JP2004276415A - 両面加飾用シートと両面加飾成形品の製造方法 - Google Patents

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泰秀 深田
Takahiro Okabe
貴広 岡部
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Abstract

【課題】任意の位置にゲートを配置でき金属光沢層にマイクロクラックが生じず嵌合部品であっても適用できる両面加飾用シートと両面加飾成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】全光線透過率75%以上の透明または透明着色の基体シート2の一方の面に図柄層3が少なくとも形成され、他方の面に金属光沢層4が少なくとも形成されるように構成したので、任意の位置にゲートを配置でき金属光沢層にマイクロクラックが生じず嵌合部品であっても適用できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンソールパネル、センタークラスター、スイッチベースなどの自動車内装部品、サイドマットガード、バンパー、ホイルキャップ、モールなどの自動車外装部品、携帯電話の筐体部品、携帯電話のレンズ部品などに用いることができる両面加飾用シートと両面加飾成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平板形状の樹脂成形品の一方の面に対して図柄などの装飾を行い、他方の面に金属光沢層の形成を行って行う方法として、金型内に図柄を形成した加飾シートと、金属光沢を形成した加飾シートとを配置し、2枚の加飾シートの間に溶融樹脂を射出して樹脂成形品の成形と同時にその両面に加飾フィルムを一体化する方法があった(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−254938号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上に述べた方法は、次のような問題を有するものであった。
【0005】
すなわち、上記方法は、溶融樹脂の射出を行うのがサイドゲート方式に限られるため、ゲート付近に位置する加飾シートを構成するインキ層が流れやすいという問題があった。
【0006】
また、金型の構造上、2枚の加飾フィルムをそれぞれ吸引して金型のキャビティ面に沿わせることは困難であり、一方の加飾フィルムのみを吸引して金型のキャビティ面に密着させ、他方の加飾フィルムは射出する樹脂の圧力によってキャビティ面に密着させるため、加飾フィルムにかかる負荷が大きくなり金属光沢層にマイクロクラックが発生しやすくなるという問題があった。
【0007】
また、両面加飾成形品を他の成形品などに結合するためのボスなどを有する嵌合部品とすることは、両面加飾成形品に加飾シートが位置するため困難であるという問題があった。
【0008】
したがって、この発明は、上記のような問題点を解消し、任意の位置にゲートを配置でき金属光沢層にマイクロクラックが生じず嵌合部品であっても適用できる両面加飾用シートと両面加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の両面加飾用シートと両面加飾成形品の製造方法は、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0010】
つまり、この発明の両面加飾用シートは、全光線透過率75%以上の透明または透明着色の基体シートの一方の面に図柄層が少なくとも形成され、他方の面に金属光沢層が少なくとも形成されるように構成した。
【0011】
また、金属光沢層が転写法によって形成されたものであるように構成した。
【0012】
また、両面加飾成形品の製造方法は、両面加飾用シートを射出成形金型内に配置し、両面加飾用シートの金属光沢層面に溶融樹脂を射出して一体化接着させるように構成してもよい。
【0013】
また、両面加飾成形品の製造方法は、両面加飾用シートの金属光沢層面に裏打ちシートを積層し、次いで不要部分を除去して射出成形金型内に配置し、両面加飾用シートの裏打ちシート面に溶融樹脂を射出して一体化接着させるように構成してもよい。
【0014】
また、両面加飾成形品の製造方法は、両面加飾用シートの金属光沢層面に裏打ちシートを積層し、次いで不要部分を除去して樹脂成形品表面に接着するように構成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0016】
図1〜2は、この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す断面図である。図3〜5は、この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す平面図である。図6〜8は、この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図9は、この発明の両面加飾成形品の製造方法によって得た両面加飾成形品の一実施例を示す断面図である。図10〜11は、この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図中、1は両面加飾用シート、2は基体シート、3は図柄層、4は金属光沢層、5は接着層、10は両面加飾成形品、11は予備成形金型、12は加熱装置、13は吸引孔、14は射出成形金型、15はゲート、16は成形樹脂である。
【0017】
この発明の両面加飾用シート1は、全光線透過率75%以上の透明または透明着色の基体シート2の一方の面に図柄層3が少なくとも形成され、他方の面に金属光沢層4が少なくとも形成されたものである(図1参照)。
【0018】
基体シート2は、全光線透過率75%以上の透明または透明着色のものである。
【0019】
この発明おいて、全光線透過率を75%以上にすることが重要である。全光線透過率75%以上であると、進入した光に対し散乱することなく効果的に金属光沢層4からの反射光を得ることができるため、優れた立体感を有する図柄を表現することが可能となる。全光線透過率が75%に満たないと、金属光沢面に入射した光を効果的に反射してもレンズ効果が得られにくく意匠的に乏しいものとなってしまう。なお、本発明でいう全光線透過率とは、日本工業規格(JIS)Z8720(1983)で定められた標準光源により物質に進入させた光をTとしたとき、物質から平行に出た光(平行透過率PT)と拡散して出た光(拡散透過率D)とを足したものをいう。
【0020】
また、基体シート2として屈折率が大きいものを用いると、より優れた立体感を有する図柄を表現することができる。たとえば、アクリル系樹脂の屈折率は1.49〜1.50、硬質塩化ビニル系樹脂の屈折率は1.52〜1.54、ポリカーボネート系樹脂の屈折率は1.58〜1.59であるため、基体シート2として、同じ厚さのものを用いる場合には、これらの素材のうち、ポリカーボネート系樹脂を選択することによってより効果的に立体感を有する図柄を得ることができる。
【0021】
基体シート2としては、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルエステル系樹脂などを用いることができる。
【0022】
基体シート2は、製品形状や要求耐性により選択すればよい。たとえば、自動車内装部品などでは、耐光性、表面硬度などが要求されるためアクリル系樹脂を、携帯電話筐体やレンズ部品では、落下時の衝撃性などを考慮してポリカーボネート系樹脂などを選択するとよい。
【0023】
基体シート2の厚さは、製品形状、成形方法などにより適宜決定するとよい。たとえば、射出成形金型14内で真空成形し、成形樹脂16を射出し成形品と一体化させる場合は、基体シート2の厚さが大きすぎると、成形時のサイクルタイムが長くなる。また、成形樹脂の肉圧よりも厚くなったりすると、成形自体が困難になる。したがって、50〜200μm程度とするのがよい。
【0024】
基体シート2の一方の面に、少なくとも図柄層3を形成する。図柄層3としては、たとえば、幾何学模様などの部分的なパターンからなる図柄を、表面の被覆面積が10〜90%の範囲内で形成すると効果的に立体感を得ることができる(図3〜5参照)。このような幾何学模様のパターンは単体でも立体的に見えるが、金属光沢層4と組み合わせることによりさらに立体的に見えるようになる。幾何学模様のパターンが占める面積率が10%に満たない場合、また90%を越える場合、幾何学模様のパターンが効果的に金属光沢層4に反射されず、優れた立体感を得るのが困難になるおそれがある。
【0025】
また、図柄層3としては、文字や記号などの部分的なパターンからなる図柄を形成してもよい。文字や記号などは、金属光沢面の反射を受け、透明基体シート2間の距離を感じることができる。
【0026】
図柄層3の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。図柄層3を形成するには、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、タンポ印刷法など周知の印刷法により基体シート2に直接印刷するとよい。また、図柄が不要な部分を覆い、部分塗装などを行ってもよい。また、転写箔やホットスタンピングのようにあらかじめ別のフィルム上に構成した図柄層3を基体シート2に熱転移させてもよい。
【0027】
基体シート2の他方の面に、少なくとも金属光沢層4を形成する。
【0028】
金属光沢層4は、金属光沢を表現するために形成する層であり、金属蒸着膜や偏向フレークを使用するとよい。
【0029】
金属蒸着膜を使用する場合は、アルミニウム、クロム、インジウム、スズ、ニッケル、金、銀、銅、白金などの単体または合金を、真空蒸着法、イオンプレーティング蒸着法、スパッタリング法を用いて、基体シート2に直接または接着性を有するアンカー層を介して積層すればよい。また、別途フィルム上に積層した金属蒸着膜を転移させる転写法やホットスタンピング法などを利用してもよい。
【0030】
偏向フレークを使用する場合は、アルミニウムや雲母を樹脂バインダー中に分散させたインキを、印刷法、コート法、塗装法などにより積層すればよい。なお、効果的な立体図柄を形成するには、偏向フレークとして金属光沢を有するものを使用することが必要であり、具体的には、日本工業規格(JIS)Z8741における表面グロスGs(60°)が80以上であるのが好ましい。また、日本工業規格(JIS)Z8741における表面グロスGs(60°)が基準黒板の測定数値を90としたとき、金属光沢層4の測定数値が80以上であるのが好ましい。このような光沢度を有する偏向フレークとしては、金属蒸着膜を粉砕して樹脂バインダーに分散したものや、偏向フレークをバインダー内にリーフィングして見かけ上鏡面にしたものなどがある。
【0031】
また、必要に応じて、両面加飾用シート1を成形樹脂16に固着させるための接着層5を形成してもよい(図2参照)。接着層5としては、成形樹脂16の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂16の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂16の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂16の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層5の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0032】
このような構成の両面加飾用シート1を用いて両面加飾成形品10を得るには、両面加飾用シート1を射出成形金型14内に配置し、両面加飾用シート1の金属光沢層4面に溶融樹脂を射出して一体化接着させるとよい。具体的には、次のようにして行うとよい。
【0033】
まず、両面加飾用シート1を射出成形金型14に配置する(図6参照)。
【0034】
射出成形金型14への配置の仕方としては、ロール軸に長尺の両面加飾用シート1を一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用の可動型の上部に可動型と一体的に移動可能に載置し、ロール状巻物から両面加飾用シート1を巻き出しながら、退避した可動型と固定型との間を通過させ、射出成形用の可動型の下部に可動型と一体的に移動可能に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により両面加飾用シート1を巻き取る方法がある。また、枚葉の両面加飾用シート1を用いて、ロボットや人手により可動型の表面に配置してもよい。両面加飾用シート1の可動型の表面への配置に際しては、両面加飾用シート1を可動型の表面に配置した後、可動型の表面に対する両面加飾用シート1の位置を位置決めセンサーなどにより決定し、両面加飾用シート1を射出成形用の可動型の表面にクランプなどによって押さえ付けるとよい。
【0035】
次いで、必要に応じて、両面加飾用シート1を射出成形金型14内で所望形状に成形する(図7参照)。たとえば、可動型と固定型との間に挿入した加熱装置12などで、可動型の表面に配置した両面加飾用シート1をその軟化点以上に加熱して軟化させ、可動型の凹部と両面加飾用シート1との間の空間を密閉して可動型に形成された真空吸引孔13から排気して真空吸引し、可動型の凹部内面に両面加飾用シート1を密着させ、可動型の凹部すなわちキャビティ形成面に沿うように立体形状に加工する方法がある。
【0036】
上記方法に代えて、両面加飾用シート1を射出成形金型14に配置する前に、射出成形金型14とは別の予備成形金型11を用いて両面加飾用シート1をあらかじめ射出成形金型14のキャビティ形成面に合致する形状に立体加工し、また打ち抜き加工などの方法で不要部分を除去して所望の形状にしておいてもよい(図10〜11参照)。立体加工の方法としては、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押しつける押圧成形法、またはプレス成形法などがある。打ち抜き加工の方法としては、トムソン打ち抜き法、金型によるプレス法などがある。なお、立体加工する際に同時に打ち抜き加工をしてもよい。
【0037】
次に、射出成形金型14を型閉めして溶融状態の成形樹脂16を固定型のゲート15部からキャビティ内に射出し、成形樹脂16を固化させてキャビティ内で樹脂成形品を形成すると同時にその表面に両面加飾用シート1を一体化接着させる(図8参照)。
【0038】
成形樹脂16としては、たとえばアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いることができる。
【0039】
その後、型開きして両面加飾用シート1を樹脂成形品とともに取り出し、必要に応じて樹脂成形品に接着した両面加飾用シート1のうち不要な部分を除去する。このようにして、両面加飾成形品10を得ることができる(図9参照)。
【0040】
また、両面加飾成形品10を得る他の方法として、両面加飾用シート1の金属光沢層4面に裏打ちシート(図示せず)を積層し、次いで不要部分を除去して射出成形金型14内に配置し、両面加飾用シート1の裏打ちシート面に溶融樹脂を射出して一体化接着させる方法がある。具体的には、次のようにして行うとよい。
【0041】
まず、両面加飾用シートの金属光沢層面に裏打ちシートを積層する。
【0042】
裏打ちシートとしては、三次元成形可能な熱可塑性シートを用いるとよい。裏打ちシートを積層するには、ラミネート法を用いるとよい。ラミネート法としては、押出しラミネート法、ホットメルトラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法などがある。
【0043】
次に、両面加飾用シートの不要部分を除去する。不要部分の除去は、打ち抜き加工などの方法で行うとよい。また、必要に応じて、射出成形金型のキャビティ形成面に合致する形状に立体加工してもよい。
【0044】
次いで、両面加飾用シートを射出成形金型内に配置し、両面加飾用シートの裏打ちシート面に溶融樹脂を射出して一体化接着させて、両面加飾成形品を得ることができる。
【0045】
また、両面加飾成形品10を得る他の方法として、両面加飾用シート1の金属光沢層4面に裏打ちシート(図示せず)を積層し、次いで不要部分を除去して樹脂成形品表面に接着する方法がある。具体的には、次のようにして行うとよい。
【0046】
まず、両面加飾用シートの金属光沢層面に裏打ちシートを積層し、次いで不要部分を除去する。また、必要に応じて、射出成形金型のキャビティ形成面に合致する形状に立体加工してもよい。
【0047】
次に、樹脂成形品表面に接着する。両面加飾用シートを樹脂成形品の表面に重ね合わせ、加熱された耐熱ゴム状弾性体などによって押圧して加熱加圧し、樹脂成形品表面に両面加飾用シートを接着することができる。
【0048】
また、本発明の両面加飾用シートは、両面粘着テープなどを用いて樹脂成形品表面に接着することもできる。
【0049】
【実施例】
(実施例1) 以下のようにして、両面に図柄を有する自動車内装用センタークラスターを得た。
【0050】
基体シートとして、厚さ125μmのアクリル系樹脂フィルム(三菱レイヨン株式会社製HBXN−47)を使用し、アクリル系樹脂をバインダーとしカーボンブラックを分散させたインキを用いてカーボンメッシュ調を表現するパターンをグラビア印刷して図柄層を形成した。なお、図柄層は、耐光性および耐摩耗性を考慮した設計とした。
【0051】
また、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、剥離層、アンカー層、クロムの金属蒸着膜、接着層を順次グラビア印刷で構成した転写材を用い、基体シートの他面に転移して金属光沢層を形成した。なお、転写材の真空蒸着法を用いて厚さ40nmに形成した。
【0052】
このようにして得た両面加飾用シートを、供給装置により射出成形金型に送り出し、熱源によりフィルムを加熱軟化させ、キャビティ面に真空成形してキャビティ面に沿わせ、型締めし溶融樹脂と一体化接着させて両面加飾成形品を得た。
【0053】
このようにして得られた両面加飾成形品は、金属光沢層にマイクロクラックが生じず任意の位置にゲートを配置でき図柄が立体効果を有するものであった。
【0054】
(実施例2) 以下のようにして、両面に図柄を有する自動車内装用スイッチベースカバーを得た。
【0055】
基体シートとして、厚さ300μmのポリカーボネート系樹脂フィルム(三菱瓦斯化学株式会社製ユーピロン)を使用し、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂をバインダーとしカーボンブラックを分散させたインキを用いて図3に示すパターンをグラビア印刷して図柄層を形成した。さらにその上に耐光性を考慮し、アクリル系樹脂をバインダーとし紫外線吸収剤を混入させたインキを全面的にスクリーン印刷して保護層を形成した。
【0056】
また、基体シートの他面に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂をバインダーとしアルミニウムからなる偏向フレークを分散させたインキをスクリーン印刷して金属光沢層を形成した。
【0057】
このようにして得た両面加飾用シートを、予備成形型に取り付け、熱源により加熱軟化後、所望の立体形状に成形し、脱型後不要部分を打ち抜き除去して予備成形を完了した。
【0058】
次いで、成形用金型に両面加飾用シートをセットし、型締めし溶融樹脂と一体化接着させて両面加飾成形品を得た。
【0059】
このようにして得られた両面加飾成形品は、金属光沢層にマイクロクラックが生じず任意の位置にゲートを配置でき図柄が立体効果を有するものであった。
【0060】
【発明の効果】
この発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を有する。
【0061】
この発明の両面加飾用シートは、全光線透過率75%以上の透明または透明着色の基体シートの一方の面に図柄層が少なくとも形成され、他方の面に金属光沢層が少なくとも形成されるように構成したので、任意の位置にゲートを配置でき金属光沢層にマイクロクラックが生じず嵌合部品であっても適用できるものである。
【0062】
また、この発明の両面加飾成形品の製造方法は、両面加飾用シートを射出成形金型内に配置し、両面加飾用シートの金属光沢層面に溶融樹脂を射出して一体化接着させるように構成したので、任意の位置にゲートを配置でき金属光沢層にマイクロクラックが生じず嵌合部品であっても適用できる製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す断面図である。
【図3】この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す平面図である。
【図4】この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す平面図である。
【図5】この発明の両面加飾用シートの一実施例を示す平面図である。
【図6】この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図7】この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図8】この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図9】この発明の両面加飾成形品の製造方法によって得た両面加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図10】この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図11】この発明の両面加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 両面加飾用シート
2 基体シート
3 図柄層
4 金属光沢層
5 接着層
10 両面加飾成形品
11 予備成形金型
12 加熱装置
13 吸引孔
14 射出成形金型
15 ゲート
16 成形樹脂

Claims (5)

  1. 全光線透過率75%以上の透明または透明着色の基体シートの一方の面に図柄層が少なくとも形成され、他方の面に金属光沢層が少なくとも形成されたことを特徴とする両面加飾用シート。
  2. 金属光沢層が、転写法によって形成されたものである請求項1記載の両面加飾用シート。
  3. 請求項1または2に記載の両面加飾用シートを射出成形金型内に配置し、両面加飾用シートの金属光沢層面に溶融樹脂を射出して一体化接着させることを特徴とする両面加飾成形品の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の両面加飾用シートの金属光沢層面に裏打ちシートを積層し、次いで不要部分を除去して射出成形金型内に配置し、両面加飾用シートの裏打ちシート面に溶融樹脂を射出して一体化接着させることを特徴とする両面加飾成形品の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の両面加飾用シートの金属光沢層面に裏打ちシートを積層し、次いで不要部分を除去して樹脂成形品表面に接着することを特徴とする両面加飾成形品の製造方法。
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