JP2004292970A - 機能性シート及びその製造方法 - Google Patents

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浩之 矢野
Tadaaki Tajiri
忠昭 田尻
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紀繁 関
Takuso Himura
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Abstract

【課題】古紙を主成分とする古紙原料と機能性材料を用いて効率よく製造することが可能で、かつ良好な特性を備えた機能性シート、及び古紙原料と機能性材料を組み合わせて機能性シートを効率よく製造することが可能な機能性シートの製造方法を提供する。
【解決手段】粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した後、シート化する。
また、粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを、粉粒状の機能性物質が乾燥基準で50〜97重量%、セルロースミクロフィブリルが乾燥基準で3〜50重量%となるような割合で混合した後、シート化する。
前記粉粒状の機能性物質と、混合スラリーを、毛細管現象を利用した脱水方法により脱水した後、シート化する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は機能性シート及びその製造方法に関し、詳しくは、古紙と機能性材料を組み合わせた機能性シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工場、オフィス、あるいは一般家庭などから大量の古紙が排出されており、一部は紙としてリサイクルされたり、ボード原料として利用されたりしているが、必ずしも、古紙が有する潜在的な価値を十分に生かし切れていないのが実情である。
【0003】
また、本願出願人は、木粉原料、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びゼオライトを、乾燥基準で、
木粉原料 :15〜77重量%
熱硬化性樹脂 : 3〜10重量%
熱可塑性樹脂 : 5〜20重量%
ゼオライト :15〜55重量%
の割合で含有させた多孔質木粉ボード及びその製造方法を提案している(先行出願1参照)。
【0004】
この先行出願1の発明によれば、吸放湿機能を備えた木粉に、さらにゼオライトが配合されていることから、優れた吸放湿性能を備えた多孔質木粉ボードを得ることが可能になる。
【0005】
【先行出願1】
特願2002−293826
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、先行出願1の方法では、ボードに機械的強度を付与するため、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を添加しており、コストの増大を招くという問題点があり、また、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂により、木粉やゼオライトの有する微細な気孔が目詰まりしないようにすることが必要で、製造工程が複雑になるという問題点がある。
【0007】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、古紙を主成分とする古紙原料と機能性材料を用いて効率よく製造することが可能で、かつ良好な特性を備えた機能性シート、及び古紙原料と機能性材料を組み合わせて機能性シートを効率よく製造することが可能な機能性シートの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の機能性シートは、
粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を微細繊維化したセルロースミクロフィブリルを、乾燥基準で、
粉粒状の機能性物質 :50〜97重量%
セルロースミクロフィブリル:3〜50重量%
の割合で含有することを特徴としている。
【0009】
本願発明(請求項1)の機能性シートにおいては、粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質が、古紙原料を微細繊維化してなる機械的強度の大きいセルロースミクロフィブリル3〜50重量%により保持されているので、実用上必要とされる機械的強度を備えているとともに、樹脂をバインダーとして用いる場合のように、粉粒状の機能性物質の表面がバインダー樹脂によって被覆されてしまうようなことがないため、所望の機能(例えば、機能性物質として、木粉などのように吸放湿機能を備えた機能性物質を用いた場合には、吸放湿機能)を有する特性の良好な機能性シートを提供することが可能になる。
なお、本願発明において、粉粒状の機能性物質を50〜97重量%、セルロースミクロフィブリルを3〜50重量%の範囲としているのは、セルロースミクロフィブリルが3重量%未満になり、粉粒状の機能性物質が97重量%を超えると、機械的強度が低下し、また、セルロースミクロフィブリルが50重量%を超え、粉粒状の機能性物質が50重量%未満になると、機能性を十分に付与することができなくなることによる。
【0010】
なお、本願発明において、古紙原料を微細繊維化してセルロースミクロフィブリル化する方法に特別の制約はなく、公知の種々の方法を用いることが可能である。例えば、媒体撹拌ミル処理、振動ミル処理、高圧均質化装置での処理、石臼式粉砕処理(磨砕機を用いた磨砕処理)、湿式・乾式叩解などの方法を用いることが可能である。
【0011】
また、本願発明において用いられる古紙原料としては、新聞、雑誌、ダンボールなどを主たる成分とするものなどが例示されるがこれら以外の古紙を用いることも可能である。また、新聞、雑誌、ダンボールなどの古紙を原料とする再生紙製造工程を経て得られる再生パルプを用いることも可能である。
【0012】
ミクロフィブリルは、古紙に由来する不純物をある程度含有していてもよい。ただし、高い機械的強度を得るためには、不純物の割合が20%以下であることが好ましい。
【0013】
また、請求項2の機能性シートは、前記粉粒状の機能性物質が、吸放湿機能、VOCの吸着機能、酸化分解機能、滅菌・殺菌機能からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有するものであることを特徴としている。
【0014】
粉粒状の機能性物質として、吸放湿機能、VOCの吸着機能、酸化分解機能、滅菌・殺菌機能からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有するものを用いることにより、吸放湿、VOCの除去、有害物質や悪臭物質の酸化分解、滅菌・殺菌などの機能を果たす機能性シートを提供することが可能になり有意義である。
【0015】
また、請求項3の機能性シートは、前記粉粒状の機能性物質が、木粉、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化チタン、貝殻粉砕物、珪藻土からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0016】
粉粒状の機能性物質として木粉を用いた場合には、吸放湿機能を有する機能性シートが得られ、ゼオライトを用いた場合には、吸放湿機能・吸着機能を有する機能性シートが得られ、シリカゲルを用いた場合には、吸放湿機能を有する機能性シートが得られ、活性炭を用いた場合には、吸放湿機能・吸着機能を有する機能性シートが得られ、酸化チタンを用いた場合には、酸化分解機能を有する機能性シートが得られ、貝殻粉砕物を用いた場合には、滅菌・殺菌機能を有する機能性シートが得られ、珪藻土を用いた場合には、吸放湿機能を有する機能性シートが得られる。
【0017】
また、本願発明(請求項4)の機能性シートの製造方法は、
粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルスラリーとを混合する工程と、
前記粉粒状の機能性物質と、前記セルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した混合スラリーをシート化する工程と
を具備することを特徴としている。
【0018】
粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した後、シート化することにより、特にバインダーなどを添加することを必要とせずに、必要な機械的強度を備え、かつ、シート中に粉粒状の機能性物質が分散された機能性シートを効率よく製造することが可能になる。また、樹脂をバインダーとして用いる場合のように、粉粒状の機能性物質の表面がバインダー樹脂によって被覆されてしまうようなことがないため、所望の機能(例えば、機能性物質として、木粉などのように吸放湿機能を備えた機能性物質を用いた場合には、吸放湿機能)を有する特性の良好な機能性シートを提供することが可能になる。
【0019】
また、請求項5の機能性シートの製造方法は、粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを、粉粒状の機能性物質が乾燥基準で50〜97重量%、セルロースミクロフィブリルが乾燥基準で3〜50重量%となるような割合で混合した後、シート化することを特徴としている。
【0020】
粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを、粉粒状の機能性物質が乾燥基準で50〜97重量%、セルロースミクロフィブリルが乾燥基準で3〜50重量%となるような割合で混合した後、シート化することにより、特にバインダーなどを添加することを必要とせずに、必要な機械的強度を備え、かつ、シート中に粉粒状の機能性物質が分散された機能性シートを、確実にしかも効率よく製造することが可能になる。
【0021】
また、請求項6の機能性シートの製造方法は、前記粉粒状の機能性物質と、前記セルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した混合スラリーを、毛細管現象を利用した脱水方法により脱水した後、シート化することを特徴としている。
【0022】
粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した混合スラリーを、毛細管現象を利用した脱水方法により脱水することにより、効率よく脱水することが可能になり、その後の、シート化工程における乾燥などの工程で蒸発させる水分量を減らして、効率よく機能性シートを製造することが可能になる。
【0023】
また、請求項7の機能性シートの製造方法は、古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルとして、保水能力が400%以上のものを用いることを特徴としている。
【0024】
保水能力が400%以上のミクロフィブリルは微細繊維化が行われており、このようなミクロフィブリルを用いることにより、シート化した場合に十分な機械的強度を発現させることが可能になるとともに、粉粒状の機能性物質を十分に分散させて確実に保持することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0025】
本願発明において、「保水能力が400%以上のもの」とは、固形分濃度3重量%に調整した試料を1000G、15分間の条件で遠心分離を行って水分を除去した後のセルロースミクロフィブリル(スラリー)中の水分の割合であり、以下の式により表される概念である。
保水能力(重量%)=(水分の重量/乾燥基準のMFCの重量)×100
(ただし、MFC:セルロースミクロフィブリル)
【0026】
なお、この保水能力は、セルロースミクロフィブリルの微細繊維化の程度を表す指標となる値であり、保水能力(重量%)の値が大きくなるほど、微細繊維化が進んでいることを意味する概念である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0028】
(1)古紙を主たる成分とする古紙原料を、スラリー濃度3重量%に調整し、湿式の磨砕機を用いて複数回、繰り返して磨砕し、微細繊維化することによりセルロースミクロフィブリルスラリー(以下、MFCともいう)を得る。
このときのMFCの保水能力は約550重量%であった。
なお、保水能力は、前述のように、固形分濃度3重量%に調整した試料を1000Gで15分間の条件で遠心分離を行って水分を除去した後のセルロースミクロフィブリル中の水分の割合であり、セルロースミクロフィブリルの微細繊維化の程度を表す指標となる値である。
【0029】
(2)次に、粉粒状の機能性物質と、上述のようにして得たセルロースミクロフィブリルスラリーとを、表1及び2に示すような割合で配合し、混合した。
なお、この実施形態では、粉粒状の機能性物質として、石炭灰を原料として製造した、粒子径が100〜10μmの人工のゼオライト、及び粒子径が2000〜25μmの木粉を用いた。
【0030】
【表1】
Figure 2004292970
【0031】
【表2】
Figure 2004292970
【0032】
なお、表1及び表2における粉粒状の機能性物質とセルロースミクロフィブリルスラリーの割合は乾燥基準の値である。
【0033】
(3)それから、粉粒状の機能性物質とセルロースミクロフィブリルスラリーの混合スラリーを図1(a),(b)に示すような、脱水ローラにかけて脱水した。この脱水ローラは、スポンジからなる吸水部1aを備えた上部ローラ1と、上部ローラ本体1の下側に配設された、スポンジからなる吸水部2aを備えた下部ローラ2と、コンベアベルト3と、絞りローラ4とを備えており、コンベアベルト3上に拡げて保持させた混合スラリー5を、上部ローラ1と下部ローラ2の間を通過させることにより、毛細管現象により混合スラリー5に含まれる水分を上部ローラ1と下部ローラ2に移行させて、効率よく脱水することができるように構成されている。なお、この脱水ローラにおいては、下部ローラ2の吸水部2aに吸水された水分は絞りローラ4により絞り取られ、上部ローラ1の吸水部1aに吸水された水分は下部ローラ2の吸水部2aに移行して、絞りローラ4により絞り取られる。
【0034】
なお、混合スラリーの含水率は、粉粒状の機能性物質とセルロースミクロフィブリルスラリーの配合割合により異なるが、上述の脱水ローラにかけることにより、含水率(通常は約80重量%〜約95重量%)が、約30重量%程度にまで脱水される。
【0035】
(4)次に、脱水された混合スラリー(シート)を105℃で12時間乾燥させることにより機能性材料がセルロースミクロフィブリルに保持された機能性シートを得た。
【0036】
(5)そして、得られた機能性シートについて、吸放湿性能及び曲げ強度を調べた。その結果を表1及び表2に併せて示す。
なお、表1及び表2の吸放湿性能の値は、
(a)温度20℃、相対湿度96%の雰囲気下に1000min放置したときの吸着量(機能性シートの重量1kgあたりの水分の吸着量kg)と、
(b)温度20℃、相対湿度18%の雰囲気下に1000min放置したときの吸着量(機能性シートの重量1kgあたりの水分の吸着量kg)
の差((a)−(b))である。
また、表1及び表2の曲げ強度はオートグラフAG−100KNG(島津製作所(株)製)により測定した値である。
【0037】
表1及び表2に示すように、粉粒状の機能性物質:50〜97重量%、セルロースミクロフィブリル:3〜50重量%の範囲においては、有意性のある吸放湿性能を備え、かつ、実用可能な機械的強度(曲げ強度)を備えた機能性シートが得られることが確認された。
【0038】
なお、表1の試料番号10,20の場合のように、セルロースミクロフィブリルが3重量%未満になり、粉粒状の機能性物質が97重量%を超えると、機械的強度の低下が認められ、また、表1の試料番号1,2,11,12の場合のように、セルロースミクロフィブリルが50重量%を超え、粉粒状の機能性物質が50重量%未満になると、吸放湿性能の低下が認められ、好ましくない。
【0039】
また、粉粒状の機能性物質として、木粉及びゼオライトを単独で用いた場合に限らず、木粉及びゼオライトを組み合わせて用いた場合も、しかるべき吸放湿性能が得られることがわかる(表2の試料番号21〜25)。
【0040】
また、上記実施形態では、粉粒状の機能性物質として、木粉及びゼオライトを用いたが、VOCの吸脱着機能、酸化分解機能、滅菌・殺菌機能からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有するものを用いることにより、VOCの除去、有害物質や悪臭物質の酸化分解、滅菌・殺菌などの機能を果たす機能性シートを得ることが可能になる。
【0041】
なお、VOCの吸着機能を有する物質としては、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライト、活性炭などが例示される。
酸化分解機能を有する物質としては、酸化チタン、二酸化チタンなどが例示される。
滅菌・殺菌機能を有する物質としては、酸化チタン、二酸化チタン、ホタテ貝殻粉砕物などが例示される。
【0042】
また、上記実施形態では、古紙原料を、湿式の磨砕機を用いて複数回、繰り返して磨砕し、微細繊維化することによりセルロースミクロフィブリルスラリー(MFC)を得るようにしているが、古紙原料を微細繊維化する方法には特に制約はなく、媒体撹拌ミル処理、振動ミル処理、高圧均質化装置での処理、湿式・乾式叩解などの方法を用いることも可能である。
【0043】
なお、本願発明はさらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、混合スラリーの脱水方法やシート化の方法などに関し、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0044】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の機能性シートにおいては、粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質が、古紙原料を微細繊維化してなる機械的強度の大きいセルロースミクロフィブリル3〜50重量%により保持されているので、実用上必要とされる機械的強度を備えているとともに、樹脂をバインダーとして用いる場合のように、粉粒状の機能性物質の表面がバインダー樹脂によって被覆されてしまうようなことがないため、所望の機能(例えば、機能性物質として、木粉などのように吸放湿機能を備えた機能性物質を用いた場合には、吸放湿機能)を有する特性の良好な機能性シートを提供することができるようになる。
【0045】
また、請求項2の機能性シートのように、粉粒状の機能性物質として、吸放湿機能、VOCの吸着機能、酸化分解機能、滅菌・殺菌機能からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有するものを用いることにより、吸放湿、VOCの除去、有害物質や悪臭物質の酸化分解、滅菌・殺菌などの機能を果たす機能性シートを提供することが可能になり有意義である。
【0046】
また、請求項3の機能性シートのように、粉粒状の機能性物質として、木粉、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化チタン、貝殻粉砕物、珪藻土からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが可能であり、木粉を用いた場合には、吸放湿機能を有する機能性シートが得られ、ゼオライトを用いた場合には、吸放湿機能・吸着機能を有する機能性シートが得られ、シリカゲルを用いた場合には、吸放湿機能を有する機能性シートが得られ、活性炭を用いた場合には、吸放湿・吸着機能を有する機能性シートが得られ、酸化チタンを用いた場合には、酸化分解機能を有する機能性シートが得られ、貝殻粉砕物を用いた場合には、滅菌・殺菌機能を有する機能性シートが得られ、珪藻土を用いた場合には、吸放湿機能を有する機能性シートが得られる。
【0047】
また、本願発明(請求項4)の機能性シートの製造方法は、粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した後、シート化するようにしているので、特にバインダーなどを添加することを必要とせずに、必要な機械的強度を備え、かつ、シート中に粉粒状の機能性物質が分散された機能性シートを効率よく製造することが可能になる。また、樹脂をバインダーとして用いる場合のように、粉粒状の機能性物質の表面がバインダー樹脂によって被覆されてしまうようなことがないため、所望の機能(例えば、機能性物質として、木粉などのように吸放湿機能を備えた機能性物質を用いた場合には、吸放湿機能)を有する特性の良好な機能性シートを提供することができるようになる。
【0048】
また、請求項5の機能性シートの製造方法のように、粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを、粉粒状の機能性物質が乾燥基準で50〜97重量%、セルロースミクロフィブリルが乾燥基準で3〜50重量%となるような割合で混合した後、シート化するようにした場合、特にバインダーなどを添加することを必要とせずに、必要な機械的強度を備え、かつ、シート中に粉粒状の機能性物質が分散された機能性シートを、確実にしかも効率よく製造することができる。
【0049】
また、請求項6の機能性シートの製造方法のように、粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した混合スラリーを、毛細管現象を利用した脱水方法により脱水することにより、効率よく脱水することが可能になり、その後の、シート化工程における乾燥などの工程で蒸発させる水分量を減らして、効率よく機能性シートを製造することができるようになる。
【0050】
また、請求項7の機能性シートの製造方法のように、保水能力が400%以上の、十分に微細繊維化が行われたミクロフィブリルを用いることにより、シート化した場合に十分な機械的強度を発現させることが可能になるとともに、粉粒状の機能性物質を十分に分散させて確実に保持することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本願発明の実施形態において、セルロースミクロフィブリルスラリーの脱水に用いた脱水ローラを示す側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 上部ローラ
1a 上部ローラの吸水部
2 下部ローラ
2a 下部ローラの吸水部
3 コンベアベルト
4 絞りローラ
5 混合スラリー

Claims (7)

  1. 粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を微細繊維化したセルロースミクロフィブリルを、乾燥基準で、
    粉粒状の機能性物質 :50〜97重量%
    セルロースミクロフィブリル:3〜50重量%
    の割合で含有することを特徴とする機能性シート。
  2. 前記粉粒状の機能性物質が、吸放湿機能、VOCの吸着機能、酸化分解機能、滅菌・殺菌機能からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有するものであることを特徴とする請求項1記載の機能性シート。
  3. 前記粉粒状の機能性物質が、木粉、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化チタン、貝殻粉砕物、珪藻土からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の機能性シート。
  4. 粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルスラリーとを混合する工程と、
    前記粉粒状の機能性物質と、前記セルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した混合スラリーをシート化する工程と
    を具備することを特徴とする機能性シートの製造方法。
  5. 粒子径が2000μm以下の粉粒状の機能性物質と、セルロースミクロフィブリルスラリーとを、粉粒状の機能性物質が乾燥基準で50〜97重量%、セルロースミクロフィブリルが乾燥基準で3〜50重量%となるような割合で混合した後、シート化することを特徴とする請求項4記載の機能性シートの製造方法。
  6. 前記粉粒状の機能性物質と、前記セルロースミクロフィブリルスラリーとを混合した混合スラリーを、毛細管現象を利用した脱水方法により脱水した後、シート化することを特徴とする請求項4又は5記載の機能性シートの製造方法。
  7. 古紙を主たる成分とする古紙原料を湿式で磨砕して微細繊維化することにより調製したセルロースミクロフィブリルとして、保水能力が400%以上のものを用いることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の機能性シートの製造方法。
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