JP2004288426A - 固体高分子電解質型燃料電池のセル電圧測定部構造 - Google Patents
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Abstract
【構成】固体高分子イオン交換薄膜1の両側を電極2で挟んで形成される薄膜電極接合体3と、この薄膜電極接合体3を挟んでその両側に燃料ガス流路4aおよび酸化剤ガス流路4bを形成する導電性を有するガスセパレータ4とを設け、ガスセパレータ4によって挟まれた薄膜電極接合体3とガスセパレータ4とは単セル5を構成し、該単セル5を複数個直列に積層することで、燃料電池スタック6を構成する。重ね合わせた複数個のガスセパレータ4の間には外部と連通するスリット7を形成し、導電面を互いに外向きにして設けたセル電圧測定線8を前記スリット7に嵌合し、セル電圧測定線8の互いに外向きに設けた導電面が電位差を持った2枚のガスセパレータ4に接触することで、ガスセパレータ4間の電位差を確認する。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、セル電圧測定機能を持つ固体高分子電解質型燃料電池のガスセパレータの薄型化を可能とし、固体高分子型燃料電池の小型化、組立の簡易化を可能にする構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質型燃料電池は、固体高分子イオン交換薄膜の両側を多孔質導電体からなる電極で挟んで形成される薄膜電極接合体を、導電性のある2枚のガスセパレータで挟んで形成され、このガスセパレータには薄膜電極接合体と接する部分に燃料ガス流路および酸化剤ガス流路を形成することで一組の燃料電池単セルを構成している。そして、1枚のガスセパレータの上面及び下面に薄膜電極接合体を位置させることで、単セルは複数個直列に積層することができ、燃料電池スタックが構成できる。
【0003】
イオン交換機能のある薄膜電極接合体を挟んだアノード側ガスセパレータの燃料ガス流路に水素などの燃料ガス、カソード側ガスセパレータの酸化剤ガス流路に酸素を含む空気などの酸化剤ガスを流すことで、燃料ガス中の水素イオンが固体高分子イオン交換薄膜中を透過してカソードに移動し、電子はアノード側ガスセパレータとカソード側ガスセパレータとの間に接続された外部負荷を通りカソード側セパレータに移動することにより、起電力が生じ電流が流れる。
【0004】
複数の単セルを直列に積層した燃料電池スタックでは、単セル同士が直列接続になるため、燃料電池スタックを構成する単セルの一つでも固体高分子イオン交換薄膜の破損などで発電不能になると、燃料電池スタック全体としての発電は不能になってしまう。
【0005】
また、燃料電池スタック中の一つの単セルが発電不能になった場合、その原因が固体高分子イオン交換薄膜の破損によるものであれば、燃料電池スタック内部で燃料ガスと酸化剤ガスが混合している可能性が高く、燃焼・爆発の恐れがあるため、早急に運転を中止して発電不能な単セルを交換する必要がある。しかし、従来の電力の取出しは燃料電池スタックの出力端子だけで行なわれるから、外部からどの単セルが発電不能であるかを確認することは困難である。
【0006】
このため、最近の燃料電池スタックを使用したシステムでは、燃料電池スタックを構成する導電性を有するガスセパレータのすべてに出力端子を設けて、各単セルのアノードガスセパレータとカソードガスセパレータ間の電圧を測定して、全ての単セルが正常に発電しているかを確認する構造が提案されている。
【0007】
そして、具体的な構造としては、固体高分子電解質型燃料電池の燃料電池スタックにおいて、アノード・カソードガスセパレータ間の電圧測定を行なう出力端子として、図5に示すようにガスセパレータの側面にネジ穴を設け、このネジ穴にリード線を結線した端子をネジ止めするのが一般的である。また、図6に示すようにガスセパレータの一部を外部に突出させてネジ穴を設けた出力端子を構成し、このネジ穴にリード線を結線した端子をネジによって接続する方法も用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固体高分子電解質型燃料電池のガスセパレータの素材である樹脂含浸カーボンは、ネジ穴の加工のような機械加工を施すことが難しい上に、加工時間がかかってしまうという難点があり、更にネジ穴をガスセパレータの内部に向けて形成するときには、ガスセパレータの機械的強度が低下するという難点がある。
【0009】
また、ガスセパレータの側面にネジ穴などの出力端子を設けるときには、このネジ穴は小さい方が、ガスセパレータの厚さを薄くすることができるが、ネジ穴の小径化に伴い固定ネジが小さくなりすぎると、ドライバによるネジ締め作業は難しくなり、作業時間がかかって作業性が低下する。
【0010】
そのためネジの小径化には限度があり、ガスセパレータ厚さは必然的に一定以上の厚さにせざるを得ないため、ガスセパレータの薄型化は難しく、燃料電池スタックの薄型化を妨げて全高が大きくなってしまうという弊害もあり、燃料電池スタックの小型化、材料費の削減が困難である。
【0011】
一方、ガスセパレータの一部を突出させて電圧測定リード線を締め付けナットで固定する時には、締め付けナットの高さのスペースが必要で、この方式でもガスセパレータの薄型化は難しく、部品点数が増えて作業性が悪く、コストがかかり、またガスセパレータの材料費も高くなってしまう。
【0012】
更に、ガスセパレータの製造コスト低減のため、プレス成型によりガスセパレータを作成する方法の場合、ガスセパレータの側面部の螺旋形状を持つネジ穴を金型で成型することが考えられるが、正確なネジ穴を金型だけで成形することは不可能であり、ガスセパレータを金型成型で作製した後に、機械加工によってネジ穴加工を施す必要があるため、加工時間および製造コストの増加につながってしまう。
【0013】
また、金属材料をガスセパレータとして用いる場合にも、ガスセパレータの厚さの問題、機械的強度低下の問題、金型上の制約の問題は、上記した樹脂含浸カーボンの場合と変わらないものであった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の問題を解決するもので、固体高分子イオン交換薄膜1の両側を電極2で挟んで形成される薄膜電極接合体3と、この薄膜電極接合体3を挟んでその両側に燃料ガス流路4aおよび酸化剤ガス流路4bを形成する導電性を有するガスセパレータ4とを設け、ガスセパレータ4によって挟まれた薄膜電極接合体3とガスセパレータ4とは単セル5を構成し、該単セル5を複数個直列に積層することで、燃料電池スタック6を構成する固体高分子電解質型燃料電池において、重ね合わせた複数個の前記ガスセパレータ4の間に外部と連通して形成したスリット7と、導電面を互いに外向きにして前記スリット7に嵌合するセル電圧測定線8とを設け、前記セル電圧測定線8を前記スリット7に嵌合して各単セル5の電圧を測定する構造を有するものである。
【0015】
また、前記ガスセパレータ4の側面と連続する上下のいずれかの面または上下の両面に金型成型により凹部7aを形成し、前記スリット7は単セル5を積層したときに燃料電池スタック6の側面に現れるガスセパレータ4の凹部7aによって構成することで、ガスセパレータ4の作製に機械加工が不要となる。
【0016】
また、前記セル電圧測定線8は導電面を互いに外向きにした2枚のカード型電線8a・8bで構成し、該カード型電線8a・8bの間に、絶縁性を有する弾性体9を挟み込んで形成するものであるから、単セル5を積層しながらセル電圧測定線8を間に挟み込んでいく作業の必要がなくなった。
【0017】
また、2枚の前記カード型電線8a・8bの間に挟み込まれた弾性体9は、カード型電線8a・8bの先端もしくは側端から突出するように形成され、該弾性体9の突出した部分に凹ストッパ10を設け、かつガスセパレータ4のスリット7内には弾性体9に設けた凹ストッパ10に対応する凸ストッパ11を設け、該凹ストッパ10と凸ストッパ11とを嵌合させる構造とすることで、セル電圧測定線8は容易に抜けることがなくなった。
【0018】
【作用】
固体高分子電解質型燃料電池は、複数積層されたガスセパレータ4によって挟着された薄膜電極接合体3の両側の燃料ガス流路4aおよび酸化剤ガス流路4bに、それぞれ燃料ガスと酸化剤ガスを流しており、薄膜電極接合体3に接した2枚のガスセパレータ4間には電位が発生する。そして、前記薄膜電極接合体3に接した2枚のガスセパレータ4間には発電機能が生まれるので、このガスセパレータ4を多数積層することで希望する電圧が得られる燃料電池スタック6が構成できる。
【0019】
この重ねあわせたガスセパレータ4の側面には外部に連通したスリット7が設けてあり、このスリット7にセル電圧測定線8を差し込むことで、セル電圧測定線8の互いに外向きに設けた導電面が電位差を持った2枚のガスセパレータ4に接触し、このセル電圧測定線8の他端において、その電位差を計測することで、ガスセパレータ4間の電位差を確認することが出来る。
【0020】
【実施例】
実施例を示す図によって本発明を説明すると、1は燃料電池を構成部品である固体高分子イオン交換薄膜、2はこの固体高分子イオン交換薄膜1の両側に配置した電極、3は固体高分子イオン交換薄膜1と電極2を一体に形成した薄膜電極接合体、4はこの薄膜電極接合体3の電極2に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するために薄膜電極接合体3の両側を挟むように配置したガスセパレータであり、このガスセパレータ4の素材は樹脂含浸カーボンを使い成形によって作られている。
【0021】
5は薄膜電極接合体3を2枚のガスセパレータ4で挟んで構成する燃料電池の基本の発電素子としての単セル、6は複数の前記単セル5を積層して構成した燃料電池スタックであり、複数個の単セル5を積層することで燃料電池として所定の電圧を得ることができる。
【0022】
4aはガスセパレータ4と片側の電極2との間に形成した燃料ガスを薄膜電極接合体3に供給するための燃料ガス流路、4bは他方のガスセパレータ4と電極2との間に形成した酸化剤ガスを薄膜電極接合体3に供給するための酸化剤ガス流路である。12は燃料電池スタック6内のすべての燃料ガス流路4aの入口側に連通して燃料ガスを供給するための燃料ガス供給管、12aは燃料電池スタック6内のすべての燃料ガス流路4aの排気出口側に連通した燃料ガス排気管、13は燃料電池スタック6内のすべての酸化剤ガス流路4bの入口側に連通して酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給管、13aは燃料電池スタック6内のすべての酸化剤ガス流路4bの排気出口側に連通した酸化剤ガス排気管である。
【0023】
ガスセパレータ4上の燃料ガス流路4aには燃料ガス供給管12から燃料ガスが供給されており、燃料ガス流路4a上を流れる燃料ガスは、薄膜電極接合体3上で水素イオンと電子に分かれ、水素イオンは薄膜電極接合体3を透過してカソードへ移動する。一方、薄膜電極接合体3を挟んで反対側のガスセパレータ4上の酸化剤ガス流路4bには酸化剤ガス供給管13から酸化剤ガスが供給されており、酸化剤ガス中の酸素は、薄膜電極接合体3を透過してきた水素イオンと、前記燃料ガス流路4a側のガスセパレータ4から酸化剤ガス流路4b側のガスセパレータ4に向かって図示しない外部回路を経由して流れてきた電子によって酸化反応を行なって水を生成する。そして、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を続けることで、この反応が継続して行なわれるので、外部回路には電流が流れつづけ、このとき得られた電流を取出すことで直流電気エネルギとして利用することができる。なお、この酸化反応に使用されなかった燃料ガスや酸化剤ガスは、燃料ガス排気管12a及び酸化剤ガス排気管13aによって外部に排気される。
【0024】
このように作動する燃料電池は基本構成である単セル5を直列に積層して所定の直流電圧が得られる燃料電池スタック6を形成しているから、複数の単セル5のうち、1つでも発電不能となれば、燃料電池スタック6の全体として期待した発電能力が不能となってしまうものである。
【0025】
また、薄膜電極接合体3の破損により単セル5の発電が不能となった場合には、単セル5の内部で燃料ガスと酸化剤ガスが混合している可能性があり、もし、燃料ガスと酸化剤ガスが混合すれば、爆発・燃焼の恐れがあるため、電圧異常時には直ちに燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を直ちに停止する措置が必要であり、発電不能の単セル5は直ちに交換する必要がある。
【0026】
このように、燃料電池発電システムにおいては、安全に発電するために燃料電池スタック6を形成する単セル5がガスセパレータ4間に各々正常な電圧を発生しているかを常に確認する必要がある。
【0027】
この発明は上記の課題を解決するもので、図1乃至図2に示すように、7aはガスセパレータ4の重ね合わせ部において外部と連通しながら形成した凹部、7はこのガスセパレータ4の凹部7aによって外部と連通するように燃料電池スタック6の側面に形成したスリット、8は前記スリット7の内部のガスセパレータ4と接触するように導電面を互いに外側に向けたセル電圧測定線であり、該セル電圧測定線8をスリット7に嵌合すると重ね合わせたそれぞれのガスセパレータ4のスリット7の内部とセル電圧測定線8の外側に向いた導電面とが接触することができる。
【0028】
前記ガスセパレータ4の燃料ガス流路4aと酸化剤ガス流路4bには、それぞれ燃料ガスと酸化剤ガスが供給されており、薄膜電極接合体3を挟んだ2枚のガスセパレータ4間には電位差が生じている。そして、前記スリット7に嵌合してガスセパレータ4間に挟まれたセル電圧測定線8はそれぞれが接触する導電面がガスセパレータ4と同電位となるため、セル電圧測定線8の他端で、単セル5の起電力を測定することにより、前記燃料電池スタック6を構成する単セル5の発電不良を検出することができる。このため、故障となった単セル5の混じった燃料電池スタック6への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を停止し、故障した単セル5を修理する。
【0029】
このように、ガスセパレータ4の側面にスリット7を構成したから、互いに外向きの導電面を有するセル電圧測定線8をこのスリット7に挿入して、単セル5の出力電圧を測定できるようになり、従来のネジ固定に比べてセル電圧測定線8の取付けの作業性が格段によくなった。また、従来のようにそれぞれのガスセパレータ4に加工性の悪いネジ穴を設ける必要がなくなり、2枚のガスセパレータ4の間にスリット7を形成するだけであるから、厚さを薄くすることができ、燃料電池スタック6の小型化が実現できた。
【0030】
また、ガスセパレータ4を金型成形で作成するときに同時に形成できるスリット7であるから、後加工で作業しなければならなかったネジ穴のようなセル電圧測定線8を取付けるための特別な作業工程は不要になり、作業時間および製造コストを抑えることができた。またネジなどの部品が不要になり部品点数は少なくなり、材料費の削減が可能になる。
【0031】
前記凹部7aは上下2枚重ね合わせたガスセパレータ4の重ね合わせ面にそれぞれ構成しても良いが、このように両面に形成しなくとも、図1に示すように、片側だけのガスセパレータ4に凹部7aを形成しても良い。この時も2枚のガスセパレータ4が重ね合わせればスリット7が形成でき、前記セル電圧測定線8によって単セル5の起電力を測定することができる。また、スリット7を構成する凹部7aが片側であれば、ガスセパレータ4を成形する金型の製作が、一方の凹部7aが省略できるから簡単になる。
【0032】
また、8a・8bは前記セル電圧測定線8を構成する導電面を備えた2枚のカード型電線、9はこの2枚のカード型電線8a・8b間に挟み込んで一体化するための絶縁牲を有する弾性体であり、燃料電池スタック6を形成した後に、セル電圧測定線8を前記スリット7に差し込むと、弾性体9が変形することにより挿入が可能であり、さらに、挿入後は弾性体9の復元力によりカード型電線8a・8bの導電面がスリット7内のガスセパレータ4に強く押し付けられるため、確実な電圧測定が可能であり、またセル電圧測定線8の抜け防止効果も得ることができる。
【0033】
また、図3に示すように、10はカード型電線8a・8bの先端から更に突出させた絶縁性を有する弾性体9の上下面に形成した凹ストッパ、11はガスセパレータ4に形成した凹部7aに設けた凸ストッパであり、このガスセパレータ4の凸ストッパ11は前記弾性体9の凹ストッパ10と嵌合する構造とし、前記セル電圧測定線8は燃料電池スタック6の側面に形成されるスリット7に押し込まれる。このため、前記弾性体9は変形しながらカード型電線8a・8bと一緒にスリット7へ挿入され、凸ストッパ11と凹ストッパ10とが嵌合し、更に、弾性体9の復元力がカード型電線8a・8bの導電面を2枚のガスセパレータ4の間に形成したスリット7の内面を押す方向に働くため、従来の固定ネジを使用する時のように強固に取付けでき、セル電圧測定線8の抜け防止性能をより高めることができた。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明では、固体高分子電解質型燃料電池の単セル5を構成する薄膜電極接合体3の起電力を測定するために2枚のガスセパレータ4の間に外部に連通するスリット7を設け、このスリット7にセル電圧測定線8の互いに外向きにした導電面がガスセパレータ4に密着することで、簡単に起電力が測定できるようになった。また、このスリット7の隙間は狭くすることができるので、固体高分子電解質型燃料電池のガスセパレータ4の薄型化を可能とし、単セル5を積み重ねて一体化した燃料電池スタック6がコンパクトに実現できた。
【0035】
また、前記セル電圧測定線8は従来のように固定ネジを用いて直接ガスセパレータ4に固定する必要はなく、燃料電池スタック6に固定するためには、作業時間の短縮が難しいネジ締め作業を行なう必要がなくなり、作業性が向上した。
【0036】
またセル電圧測定線8を差し込むためのスリット7を形成するガスセパレータ4の側面に接する上下面のいずれか、または両面に設けられた凹部7aはガスセパレータ4を金型成型により製造する場合にも容易に形成可能であり、機械加工によるネジ穴を必要としないため、より安価に製造することが可能である。
【0037】
また、前記セル電圧測定線8は2枚のカード型電線8a・8bの間に、絶縁性を有する弾性体9を挟み込むことにより構成したから、燃料電池スタック6を組立後にセル電圧測定線8を燃料電池スタック6のスリット7に差し込んでも、間の弾性体9が圧縮することで正しい位置に接続可能であり、前記セル電圧測定線8が容易に抜け落ちないようになった。
【0038】
またセル電圧測定線8を構成する2枚のカード型電線8a・8bの間に挟み込んだ弾性体9は、その先端または側端のカード型電線8a・8bよりも突出した部位に凹ストッパ10を設け、また、ガスセパレータ4のスリット7内には、該凹ストッパ10に嵌合する凸ストッパ11を設けたことで、セル電圧測定線8をスリット7に挿入した後からは、このセル電圧測定線8が更に抜けにくくなったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の燃料電池の単セル部を示す要部断面図。
【図2】この発明のセル電圧測定線による電圧測定部を示す斜視図である。
【図3】この発明の他の実施例のセル電圧測定線による電圧測定部を示す要部断面図である。
【図4】この発明の燃料電池の全体構成を示す正面図である。
【図5】従来の電圧測定状態を示す斜視図である。
【図6】従来の他の実施例の電圧測定状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 固体高分子イオン交換薄膜
2 電極
3 薄膜電極接合体
4 ガスセパレータ
4a 燃料ガス流路
4b 酸化剤ガス流路
5 単セル
6 燃料電池スタック
7 スリット
7a 凹部
8 セル電圧測定線
8a カード型電線
8b カード型電線
9 弾性体
10 凹ストッパ
11 凸ストッパ
Claims (4)
- 固体高分子イオン交換薄膜1の両側を電極2で挟んで形成される薄膜電極接合体3と、この薄膜電極接合体3を挟んでその両側に燃料ガス流路4aおよび酸化剤ガス流路4bを形成する導電性を有するガスセパレータ4とを設け、ガスセパレータ4によって挟まれた薄膜電極接合体3とガスセパレータ4とは単セル5を構成し、該単セル5を複数個直列に積層することで、燃料電池スタック6を構成する固体高分子電解質型燃料電池において、
重ね合わせた複数個の前記ガスセパレータ4の間に外部と連通して形成したスリット7と、導電面を互いに外向きにして前記スリット7に嵌合するセル電圧測定線8とを設け、前記セル電圧測定線8を前記スリット7に嵌合して各単セル5の電圧を測定することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池のセル電圧測定部構造。 - 前記ガスセパレータ4の側面と連続する上下のいずれかの面または上下の両面に金型成型により凹部7aを形成し、
前記スリット7は単セル5を積層したときに燃料電池スタック6の側面に現れるガスセパレータ4の凹部7aによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池のセル電圧測定部構造。 - 前記セル電圧測定線8は導電面を互いに外向きにした2枚のカード型電線8a・8bで構成し、該カード型電線8a・8bの間に、絶縁性を有する弾性体9を挟み込んで形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子電解質型燃料電池のセル電圧測定部構造。
- 2枚の前記カード型電線8a・8bの間に挟み込まれた弾性体9は、カード型電線8a・8bの先端もしくは側端から突出するように形成され、該弾性体9の突出した部分に凹ストッパ10を設け、かつガスセパレータ4のスリット7内には弾性体9に設けた凹ストッパ10に対応する凸ストッパ11を設け、該凹ストッパ10と凸ストッパ11とを嵌合させたことを特徴とする請求項3に記載の固体高分子電解質型燃料電池のセル電圧測定部構造。
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