の電源端子側に、且つ、前記拡散抵抗が前記スイッチング素子のコレクタ端子側にそれぞれ接続されてなる
請求項1に記載の回転検出装置。 - 請求項1または2に記載の回転検出装置において、
前記集積回路は、前記電源端子に接続されて当該集積回路をサージから保護する保護回路と、該保護回路に直列に接続されて前記電源端子に印加される電圧を所定の電圧に定電圧化する定電圧回路とを更に備え、前記定電圧化された所定の電圧に基づいて前記センサ部を駆動するものであり、
前記薄膜抵抗と拡散抵抗との直列回路からなるプルアップ抵抗は、前記保護回路と定電圧回路との直列回路に対して並列に設けられてなる
ことを特徴とする回転検出装置。 - 前記センサ部は、磁気抵抗素子に印加される磁気ベクトル変化に基づいて前記回転体の回転態様を検出する磁気センサからなり、前記薄膜抵抗は、磁気抵抗素子からなる薄膜抵抗として形成されてなる
請求項1〜3のいずれかに記載の回転検出装置。 - 前記センサ部は、前記磁気抵抗素子のブリッジ回路と、該ブリッジ回路の各中点電位出力を差動増幅する差動増幅器とを備えて構成され、前記比較器は、該差動増幅器の出力を前記所定のしきい値に基づいて2値化するものである
請求項4に記載の回転検出装置。 - 前記センサ部は、前記磁気抵抗素子の直列回路と、該直列回路の中点電位出力を増幅する増幅器とを備えて構成され、前記比較器は、該増幅器の出力を前記所定のしきい値に基づいて2値化するものである
請求項4に記載の回転検出装置。
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