JP2004291664A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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JP2004291664A JP2003082654A JP2003082654A JP2004291664A JP 2004291664 A JP2004291664 A JP 2004291664A JP 2003082654 A JP2003082654 A JP 2003082654A JP 2003082654 A JP2003082654 A JP 2003082654A JP 2004291664 A JP2004291664 A JP 2004291664A
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Shinya Aono
慎也 青野
Tomoyuki Yamauchi
知行 山内
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Abstract

【課題】車両直進時に車両挙動を不安定にさせることなく、切り返し操舵や急操舵を行う場合に正確なタイミングで慣性補償できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵による操作部材の回転を舵角が変化するように車輪に伝達する際の操舵トルクTの変化加速度に対応する値と、モータ10の回転角加速度に対応する値との和に、操舵トルクTの大きさに順相関する順相関ゲインK1を乗じることで、補償基準値K1・du/dtを求める。補償基準値K1・du/dtとモータ10の出力の補正値Icとの間の対応関係を、モータ10の出力を補正値Icに応じて補正することで操舵に及ぼす慣性の影響が補償されるように設定する。補償基準値K1・du/dtに対応する補正値Icに応じてモータ10の出力が補正される。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵補助力をモータにより付与する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵補助力をモータにより付与する電動パワーステアリング装置においては、操舵トルクや車速等の運転条件に応じて操舵補助力を変化させている。しかし、操舵補助力を運転条件に応じて変化させただけでは、モータを含む操舵系における可動部の慣性の影響により、操舵速度の変化時に操舵フィーリングが低下してしまう。そこで、モータの端子間電圧、電流、抵抗、逆起電圧定数からモータの回転角速度を求め、その回転角速度から回転角加速度を演算し、その回転角加速度に応じてモータ出力を補正することで操舵に対する慣性の影響を補償している。しかし、モータの回転角の変化は、操舵によるステアリングホイールの回転角の変化に対して遅れがある。そのため、モータの回転角加速度を用いただけでは慣性の影響を適正なタイミングで補償できず、特に操舵方向を反転する切り返し操舵や急操舵したような場合に操舵フィーリングが低下する。
【0003】
そこで、モータの回転角加速度と操舵トルクの変化加速度との和に応じてモータ出力を補正することで、操舵系における可動部の慣性の影響を補償することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2694213号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術のようにモータの回転角加速度だけでなく操舵トルクの変化加速度にも応じてモータ出力を補正した場合、僅かな操舵トルクの変化によっても操舵補助力が変動する。そうすると、操舵トルクの小さい車両直進時における僅かの操舵トルク変化により操舵補助力が変動し、車両挙動が不安定になるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決することのできる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動パワーステアリング装置の一つの特徴は、操舵補助力を発生するモータと、前記モータの回転角加速度に対応する値を求める手段と、操舵トルクを求める手段と、前記操舵トルクの変化加速度に対応する値を求める手段と、前記操舵トルクの大きさに順相関する順相関ゲインと前記操舵トルクとの間の設定された対応関係を記憶する手段と、前記モータの回転角加速度に対応する値と前記操舵トルクの変化加速度に対応する値との和に、前記操舵トルクに対応する順相関ゲインを乗じた補償基準値を求める手段と、前記補償基準値と前記モータの出力の補正値との間の設定された対応関係を記憶する手段と、前記補償基準値に対応する補正値に応じて前記モータの出力が補正されるように、前記モータを制御する手段とを備え、前記補償基準値と前記モータの出力の補正値との間の対応関係は、前記モータの出力を前記補正値に応じて補正することで操舵に及ぼす慣性の影響が補償されるように設定されている点にある。
この特徴によれば、操舵系における可動部の慣性が操舵に及ぼす影響は、モータの回転角加速度に対応する値と操舵トルクの変化加速度に対応する値との和に順相関ゲインを乗じた補償基準値に応じてモータを制御することで補償される。その順相関ゲインは操舵トルクの大きさに順相関するので、操舵トルクが小さい時は補償基準値を小さくできる。これにより、切り返し操舵や急操舵したような場合でも慣性の影響を適正なタイミングで補償でき、且つ、操舵トルクの小さい車両直進時は補償基準値を低減して僅かな操舵トルクの変化による操舵補助力の変動を抑制し、車両挙動が不安定になるのを防止できる。
【0007】
本発明の電動パワーステアリング装置の別の特徴は、操舵補助力を発生するモータと、前記モータの回転角加速度に対応する値を求める手段と、操舵トルクを求める手段と、前記操舵トルクの変化加速度に対応する値を求める手段と、前記操舵トルクの大きさに順相関する順相関ゲインと前記操舵トルクとの間の設定された対応関係を記憶する手段と、前記モータの回転角加速度に対応する値と前記操舵トルクの変化加速度に対応する値との和に、前記操舵トルクに対応する順相関ゲインを乗じた補償基準値を求める手段と、前記操舵トルクの大きさに逆相関する逆相関ゲインと前記操舵トルクとの間の設定された対応関係を記憶する手段と、前記モータの回転角加速度に対応する値に、前記操舵トルクに対応する前記逆相関ゲインを乗じた付加補償基準値を求める手段と、前記補償基準値と付加補償基準値との和と前記モータの出力の補正値との間の設定された対応関係を記憶する手段と、前記補償基準値と付加補償基準値との和に対応する補正値に応じて前記モータの出力が補正されるように、前記モータを制御する手段とを備え、前記補償基準値と付加補償基準値との和と前記モータの出力の補正値との間の対応関係は、前記モータの出力を前記補正値に応じて補正することで操舵に及ぼす慣性の影響が補償されるように設定されている点にある。
この特徴によれば、操舵系における可動部の慣性が操舵に及ぼす影響は、モータの回転角加速度に対応する値と操舵トルクの変化加速度に対応する値との和に順相関ゲインを乗じた補償基準値と、モータの回転角加速度に対応する値に逆相関ゲインを乗じた付加補償基準値との和に応じて操舵補助力発生用モータを制御することで補償される。その順相関ゲインは操舵トルクの大きさに順相関するので、操舵トルクが小さい時は補償基準値を小さくできる。これにより、切り返し操舵や急操舵したような場合でも慣性の影響を適正なタイミングで補償でき、且つ、操舵トルクの小さい車両直進時は補償基準値を低減して僅かな操舵トルクの変化による操舵補助力の変動を抑制し、車両挙動が不安定になるのを防止できる。さらに、その逆相関ゲインは操舵トルクの大きさに逆相関するので、車両直進時から低操舵トルクでゆっくり舵角を変化させるような場合は、付加補償基準値を大きくして慣性の影響を補償できる。すなわち、操舵の態様に拘わらず適正に慣性補償できる。
【0008】
本発明においては前記操舵トルクの変化加速度に対応する値は、前記操舵トルクの変化加速度に調整可能なゲインを乗じることで求められるのが好ましい。
これにより、操舵トルクの変化加速度に乗じるゲインを調整することで、モータの回転角加速度に基づく慣性補償と操舵トルクの変化加速度に基づく慣性補償との割合を調整でき、慣性の影響をより正確なタイミングで補償することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示す第1実施形態の電動パワーステアリング装置1は、操舵によるステアリングホイール2(操作部材)の回転を舵角が変化するように車輪3に伝達する機構を備える。本実施形態では、ステアリングホイール2の回転がステアリングシャフト4を介してピニオン5に伝達されることで、ピニオン5に噛み合うラック6が移動し、そのラック6の動きがタイロッド7やナックルアーム8を介して車輪3に伝達されることで舵角が変化する。なお、ステアリングホイール2の回転を舵角が変化するように車輪3に伝達する機構は特に限定されず、例えばステアリングホイールの回転をステアリングシャフトからリンク機構を介して車輪に伝達するものでもよい。
【0010】
ステアリングホイール2の回転を車輪3に伝達する経路に作用する操舵補助力を発生するモータ10が設けられている。本実施形態では、モータ10の出力シャフトの回転を減速ギヤ機構11を介してステアリングシャフト4に伝達することで操舵補助力を付与する。操舵補助力発生用モータ10の出力の車輪3への伝達機構は操舵補助力を付与することができれば特に限定されず、例えばラックピニオン式ステアリングギヤにおけるラックと一体のボールスクリューにねじ合わされるボールナットを、モータの出力により駆動することで操舵補助力を付与する構成を採用してもよい。
【0011】
モータ10は駆動回路21を介してコンピュータにより構成される制御装置20に接続される。制御装置20に、ステアリングシャフト4により伝達される操舵トルクTを検出するトルクセンサ22、操舵角度θhを検出する舵角センサ23、車速Vを検出する車速センサ24、モータ10の端子間電圧センサ25およびモータ電流センサ26が接続される。制御装置20はモータ10の回転速度として、センサ25、26により検出したモータ10の端子間電圧とモータ電流および記憶したモータの抵抗と逆起電圧定数とから公知の演算式を用いてモータ10の回転角速度ωを求める。
【0012】
制御装置20は、操舵補助力が運転条件に応じて変化すると共に、モータ10を含む操舵系における可動部の慣性が操舵に及ぼす影響を補償できるようにモータ10を制御する。
【0013】
図2は制御装置20によるモータ10の制御ブロック線図を示し、運転条件として求めた操舵トルクTと車速Vに応じてアシスト電流値Iaがアシスト電流演算部20aにおいて求められる。例えば図3に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に、また、車速Vが低速になる程にアシスト電流値Iaの大きさが大きくなる対応関係が予め設定されて制御装置20に記憶され、その記憶した対応関係と求めた操舵トルクTと車速Vからアシスト電流値Iaが求められる。
【0014】
求められた操舵トルクTの微分値である操舵トルク変化速度dT/dtが微分器20bにおいて求められる。その操舵トルク変化速度dT/dtに定数1/Kを乗じた1/K・dT/dtが乗算器20cにおいて求められる。その定数Kは、本実施形態では操舵トルクTとしてステアリングシャフト4により伝達するトルクを検出していることから、そのトルク検出部におけるステアリングシャフト4のねじり剛性に対応し、そのトルク検出部をトーションバーにより連結される2部材により構成する場合はトーションバーのねじり剛性に対応する。
【0015】
その1/K・dT/dtにゲイン調整器20dにより調整可能なゲインKgを乗じたKg/K・dT/dtが乗算器20eにおいて求められる。そのゲイン調整器20dは制御装置20に接続され、オペレータの操作によりゲインKgを調整することが可能とされている。
【0016】
求められたモータ10の回転角速度ωに定数1/Nを乗じたピニオン角速度ω/Nが乗算器20fにおいて求められる。その定数Nは、本実施形態ではモータ10の出力を減速ギヤ機構11を介してステアリングシャフト4に伝達することから減速ギヤ機構11の減速比である。
【0017】
そのKg/K・dT/dtとピニオン角速度ω/Nの和である操舵角速度対応値uが加算器20gにおいて求められる。
【0018】
操舵角速度対応値uの微分値、すなわちモータ10の回転角加速度に対応する値と操舵トルクTの変化加速度に対応する値との和である操舵角加速度対応値du/dtが微分器20hにおいて求められる。ここでdu/dt=Kg/K・d T/dt +dω/dt・1/Nである。すなわち、操舵トルクTの変化加速度に対応する値として、操舵トルクTの変化加速度に調整可能なゲインKgとトーションバーのねじり剛性Kの逆数を乗じた値Kg/K・d T/dt が求められる。また、モータ10の回転角加速度に対応する値として、ピニオン角速度の微分値dω/dt・1/Nが求められる。
【0019】
制御装置20に、操舵トルクTの大きさに順相関する順相関ゲインK1と操舵トルクTとの間の予め設定された対応関係が記憶される。その対応関係は操舵トルクTの大きさに順相関ゲインK1が順相関すれば特に限定されず、例えば図4において実線で示すように、順相関ゲインK1は操舵トルクTの大きさが一定値Ta以下では零とされ、その一定値Taを超えると漸次大きくなり、一定値Tb以上では一定とされる。その一定値Taは例えば車両直進時に遊び範囲で操舵をする場合の操舵トルク程度とされ、その一定値Tbは例えばコーナリング走行時における操舵トルク程度とされる。制御装置20は、その記憶された対応関係を用いて操舵トルクTに対応する順相関ゲインK1を演算部20iにおいて求め、また、モータ10の回転角加速度に対応する値と操舵トルクTの変化加速度に対応する値との和である操舵角加速度対応値du/dtに、その順相関ゲインK1を乗じた補償基準値K1・du/dtを演算部20jにおいて求める。
【0020】
制御装置20に、補償基準値K1・du/dtとモータ10の出力の補正値との間の予め設定された対応関係が記憶される。その補正値は本実施形態では補償電流値Icとされる。補償基準値K1・du/dtと補償電流値Icとの間の対応関係は、モータ10の出力を補償電流値Icに応じて補正することで操舵に及ぼす操舵系における可動部の慣性の影響が補償されるように予め設定される。例えば図5において実線で示すように、補償基準値K1・du/dtの大きさが大きくなる程に補償電流値Icの大きさが大きくなる対応関係が予め定められて制御装置20に記憶される。制御装置20は、その記憶された対応関係を用いて補償基準値K1・du/dtに対応する補償電流値Icを演算部20kにおいて求める。
【0021】
求めたアシスト電流値Iaと補償電流値Icの和であるモータ10の目標駆動電流I が加算器20mにおいて求められる。制御装置20は、目標駆動電流I にモータ電流Iが対応するようにモータ10を駆動回路21を介してフィードバック制御する。これにより、補償基準値K1・du/dtに対応する補償電流値Icに応じてモータ10の出力すなわち操舵補助力が補正されるようにモータ10が制御される。
【0022】
上記第1実施形態によれば、操舵系における可動部の慣性が操舵に及ぼす影響は、モータ10の回転角加速度に対応する値と操舵トルクTの変化加速度に対応する値との和に順相関ゲインK1を乗じた補償基準値K1・du/dtに応じてモータ10を制御することで補償される。その順相関ゲインK1は操舵トルクTの大きさに順相関するので、操舵トルクTが小さい時は補償基準値K1・du/dtを小さくできる。これにより、切り返し操舵や急操舵したような場合でも慣性の影響を適正なタイミングで補償でき、且つ、操舵トルクTの小さい車両直進時は補償基準値K1・du/dtを低減して僅かな操舵トルクTの変化による操舵補助力の変動を抑制し、車両挙動が不安定になるのを防止できる。また、操舵トルクTの変化加速度に乗じるゲインKgを調整することで、モータ10の回転角加速度に基づく慣性補償と操舵トルクTの変化加速度に基づく慣性補償との割合を調整でき、慣性の影響をより正確なタイミングで補償することが可能になる。
【0023】
図6は第2実施形態の電動パワーステアリング装置におけるモータ10の制御ブロック線図を示し、第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
【0024】
まず、モータ10の回転角加速度に対応する値として、ピニオン角速度の微分値dω/dt・1/Nが微分器20nにおいて求められる。
【0025】
制御装置20に、操舵トルクTの大きさに逆相関する逆相関ゲインK2と操舵トルクTとの間の予め設定された対応関係が記憶される。その対応関係は操舵トルクTの大きさに逆相関ゲインK2が逆相関すれば特に限定されず、例えば図7に示すように、逆相関ゲインK2は操舵トルクTの大きさが一定値Ta以下では一定値とされ、その一定値Taを超えると漸次小さくなり、一定値Tb以上では零とされる。なお、順相関ゲインK1と逆相関ゲインK2の和は1のような一定値にしてもよいししなくてもよい。制御装置20は、その記憶された対応関係を用いて操舵トルクTに対応する逆相関ゲインK2を演算部20pにおいて求め、また、モータ10の回転角加速度に対応する値dω/dt・1/Nに、その逆相関ゲインK2を乗じた付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nを演算部20qにおいて求める。
【0026】
制御装置20に、補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nとの和とモータ10の出力の補正値との間の予め設定された対応関係が記憶される。その補正値は本実施形態では補償電流値Ic′とされる。補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nとの和と補償電流値Ic′との間の対応関係は、モータ10の出力を補償電流値Ic′に応じて補正することで操舵に及ぼす操舵系における可動部の慣性の影響が補償されるように予め設定される。例えば図8において実線で示すように、補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nとの和の大きさが大きくなる程に補償電流値Ic′の大きさが大きくなる対応関係が予め定められて制御装置20に記憶される。制御装置20は、その記憶された対応関係を用いて補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nとの和に対応する補償電流値Ic′を演算部20k′において求める。
【0027】
求めたアシスト電流値Iaと補償電流値Ic′の和であるモータ10の目標駆動電流I が加算器20mにおいて求められる。制御装置20は、目標駆動電流I にモータ電流Iが対応するようにモータ10を駆動回路21を介してフィードバック制御する。これにより、補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nとの和に対応する補償電流値Ic′に応じてモータ10の出力すなわち操舵補助力が補正されるようにモータ10が制御される。他は第1実施形態と同様の構成とされる。
【0028】
上記第2実施形態によれば、操舵系における可動部の慣性が操舵に及ぼす影響は、モータ10の回転角加速度に対応する値と操舵トルクTの変化加速度に対応する値との和に順相関ゲインK1を乗じた補償基準値K1・du/dtと、モータ10の回転角加速度に対応する値に逆相関ゲインK2を乗じた付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nとの和に応じて操舵補助力発生用モータ10を制御することで補償される。その順相関ゲインK1は操舵トルクTの大きさに順相関するので、操舵トルクTが小さい時は補償基準値K1・du/dtを小さくできる。これにより、切り返し操舵や急操舵したような場合でも慣性の影響を適正なタイミングで補償でき、且つ、操舵トルクTの小さい車両直進時は補償基準値K1・du/dtを低減して僅かな操舵トルクTの変化による操舵補助力の変動を抑制し、車両挙動が不安定になるのを防止できる。その逆相関ゲインK2は操舵トルクTの大きさに逆相関するので、車両直進時から低操舵トルクでゆっくり舵角を変化させるような場合は、付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nを大きくして慣性の影響を補償できる。すなわち、操舵の態様に拘わらず適正に慣性補償できる。他は第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0029】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、図5、図8において2点鎖線で示す変形例のように、補償電流値Ic、Ic′の大きさの増加率を、補償基準値K1・du/dtあるいは補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nの和の大きさが大きい範囲では小さい範囲より大きくしてもよい。これにより、補償基準値K1・du/dtあるいは補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nの和の大きさが小さい範囲では各実施形態の場合よりも補償電流値Ic、Ic′の大きさが小さくされ、その大きさが大きい範囲では各実施形態の場合よりも補償電流値Ic、Ic′の大きさが大きくされる。よって、補償基準値K1・du/dtあるいは補償基準値K1・du/dtと付加補償基準値K2・dω/dt・1/Nの和の大きさが小さく慣性補償を行う必要性が小さい場合に、補償電流値Ic、Ic′が過大になるのを防止し、また、その大きさが大きく慣性補償を行う必要性が大きい場合に、補償電流値Ic、Ic′が不足するのを防止し、適正な慣性補償を行うことができる。また、モータ10の回転角速度をエンコーダ等を用いて直接に検出してもよい。また、モータの回転角速度や回転角加速度を角速度や角加速度でなく単位時間当たり回転数や回転数変化で求めてもよい。さらに、操舵トルクの変化加速度に対応する値は、操舵トルクの変化加速度の変化に対応して変化する値であればよく、例えば操舵トルクの変化加速度そのものでもよいし、操舵トルクの変化加速度に設定された係数を乗じたり加算した値であってもよい。また、モータの回転角加速度に対応する値は、モータの回転角加速度の変化に対応して変化する値であればよく、モータの回転角加速度そのものでもよいし、モータの回転角加速度に設定された係数を乗じたり加算した値であってもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、車両直進時に車両挙動を不安定にさせることなく、切り返し操舵や急操舵を行う場合に正確なタイミングで慣性補償し、さらに、どのような操舵態様であっても適正に慣性補償ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の構成説明図
【図2】本発明の第1実施形態の電動パワーステアリング装置における操舵補助力発生用モータの制御ブロック線図
【図3】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における操舵トルクと車速とアシスト電流値との対応関係を示す図
【図4】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における順相関ゲインと操舵トルクTとの対応関係を示す図
【図5】本発明の第1実施形態と変形例の電動パワーステアリング装置における補償基準値と補償電流値との対応関係を示す図
【図6】本発明の第2実施形態の電動パワーステアリング装置における操舵補助力発生用モータの制御ブロック線図
【図7】本発明の第2実施形態の電動パワーステアリング装置における逆相関ゲインと操舵トルクTとの対応関係を示す図
【図8】本発明の第2実施形態と変形例の電動パワーステアリング装置における補償基準値と付加補償基準値との和と補償電流値との対応関係を示す図
【符号の説明】
2 ステアリングホイール(操作部材)
3 車輪
10 モータ
20 制御装置
20d ゲイン調整器
22 トルクセンサ
25 端子間電圧センサ
26 モータ電流センサ

Claims (3)

  1. 操舵補助力を発生するモータと、
    前記モータの回転角加速度に対応する値を求める手段と、
    操舵トルクを求める手段と、
    前記操舵トルクの変化加速度に対応する値を求める手段と、
    前記操舵トルクの大きさに順相関する順相関ゲインと前記操舵トルクとの間の設定された対応関係を記憶する手段と、
    前記モータの回転角加速度に対応する値と前記操舵トルクの変化加速度に対応する値との和に、前記操舵トルクに対応する順相関ゲインを乗じた補償基準値を求める手段と、
    前記補償基準値と前記モータの出力の補正値との間の設定された対応関係を記憶する手段と、
    前記補償基準値に対応する補正値に応じて前記モータの出力が補正されるように、前記モータを制御する手段とを備え、
    前記補償基準値と前記モータの出力の補正値との間の対応関係は、前記モータの出力を前記補正値に応じて補正することで操舵に及ぼす慣性の影響が補償されるように設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 操舵補助力を発生するモータと、
    前記モータの回転角加速度に対応する値を求める手段と、
    操舵トルクを求める手段と、
    前記操舵トルクの変化加速度に対応する値を求める手段と、
    前記操舵トルクの大きさに順相関する順相関ゲインと前記操舵トルクとの間の設定された対応関係を記憶する手段と、
    前記モータの回転角加速度に対応する値と前記操舵トルクの変化加速度に対応する値との和に、前記操舵トルクに対応する順相関ゲインを乗じた補償基準値を求める手段と、
    前記操舵トルクの大きさに逆相関する逆相関ゲインと前記操舵トルクとの間の設定された対応関係を記憶する手段と、
    前記モータの回転角加速度に対応する値に、前記操舵トルクに対応する前記逆相関ゲインを乗じた付加補償基準値を求める手段と、
    前記補償基準値と付加補償基準値との和と前記モータの出力の補正値との間の設定された対応関係を記憶する手段と、
    前記補償基準値と付加補償基準値との和に対応する補正値に応じて前記モータの出力が補正されるように、前記モータを制御する手段とを備え、
    前記補償基準値と付加補償基準値との和と前記モータの出力の補正値との間の対応関係は、前記モータの出力を前記補正値に応じて補正することで操舵に及ぼす慣性の影響が補償されるように設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記操舵トルクの変化加速度に対応する値は、前記操舵トルクの変化加速度に調整可能なゲインを乗じることで求められる請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
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