JP2004276056A - 両面摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

両面摩擦撹拌接合装置 Download PDF

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政一郎 山下
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Abstract

【課題】ダブルスキン構造のワークを接合して、台枠などの構成部材を簡単に製作することができる両面摩擦撹拌接合装置を提供する。
【解決手段】前記複数本のワークW1〜W4は、長手方向の両端部が第1および第2のチャック部材11,12で一体に結合されて接合面が互いに突き合わされた状態に保持されており、この第1および第2のチャック部材11,12に第1及び第2のチェーン部材15,16の一端部が連結されている。チェーン部材15,16にて牽引することでワークW1〜W4をワーク長手方向に沿って移動させつつ、ワークW1〜W4の上下に向けて設けた(定位置固定の)上側および下側の接合ヘッド7,8によって、前記ワークW1〜W4の接合面間を上下同時に摩擦撹拌接合する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両(とくに鉄道車両)の車体などのダブルスキン構造の構成部材(たとえば台枠、側構体)を、所定幅で長尺のアルミニウム合金製などの長尺材料を摩擦撹拌接合して製作するのに用いられる両面摩擦撹拌接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の摩擦撹拌接合装置は、接合ヘッドの先端に配置された回転工具の回転により摩擦熱を発生させ、接合ベッド上のワーク(板材)間の接合部分を加熱し軟化状態にして接合するものである。この回転工具は、円柱体の工具本体の中心部先端にはピンが一体に突設されており、突き合わせしたワークの接合線に沿って工具本体とともにピンを回転させながら所定荷重下で移動(前進)させることにより、ピンをワークの接合部に挿入させ、ピンの周辺のショルダー(回転工具の後側下端周縁)を接合部の表面に接触させつつ回転させる。工具本体は、ピンの中心を通る軸線が下方になるに従い前方に位置するようにやや傾斜させて配置される。
【0003】
また、摩擦撹拌接合装置の全体構造は、ワークを載置するベッドの長手方向に沿って門形フレームが走行可能に配備され、この門形フレームの水平フレーム部に複数の接合ヘッドがスライダを介して横移動可能にかつ上下に昇降可能に設けられている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、そのような装置であると、接合ヘッドの数に限界があり、ダブルスキン構造に適用する場合には、片面接合後に残りの片面を接合するために、ワークを反転する必要がある。また、片面接合後にワークが熱変形するおそれがあり、接合精度を確保する上で不利である。
【0005】
そこで、接合部材をひっくり返すことなく1回の接合操作で両面同時に摩擦撹拌接合することができる装置が提案されている(たとえば特許文献2,3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−160077号公報(段落番号0030〜0034,図1〜図3)
【特許文献2】
特開平11−90655号公報(段落番号0072〜0075、図8)
【特許文献3】
特開平11−320127号公報(段落番号0072〜0075、図4〜図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献2に記載の装置は、接合部材をひっくり返すことなく1回の接合操作で両面同時に摩擦撹拌接合するものであるが、位置決めされたワークに対し上下の回転工具を移動させるものであるため、前記ワークの全長に相当する範囲に亘って上下の回転工具を移動させる必要があり、装置全体が複雑となり、大型化する。また、摩擦撹拌接合をすることができるワークの長さを、回転工具の可動範囲よりも短くする必要があり、ワークの長さが制限される。
【0008】
また、上記特許文献3に記載の装置は、ワークを移動させるため、加工されるワークの長さが制限されず、1回の接合操作で両面同時に摩擦撹拌接合するものではあるが、シングルスキン構造のワークをも対象とするため、回転工具(プロープ)が互いに干渉しないように、ワークの送り方向において位置をずらせて設けている。このため、上記特許文献3に記載の装置を用いて、ダブルスキン構造の接合を行う場合には、後から摩擦撹拌接合される部分が、先に摩擦撹拌接合される部分の熱影響により、悪影響を受けるおそれがある。しかも、接合ヘッドについても、ワークの上側及び下側にそれぞれ1つの接合ヘッドしか配備されていないので、ワークの接合部の数に応じてワークを繰り返し走行させて接合する必要があり、作業効率が悪い。
【0009】
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、ダブルスキン構造のワークを、ワーク長さの制限を受けることなく、効率よく両面同時に摩擦撹拌接合をすることができる両面摩擦撹拌接合装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係る両面摩擦撹拌接合装置は、所定幅で長尺の複数本のワークを接合面が互いに突き合わせられるように並べ、この互いに突き合わせられた状態の複数本のワークをワーク長手方向に沿って移動させつつ、ワークの上下に向けて設けた上側および下側の接合ヘッドによって、前記複数本のワークの接合面間を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合装置において、前記ワークは、上側および下側の面板部がリブ部にて結合されるダブルスキン構造であり、前記上側および下側の接合ヘッドは、定置式であって口形形状の固定フレームの上側および下側水平フレーム部にワーク長手方向に直交する方向に移動可能にそれぞれ配設され、前記接合面が互いに突き合わせられるように並べられた複数本のワークは、ワーク長手方向の両端部が第1および第2のチャック部材で一体に結合され、第1および第2のチャック部材に第1及び第2のチェーン部材がそれぞれ連結され、前記複数本のワークは、ワーク長手方向における固定フレームの前後において、水平方向の軸線を有する複数の支持ローラにて支持され、前記第1および第2のチェーン部材を介して複数本のワークを送りつつ、前記上側および下側の接合ヘッドが、同一位置において、上下同時に摩擦撹拌接合する構成とされている。ここで、「同一位置において、上下同時に摩擦撹拌接合する」とは、上下対応する接合線(接合面間)を、ワーク長手方向に対して同一位置において、上下同時に摩擦撹拌接合する、という意味である。
【0011】
上記の構成を有する両面摩擦撹拌接合装置によれば、定置式であって口形形状の固定フレームの上側および下側水平フレーム部に上側および下側の接合ヘッドを設けるようにしているので、ワーク長手方向における固定フレームの前後において、水平方向の軸線を有する複数の支持ローラにて支持することができ、それによって安定して摩擦撹拌接合を行うことができる。
【0012】
そして、ダブルスキン構造のワーク(上側および下側の面板部)を摩擦撹拌接合する場合に、ワークを移動させることで上側および下側の接合ヘッドによって上下同時に摩擦撹拌接合することができるため、従来の片面摩擦撹拌接合装置に比べて、構造を複雑にすることなく、安価に摩擦撹拌接合することができる。
【0013】
つまり、回転工具を接合部(接合面間)に押し当てて回転させながら接合線に沿って固定フレームに対しワークを移動させることにより、ワークの接合部が摩擦熱により加熱され塑性流動化され、ワークの母材組織が撹拌され、冷却されたのちに母材組織が一体化されて接合される。この作業を1回行うだけで、ダブルスキン構造の複数のワークが接合されて一体化され、所望の台枠等の構成部材が製作される。
【0014】
また、固定フレームの上側および下側水平フレーム部にそれぞれ上側及び下側の接合ヘッドが複数台設けられ、ワークの上下に複数台の接合ヘッドがそれぞれ配置されるようにしているので、ワークを移動させれば、ワーク間の複数の接合部が上側及び下側の接合ヘッドの回転工具により上下同時に接合されながら移動することになる。よって、作業効率が大幅に向上し、接合作業時間が短縮される。
【0015】
さらに、第1及び第2のチャック部材にて接合面が相互に突き合わされた状態を保持することができ、第1及び第2のチェーン部材による駆動にてワークをおくるようにしているので、ワークを安定して(摩擦撹拌接合のために)移動させることができる。
【0016】
また、ワークがダブルスキン構造であっても、上下同時に摩擦撹拌接合するので、前記特許文献3に記載の技術のように、摩擦撹拌接合する部位のずれにより、後から接合される部分に熱影響を与えるおそれがない。
【0017】
請求項2に記載のように、前記前記上側および下側の接合ヘッドは、それぞれ、先端の接合用回転工具をその向きがワーク長手方向に直交する方向に向くように傾動可能に前記固定フレームの上側および下側水平フレーム部に設けられている構成とすることが望ましい。
【0018】
このようにすれば、横断面が湾曲している(鉄道車両の)側構体のように、複数の長尺の押出型材や板材などのワークを、湾曲面を形成するように接合面が互いに突き合わせられるように並べて(この場合は通常ワーク間はあらかじめ仮付けされている)、摩擦撹拌接合する際には、その湾曲した方向に先端(下端)の接合用回転工具を傾動できるので、そのような場合にも摩擦撹拌接合をすることができる。
【0019】
請求項3に記載のように、前記固定フレームの下部は、地上面に掘られた窪み部内に位置するように設置されていることが望ましい。
【0020】
これによれば、上側および下側の接合ユニットを設けることで全体高さが高くなるが、地上面に掘られた窪み部を利用することで、全体高さ、特にワークを移動させる部分の高さをそれほど高くしなくてもよくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用摩擦撹拌接合装置の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態に係る両面摩擦撹拌接合装置を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態に係る両面摩擦撹拌接合装置を示す正面図、図3は同側面図、図4は同要部平面図である。
【0023】
図1〜図4に示すように、両面摩擦撹拌接合装置1は、所定幅で長尺の複数本のワークW1〜W4(本例では4本のワーク)を接合面が互いに突き合わせられるように並べ、前記複数本のワークW1〜W4の接合面間を上下同時に摩擦撹拌接合するものである。具体的には、この互いに突き合わせ状態で並べられた複数本のワークW1〜W4をワーク長手方向に沿って移動させつつ、ワークW1〜W4の接合部の上下に向けて設けた複数台(本例では3台)の上側および下側の接合ヘッド7,8によって、上下同時に摩擦撹拌接合するものである。なお、この装置1は、従来の片面摩擦撹拌接合装置のようにワークW1〜W4が載置されるベッド(定盤)を備えない。
【0024】
このワークW1〜W4は、上側および下側の面板部がリブ部にて結合されるダブルスキン構造であり、上側の面板部の接合部が上側の接合ヘッド7によって、下側の面板部の接合部が下側の接合ヘッド8によってそれぞれ接合され、それらの両面板部の接合部が、同一位置において上下同時に接合される。
【0025】
この装置1は、上側及び下側の接合ヘッド7,8を3台ずつ備え、これらの上側および下側の接合ヘッド7,8が、定置式(移動しない)であって口形形状(矩形枠形状)の固定フレーム2の上側および下側水平フレーム部2A,2Bの一側に左右方向に間隔をあけて配設されている。固定フレーム2の下部は、地上面に掘られた窪み部S内に位置するように設置されているので、3台の下側の接合ヘッド7も窪み部3内に位置している。
【0026】
また、固定フレーム2の前後(ワーク長手方向(ワーク移動方向)の前後)には、ワークW1〜W4を上下から挟んで支持するワーク支持手段3,4が配置されている。前記各ワーク支持手段3,4は、ワーク長手方向に一定間隔でもってワークW1〜W4の上下に配設され水平方向の軸線を有する複数の支持ローラ3a,4aを備え、これらの支持ローラ3a,4aによってワークW1〜W4を上下から挟んで支持する構成となっている。
【0027】
さらに、ワーク支持手段3,4の前後に、下側からワークW1〜W4を支持する支持ローラ手段5,6と、ワークW1〜W4の左右方向の動きを規制するサイドローラ9,10とが順に設けられている。支持ローラ手段5,6は、水平方向の軸線を有する複数の支持ローラ5a,6aをそれぞれ有する。サイドローラ9,10は、鉛直方向の軸線を有し、外周面がワークW1,W4の側端面に接触するように支持枠17,18に回転可能に支持されている。
【0028】
そして、前記複数本のワークW1〜W4は、長手方向の両端部が第1および第2のチャック部材11,12で一体に結合されて接合面が互いに突き合わされた状態に保持されており、この第1および第2のチャック部材11,12に第1及び第2のチェーン部材15,16の一端部が連結されている。第1及び第2のチェーン部材15,16の他端部側は、第1および第2のスプロケット13,14に巻き掛けられている。これにより、第1および第2のスプロケット13,14を回転駆動することにより、第1及び第2のチェーン部材15,16が第1及び第2のチャック部材11,12を牽引して移動させ、ワークW1〜W4を前進させたり後退させたりする構成とされている。
【0029】
上側および下側の接合ヘッド7,8は、上下対称に設けられているので、以下の説明においては上側の接合ヘッド7についてのみ説明する。
【0030】
上側の接合ヘッド7は、図5及び図6に示すように、リニアガイド22を介してブラケット23に対し上下に昇降可能に装着されている。上側水平フレーム部2Aの上面にガイドレール53,54が横方向に敷設され、このガイドレール53,54に沿って3つのガイドベース25がそれぞれ横移動可能に配設されている。上側水平フレーム部2Aのすぐ下方および上方には、左右方向に延びるボールスクリューシャフト55が、固定フレーム2の左右両側の垂直フレーム部2C,2D間に跨がって架設されている。
【0031】
各ガイドベース25にナット部27が回転可能に支持され、このナット部27がボールスクリューシャフト55に螺合している。そして、各ガイドベース25に搭載されたサーボモータ28により無端ベルト26を介してナット部27が正逆いずれの方向にも所定回転数(角度)回転し停止する。また、3つのガイドベース25は、それぞれのサーボモータ28にて、ボールスクリューシャフト55に螺合するナット部27を所定方向に回転することにより任意の位置に横移動する。
【0032】
リニアガイド30の上部にはエアシリンダ61が配設され、このエアシリンダ61のピストンロッド62の伸縮動により接合ヘッド7が取付板32とともに昇降する。
【0033】
接合ヘッド7は上部にインダクションモータ72を備え、下端部に回転工具71が軸受74により回転可能に支承されている。回転工具71はインダクションモータ72の回転軸73の下端に一体回転可能に接続されている。回転工具71は、下向きに先細の円錐状で、その先端に円柱状のショルダー部71aが一体に形成され、その先端面中心部にピン71bが一体に突設されている。
【0034】
これらのショルダー部71aとピン71bとは、本例ではワークW1〜W4の材質がアルミニウム合金であるから、それよりも硬質で剛性の高い金属材料で形成されている。またそれらの中心軸線を鉛直線に対して傾斜角α(好ましくは3°前後)でワーク進行方向前方へ下向きに傾斜させているが、この傾斜角αはガイドベース25に対するブラケット23の後端取付面23aを前方へ上向きに角度αだけ傾斜させることによって生じさせている。すなわち、ガイドベース25に対してガイド部材25aを介してスライダー24が昇降可能に配設され、このスライダー24に対してブラケット23が傾斜角αだけ傾斜させて取り付けられている。
【0035】
このように、回転工具71の軸線を固定フレーム2(移動せず定位置に保持される)の走行方向の前方へ向けて傾斜角α(好ましくは3°前後)だけ傾斜させているので、回転工具先端のピン71bが接合部内に挿入された状態で、回転工具71の後側ショルダー部71aが接合部表面に接触して押圧しつつ回転して摩擦熱を効率よく発生させられる。
【0036】
また、ガイドベース25とブラケット23との間にはリニアガイドを介在させ、ガイドベース25の上端にサーボモータ65を配設している。そして、スクリューシャフト66とナット67とを介してサーボモータ65の回転によりブラケット23が昇降するように構成している。
【0037】
また、軸受74の周囲の円筒状外壁74aからショルダー部71aの先端に向けて冷却用エアの噴射ノズル75を配設し、さらに外壁74aの前方下向きにCCDカメラなどの画像センサー76を配備している。
【0038】
続いて、上記両面摩擦撹拌接合装置1の動作を、鉄道車両の台枠の製作を例に挙げて以下に説明する。
【0039】
本例では、4本の長尺ワークW1〜W4を、長手方向の両端部が第1および第2のチャック部材11,12で一体に結合されて接合面が互いに突き合わされた状態に保持されており、そのような接合面を相互に突き合わせて並べられた状態で載置する。
【0040】
それから、たとえば第1のスプロケット13を回転して第1のチェーン部材15を巻き取ることにより、第1のチャック部材11を移動させる。これにより4本のワークW1〜W4が、第1のチャック部材11によって引っ張られて、定位置固定の上側及び下側の接合ヘッド7,8(固定フレーム2)に対して移動する。このとき、移動(摩擦撹拌接合)に先立って、固定フレーム2の上側および下側水平フレーム部2A,2Bに一定間隔をあけて3台ずつ配置されている上側および下側接合ヘッド7,8を、サーボモータ28によりナット部27を回転させ、ボールスクリューシャフト55に沿ってガイドベース25とともに所定位置へあらかじめ横移動させ停止させておく。すなわち、図3において、中間位置の接合ヘッド7,8が中間の接合位置に、左右の接合ヘッド7,8が左右の接合位置に対応する位置で停止する。
【0041】
この状態で、サーボモータ65にてスクリューシャフト66を回転させることにより、スライダー24およびブラケット23とともに、上側の接合ヘッド7を最下位置付近まで下降させる一方、下側の接合ヘッド8を最上位置付近まで上昇させる
それから、エアシリンダ61にて各接合ヘッド7,8を取付板32とともに下降あるいは上昇させ、回転工具71をワークW1〜W4間の各接合位置に接触させ押圧する。この状態で、回転工具71の中心軸線がワークとの接触位置における鉛直線に対し下向き前方に略3度傾斜している。ここで、インダクションモータ72により回転工具71を高速回転させ、固定フレーム2に対しワークW1〜W4を移動させると、周知のごとくピン71bがワークW1〜W4の接合部内に挿入され、ショルダー部71aがワークW1〜W4の表面に接触し、摩擦熱が発生してワークW1〜W4は一体に接合されていく。このようにして、各ワークW1〜W4間の接合部が一体に接合される。
【0042】
3カ所の接合部における接合作業が終了すれば、エアシリンダ61にて各接合ヘッド7,8を上昇あるいは下降させ、ワークW1〜W4から離間させる。
【0043】
ところで、ワークW1〜W4の接合部の長さは数十mに及ぶ場合がある。そのため、回転工具71の位置ずれを検知して補正する倣い装置を備え、回転工具71が接合部から位置ずれを起こすのを防止するようにしている。具体的には、画像センサー76が倣い装置の主要部をなし、画像センサー76にはCCDカメラが用いられている。画像センサー76にて撮影された接合部の画像を図示を省略した画像処理ボード、画像処理センサー、ビデオキャプチャーおよび画像処理プログラムなどの画像処理装置で処理し、接合線の画像上の基準線からの回転工具71のずれ量を演算手段が演算する。このずれ量の演算値をサーボアンプに伝送し、サーボモータ28およびサーボモータ36をフィードバック制御することにより、回転工具71が接合線を正確に追跡することができる構成とされる。
【0044】
また、それと同時に、ワーク(の接合部)に対する回転工具71の突っ込み量を一定に制御する必要があるので、その荷重反力にて、突っ込み量を制御する制御装置80を備えていることが望ましい。たとえば図7(a)(b)に示すように、前記エアシリンダ61に代えてACサーボモータ81により接合ヘッド7を下向けに押圧するようにすると共に、接合ヘッド7をL形ブラケット82に対し上下方向にスライド可能に取り付ける。そして、ブラケット82と接合ヘッド7との間にロードセル83を介装し、接合作業時に先端の回転工具71からの反力をロードセル83で測定し、その測定値とコントローラ84にてあらかじめ設定した反力値とを比較器(図示せず)にて比較し、CPU85を介してサーボモータ81の回転量を制御する。なお、コントローラ84にて最適な回転工具71の押付け力を任意に設定できるようにしている。図中の符号81aはスクリューシャフト、符号81bはナットである。
【0045】
上記に本発明の両面摩擦撹拌接合装置の一実施の形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、以下に示すように種々の変更が可能である。
(i)上側及び下側の接合ヘッド7,8あるいは回転工具71を駆動する装置としては、サーボモータのほか、油圧シリンダーや油圧モータを使用することもできる。
(ii)鉄道車両の車体の台枠を製作する場合のほか、台枠以外の構成部材を製作する場合に適用することも可能である。
(iii)倣い装置の別の実施の形態として、ワークの接合位置にレーザースリット光を照射可能な照射装置(図示せず)を取り付け、その反射光を画像センサー(CCDカメラ)76で撮影してそれを3次元画像処理し、光切断法によりワーク接合位置と回転工具71の位置ずれを、サーボモータ28およびサーボモータ36をフィードバック制御することにより補正できるようにしてもよい。
【0046】
さらに別の実施の形態として、渦電流センサーを用いた1次元計測を行ない、ワーク接合位置と回転工具71との位置ずれを補正できるようにしてもよい。
(iv)回転工具71の突っ込み量制御装置の別の実施の形態として、図8(a)(b)に示すように構成することも可能である。この場合には、回転工具71のワークWに対する突っ込み量を、距離センサー86により計測して、制御する制御装置80’を配備している。また、距離センサー86に先行させて押えローラ87を装着し、相互に隣接する2つのワークW間の接合部が浮き上がらないようにしている。したがって、距離センサー86を回転工具71に取り付けて、回転工具71とワークWの表面との距離を計測し、コントローラ88にてあらかじめ設定した距離と比較器で比較させ、そのずれをCPU89によりACサーボモータ81’を制御する。距離センサー86による計測値などの距離情報はCPU89にフィードバックされる。
(v)たとえば鉄道車両の側構体のように横断面形状が湾曲線形状である場合(いわゆるコンター付きの場合)にも、各ワーク間を仮付けすると共に、図9〜図11に示すように、接合ヘッドを、先端の接合用回転工具をその向きが前記湾曲線の法線に向くように傾動可能に固定フレームの水平フレーム部に設けることで、同様に適用することができる。具体的には、図9〜図11に示すように、ブラケット23に対しリニアガイド30は枢支軸33により上下方向に旋回自在に支持されている。枢支軸33の後端にはウォームホイール34が一体回転可能に取着され、これにウォーム35が噛合しており、ウォーム35は無端ベルト37を介してサーボモータ36に接続され、サーボモータ36により正逆に回転する。リニアガイド30の前面にガイド部材31を介在させて取付板32が昇降自在に配設されており、これにより、この取付板32に装着された接合ヘッド7が枢支軸33の中心軸線の回りに旋回し、下端(先端)の回転工具71が横方向に傾動する。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明に係る両面摩擦撹拌接合装置は、次の効果を奏する。
(i) 定置式であって口形形状の固定フレームの上側および下側水平フレーム部に上側および下側の接合ヘッドを設け、ワーク長手方向における固定フレームの前後において、水平方向の軸線を有する複数の支持ローラにて支持する構成としているので、安定して摩擦撹拌接合を行うことができる。
(ii) ダブルスキン構造の複数本のワークを上下同時に接合して、台枠、側構体など構造部材を簡単に製作することができる。とくに、複数の接合箇所を有する複数のワークを並べて効率よく上下同時に接合することができる。
(iii)また、ワークがダブルスキン構造であっても、上下同時に摩擦撹拌接合するので、前記特許文献3に記載の技術のように、摩擦撹拌接合する部位のずれにより、後から接合される部分に熱影響を与えるおそれがない。
(iv) 固定フレームの上側および下側水平フレーム部に複数台の接合ヘッドをそれぞれ配備しているので、ワーク間の複数の接合部を複数台の接合ヘッドより上下同時に接合することができ、作業効率が大幅に向上し、接合作業時間の短縮化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る両面摩擦撹拌接合装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る両面摩擦撹拌接合装置を示す正面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】同要部平面図である。
【図5】図3のX方向矢視図である。
【図6】図5の一部を拡大した側面図である。
【図7】回転工具の突っ込み量制御装置の実施例を示すもので、図7(a)は主要部分を表す側面図、図7(b)は制御の流れを同時に表す同ブロック図である。
【図8】回転工具の突っ込み量制御装置の別の実施例を示すもので、図8(a)は主要部分を表す側面図、図8(b)は制御の流れを同時に表す同ブロック図である。
【図9】変形例についての図6と同様の図である。
【図10】図9に示す変形例の正面図である。
【図11】図9に示す変形例の背面図である。
【符号の説明】
1 両面摩擦撹拌接合装置
2 固定フレーム
2A 上側水平フレーム部
2B 下側水平フレーム部
3,4 ワーク支持手段
3a,4a 支持ローラ
5,6 支持ローラ手段
5a,6a 支持ローラ
7 上側接合ユニット
8 下側接合ユニット
11,12 チャック部材
13,14 スプロケット
15,16 チェーン部材
W,W1〜W4 ワーク

Claims (3)

  1. 所定幅で長尺の複数本のワークを接合面が互いに突き合わせられるように並べ、この互いに突き合わせられた状態の複数本のワークをワーク長手方向に沿って移動させつつ、ワークの上下に向けて設けた上側および下側の接合ヘッドによって、前記複数本のワークの接合面間を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合装置において、
    前記ワークは、上側および下側の面板部がリブ部にて結合されるダブルスキン構造であり、
    前記上側および下側の接合ヘッドは、定置式であって口形形状の固定フレームの上側および下側水平フレーム部にワーク長手方向に直交する方向に移動可能にそれぞれ配設され、
    前記接合面が互いに突き合わせられるように並べられた複数本のワークは、ワーク長手方向の両端部が第1および第2のチャック部材で一体に結合され、
    第1および第2のチャック部材に第1及び第2のチェーン部材がそれぞれ連結され、
    前記複数本のワークは、ワーク長手方向における固定フレームの前後において、水平方向の軸線を有する複数の支持ローラにて支持され、
    前記第1および第2のチェーン部材を介して複数本のワークを送りつつ、前記上側および下側の接合ヘッドが、同一位置において、上下同時に摩擦撹拌接合する構成とされていることを特徴とする両面摩擦撹拌接合装置。
  2. 前記上側および下側の接合ヘッドは、それぞれ、先端の接合用回転工具をその向きがワーク長手方向に直交する方向に向くように傾動可能に前記固定フレームの上側および下側水平フレーム部に設けられている請求項1記載の両面摩擦撹拌接合装置。
  3. 前記固定フレームの下部は、地上面に掘られた窪み部内に位置するように設置されている請求項1又は2記載の両面摩擦撹拌接合装置。
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