JPH0726500A - 硬質繊維板の増湿方法と増湿装置 - Google Patents
硬質繊維板の増湿方法と増湿装置Info
- Publication number
- JPH0726500A JPH0726500A JP5166598A JP16659893A JPH0726500A JP H0726500 A JPH0726500 A JP H0726500A JP 5166598 A JP5166598 A JP 5166598A JP 16659893 A JP16659893 A JP 16659893A JP H0726500 A JPH0726500 A JP H0726500A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硬質繊維板の湿式製造法において、板の増湿
を能率よく簡単に行なう。 【構成】 木質パルプのウエットマットを、片面に金網
を当接し、熱圧して板にし、この板を増湿処理して含水
率を高める硬質繊維板の湿式製造法において、熱圧され
た板Bの含水率を高めるに当り、熱圧時に金網が当接し
た板面にノズル装置8,9によって高圧水を噴射して板
Bに水を浸透させる。
を能率よく簡単に行なう。 【構成】 木質パルプのウエットマットを、片面に金網
を当接し、熱圧して板にし、この板を増湿処理して含水
率を高める硬質繊維板の湿式製造法において、熱圧され
た板Bの含水率を高めるに当り、熱圧時に金網が当接し
た板面にノズル装置8,9によって高圧水を噴射して板
Bに水を浸透させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬質繊維板を湿式法で
製造する場合、板の含水率を高める増湿方法と増湿装置
に関する。
製造する場合、板の含水率を高める増湿方法と増湿装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードボードとも言われる硬質繊維板を
湿式法で製造する場合、木質パルプを水に懸濁したスラ
リーを抄造脱水してウエットマットを形成する。このウ
エットマットは、ホットプレスにおいて、上面に鏡面板
を当接すると共に下面に金網を当接し、熱圧して板にす
る。
湿式法で製造する場合、木質パルプを水に懸濁したスラ
リーを抄造脱水してウエットマットを形成する。このウ
エットマットは、ホットプレスにおいて、上面に鏡面板
を当接すると共に下面に金網を当接し、熱圧して板にす
る。
【0003】この板は、強度を高めるため、温度が15
0℃位の熱処理室に2〜3時間保持して、熱処理する。
なお、高い強度が要求されない場合は、熱処理しない。
熱圧と熱処理又は熱圧により絶乾状態に近くなった板
は、含水率を高めるため、相対湿度が90%位で温度が
60℃位の調湿室に、隙間を設けて積み重ねた状態で、
6〜8時間保持して、増湿処理する。すると、含水率
は、高くて5〜7%になるが、理想的な8〜10%には
ならない。
0℃位の熱処理室に2〜3時間保持して、熱処理する。
なお、高い強度が要求されない場合は、熱処理しない。
熱圧と熱処理又は熱圧により絶乾状態に近くなった板
は、含水率を高めるため、相対湿度が90%位で温度が
60℃位の調湿室に、隙間を設けて積み重ねた状態で、
6〜8時間保持して、増湿処理する。すると、含水率
は、高くて5〜7%になるが、理想的な8〜10%には
ならない。
【0004】次に、板は、所望の寸法に切断する。その
後、更に高い含水率が要求される場合は、散水して積み
重ねた状態に10時間以上保持する。
後、更に高い含水率が要求される場合は、散水して積み
重ねた状態に10時間以上保持する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な硬質繊維板の湿式製造法において、硬質繊維板の含水
率を高める増湿工程は、切断前に6〜8時間掛り、ま
た、切断後に10時間以上掛り、長い時間を要するの
で、能率が低い。
な硬質繊維板の湿式製造法において、硬質繊維板の含水
率を高める増湿工程は、切断前に6〜8時間掛り、ま
た、切断後に10時間以上掛り、長い時間を要するの
で、能率が低い。
【0006】また、調湿室は、多数の板を隙間を設けて
積み重ねた状態で収容する広い空間を要し、この広い空
間を所望の高湿度高温度に維持する空調設備を要するの
で、大掛かりになる。
積み重ねた状態で収容する広い空間を要し、この広い空
間を所望の高湿度高温度に維持する空調設備を要するの
で、大掛かりになる。
【0007】従って、硬質繊維板の湿式製造法において
は、板の増湿を能率よく簡単に行なうことができない。
は、板の増湿を能率よく簡単に行なうことができない。
【0008】本発明の目的は、上記のような従来の課題
を解決することである。
を解決することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、木質パルプの
ウエットマットを、片面に金網を当接し、熱圧して板に
し、この板を増湿処理して含水率を高める硬質繊維板の
湿式製造法において、熱圧された板の含水率を高めるに
当り、熱圧時に金網が当接した板面に高圧水を噴射して
板に水を浸透させることを特徴とする増湿方法である。
ウエットマットを、片面に金網を当接し、熱圧して板に
し、この板を増湿処理して含水率を高める硬質繊維板の
湿式製造法において、熱圧された板の含水率を高めるに
当り、熱圧時に金網が当接した板面に高圧水を噴射して
板に水を浸透させることを特徴とする増湿方法である。
【0010】また、熱圧された板が通過する通路に、熱
圧時に金網が当接した板面に高圧水を噴射するノズル装
置を設け、ノズル装置に、水源に接続するポンプを接続
したことを特徴とする増湿装置である。
圧時に金網が当接した板面に高圧水を噴射するノズル装
置を設け、ノズル装置に、水源に接続するポンプを接続
したことを特徴とする増湿装置である。
【0011】
【作用】本発明においては、熱圧時に金網が当接した板
面に水が強く衝突して、その板面から板に水が浸透す
る。
面に水が強く衝突して、その板面から板に水が浸透す
る。
【0012】熱圧時に金網が当接した板面は、熱圧時に
鏡面板が当接した板面程には組織が緻密にはならないの
で、このような板面に水が強く衝突すると、板に水が浸
透するのが速く、板の含水率が所望の値になる時間が短
い。
鏡面板が当接した板面程には組織が緻密にはならないの
で、このような板面に水が強く衝突すると、板に水が浸
透するのが速く、板の含水率が所望の値になる時間が短
い。
【0013】また、水を加圧して板面に噴射する装置
は、大掛かりにはならない。
は、大掛かりにはならない。
【0014】
【発明の効果】本発明においては、硬質繊維板の含水率
を高めるのに長い時間を要しない。また、大掛かりな装
置ないし設備を要しない。
を高めるのに長い時間を要しない。また、大掛かりな装
置ないし設備を要しない。
【0015】従って、硬質繊維板の湿式製造法におい
て、板の増湿を能率よく簡単に行なうことができる。
て、板の増湿を能率よく簡単に行なうことができる。
【0016】
【実施例】本例の硬質繊維板の湿式製造法は、木質パル
プを水に懸濁したスラリーを抄造脱水してウエットマッ
トを形成する。このウエットマットは、ホットプレスに
おいて、上面に鏡面板を当接すると共に下面に金網を当
接し、熱圧して板にする。
プを水に懸濁したスラリーを抄造脱水してウエットマッ
トを形成する。このウエットマットは、ホットプレスに
おいて、上面に鏡面板を当接すると共に下面に金網を当
接し、熱圧して板にする。
【0017】この板は、強度を高めるため、温度が15
0℃位の熱処理室に2〜3時間保持して、熱処理する。
熱圧と熱処理により絶乾状態に近くなった板は、含水率
を高めるため、熱圧時に金網が当接した板面に高圧水を
噴射して増湿処理する。
0℃位の熱処理室に2〜3時間保持して、熱処理する。
熱圧と熱処理により絶乾状態に近くなった板は、含水率
を高めるため、熱圧時に金網が当接した板面に高圧水を
噴射して増湿処理する。
【0018】増湿装置は、図1に示すように、室1の床
に排水口2を設け、室1の後側壁と前側壁に板の入口3
と出口4を設け、室1の入口3に送り込みコンベヤ5を
設け、その前方位置に上下一対の第1送りローラ6を設
け、その前方位置に上下一対の第2送りローラ7を設け
ている。
に排水口2を設け、室1の後側壁と前側壁に板の入口3
と出口4を設け、室1の入口3に送り込みコンベヤ5を
設け、その前方位置に上下一対の第1送りローラ6を設
け、その前方位置に上下一対の第2送りローラ7を設け
ている。
【0019】熱処理された板Bは、図1に示すように、
送り込みコンベヤ5で室1内に入口3から送り込まれ、
第1送りローラ6と第2送りローラ7を順次通過する。
送り込みコンベヤ5で室1内に入口3から送り込まれ、
第1送りローラ6と第2送りローラ7を順次通過する。
【0020】室1内の第1送りローラ6と第2送りロー
ラ7の中間位置の下側には、図1と図2に示すように、
板Bの通路に向けて水を扇形状に噴射するノズル8を水
管9に一定間隔に突設したノズル装置を、板Bの通路を
横断する方向に沿って設け、図2に示すように、ノズル
装置の水管9に圧力調節弁10を介して高圧ポンプ11
を接続し、高圧ポンプ11に水道や水槽のような水源1
2を接続している。
ラ7の中間位置の下側には、図1と図2に示すように、
板Bの通路に向けて水を扇形状に噴射するノズル8を水
管9に一定間隔に突設したノズル装置を、板Bの通路を
横断する方向に沿って設け、図2に示すように、ノズル
装置の水管9に圧力調節弁10を介して高圧ポンプ11
を接続し、高圧ポンプ11に水道や水槽のような水源1
2を接続している。
【0021】第1送りローラ6と第2送りローラ7を順
次通過する板Bは、図1と図2に示すように、その下面
即ち熱圧時に金網が当接した裏面に全幅に渡ってノズル
装置8,9によって高圧水が噴射される。板Bは、裏面
側から水が浸透する。
次通過する板Bは、図1と図2に示すように、その下面
即ち熱圧時に金網が当接した裏面に全幅に渡ってノズル
装置8,9によって高圧水が噴射される。板Bは、裏面
側から水が浸透する。
【0022】第2送りローラ7の上前側には、図1に示
すように、水滴の飛散を防止する板13を縦に設け、板
13の下端に、第2送りローラ7を通過した板Bの上面
即ち熱圧時に鏡面板が当接した表面上の水滴を除去する
ゴム板14を取り付け、ゴム板14の下側に、第2送り
ローラ7を通過した板Bの下面を支える案内板15を設
け、ゴム板14,案内板15と室1の出口4の間に、板
Bの上下面の水分を除去する上下一対のスポンジローラ
16を設け、室1の出口4の外側に送り出しコンベヤ1
7を設けている。
すように、水滴の飛散を防止する板13を縦に設け、板
13の下端に、第2送りローラ7を通過した板Bの上面
即ち熱圧時に鏡面板が当接した表面上の水滴を除去する
ゴム板14を取り付け、ゴム板14の下側に、第2送り
ローラ7を通過した板Bの下面を支える案内板15を設
け、ゴム板14,案内板15と室1の出口4の間に、板
Bの上下面の水分を除去する上下一対のスポンジローラ
16を設け、室1の出口4の外側に送り出しコンベヤ1
7を設けている。
【0023】高圧水が噴射された板Bは、図1に示すよ
うに、ゴム板14とスポンジローラ16で余分な水分が
除去され、送り出しコンベヤ17で室1外に送り出され
る。長さが3m弱の板Bが室1を通過する時間は、30
秒より短い。
うに、ゴム板14とスポンジローラ16で余分な水分が
除去され、送り出しコンベヤ17で室1外に送り出され
る。長さが3m弱の板Bが室1を通過する時間は、30
秒より短い。
【0024】次に、水が浸透した板Bは、積み重ねた状
態に3時間以上保持される。含水率が所望の値になった
板Bは、所望の寸法に切断され、製品となる。
態に3時間以上保持される。含水率が所望の値になった
板Bは、所望の寸法に切断され、製品となる。
【0025】板Bの含水率は、圧力調節弁10に設定す
る圧力即ちノズル装置8,9に供給する水の圧力によっ
て調節される。含水率の調節は、容易である。
る圧力即ちノズル装置8,9に供給する水の圧力によっ
て調節される。含水率の調節は、容易である。
【0026】本例の装置において、板Bの厚さが2.5
mm,3.5mm又は5.0mmの場合、板Bの含水率を5
%,10%又は13%にするのに要する水圧(kgf/cm2)
は、次の表1の通りである。
mm,3.5mm又は5.0mmの場合、板Bの含水率を5
%,10%又は13%にするのに要する水圧(kgf/cm2)
は、次の表1の通りである。
【0027】
【表1】 なお、高圧水は、板Bの裏面に噴射され、板Bの表面に
は噴射されないので、板Bの表面は、高圧水の噴射によ
って品質が劣化することはない。
は噴射されないので、板Bの表面は、高圧水の噴射によ
って品質が劣化することはない。
【0028】<変形例> 1)実施例においては、ウエットマットを熱圧する際、
金網を、一方の片面にのみ当接したが、他方の片面にも
当接する。
金網を、一方の片面にのみ当接したが、他方の片面にも
当接する。
【0029】2)実施例においては、ノズル装置8,9
に供給する水の圧力を調節する装置に、圧力調節弁10
を用いたが、吐出圧力が調節可能なポンプ又はその他の
装置を用いる。
に供給する水の圧力を調節する装置に、圧力調節弁10
を用いたが、吐出圧力が調節可能なポンプ又はその他の
装置を用いる。
【図1】本発明の実施例の増湿装置の概略側面図であ
る。
る。
【図2】図1のA−A線断面の概略拡大図である。
B 板 8,9 ノズル装置 10 圧力調節弁 11 高圧ポンプ 12 水源
Claims (3)
- 【請求項1】 木質パルプのウエットマットを、片面に
金網を当接し、熱圧して板にし、この板を増湿処理して
含水率を高める硬質繊維板の湿式製造法において、 熱圧された板の含水率を高めるに当り、熱圧時に金網が
当接した板面に高圧水を噴射して板に水を浸透させるこ
とを特徴とする増湿方法。 - 【請求項2】 木質パルプのウエットマットを、片面に
金網を当接し、熱圧して板にし、この板を増湿処理して
含水率を高める硬質繊維板の湿式製造装置において、 熱圧された板が通過する通路に、熱圧時に金網が当接し
た板面に高圧水を噴射するノズル装置を設け、ノズル装
置に、水源に接続するポンプを接続したことを特徴とす
る増湿装置。 - 【請求項3】 ノズル装置に供給する水の圧力を調節す
る装置を設けたことを特徴とする請求項2に記載の増湿
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5166598A JPH0726500A (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 硬質繊維板の増湿方法と増湿装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5166598A JPH0726500A (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 硬質繊維板の増湿方法と増湿装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726500A true JPH0726500A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=15834264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5166598A Pending JPH0726500A (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 硬質繊維板の増湿方法と増湿装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0726500A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004292970A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-21 | Kimura Chem Plants Co Ltd | 機能性シート及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-07-06 JP JP5166598A patent/JPH0726500A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004292970A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-21 | Kimura Chem Plants Co Ltd | 機能性シート及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040914 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060508 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060807 |