JP2004286837A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーの搬送ムラを防止した現像装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1の現像装置5は、トナーTを搬送するための進行波電極を備えた搬送部材18と、搬送部材18を覆い、微速で移動するベルト22とを備えている。搬送部材18は、ベルト22の移動方向に平行な平面でありかつベルト22の厚み方向に平行な平面内における、ベルト22と接する部分が、円弧状(凸状)になるように配置される。ベルト22と搬送部材18との密着が安定し、ベルト22が搬送部材18から浮くことが無く、またベルト22にシワ等が発生することも無い。ベルト22が移動しても、ベルト22と進行波電極との距離は常に一定に保たれ、安定したトナー搬送が可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関するものであり、より詳細には、像担持体上に形成された静電潜像に対して、複数の電極を有する搬送部材の電極に電圧を印加することによって現像剤を搬送して供給する現像装置およびそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ等の画像形成装置において、電子写真プロセスによる現像装置が用いられている。このような現像装置のうち、静電潜像の形成された像担持体に対して、現像剤(トナー)を搬送する現像剤担持体を接触させずに現像を行う非接触方式の現像装置が注目されている。非接触方式の例としては、パウダーラウンド法・ジャンピング法、電界カーテン(進行波電界)を利用した方法などが提案されている。
【0003】
このような現像装置の一例が、日本国の特許掲載公報「特公平5−31146号公報(公告日:1993年5月11日)」、または「特公平5−31147号公報(公告日:1993年5月11日)」に開示されている。上記公報には、互いに位相が異なる複数種の交番電圧を発生する電源と、基材上に所定の間隔をあけて複数配列された電極に前記電源からの交番電圧を印加することにより形成される進行波電界によって現像剤を像担持体(感光体)に供給する現像剤搬送部材とを備えた現像装置が記載されている。
【0004】
また、現像装置の他の一例が、日本国の公開特許公報「特開平3−21967号公報(公開日:1991年1月30日)」に開示されている。上記公報には、現像剤担持搬送体によって搬送される現像剤を予備荷電する予備荷電手段と、現像剤担持搬送体上に電界カーテンを作用させる電界カーテン発生手段とを設けた装置が提案されている。上記装置において、予備荷電手段としては、例えば発泡ウレタンからなる予備荷電ローラが用いられる。予備荷電ローラは現像剤担持搬送体に接するように設けられており、一方、この予備荷電ローラに先端が接するようにブレードが設けられている。予備荷電ローラは、現像剤担持搬送体との間で現像剤を摩擦することにより現像剤の予備帯電を行うとともに、現像剤の層厚も規制する。
【0005】
そして、上記構成により、現像剤を均一に適正な荷電量に帯電させることができるとともに、現像剤を像担持体へと安定して搬送できるようになり、その結果、搬送時に現像剤が飛散したり、形成される画像にカブリが生じたりすることを回避できるとの点が、上記特開平3−21967号公報には記載されている。
【0006】
しかしながら、上記各公報に記載の構成は、進行波電界を発生させるための部材に対して直接現像剤を供給する構成なので、例えば進行波電界の発生している領域に直接供給された現像剤が飛散したりする虞れがある。このように、現像剤の供給と搬送とを同時に行おうとすると、問題を生じ易い。
【0007】
これに対して、例えば日本国の公開特許公報「特開2002−91160号公報(公開日:2002年3月27日)」には、進行波電界を発生させる部材(搬送部材)の外側にベルト部材を設けて、このベルト部材を低速で回転させる構成の現像装置が開示されている。この構成によれば、進行波電界とは別に、ベルト部材によっても現像剤を移動させることができる。したがって、例えば進行波電界の発生している領域に、ベルト部材を用いて現像剤を供給することによって、現像剤の飛散を防止できる。
【0008】
【特許文献1】
特公平5−31146号公報
【0009】
【特許文献2】
特公平5−31147号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平3−21967号公報
【0011】
【特許文献4】
特開2002−91160号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の構成によれば、ベルト部材を用いる場合であっても、ベルト部材の帯電量(誘導電荷の量)が所望のものとならず、これによって現像剤搬送の乱れを生じてしまう虞れがある。
【0013】
すなわち、ベルト部材を用いる構成においては、ベルト部材と搬送部材との接触状態に応じて、ベルト部材上の帯電量に、好ましくない不均一性を生ずる可能性がある。ここで、帯電量がこのような不均一になると、現像剤に与える力(電界)も望ましくない不均一なものとなってしまい、結果として、現像剤の搬送の乱れを生ずることとなる。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像剤の搬送の乱れを生じさせない現像装置および画像形成装置を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極に電圧が印加されることによって像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、上記現像剤搬送部材の表面を覆い、上記現像剤搬送部材に対して移動可能なベルト部材とを備えた現像装置において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域において、上記ベルト部材の移動する方向と上記ベルト部材の厚み方向とに平行となっている平面による断面形状が、上記ベルト部材に対して凸状になっており、上記ベルト部材は、上記現像剤搬送部材と接触する領域において、上記ベルト部材に生ずる張力の合力が上記現像剤搬送部材に向かうことによって上記現像剤搬送部材と密着するように、上記現像剤搬送部材の表面を覆っていることを特徴としている。
【0016】
上記現像装置の現像剤搬送部材の各電極に、例えば外部の電源からの電圧が印加されると、各電極は進行波電界を発生する。すなわち、現像剤搬送部材は、進行波電界を発生して、像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送するものである。この進行波電界は、現像剤搬送部材表面から遠ざかると電界強度が弱まるようになっている。このため、現像剤搬送能力を低下させないように、現像剤搬送部材を覆いつつ回動するベルト部材は、厚みが薄く、かつ現像剤搬送部材に密着していることが望ましい。例えばベルト部材の厚みは、50μm以下が好ましい。
【0017】
また、ベルト部材と現像剤搬送部材とを密着させるために、ベルト部材の移動する方向に平行な平面でありかつベルト部材の厚み方向に対して平行なその平面による、現像剤搬送部材の断面形状が、ベルト部材と接触している領域において、ベルト部材に対して凸状となるように、現像剤搬送部材を設ける。これによって、現像剤搬送部材と接触している領域において、ベルト部材に生ずる張力の合力が現像剤搬送部材に向かう。このため、ベルト部材が、現像剤搬送部材と密着するように現像剤搬送部材の表面を覆うので、ベルト部材と現像剤搬送部材の密着性を確実にできる。
【0018】
また、現像剤搬送部材の上記の断面形状を、ベルト部材の移動する方向と垂直な方向であるベルト部材の幅方向に対して垂直となっている平面による断面形状である、と表現することもできる。また、ベルト部材の移動する方向に平行な平面でありかつ上記ベルト部材との接触面に対して垂直なその平面による断面形状である、と表現することもできる。
【0019】
また、この構造によって、ベルト部材と現像剤搬送部材との密着が安定するため、ベルト部材が現像剤搬送部材から浮くことが無い。また、ベルト部材にシワ等が発生することも無い。したがって、ベルト部材が移動しても、ベルト部材と現像剤搬送部材の進行波電極との距離が常に一定に保たれ、ベルト部材における帯電量(誘導電荷の量)を好ましく均一なものにでき、安定した現像剤の搬送が可能となる。なお、ベルト部材における帯電量、および発生する電界における好ましい均一性とは、現像剤の搬送方向に対して垂直、かつベルト部材表面に対して平行な方向における均一性を意味する。現像剤の搬送方向と平行な方向については、進行波電界は均一でないことはもちろんである。
【0020】
また、上述のようにベルト部材と現像剤搬送部材とを密着させた上で、さらに以下のようにして、ベルト部材と現像剤搬送部材中の進行波を発生させる電極との間隔を確実に一定に保つようにしてもよい。
【0021】
すなわち、例えば上記構成において、現像剤搬送部材の上記断面形状を円弧形状とすることも好ましい。これにより、現像剤搬送部材とベルト部材との接触が均一となる。よって、ベルト部材と現像剤搬送部材中の進行波を発生させる電極との間隔を、容易に、かつ確実に一定に保つことができる。また、現像剤搬送部材の表面の電位も所望の均一なものとなる。したがって、現像剤搬送部材から発生する電界を所望の均一なものとして、安定した状態での現像剤の搬送が可能となる。よって、良好な現像が可能となる。
【0022】
なお、上記構成において、現像剤搬送部材とベルト部材とが接触する領域は、全てが連続した領域となっている構成に限るものではない。例えば、電極が埋め込まれて進行波電界が作用するようになっている、現像剤搬送部材の特定の部分領域ごとに、現像剤搬送部材とベルト部材とが接触している構成であってもよい。この場合においても、現像剤搬送部材の上記断面形状が、ベルト部材と接触する領域においてベルト部材に対して凸状であれば、密着性を向上させて、現像剤搬送部材とベルト部材とを均一に接触するようにできる。なお、この構成においては、現像剤の搬送方向に垂直となっている、電極の長手方向には、現像剤搬送部材とベルト部材とが接触する領域が全て連続した領域となっていることが好ましい。
【0023】
なお、上述のように、ベルト部材の厚みが50μm以下であるときに、例えば密着性が十分でなく、現像剤搬送部材とベルト部材とが50μm以上離間すると、ベルト部材上の現像剤に進行波電界を及ぼすことができず、現像剤を搬送することができない。また、密着性が十分でなく、現像剤搬送部材とベルト部材とが離間している部分があれば、例えば現像剤搬送部材とベルト部材との離間している距離が50μm以下であっても、密着している部分よりも離間している部分の電界強度が弱くなるため、現像剤の搬送能力が不均一となって、現像ムラを生ずる。
【0024】
また、これまでの研究によれば、ベルト部材と、現像剤搬送部材の表面または現像剤搬送部材を保持するための保持部材の表面とを、均一でなく局所的な不均一を伴うように摩擦すると、ベルト部材の特定部分が強く摩擦帯電して、部分的なチャージアップが発生することが分かっている。このような状態になると、ベルト部材の余分に帯電した部分が現像剤と余分に吸引、若しくは反発するので、ベルト部材上の現像剤は所望の均一性を有する現像剤層とならない。このため、例えば現像剤の搬送方向に縦スジとなって現像剤の搬送ムラが生じ、良好な現像が行えない。
【0025】
なお、従来の公報においては、ベルト部材の張力の合力としてのベクトルが現像剤を搬送する部材に向くことによって、ベルト部材と現像剤を搬送する部材との密着を保つという作用には触れられていない。このため、従来の公報における現像剤を搬送するための部材の構成は、ベルト部材を滑らかに回動させるための構成である、と解釈される。
【0026】
なお、上記の現像装置を、基材中に所定間隔で複数配列した電極に多相交流電圧を印加して形成した進行波電界により、現像剤を像担持体へ向けて搬送するための現像剤搬送部材と、現像剤搬送部材の表面を覆い、現像剤の搬送方向へ回転可能なベルト部材とを備え、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、上記ベルト部材を回動させるための回転軸に垂直な平面による上記現像剤搬送部材の断面形状が、上記ベルト部材と接触している領域において、上記ベルト部材に対して凸状になっている構成である、と表現することもできる。
【0027】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域の全面において、上記ベルト部材が上記現像剤搬送部材に向かう側に均一な(均等な)力を受けるような、凸状の上記断面形状となっていることを特徴としている。
【0028】
このように、現像剤搬送部材とベルト部材とが接触している領域の全面において、現像剤搬送部材に向かう側に均一な力(張力の合力)をベルト部材が受けるようになっていれば、例えば現像剤搬送部材において電極が埋め込まれている領域とベルト部材とを均一に接触(当接)させることができる。これによって、ベルト部材表面の電位を好ましく均一なものに維持できる。このため、現像剤搬送部材から発生させる電界に悪影響を与えることがない。よって、現像剤に作用させる電界の大きさを所望の均一なものとし、ベルト部材上の現像剤層を乱すことなく安定した現像剤搬送が可能となる。
【0029】
なお、例えば、現像剤搬送部材の上記断面形状を円弧形状とすることによって、ベルト部材が現像剤搬送部材に向かう側に対して均一な力を受けるような構成を実現できる。
【0030】
また、上述の現像装置を、現像剤搬送部材(電極部分)が、ベルト部材と接触する領域の全面にわたって、ベルト部材が均等に力を受けるような凸形状となっている構成である、と表現することもできる。
【0031】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域において、上記ベルト部材の上記現像剤搬送部材に向かう側の力が、上記ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向かって単調増加し最大値に達してから単調減少するような、凸状の上記断面形状となっていることを特徴としている。
【0032】
この構成であれば、ベルト部材と現像剤搬送部材とが接触している領域(接触領域)における、ベルト部材の現像剤搬送部材に向かう側の力が、接触領域の内側部で大きく、外縁部で小さくなるようにできる。したがって、ベルト部材が例えば振動を生ずることによって、現像剤搬送部材とベルト部材との接触状態の乱れを生じた場合であっても、この乱れを容易に減衰させることができる。すなわち、現像剤搬送部材とベルト部材との接触状態が、接触領域の内側部では好ましいものに維持され、接触領域の外縁部を介して接触領域外において減衰するので、この接触領域の外縁部を介する分について減衰を早めることができる。したがって、安定した密着状態を維持できる。
【0033】
なお、上述の現像装置を、現像剤搬送部材(電極部分)が、ベルト部材と接触する領域の中央付近において、ベルト部材が受ける力が最も大きくなっている構成である、と表現することもできる。
【0034】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域における、上記断面形状の曲率半径が、10mmないし50mmとなっていることを特徴としている。
【0035】
このように、曲率半径を10mm以上としているので、現像剤搬送部材の断面形状から曲率半径の非常に小さい尖った領域を除くことができる。したがって、ベルト部材と現像剤搬送部材とが、上記の尖った領域における場合のような、局所的に強い摩擦を生ずることがない。
【0036】
また、曲率半径が有限の値であるので、ベルト部材と接触している領域において、現像剤搬送部材の断面形状が平面(曲率半径無限大)になることがない。したがって、ベルト部材と接触している領域が平面となることを防止して、ベルト部材に生ずる張力の合力が現像剤搬送部材に向かわないようなことを生じさせず、ベルト部材と現像剤搬送部材とが確実に密着するようにできる。また、曲率半径が50mm以下であれば、例えば断面100mm角の範囲にベルト部材と現像剤搬送部材とを備えた、本発明に係る現像装置を実現できる。
【0037】
また、上記構成において、現像剤搬送部材の、ベルト部材と接触している領域における上記断面形状が、曲率半径の最大値が曲率半径の最小値の2倍以内となるような凸形状となっている構成も好ましい。
【0038】
この構成であれば、ベルト部材が接している領域の範囲内での現像剤搬送部材の曲率の変化を少なくして、ベルト部材に生ずる張力の合力の変化を少なくできる。このため、上述の張力の合力の弱い部分においても、ベルトの浮きを生じさせない。
【0039】
また、上記構成において、現像剤搬送部材は、ベルト部材と接触している領域において、ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向かって、現像剤搬送部材の上記断面形状の曲率半径が単調減少し最小値に達してから単調増加するような、凸状の上記断面形状となっていてもよい。
【0040】
これによって、ベルト部材の現像剤搬送部材に向かう側の力が、ベルト部材と現像剤搬送部材とが接触している領域において、ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向かって単調増加し最大値に達してから単調減少するような構成を実現できる。この構成であれば、接する面の中央付近において、曲率が最小になる部分を実現できる。また、曲率が小さい部分が複数あると、その間でベルトが浮きやすくなるが、このようなことを生じさせない。
【0041】
なお、従来の文献においては、現像剤搬送部材とベルト部材との密着を確実なものとするために、上述のような曲率半径を指定する点については記載されていない。
【0042】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ベルト部材からの力を受ける上記現像剤搬送部材を保持するための保持部材を備え、上記ベルト部材と上記現像剤搬送部材とが接触する領域の、上記ベルト部材の移動方向の下流側と上流側とにおいて、上記現像剤搬送部材および上記保持部材と上記ベルト部材とが離間していることを特徴としている。
【0043】
ここで、現像剤搬送部材の表面を覆い、移動可能なベルト部材を備えた構成においては、現像剤搬送部材や現像剤搬送部材の保持部材とベルト部材とが接触し始める部分、若しくは離間し始める部分において、接触する圧力が急激に変化したり、部分的な摩擦(ベルト部材の片当たりなど)が生じたりする。このような現象が生ずると、ベルト部材の表面が好ましく均一な電位とならず、現像剤の搬送に影響を及ぼす。また部分的に強く接している部分が存在すると、他の接触部で相対的に接触する圧力が低下し、ベルト部材の浮きを生じてしまう問題がある。
【0044】
そこで、上述のように現像剤搬送部材の配置を凸形状とした上で、さらに現像剤搬送部材の端部や、現像剤搬送部材の保持部材の端部を、ベルト部材と接触しないように、ベルト部材から、例えばベルト部材に沿うように離間させる。
【0045】
このために、例えば現像剤搬送部材の端部や保持部材の端部に、離間させるための逃げ部を設けてもよい。または、現像剤搬送部材の端部や保持部材の端部と接触しないように、ベルト部材を張るようにしてもよい。
【0046】
例えば、逃げ部を設ける構成の場合に、ベルト部材と現像剤搬送部材とが接触している領域(接触領域)に対して滑らかに接続するように逃げ部を設ける。すなわち、現像剤搬送部材のなめらかな面に、ベルト部材が接触し始める、またはベルト部材が離間し始めるようにする。例えば、逃げ部における、ベルト部材と現像剤搬送部材とが接触している領域へ接続する部分の断面形状の曲率半径を、10mmないし50mmとしてもよい。このようにすれば、現像剤搬送部材とベルト部材とが接触している部分と逃げ部との間で、接触する圧力が急激に変化したり、部分的な摩擦が生じたりすることがない。よって、ベルト部材表面の電位が所望の均一なものとなり、現像剤を搬送する電界に影響を与えないので、安定した現像剤の搬送が可能となる。また、保持部材にも逃げ部を設けているので、例えばベルト部材が振動した場合であっても、ベルト部材と保持部材とを接触させないようにできる。また、現像剤搬送部材が保持部材に埋め込まれている形状であっても、ベルト部材と保持部材とを接触させないようにできる。また、ベルト部材の張り方によって、現像剤搬送部材の端部や保持部材の端部と接触しないように構成する場合にも、同様の効果が得られることはもちろんである。
【0047】
なお、上記現像装置を、現像搬送部材、若しくは、現像剤搬送部材を保持する保持部材の端部が、ベルト部材に接触しない構成である、と表現することもできる。
【0048】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記断面形状において、上記ベルト部材に沿った長さが、上記ベルト部材と接触する部分の長さ以上であることを特徴としている。
【0049】
ここで、現像剤搬送部材の表面を覆い、移動可能なベルト部材を備えた構成においては、現像剤搬送部材や現像剤搬送部材の保持部材とベルト部材とが接触し始める部分、若しくは離間し始める部分において、接触する圧力が急激に変化したり、部分的な摩擦(ベルト部材の片当たりなど)が生じたりする。このため、ベルト部材が接触する部分の摩擦が強くなり、ベルト部材の他の部分に比して摩擦による帯電量が多くなる。
【0050】
そこで、上述のように現像剤搬送部材の配置を凸形状とし、さらに上記の構成によって、現像剤搬送部材の端部とベルト部材とを接触させないようにする。これによって、局所的な摩擦を防止することが可能となる。
【0051】
また、この構成を実現するために、上述のように、例えば現像剤搬送部材の端部や保持部材の端部に、離間させるための逃げ部を設けてもよい。または、現像剤搬送部材の端部や保持部材の端部と接触しないように、ベルト部材を張るようにしてもよい。
【0052】
なお、上記現像装置を、前記現像剤搬送部材の長さをL1、現像剤搬送部材とベルト部材の接触部の長さをL2としたとき、L1>L2の関係を満たす構成である、と表現することもできる。
【0053】
本発明に係る現像装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記断面形状において、上記ベルト部材に沿った長さが、上記ベルト部材に沿った上記保持部材の長さ以下であることを特徴としている。
【0054】
ここで、現像剤搬送部材のベルト部材に沿った長さとは、現像剤搬送部材の各点からベルト部材に対して垂線を下ろした場合の各垂線によって占められる、ベルト部材における領域の長さを意味するものとする。
【0055】
この構成であれば、現像剤搬送部材よりも保持部材の方が、ベルト部材に沿った長さが長いので、ベルト部材から力を受ける現像剤搬送部材を、保持部材にて確実に保持できる。したがって、現像剤搬送部材のばたつきを防ぐことができる。
【0056】
なお、上記現像装置を、前記現像剤搬送部材の長さをL1、現像剤搬送部材を保持する保持部材の長さをL3としたとき、L1<L3の関係を満たす構成である、と表現することもできる。
【0057】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上述のいずれかの現像装置を備えていることを特徴としている。
【0058】
画像形成装置は、像担持体上に形成された静電潜像に対して、上記現像装置を用いて現像剤を供給して、現像を行う。したがって、上記現像装置を用いて、現像剤の搬送の乱れを生ずることなく現像が可能であるので、良好な画像を形成できる。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明すると以下の通りである。
【0060】
本実施形態の画像形成装置1は、図1に示すように、感光体ドラム(像担持体)2、帯電部3、露光部4、現像装置5、転写部6、クリーニング部7、除電部8、および定着部9を備えている。
【0061】
画像形成装置1は、トナー(現像剤)Tを用いて印刷シートPに印刷を行うためのものである。
【0062】
感光体ドラム2は円筒状の像担持体である。感光体ドラム2は、導電性基体11とその上に形成された光導電層10とを含んでいる。感光体ドラム2としては、例えばアルミニウムなどで製作された導電性基体(金属ドラム)11の外周面に、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)や有機光半導体(OPC)などの光導電層10が薄膜状に形成されてなる構成が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0063】
帯電部3は、感光体ドラム2を均一に帯電させるためのものである。帯電部3としては、例えばタングステンワイヤなどの導電線、金属性のシールド板、グリッド板からなるコロナ帯電器や帯電ローラ、帯電ブラシなどの構成が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0064】
露光部4は、所望の画像情報を、例えばレーザ光によって感光体ドラム2に静電潜像として書き込む。露光部4としては、例えば半導体レーザや発光ダイオードなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0065】
現像装置5は、感光体ドラム2上の静電潜像にトナーTを付着させて、現像を行うものである。現像装置5の詳細については後述する。
【0066】
転写部6は、感光体ドラム2上のトナー像を印刷シートPに転写する。転写部6としては、例えば、コロナ転写器、転写ローラ、転写ブラシなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0067】
クリーニング部7は、感光体ドラム2上に残留しているトナーをクリーニングして除去する。クリーニング部7としては、クリーニングブレードなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0068】
除電部8は、感光体ドラム2の表面に残留している電位を除去する。除電部8としては、除電ランプなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0069】
定着部9は、印刷シートPにトナーTを定着させるものである。定着部9は、上下一対の定着ローラ12・13を備えている。
【0070】
画像形成装置1の内部には、感光体ドラム2を中心として、その周囲に、帯電部3、露光部4、現像装置5、転写部6、クリーニング部7、および除電部8がこの順で配置されている。また、感光体ドラム2と転写部6との間に、印刷シートPを搬送する用紙搬送路が配置されている。用紙搬送路の搬送方向における感光体ドラム2の下流側に、定着部9が配置されている。
【0071】
上記構成の画像形成装置1は、電子写真プロセスによって、感光体ドラム2に原稿像、あるいはホストコンピュータ(図示せず)からのデータに対応した静電潜像を形成し、その静電潜像を現像装置5によって現像(可視化)し、印刷シートPに転写して画像形成を行う。
【0072】
より詳細には、以下のようである。感光体ドラム2は、帯電部3から上記各部材4〜8の配置順に従って、図1に示すD1方向に回転可能となっている。
【0073】
まず、感光体ドラム2の表面(光導電層10)は、帯電部3によって所定の電位となるまで帯電される。次に、感光体ドラム2の帯電された領域は、回転によって露光部4の位置まで到達する。この露光部4は、画像情報に基づいて、例えばレーザ光などの光によって、感光体ドラム2の表面上に画像を書き込む。これによって、感光体ドラム2上に静電潜像が形成される。感光体ドラム2の表面静電潜像は、感光体ドラム2の回転によって現像装置5の位置まで到達する。
【0074】
現像装置5は、搬送部材(現像剤搬送部材)18によって搬送されるトナーTによって、感光体ドラム2の表面の静電潜像を現像剤像として現像する。トナーTが担持された感光体ドラム2の表面は、感光体ドラム2の回転によって転写部6の位置まで到達する。
【0075】
転写部6は、感光体ドラム2の表面上のトナーTを印刷シートP上に転写する。感光体ドラム2から印刷シートP上に転写されたトナー像は、定着部9の定着ローラ12・13によって印刷シートP上に定着される。
【0076】
トナー像が転写された後の感光体ドラム2の表面の領域は、この感光体ドラム2の回転によってクリーニング部7の位置まで到達する。クリーニング部7は、感光体ドラム2の表面に残留しているトナーTや紙粉などを除去する。クリーニング部7によってクリーニングされた感光体ドラム2の表面は、この感光体ドラム2の回転によって除電部8の位置まで到達する。
【0077】
次に、除電部8は、感光体ドラム2の表面に残留している電位を除去する。上述した一連の動作によって一回の画像形成が終了する。また、複数の印刷シートPを印刷する際には、上述した動作を複数回繰り返すようにしてもよい。
【0078】
次に、現像装置5の詳細な構成について、図面を参照して説明する。
【0079】
現像装置5は、図2に示すように、ケーシング14、ミキシングパドル15、供給ローラ16、規制部材17、搬送部材18、保持部材19、回収ローラ20、ベルト(ベルト部材)22、ローラ23a〜23c・24、クリーニング部材25、および隔壁部材26を含んでいる。また、現像装置5の搬送部材18には、多相交流電源21aと現像バイアス直流電源21bとが接続されている。
【0080】
ケーシング14は、トナーTを収容するための容器である。また、ケーシング14は、現像装置5を構成する各部材を支持する。ミキシングパドル15は、ケーシング14内に収容されているトナーTを混合するものである。
【0081】
供給ローラ16は、ケーシング14内に収容されているトナーTを搬送部材18に向かって供給する、現像剤供給部材である。供給ローラ16は、ベルト22に所定の線圧力で当接した状態に設けられている。供給ローラ16とベルト22との圧接力はバネ等によって与えられる。供給ローラ16の材質としては特に限定されるものではないが、例えばシリコーン、ウレタン、EPDM(エチレン−プロピレン−メチレン共重合体)などのソリッドゴム、発泡ゴムなどが挙げられる。また、カーボンブラックやイオン導電剤を添加することによって導電性を付与してもよい。また、電圧を印加してもよい。また、本実施形態においてはローラ形状の供給ローラ16としているが、これに限らず現像剤を供給するための現像剤供給部材であればよい。規制部材17は、供給ローラ16の表面上に形成するトナー層の層厚を規制するための、現像剤層厚規制部材である。規制部材17は、供給ローラ16に当接するように設けられている。
【0082】
搬送部材18は、進行波電界を発生させてトナーTを搬送するものである。搬送部材18は、感光体ドラム2の現像領域に対向して、緩やかな曲面を形成するようなベルト形状となっている。この搬送部材18は、例えばフレキシブルプリント配線板(Flexible Print Cable:FPC)で構成される。
【0083】
搬送部材18は、図3に示すように、湾曲した保持部材19に取り付けられ、保持される。このため、搬送部材18は、湾曲形状となっている。搬送部材18の、図示しない感光体ドラム2との対向面には、その面を周方向に覆うようにベルト22が設けられている。このため、搬送部材18の、感光体ドラム2との対向面は、滑らかな湾曲形状となっている。
【0084】
搬送部材18は、図3に示すように、ベルト22の移動方向D2に平行な平面でありかつベルト22の厚み方向に平行なその平面による断面形状が、ベルト22と接触する領域において、ベルト22に対して凸状になっている。これによって、図4に示すように、搬送部材18と接触する領域において、ベルト22に生ずる張力がF2とF3とになり、この合力F1は図示しない搬送部材18の方向に向く。これによって、ベルト22が、搬送部材18と密着するように搬送部材18の表面を覆うことになる。
【0085】
なお、図3に示すように、搬送部材18とベルト22とが接触している、長さL2にて示す領域の外側(搬送部材18の端の領域R1およびR2)においては、搬送部材18とベルト22、および保持部材19とベルト22とが離間しており、接触しないようになっている。また、このために、搬送部材18のベルト22に沿った長さL1が、搬送部材18とベルト22とが接触している領域の長さL2よりも長くなっている。また、領域R1と長さL2の領域をつなぐ遷移部分、および長さL2の領域と領域R2をつなぐ遷移部分においては、搬送部材18の表面がなめらかになっており、搬送方向D2に移動するベルト22が搬送部材18に対して滑らかに接触し始め、または滑らかに離間し始めるようになっている。なお、搬送部材18のベルト22に沿った長さとは、搬送部材18からベルト22に向かって垂線を下ろし、この垂線によって占められる領域の長さを意味するものとする。
【0086】
また、搬送部材18は、長さL1の全体にわたって保持部材19にて保持されており、ベルト22に沿った搬送部材18の長さL1とベルト22に沿った保持部材19の長さとが等しくなっている。
【0087】
なお、図3に示す構成においては、搬送部材18とベルト22とが接触している領域と、搬送部材18によって進行波電界が生成される領域とが等しくなっている。このため、搬送部材18の端の領域R1およびR2においては進行波電界が生成されない。このため、この領域R1およびR2においては、図示しないトナーTに進行波電界を及ぼすことがない。
【0088】
また、長さL2にて示す、搬送部材18とベルト22とが接触している領域において、図3に示す断面における、搬送部材18の表面の曲率半径は、例えば30mmとなっており、10mmないし50mmの範囲となっている。
【0089】
また、搬送部材18は、図5に示すように、基材18a、進行波電極(電極)18b、および表面保護層18cを含んでいる。絶縁層からなる基材18aの上に、進行波電界を発生させる進行波電極18bが順次間隔を設けて配設されている。さらにその上の、搬送部材18の表面側は、表面保護層18cによって覆われている。なお、進行波電極18bは、図5の紙面垂直方向において長尺状となっている。また、進行波電極18bは、4本を1組として複数の組が備えられている。
【0090】
搬送部材18のうちの進行波電極18bが、図5に示すように、多相交流電源21aおよび現像バイアス直流電源21bに接続されている。4本を1組とした進行波電極18bには、例えば図6に示すような、多相交流電源21aからの交流電圧V1〜V4をそれぞれ印加する。なお、ここでは交流電圧は、所定の周期にて変化する電圧を意味するものとする。これによって、搬送部材18の表面に平行となる、矢印D2にて示す方向に、進行波電界が発生する。進行波電界によって、トナーTを現像領域Wまで搬送し、現像を行う。また、進行波電極18bには、現像バイアス直流電源21bにてバイアス電圧が印加される。
【0091】
搬送部材18の具体例を挙げると、例えば、基材18a:ポリイミド(厚さ25μm)、進行波電極18b:銅(厚さ18μm)、表面保護層18c:ポリイミド(厚さ25μm)といった構成を挙げることができる。また、進行波電極18bは、約50dpi(dot per inch)〜300dpi、すなわち約500μm〜85μmのピッチの間隔を保って互いに平行に配置されており、幅40μm〜250μm程度の微小電極となっている。
【0092】
なお、本実施形態では、4本の進行波電極18bを1組とし、これら各組の進行波電極18bに対して、例えば図6に示すような電圧波形の4相の交流電圧を印加し、進行波電極18b上に進行波電界を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、3本の進行波電極18bを1組として3相の交流電圧を印加しても構わない。
【0093】
また、交流電圧の1周期にわたる平均は0でなくてもよく、バイアスが加わっていてもよい。また、例えば、上記電圧波形は正弦波や台形波などでもよく、電圧値の範囲としては100V〜3kV程度が好ましい。また、周波数の範囲としては100Hz〜5kHzが好ましい。ただし、これらの電圧値や周波数については、進行波電極18bの形状、トナーTの搬送速度、トナーTの使用材料などによって適正値を設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0094】
図2に戻ると、搬送部材18は、図示しない感光体ドラム2表面の現像領域の接線に対して略平行となるように、例えば現像装置5の上下方向に対して若干傾斜して配置されている。また、ベルト形状の搬送部材18が上記の配置を保持できるように、搬送部材18を保持する保持部材19が、トナーTを搬送する表面とは反対側の面に設けられている。
【0095】
保持部材19は、搬送部材18を感光体ドラム2の現像領域に対向した状態を保持するためのもので、その構成は特に限定されるものではない。例えば、ABS(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene:アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂などを挙げることができる。
【0096】
また、本実施形態の保持部材19は、図3に示すように、搬送部材18を支持している面が凸形状であり、感光体ドラム2と最接近する部分を短軸の頂点とした楕円形となっている。また、ほぼ均一な厚みの搬送部材18が、保持部材19に保持されている。このため、ベルト22による搬送部材18に向かう力(張力の合力)は、図3に示すトナー搬送方向D2において、下流側から上流側に向かって単調増加し、上記の頂点の位置において最大値に達してから単調減少する。なお、保持部材として円形のものを用いる場合には、ベルトと搬送部材とが接触している領域の全面において、ベルトによる力(張力の合力)は均一となる。
【0097】
また、保持部材19は、搬送部材18のトナー搬送方向D2の最上流側の領域R1、最下流側の領域R2を、他の領域と比べてベルト22から離れるように設定している。すなわち、領域R1、R2に、ベルト22から離間するための逃げ部を設けている。これによって、搬送部材18の領域R1、R2が、ベルト22と接触しないようになっている。また、搬送部材18の凸形状をより容易に実現できる。
【0098】
図2に戻ると、回収ローラ20は、搬送部材18表面のトナーTをケーシング14内部に回収するためのものである。本実施形態においては、搬送部材18の下方端部にトナーTを供給する供給ローラ16が設けられている一方で、回収ローラ20が搬送部材18の上方端部に設けられる。回収ローラ20は、感光体ドラム2の静電潜像の現像に寄与しないトナーTを回収する。なお、本実施形態では、回収ローラ20として、搬送部材18の表面に回転可能に接しているローラを用いているが、これに限るものではなく、非接触の形態や、または回転しない回収部材の形態であってもよい。また、回収ローラ20の材質としては、特に限定されないが、例えば供給ローラ16と同様のものを使用できる。
【0099】
また、ベルト(無端ベルト)22は、搬送部材18表面上での帯電およびトナーTの固着を防止するためのものである。ベルト22は、感光体ドラム2と対向する側の搬送部材18の表面を覆うように設けられており、搬送部材18に対して移動可能となっている。このベルト22は、プーリにより固定され適度のテンションが加えられる。
【0100】
このように、ベルト22には、搬送部材18の表面に対し密着した状態となるように一定の張力が付与されている。その表面上において進行波電極18bにより形成された進行波電界(電界カーテン)が、好ましい均一性を保って作用するようになっている。なお、ここでの好ましい均一性とは、トナーTの搬送方向に対して垂直、かつベルト22の表面に対して平行な方向における均一性を意味する。
【0101】
また、ベルト22は、ケーシング14内に設けられたベルト駆動部材としてのローラ23a〜23cなどによって、搬送部材18に対してトナーTの搬送方向D2に所定の周速度で移動(回動)される。これによって、搬送部材18の表面が常に刷新され、この表面上での帯電およびトナーTの固着が防止される。このように、本実施形態においては、トナーTの搬送方向とベルト22の移動方向とは等しくなっている。また、ベルト22を回転させる回転軸としての、ローラ23a〜23cの中心軸は、それぞれ互いに平行となっている。この回転軸に対して垂直な平面は、ベルト22の移動方向D2に平行な平面であり、かつベルト22の厚み方向に対して平行な平面である。
【0102】
ベルト22の駆動速度は、トナーTの搬送速度よりも非常に小さくすることが好ましく、例えばほぼ静止しているとみなされるレベルに制御してもよい。具体的には、例えば、トナーTの搬送速度に対して10分の1ないしは100分の1程度に設定される。なお、ベルト22の速度は、例えば赤外線センサを2つ設け、各々でトナーTの到達した時間を検知する方法、あるいは高速ビデオカメラを用いて測定する方法を採用すればよい(例えばIS&Ts NIP 15:1999 International Conference on Digital Printing Technologies p.262−265 参照)。
【0103】
ベルト22の材料としては、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロプレン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの有機絶縁材料や、シリコーン、イソプレン、ブタジエンなどのゴム材料を挙げることができる。また、ベルト22の厚みは、図5に示すような、搬送部材18の進行波電極18bの電極間ピッチλにもよるが、5μm〜200μmであればよく、好ましくは10μm〜100μmがよい。
【0104】
また、ローラ23a〜23cとしては、SUS(ステンレス)または鉄などの金属ローラ部材や、これを芯金にしてその表面にゴム、フィルムやスポンジなどの部材を被覆したものが用いられる。
【0105】
また、ローラ24は、ベルト22の回動をスムーズにするための駆動補助部材である。ローラ24は、ローラ23cとベルト22を介して当接するように設けられている。これによって、ベルト22は、ローラ23cとローラ24とで挟み込まれた状態となり、ローラ23cとの接触性を高めて、高い駆動力が得られる構造となっている。
【0106】
ローラ24としては、ローラ23cなどと同様に、SUSまたは鉄などの金属ローラ部材や、これを芯金にしてその表面にゴム、フィルムやスポンジなどの部材を被服したものを挙げることができる。また、ローラ24の形状は、ローラ状だけでなく、板状あるいは角状であってもよい。
【0107】
さらに、ローラ24には、ローラ23cに対して加圧当接させるための加圧手段(図示せず)が設けられていてもよい。その加圧手段としては、例えば板ばねやコイルばねなど、押付け力を付与できるものを挙げることができる。
【0108】
また、ローラ24の回動機構としては、ベルト22との接触による従動回転機構、ギヤまたはプーリとベルトにてローラ23cの駆動源に連結する連結駆動機構などを挙げることができる。また、図示はしないが、ローラ24をローラ23cとは別に設けた駆動源にて駆動してもよい。また、ローラ24を電気的に接地することにより、ベルト22の表面に帯電した電位を除電することができる。
【0109】
クリーニング部材25は、ベルト22上に付着、残留したトナーTを除去するためのものである。クリーニング部材25は、ローラ23cにベルト22を介して当接する。クリーニング部材25はケーシング14の一部に固定されている。クリーニング部材25の材質としては、SUS、ニッケルコートを施した鉄、ウレタンまたはシリコーンゴムなどが挙げられる。
【0110】
また、クリーニング部材25は、ベルト22表面をクリーニングするとともに、トナーTをケーシング14のトナー蓄積部14aに戻す。また、図2に示すように、本実施形態の現像装置5においては、クリーニング部材25から供給ローラ16までの間に、ベルト22にトナーTが付着しないように、トナー蓄積部14aからベルト22を隔てるための隔壁部材26が設けられている。これにより、ベルト22のクリーニングをより有効に行える構造となっている。
【0111】
なお、上記構成において、供給ローラ16及び搬送部材18の弾性率を調整して両者の位置関係を制御するようにしてもよい。さらに、供給ローラ16に適切な値の電圧を印加して、供給ローラ16がトナーTを帯電させる構成であってもよい。あるいは、供給ローラ16の前段に、例えば薄板状のブレード(材料としては、供給ローラ16と同じものが使用可能)を設けてトナーTを帯電させるようにしても構わない。
【0112】
上記構成の現像装置5は、現像を行う際には以下のように動作する。すなわち、上述のように、多相交流電源21aと現像バイアス直流電源21bとから、搬送部材18の進行波電極18bに電圧が印加されると、ベルト22上のトナーTに作用する進行波電界が発生する。これによって、図5に示すような像担持体としての感光体ドラム2にトナーを供給する。また、搬送部材18を覆っているベルト22が、図2に示すように、ローラ23a〜23cなどによって矢印D2方向に移動する。これによって搬送部材18表面上での帯電およびトナーTの固着を防止する。すなわち、ベルト22が覆っているので、搬送部材18に直接トナーTを付けることがない。また、例えば進行波電界の無い領域のベルト22に供給されたトナーTを、ベルト22の移動によって進行波電界の有る領域まで搬送すれば、トナーTの固着を防止できる。
【0113】
ここで、移動するベルト22には、例えば振動が生ずることがある。ここで、従来の搬送部材においては、搬送部材の上流側の端部(端の角部分)とベルトとが接触しうるようになっていた。このように、搬送部材の角とベルトとが接触すると、その部分において特に摩擦力が大きくなる。すなわち、搬送部材において他の領域よりも尖った領域とベルトとが接触すると、摩擦力が大きくなる。これにより、ベルトの帯電量(誘導電荷の量)が局所的に増加してしまう。このため、ベルトがチャージアップを生じ、搬送部材によって生成される電界が弱められて、トナーの搬送異常、搬送ムラを生じてしまう。
【0114】
一方、本実施形態の搬送部材18、保持部材19は、図3に示すように、ベルト22と接触しない領域R1、R2を端部に設けている。このため、ベルト22が振動して多少上下移動しても、ベルト22と搬送部材18、ベルト22と保持部材19とが接触しないようになっている。これにより、ベルト22の局所的な摩擦帯電を防止できる。
【0115】
以上のように、本実施形態に係る現像装置5は、進行波電界を発生させるための進行波電極18bを含んでいる搬送部材18と、搬送部材18を覆い、搬送部材18に対して移動可能に設けられているベルト22とを備え、搬送部材18がベルト22に対して凸状となっていることによって、ベルト22が搬送部材18に密着する構成である。このように、ベルト22と搬送部材18との密着が安定するため、ベルト22が搬送部材18から浮くことが無く、またベルト22にシワ等が発生することも無い。よって、ベルト22が回動しても、ベルト22と進行波電極との距離を常に一定に保って、安定したトナーTの搬送が可能となる。
【0116】
また、本実施形態の画像形成装置1は、現像装置5を備えている構成である。このため、トナーTの搬送の乱れが生ずることがなく、良好な画像を形成できる。
【0117】
なお、上述の実施形態においては、図3に示すように、搬送部材18とベルト22との接触領域が、搬送部材18において進行波電界が生ずる領域と同じ大きさである場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
【0118】
本発明に係る現像装置は、例えば図7に示すような搬送部材27と保持部材19aとを含んでいてもよい。すなわち、図7に示すように、搬送部材27とベルト22との接触領域の長さL4が、搬送部材27において進行波電界が発生する領域のL5よりも小さくなっていてもよい。なお、この一例においては、図7に示すように、搬送部材27のベルト22に沿った長さL3よりも、搬送部材27とベルト22との接触領域の長さL4が小さくなっている。また、搬送部材27は、搬送部材27の全長にわたって保持部材19aに支持されている。これによって、搬送部材18を安定的に保持できる。
【0119】
また、上述の実施の形態においては、例えば図3に示すように、ベルト22に沿った搬送部材18の長さL1とベルト22に沿った保持部材19の長さとが等しくなっている場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。ベルトに沿った搬送部材の長さが、ベルトに沿った保持部材の長さ以下となっていればよい。この構成であれば、搬送部材を保持部材にて安定的に保持できる。
【0120】
なお、例えば、図11に示すように、搬送部材41のベルト22に沿った長さが、保持部材42のベルト22に沿った長さよりも長いような従来の構成においては、搬送部材41を安定的に保持できず、搬送部材41の端がばたつきを生ずる虞れがある。
【0121】
また、上述の図6、図7においては、保持部材19として、楕円形の一部を切り取った形状のものを用いたが、保持部材19は、楕円形、円形などの変形例であってもよい。
【0122】
例えば図8(a)に示すように、搬送部材28を楕円形の保持部材29に取り付けるようにしてもよい。また、例えば図9に示すように、搬送部材31を円形の保持部材32に取り付けるようにしてもよい。なお、例えば図8(b)に示すように、楕円形の一部を切り取った形状の保持部材29aに搬送部材28を取り付けてもよいのはもちろんである。
【0123】
このような構成であっても、例えば図8(a)のように、ベルト22に沿った保持部材29の長さL6が、ベルト22に沿った搬送部材28の長さL7よりも長ければ、搬送部材28を安定して保持できる。また、図8(b)のように、ベルト22に沿った保持部材29aの長さL8が、ベルト22に沿った搬送部材28の(長さL7と等しい)長さL9よりも長ければ、搬送部材28を安定して保持できる。
【0124】
ここで、図9に示すような円形の保持部材32の場合には、例えばベルト22の張力の合力は、ベルト22と搬送部材31とが接触する領域において均一なものとなるが、一方、ベルト22の張力の合力として大きな密着力を得ることはできない。このため、ベルト22と搬送部材31とが接触する領域における密着力は、相対的に真中の密着力が弱くなる。
【0125】
一方、図8(a)(b)に示すような楕円形の保持部材29・29aの場合には、例えばベルト22の張力の合力は、ベルト22と搬送部材28とが接触する領域において均一なものにはならず、ベルト22と搬送部材28とが接触する領域の真中において最大となる。このため、例えばベルト22が振動を生ずることによって、ベルト22と搬送部材28との接触状態の乱れが生じた場合であっても、この乱れを容易に減衰させることができる。すなわち、ベルト22がばたつきを生じた場合であっても、トナー搬送の乱れを生じにくい。このように、搬送部材28の曲率が大きく、それによって生ずるベルト22の密着が強い領域が、ベルト22と搬送部材28とが接触する領域の真中付近にあれば、ベルト22を安定させることができる。一方、このような構成を用いない場合には、例えばベルト22にごみが挟まり、イレギュラーなばたつきを生じた場合に、トナーの搬送の乱れが伝わりやすくなってしまう。
【0126】
また、上述の実施形態においては、例えば図3に示すように、搬送部材18とベルト22とが接触している領域が連続している構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
【0127】
すなわち、例えば図10に示すように、搬送部材33とベルト22とが、進行波電極の領域ごとに接触しており、接触している領域がそれぞれ分離している構成であってもよい。例えば、搬送部材33を作製する際には、間隔を設けて基材に配置した進行波電極に表面保護層を被覆するため、図10に示すような凹凸が表面に生ずる場合がある。この場合であっても、接触する領域において、搬送部材33が凸状であることによって、ベルト22が搬送部材33に密着する構成であればよい。
【0128】
以上のように、本発明は、潜像担持体(像担持体)上に形成される静電潜像を現像剤などによって現像する現像装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、特に、進行波電界を用いて現像剤を搬送する機構を利用する現像装置および画像形成装置に関するものである。
【0129】
ところで、進行波電界を用いてトナーを搬送する現像装置では、電極の上で直接トナーを搬送すると逆極性トナーの付着などが生じ、良好なトナー搬送が行えない。そのため、トナー搬送を行う搬送部材表面を覆い、微速で移動するベルト部材についての発明を行った。しかしながら、ベルト部材と搬送部材との摩擦による新たな問題が発生した。そこで、本発明は、進行波電界を用いる現像装置の問題に加えて、進行波電界とベルト部材とを併用した現像装置特有の問題を解決するものである。
【0130】
なお、上記の静電潜像としては、所定の電荷を付与して帯電させた像担持体上に光情報を書き込んだものだけでなく、イオンフロー方式のように誘電体上に直接静電電荷潜像を形成するものや、トナージェット方式のように複数の開口部を有する電極に任意の電圧を印可することにより空間に静電潜像を形成し、現像剤を記録媒体に飛翔させ直接画像形成を行うものに適用可能である。
【0131】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施の形態中にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0132】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0133】
【発明の効果】
本発明に係る現像装置は、以上のように、現像剤搬送部材は、ベルト部材と接触する領域において、上記ベルト部材の移動する方向と上記ベルト部材の厚み方向とに平行となっている平面による断面形状が、上記ベルト部材に対して凸状になっており、上記ベルト部材は、上記現像剤搬送部材と接触する領域において、上記ベルト部材に生ずる張力の合力が上記現像剤搬送部材に向かうことによって上記現像剤搬送部材と密着するように、上記現像剤搬送部材の表面を覆っている構成である。
【0134】
それゆえ、現像剤搬送部材が凸状になることによって、ベルト部材が、現像剤搬送部材と密着するように現像剤搬送部材の表面を覆うので、ベルト部材と現像剤搬送部材の密着性を確実にできるという効果を奏する。
【0135】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域の全面において、上記ベルト部材が上記現像剤搬送部材に向かう側に均一な力を受けるような、凸状の上記断面形状となっている構成である。
【0136】
それゆえ、現像剤搬送部材において電極が埋め込まれている領域とベルト部材とを均一に接触させて、現像剤に作用させる電界の大きさを所望の均一なものとし、ベルト部材上の現像剤層を乱すことなく安定した現像剤搬送が可能になるという効果を奏する。
【0137】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域において、上記ベルト部材の上記現像剤搬送部材に向かう側の力が、上記ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向かって単調増加し最大値に達してから単調減少するような、凸状の上記断面形状となっている構成である。
【0138】
それゆえ、現像剤搬送部材とベルト部材との接触状態の乱れを生じた場合であっても、この乱れを容易に減衰させて、安定した密着状態を維持できるという効果を奏する。
【0139】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域における、上記断面形状の曲率半径が、10mmないし50mmとなっている構成である。
【0140】
それゆえ、現像剤搬送部材の断面形状から曲率半径の非常に小さい尖った領域を除いて、局所的に強い摩擦を生ずることがないという効果を奏する。また、ベルト部材と接触している領域が平面となることを防止して、ベルト部材と現像剤搬送部材とが確実に密着するようにできるという効果を奏する。
【0141】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記ベルト部材からの力を受ける上記現像剤搬送部材を保持するための保持部材を備え、上記ベルト部材と上記現像剤搬送部材とが接触する領域の、上記ベルト部材の移動方向の下流側と上流側とにおいて、上記現像剤搬送部材および上記保持部材と上記ベルト部材とが離間している構成である。
【0142】
それゆえ、離間させる際に、例えば現像剤搬送部材のなめらかな面にベルト部材が接触し始める、またはベルト部材が離間し始めるようにして、現像剤搬送部材及びベルト部材が接触している部分と離間している部分との間で、接触する圧力が急激に変化したり、部分的な摩擦が生じたりすることを防止して、ベルト部材表面の電位を所望の均一なものとして、安定した現像剤の搬送が可能となるという効果を奏する。また、保持部材とベルト部材とを離間させて、ベルトと保持部材とを接触させないようにできるという効果を奏する。
【0143】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記断面形状において、上記ベルト部材に沿った長さが、上記ベルト部材と接触する部分の長さ以上である構成である。
【0144】
それゆえ、ベルト部材に沿った長さが全体としてベルト部材と接触する部分の長さよりも大きい現像剤搬送部材に対して、例えば現像剤搬送部材のなめらかな面にベルト部材が接触し始める、またはベルト部材が離間し始めるようにして、現像剤搬送部材及びベルト部材が接触している部分と離間している部分との間で、接触する圧力が急激に変化したり、部分的な摩擦が生じたりすることを防止して、ベルト部材表面の電位を所望の均一なものとして、安定した現像剤の搬送が可能となるという効果を奏する。
【0145】
本発明に係る現像装置は、以上のように、上記構成において、上記現像剤搬送部材は、上記断面形状において、上記ベルト部材に沿った長さが、上記ベルト部材に沿った上記保持部材の長さ以下である構成である。
【0146】
それゆえ、ベルト部材から力を受ける現像剤搬送部材を、保持部材にて確実に保持して、現像剤搬送部材のばたつきを防ぐことができるという効果を奏する。
【0147】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上述のいずれかの現像装置を備えている構成である。
【0148】
それゆえ、現像剤の搬送の乱れを生ずることなく現像を行って、良好な画像を形成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略の断面図である。
【図2】上記画像形成装置の備えている現像装置を示す概略の断面図である。
【図3】上記現像装置の一部を示す断面図である。
【図4】上記現像装置のベルト部材を説明するための図である。
【図5】上記現像装置の他の一部を示す断面図である。
【図6】上記現像装置における進行波電界のための駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る現像装置の他の一例の一部を示す断面図である。
【図8】(a)は本発明に係る現像装置のさらに他の一例の一部を示す断面図であり、
(b)は現像装置のさらに他の一例の一部を示す断面図である。
【図9】本発明に係る現像装置のさらに他の一例の一部を示す断面図である。
【図10】本発明に係る現像装置のさらに他の一例の一部を示す断面図である。
【図11】従来の現像装置の一例の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム(像担持体)
5 現像装置
18、27、28、31、33 搬送部材(現像剤搬送部材)
18b 進行波電極(電極)
19、29、29a、32 保持部材
22 ベルト(ベルト部材)
F2、F3 張力
F1 合力
P 印刷シート
T トナー(現像剤)

Claims (8)

  1. 間隔を設けて並べられた複数の電極を有し、上記電極に電圧が印加されることによって像担持体の静電潜像へと現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、上記現像剤搬送部材の表面を覆い、上記現像剤搬送部材に対して移動可能なベルト部材とを備えた現像装置において、
    上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域において、上記ベルト部材の移動する方向と上記ベルト部材の厚み方向とに平行となっている平面による断面形状が、上記ベルト部材に対して凸状になっており、
    上記ベルト部材は、上記現像剤搬送部材と接触する領域において、上記ベルト部材に生ずる張力の合力が上記現像剤搬送部材に向かうことによって上記現像剤搬送部材と密着するように、上記現像剤搬送部材の表面を覆っていることを特徴とする現像装置。
  2. 上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域の全面において、上記ベルト部材が上記現像剤搬送部材に向かう側に均一な力を受けるような、凸状の上記断面形状となっていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
  3. 上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域において、上記ベルト部材の上記現像剤搬送部材に向かう側の力が、上記ベルト部材の移動方向の下流側から上流側に向かって単調増加し最大値に達してから単調減少するような、凸状の上記断面形状となっていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
  4. 上記現像剤搬送部材は、上記ベルト部材と接触する領域における、上記断面形状の曲率半径が、10mmないし50mmとなっていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
  5. 上記ベルト部材からの力を受ける上記現像剤搬送部材を保持するための保持部材を備え、
    上記ベルト部材と上記現像剤搬送部材とが接触する領域の、上記ベルト部材の移動方向の下流側と上流側とにおいて、上記現像剤搬送部材および上記保持部材と上記ベルト部材とが離間していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 上記現像剤搬送部材は、上記断面形状において、上記ベルト部材に沿った長さが、上記ベルト部材と接触する部分の長さ以上であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 上記現像剤搬送部材は、上記断面形状において、上記ベルト部材に沿った長さが、上記ベルト部材に沿った上記保持部材の長さ以下であることを特徴とする、請求項5に記載の現像装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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