JP2004289590A - 高周波用伝送線路 - Google Patents

高周波用伝送線路 Download PDF

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Nobuyuki Tanaka
信幸 田中
Koichi Kashiwagi
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Abstract

【課題】高周波用伝送線路における高周波信号の伝送効率を向上させ、高周波用伝送線路に接続される高周波用電子部品を長期にわたり正常かつ安定に作動させること。
【解決手段】四角形状の絶縁基板1の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体2およびその両側に等間隔をもって線路導体2に平行な両側辺までそれぞれ形成された同一面接地導体3と、絶縁基板1の下面の全面に形成された下部接地導体5と、絶縁基板1の線路導体2に平行な両側面に形成された、同一面接地導体3および下部接地導体5を電気的に接続する側部接地導体7とを有する伝送線路用基体1aが、直方体状の金属部材8の上面の一辺から対向する他辺にかけて形成された溝8aに、伝送線路用基体1aの上面を金属部材8の上面よりも低くして嵌着されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の高周波用電子部品に接続させて高周波信号を伝送させるための高周波用伝送線路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号で作動する半導体素子等の高周波用電子部品に接続させて高周波信号を伝送させるための高周波用伝送線路を図3に斜視図で示す。
【0003】
同図において、11はアルミナ(Al2O3)質セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)質セラミックス,ムライト(3Al2O3・2SiO2)質セラミックス等の誘電体から成る四角形状の絶縁基板であり、絶縁基板11はその上面に、一辺から対向する他辺にかけて形成され、タングステン(W),モリブデン(Mo)等のメタライズ層から成る線路導体12と、線路導体12の両側に等間隔をもって形成されたW,Mo等のメタライズ層から成る同一面接地導体13とを有する。また、絶縁基板11の下面には、その全面に線路導体12と同様のメタライズ層から成る下部接地導体15を有する。
【0004】
このような絶縁基板11は、線路導体12を伝送する高周波信号の周波数に応じて線路導体12と同一面接地導体13との間の間隔を適宜調整することによって、線路導体12を特性インピーダンスに整合させることができる。このように、線路導体12を特性インピーダンスに整合させることによって、線路導体12を伝送する高周波信号の伝送効率を良好なものとすることができる。
【0005】
また絶縁基板11は、同一面接地導体13から下部接地導体15にかけて貫通導体14が形成されることによって、または絶縁基板11の線路導体12の線路方向に垂直な側面に、同一面接地導体13を延出して下部接地導体15に接続された端面接地導体16が形成されることによって、同一面接地導体13と下部接地導体15とが電気的に接続されて線路導体12に対する接地電位を強化することができ、線路導体12を伝送する高周波信号の伝送性をより良好なものとすることができる。
【0006】
好ましくは、貫通導体14および端面接地導体16がともに形成されることによって、同一面接地導体13をより安定な接地電位とすることができる。
【0007】
以上のように、図3に示される高周波用伝送線路は、線路導体12を伝送する高周波信号の伝送効率を向上させることができ、高周波用の伝送線路として用いられる(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−23106号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の高周波用伝送線路では、線路導体12を伝送する高周波信号の周波数がより高周波帯域のものになると、同一面接地導体13の接地電位が不十分となり、線路導体12を伝送する高周波信号に反射等の伝送損失が発生し易くなり、高周波信号の伝送効率が低下し易くなるという問題があった。特に、線路導体12を伝送する高周波信号が10GHz以上である場合、上記問題点が顕著なものとなっていた。
【0010】
また、線路導体12を伝送する高周波信号の周波数が10GHz以上のものになると、線路導体12を伝送する高周波信号が絶縁基板11の外側に放射され、高周波信号に放射による損失が発生し、高周波信号の伝送効率が低下し易くなるという問題点もあった。
【0011】
さらには、線路導体12を伝送する高周波信号の周波数がより高周波帯域のものになると、線路導体12のインピーダンスを特性インピーダンスに整合させるために絶縁基板11の厚さを薄くする必要性が生じ、その場合、絶縁基板11が非常に薄いものとなり、例えば絶縁基板11を外部電気回路基板等に実装する場合や、線路導体12と高周波用電子部品とを電気的に接続する場合などの絶縁基板11を取り扱う際に、絶縁基板11にクラック等の破損が生じ易くなる。その結果、線路導体12が断線して、高周波信号が伝送できなくなるという問題点があった。
【0012】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、高周波用伝送線路において、線路導体で高周波信号の反射等の伝送損失が生ずるのを防止することにより、高周波用伝送線路における高周波信号の伝送効率を向上させ、高周波用伝送線路に接続される高周波用電子部品を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るものとすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波用伝送線路は、四角形状の絶縁基板の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体およびその両側に等間隔をもって前記線路導体に平行な両側辺までそれぞれ形成された同一面接地導体と、前記絶縁基板の下面の全面に形成された下部接地導体と、前記絶縁基板の前記線路導体に平行な両側面に形成された、前記同一面接地導体および前記下部接地導体を電気的に接続する側部接地導体とを有する伝送線路用基体が、直方体状の金属部材の上面の一辺から対向する他辺にかけて形成された溝に、前記伝送線路用基体の前記上面を前記金属部材の前記上面よりも低くして嵌着されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の高周波用伝送線路は、四角形状の絶縁基板の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体およびその両側に等間隔をもって線路導体に平行な両側辺までそれぞれ形成された同一面接地導体と、絶縁基板の下面の全面に形成された下部接地導体と、絶縁基板の線路導体に平行な両側面に形成された、同一面接地導体および下部接地導体を電気的に接続する側部接地導体とを有する伝送線路用基体が、直方体状の金属部材の上面の一辺から対向する他辺にかけて形成された溝に、伝送線路用基体の上面を金属部材の上面よりも低くして嵌着されていることによって、側部接地導体および下部接地導体が全面において電気伝導性に優れる金属部材に接続されることとなり、線路導体に対する接地電位を非常に強化し安定化することができる。また、同一面接地導体も全長にわたって金属部材と電気的に接続されるので、同一面接地導体の接地電位も非常に強化し安定化することができる。その結果、線路導体を伝送する高周波信号がより高周波帯域のものとなっても高周波信号に反射等の伝送損失が発生するのを有効に抑制し、高周波信号を正常かつ安定に伝送させることができる。
【0015】
また、伝送線路用基体の側面および下面が電気伝導性に優れる金属部材に取り囲まれることによって、線路導体に対する非常に大きな電磁遮蔽効果(シールド効果)が得られ、この電磁遮蔽効果により、線路導体を伝送する高周波信号が絶縁基板の内部に放射されても、その放射された高周波信号の成分は同一面接地導体と金属部材とで取り囲まれる領域内に閉じ込められ、損失が有効に抑えられる。その結果、高周波信号の損失を抑え、高周波信号の伝送効率を良好なものとすることができる。
【0016】
さらには、線路導体を伝送する高周波信号の周波数がより高周波帯域のものになった場合、線路導体のインピーダンスを特性インピーダンスに整合させるために絶縁基板の厚さを薄くしても、金属部材によって絶縁基板を補強することができ、例えば絶縁基板を外部電気絶縁基板等に実装する場合や、線路導体と高周波用電子部品とを電気的に接続する場合等の絶縁基板を取り扱う際に、絶縁基板にクラック等の破損が生じるのを有効に抑制することができる。その結果、線路導体が断線するのを有効に防止でき、高周波信号を常に正常かつ安定に伝送することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の高周波用伝送線路について以下に詳細に説明する。図1は本発明の高周波用伝送線路について実施の形態の一例を示す展開斜視図である。同図において、1は絶縁基板、1aは伝送線路用基体、2は線路導体、3は同一面接地導体、5は下部接地導体、7は側部接地導体、8は金属部材である。
【0018】
本発明の高周波用伝送線路は、四角形状の絶縁基板1の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体2およびその両側に等間隔をもって線路導体2に平行な両側辺までそれぞれ形成された同一面接地導体3と、絶縁基板1の下面の全面に形成された下部接地導体5と、絶縁基板1の線路導体2に平行な両側面に形成された、同一面接地導体3および下部接地導体5を電気的に接続する側部接地導体7とを有する伝送線路用基体1aが、直方体状の金属部材8の上面の一辺から対向する他辺にかけて形成された溝8aに、伝送線路用基体1aの上面を金属部材8の上面よりも低くして嵌着されている。
【0019】
絶縁基板1は、Al2O3質セラミックス,AlN質セラミックス,3Al2O3・2SiO2質セラミックス等の誘電体からなる四角形状のものである。
【0020】
線路導体2および同一面接地導体3は、絶縁基板1の上面に形成されたW,Mo等のメタライズ層から成る。また、絶縁基板1の下面にはその全面に線路導体2と同様のメタライズ層から成る下部接地導体5を有する。
【0021】
また、絶縁基板1の側面には線路導体2と同様のメタライズ層から成る側部接地導体7が形成されている。これらの下部接地導体5および側部接地導体7と同一面接地導体3とにより、線路導体2に対する接地が強化され、線路導体2の高周波信号の伝送効率に優れたものとなる。
【0022】
好ましくは、同一面接地導体3から下部接地導体5にかけて貫通導体4が形成されているのがよい。あるいは、絶縁基板1の線路導体2の線路方向に垂直な側面に同一面接地導体3を延出して下部接地導体5に接続した線路導体2と同様のメタライズ層から成る端面接地導体6が形成されていてもよい。この構成により、同一面接地導体3と下部接地導体5とがより電位差が小さくなるように電気的に接続され、同一面接地導体3の接地電位がさらに強化される。また、線路導体2を伝送する高周波信号が貫通導体4または端面接地導体6で囲まれる領域よりも外側に放射されるのを有効に抑制されるため、線路導体2に対する電磁遮蔽効果も得られることとなる。
【0023】
なお、これらの貫通導体4および端面接地導体6がともに形成されていてもよい。これにより線路導体2に対する接地電位をより強化できるとともに電磁遮蔽効果をより向上させることができる。
【0024】
また、端面接地導体6は、絶縁基板1の線路導体2の線路方向に垂直な側面に、上端から下端にかけて切欠き(キャスタレーション)が形成され、その内面に導体を配設することにより形成されていてもよい。
【0025】
このような絶縁基板1は以下のようにして作製される。例えば、Al2O3質セラミックスから成る場合、先ず酸化アルミニウム、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術により複数のセラミックグリーンシートを得る。
【0026】
次に、このセラミックグリーンシートに、W,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、線路導体2,同一面接地導体3および下部接地導体5となるメタライズ層を所定パターンに形成する。また、このセラミックグリーンシートに金型等によって打ち抜き加工を施すことによって、所望の位置に貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体4となるW,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを充填する。
【0027】
その後、このセラミックグリーンシートの側面に、端面接地導体6,側部接地導体7となるW,Mo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを塗布する。そして、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより製作することができる。
【0028】
また線路導体2,同一面接地導体3,下部接地導体5,端面接地導体6および側部接地導体7は薄膜形成法によって形成されていてもよく、その場合、線路導体2,同一面接地導体3,下部接地導体5,端面接地導体6および側部接地導体7は窒化タンタル(Ta2N)、ニクロム(Ni−Cr合金)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)等から形成され、セラミックグリーンシートを焼成した後にスパッタリング等の薄膜形成法により形成される。
【0029】
なお、線路導体2,同一面接地導体3,下部接地導体5,端面接地導体6および側部接地導体7は、その露出した表面に耐蝕性に優れ、かつ導電性接着材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層をめっき法等により被着させておくのがよい。これにより、線路導体2,同一面接地導体3,下部接地導体5,端面接地導体6および側部接地導体7の酸化腐食を有効に防止することができるとともに、線路導体2,同一面接地導体3,下部接地導体5,端面接地導体6および側部接地導体7に対するボンディングワイヤや導電性接着材等の濡れ性を良好なものとしてこれらの密着性を良好なものとすることができる。
【0030】
金属部材8は鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やFe−Ni合金等から成り、上面に一辺から対向する他辺にかけて溝8aが形成されている。そして、溝8aに伝送線路用基体1aが嵌め込まれ、伝送線路用基体1aの下部接地導体5および側部接地導体7が銀(Ag)ロウや金(Au)−錫(Sn)半田等の導電性接着材によって溝8aの内面に接着され、下部接地導体5,側部接地導体7が金属部材8に機械的に固定されるとともに電気的に接続される。
【0031】
この構成によって、側部接地導体7および下部接地導体5が全面において電気伝導性に優れる金属部材8に接続されることとなり、線路導体2に対する接地電位を非常に強化し安定化することができる。また、同一面接地導体3も全長にわたって金属部材8と電気的に接続されるので、同一面接地導体3の接地電位も非常に強化し安定化することができる。その結果、線路導体2を伝送する高周波信号がより高周波帯域のものとなっても高周波信号に反射等の伝送損失が発生するのを有効に抑制し、高周波信号を正常かつ安定に伝送させることができる。
【0032】
また、伝送線路用基体1aの側面および下面が電気伝導性に優れる金属部材8に取り囲まれることによって、線路導体2に対する非常に大きな電磁遮蔽効果(シールド効果)が得られ、この電磁遮蔽効果により、線路導体2を伝送する高周波信号が絶縁基板1の内部に放射されても、その放射された高周波信号の成分は同一面接地導体3と金属部材8とで取り囲まれる領域内に閉じ込められ、損失が有効に抑えられる。その結果、高周波信号の損失を抑え、高周波信号の伝送効率を良好なものとすることができる。
【0033】
さらには、線路導体2を伝送する高周波信号の周波数がより高周波帯域のものになった場合、線路導体2のインピーダンスを特性インピーダンスに整合させるために絶縁基板1の厚さを薄くしても、金属部材8によって絶縁基板1を補強することができ、例えば絶縁基板1を外部電気絶縁基板等に実装する場合や、線路導体2と高周波用電子部品とを電気的に接続する場合等の絶縁基板1を取り扱う際に、絶縁基板1にクラック等の破損が生じるのを有効に抑制することができる。その結果、線路導体2が断線するのを有効に防止でき、高周波信号を常に正常かつ安定に伝送することができる。
【0034】
ここで、伝送線路用基体1aの高さをh1、溝8aの深さをh2とすれば、h2>h1となっている。この構成により、同一面接地導体3を全長にわたって側部で金属部材8と電気的に接続させることができるので、同一面接地導体3の接地電位をより強化し安定化することができるとともに線路導体2に対する電磁遮蔽効果を向上できる。また、金属部材8が線路導体2を絶縁基板1のさらに上側まで取り囲むことができ、線路導体2に対する電磁遮断効果をより大きくすることができる。その結果、線路導体2を伝送する高周波信号がより高周波帯域のものとなっても放射等の伝送損失が発生するのをより有効に抑制し、高周波信号を正常かつ安定に伝送させることができる。
【0035】
h2<h1である場合、側部接地導体7の上部が金属部材8に接続されていないためにこの部位の接地電位が不安定になって線路導体2を伝送する高周波信号に損失が生じ易くなる。また、h2はh2≦1.5×h1であるのがよく、これにより、金属部材8の体積が大きくなりすぎるのを防止するとともに、伝送線路用基体1aと金属部材8との接着時等に伝送線路用基体1aと金属部材8との熱膨張差が発生しても、伝送線路用基体1aの側部に加わる熱膨張差による応力が大きくなりすぎるのを防止でき、絶縁基板1にクラック等の破損が生ずるのを有効に抑制することができる。
【0036】
また、伝送線路用基体1aの幅をW1、溝8aの幅をW2とすれば、W2≧W1であり、好ましくはW1+0.03mm≦W2≦W1+0.1mmであるのがよい。この構成により、絶縁基板1の側部接地導体7と溝8aとの間の導電性接着材の体積を大きくすることができ、伝送線路用基体1aと金属部材8と熱膨張差によって発生する応力をこの導電性接着材で吸収して伝送線路用基体1aにクラックが生じるのを有効に抑制することができる。
【0037】
W2<W1+0.03mmであると、伝送線路用基体1aの側部接地導体7と溝8aとの間の導電性接着剤の体積が小さくなって伝送線路用基体1aを金属部材8に強固に接着し難くなるとともに、伝送線路用基体1aと金属部材8との熱膨張差による応力を吸収し難くなって伝送線路用基体1aにクラックが生じ易くなる。また、W2>W1+0.1mmであると、伝送線路用基体1aの側部接地導体7と溝8aとの隙間を毛細管現象によって導電性接着剤で完全に埋め込むのが困難となり、側部接地導体7と溝8aとの間に隙間が生じ易くなって、側部接地導体7や同一面接地導体3の接地電位の強化が困難になる。さらには、W2>W1+0.1mmであると、溝8aに対する伝送線路用基体1aの位置がずれ易くなって線路導体2の位置が安定せず、線路導体2をボンディングワイヤ等を介して高周波用電子部品と接続する際に、接続不良が生じ易くなったり、接続の作業性が低下し易くなる。
【0038】
また、伝送線路用基体1aの長さをL1、溝8aの長さをL2とすれば、L1≦L2であるのがよい。この構成により、ボンディングワイヤが接続される線路導体2の端部を金属部材8で良好に取り囲むことができ、線路導体2の端部に対する接地電位をより強化し安定化することができる。その結果、線路導体2の中央部と端部とでインピーダンスの不整合が生じることはなく、ボンディングワイヤと線路導体2とを入出力する高周波信号の伝送モードが急激に変化して損失が生じるのを有効に抑制することができる。
【0039】
好ましくは、L1<L2であるのがよい。これにより、ボンディングワイヤが接続される線路導体2の端部の周辺を金属部材8が良好に取り囲むことができ、線路導体2に対する電磁遮断効果をより大きくすることができる。その結果、線路導体2を伝送する高周波信号がより高周波帯域のものとなっても放射等の伝送損失が発生するのをより有効に抑制し、高周波信号を正常かつ安定に伝送させることができる。
【0040】
本発明の金属部材8は、図2(a),(b)に示すように、溝8aの側面の下端または溝8aの底面の両端に溝8aの全長にわたって小さな溝8bを形成するのがよい。これにより、ロウ材溜まりを形成し、絶縁基板1の下側の角にクラックが発生するのを防ぐとともに、その角において側部接地導体7と下部接地導体5との接続が不連続になり易いのを防ぐことができる。
【0041】
また、金属部材8は、図2(c)に示すように、溝8aの側面と金属部材8の上面との間に底面が伝送線路用基体1aの上面よりも低い段差8cを有していてもよい。これにより、段差8cと伝送線路用基体1aとの間にロウ材溜まりを形成し、このロウ材によって伝送線路用基体1aの角部、即ち側部接地導体7と同一面接地導体3との接続部を覆うことができ、側部接地導体7と同一面接地導体3との接続が不連続になり易いのを防ぐことができる。
【0042】
金属部材8の溝8aは、切削加工やプレス加工,金属射出成型等により形成することができる。あるいは、板状の金属板をロウ付けや溶接により接合して組み立てることにより溝8aを有する金属部材8を形成してもよい。
【0043】
また、溝8aの全長にわたって形成した、図2(a),(b)に示すような小さな溝8bや図2(c)に示すような段差8cは、溝8aを有する金属部材8に切削加工やエッチング加工を施すことにより形成することができる。
【0044】
なお、金属部材8にはその表面に耐蝕性に優れ、かつ導電性接着剤との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層をめっき法により被着させておくのがよい。これにより、金属部材8が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、導電性接着材との濡れ性が良好になって金属部材8上面の溝8aに伝送線路用基体1aを強固に接着固定させることができる。
【0045】
かくして、上記の高周波用伝送線路を外部電気回路基板に載置固定し、線路導体2をボンディングワイヤ等を介して外部電気回路基板に搭載した半導体素子等の高周波用電子部品と電気的に接続することによって、高周波信号を良好に伝送することが可能な伝送線路として機能する。
【0046】
このような本発明の高周波用伝送線路は、上記本発明の伝送線路用基体1aと金属部材8とを具備していることから、高周波信号の伝送損失を最小限に抑えて、伝送効率を良好に保持することができる。
【0047】
尚、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明の高周波用伝送線路は、四角形状の絶縁基板の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体およびその両側に等間隔をもって線路導体に平行な両側辺までそれぞれ形成された同一面接地導体と、絶縁基板の下面の全面に形成された下部接地導体と、絶縁基板の線路導体に平行な両側面に形成された、同一面接地導体および下部接地導体を電気的に接続する側部接地導体とを有する伝送線路用基体が、直方体状の金属部材の上面の一辺から対向する他辺にかけて形成された溝に、伝送線路用基体の上面を金属部材の上面よりも低くして嵌着されていることによって、側部接地導体および下部接地導体が全面において電気伝導性に優れる金属部材に接続されることとなり、線路導体に対する接地電位を非常に強化し安定化することができる。また、同一面接地導体も全長にわたって金属部材と電気的に接続されるので、同一面接地導体の接地電位も非常に強化し安定化することができる。その結果、線路導体を伝送する高周波信号がより高周波帯域のものとなっても高周波信号に反射等の伝送損失が発生するのを有効に抑制し、高周波信号を正常かつ安定に伝送させることができる。
【0049】
また、伝送線路用基体の側面および下面が電気伝導性に優れる金属部材に取り囲まれることによって、線路導体に対する非常に大きな電磁遮蔽効果(シールド効果)が得られ、この電磁遮蔽効果により、線路導体を伝送する高周波信号が絶縁基板の内部に放射されても、その放射された高周波信号の成分は同一面接地導体と金属部材とで取り囲まれる領域内に閉じ込められ、損失が有効に抑えられる。その結果、高周波信号の損失を抑え、高周波信号の伝送効率を良好なものとすることができる。
【0050】
さらには、線路導体を伝送する高周波信号の周波数がより高周波帯域のものになった場合、線路導体のインピーダンスを特性インピーダンスに整合させるために絶縁基板の厚さを薄くしても、金属部材によって絶縁基板を補強することができ、例えば絶縁基板を外部電気絶縁基板等に実装する場合や、線路導体と高周波用電子部品とを電気的に接続する場合等の絶縁基板を取り扱う際に、絶縁基板にクラック等の破損が生じるのを有効に抑制することができる。その結果、線路導体が断線するのを有効に防止でき、高周波信号を常に正常かつ安定に伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用伝送線路について実施の形態の例を示す展開斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の高周波用伝送線路における金属部材について実施の形態の各種例を示す斜視図である。
【図3】従来の高周波用伝送線路の斜視図である。
【符号の説明】
1:絶縁基板
2:線路導体
3:同一面接地導体
5:下部接地導体
7:側部接地導体
8:金属部材
8a:溝

Claims (1)

  1. 四角形状の絶縁基板の上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体およびその両側に等間隔をもって前記線路導体に平行な両側辺までそれぞれ形成された同一面接地導体と、前記絶縁基板の下面の全面に形成された下部接地導体と、前記絶縁基板の前記線路導体に平行な両側面に形成された、前記同一面接地導体および前記下部接地導体を電気的に接続する側部接地導体とを有する伝送線路用基体が、直方体状の金属部材の上面の一辺から対向する他辺にかけて形成された溝に、前記伝送線路用基体の前記上面を前記金属部材の前記上面よりも低くして嵌着されていることを特徴とする高周波用伝送線路。
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