JPH10212691A - 全熱交換器用紙 - Google Patents

全熱交換器用紙

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JPH10212691A
JPH10212691A JP3113697A JP3113697A JPH10212691A JP H10212691 A JPH10212691 A JP H10212691A JP 3113697 A JP3113697 A JP 3113697A JP 3113697 A JP3113697 A JP 3113697A JP H10212691 A JPH10212691 A JP H10212691A
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JP
Japan
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weight
paper
parts
moisture
heat exchanger
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JP3113697A
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Osamu Nakano
修 中野
Yoshiaki Tomotake
義明 友竹
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Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、製紙用繊維を主
体としたスラリーに、吸放湿性粉体と熱融着性物質とを
混合して抄造した基紙に、必要に応じて難燃剤を含浸処
理した後、基紙の片面若しくは両面に吸放湿性の塗工層
を設けけることにより、吸放湿性の向上と難燃剤の溶出
を防ぎ、交換すべき空気の混合を極力減少させて交換効
率を高め、熱交換剤を除くことにより湿潤時の形状保持
性を維持し、且つ難燃性を有した熱交換器用紙を提供し
ようとするものである。 【解決手段】 製紙用繊維15〜85重量
部、吸放湿性粉体10〜50及び熱融着性物質5〜35
重量部とを混合して抄紙し、必要に応じて難燃剤を含浸
処理した基紙の片面若しくは両面に、吸放湿性粉体とバ
インダーを主材とした塗工層を設け、吸放湿性と難燃性
を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱成型性、形状保
持性と全熱交換効率に優れた全熱交換器用紙に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、殆どの建物や住居では、夏季には
冷房、冬季には暖房といった冷暖房機が備わっており、
季節に関係なく快適な環境を作れるようになっている。
その様な冷暖房機を運転して常に快適な環境を作るため
には、冷暖房機内に備えられている全熱交換器が非常に
大きな役割を果たしている。すなわち、全熱交換器の湿
熱交換性能が良いことが一定の快適な環境を低エネルギ
ーで長時間作れることにつながるのである。
【0003】全熱交換器が開発される以前は、密閉され
た室内で冷暖房機を運転すると、室内の空気は徐々に汚
れた空気となるため、その汚れた空気を置換といわれる
方式により換気を行っていた。すなわち、室内の汚れた
空気と新鮮な外気を入れ替えるために、一定時間冷暖房
機を運転したときは、窓や扉などを換気するために十分
な時間開放し換気を行っていた。
【0004】しかし、このような換気による方法は確か
に新鮮な空気を取り込み、換気を行うという目的は達成
出来るが、一時的に室内に比べ高温或いは低温の外気が
導入されるために、設定温湿度に調整する為の余分なエ
ネルギーが必要であった。
【0005】この余分なエネルギーの消費を解消するた
めに開発されたのが全熱交換器といわれるもので、冷房
運転時には、多湿及び高温の外気と排出される室内の冷
たい空気間で湿分及び熱の交換を行い、冷やされた外気
を取り入れようとするものである。暖房運転時では、外
より取り入れる冷たい空気は排出される室内の暖かい空
気との間で湿分及び熱が交換され、暖かい空気が室内に
取り込まれるようになっている。即ち、全熱交換器は、
排出される空気と取り込まれる空気の間で、温度の交換
(顕熱交換)並びに湿分の交換(潜熱交換)を同時に行
う機能を有している。
【0006】従来の全熱交換器のエレメントに供する材
料として、シリカエロジルを焼き付けしたアルミ箔等の
金属材料を用いてコルゲート加工を施したものを積層若
しくはローター状に巻いたもの等を基本型として、今日
まで実用に供せられてきた。しかしながら、これらの材
料は不燃性には優れているが、金属材料自体の吸放湿性
が乏しいため、一定以上の潜熱交換率を得ることが出来
なかった。
【0007】また、製紙用繊維を主体とした紙材料を全
熱交換器のエレメントに使用する場合は、金属材料に比
べて吸放湿性を有しているため、ある程度の潜熱交換効
率を向上させることが可能となった。更に潜熱交換効率
を高める手段として、紙や片段のコルゲート加工を施し
た交換器用材料に、塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ム、塩化リチウム等の塩化物を含浸処理を行って付着さ
せているのが現状である。
【0008】ところが、これらの塩化物の含浸処理を行
った紙材料で成型した全熱交換エレメント(以下エレメ
ントと称す)は、熱交換剤である塩化物の潮解性のた
め、水分含有量が大幅にアップすると強度低下をきた
し、形状が徐々に崩れてきてしまったり、梅雨時のよう
に長時間にわたって高温多湿の環境に曝されると、塩化
物が溶出してしまい潜熱交換効率が低下するだけでな
く、難燃性も低下して燃えてしまう等の事故が発生する
恐れがあるとの欠点を有していた。
【0009】更に特開平5−115739号には、高吸
水性高分子化合物等の吸放湿特性を有する高分子化合物
の繊維や粉体を、天然または合成繊維材料と共にシート
状に成形したものや、セピオライト、ゼオライト、ベン
トナイト、アタパルジャイト、珪藻土、活性炭などの吸
放湿特性を有する無機粉体を、木材パルプと共に紙、シ
ート、ボード状に成形した後、コルゲート加工を施した
吸放湿性材料で製造した湿度交換器が提案されている。
しかしながら、前述した製紙用繊維を主体とした材料に
比べて吸放湿性は優れていても、難燃性に劣るため難燃
性を必要としない湿度交換器での使用に限られているの
が実状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製紙用繊維
を主体としたスラリーに、吸放湿性粉体と熱融着性物質
とを混合して抄造した基紙に、必要に応じて難燃剤を含
浸処理した後、基紙の片面若しくは両面に吸放湿性の塗
工層を設けることにより、吸放湿性の向上と難燃剤の溶
出を防ぎ、交換すべき空気の混合を極力減少させて交換
効率を高め、熱交換剤を除くことにより湿潤時の形状保
持性を維持し、且つ難燃性を有した全熱交換器用紙を提
供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果これらの問題点を解決した新規な全熱交換器用紙
を開発した。
【0012】すなわち、製紙用繊維と吸放湿性粉体及び
熱融着性物質とを混合して抄紙し、必要に応じて難燃剤
を含浸処理した基紙の片面若しくは両面に、吸放湿性粉
体とバインダーを主材とした塗工層(以下塗工層と称
す)を設け、吸放湿性と難燃性を付与した全熱交換器用
紙を得ることにある。
【0013】上記塗工層を設ける目的としては、湿分の
吸放湿性と難燃性を向上させるだけでなく、基紙に塗工
層を設けることで、熱交換器を運転した際、屋外より取
り込まれる外気と屋内から排出される空気が、塗工層の
空気の遮断効果によって混合しにくくなる。更に塗工層
によって適切な透湿度と透気度に調節することで、湿分
の吸放湿性は良好で空気漏れのしない全熱交換器用紙と
なる。
【0014】この空気の遮断効果を一例を挙げて説明す
ると、暖房機を運転した際に発生する一酸化炭素を主と
する有害なガスを、屋内より熱交換器を通じて屋外に排
出する時、エレメントの空気遮断効果がなければ、排出
する空気がエレメントを通過してしまい、取り込まれる
空気中に一酸化炭素が混合する可能性が高くなるという
ことである。
【0015】本発明の難燃性とは、JIS A 132
2 「建築用薄物材料の難燃性試験方法」に規定する難
燃性の種類で、防炎1、2級のいずれかに該当するもの
を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用する製紙用繊維とし
ては、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹
晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパ
ルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サー
モメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプの単独若
しくは混合物を主体にして、これに麻、竹、藁、ケナフ
パルプ等の非木材パルプやカチオン化パルプ、マーセル
化パルプ等の変性パルプ、ミクロフィブリル化パルプ、
レーヨン、ビニロン、ナイロン、アクリル、ポリエステ
ル等の合成繊維、ガラス繊維、ロックウール等の無機繊
維の単独若しくは混合したものを必要に応じて併用す
る。
【0017】本発明の基紙に使用する吸放湿性粉体と
は、従来使用していた塩化カルシウムの如き潮解性の熱
交換剤に変わるべきものであって、シリカゲル、シリカ
アルミナゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、合成ゼオ
ライト、天然ゼオライト、合成シリカ、酸性白土、活性
白土、α−セピオライト、β−セピオライト、パリゴル
スカイト(アタパルジャイト)、アロフェン、イモゴナ
イト、ベントナイト、珪藻土、ケイ酸カルシウム、活性
炭等の吸放湿特性のある天然及び合成の粉体を単独或い
は数種類を組み合わせて使用することが出来、その使用
量は10〜50重量部で好ましくは15〜35重量部で
ある。10重量部未満であると吸放湿量が少なくなり、
50重量部より多くなると吸放湿量は増加するが潜熱交
換効率は頭打ちとなる。
【0018】本発明では、上記した製紙用繊維と吸放湿
性粉体の混合物に熱融着性物質を併用することが必須要
件である。本発明で使用する熱融着性物質とは、熱交換
器用のエレメントを成型加工を行う際、賦型性とヒート
セット性を向上させ、更に湿潤時の形状を保持するため
に不可欠であり、ポリエチレン、合成パルプ、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン繊維及びこれらのミクロフィ
ブリル化繊維、ポリビニールアルコール繊維の如き熱水
溶解型繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエス
テル等を複合させた低融点の熱接着性繊維等の他に、熱
可塑性エラストマー、アイオノマー、変性アイオノマ
ー、酢ビ系共重合ポリオレフィン、低密度オレフィン、
低分子量ポリオレフィン、ステアリン酸、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸亜鉛、エチレンビスステアリ
ン酸アマイド、カルナバワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、密ロウ等のポリオレフィンやワックスのエ
マルジョンやディスパージョンを単独若しくは混合した
ものを5〜35重量部使用する。5重量部以下だと熱成
型性が不足するとともに湿潤時の形状保持性に乏しくな
り、35重量部以上では過剰性能となる。
【0019】本発明では、基紙に難燃性を付与するため
に、基紙に必要に応じて難燃処理を施す場合もある。難
燃剤としてはスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニ
ジン、スルファミン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキ
ルエステル誘導体、硫酸グアニジン、リン酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム等の水溶液若しくは水に分散が可能なものが使用で
きる。
【0020】またこれに、澱粉、サイズ剤、染料、顔料
等の製紙用副資材やジシアンジアミド、メラミンのメチ
ロール化物、ジシアンジアミドのメチロール化物等の耐
熱助剤を併用することもでき、これらの処理剤を5〜2
5重量%(対基紙重量)含浸することにより難燃性基紙
を得る。5重量%未満では難燃性に欠け、25重量%よ
り多くなるとコストアップとなるため好ましくない。含
浸の方法は抄紙機上のサイズプレス装置等によるオンマ
シン含浸や、抄紙後のオフマシン含浸機で含浸するなど
のいずれを採用しても良い。
【0021】本発明に使用する基紙は、製紙用繊維と吸
放湿性粉体及び熱融着性物質を主体にスラリーを調整
し、これに各種の製紙用填料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙
力増強剤、サイズ剤、着色剤、定着剤等を適宜添加し既
存の抄紙機で抄紙して得られる。
【0022】本発明は、使用用途に応じて上記した基紙
の片面若しくは両面に塗工層を設け、全体として吸放湿
性と難燃性、適度な透湿性と空気遮断性を付与すること
が出来る。
【0023】本発明でいう塗工層とは、前記した基紙に
使用する吸放湿性粉体と全く同様な無機材料を主材とす
るが、特に塗料化が容易であるシリカゲルや活性白土等
を使用することが好ましい。また、製紙用填料として、
クレー、カオリン、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム等を混合して使用しても一向
に差し支えなく特に限定されるものではない。しかしな
がら、難燃性を向上させるために、水酸化アルミニウム
の如き自己消火性粉体との併用が好ましい。
【0024】塗工層を得るための塗料に使用するバイン
ダーとしては、SBR、MBR等の合成ゴムラテック
ス、アクリルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、
塩化ビニリデンエマルジョン、及びこれらの共重合エマ
ルジョン、カゼイン、澱粉、PVA等を適宜組み合わせ
て使用するが、発熱量が少なく難燃性のある塩化ビニル
や塩化ビニリデンエマルジョン或いはこれらとの共重合
体を主体に使用することが好ましい。
【0025】塗料に使用する吸放湿性粉体の単独若しく
は2種類以上に分散剤を添加し水分散した後、バインダ
ーを加え塗料を調整するが、この際、水酸化アルミニウ
ム等の製紙用填料に保水剤、流動性改良剤、防黴剤、防
腐剤、着色剤等を必要に応じて添加する。バインダーの
添加量は、粉体100重量部に対し、通常5〜30重量
部が望ましい。5重量部以下だと塗工層の接着剤の量が
不足するため塗工層自体の必要強度が得られ難く、30
重量部以上だと水分を吸湿しにくくなるため潜熱交換効
率が低下するので好ましくない。
【0026】このように調整した塗料を、エアーナイフ
コーター、ブレードコーター、ロールコーター等の塗工
機で基紙の片面若しくは両面に塗工する。基紙に難燃剤
を付与した場合は、湿潤時の溶出を防ぐため両面塗工が
好ましく、この場合片面は吸放湿性粉体単独の塗工層、
他方を自己消火性粉体単独の塗工層としても一向に差し
支えない。塗工量は片面につき5〜20g/m2が望ま
しい。5g/m2以下では吸放湿性と難燃性が乏しくな
り、20g/m2以上だと水分を吸湿しにくくなるため
潜熱交換効率が低下するので好ましくない。
【0027】
【実施例】実施例1 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)20重量部、合成パルプ
(商品名「SWP−Eタイプ」、三井石油化学工業
(株))20重量部を500mlC.S.Fに叩解して
得られたパルプスラリーに、シリカゲル粉体(商品名
「シリカゲルPA−200」、富士シリシア化学(株)
製)15重量部を混入し、10%濃度のスラリーを調製
した。このスラリーの固形分重量に対して湿潤紙力増強
剤(商品名「WS−500」、日本PCM(株)製)を
1%、サイズ剤(商品名「サイズパインK−902」、
荒川化学(株)製)を0.3%添加した後、アンモニア
水でpHを8〜9に調整した。さらにこのスラリーに固
形分重量に対して高分子アニオン性凝集剤(商品名「ハ
イホルダー351」、栗田工業(株)製)を0.006
%添加した後、常法により長網抄紙機で坪量120g/
2の全熱交換器用紙を得た。
【0028】実施例2 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)40重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)10重量部、熱融着性繊維
(商品名「TJ04CN」、帝人(株))20重量部を
500mlC.S.Fに叩解して得られたパルプスラリ
ーに、シリカゲル粉体(商品名「ミズカソーブS−
0」、水澤化学工業(株)製)30重量部を混入し、1
0%濃度のスラリーを調製した。このスラリーの固形分
重量に対して湿潤紙力増強剤(「WS−500」)を1
%、サイズ剤(「サイズパインK−902」)を0.3
%添加した後、紙力増強剤(商品名「ネオタックL−
1」、日本食品化工(株)製)を固形分重量に対して
0.5%添加し、さらにこのスラリーに固形分重量に対
して高分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー35
1」)を0.006%添加した後、常法により長網抄紙
機で坪量120g/m2の全熱交換器用紙を得た。
【0029】実施例3 実施例1で得られた坪量120g/m2の全熱交換器用
基紙を難燃剤(商品名「アピノン117」、三和ケミカ
ル(株))15%の含浸液に含浸し、加熱乾燥すること
により全熱交換用紙を得た。
【0030】実施例4 シリカゲル粉体(「PA−200」)50重量部、水酸
化アルミニウム粉末50重量部の混合粉体に対し、MB
Rラテックス15重量部(商品名「ポリラック75
0」、三井東圧化学工業(株)製)を添加した濃度43
%の塗工液を調製後、実施例1で得られた坪量120g
/m2の全熱交換器用基紙に、エアーナイフコーターを
用いて片面に15g/m2の塗工層を設けた。
【0031】実施例5 シリカゲル粉体(「PA−200」)50重量部、水酸
化アルミニウム粉末50重量部の混合粉体に対し、MB
Rラテックス15重量部(商品名「ポリラック75
0」、三井東圧化学工業(株)製)を添加した濃度43
%の塗工液を調製後、実施例1で得られた坪量120g
/m2の全熱交換器用基紙に、エアーナイフコーターを
用いて両面に、片面につき10g/m2の塗工層を設け
た。
【0032】実施例6 シリカゲル粉体(「PA−200」)50重量部、水酸
化アルミニウム粉末50重量部の混合粉体に対し、MB
Rラテックス15重量部(「ポリラック750」)を添
加した濃度43%の塗工液を調製後、実施例2で得られ
た坪量120g/m2の全熱交換器用基紙に、エアーナ
イフコーターを用いて片面に15g/m2の塗工層を設
けた。
【0033】比較例1 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)30重量部を500ml
C.S.Fに叩解して得られたパルプスラリーに、シリ
カゲル粉体(「シリカゲルPA−200」)25重量部
を混合し、10%濃度のスラリーを調製した。このスラ
リーの固形分重量に対して湿潤紙力増強剤(「WS−5
00」)を1%、サイズ剤(「サイズパインK−90
2」)を0.3%添加した後、アンモニア水でpHを8
〜9に調整した。さらにこのスラリーに固形分重量に対
して高分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー35
1」)を0.006%添加した後、常法により長網抄紙
機で坪量120g/m2の全熱交換器用紙を得た。
【0034】比較例2 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)50重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)45重量部を500ml
C.S.Fに叩解して得られたパルプスラリーに、シリ
カゲル粉体(「シリカゲルPA−200」)5重量部を
混入し、10%濃度のスラリーを調製した。このスラリ
ーの固形分重量に対して湿潤紙力増強剤(「WS−50
0」)を1%、サイズ剤(「サイズパインK−90
2」)を0.3%添加した後、アンモニア水でpHを8
〜9に調整した。さらにこのスラリーに固形分重量に対
して高分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー35
1」)を0.006%添加した後、常法により長網抄紙
機で坪量120g/m2の全熱交換器用紙を得た。
【0035】比較例3 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)40重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)27重量部、熱融着性繊維
(「TJ04CN」)3重量部を500mlC.S.F
に叩解して得られたパルプスラリーに、シリカゲル粉体
(「ミズカソーブS−0」)30重量部を混入し、10
%濃度のスラリーを調製した。このスラリーの固形分重
量に対して湿潤紙力増強剤(「WS−500」)を1
%、サイズ剤(「サイズパインK−902」)を0.3
%添加した後、紙力増強剤(「ネオタックL−1」)を
固形分重量に対して0.5%添加し、さらにこのスラリ
ーに固形分重量に対して高分子アニオン性凝集剤(「ハ
イホルダー351」)を0.006%添加した後、常法
により長網抄紙機で坪量120g/m2の全熱交換器用
紙を得た。
【0036】以上述べた全熱交換器用紙を用いて、コル
ゲート加工機にて加熱コルゲート加工を施した。得られ
たコルゲート加工品で図1、2のような全熱交換エレメ
ントを作成した。
【0037】表1に実施例及び比較例の全熱交換器用紙
を用いたE段加工したコルゲート加工品で幅12cm、
直径45cmの熱交換器用ローターを作成し、図2のエ
レメントを作成し、熱成型性、実用試験を行った際の全
熱交換効率、形状保持性を示した。尚、熱成型性の評価
は、コルゲート加工時に成型性の良いものに○印、形状
が崩れてしまうものを×印とした。全熱交換効率は、風
速1.5m/秒、圧損5mmHgの時の値であり、効率
が60%以下を×印、60〜70%を○印70%以上を
◎印で表記し、○印以上が適とする。形状の保持性につ
いては、実用試験後の形状を観察し、形状の崩れに従っ
て以下の3段階評価をした。 3:形状の崩れなし 2:形状の崩れ少々ある 1:明らかな形状の崩れが観察される
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の全熱交換器用
紙によれば、以下に示す顕著な効果を有する。
【0040】(1)熱コルゲート加工、ヒートプレス等
により容易に熱成型が可能である。
【0041】(2)全熱交換器用紙に予め吸放湿性が付
与されているために、塩化リチウムのような潮解性物質
を使用することなく、潜熱交換効率を向上することがで
き、強度の低下、難燃性の低下がなく、形状保持性に優
れた全熱交換エレメントが製造可能である。
【0042】(3)吸放湿性の塗工層を設けたものは、
吸放湿性能だけでなく空気の透過性を低下させること
で、交換すべき空気の混合を極力減少させ、空気浄化作
用を向上させる。
【0043】(4)アルミ板などと異なり、紙素材であ
るので不要となった場合は、焼却処分が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】全熱交換体用紙をコルゲート加工後、縦横交互
に積層し全熱交換エレメントとした例である。
【図2】全熱交換体用紙をコルゲート加工後、ローター
状に巻き全熱交換エレメントとした例である。
【符号の説明】
1 積層型全熱交換エレメント 2 ローター型全熱交換エレメント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙用繊維が15〜85重量部、吸放湿
    性粉体が10〜50重量部、熱融着性物質が5〜35重
    量部からなることを特徴とする全熱交換器用紙。
  2. 【請求項2】 製紙用繊維が15〜85重量部、吸放湿
    性粉体が10〜50重量部、熱融着性物質が5〜35重
    量部である基紙に、難燃剤を含浸処理したことを特徴と
    する全熱交換器用紙。
  3. 【請求項3】 製紙用繊維が15〜85重量部、吸放湿
    性粉体が10〜50重量部、熱融着性物質が5〜35重
    量部である基紙に、難燃剤を含浸処理した後に吸放湿性
    の塗工層を設けたことを特徴とする全熱交換器用紙。
  4. 【請求項4】 前記吸放湿性の塗工層に使用される粉体
    が、シリカゲルと水酸化アルミニウムの混合物であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の全熱交換器用紙。
  5. 【請求項5】 製紙用繊維が15〜85重量部、吸放湿
    性粉体が10〜50重量部、熱融着性物質が5〜35重
    量部からなる基紙に、難燃剤を基紙重量に対して5〜2
    5重量%含浸処理した後、吸放湿性の塗工層を片面につ
    き5〜20g/m2塗布したことを特徴とする請求項
    3、4のいずれか一項記載の全熱交換器用紙。
JP3113697A 1997-01-29 1997-01-29 全熱交換器用紙 Pending JPH10212691A (ja)

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JP3113697A JPH10212691A (ja) 1997-01-29 1997-01-29 全熱交換器用紙

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